「よう」

「Zoom」の支配人室に中年男が訪ねてきた。
入ってきた男を見ると、妙齢の支配人秘書はやや不快感を示す表情を浮かべて立ち上がり、一礼して席を立った。
部屋を出る時には、もう冷たい「秘書顔」になっていた。
荒戸は、そんな秘書の豊かなヒップを見送りながら、ゆっくりと阿武のデスクに寄ってきた。

「……座れ」

それまで書類に目を落としていた支配人の阿武信輔は、レカロのシートに深々と座り直した。
ずかずかと歩いてきた荒戸は、薦められるままにデスク前の椅子に腰を下ろした。
いきなり用件を切り出す。

「どうだ? あれから良さそうな出物はあるかい?」

荒戸はそう言って、長髪を掻き上げた。
肩まであるストレートの髪とひげ面が印象的な中年男である。
やや小太りで身長は170センチくらいだろうか。
年齢は、どう見ても40歳を越えている。
着ているものにも無頓着なようで、ラコステのポロシャツの上にそこらへんの紳士服センターで買ったような安物のジャケットを引っかけただけである。
ファッションだけでなく万事無頓着なのか、年下らしい阿武にタメ口を利かれてもまるで気にしていないようだ。

一方の支配人──阿武は、荒戸よりは若い。
まだ30代だろう。
こちらは180センチくらいはありそうで細面、マルコポーロの縁なし眼鏡をかけた白皙なイメージだ。
ファッションビルのオーナーだけあって、ポールスミスのネイビージャケットをぴしっと着こなしていた。
阿武は腹の上で手を組んで言った。

「ない。あれっきりだ」
「そうか。こんな大げさなもんを作ったわりには案外ひっかからんものだな」
「そうでもないさ。こないだの……毛利蘭か、あれが特別良かっただけだよ」
「かもな。俺たちの評価基準が高すぎるか」
「それもある。それにな荒戸さん、これはあくまで副業だ。いや、副業にもなってないな、俺たちの趣味みたいなもんだ。それにかまけて本業を疎かには出来んよ」
「まあな。でも趣味と実益を兼ねてると思うぜ。上納金だって、ちゃんと送ってるんだろ、組織に」
「おい、組織のことはここで口にするな」

阿武が鋭い声で注意した。
ふたりとも「黒の組織」構成員である。
幹部クラスではないものの、それなりの実績を上げており、日本に於いてほぼフリーハンドの裁量権が与えられている。

彼らに与えられている任務は「人間のコントロール」である。
意志を無視してヒトを自在に操るための方法の考案だ。
黒の組織は、その目的のためにはあらゆる犯罪行為を是としているが、当然リスクも伴う。
殺しがもっとも初歩的で楽ではあるが、反面、発覚する可能性も高い。
組織内には殺人を無粋として、生かしたままコントロール出来ないかという意見が強かった。
それはもっともで、それが可能であれば、敵対する組織からの内部情報や攪乱など、やり放題であろう。

手法は種類が考えられた。
ひとつは薬物である。
アフリカの支部では、大真面目にゾンビパウダーの研究が続けられているくらいだ。
荒戸は化学者であり、この薬物開発の中心的人物だった。
研究がある程度進めば当然実験も必要となる。
もちろん人体実験である。
阿武が声を潜めていった。

「おまえがやったこないだの実験……ミャンマーだったか。ブルガダ症候群の原因はあれじゃないかって話があるそうだぞ」
「バカ言え」

荒戸は言下に否定した。

「そんなわけあるか。あれは確か1992年に報告されてるんだぞ。俺がやったのは3年前だよ」
「でもミャンマーで症例が多いそうじゃないか」
「ヨーロッパでも出てるよ。とにかく俺じゃない」

荒戸はそう言って不愉快そうな顔をした。
彼の作った試薬をミャンマーで実験したのだが、これが見事に失敗している。
神経系を支配して、奴隷のような人間を作り出すのが目的だったのだが、それはある程度成功した。
しかしとんでもない副作用が出て、この薬の開発は断念した。
急激な心室細動を引き起こし、重篤な不整脈になる確率が高かったのだ。
これがブルガダ症候群という突然死病に症状が酷似していた。
この症状を呈してしまうと、もはや投薬治療ではどうにもならず死亡してしまう。
助かっても、重度の心疾患を抱えたまま一生過ごさねばならないのだ。

まずかったのは、荒戸はこの新薬に細菌を使ったため、感染者が出てしまったことである。
大抵は投与した患者の中で、発病する前に細菌が死滅してしまうのだが、ごく希に強い感染力を持つものがいて、これが家族や看護者に移る場合が
あったのである。

「やっぱり薬なんぞダメさ。その点、俺の……」
「催眠術か? 俺に言わせりゃそっちの方がよほど胡散臭いぜ」

荒戸が鼻でせせら笑った。
阿武は催眠術のエキスパートである。
催眠術はオカルトではなく技術だと思っていた。
実際、効果はあるのだ。

ただし、どんな人間にもかかる代物ではなかったし、催眠状態に落としたとしても完全にその人物をコントロールすることは不可能だった。
例えば「自殺しろ」とか「犯罪を犯せ」などという命令には従ってくれない。
催眠状態になっていても意識は完全に眠ってしまっているわけではなく、ちゃんと覚醒しているのである。
ただ、自分の考えよりも術者の言っていることに「従ってしまう」だけだ。

だから、自分に対して不利益になるような命令……「死ね」とか「あいつを殺せ」とか、そういう指示には従わないのだ。
万引きしろとか、場合によっては人殺しの命令にも従うケースはあるが、それでも自殺だの自傷行為に関しては拒否するのが普通であった。
そうした本能的な部分でも従わせるのが阿武の理想だった。
阿武は荒戸にけなされても特に怒ることはなく、うっすらと笑って答えた。

