出て行った総督を見送って、スペンサーが言う。
「……ま、そういうことだ。死にたくなかったらおとなしく犯られるんだな。少なくとも、
その間だけは生きていられるぜ」
「冗談じゃ、ああっ……!」
抗う間もなく、ユリは後ろ手にロープで括られた。
ユリは格闘技も訓練しているし、カンフーを得意としている。
しかし状況が状況である。
四肢をそれぞれ屈強な男どもに抱え込まれた状態では、その技も活かしようがない。
(しまった……!)
裸の上半身と、縛られることに気を取られていて、脚が無防備になっていた。
あっと思った時には、左足のブーツを脱がされてしまっていた。
慌てて右足だけでも守ろうとしたが虚しく、そっちもすっぽりと抜かれてしまう。
「ああ……」
これでもう武器は手袋の中の刃物だけだが、この分ではそっちも脱がされるだろう。
「いっ、痛いっ……!」
スペンサーは、ロープがギシギシ言うまでユリの身体をきつく縛っていた。
肉にロープが食い込み、肌を巻き込んでいく。
後ろに回された腕は、肩胛骨の辺りまで引き上げられ、そこで両手首を縛られた。
ユリは知らなかったが、高小手という縛り方だ。
スペンサーは、さらにユリの大きな乳房を挟み込むようにロープを掛けた。
乳房の上下にそれぞれ二巻きさせている。
これでユリの胸はさらに強調され、ぐっと盛り上がって見えた。
動揺している間に、いつの間にか指錠も外され、手袋も脱がされた。
指錠が掛かっていた親指には、赤く跡が残っていた。
「く……」
もうだめだ。
上半身はロープで雁字搦め。
動くとすれば手首から先だけ。
おまけに右肩をロックに、左肩をパゴスという男に掴まれている。
両脚も同じだった。
座らされているのだが、膝は立っている。
もちろん股間は開かされていた。
いわゆるM字開脚だ。
その膝と腿を、やはり両方からふたりの男に押さえ込まれていた。
ユリは、その絶望感と羞恥で、固く目を閉じていたのだが、周囲の雰囲気が少し変わっていた
ことに気づいた。
静かなのだ。
さっきまで、暴れるユリを男たちが力で押さえ込み、悲鳴や怒号が乱れ飛んでいたのだが、今は
すっかり収まっている。
ユリは恐る恐る目を開けてみた。
「あっ……」
スペンサーがユリの真ん前に陣取っていて、じっくりと観察していたのだ。
それだけではない。
ユリの四肢を押さえているロックやパゴスたちも、穴が空くほどに見つめていた。
「いっ、いやっ……見ないで……」
身動きできない裸の姿を、見知らぬ男どもに観察されるのはたまらなかった。
中でもスペンサーの視線がいやだった。
他の若者たちは、今にも食いつきそうなほどのがっついた目つきか、けだもののような舐め
回す視線だったのに対し、スペンサーのそれは無色だった。
妙に冷たい、それでいてちろちろと燃えるような目だった。
氷に火を付けたらこんな感じかも知れない。
その冷静な目で、ユリの肢体を見つめていた。
「いや……」
ユリはたまらず目を閉じた。
それでも男たちの目が、自分の身体のどこを見ているのかイヤでもわかる。
まるで視線に物理的な力でもあるかのように、胸や腿、首筋、臀部、そして股間に静かな圧力
を感じていた。
冷たく、そして刺さるような視線が、隠しておきたいところに遠慮なく突き刺さってきた。
今、自分の媚肉あたりはどうなっているのだろう。
さすがに濡れてはいないはずだが、何となくビクビクと蠢いているような気がする。
もしかしたら、割れ目やうっすらと開き、膣口が見えているのではないだろうか。
それどころか、ヴァギナも開いてしまい、中の恥ずかしい襞まで見えているのかも知れない。
そう思うと、身の置き所がなくなるほどの羞恥を感じた。
そして縄。
もちろん緊縛されたのは生まれて初めてだ。
逃げられないように縛り上げられたことはあるが、セックスプレイとして縛られたことはない。
胸を括り出すような恥ずかしいスタイルにされ、窮屈に縛られているというのに、なんだか身体
が火照ってくる。
屈辱と羞恥とは別の、心をとろかせるような妖しく甘い痺れに、ユリの心は千々に乱れた。
「綺麗な身体じゃないか」
「……」
スペンサーが感嘆したように言ったが、ユリは無視した。
恥ずかしさと怒りで、返事をする気にもなれない。
「おっぱいもケツもでかいし、ぷりぷりだ。肌も真っ白だし、縄がよく似合うぜ」
「……」
「この身体だ、男は放って置かなかったろう。もちろん処女じゃないよな、ええ?」
もちろんだ。
ユリは17歳で初体験している。
大学進学後のことで、この時代にしては遅い方である。
それまでユリなりに処女性を大事にしてきたところはあったが、初体験を済ませてしまうと、
そんな幻想は消えた。
「どうせもう、何人も男をくわえ込んでいたんだろうが」
行きずりの男を相手にすることは少なかったが、長く続いた男もいなかった。
そんなに多くはないと思うが、少なくもないと思っている。
「ま、これから、そんな過去の男のことなんぞ吹っ飛んじまうくらいの経験をさせてやるさ」
「……」
まだユリは顔を背け、目を閉じている。
なのに、男たちの視線を痛いほどに感じていた。
だんだんとおかしな気分になってくる。
スペンサーたちは、ユリの裸を目の前にして、触ってこようともしない。
見られているだけだ。
これでヘタクソな愛撫でもあれば、まだ気が紛れるかも知れないのに。
ははん、このヘタクソ。
そんなもんで私を満足させられるとでも思ってんの?
