射精を受けるごとに蘭は大きく背を仰け反らせ、身体を揉み絞るようにわななかせた。
男子小学生と女子高校生は、互いの腰を密着させたまま、汗にまみれた身体を痙攣
させ続けていた。
腰同士がもつれ合い、ふたりの肉体がひとつに解け合ったようにすら見えた。
拓馬はそんなふたりを無情にも引き離す。

「おら、もうおしまいだよ。どけ」
「あっ!」

拓馬に突き飛ばされると、圭太はそのまま尻餅をついた。
ぬぷっと半立ちの肉棒が蘭の濡れ濡れの媚肉から抜ける。
そのショックで、蘭の膣口から彼女の蜜と圭太の精液がぴゅるっと逆流する。
圭太のペニスは、名残惜しそうに蘭の膣に精液の糸を引いていた。
ショックで、まだぐったりとしたままの蘭に拓馬がのしかかった。

「いったのかな、蘭姉ちゃんは」
「……あ」

頬を軽く叩かれ、蘭はうっすらと目を開けた。
そこには、圭太に変わって拓馬のにやけた笑みがあった。
その後ろからカメラを構えた大輝がレンズを寄せてくる。
犯されたばかりの膣をクローズアップしているらしい。

「いったのかいって聞いてるんだけど」
「し、知らない……」

拓馬はにまにま笑った。

「……あんた本当に正直だよな。こういう時はウソでも「いってない」とか言えば
いいのに「知らない」なんて言うんだから。ウソがつけないんだな」
「……」
「可愛い黛くんとセックスできて満足だったか?」
「……」
「答えないんだな。まあいいや。どうせ、あの野郎のテクじゃ満足できなかっただ
ろ? 俺たちが補ってやるさ」
「あっ、そこっ……!」

口ごもる蘭に、拓馬がまたアヌスに刺さったままのイボつきディルドをこね回して
きた。
蘭は、ズキンときた別の快感に顔を歪める。
すると、また膣の方の疼きも蘇ってきた。
肛門も膣もずきずきと熱く灼けてくる。
中をかき回して欲しくてしようがない。
蘭は、圭太とのセックスでは、媚薬によって火照りきった肉体が、まだ醒めていない
のを知った。

「ほれ見ろ、またそんな色っぽい顔になった」
「……」
「またダンマリか。けどね、俺たちとやったら、ちゃんとその可愛い声で言ってくれ
よ。「気持ちいいっ」とか、「もっとして」とかさ。もっとも、「いっちゃうっ」
とか言ってくれたら、それだけで出ちまいそうだけどな」

拓馬はそう言って、アナルディルドをぬぷっと抜き去った。
股間に何もなくなり、途端に空虚感が蘭を刺激する。

「あっ、いやっ……!」
「いや? 抜かれるのがいやなの? あれえ、お尻に入れられるのいやなんじゃなか
ったっけ?」
「そ、それは……」

拓馬が言葉で蘭を嬲っていると、焦れたように健が口を挟んだ。

「拓馬さん、もう俺我慢出来ないっすよ。黛ばっかいい思いしてよ」
「わかってるって。今度はおまえもさせてやる。高橋はご苦労だが、俺たちが蘭姉
ちゃんとやってるのをしっかり撮影しといてくれや。終わったらおまえにもたっぷり
やらせやるからな」
「期待してますよ」

大輝はそう言いながらバッテリーを交換している。
液晶にバッテリーチェックが出たらしい。
蘭は顔を伏せ、カメラに表情が映らないようにしながら言った。

「お、お願い……せめてビデオだけはやめて……撮らないで……」
「そんなに撮られるのはいや?」
「いやよ……死にたいくらいいやなのよ。は、恥ずかしい……」
「でもだめ。どんなにいやがっても撮影するよ。あんまり逆らうと、編集して裏で
売りさばいてもいいんだよ」
「そ、そんなっ……そんなことしないで!」
「だったら諦めて素直にやられるんだな」
「……」

蘭はがっくりと項垂れ、肩から力を抜いた。
それを見た拓馬が、背中を支えていた健に顎をしゃくる。
それだけで意味がわかったのか、小太りの少年は嬉しそうな顔で移動し、蘭の正面に
やってきた。

「マ、マジで俺からやっちゃっていいんすか?」
「ああ。存分にやってやれや」
「ラッキー!」
「あ……あ……」

右を向けば拓馬の、左には健の肉棒がぶらぶらと揺れている。
やや右よりにしなっているのが生々しく、いかにも男根という感じがした。
それでいて、急角度で上を向いていた。
そのペニスを右手で持ちながら、健が不敵に笑った。

「そんじゃやろうか、蘭姉ちゃんよ」
「……いや」
「いや、じゃねえよ。入れるからね」

健は乱暴に蘭を仰向けに突き倒すと、その上にのしかかっていく。
右手に持ったペニスで蘭の媚肉をなぞっているが、これは焦らそうという意味では
なく、膣口を探しているのだろう。
すると、的確な位置を教えるかのように蘭の腰がすっと動いていく。
入れる穴を見つけると、健はにやっと笑って腰を沈めていった。

「ああっ……ああう……」

小学6年生の硬いペニスは、高校2年生のふやけて柔らかくなった媚肉にずぶずぶと
飲み込まれていった。
健が腰を落としていくと、蘭の方も迎えに行くかのように腰を持ち上げていく。
完全に少年の肉棒が埋め込まれると、蘭は「ああ……」と安堵したような声すら出
した。

「うわっ……」

健は挿入して驚いた。
蘭の中は熱く柔らかいだけでなく、適度にきゅうきゅうと収縮してきている。
迎え入れた男根を優しく包むように襞が絡みつき、至上の快楽を提供してきた。
とてもゆっくり味わうことなど出来ず、健はいきなり激しい律動を開始していた。

