先日のミサトのマンションでの一件は、アスカの心身に大きな変化をもたらしていた。
肉体的には以前よりもさらに鋭敏となり、肉の欲望が強くなってきた。
心理面では、シンジの存在がより大きくなっている。
彼のすぐ側で犯されたことが、シンジに対する意識を強くさせていた。
シンジへの愛情、恋情が培われたのではない。
それが刺激になったことは事実だが、直接の愛へは育たず、「気になるシンジがすぐそこにいるのに犯されている自分に興奮する」という歪んだ形となって結実してしまった。
龍田の体液と薬で仕込まれたアスカの性は健全なものとはならず、かなり倒錯的なフェチズムとなって昇華していたのだった。
ただ、そこにはシンジへの愛情もなかったわけではない。
それがシンジであるからこその興奮なのであり、他の人間だったらそうはならなかったろう。
以後の龍田とのセックスでも、アスカはシンジを強く意識することとなった。
「見られるかも知れない」というスリルだけで、あれだけ大きな喜悦だった。
ならば「本当に見られたら」と思うと、アスカの淫靡な欲望に火が着いてしまう。
もうひとつ、以前にはなかった感情も生まれていた。
「シンジと一体になりたい」という強固な欲望である。
単にシンジと結ばれたいというだけでなく、彼と心身ともに一体化したいという奇妙な慕情であった。
それが何なのか、なぜそんな思いを抱くのか。
今のアスカには、そんな疑問を抱く余地すらなくなっていた。
「……」
その日、アスカは実行することにした。
龍田にも話をして協力を求めた。
それを聞いた龍田もさすがに呆れていたが、それでもアスカは強行した。
龍田の方も、それならそれで面白いと開き直った。
シンジの前でアスカを徹底的に嬲るという行為に酷く高揚感も抱いた。
場所はまたミサトのマンションで。
決行は今日だ。
そのことを思いついたアスカは、もう日取りを決めて待つことなど出来はしなかった。
──────────────────
ネルフでの定期検査を終えたシンジは、そそくさと帰り支度をしている。
今日はまたミサトがマンションに戻らぬようで、自分が炊事をしなければならないからである。
アスカが同居していた当時はレイも含めて一緒に帰ったものだが、彼女が本部に居住するようになってからは、もっぱらレイとふたりで帰宅している。
アスカにも軽く挨拶してから帰るのだが、今日はアスカがいったん部屋に戻ってしまったため、そのままひとりで控え室を出た。
レイは、アスカを意識しているのか、それとも何も考えていないのか、何も言わなければさっさとひとりで帰ってしまう。
シンジと一緒にマンションへ行くべく、自室に戻って身支度を調えて出遅れたアスカは、シンジの声を聞いて廊下の曲がり角からひょいと顔を出した。
「シン……」
その声が途中で止まった。
シンジがレイを追いかけていたからだ。
「……」
アスカの白い貌に、すっと癇癪の筋が現れる。
しかし邪魔をするように割り込んだり、プイと拗ねてしまうような、ある意味「彼女らしさ」は失われていた。
眼を細め、シンジとレイをじっと凝視している。
その耳にふたりの声が聞こえた。
「綾波!」
「……なに?」
呼び止められたレイの貌は相変わらず白く、素っ気ない表情に見えたが、その顔を見慣れている者には微妙な変化に気づいたかも知れない。
判で押したように無表情な彼女の貌に、微量な笑みが混じっていたのである。
気にしなければ気にならない程度のものであり、そこにいるシンジでさえ気づかなかった。
レイはシンジが追いつくと、また歩き始めた。
その横に並んでシンジが言う。
「帰るんだろ? 一緒に帰ろう」
「……いいけど、弐号機パイロットは?」
「アスカはここに住んでるから」
「そういうことじゃなくて……」
自分と一緒に居るところをアスカに見られたら、後々シンジが面倒なことになるのではないか、と気を回したわけである。
レイにとっては驚天動地な気配りだったが、当のシンジは無頓着なようだ。
この辺は男女差かも知れない。
それよりもむしろ、レイがそうした人間臭い感情を意識し始めたことの方が驚きだ。
シンジは気づかず、レイ自身もそんな自分の感情を持て余しているようだ。
「いいわ、もう」
「……変なの。ところでさ……」
「シンジ!」
そこでアスカの声が掛かった。
シンジはすぐに振り向いたが、レイは一瞬だけアスカを見て、すたすたと歩を進めていく。
シンジは追いかけたいところだが、ここでアスカを無視してレイを追ったりしたらどうなるか。
それくらいは彼にも判った。
「何?」
「……今日、ミサトんとこに帰るんでしょ。それとも……」
アスカの背後にもわっとしたオーラが浮かび上がる。
「……まさかファーストのところへ泊まる?」
この問いにはシンジの方が驚いた。
彼の選択肢にそんなものはない。
考えてみれば、アスカとは同居したことがあるし、ミサトが居らずふたりっきりだったこともあるのだ。
なのにレイとそうなることを考えたことはなかったのだ。
不思議と言えば不思議だが、この時点でのシンジは、アスカには親しみを感じてはいたが、それが恋慕というものではなかったのだろう。
一方レイに対しては、当初はあまり話もせず、話しても芳しい返答のないことが多かったから、印象という印象はない。
ただ、悪い印象もなかった。
無口で引っ込み思案なのかなと思い、それなら自分と似ていると判断して、かえって積極的にシンジの方から接触していったくらいだ。
直にレイの心もほぐれ、次第に感情も出るようになってくると、より彼女への興味が湧いていった。
これも厳密には恋愛感情とは言い難いだろうが、アスカへの思いよりはそれに近かったかも知れなかった。
「え、そんなことないよ」
シンジは些かびっくりしてそう答えた。
そんなつもりはなかったし、アスカの問いかけに少し険があったからである。
「何? アスカ」
「……今日、あたしもミサトのとこに泊まるから」
「あ、そうなんだ、僕はかまわないよ。食事は?」
「食べていくからいい」
「そう。龍田さんも来るの?」
「あいつは関係ないでしょ。それとも、あたしひとりでシンジのとこに行ったらいけないわけ?」
「そういうわけじゃないけど……」
「ならいいでしょ。あたし、先に行ってるから」
アスカはそう言い捨てると、ずかずかとふたりを追い越していった。
別に怒っている風でもなかったが、機嫌は良くなさそうだ。
シンジは「いつものことだ」と思って肩をすくめていたが、逆にレイの方が気にしたようだ。
これも珍しいことである。
「……いいの?」
「え、何が?」
