ミシェルはそう言うと、何やら両手に持ったものを振って見せた。
右手の親指と人差し指で摘み持っているのは、どうやら鳥の羽のようだ。
けっこう大きめで、長さ15センチくらいはある。
左手の方も羽根のようだが、右手に持っている羽根ペンのような一本ものではなく、羽毛タイ
プのようだ。
確か羽根箒の高級なやつが、こんな感じではなかったろうか。
身の危険を感じて、蘭は咄嗟に叫んだ。

「何をするの、そんなもので!」
「すぐにわかるさ」
「ち、近づかないで! ああっ!?」

ニヤニヤした白人は、蘭が責めを前に緊張する暇も与えず、唐突にそれを使い出した。
漆黒の長い髪から覗いた耳を責めてきたのだ。
糊が利いているような、やや固めの羽根が、形の良い耳たぶをそっと撫でる。
ふわふわと柔らかい羽毛の方は、埃を払うかのように耳の穴の中を擽った。

「ひっ! あああっ!? やめっ、うううっっ」

意外な責め口に、蘭は大きく動揺した。
犯すつもりなのだろうから、おっぱいを揉んできたり、大事な股間を舐めてくるとか、そう
いうことをしてくると思っていた。
蘭の性知識ではその程度である。
まさか、こんなことをされるとは思ってもみなかった。

ミシェルは、仰向けになっている蘭の頭の方から覆い被さるようにして両手を使っていた。
左右の耳の孔や耳たぶ、首筋に羽根の責め具を這わせ、蘭に悲鳴を上げさせていた。

くすぐったい。
なのに、どうにも動けないもどかしさ。
くすぐられて、それを止めさせることが出来ないのであれば、身体を動かして穂先を避けよう
としたいところだ。
ところが完全に固定されていてビクとも動けない。
そのつらさ、悔しさに、蘭は呻くしか出来なかった。

「あっ、うううっ……や、やめっ、ひっ、あはあっ、く、くすぐっ、ああっ、くすぐったい
いいっ」

責めるミシェルは、責められている当の少女よりも彼女の身体の変化を見破っていた。
蘭の全身から、じんわりと汗が浮いてきている。
くすぐられているのをひたすら我慢し、力んでいるのだから、これは当然だ。
しかし、少女の汗の香りの中に、微かに甘い女の匂いも漂ってきている。
男の目は自然と蘭の股間へ向いた。まだ濡れている風ではなかったが、もう体液が滲んできて
いるのだろう。

責められる美少女の方も、そのことに気づき出していた。
何だ身体が熱い。
特に腰の中心が熱を持ってきている。
くすぐったくて、グッと全身に力を込めると、膣の奥からじわっと何かが分泌されるのがわか
った。
それが女の淫らな汁だとわかると、蘭は顔を真っ赤にして目を閉じた。
くすぐったいだけなのに、それを我慢しているだけなのに、なぜそうなるのかさっぱりわから
ない。

自らの肉体の変化に戸惑っている少女を見て、ミシェルはほくそ笑んだ。
くすぐったい、こそばゆい、という感覚は性感の裏返しなのだ。
くすぐりに弱いということは、それだけ肌が敏感なことを証明しているわけだし、そのくすぐ
ったさを越えたところに官能の快楽が潜んでいるのだ。
経験上、それを熟知しているミシェルは、かさに掛かって蘭を責め出した。

確かに蘭はくすぐったがりだった。
園子などは、それを面白がって、よく悪戯をした。
蘭の後ろからこっそり近づき、腋をくすぐったり、首筋にふっと息を吹きかけるのだ。
そうすると蘭の反応は激烈で、座っていた椅子から飛び上がるほど驚き、肌にもぞわっと鳥肌
が立つ。

園子の悪戯を延々と繰り返すとこうなるのだろうかと、蘭は目をつむったまま思った。
このまま首や耳をくすぐられるのもたまらないが、その下を責められるのもおぞましかった。
蘭のもっとも弱いのは腋と足の裏である。
そこをくすぐられるともう頭が真っ白になるくらいになってしまう。
あの羽根で腋の下や足の土踏まずの部分を撫でられたら、どうなってしまうのだろうか。

