ネルフは、日本に於ける公的機関としては異例なほど女性職員の比率が高い。
無論、名目上は国連下部組織であり、勤める職員たちも国際公務員という肩書きを
得る以上、純粋に日本の役所というわけではない。
しかし、アメリカの第二支部は北米大陸、ドイツの第三支部もドイツで採用を行っ
ており、事実上その部門が置かれている国家が運用していると言っていいだろう。
それに言語の問題もある。
アメリカは英語圏であり、ドイツはヨーロッパ内部より比較的自由に人材を得ている
が、日本にある本部の職員はそのほとんどが日本人によって占められている。
おまけに、職員の半分以上は、いわゆる整備員であり、これは99%男性なのだ。
さらに警備員を除いた管理部門、研究部門の人員は全体の30%いるかいないかと
いったところで、その中に限れば女性の比率は男性を凌駕している。
その理由は、司令である碇ゲンドウと副司令の冬月コウゾウが、ほぼ完全に能力
主義を執っているためだ。
その中で、武官の中心的人物が戦術作戦局作戦部第一課の葛城ミサト三佐であり、
文官代表が技術局第一課の赤木リツコ工学博士というわけだ。
下世話な話だが、このふたりは文武の中心であると同時に、男性職員たちからの
人気という点でも二分している。
だが、ふたりには及ばぬにしても、じわじわと高い評価を得つつある女性もいた。
伊吹マヤ二尉である。
ルックスも良く、人当たりも良いため、もてることはもてる。
しかしながら、誰がいくらモーションをかけても一向になびく様子がない。
それどころか、あまりしつこいとかえって毛嫌いされる。
といって、浮いた噂ひとつないのだ。
多分にやっかみも入っていたろうが、一説には「レズなのではないか」とすら言わ
れていた。
だが、これは半分当たっている。
マヤ自身、ほとんど男性に興味はなかった。
男よりは仕事と思っていた。
リツコが見込んで連れてきた大学の後輩ということもあり、切れ者が揃った技術局
内でもその優秀さは抜きん出ていた。
マヤは第二東京大学、つまり通常の国立大学出身であり、しかもまだ卒業して2年
しか経っていない。
ネルフ入局と同時に三尉に任官し、この歳で二尉というのは、防衛大学出身者並み
の昇進速度なのだ。
そのくせ、リツコのような秀才臭さもない。
人気が出るのは、ある意味当然だったろう。
そのマヤが仕事に情熱を注ぐ元が、先輩の赤木リツコだったというわけである。
マヤも、ミサトやリツコと同じく、マンション住まいである。
今日は非番であり、珍しく客が来ることになっていた。
マヤは鼻歌を歌いながら、室内を軽く掃除している。
元々がきれい好きだから、そう取り繕って大掃除することもなかった。
テーブルを拭き、来客用のクッションを用意する。
客と言っても、毎日のように顔を合わせている相手だ。
リツコがシンジを連れて、珍しく訪ねてくるというのだ。
どういう経緯でシンジが来るのか、その点はわからなかったが、そんなのは些細な
ことだ。
マヤにとって、憧れのリツコが部屋に遊びに来てくれるというだけで舞い上がり
そうなくらいだった。
そうこうしているうちに時間が来た。
チャイムが鳴る。
「はぁい」
明るい返事をしてマヤが玄関口に走った。
監視カメラにはリツコとシンジが映っている。
「今、開けます」
というと、マヤはロックを外した。
「いらっしゃい」
「……」
マヤは優しく微笑んだが、なぜかリツコは俯き気味で無言だった。
「ど、どうも……」
代わってシンジが、やや遠慮がちに挨拶する。
少々おかしな雰囲気だったが、マヤはふたりを招き入れた。
応接間に案内すると、キッチンへ向かった。
「ちょっと待っててください。お茶煎れますから」
「あの、おかまいなく……」
「かまって欲しくても、ケーキくらいしか用意してないから期待しないで」
シンジの言葉を軽くかわしながら、マヤは小走りで出ていった。
部屋に残ったシンジはあたりを見回す。
清潔なマヤらしい、小綺麗な部屋だ。
カーテンやクッションにフリルやレースものが目立ち、飾ってあるぬいぐるみの
趣味を見ても、想像通りの少女趣味のようだ。
リツコは、観察しているシンジの様子を落ち着かな気に見ている。
それに気づくと、シンジは薄く笑ってリツコを見た。
「どうしたの、リツコさん。そんな顔しちゃって」
「あ……あなた、ホントにマヤにまで……」
「なに?」
「マヤにまで……ひどいことするつもりなの…」
「ひどいったって……。リツコさん、けっこう悦んでたじゃない」
「やめて!」
おぞましい記憶が甦り、リツコはぶるぶると頭を振りたくる。
こんな少年に、身体を好きなように弄ばされて……。
しかも、その責めに身体が感応してしまった。
それだけならともかく、その痴態をビデオで撮影された。
おまけに、それを脅迫材料に、こうしてマヤまでシンジの毒牙に晒さすはめになった。
犯され、証拠を撮られた時点で自殺も考えたが、これまでの研究成果やゲンドウに
対する想いまで無にしたくはなかった。
公にされればシンジだってタダでは済むまいが、リツコも社会的に抹殺されるだろう。
それに、シンジには代替がない。
初号機はシンジでなければシンクロしないし、ダミー・プラグなど論外である。
しかも、ネルフの真の目的のためには初号機は不可欠なのだ。
つまりシンジも不可欠だということだ。
であるならば、今回の件が問題になっても揉み消され、シンジはお咎め無しという
ことも十分に考えられる。
最悪の場合、現状維持と言うこともある得るのだ。
リツコやミサトは、このままシンジの情婦として放置されるということだ。
そしてマヤも。
そう考えるとリツコはゾッとした。
いくらミサトやリツコが優秀とはいえ、替えはいるのだ。
シンジにはそれがない。
