「ああ……、ご、五代さん、もうこんなことは……」

三鷹家の寝室では、拒む人妻に男が迫っていた。
あの日、裕作に身体を許して以来、響子はまともに彼の顔が見られなくなっていた。
裕作の方もそうなのか、あまり響子と顔を合わせなくなっている。
互いに後悔しているのだと思ったのだが、甘かった。
裕作の方は、虎視眈々とチャンスを窺っていただけらしい。
あれから四日目、とうとう裕作は響子をまたベッドへと連れ込んだのだ。
瞬が帰宅しない日を狙っていたのかも知れない。

「お願いです、五代さん。やめてください……。これっきりだって言ったじゃあり
ませんか」
「そんなことは知りませんよ。そう言ったのはあなただけだ。俺は承知したわけ
じゃありません」
「そんな、ひどい……」
「ひどいのはあなたの方ですよ。誘ってきたのは……」
「言わないで!」

響子は激しく頭を振った。
確かにそうなのだ。
あの日、どうしても裕作を帰したくなくなっていた。
それが本当に肉欲からなのか、それとも別の意味もあったからなのか、今ではもう
どうでもいいことだ。
結果は同じなのだ。

だが、すべてを終えた後、彼女は大きな悔恨と贖罪の念を持っていた。
もちろん夫の瞬に対してである。夫は「誰と寝てもいいと言った」というのは言い
訳だ。
それがなくとも、あの時の状況であれば、裕作と肌を重ねてしまっていただろう。
しかも相手が裕作というのは、まず瞬は許さないはずだ。
そんなこんなで響子は打ちひしがれていたのだ。
追い討ちを掛けたのは、裕作とのセックスによって、響子の身体は少なからず満足
していたという事実だ。
浅ましい女と罵られ、淫らな人妻を蔑まれても、何も言い返せない。

両手をクロスさせて胸を守る響子に、裕作はふっと息をついていったん離れた。
ベッドの脇のサイドボードに、洋酒が並んでいた。
何だか飲みたい気分だった。

「響子さん、これご馳走になっていいですか?」
「……どうぞ」

まだ警戒しているのか、響子は胸を守ったまま後ずさった。
ベッドの上で横座りしている。
そこで「あ」という顔をした。
確かそのサイドボードには、前夜夫が使った淫らな玩具があるはずだ。
見つけられたら恥ずかしいと思ってそっちを見たが、裕作は何気ないように洋酒を
選んでいる。

裕作は適当に壜を取り、グラスに注いで一口飲んだ。
ブランデーらしいが、銘柄はわからない。
冷たく芳醇な液体が食道から胃に到達すると、カッと火のように熱くなった。
もう一口飲むと、食道まで焼ける気がした。

響子の言う通り「一夜限りの過ち」とした方がいいのではないかという思いは裕作
にもあった。
ここで手酷く抵抗されたり、力づくで犯してしまったら、本当にそれで響子との
関係が完全に終わってしまうと思ったのだ。
だが、そんな迷いも、強いアルコールが一気に灼き尽くしたようだ。
裕作の覚悟は決まった。

ちらりと響子を見ると、横座りのまま下を見ている。
表情は虚ろだ。愁いを帯びたその美貌に、またむらむらとよからぬ欲望が込み上げて
きた。
響子はベッドルームに連れ込まれたというのに逃げようとしない。
しかもこの前、ここで響子を犯した自分がいるというのに、だ。
裕作は、響子は自分をバカにしているのか、あるいは抱かれる気になっているのだ
と思った。
どちらにしても、また抱きたくなっている。
その思いは押さえ切れなかった。

「響子さん!」
「あ、いやっ!」

不意打ちを食わされた響子は、慌てて逃れようとしたものの、あっというまにのし
かかられてしまった。
胸に裕作の胸筋が当たる。
その重さと筋肉の硬さ、そして汗の匂いに頭がくらくらしてくる。

「だめ……、五代さん、だめです……」

そう言いながらも、響子の頬はもう染まってきていた。
これから起こることに期待がないと言ったらウソになるだろう。

「あ……」

ベージュのサマーニットの上から、裕作の手が胸を軽く愛撫してきた。

「ん……あ……」

いけないと思いつつも、響子の朱唇から小さな吐息が漏れ出した。
目は固く閉じている。
抵抗がないことを確認し、裕作はゆっくりと手を動かし、乳房を揉んだ。
ニットの上からでもはっきりそれとわかるほどに豊かな胸は柔らかく、揉んでいる
手に心地よい感触を与えている。
乳首の辺りを指で探り出し、人差し指と親指でこねていく。

「んんっ……」

やや強めにこねたのだが、ニットとブラが間にあるから、そう痛くはないだろう。
むしろブラの生地で擦れて、ナマで揉まれるのとはまた違った刺激があるはずだ。
こねているうちにむくりと起き出した乳首に爪を立て、コリコリと軽く擦ってやる
と、人妻は身悶えをよりはっきりと示してきた。

「だ、だめ……、いっ……むむ……あっ……」

乳首はほぼ完全に勃起し、ニットの上からでもその場所がよくわかる。
裕作は手を大きく使って乳房を揉み込んだ。
その刺激には首を突っ張らせて何とか耐えている響子だったが、時折、乳首をコリ
コリ摘まれると、たまらないように呻いた。

「その気になってきましたか、響子さん」
「そっ……んなこと……ありまっ、せん……ああ……」
「身体はもうすっかりその気に見えますけどね」

乳房からの快感は大きくなる一方らしく、耐え忍ぶ手がシーツを掴んでいる。
ひざが立って曲げられ、爪先がベッドをへこませていた。
さらり、と、薄いプリーツスカートが捲くれあがる。
乳房ばかり責められ、その快楽を堪え、逃れることばかり考えていたからか、下半身
が疎かだった。
裕作は乳房を揉みながら、左手を下半身へと伸ばした。
スカートの下から露になった太腿に指を這わせると、その柔らかさに陶然となる。
今日はストッキングを履いていたが、その薄い生地の感触が心地よい。