「ひっ、ひぃっ、激しっ……強すぎるわっ……ああっ……も、もっとゆっくりっ…
…あうっ」
「激しくされるのが好きなんじゃないの、蘭姉ちゃんは」

そう言いながら、拓馬が横から手を伸ばし、蘭の乳房を揉みしだいた。
外周から絞り上げるように強く揉み、乳輪を絞り上げて乳首を弾いて蘭に悲鳴を上げ
させている。
そんな拓馬の愛撫など気にしないように、健は自分の快楽のみを求めて腰を使って
いた。
蘭の肢体が、小さな小学生に突き上げられて前に後ろにガクガクと何度も揺さぶられ
ている。
強く突かれるごとに、蘭の美貌は性の悦楽に染まり、息を弾ませていく。

「あっ、あ……あうっ……いっ……ああっ……あっ……あうっ……」
「どうだ健、いい具合か?」
「さ、最高っすよ。締まりがいいって言うか、チンポコ溶けちまいそうなくらい気
持ちいいっす!」

乱暴に突き上げながら、健はそう答えた。
両者の恥骨がぶつかり合うような激しい突き上げに、蘭は悲鳴と喘ぎを交互に上げて
身を捩っていた。
ゆさゆさ揺れる蘭の身体を押さえながら拓馬が言った。

「おい菊池、少し押さえろよ」
「そ、そんなこと言ったって、気持ち良すぎて止まんねっ……」
「いいから! 少し動きを止めろって!」

そこまで言われて、ようやく健が腰を止めた。
蘭はホッとすると同時に、腰が蠢き出す。
止まってしまった動きをねだるかのように、腰をうねらせている。
そうすることで男を刺激するとともに、中に入った肉棒が膣内に擦れて気持ちいい
のかも知れない。
拓馬は、絡み合っている蘭と健と一度起こして座らせた。
とはいえ、まだ性器同士は繋がったままだ。正面座位という感じだ。
そしてそのまま、今度は健が下で仰向け、蘭が上に載ってうつぶせの格好にさせて
しまう。

「ああ……」

姿勢が動くと、膣の中で健のペニスがゴロゴロ動く。
それが感じる箇所に当たるたびに、蘭は口を開けて喘いでいた。
下では健が待ちきれず、軽く突き上げるようにして蘭の胎内を抉り始めた。
健が突くたびに、ぐっ、ぐっと持ち上がる蘭の尻に手をやった拓馬は、そこをぐいっ
と割り開いた。
突然、尻の谷間を開かれ、奥に涼しい外気が当たって、蘭はびっくりしたように振り
返った。
すると、拓馬が両手で尻を割り、その間に肉棒を入れようとしているのが見えた。
蘭の顔からすうっと血の気が引いた。

「や……、き、きみ、まさか……」

拓馬は小さく頷き、笑った。

「そう、その「まさか」だよ。俺は蘭姉ちゃんの尻をやる」
「そんなっ……!」
「いいだろ、別に。もう散々、ここはイボつきので抉られたんだし」
「ああっ、さ、触らないで!」

少年の指が、ディルドに荒らされて爛れているアヌスをなぞるように這っていく。
膣からの蜜と腸から少し漏れた体液によって、肛門はねとねとに汚れている。
そこをこねくるように、拓馬はいびっていた。

「それにさ、蘭姉ちゃん、お尻でも経験あるんでしょ、さっきの様子じゃ」
「それは……」

ある。
どういうわけか、蘭を襲ってきた男どもはほとんど例外なく、膣だけでは飽きたらず
彼女のアヌスをも犯してきたのである。
排泄器官を犯されるという汚辱を、蘭は何度となく味わわされていた。
そして、そこを犯される暗い快感と妖しい官能にのめりこんでしまったのである。
責める男たちはみな、蘭のそこは素晴らしいと言って、繰り返し凌辱したのだった。

「ほら、あるんでしょ、お尻を犯されたことが」
「で、でも、いやっ……。それに、今、前に……」
「うん、マンコには健のが入ってるよね。でも後ろは空いてんじゃん」
「そんな……」
「両方いっぺんにやるってのもあるんだってさ、俺は初めてだけど。蘭姉ちゃんは?」
「……」

それもある。
パレット事件の際、前をヤクザの牧田、後ろをミシェルに、同時に犯されている。
太すぎるものを小さな穴に入れられ、二本の肉棒が股間にひしめき合っていた。
蘭は本当に身体が引き裂かれると思ったものだ。
そしてその後に訪れた狂おしいほどの絶頂。
人格が一変してしまうような凄まじいものだった。

今度は小学生に責められているのだから、そこまではいかないかも知れない。
しかし、あの時味わった失神するほどの快楽の記憶が、蘭の脳裏に暗い官能を呼び
起こしていた。

「拓馬さん、マジで尻をやるんすか」
「あたりめえだ」
「マニアックだなあ。変態っすよね」
「うるせえ。そのうちおまえにもやらせてやらあ」
「やってみたいような、遠慮したいような」

拓馬と大輝ののんきな、そして恐ろしい会話を聞きながら脅えていた蘭は、敏感な
粘膜に熱いものを感じた。

「ひっ!」

拓馬の熱い男根が、ぴたりと蘭の肛門に押しつけられてきた。
蘭は激しく動揺し、後ろを振り返って少年に懇願した。

「あ、お願い、そこはやめてっ!」
「だーめ。俺はやると言ったら絶対にやる」
「で、でも、お尻なんて……あ、いやあっ……やめて、お願いっ、あっ、ま、待っ
て、せめてもう少しだけ待ってぇっ……!」
「待つ? なんで?」
「ま、前が終わったらにして……」
「ふうん。健がマンコ犯し終わったら、俺にお尻をやらせてくれるの?」
「……」
「なんだ違うのか、じゃあ……」
「あ、待ってってばあっ……ひっ、ひぃっ!」