「……弐号機パイロット。碇くんが私と帰るから、彼女、怒ってるんじゃないの?」
これにはシンジが驚いた。
レイがそんなことを気にするとは思いもしなかったのである。
「そうじゃないと思うけど……。いいんだよ、綾波はそんなこと気にしなくってさ。もしそうだとしても、それは僕とアスカの問題だから」
「そう……」
レイはそう言ってシンジから視線を外した。
シンジが隣に来るのを待ってから、また歩き始める。
シンジは何事もないように言った。
「あのさ、今日、一緒にご飯食べない?」
「私と……?」
「うん。迷惑かな?」
「そんなことないけど……、なんで?」
レイは意外そうにシンジを顔を見た。
ミサトがいて、彼ら三人と一緒に食事に出ることは何度もあったが、シンジとふたりで食事することは今までなかったのだ。
「「何で」って言われたら困っちゃうんだけどさ」
シンジはそう言って頭を掻いた。
「綾波って料理するのかな、ってさ」
「え……?」
今度はレイが驚く番である。
「しないわ。でも、突然どうしたの?」
「いや、どうってこともないんだけど。この前さ、龍田さんとアスカがマンションに来て三人で夕ご飯食べたんだよ」
「……」
ふたりはゆっくりと廊下を歩いて行く。
もう夕方だが、すれ違う職員の姿はなかった。
「僕がカレー作ったんだけど、アスカもサラダを作ったんだよ」
「……」
「まあサラダだから難しいもんじゃないんだけど。かけるドレッシングもアスカが作ったんだ。それがね、けっこうおいしかったんだ」
「へえ……」
「その時にさ、ふと思ったの。綾波も何か料理するのかな。綾波の作ったのも食べてみたいかなって」
「私の……?」
レイがぴたりと止まって、横のシンジを見つめる。
シンジが柔らかい笑みを浮かべて小さく頷いた。
「うん。だって興味あるよ。こう言っちゃ何だけど、アスカも綾波も手料理するようには見えなかったから。そのアスカの作ったのがけっこういけたから、もしかしたら綾波もって思ったんだ」
レイは少し戸惑ったように口ごもった。
「でも……、私、何も作れない」
「普段はどうしてるの?」
「……ここで食べるか、コンビニとかで……」
パンやおにぎりを買って食べる、ということなのだろう。
シンジが少し暗い顔で言った。
「ひとりで、でしょ?」
「うん」
「寂しくない? ひとりで食べてて」
「別に……。どうしてそんなこと聞くの?」
「綾波さ、ミサトさんや僕やアスカと一緒に食べに行ったこともあるじゃない。その時、どう思った?」
「どうって……」
「みんなとワイワイしながら食べるのって、楽しくない? 同じもの食べてても、ひとりじゃ味気ないと思うんだけど」
「……」
レイ自身はそう思っていなかった。
うるさく絡まれるのでなければ、複数で食べても構わない。
そういう認識である。
一緒にいて楽しいとか、そういう感情はなかった。
そもそも、一緒にいたいと思うことすら、司令を除けばなかったのだ。
ただ最近、シンジに関してはその感情が怪しくなってきている。
一緒に居ると何となく落ち着く。
話しかけられても迷惑なのに、シンジに言葉を掛けられても不快感がない。
逆に、自分から話しかけることがあったりして、レイは自分の心の動きに困惑することすらあった。
食事にしても単にエネルギー補給であり、よほど口に合わないというものでなければ、味などどうでもよかった。
感覚的に肉は食べられないが、それ以外に好き嫌いもなかった。
だから何でもよかったのだ。
極論してしまえば「餌」と同じである。
まして、自分で調理するなど、考えたこともなかった。
しかし、自分の作ったものをシンジが食べてみたいと言ってくれたことに関して、戸惑いとともに微かな喜びも感じていた。
どうしてそんな風に思うのか、よくわからなかった。
同時に、そう言われても何も作ることの出来ない自分に情けなさと恥ずかしさも感じている。
これも、今までのレイにはあり得なかった心の動きである。
レイが少し俯いたので、シンジも何か感じ取ったのかも知れない。
取りなすように言った。
「そんな顔することないよ。誰だって最初は初めてだもん。アスカだってそうだったしね。それに僕はずっとひとり暮らしだったけど、あんまり出来合いのものって好きじゃなかったから、昔から自分で作ってたし」
「……」
「だから、作れないなら少しずつ覚えればいいよ。僕でよかったら教えるからさ」
「碇くんが……」
「うん。最初は面倒かも知れないけど、やっていけば楽しくなるよ、きっと」
「そう、かな……。でも碇くんが教えてくれるなら……やってみる」
「そうしようよ。じゃあ帰りにスーパーへ寄って材料買っていこう。それから綾波の部屋に行って作って食べよう」
「……」
シンジは明るくそう言ったのだが、なぜかレイは俯いたままだ。
少年は少し心配そうな表情になった。
さすがに、レイへこんなことまで言うのは行きすぎかも知れない。
不快に思われた可能性もある。
「……迷惑、かな? なら……」
「ううん、そんなことない」
レイは思いの外、沈んでいない声でそう答えた。
「でも……」
レイがまたアスカを気に掛けた。
もう三度目である。
シンジはきょとんとしている。
まさかレイとアスカが、ともに自分へ好意を持ち始めているとは思っていないから、こういう反応になっている。
鈍いと言えば鈍いのだが、この年代の少年はこんなものだろう。
そもそも、アスカは今でいうツンデレであり、特にシンジの前では完全に「ツン」部分しか出していないのだから、嫌われてはいないだろうが好かれているとも思っていないだろう。
一方のレイは、ご覧の通りの無味乾燥のような少女だから、愛だの恋だのいう感情を持っていない。
少なくともそう思われていた。
「……何でもない」
「変なの。アスカも綾波も何か変だよ」
「……」
「まあいいや。早く帰ってやってみようよ。夜遅くなっちゃったら、それこそアスカに怒られちゃう」
「……閉め出されるんじゃない?」
「そうかもね。そうなったら、綾波の部屋に泊めてくれる?」
シンジの軽い冗談に、レイはごく微かに頬を赤らめて答えた。
「何を言うのよ……」
──────────────────
一足先にマンションへ到着したアスカと龍田は、そそくさと準備を始める。
アスカの部屋へ行き、細く襖を開けておく。
廊下の照明は落として、室内は煌々と灯りを照らした。
龍田は手にしたマスクを見ながら苦笑している。
「しかしなあ、本当にやるのかアスカ」
「……やるのよ。何よ、今さら」
「でもおまえ、こないだここで犯してやった時、あんなにシンジくんに見られることを嫌がってたじゃないか」
