龍田が部屋でカルテを見ながら待っていると、約束の15分遅れで問題児がやってきた。
「あたし。入るわよ」
ノックはしたものの名乗りもせず、許可が出る前に入室してきたのはアスカである。
「来たね。悪かったね、忙しいだろうに」
「別に。どうせあたしなんかに誰も期待してないわよ。無敵のシンジさまがいれば万事OKってとこ」
「……」
シンジは礼儀正しいし、レイでも一通りの儀礼はこなせるが、アスカは例外だ。
そうした社会常識がわからないわけではないし、ひねくれているわけでもない。
彼女のようなタイプは相手をきっちりと分けて反応するのだ。
敵対するものとそうでないものだ。
加持のように思い入れを持つのはむしろ例外であり、ほとんどは後者に入る。
シンジはそこから少し前進した立場に置いているようだが、レイやリツコ、あるいは司令、そして龍田もそのテリトリーだろう。
ミサトには多少慣れているようだが、あくまで「慣れている」というだけで、特に親愛の情を持っているわけではなさそうだ。
しかし、だからといって一匹狼タイプでもない。
レイはむしろそのタイプだが、アスカは恐らく自分でもわかっているだろうが、かなり精神的に脆く、弱いのだ。
その繊細な心が傷つかないよう、必死になって虚勢を張っている。
自分の内部を知られないように突っ張っているのだ。
心を許した相手にはその弱みをさらけ出すのだろうが、そうでない相手にはあくまで強気で反応するのだ。
龍田はそう分析した。
「どうせ暇よ。さっきの赤木博士の検査だっておざなりなものだったしさ。ものの10分もやってないわ。聞かされてないけど、どうせまたシンクロ率が悪くなったんでしょ」
「そうか。でも学校の勉強もあるだろう」
「何言ってんの? ドイツ時代のあたしをあんただって知ってるでしょ?」
学業成績優秀で飛び級の連続、この歳でもう大学を卒業しているのだ。
それにしても龍田あたりまで「あんた」呼ばわりである。
龍田が苦笑していると、アスカは澄ました顔ですかしたようなことを言った。
「日本の中学のレベルなんか、あたしは5年前には修了してるわよ。ただ日本語がよくわからないからテストの成績が良くないだけ。何よ、あの漢字って
のは。あんな象形文字なんか、あたしわかんないもの」
「そうだな。口頭試験だったら満点だろうな」
「当然でしょ。あたしだけ筆記じゃなくて口頭にしてくれないかしら」
「今度、僕からも学校に掛け合ってみるよ。で……」
龍田はさりげなく本題に戻す。
「……最近、きみのシンクロ率が下がってることは自覚してるね?」
「……」
「赤木博士も葛城も心配してる。何か心当たりはあるかい?」
「心配? はん! あのふたりがあたしを? まっさか……」
「なぜだい? きみは大事なEVAパイロットなんだ。心配するのは当然だろう」
「だから、そのあたしのシンクロ率が落ちてるから、もう見放してるんでしょ!? どうでもいいって。バカシンジがいればそれでいいのよ!」
「そんなことないよ。もしそうだったら、僕が派遣されるわけないだろう」
「あんたはあたし専属じゃないんでしょ? ファーストやバカシンジの相手だってするんでしょうに」
「そうなんだけどね。これは内密にして欲しいんだけど……」
龍田は思わせぶりにそう言った。
それまで投げ遣りだったアスカは、僅かながら関心を示す。
自分にだけ秘密の話をする、というのは自尊心をくすぐるらしい。
「なによ」
「正直言って、アスカ専属だと思ってもらっていいよ。無論、他のふたりの面倒も見るけれど、主に僕はきみの調整……もとい、治療のためにやって
きたんだ」
「あたしの……ため?」
「ああ、そうだ。アスカに調子を取り戻してもらうために来たのさ。きみのサポートだ」
「……ふうん」
アスカは龍田を睥睨したが、満更でもなさそうである。
彼女のようなタイプは、そのプライドを刺激するのが手っ取り早く、また効果的だ。
アスカの場合、その自尊心がやたらと強い上に、その反面、酷く脆いところがあり、扱いが難しかった。
すべてうまくいっている場合──アスカが中心となってEVA部隊が使徒を次々と迎撃し、皆が彼女の才能を褒めそやす──であれば、アスカはもともとの
才能以上の能力を発揮する。
ただ今回のように蹉跌してしまった場合、問題が起こる。
彼女は精一杯気張っているところがあるので、一度や二度の失敗にはめげないだろうが、今回は意識しているシンジに後れを取ったことが予想以上に
堪えたらしかった。
「で、何か思い当たることは?」
「ないわよ、別に。もともとあたしに才能なんかなかったんじゃない?」
重症のようである。
