響子にとって悪夢のような一晩が明けた。
大麻窟でマリファナを吸わされ、意識朦朧としたところで、現地人の男たちによる
凄惨な輪姦劇。
大勢の男たちの、いつ果てることとも知れぬ性欲の相手をさせられたのだ。
何度となく犯され、射精を受けた。
一通り終わっても、二周目が待っていた。
最後には、響子の膣はもう感覚がなくなっていた。
それでも犯され続け、おぞましいことに、彼女はそれを受け入れ、官能の深みに嵌り、
何度となく絶頂を極めていた。
明け方、万里邑の命令によって、ようやく男たちが去った時、響子は半ば失神して
いた。
ふらふらの状態で起こされ、シャワーを浴びると、万里邑が持参してきた新しい
下着とワンピースを身につけて、ようやく自宅に戻ったのであった。
瞬はチェンマイの方へ商用らしく、家はタム少年が守っていた。
ふらふらの響子を見て少年は大いに驚いた。
老人に響子を託されると、疲れ切った響子を寝室へと運んだのだった。
ベッドから起きることも出来なかったが、タムの献身的な看護で、体調が戻ったの
は二日後である。
そこにまた老人が訪れたのだった。
「ああ、また……また、ですか……」
「そう。またです。あなたがわかってくださるまで」
応接室ではなく、寝室で響子と万里邑は対峙していた。
夫はまだ帰ってきていない。
いたところで、万里邑を支持するだけで、響子の味方にはなってくれないだろう。
響子は、無駄とも言える質問を繰り返した。
「何をわかれというのですか……」
「今さら私が言わなくてもおわかりでしょう。あなたがそのことを、心でも体でも
理解することが大切です。特に身体が」
「……」
響子は戸惑うというより観念していた。
彼女の気持ちは夫のそれとは違っている。
どちらが正しいのかはわからない。
自分が合わせるべきなのだろうと諦めたのだ。
それに、彼らの主張がまったく理解できないわけでもなくなってきていた。
響子はセックスそれ自体を恥ずかしいことで動物的だと思っていた。
それがなくては子供が作れないのはわかるので、行為自体は否定しない。
それに、確かに愛する人とのセックスは至上とも言える快楽をもたらしてくれる
のは事実なのだ。
しかし、こうした行為は秘すべきものだという思いは変わらなかった。
見たり見せたり見られたりするものではないし、まして夫以外の男との性交など、
まったく考えられなかった。
遊びとしてセックスを定義することが出来ないのだ。
思うに、そこが夫の不満なのだろう。
彼の言う通り、自分は潔癖に過ぎるのかも知れないと響子も思った。
だがこれは個人的な資質の問題もあり、そう思える人もいればそうでない人もいる
と思う。
確かに響子は、今までそうした「性に開かれた人」たちに偏見を持っていたと反省
する。
個人的なものなのだから、どういう趣味嗜好を持っていようとも、それが犯罪的で
ない限り、他人に迷惑を掛けない限りはアリなのだろう。
ただ、そうであれば、性に対して謙虚であり内向きな響子のような考え方も不自然
ではないはずだ。
互いがそれを理解すべきである。
しかし夫の瞬は、妻の響子に自分と同じような嗜好を持つよう強要している。
彼は彼なりに「良かれ」と思ってのことだ。
それが妻の幸せになり、自分も楽しめる。
そうでなければ、妻を他人に差し出して平気なわけがない。
響子はそう信じるしかなかった。
沈んだ声で訊いた。
「それで、今日は何を……」
まだ先日の輪姦の衝撃が薄れていない。
あれも大麻で意識が混濁していたから、この程度で済んでいるのだ。
シラフでされていたらショック死していたのではないかとすら思う。
逆に、あれを耐えたのだから、他に何があっても大丈夫だという、開き直りも少し
はあった。
それと、響子自身は認めたくなかったが、集団レイプで感じていたのも事実なのだ。
自分は淫らなのではないか、あるいは瞬や万里邑の望むような女になりつつあるの
ではないか、という不安もあった。
万里邑は何でもないように言った。
「この前の続きですよ」
「続き……?」
「ええ。まだ抵抗がおありなら、これをまた試すのもいいでしょう」
そう言って万里邑はスーツの内ポケットからシガレット・ケースを取り出した。
銀色に鈍く光るそれを開けると、中からタバコを一本取り出した。
「それは……」
「経験済みでしょう? マリファナです」
あの時はボングを使っての吸引だったが、今度は紙巻きらしい。
響子は首を振って断った。
万里邑は頷いて彼女を見る。
下着の上に薄いネグリジェを纏っただけである。
