あれから丸二日経っている。
トモエは相変わらず拷問部屋に監禁されたままだ。
だが、待遇自体は悪くなかった。
食事はきちんと一日三食あったし、入浴も部屋備え付けの浴室を自由に使える。
特に拘束もされていなかった。

だが、部屋には窓などなかったし、出入り口は一箇所のみ。
当然のように施錠されているから、いかに武者巫女とはいえ得物なしでは戸を破ることも叶わない。
護符もない。
霊力はもともと攻撃的な力ではないから、この能力を使って門番を倒すことも出来なかった。
巫女たちは、互いの霊力を使ってテレパシーのように通信することが可能だったが、何度やっても誰も出てくれ
なかった。
距離制限はあるから、霊波の届くエリアにはもう巫女はいないのかも知れない。

「……」

トモエは石畳の床に腰を下ろし、膝を抱えていた。
戦はどうなっているのだろうか。
大陸軍は、相変わらず領民や捕虜たちに非道な仕打ちをしているのだろうか。
新都となっているカマクラはまだ無事だろうか、そして武者巫女局長や帝は健在なのか。
そんなことを考えていると、居ても立ってもいられなくなる。
食事を持ってくる兵に聞いてみても、何も答えてくれなかった。
下級兵ならそんなことは知らないだろうし、もしかしたらトモエと言葉を交わすなとアルドラから指示されているかも
知れなかった。

ガチャガチャと錠を外す音がした。
トモエが顔を上げる。
まだ食事や入浴の時間ではないし、トイレに行きたいわけでもない。
分厚い木製の扉がギィと軋んだ音を立ててゆっくりと押し開かれる。
見たこともない男が入ってきた。

「……あなたは?」
「はじめまして、かな。僕の方はもうきみを何度も見ているけどね」

ちょっと見た目はヒトに見える。
だが、肌は濃いグレーであり、とてもまともな人間とは思えなかった。
それに、よく見れば背中には醜い大きな翼があった。
西洋にいるという物の怪──悪魔そのものの姿だ。
異心同体であるアルドラは、完全にデルモアの中に取り込まれている。
普段デルモアが出る時には、取り込まれたアルドラも見えているのだが、今回は引っ込んでいるようだ。

「あ、悪魔……?」
「悪魔? まあ、そうかな。僕はデルモア。もともとは天使だったけど、色々あってね。住処を冥界に引っ越したのさ」

声だけは澄んだ若い美声である。

「だけどきみも粘るね。あまり意味がないと思うんだけど」
「……」
「あんまり頑固なんでね、アルドラも匙を投げたよ」
「……ではどうするというのです。殺すのですか」
「そう思うかい?」
「解放してくれるとは思いませんから」
「そりゃそうだ」

その涼やかな声が笑った。
トモエは不思議な気持ちになっている。
敵であり、酷い仕打ちをしている相手なのに、声だけ聞いていると、そう憎めなくなっていた。

だが、これはチャンスかも知れない。
デルモアがどの程度やるかはわからないが、相手はひとりである。
丸腰とはいえ、武者巫女は無辜で戦う術も身につけている。
無論トモエもそうで、格闘技でも一流だ。
すうっと音もなく立ち上がると、片足を引いた。
デルモアが戯けたように言った。

「おっと、もうやる気になってるね。綺麗な顔が殺気立ってるよ」
「……」
「でも待って。僕はそんな物騒なことをする気はないよ」
「では何だというのです。私を閉じ込めてどうするのですか」
「わからないかなあ。こんな美人を捕まえてるんだから、男ならすることはひとつだろう?」

トモエが眉間を寄せた。
背後から、ゆらっと怒りのオーラが立ち上る。

「……私を辱めようというのですか。そんなことをあの誇り高い女王が許すとでも?」
「ああ、アルドラね。一応許可は取ったよ」
「……」
「でもねえ、あの娘も少し堅すぎるね。少し窮屈になってきたよ」

黙って見返すトモエに、悪魔が近づいてくる。

「ま、そんなことはどうでもいいや。じゃあ、おとなしくしてもらおうかな」
「……従うと思ってるのですか」
「思ってないけど、従わせるさ。ほら」
「あっ!」

いつの間にか、トモエは右腕を掴まれていた。
デルモアがいつ手を伸ばしてきたのか、トモエにはさっぱりわからなかった。
警戒していたのだ。
なのにまるで気づかなかった。
トモエの白い手首に悪魔の黒い指が食い込む。

「く……、離して! 離しなさい、無礼者っ!」
「そうはいかないさ。それ!」
「おぐっ!」

トモエの鳩尾にデルモアの拳が叩き込まれた。
目が飛び出そうなほどに衝撃を受け、一瞬、呼吸が止まる。
その苦しさを堪えて、武者巫女は腰を大きく回転させてしなやかな左足を悪魔の腰に蹴り込んだ。
回し蹴りだ。

「あっ」

巫女の脚はあっさりと跳ね返されていた。
まったく効果がなかった。
むしろ蹴った方のトモエの脛に激痛が走った。

「くっ……」

今度はデルモアの腰に左手を回し、右膝を打ち込んでみた。
腰骨ではなく腹部にぶち込めば、いかに悪魔でも堪えるだろう。
さっきトモエが受けた苦痛と同じものが与えられるはずだ。

「……!」

ところがこれも跳ね返された。
トモエの膝は、まるで板にでも打ち付けられたような衝撃を受けた。
デルモアはクリーチャーではなく、ヒューマンタイプの魔物なのだから、あんなところに骨があるとは思えないのに、
まったく効果がない。
驚くべき腹筋だった。
デルモアは余裕の笑みを浮かべていた。

「噂通りのじゃじゃ馬だ。さすがに武者巫女の頂点にいるだけのことはあるね」
「黙りなさい! は、離して!」
「だけど、少しはおとなしくしてもらわないと困る」
「あぐうっ!」

トモエは思い切り頬を叩かれた。
これも板きれでひっぱたかれたかのような威力だ。
一発で意識が遠くなる。
左頬を叩かれた後、右の頬もしたたかに平手打ちされた。
その衝撃たるや、頭蓋の中で脳がガタガタ揺れたかと思うほどだ。
脳震盪寸前の状態でふらついたトモエに、また拳が腹にめり込む。
思わず屈んだところで、その背中に容赦なく肘鉄が打ち込まれた。

「ぐうっ……!」

さすがにトモエはがっくりと膝を突いた。
辛うじて意識を保っているのは、巫女の意地か、それとも日頃の鍛錬の成果か。

それでも、もうろくに抵抗も出来ない。
そんなトモエの服をデルモアは剥ぎ取っていった。
下半身は緋袴もなく、例の細い下着だけだったからすぐに破り捨てられ、白い巫女服も引き裂かれるように脱がされた。
それだけでもう全裸である。
ただ、トモエのトレードマークでもある鉢がねはそのままだったし、白足袋も履かされていた。

その状態で、デルモアは手枷を掛けていった。
縄で縛るのではなく、木製の手枷だ。
厚い木の板にふたつ穴を開けて、それを横に割ったものだ。
穴に手首を入れさせ、上下の板を金具で止める。
木製の手錠のようなものである。