「……」
「それが今度は「シンジに見せつけてやるのよ」と来るとはな。一体全体、どうした風の吹き回しだ?」
「いいのよ、あんたがそんなこと気にしなくても。どうせ放って置いてもあんたはあたしを犯すんでしょう? その場所がどこでもいいじゃないの」
龍田はジャケットを脱ぎ、ハンガーに引っかけながら言った。
「なんか最近は、僕がアスカを犯すというよりは、アスカの方が積極的にセックスしたがってるように見えるがね」
「あんたがそうしたくせに、何よ」
「ま、僕にとっては都合が良いがね。まだ少女だったアスカがどんどんと目覚めていくのを見るのは愉しいし、何よりおまえの身体はけっこう具合が良いしな」
「……」
アスカもそれは自覚している。
いやらしい妄想までするようになってきているし、自分がどんどんとエッチな女の子になってきていることはわかる。
龍田に指摘された通り、あの時は自分の痴態をシンジに見られることへ大きな恐怖を抱いていた。
それを見たシンジがアスカをどう思うと考えると、恥辱と羞恥で顔は真っ赤になり、心はどす黒く染まる。
それが今ではどうだ。
「見られる」ことへの脅えはあるものの、その脅えや恥辱にぞくぞくするようなスリルと快感を得てもいた。
ましてそれがシンジであればなおさらである。
見られることへの恐怖と快楽は、ペニスを挿入された時のそれとよく似ていた。
処女を失った当初は、あの激痛と異様な異物感から、挿入されることを本能的に恐れていたはずだ。
だが龍田に馴らされ、肉体が性の快楽を覚えていくと事態が変わってくる。
愛撫され性的快感が高まっていくにつれ「中」に何か入れて欲しくなってくるのだ。
そうされればまだ痛いし、特に入れられたまま動かれた時の苦痛と違和感は、弱まっているものの継続はしているのだ。
なのに、胸を揉まれ、クリトリスを舐められ、身体が反応していくと、どうしても挿入してもらいたくなるのだった。
今の「見られる」ことへの恐怖と期待は、それに似通っているとアスカは思った。
「でも、だんだんとエスカレートしていってるぞ。こないだの一件で「見られる」快感でも覚えたのか? エヴァ弐号機パイロットは、実はマゾ少女だったなんて、笑えるな」
「……うるさい」
「それともあれか? おまえ、やっぱシンジくんを意識してるのか? レイにライバル心燃やして、奪い取ってやろうと……」
「うっさいって言ってるのよ! いいから黙って抱けばいいでしょ! 早くしないとシンジが帰って……あっ」
龍田がアスカの後ろに回り、背中から覆い被さってくる。
立ったままアスカの制服ブラウスの前をはだけさせてそこから手を入れ、まさぐるように胸を揉んできた。
「ちょっ……、ま、まだ早い……んんっ……」
「すぐ始めないとシンジくんが帰ってくるんだろ?」
「そ、そうだけど、あっ……あたしが脱いでからにしてよ、んあっ……」
「僕が脱がせたいんだよ。それに、ブラの上からおっぱい揉むのもいいもんだしな」
「こ、この……つくづく変態ね、あんたはっ……ああ……」
抗いながらも、アスカの口から甘い声が漏れてくる。
普段の気丈というより生意気で勝ち気な彼女の声とは思えぬほどの喘ぎだ。
始めに犯された頃よりも、ずっと声に艶が出てきているのは、やはりそれなりに経験を積んで身体が快楽を覚えたためだろう。
「待ってよ、あっ……マ、マスク、んんっ……ちゃんとマスクしてってば……あう……」
アスカに注意され、龍田は黒いマスクを顔に被った。
プロレスラーが着用する目出し帽のようなタイプだ。
正確には目だけでなく、呼吸のためか鼻と口も空いている。
それでも、頭部も顔のほとんども覆ってしまうので、被ってしまえばそれが誰か判別するのは難しいだろう。
「これでいいな?」
「え、ええ……あ、あっ……!」
また男の手がアスカの胸をまさぐってくる。
アスカも不思議な気分になってくる。
犯され慣れているはずの龍田に抱かれているだけなのに、マスクを着けただけで、まったく知らない別人に犯されているような気になってきた。
見知らぬ男にレイプされてしまう、という妄想が、アスカの性感をまた一歩進めていった。
「やっ! はあっ……そ、そこまだ……ああっ」
龍田は背後からアスカを抱きしめ、左手で乳房を愛撫しながら、右手は股間に滑らせて股間を擦っている。
ぷにぷにした柔らかい肉の感触が心地よかった。
反射的にアスカの手が右手を押さえるが、さほど力は入っていない。
アスカは早くも龍田の愛撫を受け入れ、反応し始めていた。
「すっかり感じやすくなったな、アスカ。もう一人前の女だ」
「余計な、あっ、ことは、ああ……言わなくていいのよ……」
「褒めてるんだぜ」
「いいから黙ってよ……くっ……い、いい? シンジが、ああ……シンジが来たら喋ったらだめよ、絶対にっ」
「わかってるよ。アスカを抱いてるのが僕だと知れたら、僕の立場もまずいしな」
喋りながらも龍田の手は緩まず、万遍なくアスカの肌を愛撫し続けている。
アスカは早くも息を乱し、香しい匂いの吐息を漏らす。
もう脚ががくがくと震え、腰が捩れて砕けそうになっているが、それを龍田が辛うじて支えている有様だ。
股間を隠すショーツは次第に湿り気を帯びてきている。
責める龍田の指は、ショーツの裾から内部に入り込み、敏感な肉芽を嬲り、割れ目を上下に擦っていた。
アスカはもう拒もうとせず、むしろもっと触って欲しいとばかりに、腰を男の手に突き出すようにうねらせている。
「もう濡れてこんなになってるぞ、アスカ」
「あんたのせいよっ……ん、あ……し、下着、汚れちゃう……脱がせてよ……」
アスカは顎をクッと持ち上げ、喘ぎ声を堪えつつそう告げた。
喘ぐアスカを見ながら、龍田はその服に手を掛ける。
ブラウスのボタンを全部外してから、両肩の身頃を外す。
スカートの脇のファスナーを下ろすと、スカートがふさっと足下に蟠った。
ブラウスを脱がせると、アスカも脱がせやすいように肩や腕を動かして協力する。
ブラのホックを外された時だけ、反射的に両手をクロスさせて押さえたものの、すぐに緩めて下着も落ちた。
龍田がショーツのゴムに手を掛けると、やはりその腕を押さえたものの、本気でやめさせよういとは思っていない。
するっと下着を下ろされると、そのまま片足を持ち上げてショーツを抜き取り、全裸となった。
龍田が服を脱ぐ間、アスカは少し困ったような恥ずかしそうな顔で身を屈め、胸と股間を手で隠していた。
こういうところは、まだ少女らしさが残っているらしい。
龍田が全裸となると、アスカは赤くなった顔を逸らし、なるべく「それ」と見ないようにしている。