「んうっ……」

突然に腿を触られ、その刺激に響子は身体をギクンとさせた。
打てば響くその肉体の素晴らしさに感嘆しながらも、裕作は響子を精神的に追い詰
めていく。

「我慢することはありませんよ、響子さん。今日はもう俺たちふたりっきりだ」
「が、我慢なんか……してませっ、ん……」

反応していることを必死に隠そうとする人妻の健気さに、一層の愛おしさが込み上
げてくる。
ますます積極的に責めてくる裕作を形だけは抗いながら、響子は自分の心の微妙な
変化を捉えていた。
また犯されるという恥辱もある。
感じてしまっているという羞恥もある。
夫を裏切ってしまうという背徳もあった。
それらが入り混じり、響子の美貌には得も知れぬ妖美さが漂い始めた。

「我慢してない、か……」
「……」
「そういうウソをつくなら、我慢できなくなるようにしてあげましょうか」
「やっ……こ、これ以上はやめ、あっ……!」

裕作は乳首を責めつつも、乳房を根元から掴んで大きく揉み込んだ。
そうしながら、太腿を撫でていた手は内腿へとすべり、そのままストッキングと
ショーツの上から秘裂を捉えた。

「あっ……く……」

割れ目をまさぐられた瞬間、響子はギクッと電流が通ったように跳ねた。
唇から漏れる呻きは喘ぎに変化し、官能にとらわれつつあることは、もはや隠し
ようもなくなっていた。
ショーツ越しに、柔らかい突起肉をぐっと指で刺激する。

「あうっ! そ、そこだめっ……くっ……」

次々と押し寄せてくる性の快楽に抗い切れず、響子の身体に熱が籠もり出した。
その美しい顔を苦悶に歪め、苦しげに息を吐き続ける。
かつての裕作なら怖気づくか、逆にむしゃぶりつくかだろうが、今の彼は少しも
慌てず、響子の服を脱がし始めていた。

「……」

響子は無言のまま従った。
顔は背けていた。
ニットを頭から抜く時は、腕が邪魔にならぬように伸ばしていた。
薄いスカートを剥ぎ取られた時は、すっとお尻を浮かせていた。
スリップを脱がせ、ストッキングをくるくると丸めて爪先から脱がされた時には、
もう覚悟が出来ていた。
このまま裕作との関係が続いていいわけがない。
それはわかっているのだが、もう彼女の心と身体は裕作が欲しくなってきていた。
「いけない」と思って唇を噛み、そっと左手の指にはめたリングに目をやる。
そして悲しげに、そこから目を離した。

裕作の方は、響子の肢体から目が離せない。
もちろん若い身体ではない。
蒼くすっぱい危うそうな肢体ではなく、充分に熟れて脂の乗った美しさだ。
肩にも二の腕にも、年相応の肉が乗っている。
それでいて首の付近は痩せていて、鎖骨のラインがはっきりと見えた。

ブラジャーにはパッドなどというものはもちろんない。
3/4カップの地味なブラだったが、そこからはみ出しそうになっているほどの
見事な乳房だ。
ブラから洩れている肉の、何と柔らかそうなことか。
やや細めのショーツからも、臀部の肉がこぼれている。
下着の中心部──股間の部分はしっとりと濡れ、染みが媚肉の形を写し出していた。
裕作の視線に気づいたのか、響子は恥ずかしげに顔を背けた。

「見ないで……ください……」
「どうして? こんな綺麗な身体なのに」
「は、恥ずかしい……です……」
「可愛いですよ、響子さん、まるで処女みたいだ……」

裕作はそう言って、乳房に再び手を伸ばした。
ブラの下に侵入させ、生乳を揉んでいく。
鷲づかみにして、ぎゅうぎゅうと乳搾りのように揉んだ。
それだけでも「ああ……」と微かに喘ぎ出した響子だったが、裕作が乳首を虐めて
くるとはっきりと喘いだ。
尖った乳首を指で挟み、ぐいぐいとしごいてやると、感じやすい人妻はぐっと首を
仰け反らせた。

「ああっ! ……やっ……いっ……」

乳房を揉まれ、乳首をこねくられるたびに、響子は大きく喘いだ。
刺激が足りないとでも言うかのように、胸を上に上げて裕作の手に乳房をぐっと
押し付けたりもした。
下半身の責めも休まない。
ゴムを上げて下着の下に潜り込んだ裕作の手は、熱く濡れた媚肉に触れると、すぐ
に蜜まみれとなった。
ぬるぬるした指で割れ目をなぞり、クリトリスの根元を擦る。

「うっ……く……くううっ……あっ……」

響子は裕作の愛撫の虜となり、下着を脱がされていたことにも気づかなかった。
完全に露わとなった女体は、淫らなオーラでぼうっと煙っているような錯覚を受けた。
散々いびられた乳首は勃起するだけでなく赤く染まっている。
焦らすように責められた股間からは、内腿まで汚すほどに愛液を漏らしていた。
もうたまらないとでも言うように、響子の濡れた腿が捩り合わされる。
そのせいで、もうぐしょぐしょに濡れそぼっていることがわかったのか、響子は
「はっ」として恥ずかしげに顔を伏せた。
膝を曲げて股間を隠し、腕を交差させて胸を隠した。

「だめ……これ以上はもう……」

裕作は少し驚いた。
どう取り繕っても、もう響子は一度裕作と関係してしまっている。
その上、今日も抱かれようとしているのだ。
なのに、寸でのところでまだ抵抗がある。
口だけかも知れないが、身を守ろうとしている。

確かに、裕作の知っている響子は、幾分意地っ張りなところはあったが、しとやかな
女性だった。
それがあっさりと痴女化してしまっては「百年の恋も冷める」というものだが、この
貞操の強さは何だろう。
人妻として当然のことなのだろうか。
夫への操がそうさせるのか。
その夫とは三鷹瞬だ。
響子の左手に光るリングを見ていると、また裕作に暗い感情──響子に対するサディ
スティックな思いが滾ってくる。