部屋はカーテンが引かれ、室内照明もナイトライトだけにしてあって薄暗い。
その部屋のほぼ中心で、響子は籐椅子に腰掛けていた。
肘は肘掛けに置き、足は椅子の脚の位置まで開くように言われた。
老人が何かをタイ語で言った。
するとドアが遠慮がちに開き、タムが入ってきた。
「ああ、タ、タム君……」
うっすらと気づいてはいたし、もしやと覚悟もしたのだが、やはりタムだった。
穴蔵のようなビルの地下室で輪姦される前、万里邑が最初に施そうとしていた調教が
タムとのセックスだったのだ。
「お、奥様……僕は、僕は……」
タムは絶句してしまって、そこから何も言えなくなった。
あの時のことを謝ろうとしていたのかも知れないし、薄着の響子の肢体にむらむら
してきたのかも知れない。
「ああ……」
もうだめだと響子は思った。
タムが自らこんなことに参加するわけもない。
ということは、万里邑なり夫の瞬なりが少年の指示──というより命令──したの
だろう。
瞬に対して恩義もあるタムはそれを断り切れない。
加えて、少年は響子に仄かな憧れを持っていた。
こんな美しい人は見たことがなかったし、それがこんな身近にいるのである。
年齢的にも性に目覚める頃だし、密かに響子を想って自慰くらいはしていたのかも
知れない。
どうにもならなかった。
ここであの時のように、強くタムを拒絶したりしたら、少年はどれだけ傷つくだろ
うか。
それに夫もこの老人も納得するはずがない。
何度でもやらせるだろうし、タムがダメなら他の誰かを連れてくるかも知れないのだ。
それなら、と響子は思った。
またタムの方がいいかも知れない。
顔見知りというより、互いの好意を持っている。
もちろん響子の抱く好意とタムの持つそれは微妙に異なっているだろう。
だが、どこの誰とも知れない相手に肌を許すよりは、自分を好きでいてくれて、
響子自身も好感を持っているタムの方がいいのではないか。
そう思ってきている。
逆に言えば、身近な相手とこんなことをすれば気まずくなるし、かえって恥辱や
羞恥が募ることもある。
響子は内面でそうした被虐感を持っていたのだが、この段階ではまだ気づいていな
かった。
万里邑がタムの背を軽く押すと、よろめくように響子の前で膝をついた。
目の前に、素晴らしい曲線を描く美脚がのぞいている。
少年は今一度振り向いて、老人を見た。
万里邑が小さく頷くと、タムは決心したように響子に触れてきた。
「!」
少年の指を感じ、響子は思わず脚を引いた。
すぐに万里邑が強い口調で言った。
「奥さん!」
「……」
響子はすがりつくような視線で老人を見つめたが、万里邑は呆気なくそれを弾き返
した。
諦め切れぬ響子に苛立ちを覚えているのかも知れなかった。
続けてタムを見ると、ちらちらと響子を見ている。
響子のこんな姿を見てはいけない、でも見てみたいという思いが交錯しているのが
見て取れる。
タムも辛いのだ。
そう思うと響子はたまらなくなった。
「万里邑さん……」
「……」
「あ、あれを……」
「あれ?」
「そ、その……大麻、を……」
万里邑は軽く頷いて紙巻きを出すと、それを響子の口にくわえさせた。
火を点けてやると、すぐに一口吸い込む。
強い刺激に響子は咽せた。
水パイプで刺激を押さえることも出来ず、紙巻きは手作りでフィルターなどという
ものはついていなかった。
マリファナの刺激が、響子の口と喉を直撃する。
「ごっ……ごほっ、ごほっ……こんっ、こんっ……」
咳き込む響子の背中をさすり、万里邑が言った。
「きついですか? 無理にお吸いにならなくても……」
「へ、平気です。吸わせてください。じゃないと私は……」
大麻の力で理性を、いや意識を混濁させないと、とてもタムとの淫猥な行為など
出来ないと思っているのである。
何度も咽せながら、激しく咳き込みながら、それでも響子は三本も吸った。
万里邑が止めるのも聞かず、無理に大麻の煙を吸引していった。
「……」
やっとその状態になってきた。
酩酊してくるのが自分でもわかる。
ほろ酔いのような気分。
気持ちいいような悪いような感覚。
浮ついて落ち着かないような、それでいて気が大きくなったような不思議な感じ。
決して悪い気分ではなかった。
これが病みつきとなって常習化したら困ると内心思うのだが、さすがに万里邑も瞬
も、響子が中毒になることは望んでいまい。
習慣性はない、中毒はないという彼らの言葉を信じるしかない。
それに彼らにとっては、こんなものを使わずとも、響子がセックスに積極的になる
