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掃除娘♪ 第一回


 ドジメイドを倒して先を急ごうとしたが、つま先にヘンな物体の感触。見るとバナナの皮が転がっている。こんな所にも落ちてたのか。こういうのがあるからドジメイドが転ぶんだ。僕はバナナの皮をつま先でチョイチョイと脇にどける。

 いや、メイドが転ぶのがカワイソウだから片付けてあげるんじゃないぞ。ドジハプニングでこっちに危害が加わらないようにだな……まぁいいや。

 「!」

 …よく見ると床のあちこちにバナナの皮が落ちている。一体誰がバナナを食べて皮をそこら辺に放り投げてるんだ。けしからん。こんなに一杯落ちててドジメイドがこれを踏んづける度に転ぶんだ。これじゃあ彼女はまともに歩けずに転びまくるぞ。いや、っていうか…その度に頭突きとか熱い紅茶ぶちまけ攻撃とかでこっちまで被害が及んではたまらん。

 ここはメイドの階なのに。メイドのクセに片付けとかしないんか。他の階はこんなに汚れてないぞ。ちゃんと掃除しろよ。…もしかしたらバナナを食い散らかしてるのもメイド本人だったりして。もしそうだったらゲンコツだな。

 ん?…掃除…。

 僕はバスケ少女の階の事を思い出した。この塔を掃除する子がいたような気が。

 そうだ、確かこの塔が汚れたら掃除娘があらわれてきちんと掃除してたんだ。だからどの階もいつも綺麗なんだ。

 それに比べてこの階と言ったら…散らかってるドジメイドのフロア。絶対職務怠慢だな!

 僕はあちこちに散らかってるバナナの皮を拾っては脇に放りながら段々フツフツと腹が立って来た。何で僕がこんな事しなくちゃいけないんだ…

 「こらーーー!!掃除係!とっとと掃除せんか!何だこの階の汚れ具合は!…怠けてるとしょーちしないよっ!」

 ついにジャイアンのかあちゃん@最強伝説の口調になってしまった。

 すると上から一本のロープが垂れ下がって来た。「ほいほーい♪」上からスルスルとミニスカの女の子がロープを伝って降りて来る。僕はなんだか嫌な予感がして数歩後ずさりした。

 「呼ばれて飛び出て掃除むす…ぎゃっ!」ドテーン!足を着いた所にバナナの皮。掃除娘は足を振り上げて派手に転んだ。瞬間ミニスカの奥が丸見えになる。白だった。

 掃除娘は後頭部を強打して目から火花を散らした。「い、痛い…」後ろ頭を抱えてうずくまる。泣くなよ。

 「…ほらみろ。掃除怠けてるからバチが当たったんだ。」「うう…」「この塔の掃除はお前の担当だろ?しっかり普段からまぢめにやってれば一々苦労しなくて済むんだ。」「ふぇ…」「見ろ。このフロアを。ゴミだらけじゃないかっ。つーか何でバナナの皮ばっかり落ちてるんだこの一帯は。」

 「あー、これは…」ロープを頼って掃除娘が起き上がる。痛みが引いてきたみたいだな。段々元気が出て来ている。

 「これはね。ゴミじゃないのよ。こーゆー仕様なの。ここの階のドジっ子が転ぶ為のアイテム。」「…ドリフかよ。」

 つまりドジメイドがわざと転んでトロさを演出する為にわざわざバナナの皮とかあちこちにばら撒いてて、それで彼女達がわざと転んでいると。パンツ見せたり抱き付いたり頭突きしたり。ドジメイドが小道具演出とは…待てよ、ヘンな小槌とか使ってたな。