手枷を嵌めると、デルモアは囚われの巫女を丸太台に乗せた。
トモエは手枷された両腕を頭上にバンザイの形で持って行かれた。
とはいえ、枷の穴の間隔は20センチほどしかなく、両腕は耳にくっつくほどだ。
デルモアは、腹部と背中の鈍痛に呻くトモエの膝に縄を掛けていく。
天井にある滑車に引っかけ、一本ずつ吊していった。
両脚は90度くらいに開かされている。
裸の胸はもちろん、腋の下、そして開脚させられて股間まで露わになっていた。
あまりにも恥ずかしい格好に、トモエは顔を真っ赤にして身を捩った。

「こっ、こんな格好っ……」

身体を揺すっても、せいぜい腰や背中が少し持ち上がるだけだ。
手枷がガタガタと音を立て、吊られた膝から先の下肢がぶらぶらと揺れ動いている。

「なっ、なぜこんな格好をさせるのです!」
「……」
「み、見ないで! 見ないでください!」

悪魔の目がいやらしく光り、その視線が恥ずかしい箇所に集中している。
嫌がって揺れ動く乳房や、剥き出しになった腋、清楚な形状のヘソ、艶めかしいほどの太腿、豊麗としか言いようのない
見事な臀部。
そして股間に潜む女の秘密。
そのすべてが、この卑劣で淫猥な悪魔の目に晒されている。
トモエは羞恥と屈辱と怒りで全身を赤く染めていた。

「聞こえないのですか! 見てはいけませんっ、見ないで!」
「……いやあ、すごい身体だよ。おっぱいも大きいし綺麗だ」
「いっ、いやらしい! はしたないこと言わないで!」
「僕は褒めてるんだけどな」

デルモアはトモエの言葉を受け流し、感嘆したようにつぶやいた。
何歳だかわからないが、この肉体はどうしたことだろう。
熟れきった女の肉を若い娘の肌で覆ったかのような素晴らしい身体だ。
どこもかしこもぷりぷりむちむちと肉感的だし、それでいてちっとも太っている印象がない。
グラマラスなのに、ウェストがきっちりと締まり、腰がくびれているのだ。
腰が細く、膝や足首がきゅっと締まっている。
それでいて、腿も太いが太すぎるイメージはない。
尻も大きいのに、デカ尻という感じがしない。
まさに絶妙のバランスなのだろう。

デルモアは知らなかったが、トモエの身長は160センチほどで、サイズは上から87−57−85である。
ミスコン世界レベルのスタイルと言えるだろう。
胸も爆乳というレベルではないのだろうが、充分に巨乳である。
乳首は幾分小さめで、色は乳輪と同じく薄いピンクだ。
乳房も尻も大きいだけでなく、形が見事だった。
一流の彫刻家が丹精込めて彫り上げた美神といっても通用しそうである。

そして、その見事な裸身を包んでいる肌がまたいい。
真っ白である。
と言って、ベタベタと白ペンキを無造作に塗りたくったような白さではなく、皮膚が透き通るような透明な白さなのだ。
柔らかそうでいて張りもある。
触れれば指を弾きそうな弾力を持っていそうで、そのくせ男の指に吸い付いてきそうな柔肌だった。
さすがのデルモアも思わず生唾を飲み込んだ。

「美しい素肌だ……。透き通るようじゃないか」
「……」

男に肌を観察される恥ずかしさに、トモエは目を堅く閉じた。
悪魔の感心するような言葉が続く。

「どうしたらこんな肌理の細かい肌になるんだろうね。とても厳しい鍛錬をしているとは思えないよ。ん?」
「やっ! 触らないで!」

デルモアがそっとトモエの腕や肩に指を這わせた。

「ああ、可哀想に……。こんな綺麗な肌なのに、まだ跡が残ってるよ。アルドラも容赦がないからね」

三角木馬で責められた際、背中や腕、胸までもアルドラに竹で打たれた跡だった。
真っ赤になって腫れ上がっていた肌も回復したかに見えたのだが、まだうっすらと赤い筋が残っている。
そこをすっとなぞられると、びりっと痺れるように痛んだ。
そんなトモエの動きを愉しみながら、デルモアはその裸身を観察する。
これだけの肢体を持った女が、よくもまあ今まで処女でいられたものだと感心した。

妖魔も人間と性交は可能である。
そもそもアルドラは魔族と人間のハーフなのだ。
属によっては女もいる魔もあるが、アルドラたち悪魔に女性はいなかった。
よって、悪魔が子孫を残す時には近種である人間の女を誘惑し、あるいは拐かしてセックスするのだ。
冥界には、そうして囚われた人間の女も多数存在する。
デルモアは、トモエを見ているうちに、この女を何としてもものにしたい。
自分の女として冥界に連れ帰りたいとまで思うようになっていった。

だが、タダでは出来そうにない。
この武者巫女の膣には、処女を魔から護るための神札があるのだ。
しかも魔力が強い者ほど、その効果が覿面に出るらしい。
うっかりペニスを挿入しようものなら命に関わるかも知れないのだ。
デルモアは人差し指を出し、それをトモエの中に入れようとした。
察したトモエが叫ぶ。

「何をするの! やめさない、穢らわしいっ! さっきの無礼な兵隊や、おかしなヒトダマのことを忘れたのですか?!」
「憶えてるさ。だから自分の身体で確かめようかと思ってね」
「……愚かな」

トモエはそう吐き捨てたが、やはり嫌悪感はある。
いくら魔に威力があることはわかっていても、そんなところにいじられたり指を入れられるのはイヤだった。
女なら誰でもそうだろうし、まして相手は悪魔である。
神聖なものに仕える者として、穢れた魔族に触れられるなどおぞましくて寒気がする。

「んっ!」

デルモアの細身の指がトモエの膣に触れる。
ざあっと鳥肌が立った。男の指がゆっくりと女の膣内に挿入されていく。
トモエの下腹部が僅かに内部から光ったように見えた。

「うぐっ!」

デルモアが弾かれたように指を抜いた。
膣に挿入した人差し指の第二関節から先が消滅していた。
トモエの結界に触れ、爆発的に焼失してしまったらしく、第二関節部が溶けかけており、白い煙が上がっている。
見ればトモエの膣口からも、煙草の紫煙のように細く煙が伸びていた。

「これは……かなりのものだね」
「ほらご覧なさい。大神に仕えた巫女を辱めるなどという大それたことはやめるのです。それがあなたのためです」
「それが、そうもいかなくてね」

溶解してしまったはずの指がまた生えてきた。
驚きの表情でそれを見たトモエの細い顎を、デルモアはにやりと笑って掴んだ。
そしてその整った美貌を覗き込みながら宣言した。

「何としてもきみの身体を……、いいや、きみを僕のものにする」
「……無駄だと何度も言っています」
「そんなこと言えるのも今のうちさ。最後には僕にしがみついて「抱いて欲しい」と頼み込むようになる」
「だっ、誰がそんなこと……!」
「試してみるさ。それよりきみはまだ処女なんだよね?」
「……知れたこと」

明け透けな問いに、トモエは顔を背けて答えた。
その頬が薄く染まっている。
恥ずかしいのだろう。
身体を少し捩っている。
脚ももぞついていた。

それを見て悪魔も気づいた。
どうもこの女、未経験な上に堅すぎる故に、かなり恥ずかしがりなのだろう。
ということは羞恥責めが効くかも知れない。
魔族は人間の女をものにするため、様々な性技を会得している。
肉体的な責めはもちろん、精神的なものも応用する。
トモエの場合、恥辱的な行為や羞恥が有効らしい。