よく考えれば、シンジがそのことを武器に今まで好き勝手な行動をしなかったこと
自体、不思議といえば不思議なのだ。
シンジの、大人しく控えめな性格がそうしていたわけだが、リツコたちもそれが当
然と思っていた。
化けの皮が剥がれるなど、思ってもみなかった。
子どもだと思っていたのだ。
それが大間違いだったと知った時は、もはや手遅れだった。
「リツコさん、わかってるよね」
「……」
「おかしなマネはしないでよね。黙って見てるだけでいいんだから」
その時、マヤが戻ってきた。
トレイにガトー・ショコラのショートケーキと紅茶を載せている。
「お待たせしました」
マヤがにこにこしながら配膳する。
ティ・ポットから紅茶を注ぎ終わると、ぺたんと座った。
シンジはその様子を観察する。
ミサトたちに比べれば小作りだが、小柄というほどではない。
髪はボブで、さほど手入れをしている方ではないが、それがマヤによく似合って
いる。
シンジにはよくわからなかったが、今日のファッションはステューシーシスタで
まとめている。
ブルーのジーンズショーツからすらっと伸びている健康的な脚が印象的だ。
タンクはベージュのノー・スリーブで、すべらかな肩もきれいに処理した腋も晒し
ている。
着ているものも髪もボーイッシュなのだが、若くて張りのある肌と、時おり香って
くる薄い女の匂いが、服装との同期を激しく拒絶している。
シンジとは別の意味で子どもっぽいのだが、外見が違う。
本人は「女」を意識していなくとも、その顔やスタイルは女性を主張して止まない。
マヤ自身が無頓着な分、ちぐはぐになりがちだが、かえってそのアンバランスさが
彼女らしい魅力になっている面もあるのだ。
マヤは、リツコが来てくれて舞い上がっている分、浮かれ気味で話していたが、
そのリツコがあまり気のない様子なので不審に思った。
怪訝そうにリツコを見ながら聞いてみる。
「あの、センパイ…。どうかしました?」
「え……?」
「なんだか……あまり気が進まないっていうか……ぼーっとしてるみたいな……」
「……」
口を開きかけたリツコの手をテーブルの下でつかみ、シンジが言った。
「あ、実はですね、マヤさん。今日うかがったのは、僕の用事なんですよ」
「シンジくんの?」
マヤはちょっと意外そうな顔でシンジを見た。
実のところ、マヤが自分のマンションに男性を入れたのはシンジが初めてである。
男を入室させるなど考えたこともなかったが、マヤにとってシンジは「男」では
なかったのだ。
男まで届いていない存在、つまりは「子ども」である。
故に、仮にシンジがひとりで訪れたとしても、マヤは恐らく中に招いただろう。
シンジを警戒すべき対象、つまりは「男性」として見ていないからだ。
そのシンジが、自分にどんな用件があるというのだろうか。
「なんなの? それ、赤木センパイも関係あること?」
「ええ、あります。だから一緒に来てもらったんで」
「へえ……。なに?」
「こういうこと!」
シンジはそう叫ぶと、ズボンのポケットからカッターナイフを取り出し、素早く
リツコの首筋に当てた。
「!」
リツコが声にならない悲鳴を上げる。
「きゃあ!」
あまりのことに、マヤは悲鳴を出すと、後ろ手をついて後じさった。
何が起こったのかよくわからない。
「な、なにを……なにをしてるの、シンジくん……」
「なにって、こうして……」
「ひっ」
喉元にスッと薄く切り傷を入れられたリツコは、怯えたような声を出した。
その声を聞いてマヤも恐怖する。
「やっ、やめてっ!」
「いいですよ」
シンジは素直にカッターを離した。
当然ながら、本気でリツコを傷つける意志はない。
これでうまくいかなくても、リツコを切り刻んでまでマヤを手に入れたいとは思って
いない。
また別の手段を考えるだけのことだ。
思いの外、シンジが言うことを聞いたのでマヤもホッとしていると、彼はとんでも
ないことを言った。
「でも条件があります」
「条件……?」
「マヤさん、服脱いでくれません?」
「え……」
「服ですよ。着ているものを脱いで欲しいんです」
「な、なにを……」
「ダメならこうです」
「あっ」
シンジは再びナイフをリツコに突きつけた。リツコは怯えたように、というよりは
ほとんど動く意志がないようにすら見える。
それでもマヤには十分な脅迫である。
「だめ、シンジくん、やめて……。わかったわ、脱ぐから……」
それを聞くと、今度はリツコが正気に返ったように叫んだ。
「だめよ、マヤ! ああ、こんな子の言うことなんか、聞いちゃだめ!」
「こんな子?」
シンジの目が冷たく光った。
「よくそんなことが言えますね、リツコさん。その「こんな子」に抱かれて悩ましい
喘ぎ声を上げてたのはどこの誰です?」
「言わないでっ!」
「ど……どういうことなんです、センパイ……」
「ま、それはあとでじっくり教えますよ。じゃあ早速」
「……」
すがるような目で少年を見つめたマヤだが、シンジの瞳に表情がないのに気づいた。
何を言っても通じないような気がする。
観念したように、のろのろとマヤは立ち上がった。
脱ぐのを拒否することも、逃げ出すことも可能だったろう。
しかし、リツコをこのままにして逃げるという発想だけは出なかった。
助けられるのなら何とか助けたかった。
「早く」
「……」
早くと言われても、身につけているものはシャツにパンツだけだ。
その下はインナーである。
タンクトップに手をかけると、ゆっくりと頭から抜いた。
ストラップレスのブラをしていた。
シャツと同じく、色はベージュだ。
「へー、ずいぶんと不用心なのをしてるんですねー。こんなの、すぐに外れちゃう
んじゃないですか?」
「……」
マヤは返事もせず、パンツを下ろした。
下からは、これもベージュのショーツが出てきた。