龍田はボールペンの尻で頭を掻きながら言った。
「そんなことはないと思うがね。実際、きみの検査結果や出撃記録はすべて見せてもらったが、やはり飛び抜けている。たまたま今は調子が悪いって
だけじゃないのかな」
「……本当にそう思う?」
アスカは、彼女としては珍しい表情で龍田を見ている。
やや俯いた顔で、上目遣いで様子を窺っているのである。
龍田は敢えて笑顔を浮かべず、冷静に言った。
「もちろん。データを見てもそうとしか思えないからね」
「……」
アスカの表情がほんの僅かだが緩んだ。
この自信の塊のような少女をして、やはり検査結果の悪化と実戦での敗北は相当堪えていたのだ。
それでいて、慰められても「バカにされた」と思い、自分で殻を作って閉じ籠もっていたから、その鬱屈は溜まる一方だったのだろう。
アスカは少し躊躇してから龍田に言った。
「あんた、あたしのために来たって言ったわよね」
「その通り」
「じゃあ……」
そこでいったん口ごもったが、意を決したように赤い少女は言った。
「教えて。あたしはどうすれば元通りになれるの? 今まで通りEVAを扱えるようになれるの?」
「しばらくはゆっくり休むんだね。迂遠なようだが、それがいちばんだ。今まで、第一線で戦ってきたんだ。少しくらい……」
「そんなのダメよ!」
アスカは、龍田がびっくりするくらいの激しさでそう吐き捨てた。
激しく頭を振りたくると、シンクロ用ヘッドセットの髪留めが押さえる長い髪がばさばさと暴れた。
「絶対ダメ! あたしはね、EVAに乗らなきゃダメなのよ! あたしが一番なの! あたしがいちばんうまくEVAを扱えるんだからっ!」
「……」
「だから……」
今度は一転して弱々しくなった。
感情の起伏が激しすぎる。
だいぶまいっているのは事実のようだ。
「だから、どうすればいいのか教えてよ……。ファーストにもシンジにも負けたくないの、絶対に!」
そう言ったアスカは俯いて肩を震わせている。
驚いたことに涙声になっていた。
龍田は、頭の芯に鈍い頭痛を感じたが、軽く頭を振ってそれを追い払った。
龍田の目が僅かに青みがかる。
紙コップにミネラルウォーターを注ぎ、ちらりとアスカを見る。
俯いたままなのを確認すると、そっと指先をぺろりと舐め、その指で紙コップ内の水を軽くかき混ぜた。
「わかったよ、アスカ。じゃあ、取り敢えずこれを使ってみようか」
「なに?」
アスカの涙の滲んだ視界に、龍田の手のひらに載った服用薬があった。
カプセルが二錠分と錠剤がひとつである。
「それ、飲めばいいの? それだけで元に戻るの?」
「わからない。でも、今よりはマシになるはずだ」
「それじゃダメなの! 前みたいに……、ううん、前よりもずっと良くならなきゃダメなのよ!」
「焦るなよ、アスカ。アスカだっていっぺんに悪くなったわけじゃない。治る時だって一気に戻るのは難しいよ」
「……でも、効果はあるの?」
「ある」
龍田は力強く頷いた。
「念のために聞くけど、アスカはまた以前のようにEVAを扱いたいと思ってるよな? 使徒をやっつけたいと。レイやシンジくんにも負けたくない、と」
「当たり前よ!」
「なら平気だよ。大事なのはその気持ちだ。それを強く願い続けるんだ。さ、飲んでみよう」
アスカは、そう言って差し出されたカプセルと錠剤を手に取り、龍田が注いでくれた水を紙コップを握った。
そして一度だけ龍田を見てから、躊躇うことなく薬を口に含み、一気に飲み込んだ。
────────────────────
リツコとマヤがきょとんとしている。
対象的に、ブースの中にいるアスカは自信満々で胸を反り返らせていた。
『どうよ?』
「……シンクロ率、戻ってるわよ、アスカ。いいじゃないの」
『へへ〜ん』
マヤも感心したようにデータとアスカを交互に眺めている。
「ホント、すごいわ。数字の低下が止まっただけじゃなくて、逆に上昇してるもの」
『でしょ? ま、ざっとこんなもんよ。今まではちょっと調子悪かっただけなのよ』
そこで「Inspection」のランプが消え、ブースのドアが開いた。
シンジが笑みを浮かべて迎える。
「やったじゃん、アスカ」
そう言って挙げたシンジの手に、アスカからタッチに行った。
「まーね。いつまでもシンジに後れを取っちゃいられないわ。これからまた、あたし中心で行くんだから」
「……」
レイは無言でアスカを見ているが、特に反応はない。
普段ならアスカも無視するところだが、数値が上がったことがよほど嬉しかったのか、珍しくレイにも言葉をかけた。
「あんたも頑張りなさいよ。あたしのお荷物はバカシンジだけで充分なんだから」