そのことを知ると龍田は面白がって、誇示するかのように己のペニスをアスカに見せつけた。
アスカは慌てて顔を背け目をつぶり、嫌悪感たっぷりに叫んだ。
「いやっ! 見たくないわよ、そんなものっ!」
「いやでも何度も見ることなるんだ。それに、もう何度も見ただろう。口にだって入れた……」
「言わないでよ、そんなことっ! 誰かに聞かれたらどうすんのよ!」
「ここなら平気だよ。ま、シンジくんが帰ってきたらわからんがね」
「絶対に口きかないでよ、シンジが来たらっ!」
「わかったから、ほら、さっさと横になれ」
「……」
不承不承アスカが従おうとすると、龍田は何か思いついたように止めた。
そしてアスカを立たせたまま、自分がごろりと仰向けに寝転んだ。
やや開いた股間には、隆々とペニスが屹立している。
アスカはなるべくそれを見ないようにしながら龍田を睨んだ。
「……なによ」
「今度はアスカが乗れ」
「はあ?」
「いつも僕がアスカの上に乗ってるだろ? たまにはおまえが上になれよ」
「それって……」
「女上位だな。騎乗位ってやつ。セックスのお勉強も大好きなアスカなら知ってるだろ?」
「だ、誰がそんな勉強してるってのよ!」
「いいから乗りなよ、ほら」
「わ、わかったわよ……!」
アスカは強がってそうは答えたものの、どうしていいかわからない。
考えてみれば、アスカが上でセックスしたことはなかったのだ。
「僕の腰を跨ぐんだよ。そのまま膝立ちするんだ」
「……」
黙ってその通りにすると、アスカの開いた股間が龍田の正面に来る。
気恥ずかしさに首から上を真っ赤していると、案の定、龍田はにやにやしながらアスカのそこを凝視している。
「見ないでよ、ばかっ!」
「よく見えるんだから仕方ないよ。ふふ、アスカのマンコがもうびっしょりなのがわかるぞ」
「……本当にいちいちうるさいっ。あ、ちょっと、んんっ!」
龍田が腕を伸ばし、指でアスカの股間を嬲り始める。
指はクリトリスをこね、割れ目をなぞって、アスカにあえやかな淫声を上げさせている。
そっと指を挿入すると、アスカは「んんっ!」と呻いて、軽く仰け反った。
第一関節を飲み込んだ膣は、早くも締め付けを開始しており、アスカの腰が切なそうに揺れ動く。
龍田はそのまま指を回転させて、アスカの内部をかき回した。
くちゅっ、ぬちゅっといやらしい水音させ、媚肉からは蜜が滴ってくる。
「もう、こんなにしやがって。えっちな音がしてるぞ、アスカ」
「は、恥ずかしいからそれしないでよっ、あ、だめ!」
指がするっと抜かれると、アスカの腰が思わずそれを追いかける仕草をする。
「だめって何だ。もっとして欲しいのか?」
まただ。
またこの男は言葉で辱めようとしている。
それに乗ってしまうと、どんどんと男の術中に嵌り、ますます官能の虜となってしまう。
それはわかっているのだが、アスカにはもう拒めなかった。
肉の欲求は、抗おうという意志さえも飲み込んでいく。
「言えよ、アスカ」
「そ、そうよ!」
「ちゃんと言えよ。そしたら続きをしてやる」
「い、言うわよ、言えばいいんでしょっ!」
もう半ばヤケクソになっている。
このまま言葉嬲りに反抗し続けても結局は取り込まれてしまうのだし、あまりグズグズしていると本当にシンジが戻ってきてしまう。
この場面を彼に見せつけてやるのが目的ではあるが、始まる前に来られても困る。
出来れば、もうアスカ自身がセックスに没頭してしまい、シンジを気にする余裕すらなくなっている状態の方が恥ずかしくなくていいのだ。
アスカは屈辱の言葉を吐いた。
「も、もっとしてよ。いじって……!」
「よし、それでいいんだ」
「んあっ!」
指が再び動き始め、今度はずぶっと根元まで挿入された。
指先で内壁を擦られ、親指でクリトリスをこねくられ、アスカは腰をうねらせて悶えた。
指がすうっと抜け出ようとすると、アスカの膣はきゅっと締まって離そうとせず、さらに手が引かれると、腰が追いかけるように屈まってくる。
「どうだアスカ。おまえのマンコはどうなってる?」
「んっ……熱い……熱くなってるわよ……あ、あは……」
羞恥に頬を染め、熱い吐息を漏らしながら、アスカの白い肢体が身悶えている。
「気持ち良いんだな?」
「いい……、いいわよ、気持ち良い……あ、あそこ、溶けちゃいそう……ああ……」
「えらく締まってきてるぞ。なんだ、もういきそうなのか?」
「だ、だって、ああ……もう三日もしてないのよ……あ、あんたがいっつもつれないから……んっ!」
「そうか。なら、こうしたらすぐいっちゃいそうだな」
「ああっ!」
中指が深々と突き刺され、指先がひっきりなしに膣襞を抉っている。
同時に親指が押しつぶすようにクリトリスを揺さぶった。
続けて人差し指も膣内に挿入され、二本の指がぐちゅぐちゅと中をかき混ぜている。
クリトリスと膣を同時に責められ、アスカは引き攣ったような声を上げた。
「あ、あっ! んっ……あ、もう少し……ああっ、こ、このまま……このままで、もう……」
アスカの眉間に皺が寄り、唇がわなついている。
いつの間にか、アスカは両手で自分の胸を愛撫していた。
龍田の指が奥まで入り込み、中を強く擦った。
「あ、い、いやっ……うんっ……いっ……あああっ」
その時、急に指の動きが止まった。
「あっ!」
アスカの悲鳴にも似た声が上がり、その膣はきつく収縮して指を締めつける。
腰が蠢き、盛んに続きを求めていた。
龍田が指を抜き去ってしまうと、慌ててその腕を掴む。
「ど、どうしてよ! あたし……」
「「いきそうだったのに、どうしてやめるの」ってとこか」
「く……」
図星だっただけに何も反論できない。
アスカはブスブスと燻されている肉の疼きを持て余し、女の官能を弄んでいる男をきつく睨みつけた。
男は少女の威嚇を軽く受け流し、余裕たっぷりに言った。
「指なんかじゃなくて、他のものの方がいいんだろう?」
「……」
「ほれ、これだよ。これだったら思う存分に気をやれるぞ」
アスカは憎らしそうに、それでいてどこか切なそうな表情を浮かべ、なよなよと腰を蠢かしている。
自分の意志でそうしているのではなく、焦れったさに腰が勝手に動いてしまうのだろう。
「僕はいつでもOKだよ。ほら、その手で……」
「あ、離してっ」
「これを持って」
「やっ、こ、こんなの触らせないでったばあっ」
アスカは思わず手を引っ込めたが、龍田は腕を離してくれない。
指先や手のひらに、熱くなった男根が当たっている。
仕方なくアスカはおずおずと指でそれを摘んだ。
顔には嫌そうな表情がはっきりと出ている。
「ほ、ホントにサイテーよ、あんたはっ」