「まあ、おまえにはそう思えるだろうな。俺にはおまえの研究なんぞ無駄遣いにしか見えんが、おまえには俺のやってることが無益に思えるんだろう。
ま、そんなことを言い合っていても仕方ない。餅は餅屋だ。余計な口出しは無用さ」
「そうだな。でもな、資金は必要だぜ」

ふたりは組織からのカネだけでは足りず、副業で稼いだ資金を任務に投入していた。
それが組織にとって好ましいことではないだろうというのはわかるから、何をやっているかという報告は適当に誤魔化した上で、文句を言われない
ように上納金を納めているのである。
残りを研究に使っていた。
そして、良さそうな人間がいれば実験体としても使えるからだ。

副業とは、もちろんこのビルの運営である。
ここから上がる収益が中心だ。
しかしそれ以外に、「B.O」というメーカーを興して、裏ビデオ制作も行なっていたのである。
ふたりにとっては趣味感覚、手慰み程度にしか思っていなかったが、これが当たった。
潰れたAVメーカーやあぶれている映画人を引っ張り込んで、かなり本格的に撮影した。
使うモデルも彼らの目に適った極上品ばかりだったから、それも当然だろう。

しかし、細々と始めたはずだったのに、あまりの出来の良さに評判が評判を呼び、マニア間では名の知れたメーカーになってしまったのである。
これは予想外だった。
作ったDVDはあっと言う間に捌けてしまうほどに売れ、彼らに大きな利益をもたらしたのである。
これに味を占めて、ふたりはビデオ制作にも熱中していった。

獲物は阿武のファッションビルに来た客である。
店内の各ポイントに設置された防犯ビデオから「これは」という女に目星をつけ、試着室で確認してから、「いける」となれば、系列ホテルのシャム
ロックへ誘導し、そこで撮影に持ち込むのだ。
女には、荒戸の開発した幻覚剤と阿武の催眠術を施し、せん妄状態にして犯し、ビデオに撮ってそれを売り捌くのである。
蘭はそれに引っかかったのだ。

「ビデオの売り上げはいいんだろ?」
「まあな。だが、あんまり派手には出来ないぜ。どうも、薄々組織の方も感づいてるようだからな」
「構うことはねえさ。カネは納めてるんだし、研究資金の不足分を自分で稼いでるんだからな。組織としたって、褒めこそすれ批判は出来ないさ」

頬髭を掻きながら、荒戸はそう言って笑った。
阿武は長いリトルシガーを口にくわえ、ライターで火を着けてから言った。

「だがな、粗製濫造して荒稼ぎするつもりはないぜ。その気になるような女が出なければ休業だ」
「それなんだよな。なかなかいないもんなんだな」

苦虫を噛み潰したような顔の荒戸に阿武が言う。

「だからこそ、今はあの女……毛利蘭に集中すればいい。あの作品は飛び抜けて評判がいいからな」
「だろうな。俺たちもびっくりするような感度の良さだ。どこまで成長するのか、空恐ろしいくらいだぜ。無論、顔は可愛らしいし、身体も抜群だしな」
「ああ、だからしばらくは蘭だけでいいさ。月に一本ずつ作っても、それが全部捌ければ売り上げは2000万にはなるからな」
「ああ、それなんだけどよ。あれ……、ネットのオークションで出てることがあるぞ、たまに」
「……らしいな」
「売れるのはいいんだが、あまりに客層が広がるとまずいぜ」
「わかってる。オークションに出てるやつのほとんどはパッケージだけ似せた偽造品だ。だが、希に本物が混じってるようだ。どこから流れた
のが調査して、その客を何とかせにゃならんな」
「探偵社に依頼はしてるよ。見つけ次第、とっちめてくれる。いや、実験体に使ってやるか」
「好きにしろ。それより蘭だ。使い勝手は良いし、売れっ子ではあるが、いつまでも使うわけにはいかん。どこで見切りを付けるか、難しいな」
「それは俺も考えてる」

荒戸は脚を投げだすようにして椅子にもたれかかった。
まだお茶ひとつ出されていないが、まったく気にしている様子はない。

「まあ……、そうだな、蘭は高3なんだろ? ……卒業まで、じゃねえかな」
「だな。いいとこだ。それまではたっぷりあの身体で愉しんでおいて……」
「次の獲物を物色する。そんなところか」

──────────────────

「じゃあね」
「うん、また明日」

放課後、蘭は園子と別れると足早に自宅へと急いだ。
今日は部活は休みだ。
武道館に業者が入って内装工事をするそうで、一週間ほど使えない。
だから体育館を間借りするか、グラウンドを使うか、ロードワークくらいしか出来ない。
どれも基礎訓練であり、単調でつらいものばかりである。
蘭は、ちょうど良い機会なので練習を休ませることにしたのだ。
せっかくだから、この時間を利用して勉強したり友人付き合いをしてくれればいいと思っている。
もちろん自主練は禁止していないから、部員同士が集まって練習する分には構わない。

蘭は勉強と家事に当てることにした。
だから今日はいつもより帰宅が早い。
その分、何か凝った料理でもしようかとあれこれ思いを巡らせていた。
家まであと5分というところで、突然後ろから声を掛けられた。

「毛利蘭」
「はい……?」

蘭が振り向くと、見知らぬ男がふたり立っていた。
ふたりとも40歳くらいの中年男で、見知らぬ相手だった。
ひとりはパリッとしたスーツを着こなしているが、もうひとりはどちらかと言えばだらしない格好である。
蘭は訝しげに眉を寄せ、近づいてくるふたりを凝視した。
名前を呼びかけられたということは、相手はこっちを知っているということだ。
しかし蘭には記憶がなかった。