「あひっ!」

予想通り、ミシェルの羽根は腋を責めてきた。
綺麗にむだ毛処理された美しい窪みを、不粋な羽毛が責め苛んでくる。
固めの羽根のエッジで窪みをくすぐり、二の腕の内側、そこから脇腹にかけて羽毛がゆっくり
と這っていく。
嬲られているのは首筋や腋なのに、どうしたことか、その刺激が直接股間へ、膣へ来るような
気がした。
膣の奥にビンビンと響いてくる。
そこが切なくなってくる。
おぞましい感覚に、とてもジッとしていられない。
敏感な箇所を責められると思わず全身に力が入り、仰け反ろうとする。
だが、それが出来ない。
身体をよじらせることが出来れば、若干でも動ければ、このもどかしさを少しは逃がすことが
出来るだろうに。

蘭は美肌に鳥肌を立たせ、手足の指を思い切り屈ませて踏ん張るしかなかった。
グッと力むとお腹に力が入り、大きな乳房の下にはあばらが浮き出る。
お腹には綺麗に筋肉の線が浮かんでくる。
男はそのあばらや腹筋をも羽根で責めてきた。

「いっ、いやああ! そっ、そこっ、ひっ、あああっ、やっ、くすぐっ、ああああっ」

蘭の股間は濡れ始めていた。
汗かも知れないが、徐々に濃密な香りがしてきたところを見ると、愛液も滲んでいるのは間違
いない。
成熟しかかっている若い女体は、こそばゆさを官能へと変換してきているのだ。

「やあっ、だめっ……ひっ、やめてっ……こ、これ以上されたらっ……」
「ほう、どうなると言うんだね、美しいお嬢さん」
「おっ、おかしくなるっ……どうにかなっちゃうっ」

蘭は混乱して、このままでは気が狂うと言っている。
だが、そうではないのだろう。
いきそうになっているのだ。
ただ、そのことがまだ本人にわからないだけである。
ミシェルとしては、このままくすぐりだけで絶頂まで追いやってもよかったのだが、それは
止めた。
このまま簡単にいかせてしまってはつまらない。
蘭から「いかせて」とせがむくらいにしたいものだと思った。

「ひゃあっっ、む、胸はぁっっ!」

男の羽根がとうとう乳房にまでやってきた。
足の裏をくすぐられるのを恐れていた蘭だったが、乳房の方は忘れていた。
とにかく腋と足の裏がくすぐりに弱かったから、そればかり気にしていたのだ。
だが、こうして胸をくすぐられると、腋や足の裏以上の刺激があった。
性感帯なのだから当たり前だろう。

右の乳房を羽毛が、左の乳房を羽根が撫で上げる。
裾野の周囲を、円を描くように上へと昇っていく。
白い肉塊を越え、薄紅の乳輪に届いた。
ぞわっと、寒気とも快感ともつかぬ鋭い刺激が頭に走った。
乳輪周囲はぶつぶつと鳥肌が出てきている。
たまらず、蘭は上半身に力を入れてその刺激を堪えた。
思わず出そうになる声を必死になって噛み殺す。
悲鳴や泣き声ならばいい。
しかし、うっかりすると湿った艶声が洩れそうになる。
そればかりは何としても我慢しなければならない。
だが、責める男の羽根が乳首にまで来てしまったら。
蘭がそう考えた途端、それは来た。

「あっはああああっっ!」

羽毛が乳首全体をこそこそとくすぐり、羽根はエッジの部分で乳首の付け根を抉るように擦っ
ている。
今にも乳首が破裂してしまいそうだ。
目を固くつむっていた蘭がそれを見れば、自分の乳首が普段よりずっと大きく赤く、そして硬く
しこっているのがわかっただろう。

もう誤魔化せない。
はっきりとした快感──それも、強烈な快感に、蘭は大きく口を上げて喘いでしまった。
全身が、瘧にでもかかったようにガクガク揺すられる。
手足を拘束したレザーベルトを引きちぎらんばかりに激しく動いた。
特に腰の辺りがすごい。
腹部に巻かれたベルトを引き離すかのように、少し尻が浮いた。
あれだけがっちりと押さえつけていたのに、それすら跳ね飛ばすほどの勢いだ。
蘭の体力と筋力が優れているということもあるが、それ以上に、ミシェルから与えられた肉悦が
凄まじかったということだろう。

「やああっ、ひいっ……あっ……だ、だめえっ……」

もう蘭は、くすぐられているのか愛撫されているのかわからなくなった。
羽毛が乳房全体をもぞもぞと這い回り、羽根の端で乳首をこそげ取るように擦られる。
かと思うと、硬い羽根の根元を使われて、乳首をつついたり、乳房の肉に突き刺したりもされた。
乳首の頂点がやや窪んでいる。
その中央付近に乳腺があるのだが、そこを突っつかれると、痛みとも快感ともつかぬ、強烈な
刺激が蘭の脳内と膣内に痺れを送ってくる。
もう乳房への責めだけで絶頂してしまいそうだ。
蘭は涙すら流して哀願した。

