「……」

佐藤美和子は、気づいた時には拘束されていた。
両手はまっすぐ上に吊られ、手首同士を縛られている。
着ていたはずのパジャマは既になく、下着すら身につけていなかった。
その状態のまま、ベッドに座らされていたらしい。

あの時、マーチン医師によって病室から連れ出された。
歩けると言ったのに、無理に車椅子に座らされた時にはさすがに不審に思ったが遅かった。
エレベータ内で、いきなり口にハンカチを押し当てられた。
微かに柑橘系の香りがしたと思った途端、頭が痺れていた。
虚ろになる意識の中、美和子は医師が最上階のボタンを押したことを確認していた。

そこから意識が消え、目覚めてみるとここにいたわけだ。
院内であることは間違いないのだろう。
だが、確か最上階に来たはずなのにどうも様子がおかしい。
この病院の最上階は展望レストランだった。
フロア全部がレストハウスになっていて、全周でシカゴ市内が展望できたのだ。
そこに、こんな部屋のスペースはなかった。

美和子のいる部屋は、リノリウム張りの床と壁で、天井が低い。
おかしなことに、その天井はガラスで覆われており、壁にも大きな窓が四方にあった。
まるでガラスケースに入ったマウスのような気がした。
そう思って室内を見回すと、部屋の隅にパソコンが置いてある。
モニタは大きめで、22インチくらいはありそうだ。
視線を移すと、見たくもない男どもがいた。

「ミシェル……」

やはりこの病院は、このパレット幹部が支配しているのだろう。
救急車は、なぜか州立病院や警察病院へは行かず、まっすぐここへ美和子を運んだというの
も、彼の差し金だったに違いない。

「お目覚めかね、佐藤警部補」

ミシェルは葉巻をくわえながら言った。

「あの時はうまく逃げられてしまった。こっちが甘く見ていたこともあるが、さすがにニンジャ
の末裔だけのことはある。あんな軽業まで出来るとはな。日本人は油断がならんな」

美和子が睨みつけると、長身禿頭の白人男の後ろのドアが音を立てて開いた。
入ってきたのは大柄な黒人である。
ずんぶりむっくりな体型ではあるが、背が高く全身が筋肉質なこともあって、あまり太っている
というイメージはない。
腹は出ているのだがかなり固そうで、相撲取りのようだ。
堅太りというやつなのだろう。
頭部には一本の毛髪もない。
白人の方は単に老化として禿げているだけだろうが、黒人の方は剃髪した結果のようだ。
美和子は、そのTシャツを引き裂きそうな筋肉の塊に見覚えがあった。

「トッド……?」

思わず美和子がそう洩らすと、マッチョな黒人は相好を崩した。

「おう、俺様のことを憶えていてくれたか。へへ、オレのコックが忘れられないか?」
「ふざけないで!」
「おうおう、おっかねえのは変わらねえな。ま、そこもミワコのいいところだがな。オレの方も
よく憶えてるぜ。あんたのむちむちした身体をよ」
「……」
「あの時に出す色っぽい声も、耳にこびり付いて離れないぜ。「ああ、いいっ」なんてな」
「止めて!」

美和子は激しく顔を振って叫んだ。
忘れたいのに忘れられない、思い出したくもない記憶。
トッドに激しく犯され、屈服寸前にまで追いやられた。
いや、一時期、肉体だけは堕ちていたのかも知れない。
憎んでも余りあるこの黒人に凌辱されつつも、最後には快感を訴える言葉を口にし、淫らな
セリフを吐いたのだ。
美和子自らトッドにしがみつき、激しく気をやらされたことは、誰より美和子自身が知って
いる。
トッドは、美和子の肢体から目を離さずミシェルに訊いた。

「それにしても、なんだって美和子がここにいるんです?」
「ふふ、この勇敢な女刑事さまはな、なんと私の首実検をするために、わざわざ日本からやって
きたのさ」
「そりゃまた」
「それも、地元警察のエスコートなしで、直接、私の店に来おった。さすがに驚いたがね。だが、
いかにも無謀だったということさ。何と言ったかな、そう……「飛んで火に入る夏の虫」という
やつだ」
「……飛んでる虫がどうしたって?」
「日本の諺だ。羽虫は光に惹かれて飛んでくるだろう? だが、それが電灯ならいいが炎なら
いかん。灯りに釣られて飛んできても、火の中に飛び込んで死んでしまう、と、まあそういう
意味だ。美和子はそれと同じ愚かな行為をしたということだな」
「はあ」
「まあいい。とにかく美和子のことはおまえに任せた、あとは頼むぞ」

不得要領な顔をしている部下の肩を軽く叩くと、ミシェルは部屋を後にした。
筋骨たくましい黒人は頭を振ってぼやく。

「……どうもボスのジャップかぶれにはついていけねえや。訳の解らねえ言葉は口にするし、
苦いだけの茶は飲まされるし。だがな」

トッドはいつのまにか持っていた赤いロープをビシビシとしごいて見せた。
ニヤリと笑った黒人は、裸の美和子に手をかけた。

「こいつだけはオレもお気に入りなんだ」
「やっ……何すんの!」
「縛るのさ。美和子をな」
「し、縛るって……いやあっ」

トッドは、宙に手を吊られている美和子の拘束を解いたが、彼女が反撃する暇を与えずに、
また新たに拘束した。
今度は手にしたロープで、である。
武骨そうな体格、太い指からは想像もつかぬほど、トッドの手は器用に動いた。
美和子が驚いているうちに、テキパキと縛り上げていった。
細くすらりとした白い腕を取ると背中に回して、そのまま両手首をまとめて縛る。
背中から前に回したロープは、美和子の乳房を上下から括り出すように絞った。