「じゃあセックスしたことはない、と」
「せ……『せっくす』……?」

何のことだろうと思ったトモエは、あることに思いついてたちまち頬を真っ赤にしてしまう。

「は、はしたない!」
「ああ、この国ではそう言わないんだったね。「同衾」とか、「しとね」や「閨」を共にするとか言うんだよね」
「……」
「単に「関係する」とか「契り」とか「肉のつながり」とか……」
「いやらしいことばかり言わないで!」

トモエは激しく顔を振った。
そんな言葉は聞きたくなかった。
他国とほとんど関わることなく独自の発展を遂げたこの国の言葉は、デルモアの言う通り大陸の言語文化とは異なっている。
だが、近年になって大陸との貿易、交流が盛んになるにつれ、異国の文化や言葉も入ってくるようになっている。
その中には性用語もあった。
性に関心を持つ年頃の多い巫女たちも、隠れてそうした話題をすることもある。
トモエも彼女たちからその言葉──セックスという単語を知ったのだった。

「で、きみはまだそのセックスはしたことがない、と」
「……」
「でも、これからきみとセックスするのに、そういう言葉の意思疎通がしにくいのは問題だなあ」
「わ、私はあなたとセッ……、あ、そんなことはしませんっ、絶対に!」
「まあまあ。それも意思疎通が図れないせいさ、互いに教え合おうよ」
「……ど、どこを見ているのです!」
「どこって、ここさ。女の大事なところ。ヴァギナ」
「ば、『ばぎな』って……その……」
「ん? ヒノモトではマンコって言うんでしょ? オマンコ」
「……!」

清純な武者巫女は、信じられないという顔で悪魔を見た。
どうしてこの男は、そんなはしたない言葉を平気で口に出来るのか。

「おやおや、また赤くなってきたよ。これくらいで恥ずかしがってちゃ、先が思いやられるな」
「……」
「ほら、言ってみて。ヴァギナって」
「……」
「言えない? じゃあ言い慣れてるオマンコでもいいよ」
「いっ、言い慣れてなんかいませんっ!」
「なんで? 自分の身体の一部でしょうに。オマンコのことを言わなくちゃならない時はどうしてるの?」
「しっ、知りません!」

そういう時は普通「あそこ」という代名詞を使っている。
これは隠語にもなっていて、実際、「あそこ」と言えば女性器を示すことも多い。

「オナニーもしたことない?」
「……? お、「おなにー」って……」
「あ、知らない? ヒノモトだと何て言うんだ? 自慰とかセンズリとか」
「……」
「わからない? 自分で自分のオマンコいじって良い気持ちになることだけど」
「な……!」

そう言えば聞いたことがある。
男たちがそうすることを、確かにセンズリとか言っていたはずだ。
巫女仲間でも、性的に進んだ娘などはそういうことを話していたこともあった。
だが、トモエにとってはとんでもないことだった。
性器を自分でいじるなど(他人にいじられるのも真っ平だが)考えられない。
いやらしいというよりも汚らしい気がした。
ふつふつと怒りが沸いてくる。

「あ、あなたは……」
「ん? なんだい?」
「どうしてそんなことばかり……、いやらしいことばかり言うのですか! 恥はないの!?」
「そりゃあそうだよ。僕たちは天界の連中とは逆のことで喜ぶのさ。欲望に忠実なんだ。殺したいから殺す、女を犯したい
から犯す。そのどこが悪い? いやなら抵抗して僕らを殺せばいい。殺されるのはイヤだが、僕らもそうしてるんだから、
そっちがそう思っても文句は言わないさ」
「……」

トモエは絶句していた。
あまりに刹那的であり、荒んでいる。
ヒノモトでは、こうした者どもを教え導くのは僧侶の仕事だが、彼らにもこんな男の矯正は不可能だろう。

「それに、生物である以上、メスを犯したいと思うのは当然だろ? それを我慢してどうするのさ」
「あ、相手の気持ちは……」
「そんなものどうでもいいさ。同意してくれるとは限らないし、むしろ無理矢理に犯す方がオスとしては愉しいじゃないか。
さっきも言ったろ? イヤなら戦えばいい。僕も相手に敵わないとなれば逃げるしね」
「……最低ですね」

返す言葉もなかった。
魔族と人間がわかり合うことなど不可能なのだろう。
デルモアはなおも意地悪い質問をしてきた。

「次はね、アナル。アナルって知ってる? アヌスでもいいけど」
「あ、「あなる」……? 「あなる」って……」
「知らないか。ふふ、それはね……、ここのことだよ!」
「あ、ひっ!? そ、そこはあっ!」

あまりのことにトモエが絶叫した。
こともあろうにデルモアは、肛門に触れてきたのだ。

「なるほど。こっちには結界はなさそうだな。神札とやらはアヌスの中にはないんだね?」
「ど、どこを触っているのです!」
「どこって、だからアヌスだよ。肛門。お尻の穴さ」
「こ、こうも……! 何てことを口にするのです! はしたないにも程がありますっ!」
「そんなことないさ。だって、誰にだってあるものじゃないか。僕にもあるし、ほら、きみにも」
「ひっ! そんなところに触っちゃいけませんっ! あ、指でしないで! き、汚いっ、穢らわしいっ!」
「汚いのはそっちだろうさ。さっきだって、きみはこのお尻の穴からたっぷりと……」
「いやあっ! 言わないで、言っちゃいや!」

排泄器官なのだから汚いというのはわかっている。
だがトモエが言っているのはそういうことではない。
そんなところに興味を持つ、触ってくるという行為自体が汚らしいと言っているのだ。

「なんでそんなところをっ……! おかしい、あなた、おかしいわっ!」
「そんなことないよ。だって男同士で愛し合う時はここに入れるんだから。ヒノモトにだってあるんだろう、そういうのが。
「衆生の契り」とか言ったかな」
「……」

それはトモエも聞いたことがある。
武士たちの中には、女ではなく男同士で交わる者がいるらしい。
ややもすると男女の性行為ですら不潔だと思ってしまうほどに純粋なトモエにとって、女同士も含めて同性間の性交など
信じられなかった。
しかし、武士だけでなく知識階級の最先端にいるはずの僧侶の中にも、そうした者がいるらしいことは聞いているし、
巫女の中にも女同士でまぐわっている者がいることも薄々気づいていた。
穢らわしいとは思ったものの、あくまでその人の問題として、なるべく知らない振りをし、関わらないようにしていたのだ。

「知ってはいるみたいだね。ここはね、男同士じゃなくて男女でも使うことがあるんだよ」
「そんなことは知りませんっ! い、いいから、もう触らないで、あっ、いや!」

トモエがあまりにアヌスで反応するので、デルモアは面白がって揉んだりいじっていく。
まだとても快楽どころの話ではなく、ただひたすら嫌悪感と汚辱感しかないのだろう。
だが、道具としては良さそうだし、感度も悪くなさそうだ。
デルモアはほくそ笑んで、ようやく手を引いた。