「おっ……お願いっ……ひっ……」
「ん? なにかね?」

ミシェルの手が止まり、少女はホッとした。
一瞬とはいえ、男の責め手が止まったのは、責められて以降初めてのことだ。
唇をわななかせながら蘭は言った。

「お願いだから……も、もう、しないで……もう限界……」
「やめて欲しいというのかね」
「ああ……は、はい……」
「ウソはいかんね」
「ウ、ウソって……」

ウソなわけがない。
くすぐり責めを我慢させられ、それが変化した性的快感をも堪え忍んでいる。
もう失神寸前なのだ。
これ以上続けられたら本当に狂ってしまいそうだ。

「キミはやめて欲しいんじゃないだろう」
「ど……どういうことよ……」
「続けて欲しくないのかね」
「いやっ……」
「口ではイヤと言っているが、本当は最後まで続けて欲しいんだろう?」
「最後まで……」
「そうさ。こうしてその美しい肉体を嬲られてオルガスムスに達したいんじゃないのかね?
いきたかったんじゃないのかね?」
「バ、バカなこと言わないで!」

蘭は顔を朱に染めて叫んだ。
もう蘭は処女を失い、激しい肉調教を受けてはいるのだが、そのことは綺麗サッパリ忘れてい
る。
だから、感覚的に「いく」ことは知っているはずだが、心的には知らないのである。

自慰の経験はある。
さみしい時、肉体的に疲労した時など、もやもやと催すことはあった。
恥ずかしかったが、健康な人間であれば、多かれ少なかれ、誰でもあることだと思い、心なら
ずも自らを慰めた。
その時「いく」という感覚は何となく知ったが、軽いものだった。
自失するほどのものではない。
しかし、今このまま愛撫され続けたら、訳が分からなくなるほどにいかされそうな予感があ
った。

蘭もカマトトではないから、今、自分の肉体が意志を裏切って、どれだけあさましい状態に
なっているのかわかっている。
先ほどから少女の膣の奥は赤く熱く腫れぼったくなっている。
中に指を入れられたら、それだけでいってしまいそうなのだ。
膣口からは、湯気が出そうなほどの蜜がコポコポと零れて来ている。
自分の身体はいったいどうなってしまうのか……蘭は恐々と目を開けると、ニンマリとした
外国人が顔を近づけてきた。

「あっ、もうやあっ!」

また乳首に微妙な刺激が来る。
もうはっきりと気持ち良くなってしまっている。
もう少し、あと一押し責められたら、たぶん恥ずかしい姿を晒してしまうことになる。
しかし、胸への責めは短かった。
その代わり、また別の箇所へ来た。脇腹から腰へと羽根が伸びてきたのだ。
何とか責めの矛先から逃げようと、肢体をひねり、くねらせる。
左右に捩らせ、腰を引き、足を引き絞る。
そんな儚い抵抗など、錬磨の男にはどれほどのこともない。
ミシェルは嗤いながら、逃げる蘭を追い掛け、いたぶるのだった。

「あっ、くううっ……」

陰毛に触れるか触れないかの、腿の付け根あたり。
隠れた豊かな臀部。
太腿の内側にふくらはぎ。
膝小僧。
どこもかしこもくすぐったく、そして紛れもない性的快感が襲ってきた。

蘭がいちばん驚いたのは腰のくびれ付近である。
そこを羽毛でくすぐられると、じぃんと痺れるような刺激があり、思わずグッと腰を突きだし
てしまったほどだ。
その瞬間、蘭の股間から、僅かに蜜が飛沫いた。
軽くいったのかも知れない。

「あ、ああ……あああああっ」

それでもまだ、とても満足するところまでいっていない。
そう、蘭はもう何とかして欲しかったのだ。
恥ずかしい、汚い、という思いを、熱い肉の欲望が飲み込みつつあった。
自分は処女なのに(蘭はそう思っている)、こんな淫らな責めを受けて感じてしまっている。
しかも、もう犯されてもいい、とまで思い始めてきている。
許されることではなかった。

蘭は必死に肉の快楽を振り払い、心に念じた。
新一のことだ。
頭が切れて頼もしい、それでいて少し抜けたところもある。
そんな彼が好きだった。
自分のこの身体は、新一にこそ捧げられるべきもので、それ以外にはあり得ない。
なのに今、蘭の肉体は熱く火照りきって、男の焦れったい愛撫に対して切ない思いすら抱く
ようになっていた。
肉と心の葛藤に苦しむ美少女に、責める外国人は容赦がなかった。