だが、それもない。恥ずかしい格好のまま、何もされず、ただ見られるだけ。
(あの時と同じだ……)
ユリにとっては思い出したくもない事件。
カースターラ事件(*註)の時もそうだった。
淫祠邪教の団体に囚われ、視姦責めされた。
その時、ユリは「見られたり、恥ずかしいことをされると感じる」体質であることを思い知
らされたのだ。
こいつらがそれを知っているとは思えないが、今、同じことをされている。
思い出してはまずいと思った時には、もう腰の奥に、寒気にも似た震えが起こっていた。
ユリがもどかしそうに、もぞもぞと腰を動かし出したのを見て、スペンサーはニヤッとした。
思った通りだ。
この女、プライドが高いから羞恥責めが利くと思ったのだが、ズバリだったようだ。
うまく被虐性を煽れば、堕ちるのも早いだろう。
スペンサーは、ユリに近づき、その耳元で囁くように言った。
「おまえ、セックスが好きなんだな?」
「……違うっ……」
「しかも、このでかいケツ。おまえ妊娠しやすいだろ? 犯されたらすぐに孕むタイプだな」
「やめて!」
かぁっとユリの頬が赤く染まった。
淫らなことを囁かれ、いやがうえにも身体が熱くなっていく。
「俺の見たところ、おまえはマゾだ」
「マゾ……ですって?」
「そうだ。おまえみたいに生意気な女はな、優しく抱かれるよりも激しく犯される方が好きな
んだよ」
「……」
「そうだろう、え? 犬みたいに四つん這いにされて、無理矢理後ろから犯されるようなセッ
クスが好みなんだな?」
「いやらしいこと言わないで!!」
耳に息がかかるほどに近くから小声で言われ、ユリは振り払うように頭を激しく振った。
その振り乱した髪からは、ほんのりと甘い女の汗の香りがした。
ユリの身体には、うっすらと汗が浮き始めていた。
縛られて閉じられた腋、乳房のロープが這う付近、そして尻の谷間。
じんわりといやな汗で湿ってきていた。
スペンサーの言葉を否定したが、ユリにはわかっていた。
その通りなのかも知れない。
カースターラでお尻を責められた時もそうだった。
排泄器官を嬲られるという恥ずかしい責め、最後にはペニスで犯された時。
肛門が裂けるほどの激痛とともに、得も言われぬ妖しい快楽を得ていたことも確かだった。
恥ずかしいし、悔しいのに、アナルを何度も犯されて、最後には絶頂まで押し上げられてしま
ったのだ。
肉体的な快感というより、乱暴に、そして惨めにお尻の穴を犯されているという被虐の悦楽
に酔っていたように思う。
「あ……はあ……」
男たちに目で凌辱され、言葉で犯されている。
本当にヤバイ。
ユリの脳裏に、過去、囚われて暴行を受けたことや、つき合っていた男とセックスした時の
記憶がよぎっていく。
もう自分では制御不能なほど、ユリの身体は燃え始めていた。
スペンサーの言葉、ひとつひとつがユリを犯していく。
さっき感じた悪寒のような震えが、徐々に熱いものに変化してきている。
もう、はっきりと膣の奥が熱かった。
淫らな蜜が、奥の方から分泌されてきているのがわかる。
まずいのは、乳首が固くなりつつあったことだ。
ブラタイプの上着を着けていた時は、形もなく乳輪の中に沈み込んでいた。
それが、男たちに視姦され、スペンサーに言葉責めされているうちに、段々と首をもたげて
きていたのだ。
この変化を、男たちに覚られてはならない。
そう思って、歯を食いしばるのだが、そんなことでどうなるものではない。
それどころか、吐息も熱くなり、呼吸まで乱れてきている。
「くく、無理するな。もう乳首が立ってるじゃねえか」
「いやあ……」
やっぱりバレていた。
ユリはその恥ずかしさを振り払うように、首から上を真っ赤にして顔を揺すった。
今すぐ、ここから消えてしまいたいほどの恥辱だった。
なのに、肉体の方はなおも一層、ゆらゆらと妖しい炎が燃えてきている。
このままではどうなってしまうのか、と、ユリが狼狽え始めた時、それは突如襲ってきた。
「あっ!? だ、だめ、いやっ……!」
突然、背後から羽交い締めするかのように、大きな手がユリの乳房にかかったのだ。
ハッとして振り向くと、いつの間にかスペンサーがそこにいた。