そう吐き捨てたものの、アスカは指でそれつまみ上げた。
露骨に表情が歪む。
「ああ、もう、こんなのって……」
「ほら、どうだ。もう硬くなってるだろ?」
嫌悪感にまみれていた若い美貌が、徐々に「興味津々」という顔になった。
人差し指と親指でようやく摘んでいたペニスを、手のひらで包むように掴んでいる。
言われなくても、少しずつしごき始めていた。
「すご……。いやらしいわ、ホントにかっちかちじゃないの……。指が灼けちゃうくらい熱いし……」
「入れていいぞ」
「わかってるわよ……、んっ!」
男の腰の上に跨った少女は、手のひらいっぱいに掴んだペニスの先っちょを、自分の性器に押しつけていく。
亀頭の硬さと熱さにくらくらしてくる。
そのまま恐る恐る腰を落としていくと、先端が媚肉を割り、膣口にめり込んできた。
「くっ……、ん、んんっ……ふ、ふとっ……!」
「まだ半分も入ってないぞ」
「わかってるわよっ、あんたのが無駄にでかいから入れるのに苦労してるんじゃないのっ。あ、あ……くううっ!」
ずぶずぶと半分ほどめり込むと、もうそれだけで膣がいっぱいになった気すらする。
アスカは勇を奮って、震える腰をさらに沈めていった。
長大なペニスがゆっくりとアスカの膣襞を擦っていく。
自分から男をくわえ込むという屈辱と、震えるような快感が入り交じって、アスカの愛らしい顔がぽおっとピンクに染まっていく。
「んうっ、は、入る……入ってくるわよっ……あんたのが……あんたのぶっといのが……んはうっ」
カリに抉られる膣内の快感が、アスカの腰をわななかせていく。
腿も震え、足の指が屈まっていた。
2/3ほど埋まったところで龍田が尻たぶをぴしゃんと叩いた。
「ひゃんっ!」
その痛みと衝撃で、アスカの腰と膝から力が抜け、尻がぺたんっと龍田の腰の上に落下した。
ずぶっと奥まで貫き通され、最奥に亀頭が衝突する刺激で、アスカはガクンと仰け反った。
「んぐああっ!」
驚いて持ち上がりかけた腰が、男の手でがっしりと掴まれた。
アスカはわななく唇で罵った。
「ば、ばかっ! いきなり何すんのよ、ああ……。お、奥まで来てるじゃないの……んんっ、奥に当たってるっ」
「アスカがぐずぐずしてるからだよ。ほら、動けって」
「あ、動かないで! ぜ、全部入っちゃってるんだからあっ……いあっ!」
背中をしならせたまま、アスカは腰をクッとくねらせている。
腰を上げて抜こうとしているのではなく、中に押し入った太いもので自分の内部を擦っているのだ。
「どうだ、いいだろうが」
「い……いいわ、ああ……おっきいのが奥まで来てる……」
「もっとよくなりたいだろう。アスカの方から動くんだ。わかるだろう、腰を上下させるんだよ」
「わかった……」
アスカは素直に腰を小さく動かしていく。
まだおっかなびっくりといった動きで、コツがわからないのだろう。
軽く腰を上げ、また下ろす。
かと思うと、尻を振るようにして左右に蠢かしたりしている。
それだけでも快感は充分らしく、男女の接触部は愛液でにちゃっ、ぬちゃっと淫らな音をさせていた。
「ん、はうっ……あくっ……いっ……はあ……うくっ……うんっ」
だんだんと腰の動きがダイナミックになり、上下の動きが大きくなっていく。
アスカが腰を上下させるたびに、控え目なバストが小さく揺れた。
ミサトの乳房のように、ゆさゆさと重たげな感じはないが、ふるっ、ぷるんっと、遠慮気味に揺れ動き、いかにも若く青い果実のような硬さと新鮮さが感じられた。
「その調子だ、アスカ。やっぱりおまえはよく出来た子だよ、そのままだんだんと動きを大きく速くしていくんだ」
「わ、かって、るっ……んっ……いい……はああっ……あ、み、見ないでよ、恥ずかしいんだから……あくっ」
「その恥ずかしそうな顔がいいんだよ。生意気なアスカでも、こんな顔するのかと思うとゾクゾクするな」
「うるさっ……いいっ……だ、だからじろじろ見ないで、あうっ……」
実際、良い眺めだった。
綺麗な髪が揺れ動き、若い乳房が跳ねる。
腰を掴んでいる手からは、弾力ある肌の心地よい感触が伝わってきた。
何より、アスカの小生意気な美貌が愛欲にまみれ、ドロドロにとろけていく様子は、この上なく龍田を刺激した。
アスカの方から積極的に繋がり、挑み掛かってきていることもそれに拍車を掛ける。
「ちょ、待っ……! あ、あんたの、あたしの中で、ああっ……ま、またおっきくなってるわよっ……いっ……あうっ、ふとっ!」
アスカが悲鳴を上げた。
太く長いものが根元まで埋め込まれ、成長過程の膣がみちみちと軋んでいる。
逃げ腰になるアスカの尻を掴み、龍田は腰を回転させるようにして膣内を擦り、その刺激に慣れさせていく。
自分で行なう上下運動だけでなく、回転運動まで加えられ、アスカが大きく身悶える。
「んんっ、すごっ……凄いっ……奥に当たるのよっ……あ、擦られてるっ……いっ……あ、もう……もうっ」
アスカの膣奥からじくじくと愛液が溢れてくるのがわかる。
膣の締めつけもきつくなり、射精を求めだしていた。
アスカが早くもいきそうなのがわかると、龍田はごすごすと数度奥まで強く突いていった。
「やああっ、も、いきそっ……あ、あ、もう少し……いっ……って……え?」
唐突に龍田の腰が止まった。
アスカは驚いたように男を見、そして腰を動かそうとしたが、掴まれていて動けない。
もどかしそうに腰を揺さぶってから、龍田を問い質した。
「なっ、なによ、どうしたのよっ!? なんで急に……」
「いきそうだったか?」
「……」
男の意地悪そうな顔を見て、アスカも覚った。
アスカが絶頂寸前なのを知った上で、龍田は動きを止めたのだ。
焦らそうとしているに違いない。
さっきと同じだ。
アスカにむらむらと怒りが込み上げる。またこいつは女の性を弄ぼうとしているのだ。
むらむらと湧いているのは怒りだけではなかった。
いけそうだったのにいけなかったという焦れったさも、熾火のように肉体の奥で燻っている。
「いきたかったら「いかせて」と言ってみろ」
「べ、別にっ。いきたかったのは、あんたじゃないの!?」
「ほう、アスカらしい言い分だな。よし、それなら……」
「あ、こら急に動くなあっ……!」
にやりと笑った龍田は、アスカの尻をしっかりと自分の腰に押しつけたまま、力強くぐいっと腰を打ち込んだ。
いきなり硬いペニスで子宮口を突き上げられ、アスカは目を剥いて悲鳴を上げた。
「うああっ、ばかあっ! い、いきなり何すんのよっ!」
「何って、これが欲しかったんだろうに」
「そ、そうだけど急に強すぎよ、ばかっ……んはあっ!」
憎まれ口を叩きながらも、急に再開された律動にアスカは呆気なく取り込まれ、あられもなく喘いだ。