前後を布で覆い、足ぐりは浅く、レースになっている。
マヤは恥辱でぷるぷると震えている。
人前でこれだけ肌を晒すなど、入浴以外では初めてだ。
それも男の前である。
マヤはこの時初めて、シンジを男として意識した。
単に思春期の男の子の好奇心というだけならいい。
まさかとは思うが、シンジは自分の身体を狙っているのではなかろうか。
「……」
シンジはマヤの下着姿に見とれていた。
ミサトやリツコのように、30歳の熟れきった女の肢体もよかったが、24歳という
マヤの色づく直前の女の身体も、なかなかそそるものがあるではないか。
リツコの身体は、ミルクを溶かし込んだようなまさに乳白色といっていい白く色の
ついた身体だったが、マヤのそれは肌が透けて見えるような白さだった。
ごくりと喉を鳴らすと、マヤに先を促した。
「それだけじゃないでしょう? 下着もとって」
「いや……」
「シ、シンジくん、それは許してやって……」
「リツコさんは黙って。マヤさん、早く。じゃないとリツコさんが……」
「わ、わかりました、だからやめて!」
マヤは叫ぶように言うと、目を固く閉じて顔を振った。
もうどうしようもなかった。
震える手を背中に回し、ホックを外す。
左腕で巧みに胸を隠し、右手に持ったブラを床に落とした。
そして、すがるようにシンジを見やったが、彼は顎をしゃくって下も取るように
言っている。
マヤは軽くため息をつき、諦めたように右手をショーツにかける。
さすがに正面では脱げず、後ろ向きで脱ぎ捨てた。
「も、もうこれで許して……」
「それで許してちゃ、何しに来たかわかりませんよ」
シンジはそう言うとニヤリと笑った。
「じゃあ、こっち向いてください」
「お願い……」
「早く」
「……」
おずおずとマヤはシンジたちの方へ向き直る。
リツコは悲しげに顔を背けた。
マヤは左腕で胸を覆い、右手で股間を隠している。
マヤは恥ずかしさと恐ろしさで細かく身体を震わせていた。
頬には涙が伝った。
シンジは、マヤの意外なほど豊かな裸身に息を飲んだ。
何しろ、ミサトやリツコというグラマーが常に側にいるのであまり目立たないの
だが、なかなかどうしてマヤのヌードも魅惑的だった。
ミサトたちほど脂が乗っている感じではないが、その分、若い肌が張っている。
バストも想像以上にまろやかに張っており、85くらいはあるのではなかろうか。
それ以上にそそるのは、その形状の見事な尻だ。
ミサトなどは、さすがに年齢的なこともあり、やや垂れ加減だったが、マヤのそれ
は見事にグッと上がっている。
下着による補正のヒップアップなど微塵も必要にないのだろう。
「ああ…」とすすり泣いているリツコを見てシンジは我に返った。
そして、今度はバッグから手錠を取り出すとリツコの手にかけた。
「あっ……」
リツコは声を出したが、シンジはかまわず両手を拘束し、さらにもうひと組みの
手錠を出すと、今度は細い足首にかけた。
そしてそれらのチェーンにビニール紐を通してしまった。
リツコは身体を「く」の字に曲げられ、動きを封じられた。
「ま、また、こんなの……」
「心配しないでいいよ、リツコさん。今日はリツコさんには何もしないから」
「……」
「まだ完全にリツコさんを信用したわけじゃないからさ、邪魔しないで欲しいだけ。
今日の獲物はマヤさんだから」
シンジの行動と発言を、信じられぬような顔で見ていたマヤは、本能的な恐怖を感じ
てへたり込んでしまった。
そして無意識に後ずさり、シンジから逃げようとした。
気配を感じたシンジは振り返り、マヤを部屋の隅に追い込んだ。
「いやああっ」
マヤは大きく叫んで、腹這いで逃げようとしたところを背中からシンジに押さえ込
まれた。闇雲に暴れたつもりだったが、もともと頭脳労働者で体力もない。
簡単に自由を奪われてしまった。
「やめて、離して!」
膝の下でもがくマヤの腕を取ると、これも手錠を嵌めてしまった。
後ろ手に手錠されたマヤを仰向けにひっくり返すと、今度は足首をロープで縛った。
そして、そのままお姫様抱っこをしてベッドルームに運び込み、寝台の上に投げ出
した。
手足の自由を奪われたマヤは激しく身を揉んだが、芋虫が蠢くほどにも動けなかった。
リツコも引きずるようにして部屋に引っ張って来た。
「ふう」
いかに体力で優っているとはいえ、身の危険を感じで大暴れする若い女性を押さえ
るのは容易なことではない。
さすがにシンジも一息ついて座り込んだ。
マヤも胸を上下させて息をついている。
額にはうっすらと汗さえ浮かんでいた。
薄くかいた汗のせいか、マヤの全身から薄甘い香りがした。
もしかすると、これが処女の香りなのかも知れないと思った。
ミサトやリツコは、見た目も匂いも大輪の花のような濃厚な感じだった。
しかしマヤは、控えめに咲く百合のようなイメージがある。
いじらしさが滲み出ているマヤの寝姿に、シンジはたまらず寄り添うように寝ころ
んだ。
マヤは精一杯の抵抗で、シンジから必死に顔を背ける。
シンジはマヤの身体に鼻を寄せ、くんくんと無遠慮に匂いを嗅いだ。
少しも厭な匂いがない。
腋の汗すら香しかった。
すっかり欲情したシンジの股間は、狭いズボンの中で行き場をなくして大きく盛り
上がっていた。
それに気づくと、シンジはおもむろに立ち上がり、自分も脱ぎ始めた。
ワイシャツを脱ぎ、ズボンを下ろすと、すっかり逸物は立ち上がっていた。
トランクスの先は、もう先走り汁で粘ってさえいた。
シンジは己の肉茎を握ると、誇示するようにマヤに示した。
「マヤさん、ほら」
「ひっ……」
シンジに呼びかけられて恐る恐る見てみると、太い男根が屹立していた。
それはマヤが知る「おちんちん」のイメージとはかけ離れた、まさに肉の凶器と
いった感じがした。
「あれ? もしかして見るの初めて? そうじゃないかとは思ってたけど……」
