パーシーが、美和子の失踪を知ったのはその日の午後である。
思ったより銀行強盗事件の後始末が楽だった……というより、現場に遅れてきた強行犯チーム
が手柄を横取りしたのだ。
パーシーは、こんな事件には何のこだわりもなかったので、事後処理も含めて押しつけてきた
わけだ。

午後からマルタンの店へ行こうとしてホテルを訪れ、美和子の不在を知った。
携帯電話も通じない。
不安はあったが、パーシー自身「観光でもしてろ」と行った手前、市内見物しているのだと
思いたかった。
しかし美和子は翌日になっても帰らなかった。
携帯は相変わらず通じない。
フロントで声高に美和子の行方を尋ねている時、後ろから声を掛けてきたのがコナンたちだっ
た。

コナンは事情を説明し、美和子は蘭を慮って単独でその容疑者のところへ行ったのではないか
と告げた。
パーシーも、コナンに同意見だった。
驚くコナンたちを後目に、パーシーは全力でクルマに戻った。
まだ本部に通報するわけには行かぬ。
確証はないし、ヘタに知らせたら、やつらに内通される恐れもある。
と言って、証拠を掴むまで待ってはいられない。
警部は思い切りアクセルを踏んだ。

着いたのはダウンタウンの一角にある、古びた雑居ビルだ。
マルタンの店に向かうと思いきや、彼はここを訪れた。
名士であるマルタンの店に、何の証拠もなく踏み込むわけには行かなかったからだ。
パーシーは、その部屋のドアを蹴破った。

「なっ、なんでい!」

中でたむろしていたチンピラどもが仰天した。
こいつらが裏でマルタンに飼われていることは、警察内部ではよく知られていた。
汚い仕事を一手に負っているのである。
ただ、直接のつながりがどうしても確認できないため、マルタンまで捜査の手が伸ばせない
だけだ。
昼間っからバドワイザーを喰らっていた若い連中がいきり立った。

「てめえ、なんだ!」
「警察だよ」

パーシーはズカズカと踏み込んで言った。
それを聞いた黒人のチンピラが目を細めて言った。

「ポリだと? なら捜査令状を見せてみろよ!」
「令状だぁ? 上等だ、こいつでどうだ!」

言うが早いか、パーシーは右からのフックを黒人の横っ面に叩き込んだ。
不意を突かれた黒人が壁まで吹っ飛ばされると、残った連中がざわめき立った。

「何しやがる!」
「やかましい! 黙ってよく聞きやがれ!!」
「……」

パーシーの迫力に圧倒され、チンピラどもは口をつぐんだ。

「いいか、おめえらのボスによく言っとけ。美和子は必ず取り戻す、とな」
「ボス? ミワコ? そりゃまたいったい誰のこったい」

そう言って嘲笑した南米系の小男を、警部は左のストレートパンチでぶちのめした。

「何だよ! てめえ、本当にデカなのか!?」
「暴力警察だ! 弁護士呼んでやるぞ! 訴えてやる!」
「やかましい!」

パーシーはそう叫ぶと、小生意気なことをほざいてきた白人のノッポの股間を思い切り蹴り上
げた。
チンピラは獣染みた悲鳴を上げてぶっ倒れ、股間を押さえてのたうち回った。

「俺はシカゴ市警のパーシー警部だ! 逃げも隠れもしねえ!」

彼はそう叫んでレザーケースに入った身分証明書をちらつかせ、自分の身の証を立てる。
あっというまに三人もぶちのめされ、残ったふたりは脅えたように後ずさった。
実力の差を思い知ったのである。

「いいか、美和子には指一本触れるんじゃねえぞ! ボスにそう言っとけ!」
「ぐおっ!」

パーシーはそう捨て台詞を吐くと、まだ床で呻いていたチンピラの顎を蹴り飛ばした。
これは彼の宣戦布告であり、警察はもうおまえの正体を知っているぞ、という宣告でもあった。
堂々と立ち去っていく無謀な刑事を、無事だったふたりの若者は呆気にとられて見送った。

─────────────────

「げっ……げへっ……ぐええ……」

美和子は、力の入らぬ肢体にむち打って、ようやく四つん這いになっていた。
吐き気が止まらない。
何度吐いてもえずきあげてくる。
胃から逆流し、口から溢れ出して来るのは男どもの精液だ。
身体が拒絶反応を起こしている、というよりも、あまりにも大量に飲まされたせいだろう。
度重なる強姦、凌辱の嵐の中、失神していないだけでも大した体力、気力である。