両腕を押さえていた若い衆は、さっきまでスペンサーがいた場所に居座って、ニヤニヤと見物
している。
スペンサーは、こねこねやわやわと、その張りのある乳房を揉みしだいてる。
揉み込みながら、男は舌を巻いた。
驚くほどの弾力を持った胸肉であり、張りのある肌だった。
白磁のようなすべらかで真っ白な肌に、薄いピンク色の小さな乳首が愛らしい。
それでいて、その豊かなバストは19歳とは思えぬほどの色香に満ちているのだった。
「……」
ユリは直接行動に出られて、少しずつ平静を取り戻しつつあった。
ユリは実のところ、あまり乳房が感じない方だ。
揉まれれば気持ちいいし、乳首は敏感だが、あまり揉まれても強い快感はなかった。
昔から、卑俗な男どもが「巨乳は感じにくい」などと言っていたのを聞いて、自分もそうかも
知れないなどと思っていたものだ。
「……」
ユリが自分のテクに動じないのを見て、スペンサーは一計を案じた。
たまに、こうしておっぱいの感じにくい女がいる。
だが乳房は立派な性感帯であり、その感じやすさから「第二の性器」だと論じた学者までいた
ほどだ。
スペンサーが関係した女たちも、みな感じるようになった。
その時の手を使ってみることにした。
「痛いっ!!」
ユリの紅唇から甲高い苦痛の声があがった。
スペンサーは、その乳首を思い切り抓ったのだ。
急所にひどい乱暴を受け、ユリはカッとして叫んだ。
「なにすんのよ! 痛いでしょ! ……痛っっっ!!」
男は無視して、また抓り揚げた。
半勃起だった乳首は、何度も抓られて赤くなり、そして固くもなっていた。
三度ほど抓ってから、スペンサーは責めを切り替えた。
触れるか触れないかくらいの愛撫をしてきたのだ。
「あ……ああ……」
男の武骨な指が、予想外の繊細な動きを見せる。
左右の指十本全部を使い、ユリの肌にほんの少し触れる程度にして撫でていく。
浮いているあばらから下乳、脇腹、二の腕の裏。
こそこそとくすぐるように、若い女体を愛撫していく。
ユリは相当なくすぐったがりなのだが、今はこそばゆさはほとんど感じていなかった。
感じるのは、ゾクゾクするような甘い痺れだった。
甘い優しい愛撫が、ユリの上半身を責め上げていく。
「あっ……だ、だめ……んんっ……」
抗うユリの唇が細かく震えている。
よく見ると、首筋や肩、腕の裏の柔らかい皮膚に鳥肌が立っている。
おぞましいはずの男の愛撫に、肉体の方は震えるほどの快感を得てしまっていた。
そして乳首。
「ひっ……!」
スペンサーの指が、ちょんと乳首に触れた時、ユリは思わず首を仰け反らせてしまった。
強烈な刺激が乳首から走ってくる。
男に抓られ、虐められた乳首は、異様なほどに敏感になっていた。
乳首だけではない。
乳房全体がゾクッとするように感じていた。
そうでなくとも鋭敏な乳首を抓られ、ビリビリとした痛みが残っている状態だ。
この状況は、とても外部の刺激を感じやすいのである。
ユリは身を以てそれを知った。
「あ……んん……いやあ……」
スペンサーはまた愛撫を切り替えていた。
僅かに指先だけを触れるような愛撫から一転、大きな手でユリの豊満な乳房をこねこねと揉み
しだき始めたのだ。
「ああっ……!」
今度はユリも、はっきりとした官能を感じていた。
ユリは目をつむっていたが、スペンサーの指が乳房に埋め込まれるようにして揉まれているの
がわかる。
その愛撫によって、さらに性感が上昇していくのも。
スペンサーは憑かれたように胸を揉んでいた。
こんなに揉み心地の良い乳房は初めてだ。
彼はもともと、ユリたちのような若い娘よりも、熟れた女の方が好みである。
きゃんきゃんと小うるさいだけの喘ぎ声よりも、快楽を必死に耐えている熟女の呻き声がいい。
ぷりぷりした若い肌も悪くはないが、男の指に馴染むようなしっとりとした肌が好きだった。
ところがどうだ。
このユリという娘の乳房は、数知れぬほど女を犯してきたスペンサーすら感心するほどの美乳だ。
指を弾き返すほどの弾力と張りがあり、艶も見事である。
熟女の淫靡な乳首もいいが、ユリのまだピンク色をした初々しい乳首も悪くないではないか。
胸だけではない。