シンジは嬉しそうに言った。
そして、青ざめた表情で唇を震わせているリツコに聞いてみる。
「ねえリツコさん、マヤさんてやっぱ処女かな」
「しっ…知らない……」
シンジは目を細めてつぶやく。
「ふーん。じゃあ確かめてみるかな」
そう言うと、マヤの裸身に覆い被さっていく。
「いっ、いやあっ……」
「だめ、シンジくん、やめて!」
マヤの悲鳴にリツコも絶叫で反応する。
シンジもすぐに動きを止めた。
「じゃあ答えてよ。マヤさんて処女?」
「わ……わからない…けど……多分……」
「早くそう言えばいいのに」
今度はくるりとマヤの方に向いた。
マヤはまだ顔を伏せてシンジの方を見られない。
シンジはのしかかったままマヤに訊く。
「リツコさんはああ言ってるけど、実際はどうなんです?」
「……」
無論、マヤに答えられるはずがない。
しかしシンジがそんなマヤを許すはずもなかった。
「答えなきゃどうなるかわかるでしょう?」
そう言って、右膝を器用に使ってマヤの脚を割りにかかった。
犯される恐怖にマヤが絶叫する。
「やめてっ!!」
「……」
「お願い、ああ、やめてシンジくん……」
「やめて欲しければどうするかわかるでしょう」
マヤは固く噛んでいた口を開け、震える唇で答えた。
「ああ……ま…まだ……です……」
「ヴァージンなんですか」
「は、はい……」
シンジは満足そうにうなずくと、一端マヤから離れた。
そして全身を舐めるように見渡してから言った。
「マヤさん、24歳ですよね」
「……はい」
「珍しいですよね、今時その年齢まで処女を守ってるって」
「……」
マヤは悲しげな瞳を、拘束されているリツコに向けた。
リツコも涙で濡れた瞳で見返している。
その様子を見ながらシンジは、今さらながら例の噂を思い起こした。
これは本当にマヤはレズっけがあるのかも知れない。
しかも憧れの相手はリツコに間違いない。
もちろんリツコはノーマルだから、仮に告白されたところで応えはしないだろう。
マヤもそれがわかっているから自分から言うこともないのだろう。
シンジもそういう意味ではノーマルだから、別にリツコとマヤのレズシーンを見た
いとは思わない。
双方ともに調教が進めば、リツコ&マヤで3Pというのは楽しいだろうが。
そのためにもマヤにも男に目覚めてもらわねばならない。
せっかくリツコがいるのだから、彼女をダシにして責めてやろうと思っていた。
シンジは、身を縮めて脅えているマヤを見て、猫撫で声を出して言ってやった。
「そう怖がらなくていいですよ。なるべく優しくしてあげますから」
「……」
マヤは目眩がするようだった。
やはりシンジは自分を強姦する気でいるらしい。
誰のためにと思って守ってきた処女ではなかったが、こんな形で奪われたくはなか
った。
「いや……」
シンジはマヤにそっと近づくと、ゆっくりとその裸身を自分に引き寄せた。
シンジは両手を伸ばすと、まだ誰にも触れられたことのないマヤの胸乳を覆った。
「あっ……」
マヤはわずかに身悶えたが、こうなってしまっては抵抗も無意味と知ったのか、
なるべくシンジに背を向けるようにして耐えている。
シンジの手のひらに、マヤの丸い乳房が直に感じられる。
とろけるように柔らかかった肉球を、シンジは絞るように揉み上げた。
「ん……」
マヤはシンジの暴虐に必死で耐えている。
時折、敏感な急所に触れることもあったが、その感覚をかみ殺すように口を噛み
しばっていた。
シンジは、ミサトたちのように荒々しくは揉まず、やわやわと円を描くように回し
揉んでいる。
中指で下乳を擦ったり、親指と人差し指を使って乳輪や乳首を虐めると、マヤは
たまらずに舌足らずの悲鳴を上げた。
しつこいほどにマヤのバストを責め立てていると、彼女の意志とは関係なく、身体
に変化が起き始める。
まずは乳輪がぷくりと膨らんできた。
乳首をこりこりとしごいてやると、その硬さが徐々に顕著となった。
そして股間。
マヤは腿を閉じ合わせてもじもじしている。
これはお腹の奥の方が熱を持ち始め、潤んできたことを感じているからだ。
僅かずつではあるが、肉の割れ目から液が滲み始めている。
マヤは自分の身体の状態に動転する。
濡れているのか。
シンジに無理矢理犯されかかっているのに濡れているというのか。
いや、これは身体の防衛反応に違いないのだ。
無理に乱暴されると、膣を裂傷から守るために液で湿ってくるという話を聞いた
ことがある。
これもそうに決まってる。
しかし、そう思う裏腹に、シンジが胸に加えてくる刺激で、ジーンと腹の奥が響く
ことがあり、マヤをますます困惑させるのだった。
それでも精一杯の気勢を張ってマヤは叫んだ。
「も、もうやめてっ! こんなの、いやっ」
「いやだなんてそんな。気持ちいいでしょうに」
「いやよ、不潔だわ。触らないで!」
「不潔って……」
シンジが苦笑する。
処女にはよくあるタイプだが、セックスそのものを不浄として忌み嫌うのかも知れ
ない。
少々、度の過ぎた感のある潔癖性のマヤだから、予想のつかない事態ではない。
しかし、この手の女は、逆に性行為に並々ならぬ興味を持っていることも少なくない。
そして、そういう自分を嫌悪しているため、余計に汚らわしく映るのだ。
「男と女なら、誰だってすることじゃないですか」
「いや、私はいやっ」
「……」
シンジは少々方針を変えることにした。
最初は多少無理押しでも犯してしまえば何とかなると思っていた。
ミサト然り、リツコ然りだ。
マヤは手間取るのではないかと思っていたが、案の定である。
ならば内面から崩して行くことにする。
「マヤさん」
「……」
「そんなにセックスって不潔ですか」
「……穢らわしい。いやらしいわ」
「じゃあマヤさんはセックスに興味ないんですね」