「あくうっ……」

とうとうミシェルが足を責めてきた。
大きな口を開け、べろべろと少女の足の裏を舐めている。
まるでたった今風呂から上がったばかりかと思えるほどの清らかな足に、汚らしい大きな舌が
ナメクジのように這い回った。
まるで軟体動物のように舌は蠢き、指の一本一本を丁寧に舐め、足の指の間をも舐めてきた。
そして土踏まずには、大きく舌を拡げて、その全体を舐め啜った。

「あひいいいっっ……あああああっ!」

もうくすぐったさはほとんどない。
あるのは、言葉に出来ないほどの焦れったさを伴った快感だった。
完全にこそばゆさが快楽に入れ替わっている。
蘭はその時、また軽く達したようだ。
大きく仰け反ろうとしたが、頭まで固定されていて出来ない。
顎を、腹部を、腕を、腿を、そして足指をぐっと突っ張らせている。
肉悦を堪えているのか、それとも感じている表現なのか、傍目では判別がつかなくなっている。

ミシェルの方は、蘭の足指や足の裏だけでなく、腿やふくらはぎにも舌を這わせ出していた。
同時に、腕を伸ばして、柔らかな乳房やすべらかな腋、なめらかな腹部も羽根責めしている。
あちこちから襲い来る強烈でもどかしい快感が、格闘少女を追い込んでいく。

「もっ……もう、ああっ……」
「またかね。今度はどうしたいのだ?」
「……」

口ごもった蘭に、ミシェルは笑みを浮かべた。
否定的な言葉が出てこなくなった。
言い返したいのだが、もうそこまで気力がないのだ。
ただ、さすがに「欲しい」とも言えない。
だから黙っている、ということに違いない。
ミシェルが言葉をかけた。
追い打ちでもあり、悪魔の甘いささやきでもある。

「……正直に言いたまえ。いかせて欲しいのだろうが」
「……」
「言えないか? 言えないなら、いつまでもこうしてキミを焦らさなくちゃならん。それでも
いいのかね?」
「いっ、いやっ!」

蘭は叫んだ。
首が動けば、激しく振りたくったことだろう。

「ど、どうして……」
「ん?」
「どうして……こんなに虐めるの……。お、犯すつもりなら、さっさと……」

言ってから蘭はハッとした。
どうしてそんなことを口走ってしまったのだろう。
確かにカマトトではないが、普段なら「犯す」なんて言葉は使わない娘である。
望むと望まざるとに関わらず、状況的に「犯される」と思っているからだろうか。
それとも、どこかで「もう犯されてもいい、犯して欲しい」と思い始めているのだろうか。
少なくとも、彼女の若く健康な肉体は、愛撫の先を望んでいるように見えた。
腫れ上がった乳首やクリトリス、濡れきった恥毛や膣を見れば、誰でもそう思うだろう。

「……ほう」

ミシェルは笑いを噛み殺した。

「犯して欲しいのかね」
「そ、そんなこと誰も言ってないっ……。でも……」
「……でも?」
「ど、どっちみちあなたはあたしを……」
「いいや」
「え……?」

意外な言葉に、蘭は目を丸くして男を見た。
ミシェルは手にした羽根を揺らしながら言った。

「言ったろう。別に、無理に凌辱しなくてもいいんだ。嬲って焦らして……」
「そ、それはいやっ、もういやよ!」
「じゃあ言いたまえ。どうして欲しいのかをね」

言えるはずがなかった。
だいいち、肉体的にはともかく、精神面では、こんな男の毒牙にかかることなど望むわけがない。
見も知らぬ外国人に処女を差し出す謂われはないのだ。

蘭がぐっと言葉を飲み込むのを見て、ミシェルは肩をすくめた。
やれやれ、どこまでも頑固で我慢強い娘だ。
普通、ここまで追い込み、焦らしてやれば、大抵の女は泣き喚いて欲しがるものなのに。
身体も心も鍛えているとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
だが、まあいい。
その方が堕とし甲斐もあるというものだ。
その肉体には、調教の痕跡がまだ残っているはずだ。
さほど難しいことでもあるまい。
ミシェルは冷酷そうに告げた。

「では仕方がない。私とキミの根比べだ。もうかれこれ1時間以上もこんなことをしているが、
まだ続けなければならないようだ。キミが求めるまで、2時間でも3時間でも続けるしかある
まい」
「ま、待って!」