「はい、みんなご苦労様。もういいわ、解散」
リツコがそう言うと、アスカが声高にシンジに話しかけ、その後からレイがついて出て行った。
三人を見送ってから、リツコとマヤが頭をつき合わせるようにしてデータを眺めていた。
「なんか本当にすごいですね、こんなに劇的に上がるものなんでしょうか……」
「前回の数字は……」
「ええ、シンクログラフで前々回よりも12.8も下がってました。けど今日は……」
「プラス15.2……」
「そうです。前回落ちた分を取り返すどころか、前々回を上回ってますよ、先輩」
「それまでが下がりすぎだったことはあるけど、それにしても急激ね。まさにV字回復じゃないの」
マヤは端末を操作して、アスカのドイツ時代のデータを参照する。
「……以前でもこんなことはなかったようですね……。もともとアスカは適正値が高かったですし、右肩上がりではあったんですけど、それにしたって
この上昇率はすごい……というか、むしろ異常な気がします」
「……」
マヤはほうっと息を吐いてからつぶやいた。
「やっぱりあれですか、龍田三佐の治療っていうかカウンセリングが効果的だったんでしょうか」
「……そのようね」
「すごいなあ、あたしたちが何をやってもダメだったのに、やっぱ専門家は違いますよね。これなら、アスカだけじゃなく、レイやシンジくんの時も安心ですよ」
「……」
リツコはマヤの声を聞き流しながら、すっと立ち上がった。
「先輩?」
「ちょっと龍田くんのところに行ってくるわ。どんな治療してるのか、興味あるしね。マヤは今の検査データをチェックしたら、今日はもう上がっていいわ」
リツコはそう言って部屋を後にすると、そのまま龍田の部屋までやってきた。
隣のパイロット控え室では、三人が着替えているようだ。
まだアスカのはしゃぐ声が壁越しに聞こえる。
リツコが部屋を訪ねると、まだ龍田は部屋にいた。
「よ、珍しいなリッちゃん」
「ちょっと話を聞かせて欲しいんだけど」
「……ま、座ってよ」
龍田は無表情でリツコに椅子を勧めた。
リツコが腰掛けると、それまできゅっと持ち上がっていたお尻が柔らかそうに椅子で潰された。
細身のようだが、肉は程よく乗っている。
足首も膝もよく締まっていて脚全体を細く見せていた。
ふくらはぎも腿もスリムに見えるが、ストッキングを脱がせれば白く柔らかい肉を確認できるだろう。
ミサトが済めばリツコに移るつもりだ。
龍田は、黒いタイトから覗く美脚にちらと目を走らせてからリツコの顔を見た。
龍田がコーヒーの準備をしているのを見ながら、リツコの方から来訪の目的を告げた。
「アスカのことなんだけど……」
「どうだった?」
「ええ、見事に回復していたわ。マヤも私もびっくりするくらい」
「そりゃよかった」
龍田は紙コップを置きながら破顔してみせたが、リツコは表情を殺したまま彼を見つめている。
「どうかした?」
「どうやったの?」
「ん?」
「アスカに何をしたらああなったのか知りたい、と思ってね……」
「何って言われても……。僕の職域の範囲内のことだよ。彼女の話をつぶさに聞いてあげて、言いたいことを言わせてさ。リッちゃんからもらった資料と
つき合わせてカウンセリング。あとは……投薬だね」
「投薬? 何を処方したの?」
龍田はくるりと回転椅子を回してデスクに向き直り、おもむろにカルテを取ってそれをリツコに手渡した。
リツコは数ページに渡って記入してあるアスカのカルテにさっと目を通した。
カルテらしくドイツ語である。
「一般的なものだよ。アスカの場合、半ば鬱状態にあったからね。元来、躁鬱の気があるのかと思ったけど、話を聞いていると、どうもそうではない。
というより、普段は躁状態なんだろう?」
「まあね……」
「前向きというか積極的というか、まあ生意気とも勝ち気とも言えるんだがね、とにかくあまり落ち込んだりはしない子だろ?」
「シンジくんとは真逆にね」
「そのようだね。てことは、脳内のセロトニンが減少しているからかも知れない。例の使徒戦で敗れて以来のことだと聞いているからね。SNRIを処方した。
それとRIMAも少し使ってみたよ」
「つまりは抗うつ薬ということね」
リツコはいつの間にか眼鏡を掛けて書類に目を落としていた。
「門外漢なんだけど、ドーパミン分泌を調整──増加させるわけね」
「まあ、そんなところだ。こいつは中枢神経にある神経伝達物質で、ホルモン調整や運動調整、そして意欲や学習能力を高めることが出来る。付け加えれば
快感ももたらす。今回の場合、アスカはそのいずれもが激減していたわけだから。それと、いわゆるスマートドラッグも少々」