「これが確か高手小手とかいう縛り方だ」

今度は美和子を立たせて、天井にあるフックから伸びているロープを使った。
美和子の右膝に引っ掛けて縛り、そのままグッと引っ張り上げる。
右足が大きくあがり、膝が乳房にくっつくほどだ。
片足だけでバランスを取らねばならず、左足は膝がやや曲がり、不安定に揺れている。
股を閉じるところの騒ぎではなかった。

「これは片足吊り……とか言ったかな」
「やめて……やめなさい! こ、こんな格好……」

美和子は顔を赤らめた。
過去、トッドには何度も犯されてはいるが、だからといって羞恥が消えるわけではない。
まして全裸で恥ずかしい格好を晒しているのだ。
そんな美女を満足げに眺めながら黒人は言った。

「和風も、これだけは認めるぜ。女を縛り上げて責めるのは日本だけじゃねえ。ボンデージっ
てやつは欧米にもあるからな。だが、ここまで細かく縛ったり、いくつも種類や流儀があるの
は日本だけだろうな」

赤いロープに緊縛された美和子の白い肢体は、もうそれだけでムラムラとして獣欲が高ぶって
くる。
つい自慰したくなるほどの色気を湛えていた。

「まさにゲージュツ的だぜ。まあバカにはちょっと出来そうもないがな。ボスやオレくらい
じゃないとな」
「……」

睨みつけてくる美和子を見ながら、トッドは笑った。

「なんだ、意外か? ニグロはみんな体力バカだと思ってるのか?」
「……」
「そんな顔するな。オレはこれでもスタンフォードでMBAを取ってるんだよ」
「スタンフォード大学? MBA?」

経営学修士としてはエリート校である。

「……MBAまで取得しているくせに、どうしてこんなバカなことするの」
「バカなことだとは思わないがな。勉強は嫌いじゃなかったし、マネジメントもまあ面白かっ
たぜ。だがな、よっぽどの幸運がなけりゃごく当たり前の人生しか歩めねえ。それじゃつまら
ねえと思ったのさ」
「……」
「トレーダー連中や、株やファンドで儲けてる野郎なんざ、違法スレスレのことをやってんだ
ぜ。それでも違反じゃねえ、何が悪いと開き直りやがる。だったら堂々と違法行為をしてる
犯罪者の方が潔いってもんだぜ。だからオレはヘッジファンドを辞めた。もっとカネが稼げて
面白い仕事はないもんかと思って、やってみたのが闇の仕事だ。オレは天職だと思ったね。
堅気じゃ拝むこともできねえ莫大なカネが稼げて、おまけにスリルも満点だ。こんな面白え
仕事はねえよ。先物取引だの株価マーケットだのM&Aなんぞ足元にも及ばねえや」

ついでにいい女も抱き放題だしな、と言ってトッドは大笑いした。

「ま、そういうわけだ。おまえさんも運が悪いな。せっかく日本じゃ逃げおおせたのに、また
ボスに目をつけられるとはな」
「く……」
「そう強がるな、もうどうしようもねえよ。諦めてオレ様とセックスを愉しもうぜ」
「ふざけないで! 絶対いやよ!」
「くく、以前もそんなこと言ってたがな、最後はどうなったか思い出してみろや。なに、すぐ
にオレのビックコックが恋しくなるぜ」

トッドは褐色の薬瓶からとろりとした液体をシャーレに移した。
それを長いスポイトで吸い上げると、にやつきながら美和子に近づく。

「あ、いやっ……なにを!」

逃げようと身体を揺らす美和子だが、厳しく緊縛された身体は自由が利かず、縄目も緩まない。
ギシギシと虚しい縄音を響かせるだけだった。
その乳房の中心に、ぽたりと液体が垂れてきた。

「くっ……冷た……」

トッドは両方の乳首にポタポタと垂らすと、今度は美和子の前にかがみ込んで、股間に向けて
液体を発射する。
ぴしゃっと媚肉に引っかかった粘液は、陰毛を伝って床にも垂れた。
さらに後ろへ回り込むと、尻たぶを割って、その中心──肛門にもその液体をかけた。

「あ……?」

美和子の身体に変化が生じた。
冷たい液体をかけられたのに、かけられた箇所が熱くなってきているのだ。
乳房は乳輪を中心にもわもわと熱を持ってきている。
ピンクの乳輪の真ん中に隠れていた乳首がぷくんと恥ずかしそうに顔を出してきた。
芯が入ってきたのは乳首だけではない。
媚肉にあるクリトリスも屹立してきている。
包皮が剥けかけ、これもピンク色のプッシーが顔を覗かせている。

「ああ……」

胸も股間も熱い。
ヒリヒリと熱いのではなく、内側からカッカと込み上げてくるような熱さだ。
アヌスがもじもじしてきている。
膣口が濡れているのは、かけられた液体のせいだけではないかも知れなかった。