「じゃ、最後だ。ペニスって知ってる?」
「……」

トモエは返事もしなかった。
またどうせ、淫らな言葉に決まっている。
それが何のことだかさっぱりわからなかったが、語感からしてもいやらしい気がした。

「わからない? でも言ってみてよ、ペニスって」
「……」
「わかったよ、じゃあこっちを見て」
「……? あっ!」

言葉に釣られ、ついそっちを見てしまったトモエは心底後悔した。
トモエの目の前で、デルモアが自分の男性器を突き出していたのである。
これ見よがしに腰を振り、半勃ちした状態の肉棒をぶらぶらさせていた。
トモエは一瞬、大きな目が零れそうなほどに見開いてから、慌てて顔を背け、目を堅く閉じて叫んだ。

「い、いやっ!」
「わかったかい? ペニスってのはこれさ。男のモノだよ。この国ではいろいろ呼び名があるみたいだね。男根? ちんちん? 
ちんこ? ちんぽこ? 「ちんちん」なんて可愛い呼び名だね、あはは」
「……」

巫女の頬が燃えるように赤く熱くなっている。
トモエはこの歳になるまで、まともに男性器を見たことなどなかった。
セックスの経験もないのだから当然と言えば当然だが、子供の世話をしている時に見てしまうこともある。
だがそれは、性器などといういやらしい単語で表現されるような禍々しいものではなく、デルモアの言う通り、どちらかと
いうと愛らしいものだった。
見るともなくそれを見てしまうと、何となく微笑んでしまうようなアイテムだったのだ。
その可愛さに、つい触ってみたくなったこともある(結局、触れることはなかったが)。

しかし、デルモアが見せびらかしているものは、いかにも女を求めている肉の凶器という感じがする。
トモエは頭を振ってそのイメージを追い出そうとするのだが、一度しっかりと見てしまったものは、瞼の裏に焼き付いている。
想像以上に大きなものだった。
トモエがいくら奥手だとはいえ、それなりの性知識は教えられている。
その教育が正しいとすれば、あんなものが自分の「あそこ」にある小さな穴の中に入るということだ。
とても信じられなかった。
あんなものを入れられたらあそこが裂けるに違いない。
身体が壊れてしまうだろう。
初めての時、女性は出血するらしいが、それは裂けてしまうからなのではないだろうか。

そんな想像をすると、ガタガタ震え出すような恐怖感とともに、何とも言えない不可思議なもどかしさも覚えてしまうのだった。
それをひた隠すように、トモエが叫ぶ。

「し、仕舞って! そんなもの早く仕舞って下さいっ!」
「見るの初めてなんだろ? よく見ていいよ」
「見たくありませんっ!」
「そうかい? ま、いいさ。これからイヤでも見なきゃならないことになるんだからね」
「そんなことにはなりませんっ。いいから早く仕舞って!」
「ペニスを見たくらいでそんなに動揺してるようじゃ、先が思いやられるな。これからきみの「四つの処女」をこいつで
戴こうと言うのに」
「四つの……?」
「まだわからなくていいさ。ものには順序ってものがある」

デルモアはそう言って右手を掲げ、パチンと指を鳴らした。
すると彼の周辺にふっ、ふっと使い魔たちが現れる。
巫女はそれを睨むようにして言った。

「……またそんな妖魔を使おうと言うのですか。無駄です」
「確かにきみのマンコに入れようというのは無駄のようだね。だけど……」

デルモアの言葉を合図に、ミニオンたちがすうっとトモエのもとへ飛んで行き、その裸身に群がった。
何をされるのかという不安の中、トモエは必死になって目を開き、迫ってくる邪妖怪を見つめている。

今まで気づかなかったが、側で見てみると、そいつはただの火の玉ではなかった。
目玉しかないような球体からは小さな腕がちゃんと二本生えている。
おまけに、目玉の下の方が横に割れることもあった。
どうやら口らしい。
というのも、そこから小さな小さな舌が覗くことがあったからだ。

あまりにも不気味な形状に、トモエはぶるっと身震いした。
物の怪退治が日常化していた武者巫女にとって、妖怪など見慣れているはずだった。
しかし、普段は護符の神通力によって、弱い妖怪などは武者巫女に近寄れもしないし、立ち向かってくる相手は斬り捨てる
だけだった。
こうも目の前でまじまじと見たことはなかった。
ヒトにはない邪悪そうな顔つき(目つきというべきか)と、小さいが冷酷で残虐そうな口元と、そこから見える牙と舌。
そのどれもがおぞましく、また淫猥に見えた。

「な、何をする気なの……。あ、きゃあ!」

一匹がトモエの左乳房に吸い付いた。
「あっ」と思う間もなく、他の二匹は右の胸に群がった。
続けてもう一匹がまた左の乳房に向かっていく。

「んひっ!? や、やあっ! なに、これっ!? ひゃああっ!」

トモエは乳房に何やら冷たいものがぺたりと張り付いたように感じた。
右も、左もだ。
小高い白い肉丘に、ミニオンたちが群がり、小さな舌を這わせているのである。
胸だけではない。
全身だ。
ざっと見ても二十や三十はいそうな使い魔たちは、先を争ってトモエの若い肉体を貪っていく。
乳房も、首筋も、腋も、お腹も、脇腹も、そして太腿、ふくらはぎ、足の裏。
もちろん性器にも集中している。
ミニオンたちは人間の女を熟知しているのか、およそ女性の性感帯であろうと思われるところは、あまさず責めていった。

「やっ、いやっ! 気持ち悪い、やめて!」
「……」

悲鳴を上げるトモエを、デルモアは冷たい目でじっと見ていた。
このお堅い巫女がどこまで崩れるのか。

「ひゃあっ!」

綺麗な薄紅色をした乳首に使い魔が取り付く。
小さな手を伸ばし、小さな指先で乳首をこねている。
指先は硬く、爪しかないような感触だった。
その硬いもので、乳首がつままれ、いじくられている。
指でコリコリ擦られると、爪で嬲られているような感じがした。

「んっ、んぐっ!」

くすぐったいし、気色悪い。
得体の知れない魔物に身体をいじくられる嫌悪感が強かった。
それでも、ミニオンは女の性感帯を刺激し、確実にトモエの官能を炙っていく。
乳首と同じ色をした清楚な乳輪に沿って、ミニオンが舌を這わせている。
蛇の舌のような細い舌が、ちろちろと巫女の乳を舐めていた。
いつの間にか、それぞれの乳房には四匹ずつ妖魔が取り付いている。

「やっ……あ、あ……うっ……く……」

ミニオンが乳首を両手で掴んだまま、クリクリと回転させるようにこねてやると、トモエはたまらずその身を跳ねさせる。
いつしか、それまでの刺激によってトモエの乳首が勃起している。
その、生意気そうにツンと硬くなった乳首を、使い魔どもは集中的に責め始めた。