ことが目的なのだろうから。
そこに万里邑の声が聞こえる。
「わかっているでしょうが、タム君は「初めて」です。意味はわかりますね?」
「……」
童貞だということだろう。
それと意識したことはないが、タムと一緒に暮らしている響子には、そのくらいは
わかる。
「ですから、あなたが導いてあげてください」
「わ、私が……」
「そうです。タム君にとって、あなたが初めての女性になるのです。責任重大ですよ」
「……」
「いいですね? あなたが彼をリードしてあげるのです。きちんと最後まで、そして
途中に終わることのないように」
響子は、とろんとした潤んだ瞳でタムを見つめた。
少年には、それが「来ていいのよ」という合図のように見えた。
「お、奥様……」
「あ……」
不意に乳房を掴まれ、響子はビクリとしたが、何とか悲鳴も出さず、大きく動くこと
もしないで済んだ。
ここで抗って叫んだり、身体を揺さぶって拒否しようものなら、タムが傷つくだろう。
いたたまれなくなるに違いない。
彼は悪くないのだ。
悪いというのなら、おとなの欲望のために彼を利用している夫たちの方だ。
「奥様……奥様……」
少年は、響子の豊かな乳房をおっかなびっくりでまさぐっている。
どうしていいのかわからないのだ。
触りたい、揉んでみたいという男性の欲望はあるのだが、具体的にどうすればいい
のか知らない。
それでも、無理に抑え込んでいた響子への欲望が徐々に露わとなり、本能のままに
手指を動かしていった。
薄い布きれのネグリジェとブラジャーしか着けていないこともあって、少年の指は
胸肉に埋もれ、その質感と量感を味わっている。
「ああ、だ、だめ……タム君……」
響子の手が動き、少年の手を軽く払ってしまった。
思わぬ拒絶の言葉と抵抗が出たので、少年は思わず老人を見る。
万里邑は優しく言った。
「気にすることはない、タム君。奥さんは本気で嫌がっているわけじゃないんだ。
本当は君に愛して欲しいのだけど、それが恥ずかしいだけなんだ」
「ほ、本当に……?」
「本当だとも。そうですね、奥さん」
「ああ……」
万里邑の穏やかな言葉の裏に、言い知れぬ圧力を感じた響子は、乳房を守っていた
腕をゆっくりと外していった。
そしてタムの顔を見ながら謝った。
「ご、ごめんなさい、タム君……。も、もう邪魔はしないわ……。好きにしていい
のよ……」
「す、好きにして……? 本当ですか、奥様」
信じられぬという顔をして少年が響子を見つめる。
その健気で真摯な表情に、響子は微笑んで頷いた。
拒絶は無意味なのだ。
こうなれば、彼を受け入れ、少年にイヤな思いをさせないことくらいしか自分に
出来ることはない。
タムにとっての良い思い出になろうと思うことで、響子は割り切ることができた。
「ああ奥様……奥様のおっぱい……」
「……くっ……」
響子は僅かに身体を捻り、身悶えた。
無意識の行動だが、身体が反応して震えてきている。
こんな少年に愛撫されているという背徳的な官能が、彼女の肉体を火照らせてきていた。
タムの手は、技巧もなくただ必死に響子の乳房を揉んでいた。
その目には、意外にも淫らな色はない。
大麻窟で響子の身体を踏みにじったいやらしいけだものの目をした男たちとは違った。
押さえようもない本能と、響子への憧れと仄かな恋心だった。
「ああ、だめ……い、いけないわ……あ……」
どうしても口では拒否の言葉が出てしまう。
が、それが本心ではないことに響子は気づいていた。
それがわかるのか、タムも愛撫をそのまま続けている。
少年の息が荒くなり、手の動きも乱暴になっていく。
タムは響子の胸を自在に揉みしだき、その感触を手いっぱいに感じていた。
「ああ……はあ……」
少年に合わせたように、響子の息も荒くなっていく。
まだ女性の性感帯がよくわかっておらず、ひたすらにその柔らかい感触に浸るために
揉んでいるタムの手が、たまに敏感な箇所に触れると、響子はピクンと背に電気が走る。
指が乳首を触ると、どうしても快感を押さえきれない。
恥ずかしいという思いを無視して、乳首はぷくりと膨れあがってきた。
「ああ……タ、タム君……わ、私は……あっ……」
紅を差しておらず、健康的な薄い桃色をした響子の唇が薄く開き、そこから小さく、
しかしはっきりとした喘ぎが漏れ出た。
同時に甘い咥内の香りまで漂い、少年の昂奮はいや増していく。
「いい匂い……甘くていい匂いです、奥様……」
「は、恥ずかしいわ……匂いなんて嗅がないで……」
大麻で薄れかかった理性が、まだ懸命に肉体の崩壊を食い止めている。