ミシェルに犯された後、美和子は手下のフィルたち5人に3時間あまりもレイプされ続けた
のだ。
失神するまで犯され、明けて翌日も、朝から集団暴行である。
トイレに立つ暇もありはしなかった。
美和子を逃がさないためか、レイプは支配人室で行われていた。
フィルたちがにやにや見ている中、ガラス製の応接机に手を掛け、ふらつきながらも何とか
立ち上がった。
膝が笑ってしまい、うまく立てない。
内股となり、膝同士で支え合ってどうにかバランスを取っている。
股間からは男たちの欲望の証がボタボタと垂れていた。
手にはハンカチを握っている。

「どこに行くんだい、別嬪のデカさんよ」
「ト……ト、イレ、よ……」
「しゃあない、連れてってやるぜ」
「余計なこと、しないで……ひ、ひとりで行けるわ……」

美和子はそう言って、腕を取りに来た若者の手を振り払った。
そして、下着を拾おうとすると、それを踏まれた。

「……」
「そのまま行くんだよ」
「こ、このままって……」
「平気だよ、トイレの場所は知ってんだろ? 廊下の突き当たりだ、誰も来やしねえよ。
店の方には言ってある」
「……」
「逃げられちゃ敵わないからな。あんただって、まさか素っ裸のまま逃げようとは思わねえ
だろ? それに、トイレから戻れば、また輪姦パーティだ。結局、脱がなきゃならねえん
だから同じことだ」
「く……」

美和子が悔しそうに、それでも諦めたように部屋を出ようとすると、フィルが仲間に言った。

「おい、エスコートして差し上げろ。大丈夫だとは思うが、万が一ってことがあるからな」

若者は無言で美和子の後を歩き、彼女に隙を与えなかった。
美和子としては廊下突き当りのトイレしか行ける場所はない。
トイレの中にまでは入って来なかったが、そこからは逃げられないと知っているからだろう。
トイレには窓はない。
この前、店で確認している。
15センチ四方の小さな換気扇があるだけだ。
個室の中に窓はあるが、全開しないタイプだ。
逃げようがないのだ。
美和子はちらとチンピラの方を見てから、中に入った。

─────────────────

刑事部屋に戻ったパーシーだったが、やはり美和子のことが気になる。
局長にも言えぬ以上、自分で解決するしかない。
身内はどこまで信用できるかわからない。
証拠とセットで本人を連れてくるしかないのだ。

美和子の知人だという、あの少年と娘に詳しい話を聞こうと、またホテルに向かうことにした。
子供相手ということで、今度は相棒というか部下の若い刑事を連れている。
エレベータで一階に下りると、何やらエントランスの付近に人だかりが出来てざわついている。

「何だ、何かあったのか?」
「さあ、何でしょう?」

人垣を分けてその中心に入ると、あまりのことにパーシーは唖然とした。

「あ、あんた……」

美和子であった。
美和子が、こともあろうに全裸で跪いていたのである。
女刑事は、パーシーの顔を見ると、健気にも微笑みかけた。

「警部……」
「美和子!!」

パーシーは慌てて駆け寄り、自分のジャケット脱いで美和子に羽織ってやった。
まったく気の利かない連中ばかりだ。
これだけ警官や職員どもが集まってるってのに、裸の女に何もしてやらないとは!

もっとも彼らには彼らの言い分があって、美和子がどこの誰だかわからなかったのである。
確かに、真っ昼間の警察局に素っ裸のままやってくる女など普通いない。
だから変質者か何かだと思ったらしい。
だが暴れるでもなく、むしろ身体が弱っているようだったので、どう対処したらいいものか
わからなかったようだ。

だったらまず介抱しろとパーシーは思うのだが、今さら何を言っても始まるまい。
美和子は、途切れ途切れに言った。

「申し訳……ありません。先走って……マルタンを確認しに行ってました……」

美和子は、あの時トイレから脱走したのである。
個室の窓は小さかったが、細身の美和子なら、ぎりぎり身体が抜けそうなサイズだった。
窓は全開しないタイプだったが、サッシごと取り外してしまったのだ。
道具は、バッグに入れていた小型ドライバーだ。
ミシェルたちに中身を確かめられた時になかったのは、その前にトイレに隠して置いたから
である。
客として店で最初にトイレに入った時、水洗タンクの中にこっそりと忍ばせておいたのだ。

音がしないよう慎重にサッシを取り外し、どうしても騒音がしてしまう時は水洗を流して
誤魔化した。
そして窓から逃げたのだ。
衣服を着けていなかったが、この際どうしようもない。
ふらつく身体を叱咤して、どうにかストリートに出るとタクシーを捕まえた。
裸の女がいきなり手を上げても、大抵は訝しんで無視するだろう。
何度も通過されて、5台めでやっと止まってくれた黒人運転手のタクシーに転がり込んだのだ。
美和子が「シカゴ市警本部に」と告げると、何か訳アリだとわかってくれたのだろう。
運転手は小さく頷き、クルマを走らせてくれたのだった。