「な、なにを……したの……」
「オレはあんまりこういうのを使うのは好きじゃねえんだがな。今回はちょっと時間がなくて
な」
「だから何を……」
「媚薬だよ。聞いたことないか?「魔女の軟膏」ってやつだよ。こいつをヴァギナに塗れば、
たちまち昂奮するって代物だ。なに、うちで扱ってるやつは医学的な裏付けがとれてるから
害はねえよ」
「そんな……あ」

そう聞かされたからなのか、さっきから感じていた痛痒感が強くなってきている。
いや痛みはないから、痛痒感というのは当たっていない。
むず痒さがじわじわと込み上げてくる。
同時に身体の内部に熱が籠もってくるのがわかる。
媚薬といっても、精神的に淫乱にするなどというフィクション的なものではなく、単に身体の
熱を上げたり、神経系に作用するものらしい。
だが、それでも充分に性的な刺激となっており、この腕利き女性捜査官を動揺させていた。

(まずい……)

考えないようにしているのに、意識がどうしても感じている箇所へ行く。
乳首が痛い。
熱い。
固くコリコリしているのが、触らなくともわかる。
クリトリスが薄い皮を脱いで、むっくりと起き上がってきている。
膣の奥が熱くなり、淫靡な液体が分泌されている。
それが垂れないようにと、美和子は無意識の内にきゅっと膣を締めていた。

トッドは、そんな美和子の肉体の変化を見取っていた。
込み上げる肉欲を堪え忍ぼうと必死になっている美和子を横目に、自らは身につけた衣服を脱ぎ
捨てた。

「見な、美和子」
「え……あっ……」

言われて思わず前を見た美和子の視界に入ったのは、レスラーのような体格の黒人だった。
さっきと違うのは、美和子同様全裸だったことだ。
そして、そのでかい腹の下には、猛々しく隆起したペニスがそそり立っていた。
ハッとして美和子は目を逸らしたが、一瞬でも見てしまったせいか、脳裏にしっかりそれが
焼き付いた。
赤子の拳くらいありそうなカリ首。
美和子の華奢な手では、片手には余るほどの太さ。
血管が浮き、いかにも凶悪そうな造形。
おまけに長かった。

(あ、あんなもので……)

脅えたように目を閉じた美和子の美肌に触れながらトッドは言った。

「なあに、そう怖がることはねえ。日本で散々くわえこんだだろうが」
「やめて、触らないで!」
「ほう、こりゃ嫌われたもんだ。だが意地は張らない方がいいぜ。強がってみても、本当は
いじって欲しくてたまらないんだろうが」
「ぜ、絶対にいや!」
「ウソをつくなよ。そのカッコいいおっぱいをモミモミして欲しいだろう? ああ、美和子は
強く揉まれるのが好みなんだっけな」
「い、いやらしいことばかり言うな!」
「それだけじゃねえ。具合の良いオマンコにも突っ込んでやるさ。おめえ名器だったからなあ。
思い出しただけでゾクゾクするぜ」
「……く、くそっ……」

淫らな言葉でからかわれても、何の抵抗もできない自分が情けなかった。
縛られて拘束されているから仕方がないと言えば仕方がないが、媚薬効果のせいか、ともすれば
獣欲に支配されそうになる心が頼りなかった。

「あっ……やっ……」

美和子の背中に回り込んだトッドは、そのごつい手で胸をまさぐった。
豊麗としか言いようのない乳房をやわやわと揉み込む。
乳房の形や重みを確かめるかのように、じっくりと揉みほぐした。
すくい上げるように揉み上げ、ぎゅうぎゅうと絞るように揉んでやると、美和子は「くっ」と
唇を噛みしめて堪える。
勃起しかけた固い乳首を親指と中指で挟み込み、人差し指でコリコリと捏ねれば、ピクンと
反応して顔が仰け反る。

声を出すことが男を愉しませることになるとわかっているのか、美和子は乳房の愛撫にも固く
口を閉じていた。
トッドは、美女の口から喘ぎと呻きを絞り出そうと、敏感な胸肉に対し、テクニックを駆使
して責め上げた。
合間合間に天井や壁を見、少しずつ美和子の向きを変えたりしている。
そんなことに気づく余裕もなく、美しい女性刑事は黒人の慰み者となっていた。

「くっ……んっ……っ……」

乳房の愛撫で官能をほじくり出され、美和子は身を捩って抵抗する。少しでも逃げようと、
少しでも快感を逃そうとしているらしい。
だがそんなものは、男にとって他愛のない抗いにすぎなかった。

「あっ……くうっ……んんっ……」

太い指が繊細な動きを見せ、美和子を翻弄する。
乳房だけでなく、その上下も責めた。
左右の鎖骨やその窪み、乳房の下にうっすらと浮いている肋骨を、なぞり、さすった。
肉がなく、皮膚の下が直接骨になっている部分なのに意外なほどの快感が走り、美和子を戸惑
わせる。
美和子の意識がそっちへ行くと、また指は胸に戻ってくる。
すっかりしこった乳首を潰すように丹念に捻ったり、乳房の肉に沈めるように押しつける。
かと思うと、爪の先で軽く引っ掻いたりくすぐるように乳房の周囲と乳首を擦った。
「乳房」という性感帯を満遍なく責め立てられると、美和子は喘ぎを堪えつつ、燃え上がり
そうな熱い息を吐いた。