ヒップも充分すぎるほどに豊かに張っている。
ウェストや足首のくびれの細さも彼好みである。
清純そうな美貌に豊かな黒髪。
それでいて生意気なところもある娘だ。
嬲り甲斐があるというものではないか。
しかもユリの裸体はまだ発展途上のようだ。
さっきの乳房責めを見てもそれはわかる。
それなら、この短期間でどこまで淫虐に染められるだろうか。
まさにスペンサーの腕の見せ所というわけだ。
「ああっ……ひっ……あ、あ……」
ユリは、ほとんど初めてともいえる胸からの強烈な快楽に呆然としていた。
開かれた股間から秘所や、いちばん恥ずかしいアヌスまで若い男たちに見物されていること
すら忘れた。
胸を揉まれる快感を堪え、肛門がひくひくと絞まっていることにも気づかない。
媚肉を守る恥毛も、すっかり濡れそぼっている。
今はもう、スペンサーが送り込んでくる、乳房への快感に呻くのみだった。
「あ、兄貴……」
ロックが呻くように言った。スペンサーはハッと我に返って舎弟の方を見る。
ロックだけでなく、パゴスやルイーズたちも、生唾を飲み込みながら彼の方を見ていた。
スペンサーは苦笑した。
部下たちの性欲に呆れたのではなく、自分に呆れたのだ。
最初の手はずでは、スペンサーがユリの身体をほぐしたら、部下どもにも犯させるつもりだった
のだ。
そのことを忘れ、すっかりユリの身体に魅了され、貪っていた。
年甲斐もないことで、照れくさかったのである。
「あっ、ああっっ!?」
ユリが、閉じていた目をぱっちりと開け、身体をぎくんと跳ねさせた。
四人の若者たちが、一斉にユリの裸体をいじくり出したのだ。
その時になって初めて気づいた。
男たちは、ユリが目を閉じている間に服を脱いでいたらしい。
五人ともトランクスを着けているだけの裸だった。
パゴスが左の乳首に吸い付いた。
負けじとロックも右の乳頭を口に含む。
それだけでもう、充血した乳首はさらに尖り、固くなっていく。
まだ20歳前後だと思われた彼らは、ユリが脅えるほどの性技を持っていた。
生暖かい舌が丹念に乳を舐めていく。
先端と尖らせ、ぐりぐりと抉り込んでみたかと思えば、柔らかいまま全体を使ってねっとりと
舐め上げる。
乳輪の周囲を念入りになぞられると、その心地よさに全身に力を込めて耐える。
ぽっちりと大きくなっていた乳首を舌先で潰されると、思わず出そうになる声を堪えるのに
苦労した。
「んっ……くぅぅ……っ……」
ふたりは、ユリの美しい乳房の付け根から揉み絞るようにこね回し、苦悶する美少女を見て
愉しんだ。
手だけでなく口も休まずにこの美女を味わい、乳房と言わず首筋と言わず、あちこちにきつく
吸い付いてキスマークを残している。
ユリは膝がガクガクし、手も震えてきたことを自覚した。
ユリは(ケイもそうだが)、プライベートでのセックスは案外おとなしい。
両者ともプライドが高い反面、割と恥ずかしがり屋な面もあるので、どうしてもダーティな責め
やハードなセックスを意識的に避けてきたところがある。
そのくせ、余計なほどに耳年増だから、知識としては変態プレイのことも知っているし、関心が
ないでもない。
それだけに、こうして凌辱を受け、限度を超えてしまうと、どうしても感応してしまうのである。
だからセックスする時は、当然相手はひとりだ。
こうして全身をいっぺんに責められるなど初めてのことなのだ。
両方の乳首を同時に舐められるのも初めてで、その強烈な刺激に、ユリは全身をいきませて堪
えた。
それでも男たちの責めは続き、ごつい手で鷲掴みにされ揉みくちゃにされる胸乳、そして軽く
歯を立てられる乳首からくる甘く切ない感覚は、耐え抜こうというユリの決意を鈍らせていく。
「くっ……い、いや……はっ……んむっ……」
ともすれば洩れそうになる喘ぎを懸命に堪え、ユリはもどかしげに身体を揺する。
縛られて動けないのがもどかしかった。
身体をくねらせ、のたうちまわれば、少しはこの刺激から遠ざかるかも知れないのに。
だが、縄を掛けられ、乳房を掴まれている以上、動くのは首から上だけだ。
両脇をひとりずつ若者が押さえ込み、好き放題にバストを弄んでいる。