「……。ない」
シンジはニヤリとリツコの方を見て言った。
「ウソでしょう。男には興味なかったかも知れないけど……」
「……」
「リツコさんにも興味ないですか?」
「!」
マヤは一瞬ハッとしてリツコに目をやったが、すぐに顔を伏せて目をつむった。
シンジはそんなマヤに近づき、股間を覗き込む。
「リツコさんのこと……好きでしょう?」
「……」
「どうなんですか」
答えないマヤに、シンジは乳首を指で抓ってやる。
愛撫され、勃起してきていた乳頭をつぶされた痛みで、マヤは固い口を割った。
「いっ……!」
「答えて」
「……。す、好きです…」
黙っていれば、また乳首を苛められると思ったマヤは、ようやくそれだけ答えた。
シンジは畳みかける。
「どんな風に?」
「ど、どんな風にって……。せ、先輩として…」
「またウソ」
再びぎゅうっと乳首を捻る。
乳首がもげそうな激痛で、マヤは目を見開いて悲鳴を上げた。
「痛いっ! それ、やめて……」
「だったら正直に答えるんです」
「……」
「だんまりですか。また乳首を捻られたいの?」
「わっ、わかりました!」
「で?」
「その……す、好き……です…。じょ、女性として……も…」
「それでいいんです」
シンジの手がようやく胸から離れたが、ホッとする間もなくマヤは青ざめる。
彼は股間に手を伸ばしてきたのだ。
うっすらと生えた陰毛を撫でるようにさすると、マヤの背に悪寒が走る。
「やめ、やめなさい、シンジくん! だめ、そこはだめ!」
秘部をまさぐられる恐怖に処女が叫ぶ。
責めるシンジの方は余裕綽々だ。
とても14歳とは思えなかった。
10歳年上だが男の肌を知らぬ乙女と、まだ中学生だが既にふたりの熟女を手玉に
とった少年では、年齢差による優越はなかった。
「ねえマヤさん」
「…やめて……」
「リツコさんのこと考えて、ここいじったことある?」
「……え…」
「はっきり言わないとわかんないかなあ。だからリツコさんを想ってオナニーした
ことありますかって訊いてるんだけど」
「……」
たちまちマヤは首筋まで真っ赤に染まった。
シンジは軽く失笑してしまう。
これほどわかりやすい反応をする女も、そうはいないだろう。
「そっか。あるんですね」
「……」
「マ、マヤ……」
マヤは必死に顔を背け、目を固く閉じている。
唇を、血が出るくらいに噛みしめていた。
そんなマヤを、リツコが複雑な表情で見つめている。
ふたりの様子を面白そうに見やったシンジは、マヤの恥毛に軽く指を絡ませながら
訊く。
「どうやって、です?」
「……」
「どうやってオナニーしてたんですか?」
「……」
マヤは、信じられぬという顔で少年を見た。
なぜそんなことを言わねばならないのか。
シンジは、いやらしくにやけるというよりは、ごく普通に微笑んでいるように見える。
それがマヤには怖ろしかった。
「こうですか」
「うあっ……」
シンジがいきなりクリトリスを指で摘んだので、マヤは思わず声が出た。
さらに指でクリクリといじってやると、マヤは腰を揉んで抗った。
「きゃあっ……だめ、いやあっ……あっ、そんな……うああっ…」
「大騒ぎしないでくださいよ。こうしてるんでしょ?」
マヤは激しく首を振って否定した。
「じゃ、どうしてたんですか?」
「……」
「言わないと……」
「いやっ……。そ、そんなことは、しません……」
「なら、どうやってたんですか」
「も、もっと、優しく、です……」
「?」
「ゆ、指なんかじゃなくて……」
「ああ」
そこでシンジは合点がいった。
「そうか、こうですね」
「ああっ」
少年は手のひらをかざして、クリトリスの先っぽを撫でるように愛撫した。
掌全体を使って、敏感な肉芽をさするようにしていたのだろう。
性経験がなく、それでいて鋭敏な性感を持っているこの娘は、これだけでも十分な
快感を得られたに違いない。
これに胸を揉んだりして高めていったのだろう。
その証拠に、シンジがその愛撫を繰り返していると、マヤはもどかしそうに腰を
うねらせきた。
「あ……あ、あん……」
「艶っぽい声になってきましたね。ほらほら、リツコさんも見てますよ」
「やあっ……せ、センパイ、見ないでくださいっ」
「マヤ……」
リツコに秘密を知られ、恥ずかしい姿を見られていると思うと、マヤはたまらなく
なった。
そんな様子を見て、シンジは人の悪そうな笑顔を浮かべる。
「リツコさん」
「……」
「ねえリツコさんてば。リツコさんが僕にどうされたのかマヤさんに言ってみてよ」
「……」
「そうすればマヤさんも覚悟が出来るかも知れないから」
「い……いやよ…」
「そう」
シンジはあっさりと引き下がり、マヤにのしかかった。
「じゃあ仕方ない」
「な、やめなさい、シンジくん!」
リツコが慌てて叫んだ。
マヤだけは、この少年の毒牙にかけてはならない。
もう自分は散々穢された身で、どうなってもいい。
だけど、この無垢な後輩だけは救いたかった。
「じゃあ……」
「わ、わかったわ……」
リツコは後ろ手に手錠され、床に転がされたまま言った。
なるべくマヤの方を見ないよう、首を曲げた。
「マヤ……。わ、私はね……シンジくんに……ご、強姦された…の……」
「強姦?」
シンジがリツコを覗き込んで言った。
「それはあんまりですよ、リツコさん。最初は確かにそうだったかも知れないけど、
だんだんと感じ始めて、終いには中出しまでねだったくせに……」
「言わないでっ!!」
リツコはブロンドの髪をぶるぶる振って言った。
屈辱のためか、閉じた目尻に涙がにじんでいる。
マヤは、尊敬する先輩の信じられぬ告白を聞いて、夢見がちだった大きな瞳をいっ
ぱいに拡げている。
ショックのせいか、唇も痙攣していた。
シンジは双方の女を見比べながら、リツコを促した。