「はあああっっ……」

胸から止めどなく注入される痺れるような甘い快感に、顔を振りたくって耐えた。
ショートの黒髪もバサバサと乱れ、そこから甘い香りを漂わせていた。

「くく……いい匂いがしてきたな。思い出してきたぜ、日本で美和子を思いっ切り犯った時の
ことをよ」
「や……んうっ……はあっ……」
「あの時もそうだったよなあ。おめえ、必死になって気持ちいいのを我慢してよ。結局はよが
りまくってオレにしがみついて……」
「うっ……るさいっ……はああっ……」

(もう……だめっ……声、出る……あ!?)

その時、すぅっと乳房からの刺激が遠のいた。
トッドの手が離れたのだ。
しかし、ホッとする暇もなく、すぐに美和子は悲鳴を上げた。

「きゃああ!? なっ、なにを……」

トッドは黙って美和子のくびれたウェストに手を回し、そのなめらかな肌触りを愉しんでから
臀部に魔手を伸ばす。
細く締まったウェストとは対照的に、豊かに張ったヒップを撫で回す。
そしておもむろに左右の尻たぶを掴むと、ぐいと割り裂いた。
かあっと頬を染めた女刑事が喚く。

「やめろ、見るな!」

どこを見られているのか、言われないでもわかる。
アヌスだ。
この黒人は、日本で美和子を責め抜いた時も、彼女が泣き喚くほどに尻責めをした男だ。
異常なほどに肛門に拘っていたのだ。
またそんな恥ずかしい場所を嬲られる。
そう思っただけで、美和子は恥辱と屈辱を、そして妖美で暗い倒錯感も得ていた。

トッドの方は、ひさびさに見る美和子のアヌスに生唾を飲み込んでいた。
東京で何度も嬲り、しつこいほどの愛撫を繰り返して、美和子のそこはもう性感帯として立派
に機能しているはずだ。
その証拠に、まだ触れてもいないのに、そこはヒクヒクと蠢いている。
窄まったり緩んだりを繰り返し、早くいじってくれとせがんでいるかのようだ。
見られているということで、美和子自身高ぶっているのかも知れない。

「見るなと言って……ああっ!」
「見るだけだと思うのか?」
「ひっ……そ、そこはあっ!」

黒い指はクリトリスに伸びてきた。
肛門をいびられるものだと思い込んでいた美和子は意表を突かれ、滑稽なほどに反応してしま
った。
包皮をめくられ、媚肉からじくじくと滲んでいる蜜を指で掬い取られ、それを肉芽に塗るよう
にさすられる。
トッドの指が動くたびに、美和子の肢体はギクンギクンと痙攣し、アヌスが絞まる。

「けけ、本当に感じやすい良い肉だぜ。ほれ、もっとしてやるぞ」
「いっ……やあっ……そっこ、だめっ……ひっ!」

ますますクリトリスは固く尖り、ピクピクと自ら動き出す始末だ。
それだけでいかせてみるかとも思ったが、すぐそばでひくついているアヌスを見逃すわけにも
いかなかった。

「そうか、だめか。ならこっちだ」
「ひゃああっ!」

美和子らしからぬ悲鳴が零れ出た。
トッドが肛門を指先で軽く引っ掻いたのだ。
腰がビクッと大きく跳ねた。
暴れる腰を片手で軽々と押さえ込み、黒人はなおもアヌスをいびる。
爪の先で擦ったかと思うと、指の腹でぐりぐりと押しつける。
先ほど垂らした液体のせいで、もうアヌスはすっかり濡れそぼっている。
ぬらぬらした感触が、女を一層鋭敏にしていた。

「んうっ……やめ、あっ……くあっ……」

指が動くごとに美和子の身体が敏感に反応する。
尻穴の皺をなぞるように擦り上げたり、肛門に強く息を吹きかけたりすると、堪えきれない
喘ぎ声が洩れ、汗の浮き出した尻を捻る。
その頃には、固く締まっていたはずのアヌスはすっかりほぐれ、トッドが軽く指を押し込んで
もほとんど抵抗はなかった。
第一関節まで沈めてみたが、美和子の反応は変わらない。
素材がいいだけあって、肉体の準備が整うのも早いらしい。
ここまで来ればいいだろう。

「じゃ、いくぜ」
「きっ、きさま! いきなりそんなところを……」
「いきなり? じゃあ順を追ってオマンコから犯して欲しいのか?」
「そ、そんなことは言ってない!」
「遠慮すんな。美和子が尻好きなのはよぉく知ってるんだからな」
「く……」

何が「尻好き」なものか。
もともと美和子は、そんなアブノーマルな行為にはまったく興味なく、むしろおぞましいと
思っていたのだ。
なのに、日本で拉致されレイプされ続けた時、強引に仕込まれたのである。
トッドのテクニックやペニスがよほど優れていたのか、あるいは美和子にその素養があった
のかわからないが、わずか一週間ほどの調教で、彼女のそこは「第二の性器」と呼びたいくら
いに、感じる穴に成長させられたのだった。
トッドはいやらしそうにニヤつきながら、女刑事の裸身をまさぐった。

