掃除娘♪ 第4回
女敵を倒しながら進む。目指すはフロアの上り階段。快楽に耐え、逆に快感ダメージを与えて美女たちを乗り越えていく。甘い魅力に抗うことの厳しさを知っているから、いつも気を抜くことがない。気を抜けば抜かれることも分かっている。心してかからねば。
ずり。ずり。
そう、この先どんな敵があらわれようとも、決して注意を怠らず、突然襲われても大丈夫なようにいつでも戦闘できるように体勢だけは調えておかねばならぬのだ。
ずり。ずり。
たとえ、どんなに弱い敵であっても、油断大敵、ウサギを全力で倒す獅子の如く、気を張って進まなければならないのである。
ずり。ずり。
…。
ずり。ずり。
「…。なにをしている…。」僕は立ち止まった。さっきから、僕の後ろをぴったり、奇妙なダンボールがついてきているのだ。ずりずり言うのはダンボールが引きずられる音だった。こんなことをするのはアイツしかいない。久々の登場だが、バカに磨きがかかったか。
「何してんだって聞いてんだよ!」ガスッ!ダンボールを上から殴りつける。ちょっとへこんだ。すると内側からバスバス音がし、へこんだ部分が押し戻された。大きなみかん箱の持ち手のところから視線が光る。「メ…」聞き覚えのある声がやっとでてきた。「め…?」「メ●ルギアそうじむすめ…」「氏ねよ!」がすっ!今度はケリを入れた。「ひっ、ひどいっ!(泣」「てか隠れながら進んでないじゃん。もろバレだし。」「うぅ…」
こんなことをするのはやっぱり掃除娘しかいない。声からしても明らかだった。で、何のつもりかと聞けば…やれやれだぜ。
「ほ…」「…ほ?」今度は何を言い出すのやら。「ほーっほっほっほ!良くぞ見抜いたわね!」「うっわ、ぎこちない笑い方。無理すんな。」「うっさい!…いや、うるさいですわよ!ワタクシもイメージチェンジして、りっぱなおねえさんに大変身したんだから。ほおっほっほほっほゴホッグハッ…!」「だから無理すんなよ。」
「だまらっしゃい! こっ、これを見てからヘラズ口をたたくがいいわ!」ばっ! ダンボールが上に跳んだ。同時にドライアイスと思われる煙が噴出し、中にいる掃除娘をシルエットに変えた。「以前太ったとかデブとか散々言われたから、一念発起して体を磨いたのよ!みよ、この雄姿を!ほっほっほー!」「…なんや知らんけど、だからってわざわざ煙幕張って演出しなくても。」「いーや!食べたいものも食べず、クリームも舐めず、脂をガマンし、一日一食のスパルタダイエットを続けてきて、やっとこの肉体に仕上げたんだから、この位の華々しい登場は当然よっ!」「…。」ダンボールだったくせに。…それにしてもムチャなダイエットは体に毒だぞ。大丈夫なのかコイツ。
霧が晴れるとシルエットがはっきり掃除娘の形に仕上がっていく。そこに表れたのは、見慣れたメイド服に身を包んだ掃除娘だった。「…たしかにやせたな。」「当然よ! ひもじい思いをして手に入れた肢体、たっぷり味わうといいわ!」「…ただやせただけではなさそうだ。」「ふっふっふ…良くぞ気づいた。」「…笑い方が元に戻ってるぞ。」「…はっ! ほ、ほっほっほ! 良くぞ気づいた!」「いーよやり直さなくて。」
たしかに、以前に比べればやせた。テレビを見てゴロゴロしている頃とは見違えるくらい変わっている。しかし、全体の肉が落ちたというだけではない。彼女なりに工夫したのだろう、胸部分と腰周りは痩せずに、以前と同じ豊かさを残していた。ただ食べないだけならこんなプロポーションにはならない。なにか別の努力もしたに違いなかった。
それも普通では考えられない方法なのだろう。その証拠に、いつものちっこい掃除娘ではなく、背が伸びている。全身がほっそりしているのに出るところは出ていて、とてもスタイルがよくなっている。顔立ちは掃除娘のままだけど、きりっと大人っぽく引き締まっている。髪も伸ばし、ウェーブをかけ、美しく染めていた。本人の言うとおりずっと大人っぽく、お姉さんな雰囲気がフェロモンとともにたっぷり滲み出ているようだ。ここまで変えるには普通の方法では無理だ。無理なダイエットをベースに、何か非現実的な力を使ったに違いない。