「あ……!」

組んだ腕を掴まれ、ぐっと上に上げさせられた。
ぶるんと乳房が柔らかそうに弾んだ。
驚いて裕作を見ると、彼はブランデーの入ったグラスを傾けて、そこに垂らした。

「きゃっ! 何を……!?」

冷たい液体が素肌に落ち、乳房の丘からつうっと背中へと滑っていく。
裕作は、左手で響子の両手首をひとまとめにして彼女の頭上で掴み、右手でブランデ
ーをすり込んでいった。
乳房に垂れたブランデーが、揉みこまれるようにして肌にすり込まれる。
乳首にも塗り込められ、硬く尖り出した乳首が疼く。
まるで注射の前に塗布される消毒用アルコールのようだ。
あれほどに濃度は高くはないから、さあっと乾くようなこともない。
それでもアルコール分は確実に響子の肌を通して、身体に染み渡っていく気がした。
濡れた乳房が音をたててたぷたぷと揉まれ、乳首がつまんで引っ張られ、こねくら
れる。
ただ愛撫されるのではなく、液体によってぬらついた状態でされている。
直に揉まれるのとは、また違った快感が響子の脳髄に届いていた。

「ああっ……くっ……ご、だい、さんっ……んっ……やめ、あっ……」

熟れた乳房がブランデー漬けにされ、より一層に豊麗さを増した。
何度も垂らされ、念入りに揉み込まれ、響子はそれだけで気がいきそうになった。
やっと裕作の手が胸から離れてホッとしていると、彼の視線を追って響子は寒気が
した。
裕作の目は響子の股間に行っていたのだ。
こんな責めを媚肉にされたらと思うと、響子はわなないた。

「だめっ……」

そう叫んで、開かれた脚を閉じたものの、既に股間を割って身体を入れていた裕作
の脚を挟むだけだった。
悲鳴を上げる響子を尻目に、裕作は落ち着いてグラスを傾けた。
酒の力で気が大きくなっているらしい。
裕作は指先で響子の媚肉の割れ目をなぞって悲鳴を上げさせると、そこを左右に押し
広げて中を晒した。

「いやあ!!」

ぱっくりと陰唇を開かれてしまい、中に外気と視線が入ってくるのを感じて、人妻
は絶叫した。
ただ犯されるだけではない。
辱められるのだと覚ったのだ。
裕作の指が淫らに動き、肉芽を剥き上げ、膣内の襞まで剥き出しにした。
まさかそこにブランデーを垂らされるのではと焦った響子が「やめて」と叫ぶ前に、
グラスから液体が垂れてきた。

「ああっ!」

ぽたぽたっと垂れたアルコールは、秘丘の恥毛を濡らし、開かれた割れ目の中へと
伝い流れていく。
思わず響子は顔を仰け反らせた。
強烈な刺激が膣内に走り、襞がピリッと痺れる。
沁みる。
それがすぐにひりひりしてきた。
特にクリトリスがすごかった。
もう散々愛撫され、赤く膨れ上がりピクピクしていた敏感な箇所は、ブランデーの
刺激が加えられるとカッカと灼けるかのようだ。

「や、やめ、ひぃっ! あ、あああっ……!」

なおも裕作はクリトリスを責め、ブランデーをまぶしてはすり込み、こねていく。
アルコールが襞にすりつけられ、膣に染み込んでいく。
裕作は指で膣の中にまでブランデーを擦りつけていった。
当然、下半身は燃えるように熱くなってきた。
内部でブランデーを塗り込む指が蠢くたび、お腹の奥から得体の知れぬ疼きがズキ
ズキと込み上げてくる。

「ああっ、な、中が……中が熱い……や、灼けちゃいそうっ……」
「気分が出てきましたか、響子さん。気持ちよくなってきたでしょう」
「ああ……ど、どうにかなりそうっ……」

響子は、いかにも「たまらない」とでも言うように、そのしなやかな肢体を捩り
たてた。
もう一押しすれば、すぐにでも陥落しそうである。

「いいんでしょう? なら、そう言って」
「く……」

今にも淫らな言葉を吐いてしまいそうだった。
「あそこが気持ちいい、とけてしまいそう」と。
それを何とか堪えた。
あの時のように裕作に誘導され、卑猥な言葉を言わされ、言われ続ければ、また身体
も乱れてしまいそうだったからだ。
あの時は過ちだったのだと信じたい響子は、この恥辱と羞恥を堪えようと必死になって
いた。
そんな響子の決意をあざ笑うかのように、裕作はゴロリと響子をうつぶせにひっくり
返した。

「え……? きゃああ!」

何をするつもりかわからなかった響子は、一瞬きょとんとしたが、すぐにまたつんざ
くような悲鳴を上げた。
有り得ないところへ裕作の指が伸びてきたからだ。
アヌスだった。
裕作の方は、執拗に膣を責めているうちに、その下でもの欲しそうにひくつく肛門が
目に付いていたのだ。
大輪の如く開いた花弁に比べ、そこはいかにも恥ずかしそうに窄まっていた。
なのに媚肉を責めていると、まるで「こっちも責めて」とでも言わんばかりにもぞ
つくそこが、何とも言えず愛らしく見えたのだった。
そして、そこは誰でも恥ずかしいはずのセクシャル・ゾーンだ。
無性に責めたくなってきていた。

「すごいお尻してますね、響子さん。安産型ってやつかな」
「は、恥ずかしいこと言わないで!」

うつぶせにしたせいか、臀部の豊満さが強調されていた。
真っ白ですべすべした肌触りも素晴らしく、むっちりと形良く張った形状も文句の
つけようがない。
ごくりと唾を飲み込んで、裕作はそこを割り開いた。

「やっ、やああっ!」

もっとも恥ずかしい箇所を覗かれていると知り、響子は尻を振りたくっていやがった。
裕作は体重をかけて響子の動きを封じ、ぐいと谷間がなくなるまでに開いた。
恥ずかしげに窄まったそこにも、ブランデーの洗礼を与えていく。
強いアルコールが垂れてきた感触に、アヌスが驚いたようにきゅっと窄まる。
たまらず響子は腰をがくがく振って抵抗した。