「間違いありません……。あれは……、あのマルタンと名乗る男は、パレットのミシェルです」
「それにしたって、何だってこんな目に……。あんたなら、ちらっと見りゃあわかるだろうに」
「ええ……、それはそうなんですけど……警部が「証拠がいる」っておっしゃってたから……」
「証拠?」
「これ……です」

美和子はパーシーにハンカチを手渡した。

「それに……マルタンの、いえミシェルの……体液が……」
「体液?」

美和子は、ミシェルの精液をハンカチに染み込ませていたのだ。
彼を挑発するようなことを言ったのも、ミシェルだという証拠を掴むためだったのである。

「これが……マルタンジュエリー経営者のデビット・マルタン氏のものと同一なら、マルタン
がミシェルだという動かぬ証拠になると思います……」
「あんた……このために……」

その身を犠牲にしたというのか。
パーシーは感心するより前に畏敬すら感じていた。
これは、かのカミカゼ精神にも通じるのだろうか、などと余計なことまで考えた。
それだけ告げると、ガクリと力が抜けた美和子を、パーシーは慌てて抱き抱えた。

「美和子!」

その声にうっすらと目を開けた美和子が言った。

「あ、それと警部……」
「なんだ?」
「至急……至急、ミシェルを手配してください……。彼は蘭ちゃんを……毛利蘭という私の
知人の女の子を拉致監禁しています……。す、すぐに助けてあげて……」

そこまで言うと美和子は失神した。
パーシーの顔を見て安心し、張り詰めていた緊張が解けたのだ。

「おい美和子、しっかりしろ!」

パーシーは彼らを取り巻いて見物している警官どもを怒鳴りつけた。

「てめえら、何をボケッとしてやがる! 救急車だ、急げ! それとこいつを鑑識へ持ってけ!」

その声で我を取り戻したように、周囲が騒ぎ始めた。
職員が慌てて走り、電話に飛びついた。
警官がパーシーからハンカチを受け取り、ビニール袋に入れると、そのまま鑑識課へ走った。
それを見送りながら、若い相棒へ喚くように言った。

「ディック! おめえも聞いたろ! 大至急その娘の捜索願が分署の方に出てねえか調べろ!
確認したらすぐにホテルへ行って、あのガキと娘の友人から事情聴取するんだ、わかったな!」

─────────────────

ミシェルは、取り敢えず毛利蘭を自分で飼おうと思っていた。
あの勝ち気な少女をじっくりと責め、忘れていた肉の疼きを叩き込み、自ら欲しがるまでにしたい。
ただ美人なだけ、グラマーなだけの女など、うんざりするほど見てきた彼えだったが、その彼を
して夢中にさせるものが、この日本人少女にはあった。

だが、類い希な女体を入手したのはいいが、ミシェルの方に暇がなくなってしまった。
高名な宝飾店を営むオーナーであり、市の名士でもある。
裏ではパレット人身売買部門の幹部を勤めている。
多忙な身なわけである。

裏稼業の方は、前回の日本での失敗が祟って、組織からの新たな依頼がなく無卿な日々を送って
いたのだが、ここにきて「新規事業」の打診が来た。
その下準備にかまけていたのだ。
思うように蘭を抱けないのは残念だったが、身体はひとつしかないのだからやむを得ない。
といって、このままの状態で放って置くのもまずい。
仕方なく、彼は仕込みを部下に任せることにした。
考えてみれば、日本でもヤクザに委任していたのだ。
それを思えば、以前に戻っただけのことだ。
調教され、肉欲にまみれた蘭を犯すのも一興だろう。

この日は、表の仕事の決算処理で忙しく、オフィスから離れられなかった。
そのデスクの前に突っ立っていた若者に、彼は憮然として言った。

「……フィル、うまく行かんとはどういうことだ?」
「だからうまくやれねえんですよ」

若者の方も苦虫を噛み潰したような表情である。
右の頬骨の辺りに青痣があった。
そこを痛そうに撫でながらぼやくように言う。

「ボスはどっから連れてきたか知りませんがね、あの娘、とんでもない跳ねっ返りですぜ」
「……」
「おまけにカラテ使いとはね。まあボスからそのことは聞いていましたよ。でもね、まさか
ジャックが吹っ飛ばされるほどの腕前だとは思いませんでした」

ジャックとはフィルの仲間で、蘭を仕込むようミシェルに命令されていた若者のひとりである。
大柄な黒人で、腕っ節と精力だけが自慢のような男だ。
油断していたのだろうが、その偉丈夫すら張り倒したらしい。
一見華奢な蘭が、でかいニグロを張り倒した光景を想像し、ミシェルは思わず苦笑した。
それを見たフィルがぼやいた。

「笑い事じゃありませんぜ、ったく……。あのアマっ子、何とかしてくださいよ。オレたちじゃ
もう無理だ」
「それじゃおまえら、蘭を一度も犯してないのか?」
「やりましたよ」