このまま肉欲に押し流され、タムに恥ずかしい姿を見られたくはなかった。
少年を満足させてやればいいのだ。自分がよくなる必要はない。
それでも身体はそうもいかず、少年の稚拙な愛撫に崩れかかっている。
「あ……あっ……んん……はあっ……」
タムの手が乳房を揉み込んでいるうちに、響子はもどかしそうに大きな臀部をもぞ
もぞと蠢かしていた。
開かれていた脚がいつのまにか閉じられ、両ひざが合わさってもじもじしている。
熟れきった美女の肉体は、いつしか少年の行為に反応し始めていた。
「あ、ああっ……タム、くんっ……」
「ああ奥様……す、好きです……」
タムの昂奮も高まっている。
ただ自分のためだけに響子の胸を愛撫していたのだが、その行為に響子の方も感じて
きているらしい。
好きな女性の身体に触れているという昂奮と、その女性が愛撫に応えてきていると
いう喜悦が、少年を大胆にしていく。
「ああ、感じる……感じるわ……」
「き、気持ちいいんですか、奥様」
タムは食い入るように響子の美貌を覗き込んだ。頬を火照らせ、甘い吐息を吐き、
聞いているだけでいってしまいそうな声を出しつつ、響子は小さく頷いた。
このまま快楽に身を任せたいという欲望と、これ以上はいけないという葛藤があっ
たが、いったんタムの思い出になると決めた以上、もはや引くこともできなかった。
その時、万里邑が響子の胸元に手をやった。
「あっ……」
タムの愛撫を中断させぬよう、さっとブラジャーを抜き取ってしまったのだ。
思わず両腕で隠そうとすると、その手を老人に掴まれた。
「あ、タム君っ」
露わにされた見事なバストに、タムは文字通りむしゃぶりついた。
口を拡げて乳輪全体を吸い込むようにすると、勃起した乳首がビンビンと痛くなる。
右の乳房に吸い付き、左の乳房は右手で揉んでいる。
たまたま両方の乳首が舌と指でこねられると、響子はつい大声で喘いだ。
「ああっ! そこっ!」
タムはびっくりしたように口と手を離したが、響子は怒っていない。
痛かったのかと思ったが、そうではないようだ。
試しにもう一度乳首をぺろんと舐めてみると、美しい人妻は背を反らせて口を噛み
しばっている。
気持ちいいのだ。
要領がわかった少年は、乳首を中心に愛撫し、揉み込んでいった。
乳房ばかり責めていたせいか、どこを愛撫すれば響子がより強く反応するのか、
少年は身体で覚えていった。
彼女が大きく喘ぐところを入念に揉み、愛撫するようになる。
響子はたまらなかった。
「ああ、いいっ……タム君、それっ……いいい……ああっ……」
「あ、ああっ、奥様っ……奥さまあっ!」
理由はわからないが、どうしても腰が動く。
わけがわからないまま、本能に突き動かされたタムは懸命に腰を振っている。
手は相変わらず響子の胸を揉み続けていたが、少年がか細い声で唸った瞬間、ぎゅ
っと強く握られた。
「ああ!」
「……?」
声とともに突然愛撫が止んだ。
響子が呆気にとられて少年を見ると、タムはしきりに下半身を気にしている。
響子は、少年のパジャマのズボンに気づいた。股間の部分が大きく膨らんでいる。
どうも射精してしまったらしい。
響子は何だか少し微笑ましくなった。
自分の方が少年に追い込まれていると思って恥じていたのに、やはりまだ幼い少年だ。
女性の乳房を触っているだけで出してしまったのだ。
童貞なのだから無理もなかった。
「……いらっしゃい」
響子は微笑んで言った。
タムが言われた通りロボットのようにぎくしゃくと響子に近づくと、おもむろに
ズボンを下ろされた。
「あっ!」
「いいから。そのままでいいから」
響子は戸惑う少年にそう言いながら、下着も下ろした。
粘度の強い精液が、べったりとパンツにへばりついている。
くらくらしそうなほどに濃厚な匂いがした。これだけ濃ければ、なかなかパジャマ
まで染みては来ないだろう。
精液はパンツだけでなく、まだタムのペニスの先にもたっぷりとこびりついていた。
「そのままでいて。綺麗にしてあげるから……」
「あっ……」
射精したばかりとは思えないほどにそそり立っている少年の男根に、人妻が優しく唇
を近づけていく。
響子は小さく唇を開け、舌を使って、タムのペニスを拭き取っていった。
「お、奥様……」
少年は感動していた。
下着を汚してしまっただけでなく、響子が汚れたペニスを、こともあろうに口で綺麗
にしてくれている。
響子も自分を愛してくれているのだと確信した。
響子は丁寧にタムのペニスに舌を這わせ、精液の残滓を舐め取っていく。
「あ……」