拓馬は、ぷりぷりに張った蘭の尻を抱え込むと、じわじわとアヌスを貫き始めた。
蘭は悲鳴を上げて腰を震わせ、尻を硬直させる。
それをこじ開けるようにして、拓馬の肉棒が、引き裂くようにして肛門にめり込ん
できた。
蘭は背筋をぶるぶる震わせて呻いた。
目が眩んでくる。

「やっ……いやあっ……あ、うむっ……い、痛い……あむむむ……」

アヌスの粘膜が拓馬の男根に巻き込まれるようにして直腸内にめり込んでいく。

「さ、裂ける……ううむっ……」

過去にはもっと大きなものを飲み込まされてはいるのだが、終わってしまえば、
そこはウソのように慎ましやかな佇まいを見せる。
それが蘭のアヌスの素晴らしいところだった。
逆に言えば、何度犯されようとも、新たに犯されるたび、蘭にとっては引き裂かれ
そうな苦悶を与えるということでもある。

蘭は苦しげに呻きながら、臀部をぶるぶると震わせていた。
新たな脂汗が額と言わず尻と言わず、全身から滲み出てきている。
侵入してくる異物を拒もうと、粘膜が盛り上がるようにして押し返すのだが、犯す
拓馬には、それがまるで絡みついてくるように感じる。
亀頭が通っていくと、蘭の肛門は限界まで押し広げられ、皺を伸ばしきって受け入
れていった。

「あ、あうむ……むむう……」

もっとも太いところが通ると、蘭は閉じた瞼の裏にバチバチと火花が散るのが見えた。
それでいて、尻を痙攣させつつも、じわじわと食い込んでくるペニスをしっかりと
食い締めている。
難関を越えると、少年はそのままずぶずぶと奥まで貫き、肉棒を根元まで挿入して
いった。

「嫌がってた割りにはしっかり入ったね、蘭姉ちゃん」
「あ、あ……」
「苦しそうだね、まだ馴れてないのかな。でも、その苦しそうな顔がまた色っぽい
よ。たまんないな。どうして美人が苦しがったり嫌がったりする顔って萌えるんだ
ろうな」

拓馬はそう言って、みっちりと埋め込まれたアヌスを満足げに見やった。
そこはきつそうに、苦しそうにひくつき、蠢いている。
今にも裂けそうなほどに広がったアヌスの下には、これも小学生のペニスをくわえ
こんだ媚肉が喘ぐように蠢いていた。
肉棒が根元から食いちぎられるような締め付けを味わいながら、拓馬はゆっくりと腰
を動かし出した。

「あ、いやっ、う、動いちゃだめえっ……!」

アヌス粘膜がめくれあがる感覚に、蘭は目を剥いて悲鳴を上げた。
張り裂けそうなくらいにくわえこまされ、なおも深くまで突き上げてくる小学生の
男根に蘭は目が眩む思いだ。

「や、めて……あっ……へ、変になっちゃう……あ……」
「変になるほど気持ちいいってか?」
「そんな、気持ちいいなんて……あ、あうう……」

蘭の美貌は汗にまみれて上気し、苦悶と肉の妖美な快楽を交錯させた表情を見せて
いる。
声をあげまいと食いしばった唇が、我慢できないように開き、熱い吐息を漏らして
いく。
少年が、谷間がなくなるほどに尻を割り開き、そこに腰を押しつけるようにして
突き上げてくると、蘭は豊満そのものの臀部をわなわなと痙攣させた。

「あ、あうう、ふ、深い……そんな深くなんてだめ……あ……むむう……」

色気が倍増していきた蘭の悩ましい表情に、下で責めている健もたまらなくなって
きたらしく、腰の動きを速めている。
ぬぷっ、ぬぷっとゆっくり大きなストロークで律動されているアナルに対し、媚肉
を貫く肉棒は忙しないほどに、ずっ、ずっ、ずっと激しくピストンされていた。

「くっ……あっ……く、苦しいっ……お腹が、ああっ……はああっ……」

小学生による二穴責めという異様なシチュエーションに動揺し、身体が少し堅く
なっていた蘭は、苦悶の方がまだ強かった。
口をぱくぱく開けて、その苦しさを訴えている。
前と後ろを同時に塞がれ、その感覚に耐えきれないように苦鳴と呻きが漏れていく。
しかし少年たちはそんなものには頓着せず、むしろ、もっと蘭の苦しがる声を引き
だそうと責め続けるのだった。

そんな蘭の苦悶も、すぐに官能へと変化してきてしまう。
言うまでもなく、媚薬の効果で膣内と直腸、アヌスがひりひりと疼くほどにむず
痒かったからだ。
それが太いもので思い切り擦り上げられる爽快感。
媚薬の効果が薄れるほどに擦られた頃には、代わりに蘭の成熟した性感が、すっか
りその肉体を支配しているだろう。
そして、それはもう訪れ始めているようだった。
前後から何度も何度も深く突き上げられているうちに、苦悶する悲鳴は低い呻き声
に変わり、いつしか熱く荒々しいほどの息になっている。
よがり声で喘ぐまでもう少しだ。