「あの、何か? 毛利蘭はあたしですけど……」

若い方──阿武がそっと蘭に近づき、顔を寄せてきた。
蘭は反射的に身構えたが、男はそのまま蘭の耳元でそっと囁いた。

「シャムロック」
「……!!」

その言葉を聞いた途端、蘭の目が見開かれ、直後に虚ろとなった。
その知的な表情がぼんやりとしている。
そして阿武に向かってこう言った。

「新一……。どうしたの、こんなところで」
「ああ。蘭に会いたくなってね」

阿武はそう言って蘭の肩を抱いた。
耳にかかる髪を掻き分け、くすぐるような声で言う。

「ホテルに行こう。いいだろ?」
「……うん」

蘭はコクンと頷くと、その手を引かれていった。

──────────────────

阿武がこうして蘭をシャムロックに連れ込むのは、これで5度目になる。
荒戸も同じくらいだろう。
もっともあいつはアナル専門だし、肛門どころか媚肉でさえまだ経験のなかった蘭であれば、いかに荒戸でも仕込むには時間がかかりそうだ。
もしかしたら阿武以上に蘭の肉体を貪っているのかも知れない。
本物の恋人とはどうなのだろうと思って阿武が慎重に蘭を問い質したところ、阿武たちとのセックスの他はほとんどやっていないらしい。
相手も初めてだったらしいから、そういうものなのかも知れない。
初体験を含めて二度しか抱かれていないようだ。

何とももったいないことだと阿武は思った。
蘭の肉体は、抱き心地はもちろん、その反応や覚えの良さには目を見張るものがある。
精神面ではまだ純粋で潔癖なところはあるが、反面、身体の方は貪欲なまでに性の快楽を享受していた。
心では抗いたいが、どうしても肉の疼きに流されてしまう。
そういう体質のようだった。
羞恥系の行為は苦手なようだが、逆にそれをやると被虐感を覚えて余計に感じてしまうようだ。
こんな女ならいかようにも仕込めるし、抱き甲斐もある。
初心な女学生の仮面を被った娼婦のような身体を持つ女にもなれるのだ。

阿武は蘭にシャワーを浴びさせ、纏っていたバスローブを剥ぎ取った。
そのまま「お姫様だっこ」にしてベッドまで運んでやる。
蘭は、いきなり全裸にさせられて顔を羞恥に染めたが、阿武に抱かれるとその首に腕を絡めて、甘えるようにその胸に顔を寄せている。
あくまで新一だと信じ込んでいるのである。
蘭をシーツの上に転がすと、阿武は物もいわずにいきなりその身体に手を伸ばした。
蘭がピクリと反応する。

「んっ……! 新一……ん、んんっ……いっ……あ……」

豊かに実った胸肉を、その形状と重さを確認するかのように、両手ですくい上げるように揉んだ。
たぷたぷと音をさせ、柔らかい肉塊の形を自在に変えていく。
たちまち乳首がぷくんと膨れてしまい、そこを指先でコリコリとしごくと、一層に硬く尖っていった。
蘭は阿武の腕を掴んでいたが、止めるという感じではなく、ただ手を添えているだけだ。

「あっ……む、胸、いい……あっ……んんっ……ふあっ……」

若いに似合わず重量感たっぷりの乳房を揉み込み、喘ぐ蘭に顔を近づける。
わななく蘭の首筋や鎖骨に唇を押しつけ、そのまま口を胸まで這い下ろす。
そして、控え目に膨らんだ乳首を軽く唇でくわえる。
そこが特に弱い蘭の反応が大きくなる。

「ふああっ! やっ、いいっ……そ、そこは新一、くっ……あんっ……」

そこで突如、阿武の愛撫が遠ざかる。
ぷくんと可愛らしく膨らんでいた乳首から、唾液の糸を引いて唇が離れた。

「あ……」

蘭は拍子抜けしたように顔で、無意識のうちに胸を反らせていた。
胸からほんの僅か離れた位置にあった阿武の顔に、ぱふっと蘭の乳房が当たる。
蘭は自分がやった恥ずかしい行為に気づいて、ハッとしたように動きを止めたが、また乳房を阿武の顔にくっつけていった。
ますます性に貪欲になっていく蘭に満足しながら、阿武は焦らすように言った。

「ふふ、おっぱいをもっと、か?」
「い……意地悪……」
「可愛いな、蘭は。でも、おっぱいよりもっと気持ち良いところを愛してやるよ」
「やっ、新一、それ恥ずかしいから……ああっ!」

それが何か瞬時に察した蘭は、阿武の移動する顔を押さえに掛かったが、もうその口は目的地に達していた。
反射的にグッと阿武の頭を押したが、ビクともしない。
もっとも、蘭も本気で拒もうとは思っていなかったろう。

「ひゃっ!」

蘭が鋭い悲鳴を上げた。
男の指が、露を含んだ繊毛を掻き分けて割れ目をこじ開けたのだ。
そこには、花弁からはみ出すように敏感な肉芽が顔を出している。
蘭の外見にはそぐわず、それはやや大きめだった。
乳首が小さいのに反比例して、クリトリスは大ぶりなようだ。
そこを軽く指で弾いてやると、蘭は「くっ!」と身体を揺らしながら快楽の声を我慢している。

何度も繰り返すと、そのたびに蘭は小さく身悶えた。
クリトリスの根元をそっと指でなぞると、さすがに感度が強いらしく、ギクンと大きく腰を震わせた。
阿武が、ピンク色に膨らんだそこを唇に含んでやると、蘭は身体が引き攣るように反応し、硬直した。
そのまま唇内に含んだまま、舌でねっとりとしゃぶっていく。
途端に蘭は堪えきれない喘ぎと悲鳴を交互に放った。

「くうっ! し、新一っ……あっ……そ、そこ舐めちゃ、ああっ!」

蘭の手が阿武の頭を掴み、その髪をかき回すように掴んだが、男の舌は止まらない。
舐められるたびに、唇で吸われるごとに、蘭の子宮がキュンキュンと収縮し、腰から身体全体が痺れてくる。
身体の芯から官能の炎が一気に燃え広がり、下半身全体がカッカと熱くなってきた。
脳天まで突き抜けるような快感が蘭の理性を麻痺させていく。
いけない、あさましいという思いを性の悦楽が飲み込んでいき、むくむくと肉の欲望が込み上げてしまう。
蘭の白い裸身は、たちまち仄かに染まり、汗が滲んできた。