「そっ、そんなとこ、やめて! 五代さんっ、あ、いやあっ!」

裕作の指が、濡れた肛門を擦っていく感覚が伝わってくる。
アルコールが粘膜に染み込んでくるのがいやでもわかった。
響子は激しく腰を捩り、必死に揺すって逃れようとした。
敏感なアヌスにブランデーが垂れ、指でいびられるごとに背筋に悪寒が走る。

裕作は根気強く肛門を愛撫した。
響子のアヌスはブランデーで濡れそぼち、たまらないようにひくついてきた。
指で揉み続けていると、肛門の内粘膜がややはみ出てくるまでになっている。
そこにブランデーをすり込まれるのだからたまらない。
その淫虐な甚振りに、響子のアヌスは徐々にほぐされていった。

「あ、あ……いやあ……も、もうそこは……たまらないわ……」

響子は喉を絞って呻き、悲鳴を漏らした。
指の動きに我慢できず、ついつい臀部を振りたくってしまう。
見た目には、まるで響子が欲しがっているかのようにすら見えた。
もうすっかりほぐされ、ふっくらしてきた肛門に、なおもブランデーを塗り込まれる。
恥ずかしく淫靡な責めなのに、響子は肉体の奥底から爛れるような妖美感を感じ取っ
ていた。

「あ……うう……ん、あ……」

響子はびくびく痙攣している。
執拗にアヌスを愛撫され続け、そこはもう内側からふっくらと盛り上がるまでに
ほぐれきっている。
力が入らない。
そのお腹の下に、裕作の手が入り込んできた。
ぐっと持ち上げられ、膝立ちにさせられる。
とはいえ、腕は立たず、顔はシーツについたままだ。
ぐいとそのまま裕作の側に引き寄せられた。
尻を裕作に突き出す格好だ。
いよいよ犯される、と思った。

「ああ、五代さん……。も、もう今日は許してください……」
「何を言ってるんですか、これからじゃないですか」
「ああ……」

やはり、仕上げに犯されるのだ。
恥ずかしいアヌス責めですっかり痺れてしまっていた響子は、もうどうでもいいと
思っていた。
このまま裕作が満足するまで犯されればいいのだ。
反応しなければ、裕作もすぐにやめるかも知れない。
そうも思った。
もっとも、響子の身体が、裕作の責めに反応しないとは限らなかったのだが。

「え……?」

そんな響子が慌てたのは、裕作のペニスを感じたからだ。
当然、媚肉を犯されると思っていたのだが、なんと肉棒はアヌスに押し当てられた
のだ。
肛門に熱いペニスの感触を感じると、驚いたように響子は裕作を振り返った。

「五代さんっ、な、何を……、そ、そこ、違います!」
「違いませんよ。俺は管理人さんのお尻を犯すんです」
「そんな……!!」

驚愕と恐怖に、美しい人妻の美貌が引きつり、混乱した。
以前にも夫の瞬から、何度となくアナルセックスなるものを迫られたことがある。
お尻でセックスするという浅ましい行為に、響子は嫌悪感を持った。
以来、何度頼まれても、こればかりは頑として拒否し続けたのである。
ただ、アヌスに加えられる愛撫は、恥ずかしい中にも不思議な快感もあり、ややも
するとのめり込みそうだった。
それが怖くて拒絶したという面もあった。

しかし響子にとって、肛門性交などというものは動物的であり、ゲイの世界の話で
あり、かなりアブノーマルな行為だと思っていたから、自分がするなどということ
は想像がつかなかった。
なのに、その変態セックスを裕作までもが求めてきている。
そう言えば、奥村も一度響子のそこを奪おうとしたこともあった。
男とはそうしたものなのだろうか。
大きく動揺する響子だったが、裕作の方は構わずに押し込もうとしている。
裕作の肉棒のたくましさは、媚肉で散々覚え込まされている。
あんなたくましいもので肛門を……と思うだけで、人妻の美貌が青ざめた。

「きゃああっ! やめて! そんなことやめてくださいっ! ひっ、やああ!」
「大騒ぎしないでくださいよ。旦那さんへの操を守りたいんでしょう? オマンコ
犯していいんですか?」
「それは……」
「なら、こっちしかないじゃないですか」
「いやよ! いやですっ!」
「……もしかして、こっちも三鷹さんが開発済みなんですか?」
「そっ、そんなことしてませんっ」
「そうですか」

裕作はにやりと嗤った。
それが本当なら、響子のアヌスはヴァージンだということになる。
人妻でありながら、夫すら手をつけていないシークレット・ゾーンを犯す。
そうすることで、裕作は瞬に対して優越感を持てるかも知れない。
少なくとも、肛門だけは裕作のものになるのだ。

「それじゃ入れますよ」
「ああっ!」

熱い肉塊がじわじわと肛門に押し付けられ、響子は目を見開いて悲鳴を上げた。

「い、いやあ! あ、い、痛い……痛いっ!」

響子は白い首筋を露わにして仰け反り、反射的に肛門を引き絞ろうとする。
そこを肉棒が押し広げていく。
その苦痛で食いしばっていた口から悲鳴が洩れる。

「やめて、痛い! あ、あうむ……」
「少し力を抜いてくださいよ。裂けてしまいますよ」
「だ、だったらやめて……あう!」

響子は激しく顔を振りたくり、長い黒髪がばさばさと宙を舞う。
冷や汗が滲み、息苦しくなってくる。
粘膜を軋ませながら、響子のアヌスがゆっくりと広げられていく。
力んで踏ん張って、何とか押し戻そうとするが、裕作は絡みつく粘膜を押し返す
ように埋め込ませて行く。
響子の肛門が、これ以上無理というところまで引きはだけられたところで、よう
やくペニスの亀頭部が潜り込んだ。
その瞬間、響子の脳裏にバチバチと電撃が走った。