蘭は慌てて叫んだ。
冗談ではなかった。
今まで保ったこと自体、奇跡のようなものなのに、さらに何時間も続けられたら本当におかしく
なってしまう。
それは恐らく事実ではあったのだが、彼女はそう思い込むことによって言い訳にしようとした
のだ。
これは心から求めたことではない。
気が狂わないために仕方なくすることなのだ。
決して自分が淫らで男を欲しがったのではないと思いたいのだ。
蘭はまたしても目を閉じ、そして今度は力なく口を開いた。
だが、どうしても言えない。
無理もない。
蘭はまだ、精神的には性的に無垢な処女なのだ。

「……」
「言えないのかね」

ミシェルは再び責めを開始した。
腋に舌が這い、羽毛がヘソを擽り、羽根が乳首を責めた。
蘭は驚いて悲鳴を上げた。

「あっ!! やっ、いやあっ……くうっ……いっ、言えないわよっ、そんなっ」
「それじゃだめだ」

蘭が目を開けると、ミシェルがその顔を上から覗き込んでいた。

「ちゃんと言いたまえ。私を犯してください、とな」
「そんな……」
「私のアソコにペニスを突っ込んで……いや、もっとはっきりとだな。オマンコにチンポを突
っ込んでください。思い切りいかせて、中にたっぷり射精してくださいと言うんだ」
「……」

そんな恥ずかしいことが女の子に言えるわけがない。
言えるわけがないのだが、なぜか蘭は、ミシェルの卑猥な言葉を聞いて、じゅんっと媚肉が
潤んでしまったのを感じていた。
恥ずかしいことを言われる、言わされる、と考えただけで、膣の底が熱くなる。
それがどういうことなのか考える余裕もなく、格闘少女は混乱した。

「どうしても言えないか」
「……」

相当に貞操観念が強いらしい。
処女だと信じているのだから仕方がないが、それにしても我慢強さもかなりのものだ。
やはり武道で心身共に鍛えているからだろう。
厄介だが、それだけに堕とした時の達成感も大きい。
しかし、ここはこれ以上無理のようだ。
ミシェルはハードルを少し下げてやった。

「どうにかして欲しいのだろう? 私に犯して欲しいのだな? イエスなら頷いてみろ。
それくらいは出来るだろう」
「……」

悪魔の淫靡な誘いに、美少女は一時的とはいえ屈した。
正直、早く屈したかったところもあるのだ。
ただ、どうしても口に出来なかっただけだ。
プライドもあるし、新一への思いもある。
女としての矜持、少女としての清楚さも邪魔していた。
散々躊躇した挙げ句、蘭は小さく頷いた。

「よし、もう一度だ。犯していいのだな?」

今度ははっきりと、コクンと首肯した。
蘭は声を詰まらせ、泣き出した。
情けなくて仕方がなかった。
心を裏切る身体の存在が、これほど頼りないと思ったことはなかった。

「まあ、取り敢えずはそんなところか」

ミシェルとしては全然満足していなかったが、最初はこんなものだろう。
しかし、あのマキタというヤクザは、こんなに固くてしぶとい少女をよくもあそこまで仕込
んだものだ。
あの時は犠牲としてやむを得ないと思ったが、今考えると、殺したのは惜しかったかも知れぬ。
そんなことを考えながら、ミシェルは着衣を脱いだ。

蘭は固く目を閉じたままだ。
あんなことを言ってしまった後悔と屈辱に泣き濡れているのか、それとも、これから始まる
肉宴の期待に震えているのだろうか。
その肢体を厳しく締め付けている拘束を少し緩めてやった。
蘭の身体のことを思ってのことではない。
寝台に隙間がないほどにピッタリと縛り付けてあるため、このままでは思うように抱けない
からである。

「ああ……」

蘭は息をついた。
頭が、首が少し動くようになった。
手足も膝や肘が少々曲げられるくらうの余裕が出来た。
腹部の拘束も解かれ、腰も動かせる。
息苦しさやもどかしさは若干解決した。
少女が安堵する暇もなく、大柄な男がその開かれた両脚の間に入り込んできた。
その気配にハッとして目を開けると、裸のミシェルが迫ってきている。

「いっ……いやあああっっっ」

蘭のつぶらな瞳に飛び込んできたのは、人間の器官とも思えぬ巨大な性器だったのである。
日本で犯された時、牧田の巨根を散々味わわされたのだが、そのことは記憶にない。
とすると、蘭は男性の性器を間近に見たことなどないのだ。
幼女の頃に父の小五郎と入浴したことはあるが、小学生の頃にはもうひとりで入っている。
以来、ペニスなど見たことはないのだ。
性教育の授業で医学的なイラストを見たくらいである。
今、目にしているそれは赤黒くいきり立ち、先の方がぶくりと膨らんでいて、見るからに
恐ろしかった。
蘭にとって、それはまさに「肉の凶器」であったろう。