「あれ? なんだかマンコの中がまた熱くなってきましたよ、拓馬さん」
「そうか、感じてきたのかな、蘭姉ちゃん」
「やっ……苦しいのよっ……あっ……そ、そんなに動いちゃ、ああっ……」
「きゅうきゅう俺のチンコ締めてるのは変わらないけど、濡れ方が激しくなってる
ような……」
「そいつは俺もだよ、菊池。蘭姉ちゃんの尻ときたら、きついだけじゃなくって
ぬるぬるしててよ」
「へえ」
「おまけに何だかこっちも濡れてきてる感じだ。こんなにきついのに滑りがよくなっ
てきてやがる」

少年たちはそう言って、悶える蘭を見ながら笑い声をあげている。
それからすぐに、それまで苦しげな声ばかり出していた蘭は、ともすれば掠れたよう
な甘い声を漏らすようになっていった。
前後から少年たちが激しく突き込んでくるたびに、蘭の頭の中が痺れていく。
もう身体の硬さもなく、拓馬と健が突き上げるたびに、ゆさゆさと裸身を揺さぶられ
ていた。
時折、前後のペニスが粘膜を隔てて擦れ合うと、ぐっと身体を伸び上がらせて喘ぐ
のだった。

「くうっ、あっ……はああっ……いっ……ああああ……」
「どんどん声が色っぽくなっていくぜ、蘭姉ちゃん。やっぱりサンドイッチもいける
みたいだな。気持ち良くなってきたのかい?」

蘭は顔を真っ赤にして顔を振りたくりながらも、閉じた目と口がうっすらと開き、
力が抜けていく。
二穴を激しく貫かれながら、とうとう蘭は喘ぎ出した。

「あ、ああっ、あはああっ……ああっ……あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、
ああっ……!」

上から突き込まれ、下から突き上げられて肢体を揺さぶられ、蘭はびくびくと身体を
波打たせるように痙攣した。
膣からは止めどなく蜜が零れ、自分自身と下にいる健の股間とをべっとりと濡らし、
シーツにも大きな染みを作っている。

「あっ……あああっ……!」

蘭の声が切羽詰まってくる。
腰が震え、鳥肌まで立てていた。
同時に前後の穴もきゅううっと締め付けられ、その喜悦に少年たちまで呻いた。

「おっ、おっ、し、締まるっ、締まってきたあ」
「くっ、尻もだ! こっちもきついぜ! こりゃあ蘭姉ちゃんがいくみたいだな」
「お、マジっすか!? いった顔が見てえや」
「そうだな、おまえそこからじゃ見えないな。おい高橋、ビデオちゃんと回してる
だろうな!?」

そう聞く拓馬の声も上擦っている。
油断するとこっちがいってしまいそうなのだ。

「だ、大丈夫です。けど、お、俺も何だか……」

「馬鹿野郎、やってもいねえのに……オナってるわけでもないのに、出ちまうって
か?」

実際、大輝の性器は膨れるだけ膨れ、硬くなるだけ硬くなっていた。
カウパーは垂れ流し状態だし、びくびくと痙攣している。
少しでも触れれば射精してしまいそうな雰囲気だ。
拓馬の言う通り、大輝はカメラを回すのに懸命で自慰などしていない。
していないが、目の前で繰り広げられる激しいセックス、その行為に翻弄され、今
にも気をやりそうな蘭の媚態と美貌を見るにつれ、少年の性器は限界まで来ていた
のだった。

一方、ふたりの少年たちは、蘭を責めるどころか圧倒されていた。
逆に責められているかのようだ。
蘭の二穴は、くわえこんだ小学生の性器を放そうとはせず、それぞれ深くまで飲み
込もうとしている。
少年が腰を引くと蘭の方から腰を押しつけていく。

「こっ、この姉ちゃん、マジすげえ!」
「こっちがいきそうだぜ、くそっ」
「あっ、あっ、ああっ……だめもうっ……ひっ、ひっ、もうっ……だめえええっ!」

室内に響き渡るほどの絶叫をあげつつ、蘭は耐えきることが出来ずとうとう絶頂した。
がくがくっと全身をおののかせ、少年たちより早く達してしまった。
拓馬も健も、まだ精を出してはいない。
蘭の気をやった時の締め付けは、大の大人も堪えられないほどだが、少年たちはそれ
に耐えたというより、呆気にとられていたのだ。
過去、犯した女たちは、ほとんどいっていない。
それはそうで、一方的に拓馬らが好き放題にしたからだ。快感どころではなかった
だろう。
中には気をやったらしい女もいないわけではなかったが、それにしても蘭ほどに激し
くいった女はいなかった。
事実上、初めてナマで女性がオーガズムに達したところを目撃したのだ。
その激しさに驚いていた、というのが正しい。

「ふう……すげえすげえ。しっかし綺麗だ、いった女ってこんなに綺麗なんだ」
「まったくだな。けど、こりゃあ蘭姉ちゃんが特別なんだよ。いった顔がこんなに
綺麗なのは珍しいんじゃないかな。おかげでこっちは出すことも忘れてたよ」
「へへ、今度はこっちが出してやりましょう、拓馬さん」
「そういうこった。そん時は蘭姉ちゃんも一緒にいかせるんだ」

少年たちは頷き合うと、また同時に腰を動かし始めた。
いったばかりでぐったりしている蘭に遠慮することなく、蘭の股間を埋め尽くした
二本の肉棒でグイグイと抉り上げる。

「あっ、ああっ……ま、待って、ちょっと待っ、ああっ!」
「待てねえよ。そらそら」
「女って何度も続けていけるんだろ? 一回くらいじゃ許さないよ」

それまでよりも激しい律動に、蘭は悲鳴を上げる。
しかし、すぐに膣内と腸内に塗りつけられた媚薬の痒みを癒してくれるたくましい
ペニスの摩擦にうっとりしてきてしまう。
愛液や腸液がだらだら出ている状態だから、媚薬はもう流れ落ちているかも知れない。
蘭は、痛痒感がたまらないから擦ってもらえて気持ちいいのか、それとも性器とアヌ
スを犯されているから気持ちいいのか、わからなくなってきていた。