「ひっ! ひっ! いああっ! お、奥ばっかしないでよ、あっ……そ、そんなにされると、また来そうになるんだからっ……くっ、いやあっ!」
アスカの腰が激しく上下している。
自分で盛んに動かし、腰を持ち上げ、叩きつけるように男の腰の上に落としていた。
龍田の方もアスカの綺麗にくびれた腰を両手で掴み、何度も何度も自分の腰に叩きつけている。
またしてもアスカが頂点に向かい掛けた時だった。
キーが回され、ドアが開く軋んだ音が響いた。
「っ……!!」
アスカの動きと龍田の動きが同時に止まった。
それまで紅潮させていたアスカの頬から、さあっと血の気が引いた。
「ただいまーー」
シンジの声だった。
アスカの動きと龍田の動きが同時に止まった。
それまで紅潮させていたアスカの頬から、さあっと血の気が引いた。
「ただいまーー」
シンジの声だった。
スニーカーを脱いでいるらしい音がすると、続いて廊下を歩いて行く音がした。
「ただいまってばあ。アスカー、いるんだろ?」
真っ直ぐダイニングに向かったらしい。
電気が着けっぱなしだったから、そこにいると思ったのだろう。
そうでなくとも、シンジは帰宅するとまずそこへ行くのが常だった。
鞄をテーブルの上に置く音と、コップに水道から水を注ぐ音がする。
「アスカーー、部屋にいるの?」
「……」
アスカは返事も出来ず、身を固くしている。
こうなること──シンジにセックスを見せつけるのが目的だったとはいえ、その時が来るとさすがに緊張が走る。
それまでの性的興奮はウソのように冷めたが、龍田をくわえ込んでいる媚肉は、緊張のせいかキュッと堅く締まっている。
またシンジの声がした。
「アスカってばー、返事くらいしなよ」
シンジが廊下を歩いてくる足音が響く。
アスカはもうどうしていいかわからず、縋るように龍田を見つめた。
もしこの時、龍田が「やめよう」と言って離れてくれれば、アスカは喜んでそれに応じたことだろう。
もちろんこの男はそんなことをするはずもなかった。
それどろこか、埋め込んだままのペニスの先で、ごりごりと子宮口を抉ってきたのだ。
突然の強い快感に、アスカは口を押さえて喘いだ。
「んんっ!? くううっ!」
シンジは自分の部屋へ行こうとしているのか、廊下が軋む音が近づいてくる。
彼の部屋はアスカの部屋の合い向かいだ。
襖を薄く開けているから、薄暗い廊下に細く光が差しているはずだ。
そこにアスカが居るといやでもわかる。
「アスカ、部屋?」
襖に手を掛け、開けようとしたシンジの動きが止まる。
以前、アスカが泊まった際に、睨み殺されそうな勢いで「部屋を覗いたら殺す」と凄まれたことを思い出した。
シンジは苦笑しながらため息をつき、仕方なく部屋の様子を窺った。
「……っ!?」
襖の隙間から部屋の中を覗き込んだシンジは息を飲んだ。
アスカが「入っちゃだめ!」と止めるまでもなかった。
シンジの身体が凝固している。
想像もしなかったものが見えてしまったのだ。
そこには全裸──少なくとも半裸のアスカがいた。しかも誰か知らない男(だと思う)と一緒にしたのだ。
あろうことかアスカは、その男が寝そべっている上に跨り、腰を振っていたのである。
「っ……!!」
あまりのことに、シンジは腰を抜かした。
廊下に尻餅を突き、がくがくと震えている。
とうとうシンジに見られた──そう思ったアスカは、今さらながら動きを止めようとするものの、燃え盛った肉体はもうどうにもならなかった。
男──龍田も許そうとせず、そのまま腰を打ち込んでアスカの華奢な身体を突き上げている。
必死に声を出すまいと口を押さえていたアスカの手を押し返すように、堪えきれない喘ぎ声が手のひらと口の隙間から溢れ出る。
「ん、んむっ! むううっ! んっ、んっ、んんうっ!」
深い突き込みから逃げようと、アスカは腰を持ち上げるものの、そうはさせじと龍田の手ががっしりとアスカのくびれた腰を掴んで離さない。
「ア……アス、カ……?」
あまりの光景に、シンジは腰を抜かしたまま震えた。
目は良いシンジは、襖の細い隙間から見える部屋の中が、尻餅を突いた位置からもはっきりと見えた。
アスカは腰で男と繋がっている。
これは「セックス」をしているのではないのか。
その証拠に、アスカは裸だし、下にいる男も裸のようだ。
アスカは苦悶した表情のまま、懸命に手のひらで口を押さえている。
それでも洩れる熱く甘い声は苦痛を訴えるものにも似ていたが、快楽を表現しているようにも思えた。
くぐもった声を漏らしながら、アスカの白い肢体がリズミカルに男の腰の上で弾んでいる。
小振りだが形の綺麗な乳房が、遠慮がちにふるふると跳ねていた。
シンジはガクガクと震えながらも、ズボンの奥でむくむくと男性器が勃起していくのを感じていた。
その間にもアスカは腰を打ち込まれ、とうとう手のひらが口から離れて行った。
もう我慢できないとばかりに喘ぎ、よがっている。
「んんっ、奥っ! 奥まで来てるわよぉっ……いっ、あ、いいっ……!」
もう、どうにも言い繕いのようのないくらい、それはセックスそのものだった。
シンジの喉がゴクリと動く。
そして意識しないうちに手が勝手に股間に伸び、ズボンの上から男根を擦っていた。
夢想したこともあるアスカの裸身である。
無理もなかった。
そんなシンジの視線を感じているのか、アスカの悶え振りも一層に激しくなる。
「は、激しっ……激し過ぎるわよ、ばかあっ……んああっ、くっ……奥に当たるぅっ……深すぎるっ!」
そう言いながらもアスカはより深い結合を求めて自ら腰を振り、尻を龍田の腰に押しつけている。
龍田に突き上げられて身体が宙に浮くが、すぐに自分から腰を落として尻をくっつける。
熱くどろどろにとろけきった膣からは、どろりとした濃い愛液が溢れて、アスカの尻と龍田の腰をべとべとに汚し、糸を引かせている。
突き上げられるたびに甲高いよがり声を発し、白い喉を反らせて息も絶え絶えにアスカが喘ぐ。
「いっ、いいっ……いいわよっ……お腹の奥まで抉られてるっ……あ、あんたのぶっといのがあたしの子宮までっ……くううっ、いいっ!」
そんなアスカの痴態に煽られ、龍田もその媚肉をこねくり回すようにペニスをねじ込んでいる。
へばりつく襞を引き剥がすように抜き、また根元までぶち込んでアスカに悲鳴を上げさせる。
あまりにも強い突き上げで、アスカの裸身はふわっ、ふわっと宙に浮くほどだった。
「だ、だめ、強すぎっ……あ、いく……いきそっ……あ、ああっ……あ!」
また動きが止まった。アスカは驚いたように龍田を見て、そして腰をうねらせている。