蘭の狼狽ぶりを見て、ミシェルはまず愛撫から加えた。
せっかく濡れた股間から蜜が引いてしまっては元も子もない。
まだ濡れている媚肉にすっと太い指を伸ばす。

「あっ……、やっ、うんっ……」

指が繊細な性神経の集中しているクリトリスや膣に触れると、蘭はビクッと腰を跳ねさせた。
綺麗に合わさっていたはずの初々しい肉が、今は見事に花開いていた。
責める指先に熱い蜜がまとわりつく。
親指と人差し指を擦り合わせて、愛液の粘りや香りを確かめると、男は頷いた。
大丈夫だ、充分に蘭の肉体は火照っている。
今ならスムーズに挿入できるだろう。
ミシェルは遠慮なく蘭の膣口をこじ開け、そこに硬直しきったペニスを押し当てた。
蘭は狂ったように叫んだ。

「いやっ、いやあっ! そ、それだけはいやよ! し、しないでぇ!」

いったんは覚悟し、犯される気になっていたものの、いざその場になると恐怖と恥辱が甦る。
その清純な身体を穢されることへの屈辱がふつふつと沸き立つ。
蘭の声などまったく気にせず、ミシェルは腰を差し込んだ。

「入れるぞ、蘭」
「いやああっっ!」

男が腰を進めると、蘭は思わず腰を引く。
その尻がベッドに張り付き、もう逃げ場はなくなった。
ミシェルの肉棒が蘭のそこに割り込んでいく。

「あっ、ああっ……あ、ぐううっっ……」

痛いのか、蘭はその美貌を歪めて身悶え、苦鳴を上げる。
一方のミシェルは困惑していた。
入れにくいのだ。
牧田があれほど凌辱の限りを尽くしたはずなのに「堅い」のだ。
ミシェルは腰を引き、また進め、少しずつ少しずつ蘭の膣口を貫いていく。

「いっ……たいいいっっっ! しっ、新一っ! 新一ぃぃっ!」

やっと亀頭部が通ると、蘭はつんざくような悲鳴を放った。
ミシェルはさらに腰を送り、少女の狭い膣道へ太いペニスを押し通していく。
蘭の反応を見ると、あの時以来、性交はしていないのだろう。
極端に密度の濃かったあの時を除けば、確かにこの娘は処女同然だというのもうなずける。
それだけに、すっかり狭まっていた膣裂を強引に引き裂かれ、拡げられる痛みは半端なもの
ではないに違いない。
ミシェルは慎重に腰を前に押しやっていく。

「あ……ああ……くっ……きっ、つい……あっ……」

ずるずると膣に沈んでいった肉棒は、とうとう蘭の肉底にまで押し入ってきた。
すっかり根元まで埋まり、醜塊なものはほとんど見えなくなった。

「ぐぐ……く、苦しい……あ……ふうっ……」

蘭は異様な息苦しさに呻いていた。
何と表現していいのかわからない。
まるで自分の中が内側から拡げられ、いっぱいになってしまったような感覚だ。
その違和感の中、蘭はまた哀しさがこみ上げてきた。
綺麗な頬の上をつうっと一筋の涙が流れる。
とうとう穢されてしまったのだ。

「ああ、新一……ごめん……ごめんなさい……、あ、あたしは……」
「ふふ、とうとうヴァージンをこの私に捧げたわけだな。感想はどうかね?」

もう処女ではなかったと知りながら、ミシェルは蘭をからかった。
絶望する美少女に、さらに追い打ちを掛ける。

「気づいているかね、蘭。きみは処女を失ったというのに出血もしていない」
「え……?」
「普通、初めて犯されたら血が出るものだというのに、きみは呆れたことに愛液が出てるじゃ
ないか。これはどうしたことだね」
「ウソっ」
「ウソじゃないさ。やれやれ、可愛らしい顔をしてるくせに淫らなんだな、蘭は」

処女を失えば血が出るものだということくらい、蘭も知っている。
悪友からの耳学問もあるし、性教育でも教わる内容だ。
それがない、というのはなぜなのだろう。
無論、蘭は以前に牧田に犯されているからだが、そうでなくとも処女喪失の際、出血がほと
んどないケースだってある。
別に珍しいことではないのだ。