「そうね。適切な処方でしょうね」
「高名な赤木博士にそう言っていただけると光栄ですな。ドーピングでもしてるんじゃないかと思ったのかな?」
龍田は戯けたが、リツコはクスリとも笑わなかった。
眼鏡の奥の切れ長の目がきらりと光る。
「でもこれって依存性があるんじゃなかった?」
「よくご存じで」
龍田は軽く頷いた。
注意深く見ていれば、彼が小さく舌打ちしたのがわかっただろう。
カルテを読んでいたリツコは気づかなかったようだ。
「その通り。でも、さすがにそこまでの分量や濃度のものを与えたりはしないよ。これでも医官のつもりでしてね」
「……ねえ、龍田くん」
ようやくリツコが顔を上げた。
表情は少しきついが、この女は常にこんな感じだ。
決して悪気があったり素っ気ないのではなく沈着なのだ。
彼女の双肩に掛かった責任の重さを思えば、それも無理からぬことだろう。
気心を知り合っているミサトにしても、時折リツコの物言いにはカチンとくることがあるくらいだ。
「あなたの診断や治療が誤っているとは思わないんだけど、でもちょっとだけ腑に落ちないのよ」
「というと?」
「シンクロテストの結果が「良すぎる」のよ」
「……結果が良くて問題になることがあると?」
「……ええ、あるわ」
「……」
リツコは龍田の問いかけには直接答えず、自分からまた質問した。
「ここまで急上昇すると、アスカの身体……というか神経、精神……いいえ、心や魂に何かあったんじゃないかと疑わざるを得ないの」
そこでカルテをテーブルに投げだし、冷めかけていたコーヒーをようやく口に含んだ。
やや酸いところを見るとモカか何かのようだ。
リツコは少し渋そうに唇を窄めてから言った。
「本当にそれだけ? 私としては投薬とカウンセリングだけで、ここまで上がるとはとても思えないんだけど。私の短くて拙い経験から言わせてもらうと、
だけどね……」
「リッちゃんの経歴や実績が拙いっていうなら、立派な業績を上げた学者なんてひとりもいないだろうよ」
龍田はそう言いながら、自分もコーヒーを一口飲んだ。
その味で、ミルクも砂糖も入れていなかったことに気づき、小さなカップのミルクとシュガーポットの砂糖をコーヒーに落とした。
「あのさ、リッちゃんは願い事とかしたことあるかな」
「願い事……? 流れ星に向かってそれが落ちる前に言えると叶うとか、そういうやつ? 初詣で神社に行って絵馬書いたりとか? 生憎、私はそういうのは
しないの。つまらない女でごめんなさいね」
「そんなことないさ。いかにもきみらしくっていいじゃないか」
そこでようやくふたりは顔を見合わせて笑った。
笑い声が収まると、龍田は少し声を改めて言った。
「冗談でなく、願い事ってのは叶うんだよ。こっちの世界ではね」
「精神医学では願い事って有効なの? そうなら、みんなが押しかけてきて心療内科のクリニックは大繁盛なんじゃないの?」
「ははは、そうだね。もうちょっと詳しく言うとね、快楽ホルモンてあるだろ? βエンドルフィンてやつだ。驚くべき事に、こいつが分泌されている時に
願い事をするとそれが叶うんだ」
「また……。本当なの?」
「本当さ。その手の快感ホルモンが分泌され、飽和状態くらいになっている時に強く願い事をするとね、ホルモンのお陰で快調になっている脳の自律神経に
それが入り込んでくるんだそうだ。言ってみれば、身体の方が目標達成していくような体質になるっていうんだな。その願望が心に擦り込まれるわけだ。
多分、アスカもそれだ。あの子ほどEVAに乗りたい、使徒をやっつけたいと強く願っているパイロットはいないだろうからね」
「まさか……。それが本当なら誰も苦労しないわ。私やミサトだって、もっと楽に使徒を迎撃したい、早くこんな仕事から解放されたいと思ってるわよ。
そうすればあの子たちだって……」
「ふふ……、本当にそう思ってるのかい?」
龍田が思わせぶりに言うと、リツコの表情が少し強張った。
「どういう意味?」
「自律神経って知ってるだろ? こいつは脳の奥の方にあるもっとも古い脳で「本能」と呼ばれるやつだ。腹が減ったとか、眠いとか、生殖欲求とか、
そういうものだな」
「……」
「その自律神経にとっての栄養素のひとつがβエンドルフィンなんだ。だからその時に強く心に願うと、それが潜在意識のように入り込んでいく。じゃあ、
なぜいくら願っても望んでもそうならない人が多いのか。理由は簡単、その願いにどこか邪なものを感じていたり、罪悪感を持っていたりするからさ」
「罪悪感……」