「このメイド服は、掃除をするときの仮の姿。変身を遂げた今となっては、戦闘用の服もあるのよ! これをみよー!」掃除娘はメイド服をみずから剥ぎ取った。その下からあらわれたのは、体型をぴったり強調するミニスカボディコンだった。出るところを出す美しい形が、くっきりと浮かび上がっている。すらりと伸びた足と引き締まったふくらはぎがセクシーだった。
「なるほど。しばらく会わないうちに強化されていたというわけか。」「そうよ。今までのワタクシとは思わないで欲しいわ。」そういいながら掃除娘は白い大きな袋からガサガサ何かを探し始めた。そして小型の掃除機を取り出したのだった。「…いや、この期におよんで道具に頼るところなんざ、今までどおりの掃除娘だよ…」僕はため息をついた。表面は変わってある程度レベルは上がったと見えるが、性格とかは基本的に変わってない。だめだこりゃ。
「ほっほっほ。この掃除機をただの掃除機だと思っちゃだめよ。以前は軟弱なつくりだったから簡単に壊れたけど、今度は装甲車並みに強化されているから、ゾウが踏んでも壊れないッ!」「…。」「それだけじゃないわ。攻撃力も格段にアップ、対男性用掃除機としては最高峰のできよ!」「…もう掃除機じゃねえだろ、それ。」
掃除機の形をした奇妙な機械は、吸い込み口が特殊で、内部に特殊シリコンの割れ目ができている。たぶんココにペニスを入れ、スイッチを入れると吸い込みながら揉みしだいたりバイブしたりという構造なのだろう。ようするに普通に大人のおもちゃじゃんか。あいかわらず芸のない…
掃除娘がスイッチを入れた。ヴイ〜ン!ピピピピ…。掃除機のボディに取り付けられたマイコンがピコピコ音を立てる。「!」突然掃除機のホースが勝手に伸び、先っぽがペニスめがけて飛んできた。突然の展開によけきれない! 「うわっ!」「これぞ自動ちんちん追跡装置! どこへ逃げようとスイッチを入れたが最後、どこまでも追いかけていって吸い取るッ!」「うっく!?」
掃除機があっさりとペニスを飲み込み、オンナそっくりの、あるいはそれ以上の柔らかシリコンがやさしく包み込んだかと思うと、きゅっと強く締め付け始めた。同時にバイブが襲い掛かる。「お…おのれ…」
「それだけじゃない。第二スイッチオン!」掃除娘が別のスイッチを押すと、内部のおもちゃが蠕動しながらペニスをゆっくりしごきあげ始めた。特殊シリコンには微細な穴が無数に空いているらしく、催淫ローションがじわりと滲み出て内部をしっとり濡らしてくれた。しごくスピードは時間を追うごとにだんだん速くなっていく。
「ほーほほほ! これでトドメよ。第三スイッチオン!」「…あ、あひっ!」僕は突然の快感にゾクゾク震え、大ダメージを受けた。掃除機ホースの別の口から薄いシリコンの膜が飛び出し、犬の舌のように大きくぬるぬる湿った物体が僕の玉袋全体を執拗に舐め始めたのだ! ペニスへの快感に加えて射精を促す人工イボイボ舌攻撃が、僕をあっという間に高めていった。シリコンの膜は精巣に精子を溜め込んでおくのを許さない。どんどん搾り出そうと掃除機全体が恐るべき搾精装置となって僕に襲い掛かっているのだ。
「! …んあっ!」僕の足に女のスベスベなま足が絡みついた。いつの間にかボディコン掃除娘が背後に回り、鍛えぬいたシコシコの足をやわらかく僕に刻み付けていたのだ。その細い指先は僕の乳首をしっかり捕らえている。僕が掃除機に気を取られている間に上半身をはだけていたらしく、掃除娘の大きなバストが僕の背中に吸い付いて離れない!
「どお? 道具攻撃といって馬鹿にしてたけど、なかなかイイでしょお?」「うぅ…」「さあ、このまま私に身を任せて、いっぱい精子を出して頂戴♪ ぜーんぶ掃除機の奥に吸い取ってあげる。これぞ文字どおり精子スイーパー、掃除娘の真骨頂よ!」なるほど、掃除機というだけあって、精巣の隅々まで掃除しやがるというわけか。精子が一匹も残っていないように、すべてかき出してしまう恐ろしい装置だ。以前よりも格段に成長してやがる。
そろそろ反撃しないと本当にやばいぞ。掃除機の攻撃力は侮れない。モタモタしているとあっという間に抜かれてしまう。掃除機の攻撃に耐え、この魔の道具を克服するのを取るか、それとも掃除機を無視して大人っぽくなった掃除娘を倒す捨て身の作戦を取るか。どうすれば打開できるのだろう…?