「もしかしたら、もう男を知っていたのではないのかね。隠れて男をくわえ込んでいたのか?」
「違う……そんなことないっ……、あ、あたしは本当に……」
「なら、どうしてだね。それにこうして初めてペニスを挿入されたら、それは痛いものだそう
だぞ。きみはそうでもないんじゃないか?」
「……」

それは蘭自身も感じていた。
確かに、さっき挿入された時は苦痛だったのだ。
だが、それはミシェルの男根が大きいからで、狭い穴に太いものを無理に入れる痛みだった。
初めての場合、穴がほとんど開通していない状態で入れるのだから、文字通り身が引き裂か
れるほどの激痛が伴うものだと聞いていた。
それがなかった。
痛いというよりは、むしろきついとか苦しいという感覚に近かった。
その上、出血もないという。

蘭は困惑した。
本当に自分は、この男の言う通り淫らなのだろうか。
もちろん、血が出たかどうかが淫乱かどうかのバロメーターになど、なるわけもない。
冷静に考えればわかることなのだが、少女は混乱を極めていた。

「うっ……く……」

呻いたのはミシェルだった。
ちょっと動いただけで、痛いほどの締め付けがあったのだ。
これでは本当に処女を犯しているようなものだと思った。
ミシェルは苦悶する美少女を見下ろしながら、日本でのことを思い出していた。

あの時、蘭のセックスデータを取るために、彼は牧田の調教を手伝った。
そして計測した膣圧を見て驚嘆したものだ。
もともと日本女性の膣圧は、世界的に見ても強い方である。
それが闇市場での日本女性の人気の高さにもつながっているのだが、この毛利蘭の場合、それ
が著しかったのだ。

ただ、彼自身は蘭を味わってはいない。
犯すのはもっぱら牧田であり、ミシェルは指示していただけだ。
だから、こうして凌辱するのは初めてなのだ。
プロの牧田が絶賛し、機器が弾き出したデータの素晴らしさを、彼は身を以て実感していた。
あまりに狭くてきついため、腰を前後させるのが一苦労だ。
僅かに腰を揺するくらいしか出来ない。

「ひっ……う、動かないで! あっ……くっ……」

ほんの少し動くだけなのだが、それでも蘭にとっては充分な刺激になった。
野太いものが狭い膣道を圧迫し、それが揺れるだけでも喚きたくなるほどの感覚がある。
痛いようなむず痒いような、それでいて、どこか妖しげな痺れまであった。

ミシェルの腰が、唐突に動き出した。
それまでのもぞもぞとしたものではなく、はっきりとした前後運動だった。

「あっ、ああっ……きゅ、急にっ……だめ、やあっ……くぅあっっ……」

蘭は苦悩と苦痛に呻いたが、呻きたいのはミシェルも同じだ。
ただでさえきつい締め付けなのに、ペニスを中まで進めると、待ってましたとばかりに膣粘膜
がまとわりついてくる。
まだきついが、何度も犯しているうちに慣れてくるだろう。

「あっぐうううっ」

蘭が目を剥いて絶息したような声を出した。
男のものが最奥に届いたのである。
ミシェルはその感触に酔った。
これほど窮屈な穴なのに、襞は蠕動し男根を刺激してやまない。
ミシェルも牧田らと同じく、初々しい美少女よりは熟れた魅力の女が好みであったが、この
毛利蘭だけは別のようである。
瑞々しい肢体や、清楚で愛らしい美貌、窮屈な膣は少女のそれだが、胎内の締め付けや熱さ
は熟女のそれに匹敵した。
少女と熟女を同時に味わえるような、類い希な少女であるらしかった。

「それじゃ動くからね、蘭」
「あっ、いやあっ……やめっ、あっ、だめえっ……」

ミシェルは蘭の腰を押さえつけ、ゆっくりと突き込んできた。
きついことはきついが、蜜がたっぷりと分泌されていて、動けないほどではなくなっていた。
処女のようなきつさと熟女のような襞と、同時に味わえる絶品の肉壺だった。
ミシェルは、遮二無二突き込みたいのを堪え、じっくりとその肉壷を味わった。
中を擦り上げてやると、収縮はなおも激しくなっていく。

「ふふ、蘭も気持ちよくなってきたようだね」
「ち、違……違うわっ……ああっ、ぬ、抜いてっ……ひぃああっ……」
「まだまだ。蘭が悦ぶまで念入りに犯してあげよう」
「だ、誰が悦ぶのよっ……あひっ……んあああっ……」

まだ心では反発しているが、肉体はしっかりと反応している。
牧田の調教をあれだけ受けた身体なのだから無理もなかった。
ミシェルの操るペニスに調子を合わせるように、膣はヒクヒクと蠢いた。
ぐっと奥まで来る時は緩み、抜かれると引き留めるかのように締まる。
口では抗っているが、蘭はもう肉体の快楽を感じ取っているはずだ。