「あ、あんたバカぁ!? な、なんでまた急に止めるのよっ!」
「……」
「あたしがいきそうになってるのになんでやめるのよぉっ! あともうちょっとだったのにっ!」
アスカは悔しそうにそう罵り、早くしろと言わんばかりに腰を捩る。
「は、早くしなさいよ、ばかっ! このまま放っとくなんて信じらんないっ!」
アスカはどすんどすんと腰を龍田に打ち付け、手で自分の乳房を揉みしだいている。
よほどいきたいらしい。
それを見ているシンジはたまらなかった。
あのアスカが、こんな痴態(醜態と言うべきか)を晒すとは思いもしなかったのだ。
もちろんその光景は、14歳の思春期真っ盛りの少年の性欲を高ぶらせるには充分過ぎるものだった。
「ア……アスカ……」
いつの間にか、シンジはズボンのファスナーを下ろし、自分のペニスを取り出してしごいていた。
尻餅を突いた姿勢から腰を上げ、そのまま這うようにアスカの部屋の襖に近寄り、隙間から中を覗く。
そこにはアスカの凄まじいばかりのセックスシーンが繰り広げられている。
アスカの甘い汗の匂いと、淫靡な男女の性臭がシンジの鼻をくすぐる。
もう、どうにもたまらず、シンジは襖に顔を押しつけ、その隙間からアスカの激し過ぎるセックスを覗き見ていた。
これまで想像するだけだったアスカのおっぱいが、お尻が、すぐ目の前で蠢いている。
アスカの真っ白い肢体がほんのりとピンクに染まっている。
とても少女とは思えぬ強烈な性交に当てられ、シンジは声もなくその様子を見守り、そして自分の肉棒を強く擦っている。
息遣いが荒く、ペニス──特に亀頭の部分がびくびくと痙攣した。
信じられないほどの快感で、シンジは唸りを上げてペニスをしごいている。
だがその目は、一時たりともアスカのセックスから離れない。
アスカが妖しい仕草で身悶え、悩ましい声を上げて喘ぐだけで、シンジのペニスはあっという間に限界を迎えた。
「くうっ! ア、アスカっ!」
しごいた指の先にある亀頭がぶるっと震え、シンジは激しく射精した。
何も手当てしていなかったので、アスカの部屋の襖に濃厚な精液が引っかかった。
シンジは思わず汚れた手を見つめたが、いつもと何か違っている。
普段は自慰をした後、やりきれないような自分に対する嫌悪感があるのだが、今回はそれが小さい。
ないわけではないが、それ以上に性欲が治まらないのだ。
シンジが射精してしまった後でも、アスカは相変わらずセックスし続け、大きな声でよがっているのだ。
その光景が目に入ると、否が応にもシンジのペニスがぐぐっと大きくなっていく。
連続してオナニーすることなど初めてだったが、アスカの行為に刺激され、シンジのそこはそうせずにはいられないほどに勃起し、性感が高まっていた。
シンジはペニスをしごきつつ襖の隙間に顔を寄せ、食い入るようにアスカの痴態を見つめていた。
息は荒く、室内にいるアスカにも聞こえそうなほどだったが、そんなことを気にする余裕もなかった。
部屋のアスカの方も、息と声を荒げて下にいる男を罵っていた。
「焦らしてんの!? ふざけてないでいかせてよ!」
自分から腰を動かそうとしているものの、龍田の手が腰を押さえ込んでそれを許さなかった。
それでいて、亀頭の先をぴったりと子宮口にあてがい、ぐりぐりと擦っている。
ピストンによる膣内摩擦がなく、アスカはいくにもいけなかったが、子宮口を刺激され続けることにより、焦れったいような愉悦は強制的に継続されている。
アスカは今にも泣き出しそうな、苦しそうにすら感じられる顔を歪め、とうとう龍田に哀願する。
「い、いかせてよぉ……あたし、このままじゃどうにかなっちゃう……!」
「じゃあ、こう言え。「アスカをいかせてください。あなたの大きいチンポで満足させてください」ってな」
「言う! 言うからぁっ……。アスカを……あっ……い、いかせてください……。あ、あんたのおっきいチンポで満足させて……」
「よし。アスカはそんなにセックスが好きなんだな?」
「す……好き、かも……」
「それじゃだめだな」
「すっ、好きよぉっ!」
アスカは半ばヤケクソのようにそう叫んだ。
その間にも、媚肉はペニスをきゅうきゅうと締めつけ、じくじくと粘った熱い蜜を漏らし続けている。
「誰にそんなに仕込まれたんだ? このスケベ娘が」
「くっ……、あ、あんたでしょっ! あんたが……何も知らなかったあたしに色んなことしてっ……そ、それであたしは……」
「中出しされたくてたまらない、と」
「な……か出しって……」
膣内に龍田の濃い精液をたっぷりと射精される。
そのことを想像すると、アスカの背中にぞくぞくするような暗い快感が走った。
そんなことをされ続けたら、きっといつか妊娠してしまう。
そのはずなのに、こうして犯され、快楽に狂わされると、もうそんなことはどうでもよくなってしまう。
むしろ子宮に激しく精液を浴びせて欲しい、とすら思ってしまう。
アスカは何かに屈服したように、がっくりと顔を垂れ、力なく言った。
「そ……うよ……。中に……欲しくて……だからお願い……は、早く……ああ……」
涙すら滲ませているアスカの若い美貌に刺激され、龍田は力強く腰を打ち始めた。
突如蘇った強烈な快感に、アスカは背中と首を仰け反らせて悲鳴を上げた。
「んはああっ、すごっ! いっ、いいっ! ああん、いいっ!」
下から突き上げられ、男の手が緩むと、アスカもそれに合わせて激しく腰を上下させていく。
「んっ、んんんっ、深いっ……いっ、いいいっ……もっと深く、ああっ!」
「大したよがりようだな、アスカ。彼が見てるぞ」
「やっ、シンジ! くっ……、み、見られてる……シンジに、ああっ……」
いきなり名前を呼ばれ、オナニーしていたシンジもかなり驚いた。
まさか見ていることがバレてるとは思わなかったが、そこから逃げ出すことも出来なかった。
自慰も佳境に入っていたし、アスカも見られていることを認知しているらしいとわかったからだ。
何を考えてアスカがそんなことをしているのかわからなかったが、興奮の材料にはなった。
どうせバレているのならと思ったからなのか、シンジは襖をさらに開けて、顔が入るほどの隙間を作った。
もうほとんど顔が部屋の中に入ってしまうほどに近づき、アスカの激し過ぎるセックスを見ていた。
シンジの性器はまたも痛いほどに勃起し、彼の手の中でびくびくと痙攣している。
アスカがつんざくような悲鳴を上げた。
「ひぃっ!? そ、そこはあっ……! お、お尻、いやああっ!」
男の手がアスカのお尻の肉を開かせ、その奥に指を突っ込んでいるのが見えた。
(お、お尻……? アスカ、お尻の穴までいじられて……!)