「そう。またこういう場合もある。例えば金儲けしたいと思ったとするだろ? それも強く強く願って、しかもそのことに後ろめたさも感じていない。
普通、これなら叶うことになるんだが、そうならない。なぜか。例えカネを稼いだところで、それを具体的にどう使うのか、なぜカネが欲しいのか、
そういうはっきりした目的というかビジョンがないせいだ。小さな頃からはっきりとした目的があってそれを目指して邁進しているケースなんかは、
けっこう成功するわけだな。逆に、例えば莫大な借金があって、その返済のために大金が必要だったとする。切実な願いだから、必死に頑張るし、強く
願うだろうな。でもうまくいなかなかったりする。なぜか。なんでこんなに頑張ってカネを返さにゃならんのだという疑問があったりすると、もういけない。
相当強力にイメージして、その欲望を満たすことを強く願わなくちゃうまくいかないそうだ」
「……」
「私見ながら、葛城もリッちゃんもそれがない。もちろん使徒撃滅を強く願っているだろうし、現状を打破したいと思ってもいるだろう。でも、その裏で
後ろめたかったり、罪悪感や背徳感を感じたりしてないかい? 例えば、あんな子たちを実戦に立たせて自分たちは後方で命令しているだけ。そんな自分に
引け目を感じていないかな? だから使徒撃滅を願ってはいるものの、あの子たちに対する贖罪を感じているんじゃないか? それを完全になくせば、
その願いは叶うかもね。でも普通の人間には、そこまで割り切ることは出来ないよ。自分ではなく、他人の、それも子供の犠牲を強いることになるんだからね」
龍田の説明を聞き終えると、リツコはすっかり疲労したように椅子にもたれかかった。
薄々と意識はしていたものの、出来るだけ考えないようにしていたことを言葉にされ、直接告げられたのである。
ダメージは小さくなかった。
リツコは薄く虚無の笑いを浮かべた。
「……まいったわね。私がカウンセリングを受けてるみたいよ」
「それもいいさ。僕は一応、アスカやあの子たちの専属ってことになってるけど、ご要望とあらばお美しい同窓生のためにも働かせていただきますよ」
「ありがと、考えておくわ」
リツコの表情が心なしか柔和になっている。
そしてタイトスカートの皺を直しながら立ち上がった。
「いずれにしてもアスカたちをよろしくね……。それと、言うまでもないけど投薬は慎重にお願いね。なるべく依存しないように。あと、出来れば処方した
薬品のリストをそのたびに提出してくれる? カルテでもいいわ」
「……了解」
リツコはそのまま身を翻すと「コーヒー、ごちそうさま」と言って部屋から出て行った。
意識してモンローウォークしているわけでもあるまいが、豊かな臀部が歩くたびにぷりぷりと誘うように揺れていた。
────────────────────
「葛城」
「龍田くん……、あっ!」
作戦一課の部屋へ向かう途中の廊下で出くわすなり、ミサトは少し身を引いたのだが、強引にその手首を掴まれた。
「な、何するのよ! 痛い! 手、離して……」
「いいから来い」
「ちょっと、あっ!」
男子トイレに引きずり込まれると、ミサトはサッと頬を赤らめた。
いかにミサトと言えども、こんなところに入ったことはない。
「何よ、こんなとこに連れ込んで。内密の話があるんなら……」
「話なんて別にないさ。身体のコミュニケーションだよ」
「……っ!」
羞恥に染まった顔色が、一転して青ざめていく。
こんなところで犯そうというのだろうか。
ミサトは、この旧友がよくわからなくなってきていた。
ひさしぶりに再会した時は「ちっとも変わってない」と、リツコととも安心し、またホッとしたものだが、時を経るにつれガラッと態度まで変化してきている。
ネルフに慣れ、本性を現したのかと思ったが、少なくとも大学時代4年間のつき合いでは、こんな男ではなかったと思う。
優柔不断とまでは言わないまでも、相手に気を遣い過ぎて消極的なまでの人の良さがあった。
そんなところが微笑ましく、また見ていられないこともあったので、加持やミサトなどは無理にでもこの男を引っ張り出し、連れ回していたくらいだ。
それがネルフに来て以来、ミサトたちが唖然とするほどに積極的──というよりも強引なくらいになっていった。
ミサトは、両手でドンと龍田の胸を突き飛ばした。
「ふ、ふざけないでよ! もういやよ、あんたとは」
「よくそんなことが言えるな。もう何度も俺に抱かれて悩ましい声で喘いでいたくせに」
「あ、あれはあんたが無理矢理っ……」
「無理矢理犯されて感じちまう女なのか、おまえは。レイプされるのが好きなのか」
「っ!」
カッとしたミサトは思わず龍田の頬を張っていた。