「あっ、くううっ……も、だめ、ああっ……し、舌でそんなに……あうっ……いっ……」

阿武の舌に翻弄されるように、鋭い性感が全身を貫いてくる。
ひと舐めされるごとに子宮の奥が熱くなり、そこからじわっと熱いものが滲んでくるのを実感した。
それがいやらしい液体──愛液であることは蘭にもよくわかった。

「やああっ、は、恥ずかしいっ……ど、どうしてあたし、こんなに……ひうっ!」

我慢して抑えられるようなものではなく、蘭の羞恥心や戸所苦を嘲笑うかのように、愛液は次から次へと溢れ出してきた。
責めている阿武の方も、蘭の蜜の多さに感嘆している。

「すごいな、蘭。こんなに零れてくるぞ」
「い、いやっ、恥ずかしい! 言わないで、新一……」
「恥ずかしがることなんかないだろう。いいことなんだよ」
「で、でも、こんなの……ああっ、ひっ、そ、それやめて! あ、あたし、もうっ……!」
「ん? クンニされるだけでいっちゃう?」
「……」

いきそうになってはいたが、それを指摘されると蘭はそれこそ顔を真っ赤にして目を堅くつむった。
いくら相手が最愛の男だと思っていても、やはり自分が性に乱れる姿を見られるのは羞恥を伴うのだ。
その蘭の羞恥を阿武がさらに煽る。
濡れそぼち、もういつでも男性器の受け入れが可能になった媚肉をじっと見つめているのだ。
蘭は少し身を捩り、らしからぬ弱々しい声で脚を閉じようとする。

「あんまり見ないで……恥ずかしいから……」
「何を今さら。もう蘭のオマンコなんか見慣れてるよ」
「そ、そんなこと言わないで……」
「まだ恥ずかしいんだね、可愛いよ、蘭」

阿武はそう言って顔を上げ、少女と対面になり、覆い被さろうとする。
蘭は阿武の股間にぶら下がる硬そうなものを、少し脅えながら見ていた。

「新一、きょ、今日もその……避妊しないの……」
「しないよ」
「でも、いつもいつもあたしの中に直接……」
「蘭の中にナマで出したいんだよ。その方が蘭だって気持ち良いだろう」
「そ、そんなこと知らない……! でも、もし本当に、んむ!」

妊娠してしまったら、と言いかけた蘭の口を、阿武の唇が塞いだ。
蘭は心の中で「ずるい……」とつぶやいていた。
この新一はいつもそうだ。
蘭が拒もうとしたり、疑問をぶつけようとすると、いつも優しい言葉を掛けてきたり、キスで誤魔化そうとするのだ。
また、そうされてしまうと流されてしまう自分にも情けなさを感じている。

「んん……んあ、ちゅっ……ん……んむう……んんん……ちゅううっ……ん……」

長いキスが終わると、もう蘭の瞳が蕩けている。
さっきまでは恐ろしげに見えた阿武のペニスも、今ではたくましく男らしいそれだと思うようになっていた。
口は真一文字に結んでいたが、鼻からは小さく熱い吐息が漏れた。

「入れるよ」
「新一……。あ……」

ペニスが押しつけられると、すでに濡れきっていた蘭の膣は、待ちかねていたかのようにそれを受け入れていく。
何度も犯されているが、その大きさは毎回のように実感させられている。

「んっ、はああっ……は、入って……くるっ……んっ、お、大きいのが……あああっ!」

いつものように奥まで貫かれた蘭は、ググッと裸身を突っ張らせてその衝撃と押し寄せる快楽を耐えている。

「あ、あ、んんっ……だ、だめ、そんないきなり奥まで……くっ、きつっ……も、もっとゆっくり、ああっ……!」

肉棒を根元まで挿入し、蘭の奥まで刺し貫くと、その先端をしっかり子宮口に擦りつけてから引き抜き、そしてまた押し込んでいく。
ゆっくりとした速度だが、太いものを押し込められると、その分だけ蘭の中から蜜がぶちゅっと押し出されてきた。

「あ、あ、いっ……あうっ……んむうっ……あくっ……んあっ……」

狭い膣道をこじ開けるように太いペニスが挿入されているが、内部は愛液でどろどろであり、ピストンは充分可能であった。
襞もへばりつくように絡んでくるが、挿入される時はいざなうように蠢動し、抜かれる時だけ密着してくる。
その快いきつさと締めつけに呻きながら、阿武は腰をねじ込んでいった。

「くっ、相変わらずきつくって良いマンコだぜ、蘭」
「やだっ、そういうことは言わないでって言ってるのに、あっ……ううんっ……」

阿武の動きはゆっくりとしていて単調で、じんわりと蘭の身体をセックスに馴らしていく。
経験はだんだんと積んできたものの、若いだけあって、行為直後からのめり込むようなことはなかった。
蘭自身が真面目なせいもあるだろう。

しかし、性交していることを実感させ、その官能に浸らせてやれば、見違えるように受け入れるようになっていく。
毎回毎回こうだったから、この少女は淫靡に乱れるようなタイプではないのだろう。
最初は恥ずかしそうに控え目になっているが、快楽に溺れさせてやれば生来の感度の良さもあって、しっかり反応していくのだ。

蘭は、もう青みがかった硬いだけの果実ではなかった。
まだ青く酸っぱいところもあるが、赤く熟れ始めた果実だった。
どこもかしこも柔らかい爛熟した果物ではないが、酸味と甘さを併せ持ち、硬く引き締まった新鮮な果物となっていた。

男はゆっくりと肉棒を引き抜いてカリ首手前まで持っていき、それからまたずぶりと奥まで挿入する。
腰を密着させるまで深々と挿入し、最奥にある子宮口を擦り、突くまで抉っていく。