フィルは応接のソファにどっかと腰を下ろして言った。

「虎みたいに暴れるのを男四人がかりで無理矢理押さえ込んで、それで何とか一回はやったけど、
やるたんびにあの騒ぎじゃ話になりませんや」

若者はそう言いながら、左頬に張られたバンドエイドを撫でた。
恐らく、犯した時にでも蘭に引っ掻かれたのだろう。
ミシェルはパソコンのマウスから手を離して聞いた。

「一度犯しても抵抗してきたのか?」
「そうですよ。まあ、一度やっちまえば観念しておとなしくなる女もいますがね、そうでない
タイプもいる。それくらいはこっちも承知してましたが、あの娘は特別だ」
「……」
「ボスは、あの娘の味は絶品だと言ってましたけど、そんなもん味わってる余裕なんかねえや。
突っ込んで腰振ってる最中でも、喚く殴るの抵抗の嵐なんですから」
「そうかな。私の時は……」
「だから」

フィルは顔を顰めた。

「ボスは、念入りにねちねちと娘を責めたんでしょう? 一度くらいならそうするのもいい
ですけど、毎度あんなこと出来っこねえですよ。第一、ボスみたいにあれこれテク使って、
なんてのまでオレたちに望むのは無理ってもんです」
「……」

そうなのかも知れない。
もともと毛利蘭は気丈な性格だ。
武道をやって心身共に鍛えている面があるからなのかも知れないが、恋人がいるらしいことも
影響しているだろう。
だからこそ生還したい、その希望はあると信じているのだ。

こうなると日本で牧田を失ったのが痛い。
彼は、そうした犯すプロセスを行為を面倒くさいと思うのではなく、むしろ好んで行なって
いた。
だからこそ牧田は、女のプロだったわけだ。
そうしてみると、目の前の若造たちは輪姦させたりするのにはいいだろうが、じっくりと女
を責め上げるのには不向きなのだろう。
無理もないことで、普通の男たちは早く犯して射精したい、という気持ちが強い。
調教するというプロ意識を持っている者は少ないだろう。

「……」

ミシェルは、組んだ手の上に顎を乗せた。
今から調教師を探している暇はない。
となると、やはり自分で仕込むしかない。
ただ、フィルたちが抗議している通り、毎度毎度あんなこってりとした前戯を取り入れること
は無理だろう。
時間的な制約もあるのだし、責めるこちらも疲れてしまう。

「やはり、あれで行くしかないか……」
「は? 何です?」
「……いや。わかった、もういい。ご苦労だった」
「はあ……」

堕としてからが彼らの仕事だ。
それまではミシェルが請け負うべきなのだろう。
彼はそう決めるとフィルを帰らせ、秘書には出かけて直帰することを伝えて、オフィスを出た。

─────────────────

「……ん」
「気がついたかい?」

美和子が目を開けると、強い光が瞳に侵入してくる。
まぶしくて薄目が限度だ。
ここはどこだろう。
首を回すと、男がこっちを覗き込んでいた。

「パーシー警部……」

ようやく現状がわかってきた。
ミシェルのもとを逃走した後、何とか市警へ逃げ込んで、そこで気を失ってしまったのだ。

「ここは……」
「ジョージ・ギャレットって病院だ。しばらく安静にしてろ」
「病院?」
「州の警察病院へ運ぼうと思ったんだがな、どんな理由があったか知らねえが、救急車にここ
へ連れて来られちまった。こっちの方が近かったからかな。ま、いいさ。この市じゃいちばん
でかくて設備もいい病院だからな。ここで精密検査受けて大したことがなければ、警察病院へ
転院すればいい」

美和子が半身を起こそうとすると、警部は止めた。

「いいって、そのままで。無理するんじゃねえ」
「はい……、すみませんでした……」
「何を謝ることがある? 先走りし過ぎたことか? 気にすんな、そんなこと俺はしょっちゅ
うだ」

彼にしてみればユーモアのつもりだったのだろう。
美和子も微笑んだ。

「それにしても、あんたなかなか大したもんだ。あん時の銀行強盗犯逮捕の件といい、今回の
カミカゼ潜入といい。無茶なのは俺と似たりよったりだな」
「はあ」
「俺だけじゃねえ。うちの連中も感心してたぜ、ジャップにはすげえ女デカがいるってな。
ま、局長だけは苦虫噛み潰してたがな」
「局長が?」
「ああ。まあ、やつとしては、そのミシェルか、パレットの幹部は管内で捕まえたいだろうが、
そいつがマルタンだと困ることもあるんだろうよ」
「ああ……」