「やっ、は……うんっ……いや……くっ、だめっ……」

ミニオンたちの舌は驚くほどに速く動いた。
二枚の舌で交互に乳首が舐められ、転がされる。
その間、他の二匹は、柔らかい胸肉に腕を埋め込んで揉みこねていた。

腋には左右二匹ずついた。
手枷を嵌められ、大きく両腕を上げさせられていて、腋の下は無防備だ。
そこに小さな妖魔が潜り込み、盛んに舌を使ってくる。
こそばゆい感触が強いが、何か他の得体の知れぬ妖しい感覚も出てきた。
細い舌でずるっと舐められ、小さな手のひらで擦られるたびに、トモエは「くっ!」と声を漏らし、身を捩らせた。
身体が動くと、その上にいるミニオンどもも移動する。
妖魔が肌の上を這う感覚ですら、今のトモエにはたまらない刺激になっていた。

「気持ち良くなってきたんじゃないか、トモエ」
「そっ、そんな……ことは……あっ……」
「そういうのをね「感じる」って言うんだよ。感じてるんだろ?」
「か、感じてなんか、あっ……いない、いませんっ!」

いかにミニオンが女を責めるのに手慣れているとはいえ、まだ男を知らぬ、そしてその方面の知識もほとんどないトモエが、
早くもこうした反応を見せていることに悪魔は満足していた。
見かけによらず、この生真面目な武者巫女は性的にかなり敏感らしかった。
肉体的にもそうだが、使い魔どもに責めさせる前にデルモア自身が言葉責めしたのも効いているようだ。
これからも、肉体だけでなく精神面でも責めてやれば、堕落するのも早まりそうだ。

「あ、いやあ!」

乳への愛撫に、なかばうっとりしかけていたトモエは、突如大声を上げた。
下半身を責めているミニオンたぢが、性器に迫ってきたのである。
前に一度、仲間が消滅させられていることもあって、妖魔どもも慎重に責めた。
ゆっくりというより、恐る恐る媚肉の縁や恥毛の生え際あたりを手で撫でたり、指でこそいだりしている。
割れ目の合わせ目に舌を這わせるミニオンもいた。

「んくっ……!」

トモエはクッと顎を上げ、恥ずかしそうに呻いた。
ミニオンたちは、それまで遠慮がちにいじってきたのを一転、大胆に群がってきた。
トモエのそこが、早くも濡れてきていたのを知ったからである。
女が反応し始めたら、そこが勝負だ。
一気に責め落とすのである。

「うふっ……くっ……やっ……だめ、そんな……うくうっ……」

敏感な感じやすいところをいじられるたびに、トモエはぐっと身を反らし、捩らせ、悶えた。
股間だけでなく、脚も
舐められている。
特に内腿がトモエは弱かった。
同じ腿でも、外側と違って、ここは皮膚が薄くて神経が集まっているため、もともと感じやすい。
トモエは、乗馬している時に、馬の背でここを刺激されておかしな気分になることが希にあった。
彼女はその時のことを思い出している。

(あ、あの時もここは……。だめっ、淫らな、そんな……でも、ああ……)

トモエは、徐々に膣を濡らしつつも、眉間を寄せるだけで恥ずかしい声を上げようとしない。
だが、必死に喘ぎを噛み殺そうとして全身を息ませても、足の裏を責めているミニオンが、風呂上がりのように清潔な
土踏まずの部分や、足の指の間にまで指を入れ、舌を這わせてくる。
腋の下の効果も相まって、そのこそばゆい、でも身体の芯がジンジンするような感覚に、思わず力が抜けてしまう。
クッと手を握って拳を作り、足の指を屈ませたり反らせたりして凌ごうとするのに、小さな妖魔たちがそこばかり責めてきた。

「あ、あ……くふっ……んむ……あ、いやあ!」

堪えていた声が噴き上がった。
ミニオンは、トモエの秘所を押し開き、その内部を覗き込んでいるのだ。
中まで見られる羞恥に、トモエは頭の中まで赤くなって激しく首を振った。

「やあっ、そんなとこ見ないで! だめですっ、ひっ……」

妖魔は、確かめるようにして少しずつ内部に手を入れていく。
舐めている者もいる。
デルモアの面白そうな声がした。

「ほらほら、ミニオンの手がトモエの可愛いマンコの中に入っていくよ」
「いやっ! だめ、やめさせて!」
「そうはいかんさ。もっとも、トモエが僕に喜んで抱かれるなら話は別だけど」
「破廉恥な! そんなことされるわけがありませんっ、あ、やあっ!」

熱く潤った膣内を覗き込み、充分に蜜が出ていることを知ったミニオンはちろちろと舌を伸ばしてそれを舐めとっていく。
中はかなり狭く、いかにミニオンでも簡単には中に頭を突っ込めそうにない。
だから膣穴だけでなく、媚肉全体をバランス良く責めていった。
恥毛を軽く引っ張ったり、割れ目の下に手を入れて内側を撫でたり、秘裂の上や下を盛んに舌でこそぐ。

「ん……あっ……やっ……いや……あ……」

全身を根気よく愛撫され続け、トモエの裸身には汗が浮き始めていた。
媚肉からは、もうはっきりと愛液が滲み出ている。
自慰の経験すらない彼女としては、ほとんど初めてと言える性的快感だった。
それがどういうものなのか、どうすればいいのかよくわからない。
わかるのは、妖しく暗い快楽が身体の奥から確実にわき出ていることだけだ。
くすぐったいような、心地よいような不可思議な感覚。だが、イヤな感じではない。
もぞつくような焦れったいような、だめなのに、何だかもっと味わっていたいような。
これが「快感」というものなのか。
「気持ち良い」ということなのだろうか。

「んはあっ……!」

トモエがぐぐっと背中を反らせて、淫声を迸らせた。
それまで触れられていなかったもっとも鋭敏なポイント──クリトリスが舐められたのである。
トモエにとっては衝撃的な
刺激だった。
オナニーすらしたことがないのだから、そこに触れられたのは産まれて初めてだったのである。
自分でも驚くほどの声が出て、信じられぬ刺激が若い肉体を貫いた。

「ひうっ! やっ、何これっ!? あ、そこ、だめえっっ!」

ミニオンは、細い腕を巧みに使って、肉芽の包皮を少しだけ剥き、その先端を手で撫でる。
するとトモエは絶叫に近い声を放って、ぶるっと腰を大きく震わせて仰け反った。

「そんなに感じるかい? 無理もないけどね、そこはクリトリスといって、女がもっとも感じるところのひとつさ」
「く、『くりとりす』……。ああ、いやっ……あふあっ!」

またひとつ恥ずかしい言葉を教え込まれ、トモエの頭がカッと白く灼ける。
その間にもミニオンはトモエの包皮を完全に剥いて、そこを手で揉み込んだり、付け根を舌で抉ったりしている。
他のミニオンは、トモエの膣内へ慎重に腕を入れ、すっ、すっと抽挿すらしている。
結界に触れぬよう慎重に、浅いところを擦ってきた。
赤くなり、ヒクヒクと脈打ってきた肉芽を揉み込まれ、武者巫女は未知の感覚に戸惑っている。

(ああっ……な、何これ……ああ、何かが来る……身体の奥から何かが……)

熱くて強烈なものがググッと込み上げてくる。
体温がグングンと上昇している。
何かわけのわからないものが身体の奥から沸き起こる。
手足の先がビリビリ痺れてくる。
お腹の奥がジンジンと疼いている。
普通に考えれば不快な感覚のはずなのに、なぜかイヤではない。

(こ、これが……気持ち良いってことなの……? わからない……、でも、イヤじゃない……。や、やめて欲しいような、
もっとして欲しいような……、い、いけない、そんなことっ……!)