「気持ちいいのだろう、ほら」
「違うって言って、る、ああっ……」

男に見抜かれた通り、蘭の肉体は本人を裏切りつつあった。
おぞましいだけの男根なのに、膣内を突き込まれ、奥まで貫かれると、痛みや苦しさの他に、
もわもわとした妖しげな刺激がある。
甘いような痺れるような不可思議な感覚が、腰を中心に身体全体へと広がっていく。
膣の奥が特に凄かった。
それが子宮であることに気づくには、まだ蘭は性的に幼すぎた。
白かった肢体がぼうと薄紅に染まってくる。
全身から新たな汗が滲みだし、女の匂いが強まっていく。

「言っていいんだよ、蘭。よければいいと言うんだ」
「そんなこと……ないっ……あっ……ううんっ……」

突き上げるほどに揺れ動く若い乳房を、男は大きな手で揉みしだき始めた。
まだ芯の残る若くて固い乳房だが、それはそれで味がある。
ぎゅうぎゅうと揉み込まれると、さすがに痛いのか、少女は顔を顰めた。
それを見たミシェルは責めを変え、一転して優しく乳房を揉んだ。
立ってきた乳首には、歯を立てることはせず、これも優しく舌で転がした。
その心地よさに恍惚とした表情を浮かべた少女に対し、男は言った。

「そうだ、その顔だ。気持ちよくなってきたんだね、蘭」
「違う……ああ……これは違うの……」
「いいんだよ、それで。セックスされて、おっぱいを揉まれたら気持ちよくなって当たり前
なんだ」
「……」

顔を真っ赤にして否定できなくなった蘭を愛しく思い、ミシェルは一層腰を使い出した。
途端に蘭が呻き出す。

「やあっ……やめてぇ……も、もういや……いやよっ……ああっ……」

露わになってくる蘭の反応を、ミシェルは満足げに眺めた。
処女状態のまま仕込むのだから、すぐに屈服させるのは無理だろう。
しばらくは新鮮さを味わい、男に犯される喜悦を教え込めばいい。
時間はかかるかも知れないが、まだ売り先が決まっているわけでもない。
それまではミシェルが愉しめばいいのだ。

ミシェルは蘭の腰に乗るようにして、何度も何度も律動を繰り返した。
根元まで貫くと、コツンと当たる感覚がある。
子宮だろう。

「あ、痛いっ……そこ痛いっ……ああ、深い……深すぎるわ……ひっ……」

子宮を虐め始めると、さらに締め付けがきつくなった。
さすがにミシェルでも堪えきれなくなる。
奮い立たせようとしたが、あまりにも蘭の収縮が妖美に過ぎた。
女を食い物にする商売人のくせに情けないとも思ったが仕方がない。
それだけ蘭のものが絶品だということなのだ。
きゅうきゅうと締め付ける膣圧に、我慢しきれなかった。

「くっ……本当に素晴らしいぞ、蘭。もう出してやる」
「えっ……!? だ、出すって……」

膣内射精されるとわかり、顔色が変わった。
絶頂を経験したい、もう我慢できない、などという気持ちはたちまち吹っ飛んだ。
射精されるということは、妊娠させられるかも知れないということだ。
狂ったように腰をよじって拒もうとしたが、かえってその動きが男のペニスを締め上げる結果に
なった。

「だめっ!! 中は絶対だめだからっ! やめて、抜いてぇっ!」
「出すぞ!」
「いっ、いやああああっっっっ!!」

ミシェルが一気に解き放つと、陰嚢に溜まっていた精液が噴出し、蘭の膣へと殺到した。
その熱い感触に、蘭は絶叫した。

「いやあああっ、でっ、出てるっ……中で出てるっ……抜いてっ、早く抜いてぇっ!」

ミシェルは、泣き喚く蘭に容赦なく射精を繰り返した。
繰り返し発作が起こり、美少女の胎内に中年男の汚液がぶちまけられた。
いやがる蘭の太腿を抱えるようにして、男は最後までその肢体から離れず、中に射精し続けた。

「ああ……」

ようやく射精を終えると、ややふやけたペニスが引き抜かれた。
どろりとした感触の液体が膣からこぼれ落ちるのを感じ、蘭は本当に犯されたと実感した。

「う……うう……うあああああああああん………し、新一……新一ぃ……うあああ……」




      戻る   作品トップへ  第二話へ  第四話へ