 「はあ…」僕はため息をついた。

 「それで…。そーじの必要のない所にわざわざこの私を呼びつけた訳?」「ぅ…すまん…知らなかったんだ…。」

 …。ちょっと待て。何で僕が謝る必要が…でも言ってしまったのでもう遅かった。

 「このクソ忙しい掃除娘様をムダに呼び寄せてタダで済むと思ってんのぉ?」人差し指の指紋がぐるぐる渦を巻いて僕を指差す。彼女の目がランランと輝いていた。

 「わ、悪かった。次から気をつける。じゃ、がんがって掃除に励みたまえ!はっはっは。」

 「待たんかい!」立ち去ろうと踵を返した僕に回りこんだ掃除娘がぬずいっと詰め寄って来た。怒りというよりワクワクした表情に近い。

 「ちゃんと責任取りなさいよ!」「せっ…責任って…」「だーかーらー!…もぅ、レディに言わせる気?」「…。」

 まさか…イヤ〜な展開になりそう。

 掃除娘が僕をキラキラした瞳で見上げている。ちょっとより目に近い微笑が可愛らしかった。んー、只の雑用キャラと見てて今まで異性としてあんまり意識しなかったなあ。まさかこの掃除娘とやりあうのかな…

 この塔でセックスをするのは危険だ。そういう機会はできれば避けて置きたい。ってか何で彼女とそんな事を…いや待てよ、まだ彼女が敵と決まった訳じゃ…

 「さ。準備しようか。」「じゅ、準備って?」「もー!レディに言わせないでって言ってるでしょ!」「…あー。レディには言わせないよ。で、何の準備?」「うぬ…」

 「だってさ。そもそも君はこの塔の掃除係で、僕の脱出ゲームには関係ないんでしょ。それなのに勝負するって…」「あぁ。その辺は説明してなかったわね。あのね。たしかに私は掃除係として「ないと・めあ」さまに作られたんだけど、実は結構ヒマなのよね。」「え、そうなの?」「だって、ここは自然に埃が溜まる訳でもなし、セックスバトルの汚れをチョイと掃除すれば終わりなんだもん。それ以外やる事ないから、特別にめあさまに時間のある時にあなたに勝負を挑んでもいいって許可されたの。」

 「ってかアンタさっき自分で”クソ忙しい”って言ってたのにヒマなの?」「うっさい!」「…。」「という訳で、勝負よ!」「…。」掃除娘がワクワク展開を待ち望んでいるが、それに反比例するかのようにペニスがしおしおと萎えて行く。

 「なっ…!何よその態度!」「だって…」ウリウリと掃除娘の頭を撫でながら侮蔑の眼差しで彼女を見下ろした。なんか敵っぽくないんだよねえ。

 「いっ、言っとくけどね、私だってちゃんと女の体なんだから!脱がせて確かめて見なさいよ!」「いや…前も言ったかもだけど、アンタ掃除しか取り得ないじゃん。」「ふっふっふ。そう言うと思ったわ!でもね、今度会った時はちゃあんと勝負できるように準備してたのよ!」

 掃除娘は大きな袋からガサゴソ何かをイロイロ取り出した。「見よ!この”対男性用掃除キット”を!」

 真っ黒の雑巾。ダス●ン交換を全然してなさそうなモップ。シモの毛が付き捲りのコロコロ。ガムテープ。ハンディモップ。耳掻き。混ぜると危険なスプレー。歯ブラシ。綿棒。箒。スポンジ。柄の付いたタワシ。おせんにキャラメル。

 「…。」「どうよ。戦慄で声も出ないでしょ。」「…。」「さあ、掃除キットを駆使してあなたを悦ばせてあげるわ!」「…。」

 僕の顔がどんどん黒ずんで行くドンビキの気配に流石に掃除娘も気づいたようだ。

 「何よ。まだなんか不満でも?」「…それのどこがエッチ道具なんだ…」「このモップであなたの体を隅々まで洗ってあげる!コショコショしていい気持ちだよ?」「…」「後ねえ、このコロコロの粘着がオチンチンをペリペリしちゃう。すごいでしょ。」

 ごちーん!僕は思わず掃除娘にゲンコツを食らわせた。「ぎゃっ!いたーい!何すんのよ!」「アホか!そんな真っ黒なモップで僕の体を拭く気か!汚いわ!なんやその粘着テープ。毛だらけやないか!」「ダニとかいないから安心して。」「そーいう問題じゃねえ!」