一通りきれいに拭ったと思って口を離したが、タムのペニスの先端はびくびくと
痙攣しながら、どぷっ、どぷっと少しずつまた精液が出てきている。
それを見た響子は、まだ完全に剥けきっていない包皮を指でつるりと剥き、優しく
口に含んだ。
そしてまだ幼い亀頭をねぶるようにしながら、ずずっと尿道を吸い上げた。
「うっ、ああ!」
タムが呻いて、また少し射精した。
それを、ずっ、ずっと音を立てながら吸い、もう粘液が出なくなるまで口を離さな
かった。
口の中にはけっこうな量の精液が溜まっている。どうしようか迷ったが、これを口
から出したら少年が傷つきはしないと思い、そのまま飲み込んだ。
濃くて飲みにくかったが、少年の思いがこもっているような気がして、すべて飲み
干した。
粘度も味も匂いも濃かった。
「凄いわ、タム君……出したばかりなのに、もうこんなに……」
「そ、そうなんですか? 奥様に舐めてもらって、もうオチンチンが痛いくらいに
硬くなって……。でもごめんなさい」
「あら、どうして謝るの?」
「汚いのを出してしまって、それを奥様に……」
「汚くなんかないわ」
響子はきっぱりと言った。
「タム君、私のこと、好きでいてくれてるんでしょう? だからたくさん出たんだもの」
「奥様……」
響子は椅子から立ち上がった。
万里邑がその肩を押さえようとしたが、それをゆっくりと振りほどいた。
「……」
そのままベッドまで行き、そこで横たわった。
そして少年を誘った。
「……来て、タム君。おとなに……してあげる……」
「奥様っ」
少年は響子に飛び込んでいった。
響子はそれを優しく胸で抱いてやる。
しばらく響子のふくよかな乳房に顔を埋めていたタムは、顔を上げておずおずと言った。
緊張で震えている様子がいじらしい。
「でも奥様、僕、どうすればいいのか……」
「わからないのね。いいわ、そのままにしていて」
響子は少年を仰向けに寝かせると、その上に乗った。
騎乗位である。
少年の緊張をほぐすため、響子は顔を近づけて、ごく軽くタムの唇に唇を重ねた。
「んっ……」
ちょんと唇が接触しただけだが、少年はびっくりしたように、そして恥ずかしそうに
顔を離した。
その仕草のひとつひとつが可愛らしく、響子の母性本能と保護意欲を高めていく。
万里邑は黙って見ている。
マリファナのせいもあろうが、響子も慣れてきている。
また、相手がタムだということもあるのだろう。
彼女が自ら誘ってセックスをするなどというのは、夫以外では初めてのことなのだ。
もはや万里邑の視線も気にならないほどに、少年との行為に集中していた。
「そのまま……じっとしてて」
年上の麗人はそう言うと、少年の男根をつまむと、それを媚肉に押し当てた。
響子はその感触を指と膣口に感じて驚いた。
ビクビクと震え今にもまた射精しそうな勢いだ。
剥いてあげた亀頭の先端からは、とろとろの透明な汁が溢れ出ている。
色はまだ薄いピンク色だが、その元気さだけはおとな顔負けだった。
そしてサイズもそこそこある。
とても瞬ほどではないものの、同年代の少年としては立派なものだろう。
響子は頬を染めながら、少し腰を落とした。
「んっ……」
媚肉はもう充分に濡れている。
大麻のせいなのか、それともタムの熱気に当てられたのか。
少年のペニスをくわえて射精させたことに昂奮しているのかも知れなかった。
少年も夢見心地だった。
憧れていた美しい奥様とセックスできるのだ。
まだ大した知識はなかったが、好き合った男女が、そうした行為をすることは知っ
ている。
何より、響子がやってきたその日に交わした夫との激しい営みを覗き見ていたのだ。
誰にも言えなかったが、タムはその時、性器に触れたわけでもないのに射精して
しまっていた。
それを今、自分が経験しようとしている。
響子からは、膣を中心に得も言われぬ甘い妖しい香りが立っている。
それを吸い込むだけで、少年は痛いほどに勃起するのだった。
互いの性器の熱さを両者が感じ取っていた。
響子は少年のものから若さと熱さと硬さを感じ取っていたし、タムは響子のそこ
から、優しさと暖かさ、そしてぬるぬるとした官能的なものを得ていた。
「んんっ……ああ……」
響子が少しずつ腰を落としていくと、少年の肉棒がぬるりと中に埋没していく。
ペニスの容量分だけ、愛液が押し出されてきた。
「ああ……!」
初めて味わう女体の快感に、タムは思わず呻いた。
それが響子には、少年の喘ぎにも聞こえた。
「あ、入って……くる……タム君のが……ああっ……」