「やだ、深いっ……んっ、あ、そんな深くだめえ……あああ……」

蘭は当初、子宮口まで責められることに恐怖を覚えていた。
そんな身体の深くまで異物に侵入されることが怖かったのだ。
しかし今では、阿武によってしつこいまでに子宮口責めをされ、すっかり開発されてしまった。
最初は痛いだけだった子宮口への責めが、今では乳首やクリトリスに匹敵するほどの性感帯に育っていたのだ。

「んっ、あうっ……いっ……あっ……あっ……うんっ……い、いあっ……うんっ……」

何度も何度もしつこく奥まで打ち込まれ、そのたびに子宮口を突かれていくと、蘭の頬に赤みが差してくる。
清純そうな美貌にも、性の喜悦が官能色を浮かんできた。

「蘭、気持ち良いか?」
「やっ……」
「言うんだ。いつもそう言ってるだろ?」
「……。うん……いい……あっ……」

奥を突くだけでなく、たまに焦らすかのように挿入を浅くし、入り口を拡げるように腰を回転させる。
そうすると蘭の膣はきゅっと収縮を始め、ペニスを絞るような動きをしてくる。
襞も、肉棒を奥へ持っていくような蠢動を見せた。
蘭自身、「もっと」とでも言うように、腰を蠢かせ、脚を阿武の脚に絡めてきた。

「あ、あ……いい……新一……あああ……」
「聞こえるか、蘭。俺の腰がぶつかると、蘭のエッチな汁がびちゃって弾けてるぞ」
「いやっ、恥ずかしい……んああ……」
「でも、本当に濡れ濡れなんだ。特に奥はすごいぜ、ぬるぬるしてて熱くって」
「あう!」

ずぶっと腰を打ち込むと、蘭はグッと顎を反らせて喘いだ。
言葉でも責められ、蘭の媚肉は過剰に反応している。
膣圧が上がり、ペニスを盛んに食い締めていた。
その顔には羞恥の色が浮かび、自分の肉体の変化に困惑しているようだが、それでいて腕を伸ばして阿武の背を抱いているのだ。
太い男根でいっぱいに押し広げられた媚肉は痛々しかったが、蘭には痛みはなかった。
速度は変えず、阿武はストロークを大きくして、膣内を摩擦する時間を延ばしていく。

「やあ、いい……くっ……いいの、新一、あっ……き、気持ち良い……あ……」

何度も膣奥を突いてやると、蘭は堪えきれぬように快楽を口にした。
奥まで来てはいるが速度が遅いせいか、まだ決定的な快感にはなっていない。
蘭はその身体を捩り、腰を悶えさせて、より強い責めを求めている。

「あっ、新一……も、もっと……」
「もっと? もっとなんだ。どうして欲しいんだ?」
「やっ、言えない、そんな……あ、あんっ……」
「言えなきゃしてあげない」
「そんな……どうしてそんな意地悪するの……」
「蘭が可愛いからさ。ほら言って。もっとどうして欲しいんだ?」
「でも恥ずかしい……ああ……」
「平気だよ。ここには俺と蘭しかいない。誰も聞いてないんだ」
「ああ……」

阿武はそう言い聞かせながら、目でスタッフに合図している。
察したカメラマンとマイクが近づいてきた。
一台のカメラは蘭の顔を接写し、もう一台は阿武と蘭の結合部をクローズアップしていた。
三台目のカメラはふたりが絡む全体図を俯瞰から撮影している。
音声担当は、蘭の顔の真上にガンマイクを突きつけていた。
その影が蘭に落ちないよう、照明がライトを照らしている。
肉薄するカメラレンズも目に入らず、蘭は朦朧とする意識の中でとうとう告げた。

「も……っと、して……」
「……だから何を」
「んっ、意地悪……ああ……な、中をもっと……」
「……お、奥まで、つ、突いて……」
「ふふ、強くか?」
「つ、強く……ああ……」
「よし、よく言えた」

阿武はそう言うと、改めて蘭の腰を抱え直し、体勢を起こした。
いよいよ本格的に来ると予感したのか、蘭は「ああ……」と呻いてからきゅっと身体を堅くさせた。
そのくせ、膣はペニスの動きを促すように柔らかくそれを包み込み、蜜を垂らしながら収縮している。
そこへ重い一撃がずぶりと来た。
待ちかねた刺激が奥底に到達し、蘭は悦楽の喘ぎを張り上げた。

「ああっ、いいっ……やっ、強いっ、そんなっ……ひっ……ああっ……いっ、いいっ……ううんっ……」
「気持ち良いだろうが、ほれほれ、どうだ。色っぽい顔しやがって」
「そ、そんなこと言わないで……んあっ、あっ、い、いいっ……ああっ……」

蘭の喘ぎと同調して、肉棒をくわえ込む膣がきゅっと締まる。
収縮すれば、それだけ阿武のペニスの硬さと太さを嫌でも実感し、そのたくましさに頭がくらくらしてくる。
阿武の方も、徐々に肉欲に圧倒されてきている蘭の痴態に獣欲を呼び起こされ、その足首を掴むと大きく開脚させてさらに深く激しく責め上げていく。

「ふああっ、すごっ……奥っ、奥まで届いて……んはあっ……新一、すごいっ……いいっ……」

突き上げられればられるほどに、抉られれば抉られるほどに、蘭の中の官能が甘美で強烈な波を巻き起こし、膣内の肉襞がうねるようにペニスを食い締めていく。
これが、ついこの前まで処女で、男を知らなかった女の媚肉なのかと思えるほどに、蘭のそこは成長著しかった。

「やああっ、いいっ……くっ、だめっ……ああうっ……」

ずん、ずんと突かれると、その勢いで胸肉が何度も大きく揺れ動く。
その乳房を掴まれ、乱暴に揉みしだかれると、蘭は「たまらない」という風によがりだした。
優しく揉みほぐされ、乳首を舐められるのとはまた違った快感が、少女の肉体を虜にする。