「ひぃ!!」

力を入れすぎて固くなった臀部をぶるぶると痙攣させ、響子はがっくりと脱力した。
だが、なおもずぶずぶと侵入してくる肉棒の感覚に、すぐにまた活が入ってぶるぶる
と震えた。

「やっと入りましたよ、響子さん。それにしてもきつかった」

裕作の声が上擦っている。
瞬も知らない響子の秘密を知ったという優越感か、それとも美しい人妻を踏みにじっ
たという満足感か。
得も知れぬ高揚感が彼を包んでいた。
媚肉の味の良さ、そのきつさから想像して、アヌスも相当なものだろうと思っては
いたが、ここまでだとは思わなかった。
出す一方の狭い肛門に、無理やり太いものを挿入するのだから苦労するだろうとは
思っていた。
事前に念入りに肛門愛撫をやっていなかったら、響子のアヌスは裂けてしまっていた
に違いない。
ペニスが食い千切られそうなほどに締め付けてくる括約筋の強さを感じながら、
そんなことを思った。
灼けるほどに熱い直腸内を愉しみながら、裕作は腰を捩って出来るだけ深くまで埋め
込んだ。
響子の尻が、ぺたりと腹にくっつく。

「どうですか、響子さん。とうとうお尻で俺とつながりましたよ」
「や、うむ……ぬ、抜いて……助けて……」

響子は血の気をなくした美貌で呻いていた。
肛門が弾けそうなくらいに拡張され、深くまで太いもので貫かれ、お腹の中が灼け
爛れそうだ。
少し動くだけで、あるいはアヌスを締めるだけで、排泄器官の中に深くまで入り込
んだ裕作のもののたくましさが感じられた。

「く、苦しい……苦しいんです……。五代さん、お願い……抜いて、ください……
う、うむ……」

裕作はしばらく動かず、響子の中を愉しんだ。
無理に押し込んだだけに、強引に律動しようものなら、本当に裂けるか、傷づいて
しまうかも知れない。
それは避けたかった。
だから、響子のアヌスが裕作のペニスに慣れてくるまでは動かないでいた。
動かずとも、肛門粘膜の感触や熱さ、そして括約筋のきつい締め付けは充分に愉し
める。

そのうち、ひくひくと粘膜が蠢いてきた。
もう無理というところまでこじ開けたはずなのに、少し開いてはまた締めるような
動きを繰り返すようになっていた。
開いた時は、僅かに隙間ができるほどになっていた。
驚くほどの順応性だった。
裕作は知らなかったが、瞬や奥村が、そのアヌス性感の鋭敏さを褒め称えていただけ
のことはある。
頃合と見て、裕作は腰を使い出した。
途端に響子の悲鳴が響く。

「うっ、動かないで! お願いそのまま……やっ、やああっ!」

ゆっくりと裕作は響子の腰に打ち込み始めた。
突き上げるたびに腸管がぎしぎしと軋むような錯覚を受けた。
響子の腰を掴み、大きく腰を使ってその直腸に深く打ち込む。
すると、教えたわけでもないのに、響子のアヌス粘膜はひくつきながらもペニスを
締め付け、あるいはふっと緩むという動きを見せ始めている。
律動の動きがゆっくりしているだけに、ずぶずぶと挿入すると肛門周辺の粘膜が
引きずられるように捲れ込んでいくのが見てとれる。
逆に引き抜いてくると、今度は直腸内部の粘膜がペニスにへばりついたままめくれ
上がってくるのがはっきりと見えた。
そんな妖美極まる肛門の動きを見せつけられ、裕作は興奮が抑えきれなくなっていく。
落ち着け、まだゆっくりとだと思っているのだが、ついつい腰の動きが強くなって
いく。

「動かないでっ……あむむ、きつい……あうっ……痛っ……も、もう許して……
あぐうっ!」

響子は背中をたわめて全身を震わせている。
唇を噛み締めて頭を振り、何とか堪えようとするのだが、裕作が動くごとに激痛と
圧迫感が襲い掛かってくる。
快感どころの騒ぎではない。
アヌスが張り裂けんばかりの苦痛と息苦しさ、そして排泄器官を犯される汚辱感
しかない。

「そろそろよくなってきたんじゃないですか? もう肛門は締めたり緩めたりを
覚えたみたいですよ」
「い、いやあ……も、もう死んじゃいます……ううっ……むむうっ……つ、つらい
……ああっ……」

豊満な臀部を揺すらながら、響子は泣いた。
お腹の奥までびっしりと埋め込まれる苦しさと、それが勝手に動き回る痛さに、
神経が灼け切れそうだ。
気持ちいいわけがない。
失神しそうなほどの苦痛と恥辱だけだ。
全身に冷や汗、脂汗といった、かいてもちっとも気持ちよくない汗ばかりが浮き出
てくる。
荒々しく熱い呼吸が、絶え間なく繰り返された。
そのくせ、苦痛しか感じなかった肉体の奥から、暗い被虐感が響子に気づかぬうちに
少しずつ湧き出てもいた。
高ぶった裕作は、なおも響子の腰を引き寄せ、尻たぶが潰れるほどに自分に押し
付けた。
限界まで深く入れたのだ。

「あ、ううむっ……! 深い……深すぎるっ……あ、お尻、裂けちゃう……ふ、
太すぎるわ……」

根元へ行くほどにペニスは太い。
それを目一杯まで埋め込まれているのだから、響子の苦しさは尋常ではなかった。
そんな人妻の苦悶の美貌に、裕作は嗜虐感を刺激されていく。
とはいえ、ただ痛がる、苦しがるだけではつまらない。
彼はサディストというわけではないのだ。
多少のSっ気はあるだろうが、それは誰でも持っているレベルだ。
それ以上に、他人の妻になっていた響子に、妬心を含む歪んだ欲望を抱いただけで
ある。
それが嗜虐欲を結びついたのだ。
だから、泣き叫ぶ響子ばかりでは甲斐がない。
よがらせ、いかせないと意味がないのだ。
人妻になっていた恋焦がれた女が、自分に犯されて身も世もなく絶頂を迎えさせら
れる。
それこそが見たいし、己の征服欲を満たすのだ。
裕作は、さっき見つけておいたものを使うことにした。