人妻は、そのまま自分の体重を使って、少年の男根を胎内に沈めていく。
肉棒は響子の媚肉を押し広げながら奥へと進んでいった。
響子はぺたんとタムの上に完全に跨り、腰を密着させ、彼の肉棒をすべてその膣内
に収めた。
「んん……ぜ、全部……入った……。わ、わかる? タム君……」
「わかります……。ああ、奥様の中に僕のが……。気持ちいいです、熱くって……」
「わ、私も、ああ……」
(ああ、しちゃった……。私、本当にタム君としちゃった……)
初めて味わう女体の快感にたまらなくなった少年が、本能に従って腰を強く使い出す
と、響子は悲鳴を上げて窘めた。
「だっ、だめよ、タム君っ……いきなりそんなに強くしちゃあ……」
「あ、ご、ごめんなさい、奥様……」
少年が泣きそうな顔になると、響子は微笑んで言った。
「いいのよ、初めてなんだから……。いい、最初はゆっくりと動いて。女の人のこと
も考えて……」
「はい」
タムは素直に頷き、ぎこちなく腰を揺すっていく。
どうしても強くなりがちな動きを、響子は尻で制御していた。
少年がつい大きく腰を使ってくると、大きな臀部を押しつけてその動きを抑え込んだ。
響子の尻とタムの腰は僅かな隙しかない。
動くことの出来る範囲で、タムは腰を揺すって響子の胎内を犯した。
「あっ……いいわ、そう……んっ……そ、そんな感じ……あっ……」
響子は恥ずかしげな呻き声の中に混じって、僅かに喘ぎながら少年を褒めた。
そうしながら自分でも腰を動かし、少年に快感を与えると同時に、自らも官能を貪っ
ている。
タムの動きはぎこちなく、技術も知恵もない。
経験がないのだから当たり前だ。
あるのは男の欲望と響子を悦ばせたいという思いだけだ。
それでも、腰を使っているうちに、知らず知らず響子の弱点を突いてしまうことも
ある。
すると美貌の若妻は、ついその唇から艶っぽい喘ぎが洩れてしまうのだった。
「いっ……あ、そこ……ち、違うわ、もう少し……んんっ、そうっ……そこよ、あっ
……いい……」
性の悦楽が高ぶるにつれ、響子の動きも大胆になってくる。
タムの欲望を抑えるように動かしていた腰も、いつしか円運動をとるようになり、
より強い快感を求めていた。
少年を導くとともに、自分の感じやすいように身体をよじり、腰を使うのだった。
「くっ……いい……いいわ、タム君……。タム君は、ああっ、どう? 気持ち、いい
かしら……」
「い、いいです。ああ……どんどん奥様の中がきつくなってきます」
膣の収縮が始まり、ペニスを締め上げてきたことで、タムも悲鳴を上げていた。
当然こんな経験は初めてだ。
きついが決して痛くはなく、もっと締めてもらいたいくらいだ。
タムが苦しげ呻きだしたのを見て、響子はいったんそのペニスを入り口間際まで引き
だした。
ぬるりと大半の姿を現した肉棒は、どろりとした愛液をまぶされ、ギンギンに勃起し
ていた。
タムが失望の声を上げる。
「あ、奥様どうして……。ぼ、僕なにか悪いことを……」
響子が笑みを浮かべて首を振った。
「そうじゃないの。タム君がつらそうだったから」
「つ、つらくなんかないです! だからもっと……」
「そう、いいのね?」
少年が強く何度も頷くと、響子も再び腰を沈めた。
カリ幅はまだまだ足りないものの、それなりに立派な肉棒が、響子の媚肉を拡げて
収まっていく。
硬い亀頭に削られ、カリに拡げられる感覚に響子は喘いだが、少年も喘いでいた。
響子のきつい襞圧にカリをまともにつぶされ、またあの感覚が甦ってきた。
あの白い液体が出そうなのだ。
出したい。
けど、ここで出したら、何となく恥ずかしいような気もしていた。
ずぶぶっと奥までペニスで貫かれ、響子は大きく喘いで快感を表した。
「あ、あむっ、いいっ……いいわ、タム君……あっ……そ、そうよ、ううんっ……
し、下から突き上げて」
「は、はいっ……こ、これでいいですかっ!?」
「ひっ、そうっ! そ、それでいいのよっ……あ、もっと強くしてもいい……ああ
うっ……」
昂奮した響子の腰が浮き、隙間が広くなってくると、タムは思う存分腰を使えるよう
になっていた。
響子は豊満な腰をうねらせ、円を描いたり、上下運動したりして、少年の肉棒を味わ
っていた。
タムの方も、響子の動きに合わせているわけでもないだろうが、彼女が腰を落として
きた時に、ぐっと思い切り腰を突き上げるようになっている。
そうされることにより、響子の反応がより強くなったからだ。
大きく喘ぎ「いい」と口走る。
こうすることが響子の快感を高めているのだとわかってきたのだ。
