───…………。

───あ、新一? あたし。うん。元気だった?

───え? 別に、特に用事ってわけじゃないけど……。なによ、用事なかったら
   電話しちゃいけないの?

───……そう、そうよ。うん、うん……。ただ新一の声が聞きたかっただけ。
   で、そっちはどう?

───……あ、また事件なんだ。そう……。けっこう大変なの? ……そうなんだ……。

───え? 変? 変って何よ、失礼ね。あたしは別に……、え? 声に元気がない?
   そうかな……。

───そう思うんなら、たまには顔見せなさいよ。え……、あ、うん、あたしも会い
   たいし……。

───……ふぅん、けっこう大きな事件なんだ。でも、あまりそれって新聞とかでも
   読まないね。え? まだ公開捜査してないの?

───……ん……、それはわかったけど、でも……。え? おかしい? あたしが?

───そりゃあね、毎日あれこれ忙しいしさ。……うん、そう。お父さんずぼらだし、
   コナン君の面倒もあるでしょ。

───え? ああ、部活? そっちも……そうね。それに、あたしだってお年頃なん
   ですからね。色々あるのよ。

───「色々って何だ」って? ……さぁね、何かしらね。気になる? ……うん…
   …うん……。

───そんなに気になるんなら、たまにはこっちにも顔を出しなさいって言ってる
   のよ。あんた、あたしに会いたくないの? なんか、いっつも逃げてるような
   感じだし。

───あはは、そんな慌てなくていいわよ。冗談、冗談。

───……でもさ、あたしは……会いたいな。……うん、会ってね、ちょっとお話
   したいこともあるし。

───「何だ」って? ……それはね、会ってから話すから。今、電話で言うような
   ことじゃないの。

───え? 大事な話かって? ……そう。そうね。

───「だから元気ないのか」? そんなことないよ……。そんなに変かな、あたし
   ……。でも、心配なら早く帰って来なさいよ。……そうよ、うん。

───……あ、もう時間だから。え? ああ、これからちょっと行くところがあって
   ……。ううん、買い物とかじゃなくて、人に会わないといけないから……。

───男かって? ……。……あ、ごめん。なに言ってるのよ、図星なわけないで
   しょ、バカ言わないで。

───……だから気になるなら会ってって言ってんの。……うん、早めにね。

───あ、ホントにもう行かないと。……うん、うん。大丈夫だから。

───ね、新一、たまにはホントに顔見せてよ。電話ももっとマメにして。……
   うん、出来る範囲でいいからさ。

───……じゃ、もう切るね。うん……うん……、それじゃ。

───────────────────────────

蘭のアパート通いは続いていた。
嵯峨島に意地悪く詰問されてから、何となく行きにくくなってはいたが、それでも
足は禎一の部屋に向かっていく。
誰かに見られていないか、いつも以上に気を遣いながら、それは続けられた。
通学鞄の他に、スーパーで買った贖罪の入ったレジ袋を提げているのも同じだ。
同じなのは、すべての家事が終わると、有無を言わさず禎一が襲いかかってくるの
もそうだった。
それがあるとわかっているのに、蘭はここに来続けていた。

この前は危ないところだった。
危うく、本当に処女を奪われそうになったのだ。
キスまでされ、ついに咥内を犯された。
身体への愛撫はもはやとどまるところを知らず、胸は完全に裸にされて揉まれ、
下半身もスカート半ば脱がされて愛撫されている。
辛うじてショーツは着けていたが、その薄い生地の何と頼りなかったことか。
すぐに恥ずかしい蜜で汚れ、それを指摘されるまでになってしまっていた。

精神はともかく、蘭の身体の方は徐々に燃え上がってしまい、禎一が「これ以上」
を望めば、拒む自信がないところまで追い詰められた。
にも関わらず、禎一は「いよいよ」という段階で手を引いてしまっていた。
なぜここまでしておいて「最後」までしないのか、蘭にはわからなかった。
無論、そこまでされなくて本当によかったという思いは強い。
これまでの行為ですら、新一には死んで詫びたいくらいに申し訳ないと思っている。
なのに身体を完全に許してしまっては言い訳が出来ない。

だが、そんな思いと裏腹に、蘭の肉体は処女のままだんだんと熟成されていった。
快楽を教えられ、新たな快感を覚え込まされ、次第に制御が効かなくなってきて
いる。
このままではいけないと思うのに、なぜかここに来てしまう。
そして、このハードなペッティングが繰り返されることになるのだった。

「あ……ああ……」

蘭が処女を失う覚悟をしたあの夜以来、都合三度ここに訪れ、あの時と同じ状態に
追い込まれている。
禎一も同じく、蘭をそこまで追い詰めながらも、なかなか最後の一線を越えようと
はしなかった。
そこが蘭には切なく、焦れったく感じられてしまっていた。
それでいいのだ、いやそれ以前にこんな関係はいけないのだ、という気持ちはある
のに、どうしても身体が言うことを利かなかった。

恥ずかしいがオナニーもしてみた。
軽い絶頂は味わえる。
それでも、禎一に愛撫された時の鮮烈な快感とはほど遠かった。
蘭はこの時はじめて「セックスとはどういうものだろう」と真剣に考えるように
なった。
禎一の愛撫だけでも陶然となるほどに気持ち良くなってしまうのに、セックスと
なったら本当にこれ以上の快楽になるのだろうか。

それとは反対に、挿入時には絶叫するほどの激痛になる、という話も聞いている。
そんなに痛いのに気持ち良いというのがわからなかった。
もしかしたら自分は、それを確かめたい、その先までいってみたいと思っているの
だろうか。

いや、縦しんばそうだとしても、その相手は新一であるべきなのだ。
いかに禎一の事情に同情はしても、彼の恋人になる、身体を許すというのはまったく
別問題なのだ。
蘭は、そうした理性など蹴散らすかのような、禎一の愛撫が恐ろしかった。
気づかない心の裏側で、それが魅惑的だと感じ始めていたのかも知れない。

蘭は座布団を二枚敷いた上に仰向けで寝かされていた。
制服のジャケットとカッターシャツは脱がされ、ブラジャーも捲り上げられて若い
乳房が露わになっている。
今日はスカートも剥ぎ取られ、白い素足が蛍光灯の明かりを受けて輝いていた。
下着のみのセミヌードにされている。

「ああ……」

胸を掴んでいた手が、ぐっと乳房を握ると、若く張り詰めた皮膚が心地よい弾力を
男の指に伝えてくる。
乳房を揉まれる刺激に、蘭はビクッと身体を震わせたものの、特に抵抗はしない。
禎一は、わざと意外そうな表情を作って言った。

「……やめて、とか言わないんだね」
「……」
「いよいよ、本当にその気になってきた?」
「ち、違います! バカにしないで!」
「わかった、わかった。でも、怒った顔も可愛いよ、蘭ちゃん」
「〜〜〜〜〜っ!」
「くく……」

禎一は嗤いながら蘭のブラジャーを剥ぎ取った。

「きゃあ!」

もう胸は直に見られているものの、こうしてブラを取られてしまうのは初めてだった。
胸を覆っていたものが何もなくなった。
蘭は慌てて両手をクロスさせて胸を隠そうとする。その腕を禎一が押さえ込んだ。

「あっ……」
「恥ずかしい?」
「……っ」

蘭は顔を真っ赤にして横に伏せた。
少しでも動くと、それに合わせて乳房も揺れているのがわかる。
その様子を男の目がじっくり見つめているのまでわかった。

(は、恥ずかしいっ……見てる……森さん、見てる……あたしの胸……ああ……)

蘭が悲鳴も上げず、また抵抗もしないのを見て、禎一は観念したと見てとった。
そして、剥き出しになった腹に手を当て、そのままするっとショーツの中にまで
滑り込ませていく。