背中からは中年男ががっしりと抱え込み、耳元でいやらしい言葉を吐いてユリの心を犯し、
時折、うなじや耳たぶ、首筋に熱い舌を這わせている。
そしてユリがビックリしたのは頭である。
この巧みな中年男は、ユリの豊かな黒髪の中に指を潜らせ、撫でるように頭をさすった。
それが、ゾクゾクするような快感になってきているのだ。
こんなところまで感じてしまう。
ユリは驚くと同時に空恐ろしくなってきた。
(ああ、こんな……惨めな……)
逃れたくてしようがないのに、それでいて何人ものたくましい男にのしかかられていることに、
倒錯した悦びがじわじわと見え始めていた。
自分の乳房を揉みしだくロックやパゴスの腕の力強さ。
寄りかかっている背中が感じる、スペンサーの胸板のたくましさ。
ともすれば慕い寄ってしまいそうな気持ちを叱咤し、ユリは唇を噛みしめた。
上半身だけでこれだ。
恥ずかしいくらいに開かされ、M字で縛られている下半身も責められたらどうなってしまうの
だろう。
そう思った途端、激烈な刺激が下から来た。
「あはああっっっ!!」
ファモが這うようにしてユリの股に顔を突っ込み、いきなりクリトリスをしゃぶったのである。
柔らかい唇で挟み込み、間から出した舌でちろちろと舐め上げる。
ちゅるるっと強く吸い上げると、ファモの顔を突き飛ばそうとするくらいに、ユリの腰がグン
と持ち上がる。
ファモが女芯を激しく責めるのに対し、ルイーズは内腿を撫で、舌で舐める。
太腿の内側は、ユリがもっとも感じる部分のひとつであり、気分が乗らない時でもそこを責め
られるとすぐその気になるくらいだ。
それを知っていたわけではあるまいが、ルイーズは腿の柔らかい肉やふくらはぎの張った肌に
こだわり、手で揉みさすり、舌で舐め、歯を立てた。
乳房だけでなく下半身まで舐め回され、ユリはたちまち忘我の状況に追い込まれる。
それでも最後の一線、反応しているような声を出すことだけは堪え忍んだ。
だが、苦悶する美貌や、ぶるぶる痙攣するなめらかな腹部、ざぁっと鳥肌の立つ腕を見れば、
もうユリが感じて感じてしようがないところまでいっているのは一目瞭然だった。
もう一歩というところまでいきながら堪えているトラコンの美少女に対し、スペンサーは呆れ
たような畏敬を口にした。
「やっぱり大したもんだな、トラコンってのは。ここまでされてよがらない女はそういないぜ」
「……くっ……あ、あんたたちが……あっ……へ、ヘタクソなのよ……んんっ……」
ユリは必死に強がって見せたが、男たちの失笑を買っただけだった。
乳を責めていたロックや、媚肉をクリットをいびっていたルイーズが口々の罵る。
「へっ、よく言うぜ。こんなにでかいおっぱいをしこらせておいてよ」
「……」
「乳首なんかビンビンだぜ? 舐めてやるごとに呻くくせによ」
「く……う、うるさい……のよ……あっ……」
「オマンコもだぜ」
ルイーズが受ける。
「おっぱい揉まれてるだけで、下はいじる前からぐっしょりだ」
「いや! さ、触らないで、あっ……」
「何が、触らないで、だ。可愛いプッシーちゃんは、おねだりするみたいにひくついてるぜ」
「ウソよ!」
ユリは激しく首を振った。
言われなくてもわかっていた。
クリトリスは、勝手に包皮から剥けて顔を出していっているのが体感できている。
喘ぎ声を噛み殺し、懸命に呻きながら身悶えるユリは、女体のもろさを痛感していた。
好きでもない男どもに、いいように弄ばされているのに、どうしてこうなってしまうのか。
戸惑う美女に、次々と新たな快感が押し寄せる。
「はああっ……!」
ユリはガクンと仰け反り、後ろで支えるスペンサーの肩に頭を乗せた。
ファモは相変わらず、微妙なマッサージを腿に加えていたが、ルイーズの方がクリトリスを
指で押し潰したのだ。
媚肉の縁をなぞられ、女芯を揺さぶられると、もうたらまらないと言わんばかりに熱い息を
吐きだした。
いじくり回される媚肉からは、はしたない蜜がどんどん零れ、早く何か入れてくれとねだって
いるかのように、その入り口が蠢いている。
サラサラとした体液がとろみのついた蜜に変わり、ユリの股間や腿を濡らしていた。
