ロボット1−1
階段を登った。さて、次の敵はどんなのかな。
と、何か展示してある。博物館にありそうなウインドウの中に、さまざまな資料と解説文があった。資料の方は、何が書いてあるのか分からないが、絵だか写真のようなものがあって、壮絶な感じを与えている。壁の所に日本語で解説文が載っている。それによると…
「これはある星の、遠い遠い将来の話である。人間の文明は限界まで発達した。科学力も大変なものだった。だがかれらは滅びた。かれらの祖先の生命を育んだ恒星が消滅しても、かれらの科学力で滅亡しない程の人類が、自分達の作り出した道具によって滅ぼされてしまった。
かれらは退屈していた。生きる為の困難のほとんどすべてを克服した人類は退屈していた。彼等に残された楽しみは、自分達の技術力を駆使して作られた、娯楽の為の道具だけだった。
その娯楽の一つが、性的な快楽を追求する道具だった。
彼等はある機械を作った。人間の性的快感をどこまでも満たしてくれる最高のロボットである。そのロボットは自動的に動き、人間を見つけ次第快感を与えるように作られた。労働の必要がない人類は、いつ快感にふけってもよかったのだ。
だがそのロボットはあまりにも精巧に作られ過ぎていた。人間を見つけ次第、次々に犯して行った。男女関係なく、生体反応があると即座に性的な快感を与え、生物を悦ばせ過ぎた。
始めの内は喜んでいた人間も、次第に危機感を感じるようになった。誰も本来の男女のセックスをしなくなったのである。対象は人間だけではなかったので、多くの生き物が絶滅した。生殖の活動をする前に、大量生産されたロボットがかれらの性欲を満たし、飽和させたからである。
人間もまた、例外ではない。男女のセックスはほとんどなくなり、もっぱらロボットに頼るようになった。子供の数は激減し、これに危機感を抱いたのだった。だが、ロボットはあまりにも強かった。兵器で太刀打ちしようとしても、ロボットには通用しなかったし、攻撃しようとした人間に逆に襲い掛かり、その快感で戦意を喪失させるのだった。
ロボットを避けて男女で交わり、子供を作ろうとしてもムダだった。ロボット達は生体反応を探し回り、特に男性の性欲をどんどん奪って行った。妊娠した女性も犯し、胎児の育成を悉く妨げた。
こうしてロボットに対処できなくなった人類は滅びてしまった。その星にはついに、ロボットと生殖のない生物だけが残った。ロボットは役目を終え、機能を停止した。まれに宇宙からの旅行者が訪れるが、旅行者は容赦なくロボットの犠牲になった。ロボットは生殖可能な生体反応があると、再び動き出す。
この塔のこの階では、その星からロボットを連れて来ている。現在の地球人には設計はおろか構想さえできないような、科学技術の粋をきわめた極上のメカを楽しんで貰いたい。」
この説明書の通りだとすれば、一つの星を滅ぼした文明の利器がこの階には沢山置かれていて、僕を待ち構えているという事になるな。このフロアの敵はロボット。それも超科学的な至高の搾精マシーン!
果たして僕はこの階を制覇できるだろうか。一抹の不安がよぎる。だが、進まなければ脱出できないし、これまで僕は人間だけでなく人知を超えた魔性の快楽にも対抗して来たんだ。がんばれば何とか乗り越えられるかも知れない。進むしかないんだ。
歩いていると、早速ロボットに遭遇した。美しい女性の姿をしたロボットだ。その目にランプがついた。
「ウイイイイン! キドウ カイシ。セイタイ ハンノウ アリ。シュベツ ヒューマン。セイベツ オス。タダチニ コレヲ イカセ マス!」
直立不動だったロボットが動き出した。その動きは素早く、恐らく少し浮いているのだろう、スイーッと僕に近付いて来た。あまりに突然だったので僕は一瞬怯んでしまった。その隙を突いてロボットは僕の体を両腕ごと強く抱き締めた。上半身が固められ、身動きが取れなくなる。
「しまった、クソッ離せ!」僕は足掻いてみるが、ロボットの力は強く逃れられない!戦闘しかないみたいだ。
といってもこちらの攻撃は出遅れている。ロボットの先制攻撃だ。ロボットは僕を抱き締めたまま、香水の香りを漂わせた!催淫効果もある特殊な香りが辺りを包み込む!僕は防御力を下げられた。
僕の攻撃といっても、両手は「気をつけ」の格好で抱き締められたままだ。動かせるのは下半身だけ。でも挿入攻撃はやめて置いた方がいいだろう。未知の敵、しかも一つの星を滅ぼした程の実力の持ち主だ。その具合は男を瞬殺できる位に計算され尽くしている筈だ。
幸い二の腕が動く。手を伸ばし、ロボットのお尻をまさぐった。ロボットの体の表面は特殊な素材でできていて、柔らかくぷりぷりしている。本物の女性以上にきめの細かい素材に超絶品のシリコン内臓だ。そしてミクロの毛穴から絶えず噴出される魅惑の香り。ロボットは表情も作る事ができた。得意そうな笑顔で僕の顔を覗き込む。頬が少し赤らんで恥じらいも演出されている。時々恥ずかしそうに顔を反らしたかと思うと、目を細めて遠くを見つめるように恍惚の表情を見せる。男心をくすぐるように計算されているのだ。その間も、柔らかい肢体が蠢き、むっちりした両足が僕の下半身をさすり続ける。
何とかしてこの拘束を取らないと。といっても力では叶わない。僕にできるのは…そう、倒れる事だ!