そんなところを愛撫の対象にされていることにシンジは驚き、同時に激しい興奮を覚えた。
胸やお尻は妄想の対象ではあるが、せいぜい尻たぶを触るとか撫でる程度のものだと思っていた。
なにしろ排泄器官なのだ。
なのにそこまで性的なものとして扱われている。
そんな恥ずかしいところを責められ、悶えているアスカに異様に興奮し、シンジはたちまち射精してしまった。
アスカの方は、唐突にアヌスを責められ、驚愕しつつもその妖しい快感に悶えている。
まだまだ女らしいとまでは言えぬ曲線の尻たぶを割られ、その奥で秘めやかに喘いでいる肛門に指の腹があてがわれる。
ぐっと押しつけられて悲鳴を上げ、ゆるゆると揉み込まれて心ならずも快楽に喘いでいた。
「はうんっ!!」
ずぶりと指がアヌスを貫通すると、粘膜を擦られる快感にアスカがよがる。
龍田の指は根元まで埋まり、前に収まっているペニスを肉壁越しにゴロゴロと擦っていく。
たちまちアスカは昇り詰めそうになり、髪を振り乱して喘ぎ、ぶるぶると腰を震わせた。
「あっ、あっ、それだめ、いくっ! あ、いく、いきそっ……!」
「ふふ、今にもいきそうだな、アスカ。そんなに尻がいいのか」
「こ、これも、あっ……あんたのせいでしょっ……くっ、いいっ!」
「これならもうサンドイッチで責めても大丈夫そうだな。どうだ、アスカ。シンジくんも呼んで一緒に責めてもらうか?」
「シっ、シンジも……!? んひっ、ああっ!}
「そうさ。僕が尻に入れてやるから、シンジくんにオマンコやってもらえばどうだ? 逆でもいいがね」
「シンジとあんたに……ああ……ふたり同時に犯される、の……?」
アスカの脳裏に、シンジと龍田に身体を挟まれ、上下から激しく突きまくられてよがり喘ぐ自分の姿が浮かんでくる。
頭の中が淫らな妄想で燃え上がり、真っ白く灼けていく。
肉棒をくわえ込んだ媚肉と、指をねじ込まれたアヌスがきゅっと収縮した。
(今……、あたしはこいつとシンジに犯されてる……。こいつのは前に……シンジがあたしのお尻に……あああ……)
ハーフ独特の真っ白い肌の臀部がぶるぶると震え、肛門に根元まで埋め込まれた指を盛んに締めつける。
同時に龍田の律動を受け、アスカは掠れたよがり声を放ち続けた。
「あああ、もうだめえ……死ぬ、死んじゃう……あう、奥まで来てる……当たってるわよ……いいっ」
龍田の指が二本になり、アスカの肛門を激しく犯す。
前は太いペニスが奥深くまで突き上げて、子宮口を強く何度も抉った。
覗き見ているシンジの目には、愛液でぬらぬらと淫らに光り輝くペニスが激しく抜き差しされているのが見えるはずだ。
激しい責めに応えるかのように、アスカの尻がリズミカルかつダイナミックにうねり、男の性器と指を味わい、何度も裸身が跳ねる。
アスカの悶えっぷりに龍田も目を見張っている。
やはりシンジを絡めると反応がより露骨になるようだ。
さらに言葉で責めるべく、龍田は意地悪く言った。
「アスカ、僕とシンジくんとどっちが好きだ?」
「えっ……!!」
何を言うのかと驚いたような顔で、アスカが下の男を見つめた。
それでも腰の動きは止まらず、龍田の突き上げに尻を振り続けている。
「あ、あんたなんか嫌いっ、大っ嫌いよっ、決まってるでしょっ! で、でも、ああ……」
「でも、なんだ」
「でも……くっ……き、気持ち良いのよっ……あんたなんか……あんたなんか大っ嫌いなのにっ……どうして……どうしてこんなに気持ち良いのよぉっ!」
「くっ、アスカ!」
アスカの言葉に煽られ、龍田の右手の指が深々と肛門を抉り、左手は胸に伸びて、揺れ動く乳房をぎゅううっと握りしめた。
「い、いきそうよっ! い、いいわね!? 今度こそっ……今度こそちゃんと最後までいかせてよっ……んんっ、いいっ……奥っ……来てるぅっ!」
「いっていいぞ、アスカ。シンジくんにおまえが気をやるところをしっかり見せてやれよ」
「ああっ……!」
やっといかせてもらえると思うと、アスカの内部にぐぐっと大きな官能の大波が打ち寄せてくる。
若くしなやかな背中を弓なりに反らせ、全身をビクビクと大きく痙攣させて顔を振りたくった。
恥ずかしい絶頂をシンジに見られる羞恥と、見て欲しいという倒錯した被虐快感がアスカの心をかき乱す。
若い膣の力強い締めつけに龍田も限界で、その背中に痺れる甘い射精欲が抑えきれなくなった。
「いくぞ、アスカ! 中に出す!」
「き、来て! 中でいいから早くぅっ! あ、いくっ、もういくっ! い、いっくうううっっ!!」
甲高い声で絶叫しながら、アスカはようやく絶頂に達した。
遠慮なく締めつけてくる膣圧に耐えきれず、龍田も我慢することなく射精する。
開きかけた子宮口目がけて、醜い欲望の濁液がぶちまけられる。
「んひぃぃっ、出てるっ! ばかばかばかっ、また中に出したぁっ……お腹に、お腹の奥に当たってるっ……あんたの精液がどびゅどびゅ出てるっ……いやああっ、またいくうっ!」
アスカは子宮内部にどくどくと注ぎ込まれる精液の濃さと熱さにぶるるっと全身を痙攣させた。
夥しい精液が龍田の肉茎から放たれ、アスカの子宮を溢れさせる。
愛液と精液のミックスされた淫液が、ペニスと膣の僅かな隙間から吹き出すように漏れ出してきた。
アスカの身体から力が抜け、龍田の胸にばったりと倒れ込んだ。
「まだ出てる……ばかあ、こんなにたくさん出すなんて……お、多すぎて零れてるわよ……んむっ!」
龍田はアスカの頭を抱きかかえるようにして、その唇を吸った。
もはやアスカも抵抗せず、男の好きに任せている。
咥内を舌に蹂躙され、アスカの尻が小さくぶるっと震えた。
また気をやったらしかった。
室内の男女の動きがおとなしくなった時、外で覗いていたシンジはまた尻餅を突いていた。
腰が砕けてしまったらしい。
それでも彼の右手はファスナーから顔を出したペニスから離れず、ゆるゆるとしごいていた。
三度目の射精を終わったばかりの先端からは、これも濃厚そうな精液がこびりついていた。
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