 「…気に入らない?」「気に入るか!大体なあ、人体は掃除じゃなくて”洗う”ものだ!掃除娘の出番はネェ!」「あら。そんな事ないよ。人体でも”掃除”できるんだから。」「なっ…」「あんまりそういうのには慣れてないのね。じゃあ、誰でも”掃除”と認められる場所から始めましょう。」

 人体でも掃除だと?掃除と言える箇所があるとでも?一体…

 「じゃ、横になって私に膝枕して。」掃除娘が促す。彼女が手にしているのは…小さな掃除器具。耳掻きだ。ああ、「耳掃除」て言うもんな。たしかにそこだけは”洗う”んじゃなくて掃除だな。

 耳掃除だけなら危険でもないだろう。ついでだから彼女に耳掃除して貰うか。ずっと昔子供の頃に母親(今は他界)にして貰った経験があるけど、最近そういう経験はないからな。結構人に耳掻きして貰うと心地いいからね。そういう記憶がある。

 僕は掃除娘に膝枕した。

 ふにふにしたフトモモの感触が直に伝わって来る。正座した掃除娘のミニスカがますます捲れ上がって生足の露出度が高まっている。

 あんまり慣れてないシチュエーションにちょっと興奮して来た。「段々耳赤くなってるね」さっきまでの元気一杯の掃除娘が一転してやさしく語りかけるように上から囁きかけて来る。僕の耳が益々充血して行くのが分かった。

 「じゃあ始めるよ。」「…うん。」

 耳の穴の周りを綿棒がさわさわとくすぐり、穴の中に潜り込んで行く。ワタの部分の感じと絶妙な指さばきが、そしてガサゴソとくぐもった音が心地よい。

 掃除娘は耳掻きに持ち替え、やさしく僕の耳を掃除し始めた。くすぐったさとも違う、性的快感とも違う、何とも言えない心地よさが、耳から頭部に広がり、ゾクゾクと全身を痺れさせる。

 掃除娘は無言だった。掃除中はそれに集中しているのか。僕も無言だった。

 静寂の中で耳の穴の中で鳴り続ける小さな音。ドジメイドと違って掃除娘の方は仕事はちゃんとできるから、痛くなる事もなかった。

 「ホイ。交代。こっち向いて。」僕の左耳の掃除が終ったから彼女は右を上にしろと言う。

 僕が言われるままに向きを変えた。目の前は…掃除娘の下腹部だ。やっぱり女の子、臀部のふくらみも女の体つきをしてる。こうやってまじまじとこの娘を見るのは初めてだな。ちょっと上を見上げると思った以上にふくらみが強調されたバストと、僕の髪や顔を撫でながら微笑んでいる彼女の顔が見える。

 掃除娘は又さっきと同じように反対の耳を掃除してくれた。若い娘のお腹部分を見つめながら心地よい感触に眠気さえ感じるのだった。

 「…どうだった?」「…あぁ…すごくよかったよ。」「えっへん、私の実力を思い知ったか。」「…。」僕は心地よさに安心して脱力してる。

 「さあて。」掃除娘は僕を膝枕したまま側にあった袋に手を伸ばした。「さっきイロイロ取り出したのはほんの冗談よ。アレは本物の掃除器具。私が用意したのは…コレ!」

 掃除娘が取り出したのは、白いふわふわしたハンディモップだった。

 「コレねえ、ネコの毛よりもサワサワしてすっごい気持ちいいんだよ。オールシルク製!撫でるとツルツル!」

 しまった、これは戦闘だったんだっけ。耳掃除して貰ってまどろみの中に落とされ、つい安心して彼女のヒザに頭を預けっぱなしだった。

 僕は急いで頭を起こそうとしたが妙な満足感でどうしても動きがゆっくりになる。上から掃除娘に頭を押さえ付けられる。僕の頬に押し付けられる女性の手のひらの感触が柔らかい。

 「ほらほら。動かないの。コレで体中を掃除してあげるからね。」「んあ…やめ…」

 僕は手を伸ばして抵抗しようとしたが膝枕の体勢では素早い動きに転じられない。手で抵抗する以外のアクションが必要だ。ここは…

−選択肢−
ムリヤリ膝枕から脱出して身を起こす
このまま掃除娘に抱き付いて押し倒す

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