パンッと小気味良い音が響き、龍田は僅かに顔を横に背けた。
ミサトは震える唇で告げた。
「バカにしないで。もうあんたに抱かれる気なんかないわ。公務はともかく、プライベートではもうつき合う気もないから」
「……」
「このことは加持にもリツコにも言わないでおいたけど、もう我慢できない。ふたりにも言いつけるし、上にも報告するからね。確かにあんたの治療の
お陰でアスカは回復気味だけど、内部にこれだけ問題起こされたら司令だって……、あ、んむっ」
糾弾し続けるミサトの口を塞ぐように、龍田はその唇を奪っていた。
しっかりと腕の中に抱きしめられ、鍛えているはずのミサトがいくら暴れてもがいても離してくれない。
口の中に入ってきた舌を噛み切ってやろうかとも思ったが、さすがにそこまでは出来なかった。
「ぷあっ……!」
やっと唇を解放されると、ミサトは龍田を突き飛ばし、腕で口を拭った。
「あんた、あたしの話、聞いてたの!? もう、こういうことは……あぐっ!」
ミサトは唖然とした。
龍田はミサトの襟首を掴み、片手で彼女を持ち上げていたのだ。
この男にはそんな膂力はなかったはずだし、そもそも暴力的なことは一切しなかったはずなのに。
龍田は楽々とミサトを持ち上げて、下から見上げるようにその顔を見て言った。
「おとなしくしなよ。大騒ぎしたら人が来るぜ。男子トイレで男と一緒に居たなんて知られたら立場上まずいんじゃないか?」
「……」
さっきは「上へ報告する」と言ったが、そこまでするつもりはなかった。
そんなことをすれば、ミサトと龍田の関係──何度もセックスしていたこと──が暴露されてしまう。
そうすれば龍田は「決して一方的なものばかりではなかった」と主張するだろう。
司令は間違いなく龍田を処分するだろうが、その供述はきっと内部に流れてしまう。
ミサトは龍田に犯されたものの、そのうち拒否しなくなっていったと思われるだろう。
実際、その通りではあったのだ。
なぜそうなってしまったのかは、ミサト自身わからない。
確かに彼に抱かれて強い快感はあったのだ。
また、加持という存在があるのに他の男に抱かれてしまう、という状況に対して不覚にも興奮してしまったのかも知れない。
いずれにせよ女としては後ろめたいわけで、リツコにでも知られれば「いやらしい女」だと思われてしまうだろう。
そんなことを考えていて「大声を上げて助けを求める」ことを躊躇していたら、個室に押し込められてしまった。
自然とミサトの声が低く抑えられたものとなる。
「ど、どういうつもりよ、こんなところでっ! あんた本当に……」
ミサトがそう言う間にも、龍田は自分のスラックスとトランクスを下ろし、下半身を剥き出しにさせた。
その股間が目に入ってしまい、ミサトは思わず顔を背ける。
「やめて!」
「静かにしろって。本当に誰か来るぜ」
「だ、だからやめてって言ってるのよ!」
「このまんまじゃ収まらないよ。こいつを何とかしないとな」
「そ、そんなもの見せないで!」
「すぐ済むよ。いつまでもそうやって拒否してれば時間が過ぎる一方だぜ。そのうち誰かが……」
「わ、わかったから!」
なんでそんな返事をしてしまったのか、ミサトは言ってから後悔した。
ここに閉じ込められっぱなしというわけにはいかないが、受け入れてしまったら、またなし崩し的にセックスさせられることになるのだ。
拒絶しようと思っているのに、どこか──身体のどこかが龍田を受け入れようとしている。
身体が男を欲している、というのとは少し違った。
ミサトは下着が少し濡れ汚れてしまっているのはわかっていたが、それは不本意ながら異常なシチュエーションに官能が燃え立ったからだと思っていた。
しかしどうも違うのだ。
そうしたこともあるのだろうが、どこか「本質的」な部分、それを心と呼ぶか魂と呼ぶか知らないが、そうしたところで龍田を求めている。
いや、求めているというよりも、彼とはもともと「一体」だったような気すらするのだ。
「前に手を突いて尻を出せ、葛城」
「く……」
ミサトは悔しそうな表情をしながらも、言われるまま壁に両手を突き、軽く脚を開いて臀部を龍田に突き出した。
龍田は残忍そうな笑みを浮かべながら、ミサトの制服のボタンを弾き飛ばし、制服の前を大きくはだけさせた。
「あっ……」
そのままブラジャーもめくり上げられ、窮屈そうに収まっていた白い肉塊がぶるんと零れ出る。
黒いミニのタイトスカートを引き下ろされ、そのままショーツも膝まで下ろされた。
白く丸い豊かな臀部に外気が当たり、ミサトはぶるっと震えた。
股間に龍田の手が伸び、ミサトは「ひっ」と喉を鳴らして悲鳴を上げる。