「いやああっ……!」
「ほら、暴れない」
「いやっ、森さん、そこだめっ!」
「蘭ちゃん」
「な、何……あっ!」

口を塞がれた。
易々と蘭の口を割り、その咥内に舌を潜り込ませていく。

「ん……んむ……」

蘭の身体がぴくりとして、そのままおとなしくなった。
ショーツの中に潜り込む腕を押さえていた手が萎えていく。

「キ、キスだめっ……うんっ……んちゅっ……むむう……」

口では拒絶しながらも、蘭の舌は怖々と禎一の舌に絡んでくる。
舌と舌を絡め合うディープキスも、ここ数日の間に覚えさせられていた。
最初は逃げ回っていたり、奥で縮こまっていた舌も、男の強引な舌の動きに圧倒
され、絡め取られ、奥から引きずり出された。
舌の付け根から吸い取られるほどに強く吸われ、蘭は苦しげに呻いた。

「んんっ……む……」

ただ逃げ回っても結局は吸い取られる。
最初から言う通りにした方が楽かも知れないと、蘭は徐々に舌を任せるようになっ
ていった。
そして今では、おずおずとした動きながら、禎一の舌に自分の舌を絡めるように
なっている。
舌同士を絡め合うなど気持ち悪いと思っていたし、況して相手が恋人以外なのだか
ら、凄まじいほどの罪悪感もある。
しかしその背徳感が、なぜか病みつきになっていったのだった。
いけないと思いつつも、男の自由になっている自分に、蘭の胸はかき乱され、そして
燃えていく。
崇高で純粋な倫理観を踏みにじることへの、蠱惑的な快感を獲得しつつあった。

「んん……んじゅ……んっ……」

キスされながら胸を掴まれ、乳房を揉まれると、蘭は禎一の口の中で呻き、さらに
身体から力が抜けてしまう。
そこにまた股間に刺激が来た。

「あ、いや!」
「おとなしくしなさい」
「で、でも……あっ……」

禎一の右腕に爪を立てて押さえていた蘭の両手がびくりとして、すっと力が引いた。
男の腕を掴んでいる力は弱々しく、震えてすらいる。
どうにかなりそうなほどの羞恥を感じているが、激しい拒絶は示さなかった。
ぴったりと閉じた腿の間に、男の手が潜り込んでいく。
禎一の指先に濡れた繊毛が触れると、蘭はびくっと肢体を痙攣させた。

「だ、だめ……」
「……」

禎一は無言でそのまま指を進め、蘭の秘所を探り当てた。
恥ずかしいのか、蘭は何度も身を捩っている。
目は堅く閉じ、噛みしめている唇からは今にも悲鳴が零れ出そうだ。

「やっ……くっ……あっ……」
「ここを触られるのは初めてかい?」

女の秘密を男にまさぐられ、蘭は答えることも出来ず首を反らせた。
爪の先で軽く割れ目をくすぐってやると、蘭の口からは「あっ」とあえやかな悲鳴
が漏れ、その身体を細かく震わせた。
そんな蘭の初々しい反応と、熱い蜜の感触を愉しみつつ、禎一は割れ目の筋に指を
這わせていく。

「……ほら、脚を拡げて」
「そんな……もうやめてください……あっ……」
「もっと拡げなさい」
「ああ……」

今にも泣きそうな顔で、蘭は閉じた両脚からも力を抜いた。
すかさず禎一は左手を蘭の腰の下に回し、ぐいと持ち上げる。
そうやって愛撫しやすくしてから、割れ目を這い上がっていた指は、とうとうクリ
トリスにまで到達した。

「ああっ!」

今度こそ蘭ははっきりと喘いだ。
そこに触れた瞬間、蘭の腰がびくっと跳ね、強い反応を見せた。
さすがにここだけは、どんな状況でも感じてしまうらしい。
禎一は慎重にそこを責め、肉芽周辺を焦らすように撫で擦った。
そして、滲み始めた蜜を指で掬い、そっとクリトリスに塗り、包皮を剥くように
愛撫していく。

「あはあっ……やっ、そこ……ああっ……!」
「いやなの? 感じ過ぎちゃうのかな?」
「そっ、そんな……も、り、さんっ……あうっ……!」

愛液を塗られ、じっくりと柔らかく愛撫されていくと、慎ましかった蘭のクリトリス
もたちまち顔を覗かせ始めた。
包皮から半分顔を出し、頭を尖らせていく。
見る見るうちにそこは熱を持ち、こりこりと堅くなってきた。
いつしかショーツのクロッチ部分も、蜜でじっとりと濡れ汚れてしまっている。

「ふふ、下着が汚れちゃったね」
「いや……見ないで、恥ずかしい……」
「脱いじゃおうか」
「え……? きゃあ!」

禎一は蘭のショーツに指をかけると、ためらいなく一気に引き下ろした。
驚いた蘭が脚をばたつかせる前に、ショーツは膝までずり落とされ、さらにふくら
はぎを通り抜けてしまった。
今では右足の足首に辛うじて引っかかっているだけだ。

「……」

蘭の裸身を見つめていた禎一は驚嘆していた。
まばゆいばかりの美しい裸身だった。
着痩せするのか、制服姿の時には思いも寄らなかった見事な肢体を晒している。
触れなくともわかるすべすべした白い脚が眩しい。
年増女のような熟れた柔らかさこそないものの、若く充実した弾力感が素晴らしい。
肉感的な太腿に対し、膝がキュッとくびれ、またふくらはぎでやわらかく膨らんで
いく。
そして足首も細く締まり、実にメリハリのついた美脚だった。
日本女性にありがちな、膝頭の骨がゴツゴツと目立つようなこともない。
必死に閉じ合わせた脚はぴったりとくっついている。
O脚とは無縁のようだ。
この分なら、恐らく媚肉の締まりも素晴らしいことであろう。

パッと目に入る乳房はまだ若く、発展途上ではあったが、近い将来、さらにふくよか
になりそうな雰囲気を予感させる。
何しろ形が美しい。
ほぼ正確な円を描いた輪郭を示し、これもほとんど完璧な半球状の見事としか言い
ようのないふくらみが盛り上がっている。
白く艶々とした若い肌が室内灯に反射していた。
その頂点にある乳首は、生意気にももう勃起している。
禎一の指と唇の愛撫により、すっかり充血したそこは、男の唾液で濡れていた。
ぷくんと恥ずかしそうに膨らんだ乳首が、まるで蘭の真情をそのまま表現している
ようで実に愛らしい。

うちの学校にここまでの女がいたとは、まさに灯台もと暗しだ。
もともと、どちらかというと年上好みで、下級生には目も向けなかったこともあって
見逃していたらしい。
今のままでも充分な可愛らしい顔にスタイルだが、これは成長すれば美貌に磨きが
掛かり、胸にも尻にも腿にもいっそうに脂が乗るだろう。

「見ないで……見ないで、森さん……恥ずかしい……」
「いや、しっかり見せてもらうよ。ここ、何て言うんだっけ?」
「しっ、知りませんっ」
「知らないはずはないだろう。女しか持ってないものさ。言ってよ」
「知らない、言えませんっ」
「オマンコでしょ、オマンコ。ほら言ってよ、オマンコ」
「そっ、そんなこと言っちゃいけませんっ!」

禎一は眼を細め、蘭の両腿に手を掛けた。
ぐっと手のひらを押して両脚を割り開いた。

「やっ……あ……」

禎一の顔が股間に近づいていく。
蘭はくぐもった悲鳴を上げ、顔を逸らせ目を瞑った。
ぐいっと腿を開かれたことによって、割れ目も少し口を開けている。
愛液に濡れたそこは、蛍光灯の明かりで淫らに輝いていた。
見られていることを意識しているのか、クリトリスがピクンと小さく動き、新たな
蜜がとろっと溢れてきた。
男の生温かい息がそこにかかり、いやでも禎一の顔が間近にあることを認識させら
れる。