「んううっ、む、胸はあっ……いいいっ……」
「ふふ、おっぱいを強く揉まれたり、虐められたりするのも好きになってきたな」
「だ、だってそれは、ああっ……しん、新一がそればっかするから、ああっ……」
「おっ、マンコがまた強く締まってきたな。いくのか、蘭」

蘭はためらいもなく何度も頷いた。
自分でも驚くほどにいきやすくなってしまっている。

「やっ、いいっ……あ、もう……くっ……あ、あそこが……あそこが熱いっ……」
「あそこ、じゃないだろ? ちゃんとマンコと言え」
「やだっ、そんな恥ずかしいこと……ああっ」
「言うんだよ、蘭。もっと自分を解放しろ。さっきも言っただろ、ここには誰もいないんだ」
「くっ、いいっ……と、溶ける、溶けちゃうっ……お……オマンコ……熱くて溶けそうなのよ、新一っ……!」
「その調子だ、蘭。もっともっと狂うんだよ」
「こ、これ以上されたらあたし……エッチな子になっちゃう……もっとエッチな子になっちゃうっ」
「可愛いこと言うね。いいじゃないの、エッチな蘭ってのもさ。どんどんエッチになりなよ」
「で、でもエッチな子になったら新一に……嫌われちゃう」
「そんなことないさ。俺、エッチな子は好きだぜ」
「し、新一……」

蘭は安心したように、まだ快楽に浸り始めた。
思い通りに調教されていく蘭を見てほくそ笑む阿武の顔が、優しい新一に見えるらしい。

「いってもいいけど、ちゃんと「いく」と言えよ」
「はううっ、い、いいっ……だめ、もういく……も、もういきそうっ……い、いくっ」
「以前のおまえとは見違えるな。平気で「いく」なんて言うようになるとはな」
「いやあっ……で、でも、もうっ……だ、だめえええっっ……!」

阿武がからかい、言葉で虐めてやると、蘭の快感中枢が強く刺激され、あっという間に頂点に達してしまった。
激しく昇り詰めた蘭は、汗の浮いた裸身を何度もグッと反り返らせ、腰をわななかせ、顔を震わせた。
キリキリと音をさせるほどに強くペニスを食い締めたが、阿武はそれを何とか耐えた。
蘭とセックスするようになってから、阿武自身もセックスが強くなったような気がする。
これだけの膣圧と感受性を持った女も珍しいから、いかに経験豊富な阿武と言えども、気を抜くと射精してしまうこともあった。
しかし蘭を犯し続けるうちにその収縮にも慣れ、ペニスも強くなってきている。

蘭は何度も身体を突っ張らせてから、がっくりと脱力してシーツに沈み込んだ。
その絶頂直後の美貌を、カメラが執拗に撮影していた。
充分に撮らせてから、阿武はまた動き出す。
蘭には連続絶頂の味も覚えさせるつもりだった。
それに加え、まだ彼は射精していないのだ。
こんなもので許するつもりはなかった。
いきなり容赦ない責めが再開され、蘭は目を剥いて悲鳴を上げた。

「んひぃっ!? だ、だめ、新一、まだだめっ……あ、あたしいったばかりで、ああっ……ふああっ、強いっ、強すぎるっ……身体が壊れる、
どうにかなっちゃううっ……!」

今にも絶息しそうな蘭の悲鳴を聞きながら、阿武は子宮口を何度も小突き上げた。
蘭の口からはすぐに悲鳴が消え、代わってまた喘ぎとよがり声に占められていく。
媚肉の方は連戦可能なようで、蘭の膣内は太い阿武の肉棒に必死になって絡みついていた。
膣からはひっきりなしに愛液が漏れ出ている。もう阿武と蘭の接触部はぬらぬらだし、シーツにも大きな染みが出来ているのだが、愛液は
無尽蔵なくらいに分泌されていた。

「やっ、そんな……つ、強……激しいっ……だめ、また……い、いく!」

蘭は白い裸身を仰け反らせ、背筋を震わせながらまた達した。
本人はくたりとしているのに、膣だけは相変わらず阿武を食い締めていた。

「気持ち良かったか?」
「よ……よかった……ああ……身体が……ふわふわしてる……んん……」
「でも、まだいけるよな、蘭」
「そんな……、もう許して新一……もうだめよ、あたし、疲れて……」
「空手やってんだろ? これくらいじゃまいらないだろうよ」
「か、関係ないでしょ、そんなこと、あっ……だ、だめ、そんなすぐにしちゃだめえっ……!」

またも責め立てられ、蘭はよがり声を一層に大きく張り上げた。
淫靡極まりない水音させながら、太い男根が根気よく蘭の奥底まで潜り込み、その内部を擦っていく。
子宮を突き上げられ、亀頭で思い切り抉られると、蘭はたまらないとばかりに腰をうねらせる。

「いっ、いいっ……いいいっ……奥が、ひっ……新一の、いちばん奥まで来てるっ……そ、そこだめ、いいっ……」

いつしか蘭は、阿武の突き込みに合わせて腰を振ることを覚え込んでいた。
どうすればもっと気持ち良くなれるのか、本能的に体得しているようだ。
いちばん感じる箇所にペニスが当たり、擦ってくれるように腰を使っているのである。
蘭が奥を望んでいるのは明らかで、阿武が腰を打ち込むとそれに合わせて蘭の方からも腰を突きだしてくるのである。

「やあっ! んっ! んっ! んんっ! いっ、いいっ……は、激しいけど、いいっ……あああっ……」

蘭の膣は締め付けの度合いをますます高めている。
腰の動きも激しくなり、まるで蘭の方が責めているかのようだ。
実際、阿武は「蘭に責められている」ような気もしていた。
少女の腕はしっかりと男の背中に回っていて抱きしめている。
白くて長い脚も、阿武の腰に巻き付けたり、脚に絡めたりしていた。
蘭にはもう今日三度目の絶頂が見え隠れしている。