マルタンがあちこちに賄賂や寄付金をばらまいているとすれば、彼が逮捕されてしまったら、
貰った連中は困ることになるだろう。

「で、その件なんだがな……」

パーシーにしては珍しく言い淀んだ。

「なんです?」
「あんたが持ってきたハンカチ……疑うわけじゃないが、ありゃ本当にミシェルのものなんだ
な?」

美和子のハンカチに染み込ませた精液のことだろう。
彼のものに間違いはない。
美和子はミシェルに犯された直後、自分の股間をそれで拭き取ったのだ。
彼女自身の体液も混じってはいるだろうが、それ以外はミシェルの精液のはずだ。

「そのはずです。何か……?」
「それがな……」

パーシーは腕を組んで眉を寄せた。

「あの後すぐにハンカチを鑑識に持ち込んで、調べたんだよ。だけどな、そこから採取した
血液型がマルタンのものと一致しねえんだよ」
「……何ですって?」
「やつの血液型はAのRh+なんだ。それは間違いねえ。マルタンが以前交通事故に巻き込ま
れた時、病院で調べてる。そのカルテも確認してきた」
「……」
「それにな、念のため一応やつをしょっ引いた」
「は? 何の容疑で?」
「レイプ事件の捜査だと言っておいた。実際、あんたは被害に遭ってるわけだしな。うちの
連中、後込みしやがって誰も出向かねえから、俺が直接行ってきたよ。無論、局長には内緒だ」
「それで……」

美和子はゴクリとツバを飲んだ。

「残留体液があるから、それとおまえの血液型と照合させろと、正直に言ってやったさ」
「……」
「脅しはかけられたがな。これで無関係だったら、どう責任をとるつもりだ、と。だから言っ
てやったさ、「そういうことは無関係だとわかってから言え」とな」

痩せぎすの警部は不敵に笑った。

「そう言ったら、案外素直に採血させやがった。俺の目の前でな。で、その場で検査させたよ。
結果はカルテと一緒だった。やつの血液型はAのRh+だ」

パーシーは胸ポケットから葉巻を取り出し、ジッポで火を着けた。
ぷぅんと葉巻とオイルの匂いがした。
病室は当然禁煙だが、そういうことに頓着する男ではない。

「ところが、あんたが持ち帰ったハンカチから取れたのはO型のRh+だったんだよ」
「そんな……」
「おかしいだろ? どういうわけかはわからねえ。わからねえが、これじゃマルタンは引っ張
れねえんだ」
「……」

おかしい。
あの状況でハンカチがすり替えられたとは思えない。
美和子がそのために潜入したとわかった者など誰もいなかったはずだ。
逃げる時はずっと握りしめていた。
他のものは何一つ身につけていなかったのだ。
あのハンカチに間違いない。

「鑑識は……」
「ああ、そっちは間違いねえ。信用できるやつに検査を頼んだからな。うちがパレットに浸透
されているとしても、この検査はちゃんとやってるはずだ」
「そうですか……」

どういうことだろう。
美和子は混乱した。
その顔を見て、パーシーは安心させるように言った。

「ま、いい。退院するまでそのことは忘れてろ。今はゆっくり養生するんだ」
「はい……。あ、コナン君たちには……」
「コナン? ああ、あのガキか? そっちはディック……俺の相棒が事情聴取してる。で、
わかったことなんだがな……」

警部は声を潜めた。

「どうも、そのモーリ・ランって娘が誘拐されたのは、この病院らしいんだ」
「何ですって?」
「ここは市の有力者が経営する病院なんでな、迂闊なことは言えねえ。だが、俺たちは局長に
内密で捜査を始めてる。実を言えば、あんたがここに運ばれたのも好都合と言えば好都合なん
だ。俺たちが出入りしても不審に思われなくなるからな」
「そうですね……」
「ま、何も関係ない可能性もあるが、そうじゃなかった時はまずい。だが心配すんな、この
病室は24時間体制で警官2名を張り付かせてやる。ふたりとも信用できる男だ。仮にパレッ
トの拠点だとしても、滅多なことじゃ手は出せねえはずだ」

その時、遠慮がちにノックの音がした。

「おう」

パーシーが無造作に返事をすると、眼鏡をかけた若い男──ディックというパーシーの相棒ら
しい──が顔を覗かせた。

「警部、ちょっと……」
「どうした?」
「まずいです。局長にバレてるみたいで……」

警部が促されて廊下に出ると、入れ違いに白衣の男が美和子の病室のドアノブに手を掛けた。
警備の警官が敬礼して迎えている。
もう顔なじみなのだろう。
習慣でパーシーはその男の人相とIDカードを頭に入れた。
カードには「T.マーチン」とある。
ポストは内科部長だ。
それだけ確認すると、パーシーはディックとともに立ち去った。
看護婦を連れずに病室を訪れるのは不自然に思えたが、警官の態度を見ると、この病院の医師
なのは確からしい。
気にはなったが、取り敢えず局長への言い訳を考えねばならぬ。
振り返ると、医師が病室に入った後だった。
この二時間後、パーシー警部は美和子の病室がもぬけの殻だったことを知る。