「ああ、お願いです……そ、そんなに見ないで……ああ、そんな近くで見るなんて
……」
「すごいな……綺麗だよ、蘭ちゃん。本当に処女なんだね」
「……」
「匂いもいい。ヤリマンの女だと、ここが酸っぱいような臭い感じがするんだけど
ね、きみはそれがない。甘酸っぱい処女の匂いだ」
「そ、そんなの知りません……ああ、いやあ……」

恥ずかしさで気死してしまいそうな時、突如、媚肉に強い勢いで何かが当たった。

「ひっ……!?」

びっくりした蘭が思わず目を開けてそこを見ると、禎一が今にも口をくっつけそう
な位置で、思い切り息を吹きかけていた。
びゅっと息が吹きかかると、繊毛に宿っていた露がパッと飛び散った。

「んくっ!」

息を吹きかけられると、蘭はぐぐっと裸身を跳ねて激しく反応した。

「きゃうっ! ひっ! やっ! うああっ!」
「息かけるだけでそんなに反応するんじゃ、こうしたらどうなるかな」
「こ、こうしたらって……んあああっ!」

蘭の股間に顔を埋めた禎一は、その媚肉に舌を這わせた。

「そ……こ、だめっ……な、舐めちゃ、ああっ……!」

男の舌が、唇が股間を這い、舐め回していくと、蘭の息が荒くなっていく。
禎一は丁寧に、手指や舌、唇を総動員して蘭の媚肉に愛撫を加えていく。
禎一がいやらしく蘭の膣を吸い立てる音が響くと、そのたびに蘭は腰をひきつらせ、
胸を揺すり立てて喘いだ。

「や、やめ……ああああ……あ……」

蘭の声が甘く、熱くなっていく。
身体がびくびくと痙攣するのが止められない。
禎一の指で割られた媚肉からはクリトリスが覘き、蜜が垂れ落ちてくる。
尖らせた男の舌がその肉芽を軽く舐め、転がしていくと、たまらず蘭は悲鳴を上げ、
小さな小さな膣口からとろっと熱い愛液があふれ出てきた。

「可愛いな、蘭ちゃん。いくら舐めてもどんどん溢れてくるよ」
「森さん、だめっ……それはあっ……んんっ……!」
「ふふ、クリトリスもほら、こんなに立ってきてる。赤く充血してるし、ひくひく
してるね」
「言わないで、恥ずかしいっ……ああっ!」

恥ずかしい反応を露骨に表現され、美少女は顔を真っ赤にして身悶えた。
禎一は、指で優しく蘭の肉芽をつまみ上げると、そこに口を近づけて舌先で突っつ
いてやった。
かと思うと、今度は口に含んでゆっくりと舐めしゃぶり、跳ねるように身悶える蘭
の裸身をじっくりと観察している。
蘭は膣口とクリトリスを同時に責められ、喉を絞って呻き、喘いでいた。
うねる裸身からは汗が浮き上がり、時折、大きくびくっと跳ねるように腰が浮き上
がる。

「ひぃっ……!」

蘭はガクンを大きく仰け反った。
禎一の舌が蘭の膣口の中に侵入したのだ。
思わず両手で禎一の頭を押し下げようとしたが、禎一は両手でがっしりと蘭の腰を
抱え持ち、びくともしなかった。

「ああっ! くっ! だめっ、ひっ……! いはあっ!」

蘭は何とか逃れようと腰を捩り、身を起こそうとしていたが、女の部分はそれに逆
らっている。
彼女の膣口は、犯してくる禎一の舌にいやらしく絡みついていたのだ。
尖らせた舌がすっと入ってくると、それをくわえこむようにしてキュッと吸い付い
てくるのである。
もちろん蘭がそうしようと思っているのではないだろうが、勝手に身体がそうなって
しまうといことは、それだけ彼女の肉体が性的に敏感であるという証左でもあった。

「んじゅっ……じゅるるっ……ちゅぶっ……」
「いやあ、森さんっ、そんな……そんな音させちゃいやあっ! くうああっ!」

禎一は、自分の唾液と蘭の蜜を使ってわざと淫らな水音を立てて、蘭の羞恥を煽っ
ている。
舌や唇の他に、耳からも蘭を快楽に追い込んでいった。
男の舌は、それ自体別の生物かあるかのように、蘭の媚肉とその中で淫らに蠢いて
いた。
いくら蘭自身が「いやらしい」「恥ずかしい」と思っていても、快楽は間違いなく
彼女の肉体を犯していった。
ようやく口を離した禎一が眼を細めて言った。

「蘭ちゃんのオマンコ、中が熱くてびくびくしてるよ」
「いやっ……」
「ほら、蜜もこんなに溢れて」
「だめ、いやあっ……あっ、あ……」

蘭の声が切迫してきている。
下半身が引き攣ったように痙攣までし始めた。
それでも男は愛撫の手を休めることなく、舌先を膣口に挿入し、鼻先でクリトリス
をつぶしている。

「やあっ……そ、それ、あっ……も、もうしないで、ああ、来るっ……!」
「来る? 来るって何が?」
「……」

それこそ、火が付きそうなほどに顔を真っ赤にして蘭は顔を伏せた。
蘭がいきそうになっていることは禎一にもはっきりとわかった。
これまで、過去のペッティングや愛撫では、もう少しで蘭が絶頂しそうになる機会
が何度もあった。
しかし禎一はわざと最後までせず、決して蘭をいかせることはなかった。
しまいには、蘭の方が「どうして途中でやめるの」と言わんばかりの色っぽい顔で
禎一を見ていたこともあったのだ。
そうまでして、焦らしに焦らしたのも、すべてこの日のためであった。

「……もしかして蘭ちゃん、いっちゃいそうになった?」
「……!!」
「オマンコ舐められて、気持ち良くてしようがなかったんだね」
「違い……ます……」
「そう? でも、いきそうだった。そうだよね?」
「……」
「まだ言えないか。ま、いい。蘭ちゃんもいい加減焦れったいだろう? いかせて
あげるよ」
「そんな……そんなの……」
「いいからさ」
「ああっ!」

愛撫が再開された。
寸前まで燃え立たされていた蘭の官能は、禎一の責めが始まると、その激烈なまで
の心地よさで、たちまち頂点を目指してしまう。
舌が鋭く膣内を抉り、その周辺を舐め、指がクリトリスを弾くと、蘭の全身からは
汗が飛び散り、快感に身をよじらせて喘ぎ続ける。

「くううっ……だめ、ホントにだめっ……そ、それ以上したらっ……ひいっ……!」

いつしか蘭は腰を浮き上がらせ、自分から股間を禎一の口に押しつけるようになっ
ている。
無意識の行動だが、身体はもう完全に性の虜になっていた。
禎一がクリトリスを指で軽く潰し、舌先を回転させるようにして膣内をかき回すと、
蘭は全身を波打たせて背中を浮き上がらせた。

「やはっ! ひっ、やあああああああああああっっっっ!!」

蘭はほとんど絶叫に近い悲鳴を上げて気をやらされた。
その瞬間、腰が大きく持ち上がり、禎一の顔を隠すほどになっていた。
同時に媚肉からどっとばかり愛液を噴き零し、全身を大きくぶるるっとわななかせ、
しばらく硬直してから脱力した。

「あ……ああ……」
「ふふ……。いったね、蘭ちゃん」
「あ……はあ……はあ……はあ……」

もう蘭は答える気力もない。
全身が気怠く爽快な解放感に包まれている。
身体中痺れ切ったみたいになっているのに、腿や腰はびくびくと小さく跳ねていた。
そして媚肉も、ひくひくと蠢き、まだ蜜を滴らせている。
禎一がしつこく尋ねた。