「んああっ、新一、あたし、またっ……あああ、もうだめっ、ひっ、ひっ、ま、またあっ」
「一度いったらいきっぱなしだな、蘭。でもだめだ、今度はいくな」
「そ、そんなあっ……もう、いきそうなのよっ……あ、それ! それしたらすぐにいっちゃっ……ああっ」
「おっと」
「あ、ああ!?」

あわや、というところで阿武は腰を止めた。
蘭は吃驚したように阿武を見返している。
手は阿武の腕をしっかりと掴み、脚は腰に絡めたままだ。
蘭は、まだ17歳とは思えぬほどに艶っぽい表情で阿武にねだった。

「ど、どうして……どうして……」
「いきたいのに、いかせてくれないの、か?」
「……」

蘭は悔しそうに顔を背けた。
その間にも、腰は勝手に持ち上がり、阿武の腰に押しつけている。
もうどうにもならないのだろう。
ここで放って置かれたり、焦らされたら本当にどうにかなってしまいそうなのだ。

「い、意地悪しないで……最後までして……」

蘭の仕草やその切なそうな顔に、つい「いっていい」と言いそうになったが、そこは堪えた。
よがらせるだけの段階は過ぎた。
今度は少し自分の性感をコントロールしていくことも覚えさせたい。
いきそうな状態で我慢に我慢を重ねると、その快楽がどんどん溜まっていく。
その上で気をやらせ、本当の絶頂をこの身体に染みこませてやるのだ。

「んくああっ、あんっ、あううっ……ひっ、いきそっ……は、早くっ……早く新一もぉっ……」

蘭は激しく打ち込まれる肉棒を貪欲なまでに受け止め、男にしがみついてよがっていた。
身体はもう仕上げ──射精を求めている。
それがないと、官能の炎が収まらないほどに蘭の肉体は習熟度を上げていた。
阿武は蘭の腿の付け根を押さえ込み、下半身を動けないようにしてから、ずぶずぶと突き刺すように深々と奥を抉ってきた。
蘭は脚を動かすことも出来ず、一方的に快感の攻撃を受けることとなる。
たちまち性感は急上昇し、絶頂付近を彷徨っていた官能はさらに高みへ昇ろうとしていた。

「あ、あっ……い、いく……ホントにいきそうっ……し、新一っ……い、いってもいい?」
「だめ」
「いやあっ、意地悪言わないで……ホントに……ホントにいきそうなんだからっ……お、お願い、いっていいと言ってぇっ」
「どうしようかなあ」
「あっ、あっ、も、もうっ……いっ、く……いっ、く……い、いっていい? ああ、もう本当に我慢できないっ」
「許さない」
「いやあっ、意地悪しないで、もうホントにだめなのっ……!」

蘭は涙すら流し、唇をわななかせてそう哀願した。
もちろんその間も、肉が受ける快感に悶え続け、喘ぎよがる合間に「いかせて」と言っているようなものだ。
蘭の体力も、度重なる絶頂への我慢でそろそろ限界のようだ。
そう察した阿武はようやく許可した。
というより、自分自身、もういきそうなのだ。

「いいよ、蘭。いけよ」
「あ、あ……」
「俺もつき合うよ。蘭のマンコには敵いそうもないしな」
「んっ、んんっ……新一っ、し、新一も……い、いくの?」

蘭は何とも言えない瞳で阿武を見つめる。
一緒に性の頂点を極められる幸福感と、自分の身体で恋人も感じているという満足感が加わっていた。

「ああ、いくよ。蘭の中にたっぷりくれてやる」
「やっ! それは……」
「中に出すんだよ。蘭のマンコを俺の精液でいっぱいにするんだ」
「で、でもそんなこと……、ああ、中に出されたら本当に……」
「妊娠が怖いかい? 今さらなんだよ、もうあれだけ中出しされてるんだ。どうせ蘭はもう孕んでるさ」
「だ、だめよ、そんな……ああっ、いいっ……」
「よがったり嫌がったり忙しいな。でもな、中出しさせてくれないなら、またお預けだ」
「ああ……」

高校生の分際でとうとう孕まされてしまう。
相手が新一(だと蘭は思っている)なのが幸いだが、それでも両親には何と言えばいいのだろう。
しかし、そんな迷いや懸念も、我慢させられ続けていた快楽の頂点を与えられることにより、一気に消し飛んでしまう。

「言えよ、蘭。中に出してってな」
「お、お願い新一……、中は……中だけはだめ……」
「それならその顔にかけてやるぞ。それでもいいのか?」
「か、顔なんて……」
「だめなんだろ? じゃあ中しかないよ」
「だ、だめっ! あ、あ、でもいく……もうっ……もうっ……」
「蘭っ!」

蘭の強烈な締めつけに引き絞られた阿武の肉棒は、その最奥近く子宮口の直前で濃厚な精液を吐き出した。

びゅるるっ、びゅくっ。
どくっ、どくっ、どっびゅうっ。

「でっ、出てるっ……ううんっ!!」

蘭は何度も何度も背を仰け反らせ、後頭部でベッドを押しつけながら気をやった。
阿武が蘭の腰のくびれを掴み、引き寄せるようにしながら射精を続けていく。
子宮口に直接精液を浴びせられる感覚が嫌でもわかった。

「うんっ……くっ……で、出てる、ああ……新一の……あ、奥に当たって……いいい……」

(こ、この締め付けがたまらねえ……。絞り取られるみたいだぜ。本当に良いマンコしやがって……)

阿武は呻きながら思う存分射精を愉しむと、阿武は蘭からペニスを引き抜いた。
張ったカリが媚肉の縁に引っかかり、蘭の媚肉を軽くわななかせる。

「あう……」

その刺激すら、今の蘭には肉悦の元となった。
太いものを抜かれた膣口はまだ口を締めきっておらず、どろっとした白濁の粘液をゆっくりと吐き出している。
蘭は豊かな胸を何度も隆起させ、浮かせたあばらを痙攣させていた。
まだ呼吸が整わないらしい。
そのしどけないイキ姿を見ただけで、阿武のペニスがまたむくむくと膨らんでいく。