僕は柔道の要領でロボットの右足を引っ掛け、前方に体重をかけた。ロボットは後ろに倒れる。僕が押し倒したような格好だ。ロボットの柔らかさで、衝撃が吸収され、僕に痛みはなかった。だがロボットはそれでも腕を離さない!しまった、僕が上になったためペニスがダイレクトにロボットの体に密着している。ロボットは腰を蠢かせた。挿入に持ち込もうとしているみたいだ。させるか!
僕は横に体重をかけた。僕達は横転し、横になった。それでもロボットは手を離さず、自分のオンナにペニスを入れようとしている。だが僕が腰を引いている為にうまく行かない。ロボットは片足を持ち上げ、僕のお尻にふくらはぎを回して腰を引き寄せようとした。僕も抵抗する。
すると、力が足の方にシフトする。僕の体を拘束している輪状になった腕も、上下の動きについては少し弱かった。そのまま足の方にずれて行けば脱出できそうだ!
僕の顔がロボットの胸に来る。突然魅惑の香りがきつくなった。主にここから放出されているらしい。僕はさらに防御力を下げられたが、精神集中して乗り切った。
するり、と僕の体は拘束から外れた。これで反撃できる!僕はロボットのオンナに右手を伸ばした。
いや、僕がそう動く事も既に計算されていたのだった。右手でオンナの周辺を、左手で胸を愛撫していると、作り物の肌の感覚が変わって来た。段々ヌルヌル感が増している。ミクロの穴から放出できるのは香水だけではなかった。特殊なローションだ!ロボットは全身からこのローションを滴らせ、さらに相手の性感を高めるように作られているのだ。僕が拘束から逃れたというより、ロボットが拘束を解いてやったという訳か、ローション攻撃に移る為に。
ローションも催淫香水と同じ香りがする。左手がにちゃにちゃと音を立て始めた。スベスベした柔らかい肌にローションのヌルヌル感が加わり、左手に感じる女体の感触がさらに気持ちいいものになって行った。
ロボットは次の攻撃に移った。突然僕の上にのしかかって来た!ロボットから滲み出る粘液が僕の全身にどんどん移って来る。ロボットの表面だけでなく中にあるメカの部分も特殊な素材でできていて、驚く程軽い。その動きもスムーズで、僕の顔におっぱいが来る位に移動したかと思うとすぐにペニスにおっぱいが来る辺りまで移動する。するすると僕の全身をロボットが這い回っている!にゅるにゅるした女体が全身を駆使して僕の精力を削り取って行く。
このままでいたらイかれてしまう。僕も反撃に出た。ロボットの体を起こし、自由になった右手で直に女を攻撃する事にした。人差し指と中指に気を込める。秘儀、ゴールドフィンガーだ!高度を増した指がロボットのオンナをかき回す!
「!」
な、なんだこりゃ!ロボットの中は無機質には似つかわしくなく暖かく、多分同じローションだと思うが粘液で満たされ、キツイ締め付けが僕の指を飲み込んでいる!それだけじゃない。予想してはいたが強烈なバイブ機能も備わっている。強く大きくぶるぶるっっと震えたかと思うと小刻みな高速振動が波打つように指を刺激している。指の先端から根元にかけてウネウネと締め付けの力点が素早く変動してもいた。揉みしだかれているような感覚。
こんな中にペニスを入れてしまったら、一体どうなるんだろう?僕は戦慄した。
戦闘は始まったばかり。こっちも負けじと指でこねくり回す。だがロボットは無反応だった。両腕が僕の首に回される。もう僕の全身はローションまみれになっている。顔が近づいたかと思うと、キスをされた。唇も口周りも、口の中も、本物のように、あるいはそれ以上に滑らかだ。舌が口の中に入り込み、僕の舌をかき回す!ロボットから放出される唾液にも催淫液が含まれている。
待てよ。僕も多少の反撃をしているが、一体ロボットの精力ってどの位なんだ?それより元々ロボットに精力値なんてあるんだろうか。そもそもロボットは感じるようにできているんだろうか。石像の時の様に、性感帯を持ってないんじゃないか!?
よく見ると、ロボットの首の所にゲージがある。僕が指で責めると、ほんの僅かだがゲージが下がった。一応ロボットにも性感帯は内蔵されているらしい。多分オンナの所にだけ内蔵されているんだろう。ロボットの方も感じてくれた方が、男としての悦びも増すから。ただしロボットの感度はかなり鈍く作られているようだ。
だとすると、ロボットの体をいくら責めても無駄だ。指の愛撫にも限界がある。ペニスを挿入するしか、相手を感じさせる方法はないのか。だが地球人には想像もつかない程高度な科学力を持った文明が滅びる程の機械。指を入れただけで戦慄する程の計算され尽くした名器だ。入れてしまったらあっという間に一滴残らず搾り取られてしまうかも知れない。かなり危険な賭けだ。
あるいは敵はそれでも機械だ。電気か何かのエネルギーで動いている。という事はあのテクニック、電撃で相手にダメージを与える「プレジャーボルト」なら、相手をショートさせる事はできないにしてもうまく行けば性感帯を刺激できるかも知れない。向こうが科学の力ならこっちは魔法の力で対抗するか。でもプレジャーボルトは体力の消耗が激しい上、マーメイドの時のような失敗例もあるし、うまく行かなかったらそれこそ絶体絶命になる。これも危険な賭けだ。
リスクを避けて指攻撃で徐々に精力を削りながら、別の方法を探すという手もあるな。ロボットの弱点を探すんだ。でも長期戦になる。戦闘が長引くと男の側に不利なのは言うまでもない。さてどうしようか?
−選択肢−
ロボット1−2 正統派らしく挿入攻撃で直接ダメージ。
ロボット1−3 冒険家のようにプレジャーボルト。
ロボット1−4 策士として用心深く指攻撃。