「もっと詳しく言ってよ。具体的にどうされたのか、とか」
「……」
リツコはもう観念している。
どう抗っても、結局はずかしいことを言わされてしまうのだ。
無理に拒否でもしようものなら、いっそうひどいことをされるかも知れない。
また、マヤの身体への暴虐を先延ばしに出来るのも、これだけだ。
「シ、シンジくんは……私を……お、犯して……。か、身体をロープでぐるぐるに
縛り上げたの……。そこに……ああ…」
「そこに?」
「……。定規で叩かれたりして……。さ、最後に、何度も何度も……凌辱した……
わ…」
「凌辱じゃなくて。具体的にどうしたんだっけ? もうプレイ中に何度も言ったじゃ
ない」
「く……。私の……オマ…オマンコに……硬い…ペニスを突っ込まれ……て……、
な、何度も射精されたのよ……」
シンジは軽くうなずいた。
「そんなとこですね。マヤさんも、これからそうされるわけ。わかった?」
「……」
マヤは口もきけなくなった。
リツコの告白を聞いて、顔色は赤くなったり蒼くなったりして、その心的動揺が
見て取れた。
シンジの方は、リツコの話の間にもマヤの身体をいびり続けていた。
マヤはそれどころではなかったが、それでもシンジに嬲られる身体は、そのこと
すら刺激になって、より貪欲に愛撫を求めるように熱くなっていった。
さすられ続けるクリットは赤く充血し、先端部が皮から見えてきている。
たまにシンジの手が女の割れ目に触れると、しっとりと濡れている陰毛から、愛液が
こびりついてきた。
ときおり揉まれる胸は息づき、その谷間にはうっすらと汗をかいていた。
充分に膣が濡れてきたことを確認したシンジは、人差し指を使ってマヤの割れ目を
くつろいだ。
何層にもなった襞も濡れそぼち、ひくついている。
そして、おもむろに指先を入れようとした途端、マヤが張り裂けんばかりの悲鳴を
上げた。
「いっ、いやあああああっ!!」
「…びっくりしたなあ、もう」
その悲鳴に驚いたシンジは、思わず手を引いた。
「そんなに嫌がることないでしょう。指くらいなら大丈夫はなずですよ、マヤさん
だって自分の指を使ったことあるでしょうに」
マヤは懸命に首を振った。
シンジは「へぇ」という顔をする。
「そうですか、まだ指も入れたことないんだ……。でも平気ですよ、タンポンくらい
入れたことあるでしょう? なら……」
「入れません! 私、ああいうの怖くって……」
今度こそシンジもびっくりした。
「ホントに……? こりゃ、ますますもって正真正銘の処女ってことか」
「……」
生理用品すら怖がって入れられないとなると、ペニスを入れるなんて言ったら卒倒
しかねない。
そういうのを、手をかけて堕とすのが楽しいという男もいるのだろうが、さすがに
シンジにはそこまでの余裕はなかった。
ミサトにしろリツコにしろ、それなりに男性経験もあり、言ってみれば「練れた女」
なだけに、一端、ことに及んでしまえば先に進むのは楽だった。
シンジは、性の技巧という点では当然まだ未熟だが、それを補って余りある知識と
小道具、心理責めで屈服させてきたのだ。
ところがこの女はそれが通用しそうもないのである。
それならどうするか。
身体自体はかなり敏感なようである。
しかし、膣に挿入したら、破瓜の出血や激痛、喪失感が大きすぎて、セックスその
ものを今以上に恐れてしまう可能性があった。
シンジはハタと思いついた。
ミサトを羞恥地獄に堕とした手段でいけばどうか。
尻責めである。
ここなら破瓜も出血もない。
ただ、浣腸のようなハードなものはやはりまずいだろうし、精神的に毀れてしまい
かねない。
屈服させるのが目的だが、毀してしまっては意味がない。
シンジはそこまで考えると、右手で逸物を持って、わざとブラブラさせてマヤに見せ
つけた。
「そうなら、こんなものが入るとなったら、マヤさん卒倒しちゃうかもね」
「い……いや……」
「いやったって、これが目的なんだけどなあ」
「絶対にいやですっ」
泣き叫ぶマヤに、リツコも呼応する。
「お、お願いだからシンジくん……マヤには…マヤには何もしないで」
「泣かせるなあ、リツコさん。麗しい師弟愛ってとこですか」
「……」
「それとも、さっきのマヤさんの告白で、「抱くなら私が」ってわけ?」
「なっ……何を言うの、この子は!」
「ま、いいや」
シンジは思わせぶりにリツコとマヤを見やった。
「それほど言うなら、マヤさんの処女は守りましょう」
「……」
「でも、このままじゃ僕も収まらない。オマンコを犯すのはやめるから、他をいじる
のはいいでしょう?」
「いやですっ」
「いやなら、ほら」
そう言って、シンジがマヤの股間に入り、肉棒を割れ目に押し当てると、マヤはそれ
こそ喉が張り裂けそうな悲鳴を出した。
「いっ、いやああっ!!」
「ね。わかった?」
マヤは必死にうなずいて見せた。
シンジはちらりとリツコに視線をやると、マヤへは心配そうな目を、シンジには睨み
殺らんばかりの瞳を向けていた。
シンジはちょっと考えたが、リツコを引きずってベッドルームから追い出してしま
った。
抗議の声を上げたリツコだったが、マヤが嬲られるところを見たいのかとシンジに
囁かれると、がくりと俯いて大人しくなって従った。
その様子を見ていたマヤは複雑な表情を見せた。
憧れの先輩に恥を晒す姿を見せなくて済むという安心感と、味方がいなくなる不安が
ない交ぜになっているのだ。
シンジは無言でマヤの股を覗くように屈んだ。
「……」
どこを見られているのか想像するだけで、マヤは気を失いそうになる。
心の大事な部分が欠けて奈落に抜け落ちていくようだ。
「きゃあ!」
そのマヤの身体に活が入った。
シンジが突然、アヌスをいじくりだしたのだ。
思いも寄らぬ箇所への攻撃に、マヤはすっかり動転した。
「なっ、どこを触ってるの、シンジくん!」