「あ、あああ……」
「声がどんどん色っぽくなってくぜ、蘭姉ちゃん。もう観念しろよ、感じてるんだ
ろ?」
「ああ……」
「ああ、じゃねえよ。気持ちいいって言えよ」

陥落寸前の美少女は、同時にふたつの穴を犯され続けている。
子供に輪姦されるという異様な状況と、彼らの容赦ない仕打ちに、蘭はその肉体を
熱く狂わせていった。
どんなに抗っても否定しても、蘭の見事な肢体は少年たちを悦ばせるだけの肉人形
と化している。
どちらの穴も、太いもので塞がれ、粘膜を擦り上げられる喜悦に震えていた。

「ああっ……ああっ、強い、強すぎるっ……激しいってばあっ……ああっ……そ、
そこだめっ、ああ、おっぱいまでっ……!」

健が、蘭を持ち上げるほどに強く突き上げ、拓馬はアヌスを犯しつつ、両手を後ろ
から回して、突くたびにゆさゆさ揺れる蘭の大きな乳房を揉みしだいた。
食い込んだ指の隙間から、たっぷりとした肉が零れる。激しく揉まれた胸肉は様々
に形を変えて淫らな雰囲気を演出し、犯す少年たちを愉しませた。
乳首をつまんだり弾いたりすると、そのたびに蘭の身体がびくっと痙攣し、同時に
両穴がきゅっと締まるのが心地良い。

(もう……もう、だめ……)

蘭は心の中で屈服した。
どうにも堪えきれない。
どんなに我慢しても、痺れるような快感が身体の奥から無尽蔵に込み上げてくる。
もう小学生に犯されているとか、そういうことはどうでもよくなってきていた。

「うっ、ううんっ……いっ……あああ……」
「ほら蘭姉ちゃん、もっと自分から腰を振ってよ」
「い、いやいいですよ、拓馬さん。こんだけ気持ちいいのに、この姉ちゃんから
動かれたらすぐ出ちまう」
「いいだろ、別に。どうせすぐまた立つくせによ。だめだったら高橋と替わって
やればいい」
「わかりましたよ。けどマジでこのマンコ、サイコーだ。きゅっきゅ締まって、
俺のチンコ離そうとしませんよ」
「尻も同じだよ。マンコみたいに襞はねえけど、締め付けがきついのなんのって。
熱い肉が絡んできやがる」
「そうすか。俺、そういえば尻でやってことねえや。次、いいですか、拓馬さん」
「いいとも。尻童貞を蘭姉ちゃんで初体験なんて幸せもんだな」

少年たちに卑猥な言葉でいたぶられる蘭は、息も絶え絶えに喘ぐばかりだ。
尻を貫く肉棒と媚肉を抉る肉棒が、中でゴロゴロぶつかりあうのがたまらなかった。

「いっ……あああ……いい……」
「お、今こいつ「いい」って言いましたよ」
「マジか? おい蘭姉ちゃん、もっかい言ってみろ」
「いっ……いいっ……」

拓馬と健に、いいように身体の中をひっかきまわされながら、蘭は自ら腰を使い始
めている。

「気持ちいいのか、蘭姉ちゃん」
「いいっ……き、気持ち、いいっ……あああっ……」
「とうとう言わせましたね」
「くーっ、満足満足。ほれ、もっと言えって。エッチなことをどんどん言えよ」
「ああっ……ああ、いいっ……いっ……」

ふたりは担当するそれぞれの穴にペニスをねじこみ、思うままに腰を叩きつけていく。
小柄な小学生に前後を挟まれ、揉み潰されるようにされつつも、蘭は自分から動いた。
蘭の下で健が首筋を舐めながら、激しく上へと突き上げる。
両手は尻に回し、その尻たぶを思い切り開かせていた。
そうすることで拓馬のピストンをサポートする意味もあったが、蘭のぷりぷりした
臀部の感触を味わっているのだ。
蘭の背中からのしかかっている拓馬は、腰を小刻みに持ち上げ、ストロークは短いが
激しい律動を加えていた。
両手はもちろん、健と蘭の胸の間に潜り込ませ、蘭の柔らかい乳房を揉み込んでいる。
黒髪をかきわけ、露わにうなじには、舌を這わせて唾液を塗りつけていた。
全国的な注目を集めたこともある美形女子高生の空手チャンピオンは、その全身を
使って男子小学生の性欲に奉仕していた。

「あっ……あああっ……」

激しい行為の最中、蘭はぷるぷるとその身体を小刻みに痙攣させ始めた。
それは、責める子供たちにもわかったらしい。

「あれっ、ま、またマンコ締まってきたあっ」
「尻もだ。こりゃあ、また蘭姉ちゃん、いきそうなんだ。そうだろ、蘭姉ちゃんっ!」

蘭は我を忘れてガクガクと何度も頷いた。

(ああ……ど、どうしよう、またいきそう……しょ、小学生に犯されていかされる
なんて……)

「なんでいきそうなんだよ。どこが気持ちいいんだ」
「ああっ、あそこ……」
「ちゃんと言え、マンコだろ? あと尻の穴だな?」
「いっ、いいっ……ああ、また来る、来ちゃうっ……いいっ……」
「言えって、マンコいいって」
「いいっ……オ、マンコ、気持ち、いいっ……」
「尻もだ」
「お尻もっ……お尻の穴、いいっ……りょ、両方すごいっ……あああ、か、硬いのが
奥まで……いいいっ……」