「いったんでしょ、蘭ちゃん。気をやったんだよね」
「あ……」

蘭は身の置き所がないほどの恥辱と羞恥に塗りつぶされた。
禎一に指摘された通り、絶頂していた。
しかしそれは、今まで蘭がオナニーで味わっていた軽いオルガスムスとは別物で
あった。
自分の手ですることと、男の手でされることに、これほどの差があるとは思わな
かった。
もちろん自分の口ではやりようがないのだが、指や手にしても、蘭がするのと禎一
にされるのでは雲泥の差があったのだ。
無論それは経験値の高さや技量の差違もあるのだが、蘭はそうは考えず、男にされて
ここまで感じてしまったという事実のみに打ちのめされていた。
しかも相手は恋人ではないのである。
そう思って蘭はさらに失望した。

(ああ……新一……)

新一を思うと、押しつぶされそうな背徳感に責め苛まれる。
新一に愛され、気をやったにしても、やはり恥ずかしかったろうし、生真面目な蘭は
罪悪感も持ったかも知れない。
しかし今の相手は禎一である。
いくら同情し、心を通わせていた(少なくとも蘭はそう思っていた)としても、
彼は工藤新一ではないのだ。
その相手に、性的に興奮させられ、あまつさえいかされてしまった。
そして、その絶頂した姿を余すことなく見られてしまってもいるのだ。
蘭の心理的な衝撃は大きかった。

「蘭ちゃん」
「……」
「蘭ちゃん」
「え……、あっ!?」

ぼんやりしていたところに声をかけられ、ゆるゆると禎一の方を見た蘭は、たちまち
頬を真っ赤にして顔を背けた。
いつの間にか禎一が裸になっていたのである。
下半身もトランクスを脱ぎ去っていた。
蘭は目を堅く閉じ、吐き捨てるように言った。

「やっ! な、何で脱いでるんですか!」
「何でって言われても困るな」
「こ、困るのはあたしです! は、早くパンツ履いてくださいっ!」
「終わったらね」
「お、終わったらって……あ!」

禎一は蘭に覆い被さってきた。
何をされようとしているのか、蘭にだってわかる。
ただ認めたくなかっただけだ。
禎一の顔が近づいてきても、蘭は目をつぶって顔を背けたままだった。
ただ、その首や頬は小さく震えていた。
禎一はその可愛らしい耳元にそっと囁いた。

「蘭ちゃん」
「な、何ですか……、離して下さい」
「もう君も子供じゃあない。なら、こうやって何度も男の部屋に来ているんだ、
しかも夜にね。これで何もないって方が不自然じゃないかな」
「あ、あたしはそんなつもりはありませんっ」
「ほう、つもり? どんなつもりなんだい?」
「……っ!」

どきっとして蘭は正面を向いた。
仰向けにされた全裸の蘭の上に、同じく全裸の禎一がのしかかろうとしている。
膝を蘭の両脚の真ん中に置いて閉じられないようにし、左手で蘭の右肩を押さえ、
右手は彼女の顔を持っている。
その顔に男の顔が近づいてきた。

「いや……。だめ、いけません……」
「もう、ここまで来て今さら止められないよ。ほら、俺のだって……」
「そ、そんなもの見せないで! し、しまって早くそんなものっ!」

禎一が指でつまみ、ぶらぶらとさせたそれを一瞬見てしまった蘭は、慌てて顔を
背けた。
見たのはほんの僅かな時間だったが、なぜか目に焼き付いている。

男性器を見たことがないわけではない。
保健の授業でもイラストで見たし、幼い頃には父の小五郎とも風呂に入っている
のだ。
その頃はまだ男女の性差に幼児的な興味があって、小五郎がぼやくのを尻目に、
じろじろ見た憶えもある。
ただ当然ながら、性的な知識や興味もなく、単純に「女の自分についていないもの」
が面白かっただけだ。

長じてからはそんなこともなく、ペニスなど見たことはなかった。
そう言えば、コナンのものも見たことがない気がする。
ひさしぶりというより、ほとんど初めて見せられたペニスは、怖いほどの大きさだ
った。
あんなものが自分に……と思うと身震いがする。
禎一は面白がってペニスを蘭に押しつけたりした。

「そう毛嫌いしないでよ、ほら。さっきは俺が蘭ちゃんのオマンコ見せてもらって
触らせてもらったから、お返しね」
「そ、そんなのいらないですよ! み、見たくありませんっ! あ、くっつけない
で!」
「蘭ちゃん、手を貸して」
「な、何を……あっ!」

右手を取られた蘭は、その手に熱いものが触れたのを感じ、仰天して目を開けた。
予想通り、禎一が自分のペニスを蘭の手にくっつけていたのだ。

「やめてっ! そんなのいやああっ!」
「手、開いてよ」
「いやっ! 絶対にいやですっ!」
「蘭ちゃん」
「いや!」
「蘭ちゃん」
「い……や……」

何度も呼びかけられ、禎一の目を見つめていた蘭の瞳が潤んでくる。
いけない、と思う気持ちを肉体が裏切っていた。
禎一の手が優しく手の指を開かせていっても、蘭は逆らわなかった。
細い指が拡げられ、その手のひらに熱い男根が入ってくる。

「ひゃっ!?」
「おっと、あんまり強く握らないでくれよ」
「……」

その感触に驚いた蘭は、思わず握りしめそうになってしまい、禎一を苦笑させた。
注意されて力を抜き、ゆっくりとその逸物を握っていく。

「あ……」
「どう? これが男のものさ。ペニス。おちんちん。男根。わかるよね?」
「……」
「大きいし熱いだろ」

その通りだった。
その上、硬い。
中に骨でもあるのかと思う。
形状は気色悪くて不気味なのに、なぜか蘭は「たくましい」と思っていた。
それが男性の象徴と言われているからかも知れない。

「大きくなってるのはね、蘭ちゃんの中に入りたくてしようがないからさ」
「そ、それって……」
「そう、セックス。してもいいよね」
「だ、だめ、絶対にっっ!」

そんなことは出来るわけがない。
ここまでの行為ですら背徳的で、新一に申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、その
一線まで越えてしまったら言い訳しようがないではないか。

「だめ……それだけはだめです、森さん……」
「でも俺はもう……」
「お、お願いです、考え直してください……。あたしには……あたしには新一が…
…」

他人に対してはっきりと新一を恋人だと言ったのは、これが初めてかも知れない。
実際には、双方共に打ち明けてはおらず、この状態で恋人同士というのはおこがま
しいような気もするが、少なくとも蘭は彼が思い人であることは間違いない。
禎一の動きがぴたりと止まった。

「そうだったね。でも僕にも……」
「!」

そう禎一に言われて気がついた。
禎一は、行方不明になった西園千秋の恋人だったのではないか。

「も、森さんだって西園さんが……西園さんがいるじゃありませんか! あの人が
帰ってくるのを信じているって……」
「……そうだね。もしかして蘭ちゃん、灼いてるの?」
「ち、違いますっ。あたしは……」
「わかってる、その新一くんだよね。でもさ、よく考えてよ。僕の恋人は行方不明
だ」
「……」
「そしてきみの彼氏も連絡は取れるけど全然会えない。そうだろう?」
「そうですけど……」
「……寂しいんだよ、僕。あの時も言ったけど」
「森さん……」

禎一はじっと蘭の目を見つめている。
片時も視線を外さない。
蘭の方は目を逸らそうとするのだが、まるで魔力でもあるかの如く、彼の視線から
離れることは出来なかった。

「きみも寂しいんだろ?」
「……」
「恋人の新一くんに会えなくてさ。僕も同じなんだよ」
「で、でも……だからと言って!」

叫ぶように少女は言った。

「だからと言って……、こんなこと……こんなこと、いけないことです」
「……」

口を閉ざした禎一に対し、今度は蘭が説得を始めた。

「森さんは西園さんを愛してるんでしょ!? あたしだって新一を……」
「でもさ」

禎一は一言で主導権を奪い返した。

「でも、新一くんはきみに会ってくれない」
「……」

確かにそうなのだ。
昨日も電話した。
禎一との件もあり、それを吹っ切るためにも新一に会いたかった。
彼の顔を見たかった。
蘭の口からはっきりと「会って欲しい」と言ったのだ。