「どこって、肛門ですよ。マヤさんのお尻の穴」
「そっ、そんな……だめ、そんなとこ!」
シンジはこそこそとくすぐるようにマヤの菊座を撫でた。
シンジの細い指がなぞるたびに、固く閉じ込まれた肛門がふるふると震えるように
反応した。
さらに、中に潜り込もうともぞもぞと蠢くと、マヤはたまりかねたように糾弾した。
「やめてっ! き、汚い!」
「汚いのはお尻の穴の方で、僕の指は綺麗ですよ」
「触らないで! け、穢らわしいわ」
シンジが丹念に肛門を揉み込んでいくと、固く締まっていたマヤのアヌスも、ふっ
くらとほころびかけてくる。
その、もぞもぞした感覚は、汚辱感とともに訳の分からぬ気怠さを伴ってマヤを
襲った。
「ああ……うっ……だ、だめ……」
時々、指を伸ばして、濡れてきていた膣から蜜を取り、それを肛門に塗りつけるよう
にして擦った。
ぬるぬるとした感触で盛んに摩擦される敏感な粘膜は、いつしかカッカと燃えるよう
な熱を持ち始めていた。
頃合いと見たシンジは、とうとう指先でマヤの腸内に入り込んだ。
あれほど固かった菊門は、あっさりと言っていいくらいにシンジの指を飲み込んで
しまった。
「あう!」
ピリッという鋭い痛みが走り、シンジの指がお尻の穴に入り込んだことを知った
マヤは気死しそうになる。
不浄の穴をいびられ、指まで入れられた。
それだけでマヤは汚辱感で失神するかと思った。
「ううっ……ああああ……」
シンジのいびる肛門が、まるで脳神経に直結しているかのようにマヤには感じられた。
彼の指が中に入り込み、襞を刺激するたびに、凄まじいまでの刺激がマヤの背筋を
駆け抜け、頭蓋の中で炸裂する。
「うあ! ……ああ、お願い……うんっ……ひ……」
肛門からじわじわとわき上がってくる感覚に、マヤは呆然とする。
その感覚に浸っていると、いつしかドロドロの粘液の海に沈み込んでいくような錯覚
に囚われ、何かにすがりたいと思うマヤだった。
ハッと我に返り、嫌がって肛門の括約筋を引き絞ると、シンジの指をしっかりと感じ
取ってしまうことになり、マヤをいっそう戸惑わせる。
また、シンジがその締まった時にぐりぐりと指を捻るものだから、菊座に走る刺激は
いっそう烈しいものとなった。
「っ……! ……いっ……んんっ……」
マヤの声色が妖しいものになりつつあったが、シンジは焦ることなくゆっくりとマヤ
の性感をほじくり出していった。
シンジの指に肛門を嬲られるたびに、マヤの五感が痺れ、ほとんど陶酔といっても
いい恍惚感を味わっていた。
それが、生まれて初めて味わう、はっきりとした快感だとマヤが知るのはまだ先の
ことだ。
「あ、いやっ……くう……」
シンジがゆっくりと指をピストンし始めると、倍増する快美でマヤは背を仰け反ら
せ、悶えた。
想像以上の感度の良さに、シンジはこのままアヌスを責め続けることにした。
最初は、クリトリスやバストも合わせて愛撫し、快感を高めてやるつもりだった。
しかしあれだけ嫌がった尻への責めだけで、こうも早く崩れつつあるということは、
アヌスに関してよほど感じやすいのかも知れない。
抜き差しを続ける指を中指に替え、根元まで押し込むようにピストンを続けると、
指にはねとねとした粘液がまとわりつくようになっている。
マヤの発する声も、拒絶のものはなく、ただ押し寄せる快楽に戸惑い、呻く悶え
のみになっていた。
「う……うん……ああ、うっ……」
そこでシンジは指を抜きはなった。
ぬぽっという淫猥な音がした。
「あう……」
その瞬間、マヤはびくっと痙攣した。
額には汗を浮かべ、口からは熱い吐息を吐き続けている。
膣からこぼれ落ちた愛液が肛門まで垂れ、それを飲み込むかのようにアヌスがひく
ついていた。
シンジを欲情させるには充分な光景だった。
シンジは唾を飲み込むと、まだ熱くうねっているマヤの肛門に顔を寄せた。
そしていきなり口先を尖らせると、マヤのアヌスに吸い付いたのだ。
「ひゃあああっ!」
異様な感触にマヤはぎくりとなった。
目の前に信じられぬ有り様が見える。
シンジがお尻の穴を舐め回している。
「きっ、きたないっ! やめて、やめなさい、そんなこと!」
狂ったように尻を振るマヤの腰を押さえ込み、シンジは舌と唇で彼女の肛門を責めた。
唾液で湿らせ、舌を蠢かし、唇を押しつける。
まるで熱を持ったヒルにでも這い回られているかのような感覚に、マヤは絶叫する。
お尻の穴を口にするなど、これほどの汚辱が他にあるだろうか。
細身の彼女の、どこにそんな力があるのかと思うほどに、マヤは腰を振りたくり、
必死にシンジの暴虐から逃げようとした。
それほどまでに、肛門を舐められるなどという変態行為は、マヤの理解の域を遙か
に突破していた。
シンジもマヤのアヌスに夢中になっていた。
ここにまで舌を這わせるのは彼にも初めての経験だったが、その反応の虜と化した。
すっかりとろけるような柔らかさを見せ、いつでも受け入れOKにすら思える。
また、舌の先端で、中にまで押し入ろうという動きを見せると、マヤのしなやかな
裸身が、まるで感電したようにきゅんっと背を反らせる。
喘ぎこそまだ我慢しているようだが、抗う叱り声も聞こえて来なくなってきていた。
何より、排泄器官だというのに、いやな臭気がまったくないことにシンジは驚いて
いた。
存分にマヤを味わい、ようやく口をアヌスから離すと、彼女の陰部からは溢れん
ばかりの蜜が滴っていた。
無理矢理ヴァージンを犯して、マヤを毀すことを恐れ、付随的に責めだした肛門
だったが、これほどの感度を示すとは思わなかった。
ミサトも、初めてにしてはかなりの快感を肛門に感じていたようだったが、マヤは
それ以上である。
やっと終わった排泄器官への攻撃に安堵したのか、マヤは閉じていた口を開けて