「……そんなに痛いですか、響子さん」
「痛い、です……。決まってるでしょう……。わかってるなら、抜いてください
……」
「じゃあ、気にならないようにしてあげますから」
「え……、あ、何を……!」

裕作は前のめりになり、響子の腰を引き寄せたまま、その背中にのしかかった。
そして響子の股間をまさぐり、ぐっと媚肉に何かをあてがった。

「な、何ですか、五代さん……、もう変なことは……」
「変じゃないと思いますよ。だって、響子さん、これを使われたんでしょう?
それとも自分で使ったのかな?」
「あ、ああっ!」

裕作が手にしていたのはディルドだった。
夕べ、ベッドで瞬が響子を責めていた道具だ。
もっとも、その時も響子は痛いだけでちっとも快感はなかった。
不能になってからというもの、瞬はサディズムに傾斜していき、妻をよがらせるより
は苦痛を与えて愉しむことに歪んだ悦びを見出していたのである。
それを裕作が見つけたのだ。
ブランデーを探す時、見つかるかも知れないと恐れていたことが現実になったわけだ。

「どうです? 使ったんでしょう?」
「それは……」

否定しようがない。
こんなものは女性にしか使わないだろうし、この家の女性は響子だけなのだ。
自分で使ったかはともかく、響子の身体に対して使われたのは明白だ。
響子は涙に濡れた目で、裕作の持つ淫猥な道具を見つめていた。

「そ、そんなもの、使わないで……」

知らず知らずのうちに声が震えている。
ただでさえ肛門には裕作を迎え入れてきついのだ。
なのに、そんなものまで膣に入れられたらどうなってしまうのか。
ディルドのサイズは、瞬や裕作のペニスに負けぬほどの太さだ。
おまけに微妙に反り返っており、それがまた響子の恐怖心を煽った。

「ひっ、いやあっ……やめて、それはしないで!」

張形の先が媚肉に這うと、響子は腰を捩って逃げようとした。
しかし、アヌスにはまるで楔のように裕作の肉棒が打ち込んであるのだ。
少しでも動こうものなら、張り裂けそうな苦痛が走る。
それでも逃げずにはいられない。
なのにディルドは膣口をなぞるように押し付けられてくる。
逃げようがなかった。

「入れますよ」
「だめ、だめっ……! やめて五代さんっ!」

腸管に走る痛みを堪えつつ腰を捩れっても、それは確実に媚肉に入ろうとしてくる。
腰を引けば、裕作に腰を押し付けることになり、アヌスに入ったペニスをもっと深く
迎え入れることになってしまう。

「い、いやあっ、あ、ああっ……ひぃぃっ!」

ゆっくりと媚肉をこじ開け、肉襞を擦りつけながら胎内にめり込んでくるディルドの
感覚に、響子は苦鳴を放った。
ずぶ、ずぶ、ずぶとゆっくりとだがリズムをつけるようにして確実に入ってくる。
目の前が暗くなり、暗くなった視界に火花が飛ぶ。
じわじわとディルドが押し入ってくると、身体が灼けるように熱くなってきた。

「あぐぅ!」

響子は子宮口に硬いものがぶつかる感覚に、びくんと仰け反った。
とうとう最深部まで入れられたのだ。

「あ……あ……あ……、ゆ、許して……助けて……」

響子は頭が虚ろになり、身体がぐらぐらと揺れた。
意識を失いかけているのだ。
今はじめてアヌスを犯されたばかりなのに、今度はそのまま媚肉まで犯される。
生まれて初めて味わわされる感覚だ。
まるでふたりの男に同時に犯されているみたいだ。
頭がぼうっとなってきているのに、身体の方は芯から痺れてきている。
動かなくとも、勝手に身体が震えてくる。

「オマンコにもくわえて満足でしょう。じゃあいかせてあげますよ」
「やあ……し、しないでもう……やめてぇ……」

前と後ろを同時に塞がれてしまい、響子は息も詰まるような喘ぎを上げた。
裕作は同時に責めていく。
右手で響子の腰を抱えて揺さぶりながら、左手で掴んだディルドで膣をぐいぐいと
抉りながら裕作が言った。

「響子さん、よくなってきましたね。張形にオマンコが絡みついてきますよ」
「あ、あ、こんな……やああ……ひっ……あ、あはっ……」

響子はもうされるがままだった。
媚肉を犯されている時とはまるで感じが違う。
前後から同時に太いものが襲いかかり、一気に肉体が灼け尽くされていくかのようだ。
太すぎるものをくわえこまされた苦痛と妖しい快感が混濁とし、絡み合い、もつれ
あって、女体を官能の炎で炙っていく。
快美感がうねり始め、押しとどめようもなく大きくなっていった。
特に、後ろから入っている肉棒と、前に入っているディルドが、薄い肉壁を隔てて
擦れ合うと、信じられないほどの強烈な快感が全身に走り抜ける。

「いっ、はああっ……くぅぅっ……た、たまんない……いっ……」

前と後ろに入ったものを内部で擦れさせることが、もっとも響子が激しく反応する
と知って、裕作は何度もそれを繰り返した。
リズムをつけて、中でぐりっと双方をぶつけてやると、気がいくような声まで出した。

「あ、あああ……いいいいっ……あ、あひぃっ……」

もう我慢のしようがなかった。
苦痛は薄れ、汚辱感や恥辱感は妖しい感覚となって痺れだし、性の愉悦へと導いて
いく。
響子は我を忘れたかのように、喜悦とわかる声を出していた。はっきりとした言葉
にはなっていないが、肉の訴えを甘い喘ぎが表現している。
お尻の穴を責められて感じていることが響子自身信じられなかったが、快楽が身体
のあちこちに飛び火していき、頭の中が虚ろになっていく。