にも関わらず、新一は戸惑い、言葉を濁した。
結局、会えなかったのだ。
その約束すら出来なかった。
いつもの蘭なら不満爆発で、電話口で新一を罵ったり、園子あたりに愚痴でも漏ら
したところだろうが、この時はただひたすら寂しかった。
人前では気丈さを装ってはいるものの、蘭とてまだ未熟な17歳の少女に過ぎない。
揺れ動く自分の頼りない心を励まし、支えて欲しかったのだ。

「だからさ、今だけ」
「い、今……だけ?」
「そう、今だけ。寂しい者同士、慰め合いたいんだよ」
「あ……、で、でも、こんなのは……」
「俺は千秋を愛してる。でもね、蘭ちゃんも好きなんだよ。だんだん好きになって
いった」
「森さん……」
「蘭ちゃんは? 蘭ちゃんは俺のこと、嫌いかな」
「そんなことは……ありません。ありませんけど、でも……」
「こんなことをするのはいけない、と」

蘭は小さく頷いた。

「それは蘭ちゃんがヴァージンだから? 新一くんのために処女はとっておきたい
ってことかい?」

それもある。
朧気ながら、もし自分にこういう機会が訪れたとしたら、その相手は新一だろうと
思っていた。
別に処女性云々について特に神聖視していたわけではないが、真面目な蘭にとって、
やはりこういう関係は愛し合った者同士という考えはあった。
蘭自身はまだ気づいていなかったが、この少女は取り分け貞操観念も強かったのだ。
禎一は念を押すように言った。

「俺はね、何もきみを新一くんから奪い取ろうなんて考えてないよ。千秋を捨てよう
とも思っていない」

禎一は平然とウソをついた。
蘭は、そんな男の虚言を見破るほどの人生経験は積んでいない。

「それならなぜこんな……」
「さっきも言ったけど、お互い相手が遠くにいて寂しい者同士じゃないか。慰め合う
んだよ、身体で」
「でも、そんなこと……」
「新一くんが帰ってきたら、蘭ちゃんにはもう手は出さない。俺の方も、千秋が戻っ
てくれば元の鞘に収まるよ。だから、それまでは……」
「そ、それまでは……」
「こうやってふたりの寂しい心を癒し合うってこと。それでいいんじゃない?」

そうは言われても、まだ蘭には踏ん切りがつかない。
そもそもそういう問題ではない気がする。

「そ、それでもやっぱりだめです……。だって、あたし初めてだし……」
「だから? やっぱり処女は大好きな新一くんに取っておきたいのかな」
「……」

これも蘭は小さく頷いた。
禎一は内心舌打ちする。
これだけの美少女の処女がいただけるのは幸運だと思っていたのだが、やはり簡単に
はいかない。
彼の経験上、処女でもここまで粘られたのは初めてである。

禎一の口八丁手八丁の前には、どんな聖少女であっても──中学生でさえ──、最終
的にはその身体を開いた。
苦労した娘もいたが、ここまで時間を掛け、手こずったのは例がない。
こんなことなら、蘭が非処女だったらもっと楽だったかも知れない。
蘭ほどの美人なら、それが処女であろうとどうだろうと(あまりにヤリマンでは興
ざめだが)、抱けるだけでもラッキーというものではないか。

しかし、それを今言っても始まらぬ。
禎一は、ともすれば込み上げてくる獣欲を顔に出さぬように押さえつけ、表情にはあく
まで微笑を浮かべて、お堅い少女を口説き続ける。

「そうか……。蘭ちゃんの新一くんへの想いは本物なんだ」
「……」
「でも、そんな蘭ちゃんの想いに彼は応えてくれてない」
「それは……」
「蘭ちゃんがこんなに会いたがっているのに、彼は来てくれない。どんな事情がある
にせよ、それはちょっとひどいと俺は思う」

これは蘭も首肯せざるを得ない。
こういう事態に陥ったからこそ、余計にそう感じてしまう。

「だから、これは罰なんだよ」
「罰……?」
「そう、罰。彼だってきっと蘭ちゃんのことは好きなんだと思うよ。でも、彼は蘭
ちゃんの想いをよくわかってくれてない。だからそのことに対する罰だよ」
「罰……」
「彼が蘭ちゃんに素直に会ってくれていれば、きみと俺はこうなっていない。そう
だろ?」

それはそうだろう。

「……」
「だからそのことを彼に判らせるためにも、ね。大事な恋人を放っておくとこうなっ
ちゃうんだよって、少しは理解させないと」
「あ……、でも、それとこれとは……」
「関係ない? そうかも知れない。でも、これは俺と蘭ちゃんが癒し合うことにも
なるんだ。新一くんには罰になる。それでいいんじゃない?」
「……」

蘭とて、新一がまったく会ってくれないことには大きな不満を持っている。
電話すら通じないことだってあるのだ。
だからこそ園子たちの前で「新一をボコってやる!」などと口にするわけだ。
実際に会えばそんなことは出来ないのだろうが、そういう気持ちがあることは事実だ。

すると、禎一の言うように、こうした行為もその一環なんだろうか。
確かに、蘭が新一の居ぬ間に他の男と関係するようなことがあれば、新一は少なか
らずショックを受けるだろう。
そのことによって彼が考え方を改め、もっと蘭を大事にするようになるのかも知れ
ない。

「だから、ね? ね? いいよね?」
「あたしは……、あっ!」

禎一は蘭の官能的な太腿をそれぞれ両腕で抱え持ち、大きく股間を割り開いた。
その中心部は、先ほどの名残でねっとりとした体液で濡れそぼっている。
それを見ながら、禎一は自分の肉棒を掴んだ。
蘭の表情が赤く染まり、その一瞬後血の気が引いていく。
敏感にそれを察した禎一が聞く。

「……怖い?」
「……」

コクンと蘭の首が小さく縦に動いた。
両手は顔を覆っている。
よく見れば少し震えているのだ。
その初々しい愛らしさに、禎一ですら思わず抱きしめてやりたくなる。
しかし蘭が顔を両手で覆っているということは、もう彼女は覚悟が出来ているという
ことだろう。
暴れたり、その腕を使って禎一に抵抗したりしないのである。
ただ怖い、恥ずかしい、どうしよう、という気持ちがその仕草に現れていた。

「あ!」

おののく美少女の美しいヌードを目の前にして、禎一のペニスはびくびくと脈打ち、
その欲望を隠そうともしない。
その先端が、蘭の媚肉にゆっくりとあてがわれると、さすがに少女は悲鳴を上げた。

「大丈夫」
「あ……、も、森さん」
「なに?」
「や、やっぱりいやです……。やめましょう、こんなの……」
「今さら何を言うんだい。蘭ちゃんだって覚悟が決まったんじゃないの?」
「ああ……、で、でも……」

顔を隠していた両手がそろそろと外れ、今にも泣きそうな美貌が露わとなった。
涙で潤んだ黒いつぶらな瞳が訴えかけている。

「お願い……」
「……」

もうここまで来たら言葉ではなく、行為で判らせるべきだ。
そう判断した禎一は、蘭の哀願には応えず、そのまま続けていく。
恐怖に震える少女の瓜実顔を見ながら、禎一は肉棒を蘭のそこにあてがったまま、
すっ、すっと割れ目の間を何度が上下させた。
音こそしないが、そこは愛液にまみれており、たちまちペニスは蘭の匂いで染まっ
ていく。
数度上下に擦っていくと、処女の媚肉は少しずつ花開き、割れ目の間には小さく
膣口が見えてきた。

