「ふっ……くっ……あっ……」

ドレス姿の美女の後ろから、男がまとわりついていた。

まだ響子は脱がされてはいなかった。
だが、そのドレスの上から胸を愛撫されている。
百瀬は天井に吊られた響子の後ろに回り込み、大手を拡げて彼女の豊かな乳房を揉み込んで
いた。

長い髪をかき分け、白いうなじに舌も這わせていた。
もうかれこれ15分くらいは揉み続けているだろうか。
響子も、それだけ長く乳房だけを愛撫され続けるのは初めてのことだった。
百瀬にとっても、ここまで揉み心地の良いバストはひさびさだった。
ドレスの上から揉んでいるのに、その柔らかさや充実感は素肌のそれと大差なかった。

響子は嫌がってもがいていた。
逃れようと腕を振るおうにも拘束されている。
いくら身を捩っても、百瀬の腕はがっしりと響子の身体を押さえ込み、しつこく乳房を揉み
ほぐしていた。
大きな乳房を揉みしだく百瀬の手に合わせて揺れる真珠のネックレスが妖艶な雰囲気を醸し
出している。
ほんのりと響子の身体から汗の香りが漂ってきたのを見計らって、ドレスの上半身をずるり
と下に下げた。

「ああっ、いやあ!!」

蓑虫の殻でも抜くように、ドレスはあっさりと響子の腰の辺りまで落ちていた。
腰骨が引っかかって、辛うじてまだ身に纏っている。
白い素肌が上半身だけ晒され、胸にはストラップレスのブラだけがついていた。
下半身はまだロングのドレスを履いており、響子が藻掻くたびに、裾から美脚が覗ける。
妖艶なほどな色気が漂ってきた。

「ああ、だめえっ!!」

そのブラの上から、また百瀬が鷲掴みにして揉んできた。
いくら強姦されかかっていても、こうまで執拗に乳房をいじくられていれば、当然、身体的
変化は出てくる。
そのことに気づいた響子は、戦慄と戸惑いを感じていた。

(ああ、そんな……)

感じているわけではない。
断じてそんなことはない。
なのに、胸が反応してきていた。
ブラとニップレスで押さえ込んでいたはずの乳首がもこりと盛り上がってきたのだ。
百瀬の手が潰すように乳房を揉み、さすっているうちに、乳首が充血し勃起してきてしまった。
硬くなってきた乳首が、ニップレスを持ち上げようとしている。

(ああっ、た、立っちゃだめっ……)

その時、百瀬がようやく手を外した。
ホッとする間もなく、男はいきなり響子のブラを破りとったのだ。

「きゃあああっっ!」

ぶるん、と、こぼれ出た胸肉の見事だったこと。
まさに「肉」と呼びたいような塊だった。
ただでかいだけの乳房なら、百瀬もうんざりするほど見てきた。
ホルスタイン級のおっぱいなどと言っているが、バストだけでなく身体全体が牛みたいな女
も多いのだ。
そんなものは願い下げである。

響子は違った。
しっかりとウェストはくびれ、余計なところに肉は乗っていないように見えるのに、尻と胸
には充分についているのだ。
しかも形がいい。

サイズは大きいが、形状が百瀬の好みに合わぬ女も多かった。
どちらかというと百瀬は、大きさよりは形を重視する。
いぶきも、それほどバストが大きいわけでなかったが、何しろ形が綺麗だったのだ。
その点、響子は、双方を兼ね備えていた。

大きいだけで、乳房自体の重さに負けて、垂れてしまっているバスト。
おまけにそれが、だらしなく左右に開いているおっぱいもある。
響子のそれは、存分に肉が詰まっていて、重力などには負けておらず、ちっとも型くずれし
ていない。
美しいカルデラの形状を保っているのだ。
まさに理想的と言えよう。

百瀬は、響子のバストの先っぽに貼ってあったものに気が付いた。

「ほう、こんなものつけてたのか」
「あ、だめっ、取ってはだめですっ」

女の悲鳴とともにニップレスを剥ぎ取ってみると、下に隠れていた乳首が可愛らしく顔を
もたげていた。
それを見て、百瀬は嘲笑った。

「なんだなんだ、感じてたんじゃねえか」
「そんなことありませんっ」
「だって乳首が立ってるじゃねえかよ」
「こ、これは……」

恥ずかしい指摘をされて、響子は顔を染めて口ごもった。
しかし、すぐに反撃した。

「これは、ニップレスが……そうよ、ニップレスを無理に剥がしたからですっ。それでくっ
ついてしまって……」
「そうか?」
「あっ、ひっ!?」

百瀬はニタリと笑って、立った乳首を指で捻った。
途端に、つんざくような響子の悲鳴が上がる。

「何がニップレスにくっついて、だ。下手なウソをつくな、こんなに硬くなってるだろうが」
「……」

響子が答えられずにいると、百瀬は今度は前からその乳房を掴んだ。
彼の大きな手からもはみ出てしまうほどのボリュームを誇る乳房は、百瀬の指の間から肉を
はみ出させている。

「うっ、く……あっ……や、やめ……ああっ……」

響子の声に甘い色が混じってきたのは、百瀬が乳首を指で責め始めてからだった。
親指と中指でクリクリと揉み、指の腹を巧みに使って、硬くなった乳首をなぞりあげる。
まだ百瀬にしては優しい愛撫で、乳首からくる快感も小さいものだったが、確実に響子を
愉悦の中に引き込んでいく。

