色情霊1−3
 

 そうだ、金縛りにあった時は、声を出そうとするか、体のどこでもいいからちょっと動かせばいいと聞いたぞ。金縛りというのは、体が睡眠していて意識だけが起きている状態だ。だから、どこでもいいから僅かに体を動かすだけで、体も覚醒し、意識と一体となる。つまり金縛りから脱出できる。やってみよう。

 大声は相変わらず出せそうもない。なら、指でも動かしてみよう。

 僕は右手の小指の先を動かしてみようとした。ぴくっ…ちょっとだけ、小指が動いた。

 ふっ…

 途端に、僕は金縛りから脱出して、体を自由に動かせるようになった。と言っても、まるで朝起きたばっかりの時のように、体が重い。

 いや、ここで贅沢を言っている場合ではない。これで幽霊の攻撃に対抗できるんだ。

 幽霊は足を投げ出して座り込んでいる僕の目の前でしゃがみ込み、無表情だけどもの凄くなまめかしい顔を近付けて来た。そのまま一方的にキスをされる。とたんに心臓が高鳴り、僕は甘美な気分にさせられた。

 幽霊は正座をし、そのまま深々と礼をする。ずいぶん古風な挨拶だな…

 と、思いきや、幽霊は体を滑らせ、僕のペニスを掴み、いきなりそのセクシーな口に含み、ねっとりとした口腔内にくるみ込んでしまったのだ。

 ゆっくりと、大きく、フェラチオされ、僕は大きくため息をついた。

 その柔らかい唇が、ペニス全体をしごき、ぬとぬとした内頬に亀頭を押し付け、右手がペニスの根元を、左手が玉袋をしっかり押さえ、やさしく愛撫して来る。

 口の中の舌先が、裏スジの辺りをあちこち舐め回している。時には亀頭を喉の奥深くまでぐぐっと飲み込んで来た。

 これ以上相手の好きにはさせない。このままでは段々フェラの動きが早くなって、口の中に出してしまいかねない。

 僕は幽霊の頭を持ってペニスから引き剥がそうとした。

 すっ

 僕の両手は幽霊をすり抜けてしまった。そうか、エッチしている以外は触れる事もできないのか。

 それなら、と、僕は腰を引いて、後ずさりする。幽霊は尚しつこくペニスに喰らい付いて来るが、構わずに立ち上がった。

 幽霊は僕が動ける事に戸惑ったのか、きょとんとしている。あるいは計画でも練り直しているのか。どっちにしても反撃だ。

 僕は手を伸ばし、幽霊の胸を揉みしだく事にした。が、それでも僕の手は幽霊の体をすり抜けてしまった。

 「くそ、汚ねえな。自分が責める時しか実体化しないのかよ。」

 幽霊は妖しい笑みを浮かべたまま僕の懐に入り込み、抱き付いて来た。ふにふにとした女体の感触に意識が飛びそうになる。その上魅了の霊力を使って来るとは、思った以上の強敵だ。

 こちらが責めようとしても体をすり抜けてしまう。相手の攻撃だけは受けてしまう。気を抜くとますます魅了されてしまう。かなり戦いづらい相手だ。さて、どうしよう…

−選択肢−
色情霊1−4 挿入で攻撃
色情霊1−5 瞑想で精神統一

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