蘭は悲鳴にも似た声で、命じられるままに卑猥な言葉を口走った。
それがまた、蘭の官能を著しく刺激し、さらに高みへ持ち上げていく。

「いっ、いくっ……だめ、いきそうっ……あああ、いっちゃうわっ……」
「そ、そんな色っぽい声で喘ぐなよっ、お、俺まで出ちまうっ!」
「で、でも、いいっ……ほ、ほんとにいきそうなのよっ……気持ちいい、いく、いく、
いくっ……!」

男心をとろかすような媚声で喘がれ、嬌声を聞かされて、少年たちも我慢しきれなく
なっていった。
拓馬も健も、動きが忙しなくなっていく。
腰の動きは大きなものではなく、素早いものになっている。
蘭の粘膜で擦ってペニスを刺激させている。
拓馬がぎゅうぎゅうと揉み込む乳房に、興奮した健がその乳首に歯を立てて囓る。

「ひっ、ひっ……だめ、いくっ……いっ、いくっ……いっくううううっっ!!」

その瞬間、蘭の肢体がガクンガクンと大きく二度跳ねた。
背中の上に乗った拓馬を振り落とさんばかりの勢いだった。
同時に、膣とアヌスが思い切り収縮し、中にねじ込まれた肉棒をぎゅっときつく締め
付ける。
たまらず少年たちは、ぶるっと腰を震わせた。

「お、俺だめっ、出るっ!」
「こっちもだ、蘭姉ちゃん、尻の中に出すよ!」
「俺はマンコだ! マンコの奥に出す!」

どっびゅうっ。
どぴゅるるっ。
びゅるるっ、びゅくっ、びゅくっ。
びゅううっ。

「うひぃっ!? でっ、出てるっ……!」

膣奥と直腸内に勢いよく噴き出された精液の威力に、蘭は目を剥いて喘いだ。
びゅくびゅくと流れ込んでくる精液は胎内を穢し、腸管に染み渡った。

びゅるっ、びゅるっ。
ぴゅっ。
ぴゅくっ。

「あ、熱いのがいっぱい……オマンコにも、お尻にも……ああ、いい……あ、いき
そう……またいくっ」

蘭は、注ぎ込まれる精液の刺激で、何度も何度も絶頂を味わっていた。
少年たちの精巣から噴き出ていた精液は熱くどろどろで、うんざりするほどに濃か
った。

ふたりは充分に満足し、蘭を横に転がして「川」の字になった。
射精を終えた健と拓馬だが、とうとう蘭をいかせたことで興奮するのか、ペニスは
もう硬くなり始めている。
拓馬は、再び芯の入ってきた肉棒をアヌスから抜くことなく、また腰を揺すっている。
待ちかねたカメラ担当の大輝が健を突き飛ばすようにして、彼の位置に入ろうとする。

「こ、今度は俺だよ。ですよね、拓馬さん」
「そうだな、交代してやれ、菊池」
「わかりましたよ。けど、拓馬さんがもう一度終わったら、今度は俺が尻でいいです
よね?」
「いいよ。そしたら今度は俺がマンコをやるからな。いいよな、蘭姉ちゃん」

蘭は虚ろな目を泳がせて、何とか言葉を吐いた。

「い、いや……もういや……」
「だめ、許さない。満足するまでやるからね」
「ああ……。じゃあせめて少し休ませて……じゃないと、あたし……」
「空手やってんだろ? これくらい平気でしょうに、毎日トレーニングしてるんだ
から。じゃあいくよ」

そう言って拓馬は、横臥位で蘭の尻を突き込み始めた。
蘭の豊潤な尻が少年の腰で潰され、ぴしゃぴしゃと肉を打つ音がする。

「ああっ……いやあ、もういやあ……」

────────────────────

拓馬たちは居間でくつろいでいた。
大型テレビには、はしゃぐお笑い芸人たちが映っている。
深夜バラエティのようだ。
テレビの上にあるデジタルクロックは、深夜の0時29分を掲示していた。
拓馬はソファに横たわり、大して面白くもない番組を所在なげに見ていた。
ガチャリとドアノブを回す音がして、大輝が入ってきた。

「どうだった?」
「寝てますよ、この時間ですしね」

大輝は拓馬に命じられて、蘭と圭太の様子を見てきたのだった。
蘭への集団レイプは1時間ほど前にようやく終わった。
さすがにくたくたになって、蘭と圭太はベッドルームへ放っておき、彼らはこの部屋
で休んでいた。
蘭はもう失神寸前だったから、そのままである。
後ろ手に縛ったのも解かなかったから、逃げようにも逃げられないだろう。
あれだけ犯し抜いたのだから、そうそう体力は回復しないだろうし、そもそも裸の
ままなのだから逃亡は不可能だと思った。

圭太に関しては、蘭よりも心配していない。
あんな弱虫に何かが出来るとはとても思えない。
こちらは縛ったりもせず、そのままである。
逃げるとは思えなかったが、もし逃げでもしたら、帰ってからリンチにするつもり
だった。
圭太とてバカではないから、仮に逃げても後がひどいということくらいわかるはずだ。

これがおとななら、自宅へは戻らず逃亡することもあるだろうが、小学生なのだか
ら、結局、家に帰るしかない。
蘭と一緒の部屋にしておくのはまずいと健あたりは言ったのだが、拓馬はさして気に
していなかった。
例え蘭が唆しても、圭太は拓馬らの怖さを骨身にしみて知っている。
ともに逃げる線も、蘭だけ、あるいは自分だけ逃亡する可能性もないと判断した。
どうせあの弱虫は、蘭と同じ部屋に置いておいても、蘭を犯すようなことも出来ない
だろう。
もしそうなっていたら面白いとも思ったのだが、大輝の話では、どうもそれもなかっ
たようだ。
大輝は眠そうに目を擦りながら言った。