大きく呼吸をしていた。
顔は相変わらず背け、目も閉じ、シンジを見ないようにしているようだ。
「どうです、マヤさん。お尻も悪くないでしょう?」
「……」
10歳も年下の少年に、いいように弄ばされ、肛門を舐められるという変態行為
までされ、マヤはまともに返事も出来なかった。
それでも、マヤの意識とは関係なく、アナル自体はシンジの思惑通りにすっかり
ほぐされていた。
「じゃ本番いきますか」
「……」
シンジの声にも無反応だ。
声は耳を素通りするだけという感じで、衝撃の大きさにマヤにはまだ健全な判断力
が戻ってきていない。
シンジに、両脚のロープを解かれても、逃げようともしなかった。
シンジは構わずベッドに乗り、マヤの股の間に入った。
ぼんやりとしていたマヤの瞳に光が戻る。
この子、まさか……。
「シ、シンジくん……これ以上なにを……」
「だから本番」
「ほ、本番って……」
犯すというのか。
マヤは恐怖して脚をバタつかせようとしたが、先ほどまでのアヌス責めで腰と腿が
痺れ切り、力が入らなかった。
「そんな……だって…だって、あなた約束したじゃない……。し、しないって……」
「ええ、大丈夫ですよ。マヤさんの処女は守ります」
「な、なら……」
「その代わりと言っちゃ何ですけど、こっちをいただこうかと」
「え……」
シンジはそのまま膝這いでマヤにすり寄り、ペニスを掴むと、尻の谷間にひっそり
と鎮座している肛門にあてがって見せた。
その熱い肉棒の感覚に、マヤは事態を理解し、わなわなと身体を震わせた。
「シンジくん、まさか……」
「そう、マヤさんのお尻を犯すんです」
「……」
信じられなかった。
友人たちとも、ほとんどシモネタ話をしないマヤは、そんなセックスがあることなど
知らなかった。
マヤの持っている雰囲気から、どうしてもその手の話題を振りにくく、結果として
ほとんど性知識はない。
もちろん、本や雑誌、映像等でも見ることはほとんどなかったのだ。
シンジが肉棒を菊門に押しつけ、中に侵入させようとすると、マヤは全身を引きつら
せ仰け反った。
顔面を蒼白にしてシンジに叫ぶ。
「こ、こんなこと、ダメです! ああ、人間のすることじゃないわ! お願いやめて
!!」
「そんなことないですよ。ミサトさんなんか、けっこう悦んでましたけど」
「……え?」
マヤの抵抗がピタリと止まった。
「シ、シンジくん、あなた……葛城三佐も……」
「ええ。いちばん最初に犯したのがミサトさんですし」
「そんな……」
二の句の継げないマヤを後目に、シンジはポンポンとふたつ手を打って両ひざに手
を掛けた。
「再開しますか」
マヤの膝の裏に手を回し、そのまま肩まで押し上げた。
なだらかな女らしい肩に、自分の太腿を押しつけられたマヤは歯をがちがち鳴らした。
シンジは脅えるマヤのふくらはぎを自分の肩に担ぐようにして二つ折りにしてしまう。
「い、いや……ああ、お尻なんて……いやです…」
拒否する口調も、振りたくる頭も弱々しくなる。
信じられない事実の連発に、マヤの混乱は極致に達している。
押しつけられるシンジの肉棒に圧力が加わると、マヤの脅えもいっそう烈しくなる。
「や、だめ! そんなとこ、だめです! お、お尻、いやあ……」
シンジは肉茎の先端でマヤのアヌスをこね回すようにしてしばらく嬲ると、おもむろ
にねじ込み始める。
途端にマヤは白い首筋を仰け反らせて絶叫を放つ。
「いっ、いやあああっ!! ああっ、い、痛いっ!」
じわりと肛門が押し広げられ、引き裂かれそうな激痛がマヤを襲った。
「あ……あ……うう……」
喉から内臓が飛び出るかのような悲鳴のあと、一転して口を噛みしめた。
絶息するような呼気が出るばかりで、息が吸い込めない。
「うっ……うあああ……むむう……」
「あんまり無理に引き締めようとするとかえって痛いですよ」
硬直させている尻たぶに無理矢理押し込んでいるが、さらにその奥の菊座は固く締ま
っている。
先ほどからの愛撫の効いているだろうから、いったん潜り込ませれば楽なはずだ。
シンジは、押し込むと見せて引き、引いては少し押し込んだ。
この辺のテクニックも、ミサトで練習したものだ。
さらに、胸に手を伸ばして優しく揉み込み、クリトリスも指先でねぶるように揉み
上げて、マヤの性感を高めてやることも忘れない。
「さ……裂ける……やあ、裂けちゃうう……うむ…痛い……」
マヤのアヌスはいまや全開にまで開かれている。
シンジのペニスのもっとも太いところが潜り込もうとしていた。
「む……」
「痛いっっ!」
カリを肛門に押し入れると、さすがにシンジも一息ついた。
ここまで入れば大丈夫だ。
それにしても、マヤの肛門の伸縮性はなかなかのものだった。
太いシンジの男根を入れられたのに出血もない。
切れずに済んだようだった。
「んんんっっ……」
マヤは拡げられた尻たぶを震わせて唸った。
軋むような強烈な感覚に、ともすれば気を失いそうだ。
シンジは慎重に、ゆっくりと肉茎を奥まで入れていった。
「どうですマヤさん。僕のが中に入っていくのはわかるでしょう」
「く、くうう……」
シンジはググッと力を入れ、徐々にではあるが押し込んで行った。
腹はマヤの股に密着するほどに置くまで入れると、マヤは腸管に侵入したものの
たくましさに朦朧となる。
シンジは、逃げないようにマヤの腰をつかむと、ゆっくりと突き上げ始めた。
マヤはビクンとなり、腰をよじって呻いた。
「いやああ……痛い、痛いっ……う、うむ……裂けるぅぅ……」
「大丈夫、裂けてないみたいですから」
そう嘯くと、シンジは徐々にピストンの速度を上げていった。
「ああ……マ、マヤ……」
その頃、隣の部屋に転がされたリツコは、後輩の不幸に耐え切れぬように嗚咽を
漏らしていた。
戻る 作品トップへ 第四話へ 第六話へ