なぜだかわからないが、トモエはそれを出してはいけない気がして懸命に耐えていた。
だが、乳首や腋、足の裏や内腿、そして膣やクリトリスまで責め抜かれ、どうにも堪えきれなかった。

「あ、あああっ……ひっ! だめっ、あっ……いっ、いやああああああっっっ!!」

トモエはその肉感的な裸身を反り返らせ、腰や腿をぶるぶると震わせた。
吊られた脚が大きくうねり、捩れた。
ビクンっと大きく跳ねたため、トモエの身体の上に乗って責めていたミニオンたちがどさどさと床に落ちる。
膣に腕を突っ込んでいたミニオンは、その締め付けのきつさに「きぃーっ!」と甲高い悲鳴を上げていた。
トモエは初めての絶頂に達したのだった。

「あ……はあ、はあ……はあ……ああ……」
「くくっ、いったんだねトモエ」
「……はあ……はあ……はあ……あ……」
「きみ、今自分がどうなったのかわかってるかい? 身体が痺れてしまったんだろう? あまりに気持ち良すぎて訳がわから
なくなった。違うかな」
「わ……かり、ません……」
「初めてなんだから、そんなもんだろうね。いいかいトモエ。それはね「いった」って言うんだよ」
「いっ……た……」

トモエはぼんやりとデルモアの言葉を繰り返した。

「そう。絶頂とかオルガスムスとかね。気をやったとか、そういう言い方もある」
「……」
「どこかに飛んでいってしまいそうな感じだったんだろ?」

確かにそんな気もした。
しかしトモエは、どこかにいってしまうというよりも、何か凄いものが「来る」ような感じがしていた。
でも、デルモアが言った「いく」という感じも何となくわかる気がする。

「トモエ」
「……」

消し飛んでしまった意識がぼんやりと戻り、ゆっくりと顔を悪魔に向けた。

「初めての割りには激しかったね。けっこう好きなんだな、きみはこういうのが」
「……そんなことは……ありません……」
「そうかな。でも派手にいったじゃないか。とても処女の絶頂とは思えないよ」
「やっ……!」

トモエは羞恥で顔を赤くして背けた。
それでも、いかされた若い肉からは、漂うばかりに妖しい色香が滲んでいる。
一度いかされたことで、トモエの処女の肉体はすっかりほぐれたらしい。
その滑らかな素肌も汗が浮き、それがロウソクの炎を反射して実に妖しく輝いている。
トモエが息をするごとに、大きな乳房が揺れている。
乳首まで色づき、少しだが色濃くなっていた。
そして媚肉は大きく綻んで、奥の膣口からはとろりとした粘液が滴り、寝台に垂れている。
蜜が垂れるのを感じた時、トモエは別のことにも気づいた。

「あ……」

胎内がおかしい。
中が熱く、どろどろにとろけているようになっているのはともかく、問題は護符だ。
局長に処置してもらった神札が弱くなっている。
というより、溶けかかっているのがわかる。
なぜ、どうしてこうなったのか。
あることに思い当たり、トモエはハッとした。

神札が一ヶ月くらいでダメになるその原因はこれなのではないか。
他の巫女ではすぐにダメになる者もいるのに、トモエは二ヶ月以上も保つと言われた。
それは、トモエは他の巫女と愛し合うこともなかったし、自慰に耽ることもなかった。
だが、そうした禁欲的な生活に耐えきれない巫女が、自分を慰めたり、巫女同士で同衾したり、最悪の場合、男を作っていたり
して、今の自分のような状態になるのではないだろうか。
恐らく、膣内から分泌されてくる恥ずかしい女蜜によって神札が傷むのだろう。
それくらいしか思いつかなかった。
今までまるで平気だった札が、こんな短時間で傷んでしまう理由がない。
トモエの動揺に気づかないのか、デルモアはゆっくりとした口調で言った。

「落ち着いたかい。では再開しよう」
「え……、そんな、いやあっ!」

トモエは仰天して首を振った。
身体をいじくられ、恥ずかしい姿を晒すのはもういやだった。
羞恥と屈辱でその美貌が歪み、激しく顔が振られる。

「いやです、いやっ! もういやあっ」
「許して欲しいかい? なら、僕に誓うんだ。あなたのものになりますってね」
「な、何を……! そんなこと言うわけが……」
「そうか。なら仕方ない」

デルモアはまた指を鳴らした。
途端に、待ちかねたように使い魔たちがトモエの身体に殺到する。
トモエの顔が恐怖に脅える。
あんな目に遭うくらいなら、アルドラに加えられた拷問の方がマシに思った。

「ああ、だめっ……来ないで、いやっ……あ、あんなのされたら、おかしくなってしまいますっ!」
「おかしくなるくらい感じちゃうのかい? 思ったよりスケベな女なんだな」
「違う、違いますっ……私はそんなんじゃ……ああ、だめ、触らないでっ!」

トモエは火照った顔を左右に振り、何とかミニオンの責めから逃れようとする。
拘束されているため暴れてもたかが知れているが、それでも何匹かはトモエの裸身から滑り落ちるものもいる。
だが、乳から振り落とされたものは今度は腋を責め、膣を責めていて落っこちたミニオンはまた這い上ってヘソをいじるなど、
際限がなかった。

「ああっ、もういやあ……ひっ……あ、あうっ……ひっ、ひあ!」

熱い粘液がとろとろと膣からこぼれ落ちる。
膣を責める連中はもちろん、あぶれている妖魔たちもトモエの股間に集まり、漏れ出てくる愛液を盛んに舐め、吸い取っていた。
乳首を責めるミニオンは、巧みに舌と指を使い、緩急をつけてこねくっている。
すっかり硬くなった乳首を小さな歯で囓られ、爪で擦られると、トモエはもうどうしようもなくなり、尻を丸太に擦りつける
ようにして呻いた。

「だめっ……ああっ、いや……ああぐうっ……」

ミニオンどもによって次々とほじくり出される快感に、トモエはすっかり翻弄されている。
くちゅっと音をさせながら媚肉を責める様子を見ながら、デルモアはトモエに顔を近づけた。

「どうだい、トモエ。感じるだろう?」
「やっ! ……いやあ!」
「いや、じゃなくて「いい」だろう? 我慢することはない、素直に感じればいいんだ。さあ言ってみなよ、「いい」って。「気持ち良い」って」
「いや、言えないそんなっ……ああっ……」
「言えないけど、気持ち良いんだね?」
「ちっ、違う、違いますっ……ひぃっ……うんっ、そこはだめっ……!」

あまりの快楽に、トモエは目の端に涙すら浮かべている。
強すぎる快感のせいもあったが、それに抗えない自分が情けなく、また恥ずかしかったからである。
未経験の快楽を次から次へと教え込まれ、理性も知性も弾け飛びそうになる。
そのうち、気持ち悪いだけだったミニオンたちの舌や指に馴染んできてしまった。
汚辱感も嫌悪感も、性の昂ぶりに伴う熱で蕩かされていく。
無数の手や舌で責められる快感地獄は、それほどに凄まじかった。
これを性に未熟な女が──しかも感じやすい資質を持った女がされてはたまったものではない。

「やっ……、ああっ!? ちょ、いやあ! むぐっ!」

顔に何匹も寄ってくるのを見て、思わず顔を振りたくった。
その勢いで何匹かは落ちたが、またすぐに這い上ってくる。
そしてトモエの顔に取り付くと、その小さな唇をいじくりだした。

(なっ、何を考えてるの、この物の怪たちはっ……!)