「姉ちゃんの方はもうぐったりしてました。寝息が聞こえたから寝てるでしょ。黛
は部屋の隅っこで俯いて体育座りのままですよ。こっちは寝てるんだかいじけてる
んだか……」
「そんなところだろうな」

拓馬も、そう言いながら大あくびしていた。
テーブルの上にはビール缶が3本ほど並んでいる。
いずれも拓馬が飲んだものだ。
さすがに酔いが回っているらしい。
大輝と健は、タバコは吸うが酒は飲めない。
チューハイのように甘く味の付いているものならいけるが、ビールなど苦いだけだと
思っている。
小学生ならそう思うだろう。
実際、タバコにしても、拓馬はちゃんと肺まで吸い込むが、健と大輝はふかしている
だけだ。
真似だけなのである。

テーブルには灰皿とビール缶の他、スーパーで買い込んだ総菜や寿司、スナック菓子
などが散乱している。
飲むだけ飲んで、食うだけ食うと、猛烈な眠気に襲われた。
健などは、この部屋に来て少し飲み食いしただけで、もう大いびきである。
大輝が拓馬の正面に、どすんと腰を下ろした。ペットボトルからコーラを注いでいる。

「……で、さっきの話、マジすか」
「……ああ」
「でも明日って学校は休みだけど、家に帰らないと……」
「心配か? こんなチャンス滅多にないんだがな」
「でも……」
「別にこのまま一生ここにいるわけじゃねえ。せいぜい三日とか、その辺だよ。あの
姉ちゃんを徹底的にやっちまって、俺たちの奴隷にしちまうんだ。これっきりで終わ
らせるのはもったいねえだろ?」
「そりゃまあ。でもなあ、それじゃ学校さぼることになりますよ」
「何を今さら。どうせ何度もさぼってんじゃねえかよ。それに、あんないい女、これ
からも絶対出てこねえぞ。だから俺たちを忘れられねえようにするんだ。ここから解放
しても、俺たちが呼び出せば出てくるくらいにな」

最初は脅しだろう。
携帯で撮った写真やデジカメで撮影した動画がかなりある。
それは拓馬たちのオナニー用に使うのだが、もちろん蘭を脅迫するのにも使える。
組を通して裏ビデオにして売る、と言って脅せば、いやでも蘭は言うことを聞かざる
を得ないはずだ。
それだけでなく、あの身体に俺たちの味を覚え込ませてやるのだ。
そうすれば、脅迫なんぞしなくても、あの女は俺たちのものになる。
悪辣な小学生は、女性生理や心理を無視したような思い込みを話し合っていた。

「わかりましたよ。でも親や学校は……」
「親には俺が電話してやる。学校へは親から伝えさせればいいだろ」
「そうっすね。じゃ、今日はもう寝ますか」
「だな。明日は10時頃起きて、またあの姉ちゃんをたっぷりとな」

ふたりは顔を見合わせて笑っていた。

────────────────────

「……!!」

蘭は殺気を感じてハッと目が覚めた。
薄暗い中、目の前に刃物が光っている。

「なっ、なにを……!?」
「しっ!」

蘭の驚いた顔の前から、刃がすっと引いていく。
代わりに少年の顔が迫ってきた。
陰になっていて表情がわからない。

「……蘭お姉ちゃん」
「きみ……、圭太くん?」

影法師がこっくりと頷いた。

「きみ……!」
「しっ。静かに。勝村さんたち、今、寝てるから」
「……」

部屋に差し込む月明かりで、圭太の思い詰めた顔が見えてきた。
手には小振りの包丁らしいものを持っている。
何を考えているのか、わからなかった。
蘭は声を殺して聞いた。

「きみ、何してるの!? そんな危ないもの持って……」

蘭は、圭太が自分にそれを使おうとしているとは思っていない。
蘭を殺す意味はないし、それで脅して凌辱する、というのも考えにくい。
拓馬たちならともかく、この少年はそんなことはしないだろう。

「……あの人たち、居間で寝てた。僕、そっとその部屋に入って、この果物ナイフ
を持ってきたんだ」
「だ、だからなぜそんな……」

まさか、彼らを手に掛けたというのではないかと思い、蘭は少し青ざめた。
しかし少年の答えは違っていた。

「逃げようよ」
「え……?」
「もう、こんなのいやだ。逃げよう」

戸惑う蘭を尻目に、圭太は蘭を縛った両手のロープを慎重に切断した。
乳房の上下に掛けられたものも、なるべく胸を見ないようしながらそれを切り落と
した。

「あ……ありがと……」

蘭は縛られてその跡が轍となっている手首を痛そうに擦っていた。
内心、驚いている。
気の優しい、そのせいか気の弱い圭太が、こんな思い切った行動に打って出るとは
思わなかったのだ。

「僕……考えたんだけど」
「……なにを?」

少年は、考え考え、小さな声でぽつりと言った。

「もしかしたら、こんなことする資格ないかもって」
「どういうこと?」
「だって……」

圭太は口ごもり、蘭をちらっと見て、また視線を外した。
彼女がヌードだったこともあるが、それ以上にとてつもない罪悪感を感じていたの
だった。

「だって僕、その、蘭お姉ちゃんに、あの、ひ、ひどいことを……」
「……」

拓馬に唆されて、圭太が蘭を犯したことを言っているのだ。
確かにあれは蘭にもショックだった。
可愛がっていた少年に凌辱を受けたのだ。
しかし状況が特殊である。
あれがもし、圭太自身の意志で蘭を誑かすか、あるいは脅してその身体を奪ったの
であれば、蘭の衝撃はかなりのもので、しばらく立ち直れなかっただろう。