響子はタムの、少年とも思えぬ力強い動きに堪能していた。
さすがに最奥まで届くようなことはなかったが、それでも硬いものが膣内のあちこち
に乱暴にぶつかってくると、強い快感が背に走った。
瞬のように、技巧に長けた愛撫や突き込みではないが、何も知らない分、思わぬとこ
ろを突いてきて、響子に甲高い喘ぎを上げさせた。
加えて、何しろペニスが硬かった。
カチカチになっているのが胎内でよくわかる。
無闇に突かれると痛いほどだ。
これほどに硬かったら、タムの方も痛いのではないかと心配になるほどだ。
そして、響子を好いている思いが痛いほどに伝わってきた。
瞬のそれとは違うだろうが、その思いが彼女には嬉しかった。
この肉棒の恐ろしいほどの硬さも、響子への思いが籠もっていると思うと、痛みも
快楽へと変化していった。
タムは顔を真っ赤に染めて、必死になって腰を突き上げていた。
響子の美しい媚肉を強引に押し広げて、少年の肉棒が抜き差しされている。
ふたりの腰がぶち当たると、響子から漏れた蜜がびちゃびちゃと弾け飛んだ。
だが少年には、それを見る余裕もなかった。
もし見ていれば、その妖しさにたまらず射精してしまっていただろう。
「あ、いいっ……いいの……くっ……あ、もっと……そうっ、深くまで……あ、あ
はあっ……」
タムは響子の望むまま──というより、己の本能に付き従って、響子の膣内粘膜を
激しくこねくっていた。
襞がペニスを絡めようとするのだが、タムはすぐに抜いて、また突き刺してくる。
強い刺激を媚肉に受け続けて、響子は恥ずかしげもなく性の歓喜を堪能していた。
責める少年の方も、突き込むごとに与えられる快感に呻きながら、射精を堪えて
なおも打ち込んでいく。
響子ほどの名器であれば、本来ならすぐにでも射精してしまったろうが、一度出し
ているだけに、タムは何とか堪えているようだ。
タムの腰周辺が、響子の出した愛液でびしょびしょになる頃になると、彼も少し
状況に慣れてきた。
ペニスに感じる快感は強いが、自分で腰をコントロールすることにより、少しは
抑えることが出来るのを知ったのだ。
響子が腰を引いた時、自分も引けばよい。
いきそうになってきたら、響子の尻を掴んで動かないようにすれば何とかなる。
それを知ると、響子がよがる様を見て愉しむ余裕すら出てきた。
欲望のままに喘ぎよがる人妻が腰を振りたくると、大きな乳房がゆさゆさと扇情的
に揺れ動く。
タムは生唾を飲み込んで、大きく揺れる胸をぐっと両手で掴んだ。
響子が思わず首を仰け反らせた。
「あうっ! ああ、おっぱいまで……んんっ……あ、そんな強く揉んだら……ああう
……」
「気持ちいいのでしょう、奥様」
「あ、いい……いいわ……好きにして……あうっ……」
タムは器用に、腰を打ち込みながら揺れる乳房を揉み込んでいく。
タムの小さな手では、とても響子の豊かな乳房全体を揉み込むことは出来ない。
掴める範囲で胸肉をこねくり、揺さぶっていく。
ややもすると、手のひらが完全に埋もれてしまいそうな乳房を、少年は懸命に愛撫した。
少年の手のひらに硬い感覚が残った。
とろけてしまいそうなほどの柔らかい乳房にこんな部分があることにタムは驚いた。
そこは乳房の頂点でピンと立っていた乳首だった。
性感の高まりで膨れていた乳輪の頂上にある乳首を、きゅっと指で絞った。
「ひあっ!」
「い、痛かったですか」
響子はゆっくりと頷いた。
「痛いけど……いいの。き、気持ちいいから……」
その言葉に勇気づけられたタムが、乳首中心に責め出した。
グミのような感触のそれは、まだ出産していないためか、色は美しいピンク色だった。
タムは、それを眺めているだけで、なぜか腰が勝手に動いていくのを感じる。
指で捻るように潰したり、ころころと転がしたり、手のひらで潰すようにして円を描く。
どう愛撫しても響子は喘ぎ、その震えるほどの快感にはっきりと反応した。
「ああうっ、いっ……あ、いい……ううんっ……す、すごい……胸、感じるわ……」
タムは無意識のうちに、左右の乳房に強弱をつけて責めていた。
右の乳房をぎゅうぎゅうと強く絞る時は、左の乳房は優しくさするように愛撫する。
あまりの快感に、響子が胸をタムに押しつけてくると、唇と舌も参加させて、その
乳房を愛撫した。
それまで馬乗りの状態だった響子は、もうタムの上に覆い被さっている。
腰は自分から使って動かし、胸は少年の顔に押しつけていた。
年上の女性の腰の動きに呻きながらも、負けじとタムは腰を突き上げていく。