恥毛で吸い取れる許容量はとっくに超えており、その先からぽたりぽたりと床に垂れ落ちて
いた。
(だ……だめ……こ、このままじゃ声が……声が出ちゃう……)
スペンサーは、肩に乗せられていたユリの顔を右手で押さえると、噛みしめている唇に吸い
付いた。
「んんっ!? んむうう〜〜〜〜っ!」
いきなりの攻撃に、ユリは仰天して目を剥いた。
大きく見開いた瞳の先には、野卑な中年男が自分の唇を貪っている様子が見えた。
まさか唇を奪いにくるとは思わなかった。
「んっ、んんんっ……は、むむっ……んっ、んんんんっ……んっ、んちゅっ……むんっ……」
苦しげに眉を寄せるユリに構わず、スペンサーはその柔らかい朱唇を吸った。
嫌がって頭を振ろうとするものの、男の腕がユリの小さな顔を抱え込んでいた。
歯は噛み合わせていて、男の舌の侵入だけは防いでいた。
しかし男は委細構わず、唇と歯の間に舌を潜り込ませ、盛んに動かしている。
歯茎を舐められる気色悪さがたまらなかった。
「んぐうっっ!」
ルイーズがとうとうユリの中に侵入した。
指を膣の中に挿入したのだ。
強引なキスを振り切ろうと必死になっていたユリは、下半身がまるで無防備だった。
男の太い指が、狭苦しい、しかし充分すぎるほどに潤っていた媚肉を抉り込む。
それを見たファモも、ニヤリとして指を挿入した。
アヌスにである。有り得べからざる場所への淫虐に、ユリはまたも仰け反った。
肛門に走る鋭い痛みでユリが呻く。
その僅かな隙を逃さず、スペンサーはユリの口を割り込んだ。
「あっ!? んむっ……むううっ……んんんんんんっっ……んっ、んじゅっ……ちゅっ……
んちゅっ……むむう……」
男の舌の侵入を許したことで、ユリの気力がガクリと萎えた。
汚らしい舌が、少女の清潔な咥内を汚していく。
強気のユリをして、スペンサーの舌を咬み切ろうとも思わなかった。
まるで別の生き物のような舌の攻撃の蹂躙に任せていた。
頬の裏や上顎、舌の裏。
奥歯の付け根まで舐められつくした。
奥の方で縮こまっている可憐な舌を無理矢理引きずり出され、思い切り吸われた時は、本当に
気が遠くなった。
「んっ、んっ、んん〜〜〜っ……じゅっ……んじゅううっ……ぱぁっ、はあ、はあ、はあ……
あ、あむむっ……」
(す、すごい……こんなキスがあるなんて……ああ……か、感じてきてる……)
呼吸のため数秒口を離されることもあるが、またすぐに吸い付かれる。
信じられないほど長く続いた接吻は、ユリを動転させ、痺れ切らせるには充分だった。
もちろんその間も、若衆たちの責めが止んでいるわけではない。
上半身を受け持ったロックとパゴスは、たっぷりと肉の詰まった美乳を存分に揉みしだき、
肩口も首も脇腹も、およそ舐められるところは全身舐めてやった。
もうユリの皮膚の上で、彼らの匂いのしないところはない。
下半身も似たようなものだ。
足の指の先から臍の辺りまで、ルイーズとファモの唾液がこびりついていた。
特に濡れていたのはもちろん股間で、ここは男どもの唾液だけではなく、ユリ自身が分泌する
恥ずかしい女蜜で溢れかえっている。
その股間のふたつの孔も、今は男の指に占領されていた。
いつの間にか、前の穴の指は三本に、後ろの穴には二本の指が入り込んでいた。
「んむっ……んうううっ……んくっ……」
もうユリは、長く激しいキスだけを気にしているわけにはいかなくなった。
股間を襲う苦痛と激烈な快感に呻く。
胸も形が変わるほどに揉み抜かれ、乳首は腫れ上がって、触られただけでも飛び上がるくらい
痛いし、感じる。
ルイーズもファモも、憑かれたようにユリの穴を抉った。可憐なユリの外見とは対照的な、
挑戦的にすら見える媚肉には、太い指が三本も入り、ねちょねちょとこねくっている。
出し入れするほどに、無尽蔵なくらいに愛液が溢れる。
アナルにも二本の指が立てられ、その穴がいびつになっていた。
おちょぼ口の肛門が指の責めに慣れてくると、すかさずファモがアヌスの周囲をくすぐっていく。
するとそこは、ビクッと脅えたように震え、きゅっと絞まる。
いやでも指を食い絞め、その太さを実感してしまうのだ。
そこを厭きることなくファモが抽送を繰り返している。