─────────────────

「……」

アジトの監禁部屋に行くと、待っていたのは少女の険しい視線だった。
素っ裸なのは変わらないが、手には革手錠され、足首にもベルトが巻き付き、チェーンが伸び
ていた。
ただ、雁字搦めにされているわけではない。
手足のチェーンにはそれなりの余裕はあった。
そうでないと、思うような体位で犯せないからだ。

蘭は、ミシェルが入ってきたのを見ると、横座りしていた膝を寄せて股間を守り、両腕を胸元
にやってバストを隠した。
チェーンの音をさせながら、勝ち気な美少女はミシェルに吠えた。

「あ、あなた……また来たの!?」
「……若い連中がね、きみのお相手はご免被ると言っているのでね」
「「ご免被る」は、こっちの方よ! なんであたしがあんなやつらの相手しなくちゃならない
の!」

もう泣いてはいない。
処女を奪われ、もう失うものはないと思っているのだろう。
大勢の男に襲われれば凌辱されざるを得ないが、それでもただ犯されるのはご免だ。
抵抗できる限りは抵抗してやろうという強い意志が、瞳の輝きを作っているようだった。

よく見れば、綺麗な肌のあちこちに擦り傷や痣のあとがある。
髪も大きく乱れていた。
フィルたちには、出来るだけ傷つけるなと言ってあったから、彼らなりに気を使ったのだろう
が、それでもこの有り様だ。
暴力を持ってめちゃくちゃに輪姦すればいいのなら、彼らにもいくらでもやりようはあったのだ。
だが、ケガをさせるな、傷をつけるなと禁じ手をされてしまっては、その方法が著しく制限
されてしまう。
所詮、彼らには無理だったのだ。

だが、ミシェルには「武器」がある。
彼は、落ち着いてバッグから何やら取り出した。
その様子を訝しげに見ていた蘭の表情に、たちまち恐怖が走った。

「ちゅ、注射……?」
「そうだ。どうもキミはこれが苦手らしいね」
「……」
「その理由を知りたくないかね?」
「え……?」

確かになぜだかわからないのだ。
子供の頃から注射などは何度もされてきている。
痛いことは痛いが、泣き叫ぶほどではない。
あの時、どうして病院であれほど取り乱してしまったのか、自分でもわからないのだ。

「あっ」

不意に脚が開かれていく。寝台についているハンドルをミシェルが回しているのだ。
あれを回すことによって、腕や脚のチェーンが伸びたり縮んだりする。
ピーンとチェーンが張り詰め、蘭の脚は綺麗に開かれてしまった。

「く……やめて……やめてよっ」

上半身も倒れて仰向けになっているが、腕は少し余裕がある。
もっとも、いくら伸ばしたところで、とても股間にまでは届かない。
もがく蘭の動きが衝撃で止まった。
注射器を構えたミシェルの腕が、なんと蘭の股間に向かってきたからだ。
蘭は慌てて叫んだ。

「ちょっ、待ちなさいよ! あ、あんたどこに……」
「どこって、キミの大事なところさ。オマンコに注射してやるんだ」
「な……」

あまりのことに蘭は言葉が出なかった。
そんなところに注射するなど聞いたこともない。
すぅっと青ざめた美少女に男が言った。

「知りたいのだろう、なぜ注射が嫌いになったのかを」
「そ、そのこととこれにどんな関係が……」
「あるんだよ」
「……」

そう言うと、ミシェルはポンプを少し押し、注射針の先から僅かに薬液を噴射させて見せた。
あまりのことに呆然とした蘭だが、男が彼女の腰を押さえ込み、注射器を構えたのを見ると、
本当にそうするらしいと覚り、もがきだした。

「いっ……いやあっ!」

発達した腰や筋肉の詰まったたくましい太腿が暴れ、ミシェルの手を振りほどこうとする。
すかさずミシェルが告げた。

「あまり暴れると針が折れてしまうぞ」
「だっ、だからそんなしないで!」
「こうすればイヤでも思い出すんだ。そら、少しおとなしくしてなさい」
「あ、ああっ!!」

ぷつり、と、刺されるような鋭い痛みが股間に走った。
股間というより、腿の付け根あたりだ。
局部ではなかったから少しは安心したものの、結果的には大同小異だ。
それでも、ヘタに動いたら針が折れるかも、という思いもあり、やむを得ず蘭は動きを止めた。
痛みというより、恥ずかしさと動揺で鳥肌が立った。

「んっ……」

半分ほど薬液を注射されると、針が抜かれた。
ミシェルは丁寧に脱脂綿で針先を拭きながら言った。

「どうだ、思い出したかね?」
「な、何をよ。あたしはそんな……」

と言いかけて、蘭はハタと言葉を止めた。
そう言われれば、どこか既視感がある。
以前にもこんなことをした、いや、されたことがあるような気がする。
それは、とてもいやな、だが、なぜか蠱惑的な経験だったような気もした。
どうしてかはわからない。
ミシェルは蘭の耳元で囁くように言った。