トモエがそう思っていると、唇の左右の端からミニオンが手を突っ込んできた。
そのまま上下の唇を摘み、拡げ始めたのである。

「んむううっ!?」

トモエが驚く暇もなく、ミニオンは開かせた唇に舌を入れ始めた。
おぞましいことに口づけしてきたのである。
それを見たデルモアは腹を抱えて笑った。

「あっはっはっはっは、ミニオンどもがトモエにキスしようとしてるよ!」
「んむ、むぐっ!」
「キスってわかるだろ? この国では「口づけ」とか「接吻」とは言うやつさ」

それくらいはさすがに知っていた。
こうした言葉は大陸から徐々に入ってきて、だんだんとヒノモトでも使われ始めていたからだ。
だがトモエには縁遠かった。
好き合った男もおらず、また巫女にはありがちな女同士の恋愛もなく、当然キスなどしたこともない。

ただ、以前に大社の境内にあるご神木の陰で、巫女同士が抱き合い、口づけを交わしていたのを見てしまったことはある。
慌ててその場を離れたものの、口を吸い合っているふたりの姿がしばらく頭を離れなかったものだ。
思い出すたびに胸が高鳴り、どうしたことか股間がうずうずした。
「いけない」気持ちになってしまうのだった。
トモエも若い女性だから、そうしたことに関心がないわけでもなかったのだ。

他人の口を吸うという感覚も気持ちもよくわからなかったが、相手もおらぬ自分にはまだ先のことだし、その時に実感できる
だろうと思っていた。
なのに今、異形の物の怪どもによって、その唇を奪われてしまっている。

「んむううう……」

口を閉じようと思っても、乳房や乳首、そしてクリトリスや腋などを責められると、たまらなくなって呻いてしまう。
その時開いた口にミニオンたちは舌を突っ込んでくるのである。
何枚のも舌がトモエの唇の裏や歯茎を舐めている。
真珠のような綺麗な前歯を舐め込んでいる妖魔もいた。

「く……くく……」

懸命に耐えるトモエだったが、そのうちミニオンたちはその口の中に唾液を流し込み始めた。
びっくりしたトモエは思わず口を開けてしまい、どろっとしたものが咥内に入り込んでしまった。
激しく咳き込んで一部を吐き出したが、とても全部は出せなかった。
なおもミニオンは唇を舐め、歯茎を舐めつつ、唾液を流し込んでくる。
必死の思いで唇を閉じ、それ以上汚液を飲まされることだけは防いだ。
唇の端からどろどろと粘った透明な汁が零れる様は、何とも言えぬ妖艶さだ。
デルモアが合図すると、すっとミニオンたちが口から離れる。
トモエはホッとしたように息をついた。

「ああ……」
「苦しかったろう? 一息ついてくれ。次は……ここだから」
「ひっ!?」

一息つくも何もない。
デルモアはトモエの開かれた股間に顔を突っ込み、そこをじっと見ていた。

「いやっ! 見ないで!」
「よーく見えるよ、トモエのお尻の穴がね」
「そっ、そんなこと言わないで! ひっ!?」

デルモアは指を伸ばし、恥ずかしげにひくひくしているトモエのアヌスに指をぴったりと押し当てていた。
つんざくようなトモエの悲鳴が上がった。

「きゃああ!? ど、どこを触ってるんです!」
「だからお尻の穴さ。肛門だよ。今度はここを可愛がってもらうんだ」
「そんなっ……!」

胸や性器を責められている時とは比較にならぬほどに、トモエは激しく抵抗した。
それはそうで、性体験のまったくない娘が肛門をいじられたら発狂しそうな恥辱と羞恥を感じるだろう。
トモエはそれこそ半狂乱になって暴れようとしたが、手枷で腕は拘束されているし、脚は天井に吊られていてはどうにもならない。
手首や手枷に擦れて皮が剥け、膝に巻いた縄で皮膚が傷つくだけだ。

「触らないで、いやあ!」

デルモアは指をアヌスに押しつけ、そのままその周辺をなぞったり、皺を拡げるように刺激していく。

「ひくっっ! ひああっ!」
「ほほう、こっちも敏感なんだね。もしかするとマンコよりも感じる穴になるかもね」

指が動くたびにトモエは大きく跳ね、アヌスはきゅっと引き窄まった。
あまりの屈辱と汚辱に涙が零れ、必死になって抗う声を上げている。
そのくせ、虐められるアヌスの方は、悪魔の指の動きに反応し、だんだんと緩んだり、きゅっと締まったりを繰り返している。

「気持ち良いんだろうに、トモエ」
「そんなわけ、ないっ……い、いやあっ!」

肛門が緩んだ隙に、ぐっと指先を押しつける。
トモエが悲鳴を上げて慌ててアヌスを窄めたが、それをねじ込むようにしてデルモアが指を沈めていった。

「ひぐっ!」

ぬぬっと指が埋め込まれていくのがわかり、トモエが絶叫する。

「やめてえええっ、そんなとこはいやあっ!」
「ほら、もう根元まで入った」
「あ、あ……」

思った通り、ここまでは神札はなかった。
まさかそんなところを犯すやつもいないと思っていたのだろう。
トモエの内部は、デルモアの指がとろけるほどに熱く、そしてうねっていた。
直腸粘膜の感触が指を覆っている。
肛門粘膜の方は、突っ込まれた指をしゃぶるように蠢いていた。
デルモアはツバを飲み込んで指を回してくる。

「ひっ、いやああ! う、動かさないで! 指、抜いてえっ!」

指を出し入れしながら、指先で軽く腸壁を擦ってやると、トモエは腰を大きくびくつかせてわなないた。
ずぶりと腸内奥深くまで挿入すると、アヌスが指の根元をしっかりと食い締めてくる。

「やっ、あ……抜い、て……あああ……」
「どうしたんだい、声が甘くなってきてるよ? オマンコまで濡れてきた」
「いやああっ……!」

充分にほぐされたアヌスはぬるぬるになり、自然に指を受け入れていた。
腸壁の方は指にへばりついてきて、指が抜かれると粘り着いてくる。
それを押し返すように指を沈めると、今度はめくれ込んで中に入っていった。
指の動きを大きく、そして大胆にしていくと、トモエの声が次第に熱くなってくるのがわかる。

「はああっ……い、いや、こんな……ああ、だめ……おかしくなりそう……ああ……」

ずぶっと指を埋めると、きゅっとアヌスが引き締まるのと同時に、媚肉まで収縮した。
抜いてやると肛門の力が緩み、膣口まで小さく開いてくる。
そこからは、また新たな蜜が零れ出ていた。
事前の責めがかなり効いていたこともあるだろうが、トモエは想像以上にアヌスが感じてしまうらしい。
デルモアはまた悪辣なことを考えていた。