だが圭太がそんな暴挙に出るはずもなく、あの時は悪魔のような少年たちに脅迫さ
れて事に及んだのだ。
結局、圭太は諾々と彼らに従ったが、もし拒絶しようものなら、暴力を使ってでも
思い通りにしていたはずだ。
だから抵抗は無意味であり、仕方がなかったのだ。
余興として、仲の良かった蘭と圭太の恥ずかしい行為を見てやろうとしただけなのだ。

ただ、蘭を犯している時、圭太は盛んに蘭の名を叫んでいた。
これは、圭太が蘭のことが好きだというのもあるだろうが、やはり男の目で蘭を見て
いたところもある、ということになる。
状況は異常だったが、この少年にとっても、蘭を抱くということは、ある意味、願望
だったのかも知れない。
それを思うと、蘭も少し複雑な心境になってくる。
それでも、彼はそれらを乗り越えて行動に出たのだ。
蘭は、わだかまる思いを飲み込んで微笑んだ。

「……いいの、そのことは」
「あの時は……仕方なかったわ。お姉さん、全然気にしてないから。君も忘れて。
ね?」
「……」

気にしていないというのはウソだし、圭太の方としても、忘れたいが忘れたくない
記憶であろう。
しかし、それを今、論じている暇はない。

「でも、あたしを自由にしちゃっていいの? きみが後で酷い目に遭うかも」
「……」
「それに、今晩中か夜が明けたらか知らないけど、彼らだってあたしたちを解放せ
ざるを得ないのよ」

そうに違いない。
いくら何でもこのまま帰らないわけにはいかないだろう。
蘭が行方不明扱いで捜索願でも出されれば、彼らだって困るのだ。
だとしたら、また朝方あたりに犯されるかも知れないが、このまま待っていれば帰れ
るのだ。
だいいち、今ここで脱出できたとしても、ここがどこかすらわからないのである。
どうやって帰ればいいのだろう。
携帯電話は、蘭も圭太も取り上げられてしまっている。

「……そうはしないみたい」
「え?」
「さっき、部屋を覗いたら、勝村さんと高橋さんが言ってた。こんなチャンスはもう
ないから、もっとやっちまおうって」
「……」
「三日くらいここに籠もってやりまくるって」
「そんな……そんなことしたらタダじゃ済まないわ」

そう言って蘭は気づいた。
タダでは済まないのは今でも同じである。
帰ってから蘭が訴え出れば、拓馬達は間違いなく検挙され、補導されるだろう。
いかにヤクザが親でも、社長が親でも関係はない。
とすれば、どうせ捕まるならということで、それまでの間、蘭を出来るだけ嬲ると
いうことも考えられる。
どうしてそんなに刹那的なのか蘭にはさっぱりわからなかったが、こうなった以上、
彼らには安住の地はないのである。
無茶をする可能性は充分にあった。
であるならば、圭太の言う通り、逃げるしかない。

「じゃあ、あの子たち本気で……」
「多分」
「わかった」

蘭は途端にしゃきっとした。疲れは多少あるが、そんなことを言っている場合では
ない。
畳んでサイドボードの上に置いておいた着衣を手に取る。
そこに圭太が、すっとタオルを差し出した。

「あ、ありがとう……」

手にして蘭は気づいた。
濡れタオルだ。これで身体に付着した体液や汗といった汚れを拭え、ということ
なのだろう。
少年に感謝しながら、蘭は身体を拭いた。
冷たい感触が肌に心地よい。
圭太は「見てはいけない」という風に、顔を背け、目をつむっている。
蘭は、何だか微笑ましくなった。
下着とブラウスを身につけ、きゅっとネクタイを締めると、何だか頭もしゃっきり
してきた。
スカートを履き、ブレザーを羽織ると、圭太の手を取ってウィンクした。

「いきましょ」

ふたりは忍び足で廊下をそっと歩いて行く。
廊下の照明をつけるわけにはいかない。
スリッパも履かず、ソックスのまま壁を伝うように歩を進める。
途中、ドアが半開きになり、そこから光が漏れている部屋があった。
そっと覗くと、三人の少年たちは、いびきまでかいてすっかり寝入っていた。
テレビがつけっぱなしで、これなら少しくらい音をさせても起きないだろう。
見ればビール缶まで転がっている。
蘭は義憤が湧いたが、もし彼らが飲んでいるなら酔っているだろうし、そうなら
余計に起きないだろう。

蘭は中に入って携帯電話を探そうと思った。
蘭たちが閉じ込められていた寝室には、服以外はなかった。
携帯や鞄は取り上げられたのだ。
それがないかと思ったのだが、さすがに部屋に入る気にはならなかった。
うっかり大きな物音を立てて、気づかれないとも限らない。
テーブルの上にクルマのキーがあったのを見て、思わずとっていこうしたが、よく
考えれば圭太はもちろん蘭も運転なんか出来なかった。
結局、何もせず、半開きになっていたドアをそっと閉じただけで別荘の外へ出た。

「……」

さほど寒くはないが、真っ暗である。
街灯はほとんどない。
道はあるが、どっちに行けばどこに出るのかさっぱりわからなかった。
携帯電話がないのは痛かった。
山の中だが、今の世の中、大抵の場所は通じるだろうし、電話だけではなくGPS
を使って現在地を探ることもできたのだ。
現状では東西南北すらわからない。
今の季節と月、星の位置などで知ることが出来ることは知っていたが、あまり天文
には興味がなかったから、判断しようがない。
真面目に勉強しておけばよかったと蘭は苦笑した。
とにかく、来た方へ戻るしかない。
蘭は圭太の手をしっかりと握ったまま、暗い夜道を歩いて行った。



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