「あ、あ、もうだめっ……お、おかしくなるわっ……ひぃぃっ……」
「そんなにいいんですか。もういきそうなんですね?」

裕作の言葉責めにも返事ができなくなっていた。
あまりの快美感に、舌までもつれているのである。
肉体は奥から痺れ切っており、じっとしていでも腿や臀部がぶるぶると震えている
有様だ。
二重の激しい責めに、人妻の肉体が陥落していく。

「あ、あっ……ほ、ほんとにだめっ……もうっ……」

不意に響子の裸身が激しく身悶え、痙攣し、ガクンと腰が跳ね上がった。

「ひっ……ひっ……あ、ううんっっ……!」

その瞬間、響子は全身をぶるるっと犬のように震わせて肢体を反り返らせた。
絶頂に達したことは裕作にもわかった。
アヌスに入っていたペニスが、強力な括約筋で思い切り締め付けられたからだ。
さすがに膣よりもずっときつい。
加えて、媚肉を責めていたディルドも膣の収縮を受けているのがわかる。
手に持ったディルドが、奥へ持って行かれるかのような強い締め付けだったのだ。
ぎゅうう、ぎゅううと間歇的に収縮が起こり、張形に絡みついている。
擬似ペニスの精液を搾っているつもりなのだろう。

響子はがくりと萎え、シーツに突っ伏した。
シーツに押し付けられ、はみ出ている横乳が、痙攣と荒い呼吸でびくびく震えている。
時々、思い出したように尻たぶがびくびくっ震えるのが扇情的だった。

「いったんですね、響子さん」

裕作は、そう言ってディルドを媚肉から抜き去った。
ぬぷっと、粘った淫らな音がした。

「あう……」

自分を圧迫していたものが抜き取られ、響子はホッとしたように腰が崩れた。
裕作が手にしたディルドは、もう全体が響子の蜜で濡れそぼっている。
今にも湯気が上がりそうなほどで、粘度の高い液体がねっとりと滴り落ちていた。
裕作は、響子の尻をぺちぺちと叩きながら言った。

「さ、いきますよ」

響子は呻いて、後ろを向いた。
その美貌は、激しい絶頂で疲れ切っており、凄惨ですらあった。

「あ、もう……もう許してください……」
「まだまだ。第一、俺はまだいってないですよ。いったのは響子さんだけだ」
「そんな……。もうお尻なんていやです……」
「そんなこといっても、もう響子さんのお尻に根元まで入っちゃってるんですから」
「いやあ……」

すすり泣きながら顔を振りたくる響子の尻に、裕作はまた腰を打ちつけた。
途端にグンッと腰を仰け反らせ、アヌスを犯される人妻は悲鳴を上げた。

「ひっ、ひぐぅっ! あ、五代さん、そんないきなりっ……! うああっ!」

媚肉でとはいえ、いかされた直後にまたしても肛門を抉られ、響子は大きく悶えた。
僅かに腰を引くと、抜かれかかったペニス直腸のに内壁がへばりついている。
それを内部に押し戻すように、ねじ込んでいった。
裕作は、その肉棒から、響子の体内が今まで以上に熱くねっとりとしていることを
知った。

「だ、だめ、動かなっ、いで……ま、まだ動いちゃ、ああっ!」
「まだ? 何で「まだ」だめなんです?」
「それは……」

いったばかりで、膣だけでなくアヌスも鋭敏になり過ぎているからだ、とは恥ずか
しくて言えない。
この状態で突かれていたら、肛門でおぞましい絶頂に達してしまうかも知れない。
そんなことを知られたくなかった。

「なら、少し休んだら、アナルセックスを再開していいんですか?」
「ち、違います……」
「じゃあやめますか」
「……」
「言えないんですか。まあ、いいです。でもね響子さん、動くなと言ったって、
あなたのお尻の穴は、もっと奥に欲しいって言ってるみたいですよ。ほら、くい
くい締め付けてくる」
「そ、そんなことありませんっ」
「試しますか」
「あ、そんなっ! 急に動かないで! き、きっつ……きついっ……んっ、んうっ!」

今度は遠慮のない強い腰使いで責め込まれ、響子は悲鳴を上げる。
腰が逃げようとしても、裕作ががっしりと腰を捕まえており、突き込まれる時は腰を
ぐいと引き寄せられて、その太さを奥深くまで感じさせられ、引き抜かれる時はその
長さを実感させられた。
苦痛のためか、アヌスからは腸液が漏れ始め、出し入れされるごとにぬぷぬぷと淫靡
な音を立てた。
裕作は大きく腰を使い、ストロークを長くした。
響子の尻たぶを潰して腰を密着させて最奥まで貫き、抜く時はカリ首まで引き抜いて
悲鳴を上げさせた。
カリで粘液が掻い出されてくる。

我慢しているだけかと思っていた響子の美貌が朱に染まってくる。
色気を湛えた唇から洩れ出るのは、悲鳴と呻きだけでなく、明らかな喘ぎも混じって
きた。
思わずこぼれ出そうになる喘ぎを、必死に噛み殺している表情に壮絶な色気が浮き
出ている。
感応してきているのだ。
それと知った裕作が意地悪げな口調で響子に言う。

「どうしました? 気持ちいいなら我慢することはありません」
「だ、誰がそんな……! が、我慢なんか、あっ、し、していまっ、せんっ……あう!」

響子は激しく動揺していた。
狭いところに太いものを入れられる苦痛、排泄器官を犯されるという恥辱。
そうした負の感情が、やりきれないような快楽と愉悦に昇華されていく。
アヌスを犯されて感じ始めている自分の身体に戸惑い、懸命によがり声を噛み殺して
いる。
長大なペニスによって腸内をかき回される快感に酔ってしまいそうになる自分が怖く
なっていた。
羞恥心や汚辱感をすり潰すような勢いで迫ってくる快感を堪えようとするのだが、
耐え切れなくなった愉悦が喘ぎ声となって口からまろび出る。