「あ、あ……、熱いです……」
「熱い? 俺のペニスが?」
「は、はい……」
「熱いだけ? 硬いし、大きいだろう?」
「……。何だか、あたしの身体も熱い……」
「受け入れ体制が整いつつあるってことだよ。もう大丈夫だね、事前に充分にほぐ
してあげたし」
「あ、お願いです……や、優しくしてください……あたし……」
「わかってる。初めてなんだからね、なるべく痛くならないようにするよ」

その言葉で安心したわけではなかろうが、蘭の表情から僅かに緊張の色が消えた。
処女を奪われるという精神的ショックの他にも、相当な激痛があるという肉体的な
ダメージも大きいのだ。
蘭も、知識の上では女が処女を失う時には、かなりの苦痛を伴うということは知っ
ている。
又聞きではあるが、経験したという友人の話も聞いた。
だが自分の身体で味わったことはなくイメージだけが膨らんでいき、結果として
恐怖が増大していくのだ。

禎一の言葉に優しさが含まれていたこともあって(それが偽りであることすら気づく
余裕はなかった)、蘭はごく小さくコクンと頷いた。
それでもまだ身体が堅い。
緊張しているのだ。
禎一は、腿を抱えていた手を離し、羞恥と戸惑いで薄赤く染まった頬をそっと撫でて
やる。

「森さん……」

それでまた少し安堵感が増したようだ。
蘭の裸身から、また少し力が抜ける。
続けて禎一の手が、首を這い、たぷっとした胸や滑らかな腹部の肌を撫で続けていた。
もちろんその間も、右手で持ったペニスを使い、蘭の秘所を軽くマッサージしてほぐ
していった。

「いいかな?」
「……」

返事も出来ぬ蘭を見つつ、禎一はペニスの先をぐぐっと少女の性器に押しつけた。

「あ!」

いよいよ来る。
そう思った蘭は、反射的に身を固くした。
どうしても、予想される激痛と処女喪失という恐怖に強張ってしまうのだ。

「身体が堅いよ、力を抜くんだ。じゃないとかえって痛いよ」
「は、はい」

まるで恋人に返事するように蘭は言った。
言われた通り、力みを取ろうと思うのだが、理屈ではわかっていても心ではそうは
いかない。
それでも、ふっと身体が緩むこともある。
緊張を長時間持続させていくのは無理なのである。
その瞬間を禎一は敏感に感じ取り、蘭の裸身からすっと力が抜けた時に合わせ、
ほんのちょっと腰を沈めた。

「っ……!」

痛いのか驚いたのか、蘭は目を堅くつむったまま、ぎゅっと拳を握った。
それでもまだ足りないのか、敷かれている座布団の端をきつく握りしめた。

「ふっ……くっ……」

苛つくほどに少しずつ禎一は腰を進めていった。
自分がこんなに我慢強いとは思わなかった。
それだけ、この少女をものにすることに執着していたのだろう。
まだ力んでいるのか、蘭の中はことさら狭かった。
もっと力を抜けと言いたかったが、これ以上は無理なのだろう。
あまり無茶な要求をしては、蘭はめげてしまうかも知れない。
無理は禁物だった。
案の定、蘭は涙目になりながらつぶやくように言った。

「あ……森、さんっ……」
「ん?」
「やっぱり……やっぱりやめましょう、こんな……あっ……」
「……」
「お願い……」
「もう遅いよ。ほら、俺のものが蘭ちゃんの中に」
「あ……」

禎一は慎重に肉棒をねじ込んでいく。
太い亀頭が、蘭の割れ目を押し広げて押し入っていく様子が生々しい。

「あ、あ……」

やはり痛いようだ。
蘭の肢体にまた力が入る。
硬直させた裸身がぶるぶると痙攣していた。
苦痛もあるが、身体の中に太いものが入ってくる圧迫感に呻いている。
禎一はこのまま一気に刺し貫きたい欲求に駆られたが、それを何とか抑えてゆっくり
と挿入していった。

「もう少しだ。力を抜いて」
「ああ……ま、まだなんですか……」
「あとちょっとだよ。それできみは……」
「ああっ……!」

貫かれる恐怖に脅え、蘭は座布団を握っていた手を離し、禎一の胸を押し返そうと
していた。
片手は禎一の腕に爪を立てている。男は、ごり押しはやめて絡めてから責めていく。

「んっ……」

突然に禎一の顔が近づき、蘭の唇を奪った。
蘭は少し驚いたがもはや抵抗はせず、逆に自らの彼の唇を求めていった。
舌が侵入してくると、蘭の方から積極的に舌を絡めていく。
技巧的には幼いものだったが、必死さは感じられた。
禎一が蘭の舌を優しく迎え入れ、舌を絡めていくと、キスに神経が集中するのか、
身体の堅さが僅かにほぐれてくる。
禎一は蘭にキスしたまま、また少し腰を進めた。

「んむ! んっ……んう……」

ペニスがずずっと進むたびに、蘭は顔を歪めて苦悶し、苦鳴を禎一の口の中に放って
いた。

「あう!」

蘭はその苦痛に、禎一の唇を振りほどくように首を激しく振った。
そして上半身をずり上げるようにして、禎一の身体の下から逃れようとしている。
禎一は蘭の腋から腕をその背中に回し、上から肩をしっかりと押さえ、抱きかかえ
ていた。
固く抱きしめたまま、なおもグッ、グッと膣に押し込むように肉棒を埋め込んでいく。

と、亀頭の先に抵抗感がある。処女膜のようだった。
とはいえ、実際には膜といえるようなものはないらしいが、それでも明らかに何か
がペニスを侵入を阻むようにしている。
その心地よい抵抗感を味わいつつ、禎一はずぶっと蘭の膣を貫いた。

「……っ! く……」

(ああ……、とうとう……とうとう、あたし……新一、あたし、どうすれば……
ごめんなさい……)

見下ろす禎一の目に、苦痛を堪える蘭の美貌が映り込んでくる。
その苦悶する少女の表情の、何と美しいことか。
これが処女を失う時の顔なのか。
処女を奪った女は数あれど、こんなにじっくりとその表情を観察したことはなかった。
毛利蘭は攻略に苦労しただけにその感慨も大きく、余計にそう感じられたのかも知れ
なかった。

ペニスが蘭の媚肉を刺し貫いていく。
半ばほども潜り込むと、ぬるりとしたものがペニスに絡み、そしてそのまま膣外に
零れた。
禎一が見てみると、やはり鮮血のようだった。
量はさほど多くはないが、なるほどこれでは痛いのも当然だろう。
それでも蘭に対して憐れみなど感じるはずもなく、処女膜を完全に引き裂き、根元
までペニスを沈め込んだ。
閉じた蘭の目尻から、つうっと一筋きれいな涙が零れ、頬を伝っていく。

「……蘭ちゃん、わかるかい? これできみも一人前の女になったんだよ」
「ああ……、あたしは……」
「ああ、処女じゃなくなったのさ。嬉しいかい? それともまだ後悔してる?」
「……」

後悔しているに決まっているが、蘭はそれどころではない。
まだ禎一が挿入したまま動かないから少しはマシだが、破瓜の傷口に太くて熱い
ものがあたっている状態なのだ。

「あ、あ……いっ……たいっ……抜いて……森さん、抜いて……」
「何を言うんだ。まだ始まったばかりだよ」
「痛い……痛いんです、あっ……抜いて、早く……すぐ抜いて……ああ……」

よほど痛いのか、蘭の顔は苦悶し、しなやかだった肢体が強張っている。
禎一の位置からは見えなかったが、脚もピンと伸び、指が内側に屈まっていた。
両手はそれぞれ禎一の左右の腕を強く掴み、爪を立てている。
切り揃えられた蘭の爪が皮膚に食い込むが、禎一はゆっくりと動き始めた。
動作は遅かったが、突然に動き始めた肉の凶器に、蘭の激痛が増大する。
ぐっと顔を仰け反らせて、呼吸困難のように口をパクパクさせて呻いている。