「美和子は忘れたかも知れねえが、オレはよーく憶えてるぜ。おめえの身体をな」
「……」
「この柔らけえおっぱいはよ、最初はとろけるくらいなのに、感じてくるとしこってくるんだ
よな。乳首なんぞグミみたいによ」

そう言って、黒人の大きな手が美和子の豊かな乳房をぎゅうぎゅうと絞り込む。

「その乳首は、こうやって」
「あっ」
「こうするのがいいんだよな?」
「ひぃっ!」

親指と中指でこねるように根元を揉み込み、人差し指でぎゅうっと上から押し潰す。

「んで、オマンコはこう指を入れて」
「やっ!」
「中を軽く引っ掻くようにされるのがたまらねえんだろ?」
「やはあっ!」

中指が媚肉に潜り込み、軽く曲げた先端が膣内を抉る。

「美和子のクリットも可愛くて大好きだぜ。最初はライスみたいに小さいのに、感じてくると
ビーンくらいになってくる。それをこうしてやると……」

「ひぁぁぁっっ!」

包皮から僅かに顔を出していたクリトリスの根元を指でつままれ、その皮を剥くようにクリ
クリされると、もうそれだけでいきたくてしようがなくなる。

「そしてアヌスだな」
「そ、そこは……」
「好きなんだろ? こうやって指を入れてグリグリされるといきそうになるんだよな?」
「や、やめっ、あああ!!」

ぬっぽりと肛門に挿入された太い指が、グリグリと小さな穴を拡げるように回転する。
排泄器官を嬲られる、そこを強引に拡げられるという羞恥と屈辱がたまらなかった。
美和子の反応に満足したトッドは、そのなめらかな肩に顎を乗せ、乳を揉みながら耳元で囁
いた。

「な? おまえの身体のことはもう完全にわかってるんだよ。どうやれば感じて、どう責め
ればいっちまうかがな」
「ち、ちくしょう……」

悔しくてならなかったが、トッドの言葉を完全には否定できない。
この黒人は、なぜこうも女の生理に詳しいのかさっぱりわからない。
トッドの繰り出す責め手に、美和子はたちまち崩れてしまう。
我慢することの無意味さは、日本での凌辱劇でいやというほど知らされた。
トッドが満足するまでの時間、その恥辱に耐えることしか出来ない。
あとは、美和子自身が絶頂に次ぐ絶頂をさせられて、心身共に疲れ切って失神するしか逃れる
術はないのだ。
睨みつけていた美和子が悔しそうに顔を伏せたのを見て、トッドは太い腕を腰に回した。

「覚悟が決まったようだな。よしよし、腰が抜けるまでたっぷり可愛がってやるぜ」
「やっ……ああ!」

美和子の双臀がさらに割り開かれ、その奥に熱いものが押し当てられた。
それが男根だとすぐにわかったが、彼女の口からは抗う声は出てこなかった。
緩みかけたアヌスの中心に固いペニスが当たると、その瞬間だけグッと力が入り、肛門が引き
締まったが、そんなものはトッドの前には蟷螂の斧だ。
むしろ彼にとっては心地よい抵抗感として、性器に感じられた。
トッドは躊躇なく腰を押し進め、美和子の肛門を押し開いて肉棒を潜り込ませた。

「ああっ」

先っちょが入り込んだだけで、美和子はゾクッとするような感覚に囚われた。
それが淫らな欲望によるものだと知り、悔しさで死にたくなる。
それでも、アヌスへ強引に押し入ってくる太いもので、そこを引き裂かれるような苦痛を覚え、
呻きと苦鳴が口から零れる。
しかも立位で後ろ手に縛られ、おまけに片膝が身体にくっつくほどに曲げられている。
無理な姿勢で、苦しさもひとしおだろう。

「く……あっ……いっ……たいっ……き、きつい……」

直腸の粘膜が灼けるように熱い。
そこに無理矢理入ってくるペニスが、内側から腸を拡げていく。

「あう!」

大きなカリがずぶっとアヌス内に入り込むと、美和子は首を大きく仰け反らせて白い喉を晒
した。
痛いのか苦しいのか、臀部が小刻みに震えている。
もう無理というところまで拡張されたアヌスが苦しげにヒクヒクと喘いでいる。
美和子の肛門は、それ以上の侵入を防ごうときつく締め付けるのだが、黒人特有の硬質さを
持った肉棒が、嘲笑うかのようにその抵抗を払い除け、ぐいぐいと奥へと侵攻していく。

「んんんっ……あああ……」

長いものがゆっくりと進んでいくと、美和子は「耐えられない」とでもいうように、尻をうね
らせた。
カリ高の肉棒で腸内粘膜を削り取られていくのだからたまらないだろう。
半分ほど肉棒を埋め込むと、トッドは一端動きを止めて、また天井や壁を眺めた。
そしてまた中へと押し込んでいった。

長大なものが隙間なく美和子のアヌスと直腸を占領していく。
内臓が押し上げられ、口から出てしまいそうな錯覚を覚え、美和子は目眩がするほどだ。あと
数センチというところで、巨漢の黒人はグッと最後の一押しをした。