「やっぱり、もう濡れてるな。僕に犯されると思うとそうなるんだろ?」
「う、うるさいのよっ! す、するならさっさと済ませてよ! あたし、こんなこと本当にイヤなんだからっ」
「そんなこと言っていても、突っ込んでやればすぐに甘い声でよがり出すくせにな」
「だからうるさいって言って……んはあっ!」
龍田は、嫌がってもがいているミサトの腰を掴むと、もう濡れている媚肉に硬くなった肉棒を押しつけ、めり込ませていく。
「あ、あっ……やめてよ、あっ……だめ、入る……くっ、奥まで来るっ……ふああっ」
龍田はズンと奥まで貫くと、思い切り腰を打ち付けた。
ミサトの尻が大きくうねり、その衝撃で、剥き出しにされていた乳房が激しく揺れ動いた。
何度か腰を打ち込んで膣を抉られる快感を与えると、もう観念したのか、ミサトの抵抗がおとなしくなった。
声を漏らさないようにしているのか、必死に手で口を押さえている。
「どうだ、気持ち良いだろう?」
「だ、誰が……んんっ……」
「ふふ、強情だな。おまえらしくていいぜ」
「あ、何をっ……」
口を押さえていた右腕をねじり上げられ、壁に突いていた左腕まで引き寄せられて、背中でひとまとめにされてしまった。
その手首を細い紐でぐるぐると縛り上げられる。
ミサトは慌てたように振り返り、声を殺して叫んだ。
「何するのよっ! お、おとなしく抱かれてあげるから縛らないでっ」
「縛ってやりたいんだよ」
「くっ、この変態っ! こ、声が出たらどうするのよ!」
「喘がなきゃいいだろ? 何しろ僕に犯されても気持ち良くないそうだから」
「こ、この……、ああっ!」
いかにも男好きのする、抱き心地の良い肉体を震わせつつ、最後まで快感に抵抗しているミサトの媚肉を龍田は遠慮なく責めていく。
豊かな乳房をぎゅうっと握りしめると、指の間から肉が溢れ出てくる。
「こ、こんな、あっ……やめてよ、ホントに……んんっ……んくっ……ああっ!」
「でかい声でよがるなって。誰か来たらどうすんだ」
「だったらやめて! うんっ……バ、バカっ、深すぎるわよ、あっ!」
後ろから突かれた身体が宙に浮くほどの深い突き込みを受け、ミサトは首を仰け反らせて喘いだ。
硬い亀頭の先が、子宮口に食い込むほどに深々と貫いてくる。
ここまで入って来られては、もうどうにもならない。
早く済ませてくれることだけを願いつつ、ミサトが喘ぎ声を噛み殺して耐えていると、ドアが開く音が響いた。
「っ……!」
「!!」
ミサトはもちろん、さすがに龍田も動きを止めた。
別にミサトとのセックスを見せびらかせたくてここで犯しているわけではない。
あくまでプレイの一環としてミサトの羞恥心を煽り、特殊な環境で犯すことで被虐快感を引き出そうとしていただけだ。
ふたりは動きを止め、息を殺して様子を窺っている。
ミサトの身体が強張り、くわえ込んだペニスを膣がきゅっと強く食い締めた。
隣の個室にでも入られたらバレかねないのだ。
しかしその男はどうやら小用のようで、小便器に向かっているらしい。
ミサトの美貌が緊張し、不安そうに外の様子を気にしているのを見て、龍田の劣情がむらむらと刺激されていく。
「んんっ!?」
ミサトは驚いた。
龍田がいきなり腰を使い出したのだ。
さすがに大きくガンガン突き上げるようなことはなかったものの、それでも彼の腰とミサトの尻がぴしゃぴしゃぶつかる音が聞こえた。
個室のドアを通しているからほとんど外には漏れないだろうが、それでも耳を澄ませれば微かには聞こえるだろうし、何より「中で誰かが何かしている」という雰囲気くらいはわかるだろう。
その人物もミサトたちが籠もっている個室の様子に気づいたらしく、小用を済ませてから近寄ってくる気配がした。
気配どころではない。
コツコツと靴音がして、確実にドアの外までやってきている。
龍田は動きを緩めたものの、止めてはいない。
ミサトの奥深くまで貫いて子宮口にまで届かせて、そのまま腰をゆっくりと回転させている。
ミサトは、絶えず子宮口を抉られる形となり、唇を噛んで声が出るのを辛うじて防いでいた。
「……誰かいるのか?」
「!」
よりによって碇司令の声だった。
司令とて人間なのだからトイレくらいは行くだろうが、大抵は司令公室か司令室のトイレを利用すると思われていた。
この棟へ来てから催して、たまたまこのトイレを使ったのだろう。
ここに誰かいることは気配でわかるだろうから黙っているわけにもいかず、ミサトは龍田を振り返った。
まさか男子トイレの個室の中からミサトが返事をするわけにもいかない。
ミサトの縋るような表情に満足しながら、龍田は少しも動揺した素振りを見せることなく返事をした。