「い……やあ……あうっ……う、動かないでください、痛いっ……ひっ……あああ、
やめてぇ……」
「落ち着いて蘭ちゃん。動かなきゃセックスじゃないんだよ。痛いだろうがもう
少し我慢して。すぐ慣れてくるよ」

禎一はいい加減なことを言ったが、後にその言葉が正しかったことを知り、禎一
自身が驚くこととなった。
蘭の中をたくましい男根が律動している。
ずるずると膣内を抉り、襞を削っていく。
そのたびに処女を失った傷口がびりびりと痛みを呼び起こし、出血を引き起こし、
蘭の頭にまで響いてくる。

「う……ごかないで、お願いっ……痛いっ……痛いんです……あっ、ゆ、ゆっくり
して……ああっ……!」
「……」
あまりに辛そうなので、禎一も少し動きを止めた。
すると蘭はホッとしたように胸を上下させて荒く呼吸をしている。
禎一のペニスは人並み以上ではあるが、巨根というほどではない。
それでもかなりきつく感じている。
それだけの蘭のものの締まりが素晴らしいということだろう。
もちろん、初めてのセックスによる緊張と、初めてペニスを迎え入れた膣道が狭す
ぎるということもある。

「まだ痛いかな」
「痛い……です……あっ……裂ける、裂けてるっ……!」
「さっきも言ったけど、力を抜くんだ。緊張してるから蘭ちゃんのオマンコまで締ま
ってくるんだから」
「そんなこと……あっ……」
「落ち着いて。深呼吸してみて」
「は、はい……」

蘭は素直に言われた通りにした。
胸を大きく反らせながら息を吸い、大きく吐く。
かと思うと、胸はさほど隆起せず、お腹が小さく膨らんでまた萎むこともあった。
肺呼吸と腹式呼吸がごっちゃになっているらしい。
その間はさすがに禎一も動かなかったが、深呼吸するたびに蘭の身体の方がわずか
に動く。
それだけでも擦れて痛みはあるはずだが、そのお陰で強烈な異物感と苦痛にもほん
の少し馴らされたようだ。
しかし、また禎一が腰を動かし始めると、途端に苦鳴を上げてくる。

「う、動いちゃ……ああっ……いっ、たいっ……さ、裂ける……裂けちゃいますっ
……!」

蘭はそう言って懇願したが、禎一は無視して腰を振った。
ガスガスと思い切り突くようなことはなかったが、動き自体は止めなかった。
「裂ける」というのは本当で、実際に膣内が裂けているのだ。
だからこそ出血しているのである。
それをしなかったらセックスにならない。

だから禎一は根気よく動き続け、蘭があまりに辛そうであれば、そのたびにキス
したり、胸を軽く愛撫したりして気を紛らわそうとした。
そうこうしているうちに、蘭の媚肉は微妙に変化してきていた。
時間にして20分も経ったあたりだろうか。
ペニスを締め付ける膣内の圧迫感は相変わらずだったが、それも拒否反応から来て
いるものよりも、迎え入れようとしている煽動に変化してきている気がする。
ようやく肉体がこの状況──性交に馴れてきているのだ。
ペニスの律動も徐々にスムーズとなっているのは、処女血のせいもあるだろうが、
ぬめった分泌液が出ているからに違いない。
根元まで突くと、にちゃっと粘った水音がするようになっていた。
ここで焦ることはない。
蘭の身体が男を受け入れだしたのを確認すると、禎一は振動で揺れる乳房に吸い付
いていく。

「あうっ……!」

下半身の疼痛に対し、乳房への甘美な快感は刺激的だった。
乳首を吸われた蘭は、一瞬痛みを忘れ、喉を反らせた。
禎一は舌をうねらせ、こりこりになった乳首に絡めるようにして、思い切り吸い
上げる。

「うんっ! あ、す、吸っちゃだめ……ああっ……」
「どうして? 気持ち良いんでしょう、おっぱい吸われると」
「やっ……、そんな……」

まだ快楽を得ていることに罪悪感を拭いきれない蘭をからかいつつ、禎一は乳首や
乳房、鎖骨付近に唇と舌を這わせていく。
蘭の意識が胸や首に行っている間にも、短く小さな律動は続いている。

「あっ……んくっ……んんっ……はっ……はう……あっ……んあっ……」

上半身への優しい愛撫が効いているのか、少しずつ膣の痛みが気にならなくなって
きているようだ。
その証拠に、強張っていた蘭の肢体から硬直が解けていっている。
相変わらず乳房や乳首への責めも続いているが、その刺激に対して素直に快感を
表すようにもなっていた。

「あ、あはっ……うんっ……ち、乳首、あっ……くっ……」

蘭の様子を見ながら、禎一は徐々にピストンのストロークを大きくしていく。
速度はゆっくりのままだ。
長く素早い動きは論外だが、短くても速い運動もまだ苦痛だろう。
ここは、馴らすようにゆっくりと、しかし大きく動いてみるのが得策だ。

「あ、あ……痛っ……あああ……いっ……あう……はあっ……はっ……」

まだ声に苦痛を訴えるものと、快感に戸惑うものが入り交じっている。
それでも、痛み一点張りだったのに比べれば大きな進歩である。
どうもこの少女は、身体の適応性も優れているようだ。

女によっては、ロスト・ヴァージンの際は最初から最後まで激痛を訴え「ひぃひぃ」
苦鳴を上げるだけのタイプも多い。
それどころか、何年もかかってやっと馴れるという女もいるのだ。
それに比べて蘭の場合、どうすれば痛みが和らぐのかということを身体がマスター
するのが早いようだ。
蘭の少女らしく張り詰めた若い肌はかなり敏感で、感じやすいと判断出来る。

そんな蘭の官能をほじくり出そうと、禎一は丁寧に犯していった。
蘭の顔が苦痛に歪めば腰の動きを自重し、乳房への愛撫、キスに集中させる。
そして快楽に染まっていきそうになれば、今度は腰を動かして膣への刺激に馴らさせ
ていく。
そうすることで、次第に蘭の美貌からは苦悶の色は消えていき、それに伴って禎一の
律動も大胆になっていった。

「どうだい? もうあまり痛くなくなったろう」
「わ、かりません、あっ……で、でも……うんっ……」

確かに飛び上がるような激痛はなくなったような気がしていた。
まだ膣内を抉られると、剥き出しになった神経を擦られるような痛みはあるが、我慢
して出来ないほどのものではなかった。
それどころか、ペニスが挿入されてきても、膣内への当たり所によっては、明らかに
痛みとは異なる感覚──快感が湧いていた。

「あっ、はあっ……んっ……んんっ……あ、あは……ふあっ……ああっ……」

肉棒の抜き差しもだいぶスムーズになっている。
ちらりと見てみると、媚肉周辺にはまだ出血の痕跡が残っているものの、そこから
零れてくるのは、もう愛液ばかりになっている。
禎一も、カリがようやく膣内に引っかかるところまで引き抜き、また一気にずぶっと
根元まで突っ込むようにピストンしていく。
もう大きなグラインドにも、痛みを訴える声はない。

「あ、あう……んむっ……うんっ……んあっ……はっ……あはっ……あっ……」
「だんだんと好い声になってきたね。もう気持ち良くなってきたのかな」
「やっ、そんな……あ、あう……あっ……んっ……んんっ……んむっ……」

喘いでいると指摘され、蘭は顔を赤らめて羞恥を示した。
身体の方は、勝手に反応してきている。
突っ込まれるペニスを襞が覆って、締め付けてくるようになっていたのだ。
これは異物を追い出そうとしていた当初の締め付けとはまるで異なる。
驚くほどの学習能力だ。
最初のセックスから、ここまでの動きを見せる膣は珍しいだろう。
禎一が慎重かつ丁寧に犯したこともあり、行為を続けることによって、蘭の肉体は
男というもの、男根というものがどういうものなのか理解してきている。
同時に、この行為をどう受け止めれば苦痛がなくなるのか、そしてより大きく深い
快楽を得られるのかを自分なりに消化し、実践してきているのである。