「ひぃっ!」

犯される美人刑事は、甲高い悲鳴を放ち、ぶるるっと大きく震えた。
最後まで貫いたトッドは、なおもねじ込むように腰をグイグイ捻りながら根元まで埋め込んだ。
美和子の豊満な臀部は谷間がなくなるほどに開かれ、そこに黒い大きな腹がくっついている。

「へへへ、全部入っちまったぜ。やっぱ、きついな。このきつさがいいんだ。どんどん思い出
してくるぜ、これが美和子のアナルだったな」
「んんん……あ、あう……苦しい……ああ……」

肛門は限界まで広がり、直腸にはみっしりと怒張が詰まっている。
満足に呼吸もできないほどに苦しかった。
腹の底まで犯された感覚に、全身が痙攣してくる。

下腹部に柔らかな尻の感触を得ると、黒人は腰を引き始める。
これも、ゆっくりとゆっくりと。
美和子は、男の逸物の巨大さを思い知らされるようなストロークに失神寸前だった。
太くて硬いものが無理に入っているため、アヌスの粘膜も腸内粘膜もペニスにへばりついている。
トッドがずぶずぶと挿入すると、まるで後を追うように肛門が中へとめくれ込んでいく。
ずるずると引き抜かれると、今度は腸の粘膜が一緒に引き出されてきた。
ゆっくりとした律動だが、破壊力は充分だった。

「んんおお〜〜っ……あ、はあ、はあ……ああああううっ……はっ、はあ、はあ……あ、あお
おおっっ……」

トッドは数回ゆったりとしたピストンとした後、少しずつ速度を上げていく。
ドリルのように奥まで貫くと、カリを存分に効かせて腸内を擦り上げる。
腰と美和子の尻が衝突し「ぱぁん」と乾いた音を立てると、今度は腰を引いて抜いていく。
抜かれる時もカリが大活躍して、美和子の直腸をこそいでいった。

「いいのか、美和子」
「あ……くっ……や……」
「まだそんなこと言ってるのか。なら「いい」というまで責めてやるからな」
「よ、せ……あはあっ……!」
「よせだ? なら、やめてやろうか」
「あ……」

ぬるりと、太いペニスが抜かれていく。
ホッとしたような、物足りないような感慨が美和子に訪れる。
閉じ切らなくて小さく口を開けている肛門が、ヒクヒクと蠢いているのは美和子の複雑な心境
を表すものだったのかも知れない。
美和子の身体から力が抜けたのを見計らい、トッドはまた肛門に押し込んだ。
さっきのきつさがウソのように、美和子のアヌスはすんなりと黒人の巨根を飲み込んでいく。

「うひぃっっ!」

油断していたところに重い衝撃を受け、美貌を誇る女刑事は思わず悲鳴を上げてしまった。
その声が官能に濡れつつあることに、まだ本人も気づいていない。
腸液が分泌し始めており挿入はスムーズだったが、美和子の感じる圧迫感は変わらない。
圧迫感があるということは、それだけ彼女の直腸と肛門がトッドの肉棒を締め付けていると
いうことだ。

「締め付けやがって。そんなに気持ちいいのか、ええ?」
「バ、カな、ことっ……言うなっ……ああっ……」
「よがりながら否定したって説得力がねえよ」
「だ、誰がよがってなんか、あむうっ!」

トッドはゆっくりと腰を使い、沈めた肉棒を引き抜く。
その際、カリで腸壁を削ることも忘れない。
ずるずると引き抜かれると、ペニスにへばりついた腸粘膜が薄紅色の内臓色を見せながら表に
出てくる。
そして押し込まれると、巻き込まれるようにして肉棒に従い、元の位置へと戻っていった。
美和子は、押し込まれると耐えるように呻き、引き抜かれると感極まったように喘いだ。

「んんんっ……ああああっ……んおおっ……くああっ……」

徐々に陶酔した表情を見せ始めた美和子は、時折正気に戻るのか、ぶるっと顔を振りたくる。
それでも、全体的にはトッドの手中に収まりつつあった。

「や……めろ……ああっ……あ、もう……」
「なんだ、もういくのか。やけに早いな」
「ち、違……も、いや……あうう……」

必死の抵抗も虚しく、美和子のは肉欲に支配されつつあった。
自分が刑事であることも、高木のことも、頭に浮かんではいるが、トッドがひと突きするごと
に薄れていく。
トッドが焦らすように、挿入したまま動かないでいると、我慢できないという風に、美和子の
方が動いてくる。
自ら臀部を振り、アヌスに収まっている肉棒の感触を得ようとしているのだ。
もじもじと蠢くだけでなく、吊られた不自由な身を何とか動かし、腰をわずかずつ上下させて
もいた。
恐らく美和子の意志とは無関係な行動なのだろう。
アヌスが、というより彼女の性的本能が、淫虐ないたぶりに耐えきれなくなっているのだ。

「あう……ああう……あ、ああ……」
「すっかり素直に感じるようになってきたな。そろそろいかせてやろうか。ギャラリーもそれ
を見たがってるだろうしな」

トッドはどう嘯くと、背中から大手を拡げて白い乳房を揉みしだきながら、盛んに腰を使って
いた。
悩ましく蠢く美和子のよく張った腰を掴むと、力強く腰を打ち込んでいく。
大きな尻が潰れ、美和子が上に持ち上がるほどに突き上げる。
ばちん、ばちんと、美和子の臀部とトッドの腰がぶち当たる音が部屋に響いた。

