『キミだけを見ている』扉>>>

○第6話○ それぞれの日常(その1)


◇朝の風景◇



「まりえ〜寝坊した、今日朝飯いらないからもう行く」
「えっ」

 ドアの外からあおいの声がして目が覚めた。

 あれ?
 もう朝だ・・・・・・・・・

 急いで一階に降りて玄関まで行くとまだ靴を履いているあおいがいた。

「私も寝坊しちゃった 起こさないでゴメンね〜」
「い〜の、今日は有給で休みなんだろ? ゆっくり寝てなって」
「ん、じゃ行ってらっしゃい」

 そう言うと振り返ってニッコリ笑うあおい。

「寝ぼけ顔のまりえもカワイイね、じゃ 行ってきます」

「気をつけてね〜♪」

 我が弟ながら何てカワイイのかしらっ
 これだから甘やかしてしまうのよね。




「ふぅっ」

 なんだか目が覚めちゃった・・・起きちゃおうかな。
 ダラダラ寝るの好きじゃないし。

 そのままリビングに行くと、テーブルの上に教科書とノートが無造作に置いてある。


 あれ?
 これって、今ここにあっても大丈夫な物?

 手にとって、パラパラと捲ると懐かしい問題の数々。


「基礎解析か・・・・・・今日無いのかな?」

 急いで2階に戻り、私の隣にあるあおいの部屋へ駆け込む。

 時間割は・・・・・・あ、5時間目か。






その2へつづく

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