(こいつは……、俺の相手にした女の中でも最高の部類じゃないかな……。いや、
うちの組織の女の中では間違いなくトップクラスだ。処女でこうなら、こなれて
いったらどこまで伸びるのか……)

禎一は蘭の感受性に舌を巻きながら、その肉体を味わっていた。
蘭の持ち物の締め付けの良さもさることながら、その鋭敏な性感、ルックス、スタ
イルの良さ、肌触りの素晴らしさ、そして何より、片思いの男がいる美少女をとう
とうものにした、という征服感もあり、禎一の方ももう保たなくなっている。
こんなことは彼にしては珍しいのだが、相手がこの少女では無理もないのかも知れ
ない。
蘭の膣を突き上げるたびに、禎一の肉棒にもたまらない快感が襲ってくる。
腰の裏が熱い。
射精欲がむらむらと高まってきた。

「くっ……だ、だめだ、俺がいきそうだ……!」
「え、あ、それって……」
「蘭ちゃんは気にしないでいい。ほら、セックスに集中して」
「で、でも、あうっ……!」

男が「もういきそうだ」というのは射精のことではあるまいか。
まさかこの男、自分の処女を奪っただけでなく、膣内に射精するつもりなのだろうか。
蘭はそう思って動揺したのだが、すぐにまたとろけるような快楽に浸っていく。
禎一がまた乳首を吸ってきたのだ。
蘭自身、乳房が感じやすく、特に乳首は自分でいじってもびっくりするくらい強い
快感があることはわかっていた。
しかし、そこを吸われることがここまで気持ち良いとは思わなかった。
自分では吸いようもないのだから、それまで性体験のなかった蘭が、それを知らなか
ったのも無理はない。
禎一は、ちゅるんと乳首を吸い上げ、そのグミのような硬さの乳首をちろちろと舌先
で舐め、ちゅぽっと唇を離す。

「あう!」

よほど感じるのか、蘭は鋭く喘いで背中を反らせた。
もう片方の乳首にも吸い付いた禎一は、ちゅうちゅうと音をさせている。
わざといやらしい音をさせることにより、蘭を耳からも刺激しているのだ。
ちゅるるっと思い切り吸い上げてから、またちゅぽんと離した。

「くうっ!」

唇から離された乳首はぶるるんと震え、乳房全体もぶるっと揺れて波打っていた。
禎一は乳房をやわやわと揉みながら、蘭の耳元に言った。

「いいよね、蘭ちゃん。出しても」
「だ、だめっ……そんなの絶対にだめですっ……!」
「そうかな。でも、今、俺が出すよって言ったら、蘭ちゃんのオマンコが急に締ま
ってきたよ」
「そ、そんなことありませんっ! いやらしいこと言わないで!」

そうなったのは確かだったが、それは禎一の言葉に驚いたからだと蘭は思っている。
酷いことをされると宣言され、身体が脅えて強張っただけだ。
だが蘭の媚肉は、射精されると言われた途端に、中が一層に熱くなり、うねるように
襞が蠢き、ペニスを締め付けている。
どう見ても、膣の方が射精を促しているとしか思えなかった。
そもそも性交は、オスの精子をメスの卵子が受精するためのものだ。
初めてのセックスということもあり、蘭の女体は素直にその本能が現れているらしい。

「ああ、いや……森さん、それだけは、あう……それだけは許して……お願いです…
…あああ……」

盛んに律動する肉棒を、蘭の媚肉はもう自然に受け入れている。
柔らかな媚肉の奥は硬い肉棒にかき回され、内部の蜜を掻き出されていた。
まだ続く乳房への愛撫と、ようやく感じ始めた膣内の快感、そして中出しされるかも
知れないという背徳感と恐怖が混じり合い、蘭は官能と困惑の渦に飲み込まれていった。

「あ、あああ、いや……お願い、中は……中だけはしないで……森さんっ……だめ…
…あ、あは……あううっ……」

喘ぎながら哀願する美少女の表情に、禎一の情欲は高まる一方だ。
狭い膣を拡げ、圧力の強い膣襞を押しのけながら、禎一のペニスは蘭の奥へと深々と
刺さっている。
締め付けがきつくなるごとに、それに比例して肉棒の方もますます硬くなっていく。

「くっ……」

禎一の背筋に震えが走った。
蘭の甘美極まりない膣締め付けで、射精欲がどうにも堪えきれなくなってきている。

「あ、あっ……ああっ……やっ……ああ……」
「っ……、出す……出すよ」
「だめっ……中、だめっ……ああっ!」

蘭は激しく首を振って拒絶したが、その媚肉は相変わらず禎一のペニスを逃がさぬ
よう締め付けてくる。
禎一は胸への愛撫を中止し、ピストンに集中していった。
蘭の健康的な太腿を両脇に抱えると、ずんずんと大きく腰を打ち込んでいく。

「やっ、は、激しいっ……だめ、こんなの、あっ……ああっ……」
「もう……すぐだ……出るぞ!」
「いやあっ!」

ストロークは短くなったが速度が速まった。
その変化が、射精が近いのだと蘭にもわかるらしく、蘭は抱え込まれた脚をばたつか
せて抵抗した。
釣り上げられた鮎のように暴れる少女を禎一は難なく押さえ込み、その腰の奥にペニス
を突き込んでいく。
膣の中で肉棒がぐぐっと反り返ったような感じがあった。
それが蘭にもわかったのか、少女は青ざめて叫んだ。

「だ、だめっ、中は……中はあっ……!」
「もう遅いよっ……蘭ちゃん、中に出るっ!」
「い、いやいやいやああああっっっ!」

四度ほど思い切り深くまで貫いてやった。
五度目の挿入時、蘭の膣が思い切り締まってきた。
膣道がサオを、膣口が根元を絞るように締め付ける。
込み上げる射精感で膨れあがったペニスはひとたまりもなく、そこで一気に暴発した。

「くおっ……!」
「ひっ……!?」

どっぴゅ、どびゅびゅっ。
びゅるるっ、びゅく、びゅくくっ。

蘭は絶叫した。

「いっ、いやああああああっ、中に出てるっ……やあああっ、熱いのが、ひっ、やめて
出さないで、抜いてぇぇっっ!」

まだこんな力が残っていたのかと思うほどに、蘭は禎一の下で暴れた。
その裸身をがっしりと抱え込み、禎一は密着させるほどに腰を押しつけて射精して
いる。

びゅるるっ、びゅっ。
どくっ、どくっ。
びゅびゅうっ。

「あ……あ……。ひ、ひどい……本当に出すなんて……あ……、まだ出てる……
いやあ……」

しばらくはしたばたと身を捩っていた蘭だったが、射精が終わる頃には、もう諦めた
かのようにぐったりと放心状態になっていた。
目は開いているが虚ろで、表情がない。
禎一はそんな蘭の頬を抑え、自分の方に顔を向けさせた。まだペニスは挿入した
ままだ。
精液を絞るように締め付けてくる蘭の収縮性を愉しんでいる。

「初めてのセックスと初めての中出しはどうだったかな、蘭ちゃん」
「ああ、こんな……。ひどい、ひどすぎます……」
「これできみも子供から女になったんだ。ふふ、俺の女にね」
「違います……。あたしは……んむうっ!」

否定しようとした蘭の唇を禎一の唇が塞いだ。
もう蘭は抵抗する気力もなく、男の舌の侵入を許し、咥内を蹂躙するに任せていた。
禎一の手が、また胸を愛撫してくる。
同時に、膣に入ったままのペニスにも芯が入り始めている。
蘭はまだこの時、このまま二回目の行為に突入するとは思っていなかった。



      戻る   作品トップへ  第二話へ  第四話へ