「ああっ! あがあっ……ひぃっ……あ、つ、強いっ……激しすぎるわっ……」
「その強くて激しいのが好きなんだろうが。うんと深くまで突っ込まれるといっちゃうんだ
ろ?」
「やあっ……ひっ……うあっ……あ、いっ……」
「「いい」と言えよ。オレは美和子のそのセリフが好きなんだよ。いく時もちゃんと「いく」
って叫んでくれよ。ボスに犯られた時は、最後まで我慢して言わなかったらしいじゃねえか」

言葉でも責めながら、トッドは美和子の腰を両手で引き寄せ、自分の腰に叩きつけた。
姿勢が不安定なことも手伝って、肉棒の切っ先が腸のあちこちにぶつかる。
ぶち破られそうになるくらいの勢いで突かれ、腸壁がまるでゴムのように形を変えていた。

「へへへ、これくらいやってやると、もう美和子のアヌスはオレのものの太さや形を覚えて
くれたかも知れねえな」
「ふっ、ふざけ、ああうっ……」
「腹ん中はきっとペニスに馴染んでるだろうよ。腸の太さなんか、オレのコックにぴったり
じゃねえか」
「違うっ……いいいっ……」

まだ口では否定するが、美和子はアナルセックスに取り憑かれつつあった。
激しい出し入れで、肉棒が腸内から盛んに腸液を掻い出している。
それが美和子の内股を伝い、ふくらはぎに届き、足首から床に垂れる頃には、もう完全にとろ
かされていた。
律動の速度が一層上がり、ペニスと粘膜の擦れる淫靡な音がしている。
その音や美和子の喘ぎを聞いているうち、トッドも射精欲が次第に高まってくる。
粘り着くような腸内とアヌスの粘膜がトッドの太い男根をさすり、射精を促しているかのようだ。

「くっ……美和子のは良すぎらあ。オレも限界だ。さあ美和子、どうする? どっちに出して
もらいたいんだ?」
「ああっ…ど、どっちって……んああっ……」
「決まってる。このまま尻の中に射精してもらいたいのか、それとも顔に引っ掛けてもらいた
いのか聞いてるんだよ」
「い、いやっ……どっちもいやあっ……」
「いやだと? それなら中に出してやらあ」
「いや! 中はいやよ!」

痺れるような快楽の中、美和子は必死に考えた。
腸内に出されても妊娠するようなことはない。
ないが、あの男の汚らしい精液を体内に出されるなどとんでもない話だ。
トッドの射精量は並みではない。
あんなに大量に射精されたら、浣腸効果で催してしまうかも知れない。
そんなことだけは絶対にいやだ。
とはいえ、顔に浴びせられる屈辱も我慢できない。
だが、迷っている暇はない。
前と言わず後ろと言わず、中に出すのが好きなトッドなら、放っておけば間違いなく腸内射精
するはずだ。
美和子は血を吐く思いで喚くように言った。

「か、顔に……」
「ん? そのきれいな顔にぶっかけて欲しいのか? この好き者が」
「く……」
「まあいい。ビジュアルとしてもそっちの方が受けるかも知れねえしな」
「な、なにを……」

何のことを言っているのかわからなかった。
考える暇もなく、トッドが最終攻勢をかけてきたからだ。
トッドは、さらに突き上げる勢いを増しつつ、美和子の背中から覆い被さった。
喘ぐ美和子の白い首筋に唇を這わせつつ、噴き出した汗でぬめった乳房を激しく揉み込んで
いく。
美和子はアヌスが破けそうなほどに貫かれ、それでも妖しい快感から逃れられない。
そこに乳房からも新たな快感が襲ってくる。
もう絶頂は目前だ。

「だめっ……あ、もっ……い、い……」
「いくのか、美和子?」
「い、いきそうっ……」

トドメだとばかりに、トッドはガシガシと思い切り数度腰を叩きつけた。
ペニスの先が、直腸の最奥にまで届いた時、美和子は全身を突っ張らせて叫んだ。

「い、いくうっっ……!」

美貌の捜査官は、頭を後ろのトッドの肩に乗せるくらいに仰け反り、ぶるるっと腰を大きく
痙攣させて激しく気をやった。

「くっ……」

トッドは、己のペニスを締め付ける美和子のアヌスの甘美な刺激をようやく堪え、慌ててそこ
から抜き去った。
そして大急ぎで彼女の前に回ると、その美しい顔にペニスを突き出す。
しごく必要もなく、絶頂に達した美和子の悩ましい美貌を見ただけで、黒人は呻いて射精した。

どびゅっ。
どびゅびゅっ。
びゅるるっ。
びゅくんっ。
びゅるっ、びゅるっ。

「ああ……む……」

美和子の顔の真ん中に、どろっとした白い粘液が大量に浴びせられた。
ちょうど両眉の間、鼻筋の上あたりに命中し、形の良い鼻梁の脇をどろりと伝って唇の端に届く。
唇の両端から流れてきた精液は、尖った顎でひとつにまとまって床に垂れていく。
量も多いが、粘りも強い。
そして何より、その強烈な男臭を吸わされて女性ホルモンが活性化し、美和子はぼうっとして
いた。
垂れてくる精液を舐め取るほどではないものの、さして嫌悪感もなかった。