激しい動きにも関わらず傷ひとつつかないのは、既にユリの肛門からは腸液が滲み出ていたからだ。
「ぷあっっ……あ、あ、いや、もうっ……」
スペンサーがようやく口を離すと、ユリはたまりかねたように喘ぎだした。
もう我慢するとか、恥ずかしいとか言っている段階ではなかった。
堪えれば堪えるほど、ムリヤリ与えられる快感がどんどん体内に溜まっていく。
身体が自由にならない以上、大きな声で喘いで発散するしかない。
「あはああっっ……ああっ、いっ……ひっ……ひぃっ……あああっ……」
全身を嬲ってくる男たちの性技に、身体中で応えてしまう。
もう片時もじっとしていられない。
むちむちした臀部が床の上で苦しそうにくねくねする。
上下を厳しく緊縛され、ぷりんとまろび出た乳房がゆさゆさと揺れる。
後ろ手の指を固く握りしめ、死ぬ思いで強制的な快感に耐えているものの、足の指はぐっと
内側にかがまったり、上に反り返ったりを繰り返していた。
喘ぐ唇も、わなわなと震えている。
ユリは自分の身体が恐ろしかった。
男たちの野蛮で激しいばかりの愛撫を受け入れ、凄まじいほどの快楽を生みだしてくる肉体が
怖くなった。
それでいて、男たちから与えられる刺激は片時も逃がすまいと、目を閉じて全身をさらして
いる。
乳房、膣、肛門と三ヶ所の性感帯をいっぺんに責められ、頭が弾け飛びそうだ。
クリトリスや乳首を舐められ、乳房をぎゅうぎゅう揉みほぐされる。
膣と肛門の中には、いやらしい指が何本も入り込んで蠢き、内壁を擦り、汁を絞り出す。
ユリが仰け反りっぱなしで「あうあう」喘ぐその口に、再びスペンサーが吸い付いた時だった。
「んんっ!? んくううううううっっっっ!!」
とうとう絶頂まで引き上げられた。
ユリの瑞々しい肢体がビクビクビクッと大きく跳ね、次にガクンガクンと二、三度大きく痙攣
した。
そして全身の力がガクリと抜け落ちたのだ。
腹筋と腿だけが、思い出したようにビクビクと小さく震えている。
強引に気をやらされたユリの美貌を惚れ惚れと眺めながら、男たちが野卑な感想を述べた。
「大したアマですぜ、こいつ」
「まったくだ。オマンコに突っ込んだ指が折れるかと思うくらいの締めつけだった」
「肛門もだ。二本もくわえ込みやがって、いったときに指を持っていかれそうになったぜ」
「今、天国を彷徨ってんだろうな。くく、いい気なもんだ。これから、もっともっといかされ
まくるってのにな。泣いて頼んだって許してやらねえ」
スペンサーたちは顔を見合わせて淫らに笑っていた。
そうとも知らず、ユリは全身を汗と男の唾液、そして愛液にまみれさせて、恍惚とした美貌の
ままぐったりと意識を失っていた。
「ああっ……んぐうううっっ……!」
ユリに休む間は与えられなかった。
視姦、言葉責めでユリを揺さぶり、肉体の芯に火が着いたところで、一気に責め上げる。
見事なほどに息の合った責め口であった。
四人の男たちに絡み取られ、全身を揉み抜かれ、舐め回された。
口を舌で、膣、肛門を指で犯される。これでもかというくらい責め抜かれ、とうとうユリは
恥ずかしい女の絶頂まで晒してしまったのだった。
確かにユリはペッティングが好きではあった。
どうかすると、挿入を伴うセックスよりもそっちが好きだったくらいだ。
だが、ここまで念入りに裸身をいじくられ、揉み抜かれたのは初めてだった。
セックスとはこれほどいいものかと、思い知らされた。
だからこそ、敵の男たちの責めで気をやるまでに追い上げられてしまったのである。
「おまえは無理矢理セックスされるのが好きなんだ」という、スペンサーの言葉が脳裏に響き、
ユリを絶望させる。
絶頂の甘い余韻がまだ身体に残っているに、スペンサーたちはなおも襲いかかってきた。
「うああっっ……」
ロックがユリの中に押し入ってきたのだ。
ユリには信じられなかった。
気をやったというのに、そのすぐ後にいきなり犯されたことなどなかった。
セックスは常にユリ主導だった。
ユリがいき、満足すればそこで終わる。
そういうものだった。
だが、ここでそんなことは通用しそうにないことをユリは知った。