「蘭、起きろ!」
「あう」

乱暴に髪を引っ張られ、蘭は強制的に覚醒させられた。
まだ目つきがぼんやりしている。
髪を引っ張られた痛みや憤りも見せず、極めて従順に阿武の言葉に従った。
むくりと半身を起こした蘭の目の前に、半勃ちペニスが突きつけられる。

「あ……」
「腰を上げろ、膝立ちになるんだよ」
「……」

蘭は黙って膝で立った。
まだ腰が据わらないのか、時折膝が笑い、腰が萎えそうになっている。
その様子がさきほどの激しい絶頂を物語っていた。
身体を鍛えていた蘭ならではであり、普通の女子高生ならあの時点で失神してしまっているだろう。
阿武が君臨者のように命令した。

「ほら、いつまで見ている。何をすればいいのか、わかってるだろ?」
「……」

新一とは思えぬ「上から目線」の発言にも疑問とはとらず、蘭はゆっくりと大きく口を開けて阿武の肉棒を飲み込んでいった。

「ん、ん……んむう……んく……じゅっ……」

大きな亀頭を小さな口でようやく含むと、そのまま唇で締めつける。
細い指でペニスの根元を擦り扱き、片手で袋の部分まで愛撫していた。
そのまま頭を前後に揺すり、唇で作った輪で肉棒を扱いていった。
阿武は満足そうに頷いた。

「ようし、それでいい。ふふ、蘭は下の口も上の口も物覚えがいいな。「勉強」熱心だからな」
「……んむ……」

違う、とでも言うように、蘭は軽く顔を横に振った。
それでも愛撫はやめず、阿武の男根を舌で舐めている。

「だが、教えたことをするだけじゃなくて自分で考えてやってみろ。どうやれば男は気持ち良くなるのか、何となくわかるだろう?」
「んん……」
「早く俺のものを使えるようにするんだな。そうすれば、もう一発やってやる」

そう言われ、蘭は目を堅く閉じて口唇愛撫を続行した。
阿武の言葉のひとつひとつが、蘭の被虐願望を刺激し、嫌が上にも股間が熱く、また滲んできてしまう。
媚肉から垂れ落ちているのは、阿武の放った精液だけではないようだ。

蘭の行為に必死さが混じってくる。
唇で締めつけ、舌を絡め、指で扱いていった。

「ぐうっ!?」

阿武が腰を送ると、男根が蘭の喉奥まで突き込まれてきた。
蘭は目を見開きながらも、懸命にそれを受け止めている。
「この新一」はこれが好きなのだ。
蘭は苦しいだけだが、この男は蘭の喉の奥にまでペニスを挿入するのが好みらしい。
愛する男のために、蘭はその屈辱感と息苦しさ、嘔吐感に耐えていた。

「ぐううっ……ぐっ……んん……じゅっ……ん、んふ……うんっ……うぐうっ……」

蘭は涙目になっているが、それでも口から吐き出さず、ペニスを愛撫している。
一応は阿武の方も気を遣っていて、蘭が本当に嘔吐しそうになったり、窒息しそうだと思った時は腰を引いて楽にはさせているのだ。
そのせいか、蘭は最後までフェラを続けることが出来た。
まだテクニックは未熟だが、蘭の咥内は暖かく、その粘膜の具合も素晴らしかった。
膣以上に、自在にペニスを刺激し、舌と唇の相乗効果で男の快感をアップさせていく。
阿武の腰が震えてきた。

「よ……し、出すぞ、蘭。いいか、前にも言ったが、ちゃんと飲むんだ」
「んんっ……」

蘭は目を伏せ、頬を赤らめながらも小さく頷いた。
飲むものではないし、そうされることに嫌悪感と屈辱的な思いもないではないが、何しろ新一の体液である。
受け入れたいという思いはあったし、屈辱感が蘭の被虐を刺激しているのも影響していた。

蘭が了解したのを確認すると、阿武は腰を激しく揺さぶり、その口を犯していく。
蘭の喉奥深くまで刺し貫くと、亀頭やカリが喉の柔らかい粘膜に締められ、急激に射精欲が込み上げてくる。

「うっ、出る!」
「んぐっ!!」

びゅるるっと、勢いよく射精された瞬間、蘭の裸身がぶるるっと小さく痙攣した。
いかに覚悟をしていたとはいえ、やはり精液を飲まされる嫌悪感は捨てきれないらしく、蘭は反射的に阿武の腰に手をやって顔を離そうとする。
阿武はそれを察知しているのか、その後頭部をしっかりと押さえ込み、自分の腰に押しつけてしまっていた。

「ぐっ、ぐっ……んっ……んくっ……んぐっ……んくっ……」

どくっ、どくっと吐き出される精液を、蘭は顔をしかめながら飲み下していった。
射精が終わるまで身を震わせて耐えていたが、ようやく阿武が頭を離すと、突き飛ばすように顔を引き離した。

「んっ……ぐほっ……けほっ……あ……く……けほっ……」

蘭は腰が砕け、横座りになった。
左手をベッドに突いて身体を支え、右手で口や喉を押さえて苦悶している。
開けた口からは、どろっと精液が垂れ落ちてきた。

「お、多すぎる……飲みきれない……さ、さっきあたしの中にあんなに出したのに、どうしてこんなに……あ」

阿武は蘭の顎を掴み、自分の方に向かせてから言った。

「蘭が可愛いからさ。だから俺も何度でも出来るし、たくさん出るんだ。愛してるぜ、蘭」
「新一……、本当に新一よね……」
「当たり前だよ。さ、もう一度だ」
「え……、あ」
「ほら、くわえろよ。また大きくしたら仕上げだ。蘭、お待ちかねのオマンコにしてやるよ」
「そ、そんなこと言わないで……」
「いいからしろよ」
「むううっ……!」

少女の朱唇に、また醜悪な肉塊がねじ込まれた。



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