「キミは以前、日本でも同じような体験をしているのだ」
「……」
「大事なところに麻薬を注射されて、だんだんといい気持ちになってしまった」
「……」
「そして牧田に……日本のヤクザに犯された。何度も何度もね」
「あ、あたしは……あうっ」

何かを思い出しかけた時、またしても注射針が蘭の股間を襲った。
今度こそ、蘭の恐れていた場所だった。
まだ処女のようにぴったりと閉じていた媚肉の割れ目。
その肉襞に針を突き立てられ、注射された。

「く……」

痛みとともに、体内に薬液を送られる感覚がたまらない。
そういえばこの男は麻薬を注射するとか言っていた。
覚醒剤だかヘロインだか知らないが、そんなところにそんなものを注射されたらどうなって
しまうのだろう。
そう考えると、蘭の脳裏に甦るものがあった。
フラッシュバックのようにいくつもの光景が浮かび上がってくる。

そうだ、あの時も……、攫われて監禁されたのだ。
そして裸に剥かれて恥ずかしい場所に注射された。
その時、嗤いながら蘭を弄んだ男……確か刺青をしていた。
自らヤクザだと名乗ったような気もする。
その名前はマキタ……。

「ああ……あたし……」
「思い出してきたかね」
「……」

記憶が戻りつつあった。
そうだった。
あの時、注射された後に凌辱を受けたのだ。
この男の言う通り、もう自分はあの時に処女を失っていたのだ。
そして腰が抜けるまで何度も犯された。
それまで自慰で微かに知っていただけだった絶頂感というものを、いやというほど教え込まれ
たのだ。
犯されて「いく」という感覚を何度も叩き込まれた。
そして「中には出さないで」と、何度も泣いて頼んだのに、牧田はせせら笑って蘭の中に射精
し続けていた。

「あ……あ……」

蘭の見開いた大きな瞳から、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。
すべて記憶を取り戻してしまった。

あの注射をされた後には、必ずセックスされたのだ。
麻薬を注射することで、初めてでも充分に感じるはずだと牧田は言っていた。
慣れると、こいつなしのセックスは考えられなくなる、と。
注射されると羞恥心や倫理観が薄れてくる。
肉体の方は、ウソみたいに鋭敏化した。
五感が鋭くなり、男の愛撫や責めを敏感に感じ取ってしまう。

だが、本当に覚醒剤を注射されたのは最初のうちだけである。
その時でも、後で中和剤を打たれている。
中毒にはなっていない。
その後も何度も注射されはしたが、薬液はすべて生理食塩水だった。
しかし蘭にとって、それが覚醒剤であるかどうかは関係なかった。
注射─意識の混濁─倫理観の喪失─セックスによる快感─官能の絶頂、という図式が、彼女の
中ですでに完成されていたからだ。

蘭をして肉欲に溺れたのは、最初のうちこそ覚醒剤の威力であったが、以降は言葉による誘導
と牧田の手腕によるものだ。
もう「注射される」ということが、彼女の中ではセックスの前戯になってしまっていたのだ。
注射針を肌に突き立てられて薬液を注射されることが、そのまま肉悦への前奏曲となっていた
わけだ。
しまいには、注射されることで、次の展開──セックスによる大きな快楽──を、心密かに
期待するようにすらなっていた。

処女を奪われた時もそうだったが、それからしばらくは挿入されるだけで激痛が走った。
それでも、感じやすい箇所──乳首とか首筋とか内腿とかを愛撫されると、ぞくぞくするよう
な快感とともに、膣への刺激が欲しくなる。
痛いのに、苦しいのに、膣の奥へ入れて欲しくなるのだ。
何度も何度も犯されるうちに苦痛は消え、代わりに内部には熱が籠もり、我慢できないような
快感がこみ上げてくるようになっていた。

精神的にもおかしくなっていた。
こんな屈辱的なことは許せないと思っていても、身体の方は牧田の責めに馴らされ、慕い寄っ
てしまった。
最後の方では、犯されるのを望んでいたような気がする。
牧田に犯され、深くまで貫かれ、最奥で大量に射精されると、自分も激しい絶頂に達していた。
自慰で感じ取っていたオルガスムスなどとは比較にならなかった。
これがエクスタシーというものなのかと実感した。

「ああ……」

三度ほど続けて腿の付け根付近に注射されると、膣が熱を持ち始めたことを蘭は知った。
膣の奥を中心に切ない思いが広がってくる。
牧田のたくましいもので貫かれたい。
いや、牧田のものでなくともよい。誰でもいいから、太くて硬いものを挿入して、思い切り
犯して欲しい。
息が詰まりそうなくらい大きな男根に埋め尽くされる自分の媚肉を想像すると、蘭は腿を
もじもじさせ始めた。
ミシェルは蘭の変化を敏感に感じ取った。