トッドは、美和子の黒髪を掴むと、ぐいと顔を上げさせてた。
そして左右に首を回させる。

「お客さん方、よく見えましたかい?」
「お……客、さん……?」

美和子のつぶやきを聞きつけ、トッドが聞こえよがしに言った。

「お、気を取り戻したか。よぉく見な、美和子。今のプレイは、ずっと見物されてたんだよ」
「な……何ですって!?」

美和子はハッとして周囲を見回して驚愕した。
ガラス張りになっていた壁や天井から、大勢の男たちがこっちを覗き込んでいたのだ。
自分が見せ物になっていたことを知らされ、美和子は愕然とした。
あの痴態や、その反応をすべて見られていたというのか。
トッドは髪を掴んで正面を向かせる。

「見てるのはスケベオヤジどもだけじゃねえぞ。ほれ、そこにいるアマっ娘には、おめえも
見覚えがあるんだろうが」
「……!! そ、そんな……蘭……ちゃん!?」

美和子の目の先には、丸い目を大きく見開いている毛利蘭の姿があった。
側にミシェルが立っている。
どうやら嫌がる蘭を連れてきて、無理に見させているようだ。
美和子と視線が合うと、蘭は頭を振って逃げようとするのだが、ミシェルがそれを押さえ込む。
そして彼女の顔を押さえつけ、美和子を見るよう命令しているかのようだ。
瞳からは涙が零れ、哀れな美和子を見ていられないと思ったのか、顔を伏せ、目を閉じてしまう。
だが、その蘭自身も丸裸なのだ。
ミシェルらに凌辱された挙げ句、こうして美和子を見せつけているのだろう。
美和子に対しては、野卑な男どもだけでなく、顔見知りの少女にまで痴態を見られたという
絶望感を植え付ける効果がある。
蘭には、助けに来た日本の刑事を捕らえ、いいように嬲っているところを見せて、もう救出
されることはないと諦めさせるつもりらしい。

「う、うう……」

泣いている蘭を見て、美和子もつられるように落涙した。
手を伸ばせば届きそうなところにいる蘭を助けられない悔しさと、彼女の前で恥ずかしい姿を
晒してしまった羞恥。
トッドらに対する怒りよりも、自分の情けなさに涙が出た。

「ふふ……」

すっかり絶望した美和子を見て、トッドはほくそ笑んだ。
彼の好みとしては、多少抵抗があった方がいいのだが、今は客に見せるショーの最中だ。
連中が見たいのは、この美女がマッチョなニグロに犯されて、喘ぎ悶える姿だろう。
なら、その期待に応えてやろうではないか。

トッドは美和子の拘束を解き始めた。
縛られた女体は美しいが、この姿勢のままではアングルが限られ、見えにくいと思ったのだ。
とはいえ、解かれたのは天井に吊られていた脚だけだ。
上半身の高手小手はそのままである。
案の定、美和子は脚が自由になったものの、トッドを蹴り飛ばそうとも逃げようともしなかった。
ベッドに崩れ落ち、顔を伏せて泣いていた。

「ああっ」

トッドは、そんな美和子を突き倒した。
ベッドは3メートル四方もありそうな大きなものだ。
美和子と大柄なトッドが一緒にいても、充分なスペースがある。
これなら3Pや4Pも可能だろう。
こうしたショー用に使われるものなのかも知れない。

美和子は起き上がろうとするものの、上半身を縛られていてうまくバランスが取れない。
いかされたことで腰にも力が入らない。
膝が挫け、へなへなと座り込んでしまう。
トッドは腰を下ろすと、美和子を軽々と持ち上げた。

「やあっ!」

長い脚を振るってジタバタしたものの、その手からは逃れられなかった。
無意識のうちに何発かトッドにキックが命中していたが、何の影響もなかった。
分厚い胸板や鍛えられた腹筋に、弱った女の蹴りが当たったところで、どうということはない
のだろう。
トッドは美和子の細いウェストを掴んで持ち上げ、座り込んでいる自分の上にそのまま下ろした。
ちょうど背面座位の格好である。トッドは美和子の胸に手を回し、やわやわと乳房を揉んでいる。

「ちょっと変わった格好でやるか」
「え……、あっ!」

美和子は、両胸を掴まれたまま後ろに倒れ込んだ。
もちろんトッドも一緒である。
仰向けに寝ころんだ黒人の上に、美和子も仰向けに寝そべった格好だ。
トッドは器用に片足で美和子の太腿を割り、股間を開かせた。

「あ、やあ……」

いやがって身を捩る美和子の左膝に手をかけ、そのままぐいと引き寄せる。
右足は黒人の太い右足が押さえ込んでいた。
右手は美和子の腹や腿をさすり、その感触を愉しんでいる。

「そういや、まだ美和子のあそこは探してやってなかったな」
「あ、あそこって……?」
「いずれわかるさ」
「あっ、指、やあっ!」



      戻る   作品トップへ  第六話  第八話