「あ、あむっ……すごいわ、タム君っ……いいっ……ああ、ずんずんと硬いのが来るっ
……ああっ……」
完全に少年の上に倒れ込んでしまった響子を、タムは背中に手を回して抱き込んだ。
背中のすべらかな肌の感覚を愉しみながら、激しく腰を打ち込み、媚肉を抉っていく。
響子はタムの好き放題に犯され、その快楽に酔っていた。
こんな少年に犯されているという恥辱、その少年を導いているのは自分だという
背徳感と優越感。
知らず知らずのうちに響子は、タムとのセックスに没入していた。
胸をいいように揉み抜かれ、媚肉を激しく突き上げられながらも、少年に抱きついて
いた。
「いい……あうう、いい……あ、うんっ……そ、そうよ、上手……あああ……」
「奥様、僕も気持ちよくて……あっ……」
タムもだが、響子もいよいよ間際にまで高まってきていた。
ペニスと媚肉は繋がったまま、一瞬たりとも離れない。
大きく腰を揺すり、乳房を揺さぶりながら、タムの腰使いを受け止めている。
少年も、揺れる豊乳を揉み絞りながら、盛んに腰を振っていた。
責めも力強くなり、響子の大きな腰を持ち上げんばかりに突き上げた。
最初に音を上げたのは、やはり少年の方だった。
「ああっ、お、奥様っ……」
「どっ、どうしたの……ひっ……いいっ……」
「ぼ、僕もうっ……ま、また出て……奥様の中がきつすぎてっ……」
ふたりは「奥様」「タム君」と互いを呼びながら、愛欲図を展開していた。
「あ、もう……も、いきそうっ……」
「い、いきそうって、何ですか、奥様」
「んんっ……あ、あなたが……だ、出したくなるのと、んんっ……お、同じ気持ちよ
……あああ……」
つまり気持ちがよくてたまらないのだと理解した少年は、ともに絶頂を味わおうと
一層に腰を揺さぶりだした。
タムは響子の尻を押さえつけてぐいぐいと奥を抉ると、響子はその手を振りほどく
ようにして腰をよじり、自由になった腰をタムの腰に打ち付けていく。
主導権を取り合い、そのたびに悲鳴とよがり声を交わしながら、年の離れた男女は
最後の瞬間に向かっていく。
快感でびくびくしているペニスを、これもひくついている媚肉に何度も何度も抜き
差しした。
「ああ、もうっ……」
「あ、締まる! 締まるよ!」
響子の膣がきゅうっと締まり、収縮がきつくなる。
これまでのそれとは比較にならぬ締め付けを味わい、タムは辛抱できなくなった。
「奥様っ、もう僕っ……」
「あ、いって……いっていいわっ……そ、そのまま……」
少年に胎内で射精される。
通常ならば、何が何でも避けねばならない行為を、響子はごく自然に受け入れていた。
愛を交わす男女なら、誰でもすることだ。男は女の中に出したいし、女はそれを受け
止めたい。
少なくとも今、この瞬間は、響子はタムを愛していた。
さっき口にしたタムの精液の濃さが、彼の響子に対する愛情に比例しているように
思えた。
ああ、これが夫や万里邑の言う「自由なセックス」なのかも知れない。
響子がぼんやりとそのことを考えると、少年の最後の突き込みが来た。
「ああっ、激しいっ……激しいわ、タム君っ……あ、もう私も……い、いってしまう
……いきそうっ……」
「だめっ、我慢できないっ……奥様、出るっ……す、好きです、奥様、奥様あっ……!」
「ああっ、わ、私もっ……好きよっ、タム君っ……いっ、いくっ……!」
タムが響子を持ち上げるようにして最後の突き込みを加えると、響子も自分の腰を
少年に押しつけるようにして、出来るだけ奥深くで彼を迎え入れた。
きゅきゅっと強く収縮した膣に、タムは悲鳴を上げて射精した。
「で、出るっ!」
どびゅびゅうっ。
どっぴゅうっ。
びゅるるるっ、びゅるるるっ。
びゅるるんっ。
響子にくっつけたタムの腰がぶるるっと震えた。
熱い粘液の塊が胎内の迸りこんできて、響子も続けて達した。
「ああっ、出てるっ……タム君の……ううんっ、い、いくっ……いくっ……!」
びゅくくっ、びゅくっ。
びゅるるっ。
びゅびゅっ。
びゅっ。
びゅっ。
少年の熱い思いを膣内でしっかりと受け止めた響子は、むっちりとした腰で少年の腰を
覆うように密着させていた。
「ああ、あはっ……すごいわ……あっ……ま、まだ出てる……ああ……い、いきそ……
いく!」
少年が何度も腰を揺すり、射精の発作を繰り返すたび、響子の胎内はどろどろの精液で
穢された。
濃いものが膣壁に引っかかるのがわかる。
襞に粘りの強い精液がこびり付いている。
びゅっと射精され、中に出されるごとに響子は軽い絶頂を繰り返していた。
戻る 作品トップへ 第五話へ 第七話へ