「だ……め……あっ……ううんっ、あ、うむっ、むっ……うんっ、うんっ、ううんっ
……あ、あああ……」

腸内を長大なペニスが行き来しているのがわかる。
ずぶずぶと奥まで入り込み、ぐりぐりと亀頭で抉られ、ずるずると引き抜かれる。
何度も抽挿が繰り返され続けると、それまで苦痛と緊張でつりそうなくらい固く
なっていた響子の臀部から力が抜けていく。
アヌスだけでなく、尻全体がほぐれてきたのだ。
それとほぼ同時に、肛門の反応が激しくなり、挿入されてくる肉棒へ対して収縮する
ようになっている。

「あ、うんっ、うんっ……あ、はあ、はあ、はあ……あ、むむっ……ううんっ……」

ぬぷっ、ぬぷっと腸内の襞を男根が引きずり出してくる。
ペニスに絡みついた襞は、抜き差しされるごとにめくれ込まれ、めくれ上がる。
肉棒の形状に合わされて輪状になっていた肛門が、何度も抜き差しされていくと、
ピンク色から朱色へと変わっていき、爛れてきている。
激しくなってきた律動に、腸が悲鳴をあげているらしい。
それでも響子には、そんな激しい行為ですら快感となってきていた。
乱暴に犯される、虐められることに被虐の願望が応えているのだ。
響子の声色が変化してきたことに気づき、裕作がその耳元に囁く。

「あ、あ……」
「どうしました。気持ち良くなってきましたか、管理人さん」

「管理人さん」という言葉を使うことで、より響子に羞恥心を煽っていく。

「い、や……あうう……」
「ほら、もういきそうなのかな?」

違うという風に、響子は何度も顔を振った。
黒髪がばさばさと舞い、甘い香りが漂う。
髪は裕作に尻を突かれても舞った。
深くまで突き入れられると「んんっ」と息が止まり、抜かれていくと「はあっ」と
息を吐いていく。
次に突かれる前に吸っておかないと、呼吸困難になってしまう。

「いいんですね、管理人さん」
「あ……」
「言ってください」
「い……いい……。ああ……いい、です……」
「どこか? お尻がいいんですね?」

さすがに恥ずかしくて口では答えられなかったが、背けた顔がコクンとうなずいて
いた。
必死に快楽を堪えていた口が薄く開き、熱い吐息とともに濃厚な喘ぎも出る。
次第にアナルセックスでの快感を捉え始めた人妻の尻を、裕作はぐいと掴み直し、
尻たぶを谷間がなくなるまで開いた。
そうしてから、自ら腰を反らせるようにして、より深くまで犯していく。

「ああっ、激しっ、い……! あううっ、深いっ……あ、お腹の……お腹のいちばん
奥まで来てるっ……」

まろやかな女の臀部に、男のたくましい腰が打ち付けられる。
ズンと奥まで貫かれると、響子は大きく首を振りたくり、喉を晒すように仰け反った。

「うあっ……ひっ……ああ、いいっ……お、お尻っ……お尻が、いいっ……」
「そんなにお尻がいいんですか」
「いいっ……お尻、気持ちいいですっ……ああ、どうしてこんな……いっ……いい
いい……」
「お尻でそんなに感じるなんて、管理人さん、本当はいやらしかったんですね」
「そんな、違います……いああっ……」
「褒めてるんですよ。オマンコだけでなく、お尻まで素晴らしいです」

響子は美貌を苦悶に歪めている。
しかし苦しいのではなく、あまりの快感に表情がそうなっているらしい。
うっすらと浮く程度だった汗は、人妻の玉の肌から滑るように伝い、激しい動きで
飛び散った。
尻を深くまで突かれるごとに、ゆっさゆっさと乳房が大きく揺れた。
それを見た裕作は、乳房も愛撫しようと思ったが、それはやめた。
せっかく響子がアヌスでの快感に目覚めつつあるのだ。
どうせなら完全に憶え込ませたい。
肛門だけで気をやらせるのだ。
豊満そのものの尻の肉が小刻みに痙攣してきていた。
収縮もきつくなっている。
裕作も我慢するのがつらくなってきていた。

「きょ、響子さん、もういきそうなんですか」
「あ、はい……、い、いきそうですっ……」
「どこでいくんですか。お尻でしょう?」
「やっ、そんな……恥ずかしい……ああっ……」
「ちゃんと言って。お尻でいくって」

顔を伏せ、その恥ずかしさに耐えていた人妻だったが、急かすように裕作が腰を
突き上げると、たちまち屈服した。

「あ、いく……いきます……、お、お尻……お尻でいきそうですっ……。あ、うう
んっ、うんっ、うんっ、うんっ、うっ、あああっ……!」
「よ、よし、俺もいきますよ! 中で出します! こっちなら妊娠しませんしね!」
「い、いくっ……ひっ、お尻、いきますっ……、ああ、もういくううっっ!!」

喉というより、腹の底から絶叫し、響子は激しく絶頂に達した。
瞬間、アヌスが信じられぬほどに締まり、裕作も獣のように吼えて射精した。

どっ……びゅうううっ。
どっぷ、どぴゅるるっ。
どぶどぶどぶっ。
びゅくくっ。

「うああっ! で、出てるっ……五代さんのが出てる……あ、いく……また、いく!」

びゅるっ。
びゅるっ。
びゅくんっ。
とぷっ。
とぴゅっ。

「あ……あ……ま、まだ出てる……こ、こんなにいっぱい……ああ……」

裕作は響子が連続絶頂してからもその尻を抱え込み続け、精液を残らず全部出すまで
離さなかった。
ようやく発作が終わると、そこで初めてペニスを抜いた。

「あう……」

少し萎えたとはいえ、まだまだ硬度を保っていたペニスが抜かれると、響子はぶるっ
と痙攣した。
太いカリが肛門を擦るように抜け出ると、またぶるるっと震えた。
抜かれたアヌスが閉じ切る前に、響子は腰が砕けて、へなへなとベッドに突っ伏した。
肛門は、激しかった性交を物語るように、赤く爛れていた。
完全に閉じ切ることが出来ないようで、だらしなく小さな口を開けている。
そこからは、どろり、どろりと、多すぎる精液が逆流してきていた。



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