「……私です、司令」
「龍田三佐か」
「どうかしたのか? 中で少し物音がしたようだったのでな」
「いいえ。少し腹の具合が悪くて……」
「そうか、それは済まなかったな。ところで弐号機パイロットの方はどうだ?」
「はい、難物ではありますが、何とか。レポートは赤木博士の方から届いていると思いますが」
「受け取っている。シンクロ率がかなり戻ってきているようだな。今までは下がる一方、それも激減だったからな。それが止まるだけでなく上昇したのなら
大したものだ。君を呼んだ甲斐があったというものだ」
「……ありがとうございます」
「いや。悪かったな、こんなところで」
靴音が離れ、水道の音がしてしばらくするとドアが軋む音がした。
よもやこの中で作戦課長であるミサトがレイプされているなどと思うはずもなく、どうやら出て行ったようである。
緊張が解けたのか、ミサトの身体からがっくりと力が抜けた。
そのミサトの尻を軽く叩くと、再び龍田が激しく責め立てた。
「ひっ!? あ、ああっ、だめっ、ま、待って、ああっ……そ、そんな激しくっ……うあっ!」
何しろここはトイレである。
司令は出て行ったものの、まだ誰が入ってきてもおかしくないのだ。
龍田は腰を打ち込みながら、ぶるんぶるんと揺れ動く乳房を両手で揉みしだき、乳首をこねくった。
極度の緊張から解放された直後だけにミサトの身体も心も緩んでおり、再開された責めにひとたまりもなかった。
「いっ……ああ……こ、声、出るっ……龍田くんっ……だめ、あっ……」
「くく、どうしても恥ずかしい声が出ちゃうってか?」
「くっ……く、口ふさいでっ……あ、声が出てしまう……あっ!?」
龍田は、喘ぎを堪えて反り返らせていたミサトの顎を掴んで後ろを向かせると、その口に吸い付いた。
ミサトはビックリしたように目を見開いたものの、もうどうにもならぬと諦め、素直に口を吸わせていた。
そうすることで声も抑えられると思ったのだろう。
「ん、んむ……ちゅっ……んんん……んじゅっ……ん、ん、んむ……んんむ……じゅううっ……ん、んちゅっ」
龍田の口が激しく舌を吸い上げると、ミサトの方もそれに応えるかのように反応する。
舌を吸わせるだけでなく、自分から男の舌に舌を絡めていった。
早く龍田をいかせるしか解放される手段はないと覚悟が出来たからかも知れない。
そのせいか、身体の方もより強く反応し、与えられる愉悦に戸惑いつつも肉棒に慕い寄っていく。
ふたりの結合部からはぽたぽたと愛液が垂れ落ち、膝まで引き下ろされたショーツを汚していた。
龍田が盛んに最奥を責め立てると、ミサトは声を殺したまま腰をビクッと跳ね上げて何度も身悶えた。
濃厚なキスが終わると、途端にミサトが喘ぎ出す。
「だ、だめよ、激し過ぎるわっ……そんなにされたら、あたしっ……」
「なんだ、もういくのか」
ミサトはガクガクと頷いた。
ミサトの腰が浮き、脚が爪先立ちになるほどにグイグイと突き込まれると、たちまち絶頂寸前まで追い込まれていく。
「やっ、だめ……た、龍田くんっ……い、いきそう……ああ、もういきそうになってるっ……」
「いいぜ、いっても。ここじゃ狭いからな、僕ももう出すからな。もちろん葛城の中に出すぜ、子宮だ」
「バ、バカっ、やめて! いい加減にしてよ! どういうつもりなの!? あたしを犯す時は、毎回毎回避妊もしないでっ!」
「中に出さないと意味がないんでな」
「そ、それどういう意味よ……ほ、本当に妊娠させる気なの!?……んんっ……あっ」
「ほれ、いけよ」
「くうっ……、い、いく……あ、あたし、いっちゃう……い、いく!!」
亀頭の先が子宮口にめり込むと、その衝撃でミサトは全身をビクビクと痙攣させて絶頂を迎えた。
こんな場所で犯されているという屈辱と妊娠への恐怖が、ミサトの被虐感をあおり立てていった。
根元を食い千切るほどに締めつけたミサトの膣圧に耐えきれず、龍田の方も宣言通り、ミサトの子宮に注ぎ込んだ。
びゅるるっと勢いよく子宮内に射精され、ミサトは目を剥いて背中を弓なりにしてわなないた。
「んひぃっ、で、出てるっ……また中に出されて……ああ……すごい、びゅくびゅく出てる……あ、ああ、また……またいく……う、うむ……いっく!」
立て続けにいかされたミサトの膝が崩れそうになると、龍田はその砕けた腰を抱え持ち、自分の腰を強く押しつけた。
出来るだけ深いところで、ありったけの精液を注ぎ込んでいく。
満足するまで射精し終えて腰を離すと、ミサトはそのまま洋式便器に倒れかかるようにして突っ伏した。
戻る 作品トップへ 第二話へ 第四話へ