「どうしたね、もじもじして。愛しい恋人のことでも思い出したのかね? だが牧田はもう
いない」
「違う! あ、あたしの恋人はそんな人じゃないわ、あうっっ!」

ミシェルの太い指が少女の割れ目に忍び寄ってくる。
ぬちょり、という感触で、そこはあっさりと外国人の指を迎え入れていた。

「そっ、そこはだめっ……ああうっ」
「だめじゃないだろう。期待していたんだろう、こうしていやらしいことをされるのを」
「違う……違うわ……」
「違わないさ。じゃあ、どうしてこんなに熱く濡れてるんだ?」
「そ、それは……ああ……」

言い返す間もなく、男の指が内部をゆっくりとかき回す。
ぶるぶると震えている腿は内股となり、挿入された指を締め付けている。
ミシェルは軽く驚いていた。
指でもこれだけの締め付けがある。
膣の収縮力だけでなく、内転筋もうまく働いているのだろう。
スポーツで肉体を鍛えている女性の方が、総じて締め付けは良いのだが、その場合、肢体が
女性らしくない場合が多い。
筋肉が脂肪を圧倒し、女性らしいふくよかさがなくなってしまうわけだ。

ところがこの美少女は、筋肉と脂肪がバランス良く配置されている。
空手の訓練で鍛えた太腿はたくましいのだが、その筋肉はほどよく脂肪でカバーされ、触り
心地も締め付けも抜群なものになっていた。
まさに理想的である。

中指を根元まで押し込んでやると、蘭は眉間を寄せて切なげになよなよしてきた。
ただ、まだ恥ずかしいのか、声だけは出すまいと唇を噛んでいる。

「んんっ!? あはっ……」

噛みしめていた唇から、つい声が洩れた。
ミシェルの指が、ゆっくりと回転し、膣内部を拡げてきたからだ。

(ああ、そんな……か、かき回してる……かき混ぜられてる……い、いや……ああ……)

ぐちゅり、ねちょりと、淫らで粘っこい水音をさせながら蜜が零れ、シーツの染みを拡げて
いく。
ミシェルはさらに愛撫を続け、指を曲げて内部から愛液を掻い出すように、何度も奥をほじっ
てやった。
膣内部を引っ掻かれているというよりも、くすぐられているような感覚で、蘭は「んんっ」
と喉を絞り、身を捩らせてその快感から逃れようとする。
少女の美しい顔は何度も振られ、「いや」と口では言っているのだが、それに反して腰の方は
ミシェルの指に呼応するように蠢いていた。
きゅっ、きゅっと指を締め、ぐっと腰が浮いて、さらなる刺激を求めているように見えた。
噛みしめる唇は細かく震え、今にも決壊してしまいそうだ。

もう一押しすれば、この美少女は身も世もなく欲しがるようになる。
ミシェルはサドっ気を発揮して、ここはどうしても蘭自ら「欲しい」と言わせたくなった。

「どうした蘭。こんなに締め付けては指が痛いじゃないか」
「……」
「たっぷり濡れているからスムーズに動けるがね。だがもう抜いていいかね」
「そっ、それは……」
「なんだ? 抜いて欲しくないのか?」
「……」

言えるわけがない。
もっとして欲しい、指でぐちゃぐちゃにかき回して欲しい。
そんな恥ずかしくも淫らなことを口になど出来ない。
出来ないが、この状態はもう我慢できない。
ウソみたいに膣内部は熱くなり、指が挿入されるとその熱が癒される気がする。
そして内部を抉られると、満たされない切なさが少し解消される。
今それをやめられたら熱は籠もり続け、焦れったさが募り、最後にはどうなるか自分でもわか
らない。

すべての記憶を取り戻した今、蘭も自分の肉体がどうなっているのかは理解している。
抱いて欲しくなっている。
男を欲しているのだ。
いけない、浅ましい、汚い、という理性ももちろん働いている。
まして自分には工藤新一という恋人がいる。
彼を裏切ることなど、到底できない。
できないはずなのだが、もう身体の方は倫理や理性の引き締めに応じなくなっていた。

「ふふ、して欲しいのだな?」
「……」

蘭は固く目をつむったまま横を向いた。
細かく震える唇を噛んだまま、ごく小さく、だがはっきりとうなずいた。
その頬は羞恥と恥辱で染まっていたが、我慢の限界まで追い込まれた肢体は身悶えていた。
しっとりと汗も浮かび始めた女体に満足し、ミシェルは自らの分身を見せつけるようにしごき
ながら、少女の股間に割り入った。




      戻る   作品トップへ  第四話  第六話