「やっは……あう……そんなところ……ああう……うむ……」

肛門をわななかせ、我慢できないとばかりにトモエは腰をもじもじさせている。
羞じらいもあるだろうが、それ以上に妖しげな痺れに酔っている。
それでも身を捩ってデルモアの指から逃れようとしているのは、巫女ならではの意志の強さだろう。

「あう……」

指が抜き放たれ、ゴツゴツした間接部でアヌスの縁を思い切り擦られて、思わずトモエは喘いでしまっていた。
デルモアは指をぺろりと舐めてから、屈んでトモエの股間に顔を突っ込んだ。

「でかい尻だな……」
「や……」
「清楚そのものなのに、尻だけは淫らに大きいね、きみは」
「言わないで……」

トモエ自身も気にしていることなのだ。

「ふふ、それにマンコも尻の穴も淫らそのものだよ」
「やっ……!」

デルモアの言葉に、トモエは恥ずかしそうに身悶えた。
腰が震え、臀部が痙攣している。
よく見れば鳥肌まで立っていた。
よほど恥ずかしいらしい。
豊満そのものの尻は真っ白で、少しも型崩れしていない。
若いせいもあるが、日頃から下半身を鍛えているからこそ、臀部の筋肉が発達し、尻肉や脂がいくらついても平気で支えられる
のだろう。
デルモアは、その大きな尻たぶを掴むと、ぐいとばかりに割り開いた。

「ひっ! いやあ!」

尻を割られる感触に、トモエが悲鳴を上げる。
またそんなところを観察される。
羞恥と恥辱で気死してしまいそうだ。
少し赤くなっているアヌスに顔を近づけたデルモアは、そこに舌を伸ばした。
トモエが「あっ」と思った時は遅かった。
べろりと熱い舌がトモエの肛門を舐め上げていた。

「ひぃああっ!」

あまりのことにトモエが絶叫する。

「や、やめて、やめて! 何をするの! 汚いっ、汚いですっ! そ、そんなとこ、舐めるところじゃありませんっ!」

デルモアの舌が、脅えて窄まるアヌスにべろりと来た。
その何ともおぞましい、まるでナメクジが這うような気色悪さに、トモエは泣き叫んだ。

「いやあああーーっっっ!!」

それは恐らく、この精強な武者巫女にとって最大最悪の恐怖だったに違いない。
かつて、どれだけ恐ろしげな魔物、巨大な物の怪、そして女王軍の大部隊を見ても、決して恐れなかった彼女は、自らの身に加えられる
あまりに恥辱的な仕打ちに脅えおののいた。
窄めようとするアヌスの皺を解すように丁寧に舐め回されると、たちまちトモエの臀部からいやな汗がにじみ出てきた。

「やっ、やめて! あ、舌、いやあっ!」

この間も、ミニオンたちは尻以外──媚肉や乳房、腋や脚などを責めているのだが、トモエはそれどころではない。
身を焦がすような羞恥と屈辱に、のたうち回ってデルモアを押しのけようとっしている。
が、吊られた脚は閉じようもなく、デルモアの方も、トモエの腿を押さえ込んでさらに脚を大きく開けさせている。
デルモアは舐めるだけでなく、舌先を尖らせてツンツンと肛門を突っつくマネまでしてのけた。

「ひぃっ! い、いや、気持ち悪いっ! やめて、こんなのいやあ! は、恥ずかしいっ!」

責めながら、悪魔はトモエの反応があまりに鋭いことに内心驚いていた。
これは本当に、尻責めをメインにした方がいいかも知れない。
それにしても、あんなに強情だったトモエがこんな風に泣き喚くのを見たら、アルドラも吃驚するだろう。

散々舐められ、とうとうアヌス粘膜がめくれ上がり、清潔な色の腸壁まで見せ始めていた。
なおも悪魔は肛門の皺を伸ばすように丹念に舐め、指で拡げていった。

「だ、だめっ……ああ、こんなにだめですっ……恥ずかしい、恥ずかしいわ……ひっ、いや……やめて、汚い! 気持ち悪いっ……!」

盛大に泣き叫び、縛られた身で無駄に動き回って疲れたせいか、トモエの身体から力が抜けてきた。
そうなってしまうと、肢体に加えられるミニオンやデルモアの愛撫にどうしても神経が行ってしまい、その舌や指の動きに悩まされることになる。

「あ……いや……もういやです……ど、どうしてこんなこと……ああ……」

ひくついてきたアヌスに唾液を塗りつけ、なおもデルモアは舌を使う。
そんな中、少しずつトモエの反応が変わってきたことに気づいていた。
肛門を責められることに被虐を感じ始めたのか、あるいは初めて味わう肛虐から来る快感に戸惑い、持て余しているのかも知れない。

「や……だめ……あ、そんな……お尻は許して……あ、あは……」

明らかに悲鳴ではなくなっていた。
もはや喘ぎと言ってもいいほどに熱い息をトモエは吐き始めている。

「あっ……!」

デルモアが顔を離すと、トモエは驚いたように小さく叫んだ。
恥ずかしいところを虐め抜いていた妖しい刺激が突然に遠のいたからだ。
デルモアが淫らに笑った。

「なんだ、その声は。もっとお尻の穴にして欲しかったのかい?」
「誰がそんな! は、恥ずかしいっ……ああっ!」

デルモアが離れた途端、ミニオンどもの攻勢が激しくなっていく。
量感たっぷりの乳房に顔を埋めて、その肉をちろちろと舐めてきた。
もう破裂しそうなほどに勃起した乳首に小さな歯を立てて囓る。
媚肉を責めている連中は、その綺麗なスリットの上下を擦り上げるように舌を使い、合わせ目を押し開き、その中を腕で
こねくる。
そしてデルモアに占領されていたアヌスへも舌を使って責めていった。

「いやあっ……あ、あ、変っ……変になるっ……あ、ああううっ……」

尻責めで濡れそぼっていた膣からは、さらにだらだらと蜜が溢れてきた。
あれほど綺麗に合わさった、いかにも清純そうな媚肉からは想像もつかない淫らさに変化している。

ミニオンは小さな口を開けて、それをじゅるじゅると吸い取っていく。
ミニオンがそこをいじったり舐めたりするたびに、ねちゃねちゃと粘着質な水音をさせるようになっていた。
膣口を開かれると、そこからとぷとぷと愛液が流れ出てくる。
かなり濡れやすい体質のようだ。
こんな身体なのに、胎内の神札が標準の二倍以上も耐久していたというのだから、驚くべき自制心と精神力を持った娘なのだろう。

クリトリスをくすぐられるようにいじくられると、トモエの性感は頂点に達する。

(ああっ、ま、またこの感覚っ……、やあっ、何か来るっ……あ、あ、おしっこ……おしっこ出そうっ……!)

一匹がクリトリスの根元を手でこね、もう一匹が剥き出たその頂点を大きく口を開けてしゃぶると、トモエはもう耐えようがなくなり、一気に絶頂した。

「んひぃっ……んむうううううっっっ……!」

ガクガクっと大きく何度も跳ね、腹や胸に乗っていたミニオンたちを振り落とすほどに激しく身悶えて気をやらされた。
膣からは、小さな水流がびゅううっと勢いよく噴き出ていた。
尿ではないその液体を、ミニオンたちは争うように飲んでいた。



      戻る   作品トップへ  第三話へ  第五話へ