いかされて痛いほどに鋭敏になっている膣の中を、張ったカリで思い切り擦り上げられる感覚
に、ユリは身体を思い切り反り返らせた。
「だ、だめぇぇっ……あ、ああっ……入って……くるぅっ……」
ぐしょぐしょに濡れそぼっているとはいえ、もともと狭いユリの膣に大きなものが埋め込まれる。
その息苦しさでユリは呻いた。
みっしりと隙間がないほどに拡げられた膣口が軋みを上げる。
ロックは、しばらく突っ込んだまま動かず、ユリの媚肉の襞を充分に味わってから、おもむろ
に動き出した。
「くっ……くぅぅ……あ、はああっ……いっ……ううっ……」
ロックはひと突きひと突きをゆっくりと、しかし確実に深くまでユリの中に埋め込んだ。
静かだが、大きく長いストロークで突き上げる。
ずぶぶっ、ずぶっと若者が腰を使うと、ユリの華奢な肢体は突き動かされ、大きな乳房もそれに
合わせてゆさゆさと揺れていた。
「あっ、あくうっ……あっ……ああっ……いっ……はうっ……くんっ……あうっ……」
長大な肉棒が完全に沈み込み、にちゅっ、にちゅっと淫猥な音を立てる。
しばらく大きく動いて抜き差しを繰り返すと、今度は大きく腰を回転させるようにして膣を
拡げにかかる。
ぐっと奥まで入れると、ユリの最も深いところから蜜が滲み出しているのがわかる。
前触れなしの挿入で、いくらか固くなっていたユリの膣は、ゆっくりと揉みほぐすようなピス
トンで段々と柔らかくなっていく。
ロックはさらにほぐそうと、蜜がまとわりついたペニスを操り、襞をこそぐように抉っていく。
「ああ、だめっ……そ、それはあっ……」
「ああ? 何がだめなんだ?」
「お、お腹の奥が……こ、擦られて……ひぃっ……」
ユリの媚肉が、しっとりとロックの肉棒に絡みついてきた。
彼の、若くて硬いペニスにようやく慣れてきたのかも知れない。
それを覚ると、ロックは今度こそ遠慮なしに、グイグイと腰を打ち込み始める。
「うあっ……ひっ……ああっ……きゅ、急にっ……は、激しいわっ……」
男はズンズンと深くまで貫き、自分のカリのエラを誇るかのように、ユリの胎内を削っていく。
強く早くなってきた突き上げに、ユリの動きも大きく激しくなっていった。
ズンと最奥まで突かれると、上へずり上がって逃げようとするのだが、上半身はスペンサーが
抑えている。
羽交い締めするように、両の乳房をがっちりと掴んでいるのだ。
激しい律動に合わせるかのように、スペンサーもユリの乳をぎゅうぎゅうと強く揉んでいる。
(い、いやっ……)
ユリは背中に灼熱を感じた。
スペンサーのペニスだろう。
火傷しそうなくらいに熱くなって、ユリの背中に密着していた。
背中だけの感触なのに、それがいかにたくましくて長大なのかがわかった。
ビクビクと蠢いてすらいる。
恐らくスペンサーは、わざと肉棒をユリの背中に押しつけているのだ。
まるで背中まで男のもので犯されているような錯覚を受け、ユリはいよいよ高ぶってくる。
「ああっ……」
ユリの声が切羽詰まってきた。
いきそうなのだ。
挿入しているロックにもそれはわかった。
さっきから膣の締め上げがきゅうきゅうと強く不規則になってきているのだ。
ペニスに絡む襞はひくついて痙攣している。
ロックはへばりついてくる襞を引き剥がすように肉棒を抜き、そしてまた深くまで突き上げる。
激しい抜き差しで、愛液が周囲にしぶき飛んだ。
「ああ、もうだめっ……あ、ああっ……」
「どうした、いくのか?」
「いやあっ……ああ、あああっ……くうううっっっっ!!」
ユリは口を噛みながらも、大きく背を反らせて激しくいかされた。
ガクガクっと腰が震える。
さらなる収縮がロックを襲い、彼も耐えきれずに射精した。
びゅるんっ。
びゅくびゅくっ。
どくっ、どくんっ。
びゅっ、びゅっ。
「あああっ……ううん……」
胎内にドロドロした熱いものが吐き出され、ユリはその感触だけでまたしても気をやった。
中に出されて絶頂に到達するなど、初めてのことである。
「あう……」
ぬぷっと粘い水音をさせて、ロックのペニスが半勃起のままユリの中から抜き出された。
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