百瀬の指に力が籠もったり、より感じるところに触れられると、たまらず響子は僅かに
喘ぎ声をあげた。
屈辱に耐えているのか、それとも快楽を堪えているのか、響子はその身を細かく震わせて
いた。
時折、腿や二の腕、首筋などにざあっと鳥肌が走る。
汗の匂いに混じり、徐々に甘い濃密な女の香りが漂い始めていた。

「だめ、ああ……お、お願いです、もう、あっ、もう、やめて……」

響子の美貌にも変化が出てきていた。
眉を寄せ、悩乱した表情が入り込んでいる。
噛みしめていた唇が小さく開き、熱い吐息が洩れることがあった。
吊られた肢体をもどかしそうにうねらせていた。

白い肌とは対照的に、揉まれ続けていた乳房だけはピンク色に染まっている。
その頂上にある乳首は鳶色にまで濃くなっていた。
コリコリに硬く尖った乳首に、百瀬は吸い付く。
軽く歯を立てたまま、舌でこね上げる。
そして強く吸い上げてやると、響子はギクンと背中を反らせて反応した。
そこをさらに責め上げ、豊満な乳房の形が変わるほどに強くこねくった。
乳房の根元から揉み上げるようにこね、手が乳首まで達すると、今度はそこに口をつける。
乳首の根元を軽く咬み、そのまま先端まで歯で擦ってやると、鋭い快感が響子を襲い、彼女
は思わず大きく身悶えてしまった。

「やはあっ……! はあっ……ああ、そ、そこは……ああっ……あっ……し、しないで、
もう……ひっ……んくっ……」

響子が強く反応することを知ると、百瀬は集中的にそこを責めた。
歯を軽く当て、こそぎとるように上下運動を繰り返す。
甘くも鮮烈な刺激に、響子は顔を振りたくり、黒髪を乱して呻いた。
執拗に責められているのは乳首であり乳房だったが、響子はもうその顔にたっぷりと汗を
かいていた。
髪が額に張り付き、腋の下や首筋からはムッとするような汗の匂いがした。

「ああ、こ、こんな……こんなことって……」

響子はすっかり気が動転していた。
まだ胸をいじられているだけである。
もちろん手指だけでなく、口も使われている。
夫に愛撫された時でも、こんなに感じたことはなかった。
もっとも、裕作が響子の胸を揉んだ時でも、これほど長く執拗にはしなかった。
それが百瀬ときたら、もう30分近くも胸ばかり愛撫しているのだ。
響子はおかしくなりそうだった。

「ああう……あう……いや……ああ……ああっ……」

百瀬は乳房に爪を立てるように強く愛撫した。
乳首も指に力を込めて、強く捻り上げる。
歯を立て、強く吸い上げ、舌でもこねてくる。
さらに硬く勃起してきた乳首を舌で乳房の中に押し返すようにしてやると、響子は胸を反ら
して大きく喘いだ。

彼女には信じられなかった。
響子は、この胸の愛撫だけで本当にいきそうになっていたのである。
百瀬もそれがわかるのか、響子がオルガスムスに達しようとしていると見ると、乳首の責め
から引いて、手で乳房を揉み上げる愛撫に変えてやった。
それを何度も繰り返し、乳房が乳首を中心に百瀬の唾液でぬらぬらになる頃になると、響子
はもじもじと脚を擦り合わせるようになっていた。
女体がとろけだしたのは明らかであった。
頃合いと見た百瀬は、響子のスカートをめくりあげた。

「きゃああ!」

それまでの快感が一瞬で飛び去ったかのように、美貌の人妻は叫んだ。
いよいよ犯されるという恐怖もあったが、それ以上に、百瀬の愛撫に反応して濡れてしまっ
た股間を見られたくなかったのだ。

その百瀬は、後ろからドレスをめくりあげて、剥き出しになった白いパンティの尻を撫で回
していた。
服の上からはわからなかったが、想像以上にむっちりとよく張り詰めた色っぽい臀部だった。
人妻らしく、脂や肉が乗りきっている。

ストッキングがガーターというのもいい。
細腰に回したガーターベルトとストッキングの黒さが、響子の白い肌を浮き立たせている。
それを見ていると、百瀬はこのまま素っ裸に剥くのも芸がないと思えてきた。
高いドレスを着たまま犯してやるのもいいだろう。
また、響子のような女なら、全裸よりも着衣のまま凌辱された方が、より羞恥を感じるので
はないだろうか。

百瀬は、いやいやするように腰を振っている響子の腰を左腕で抱え、右手で秘園をいびりだ
した。
パンティはもうすっかり濡れそぼち、響子の肉付きのいい臀部が張り付いている。
股間の濡れ方が特に激しかった。

「はあっ……そ、こっ! ……いっ、いやあっ……あ……はあっ……」

濡れた下着の上から響子を愛撫する。
尻の方から前で手を伸ばし、媚肉やクリトリスを責めていた。
硬くなった肉豆をクリッと捻ってやると、響子はギクンと大きく反応して喘ぎ、腰をよじった。
感じ方がどんどんと激しくなっていっている。
責める百瀬の手指も、響子から滲み出る分泌液でベタベタになっていた。

「くく、奥さん、すげえ濡れようだぜ」
「いやあっ、見ないで! ……ああ、見ないでください!」

下着に染みた女蜜を絞り出すように男の指が膣や割れ目をなぞっていく。
下着の上からなぞると、くっきりと性器の形が浮き出してくるのだった。
響子はビクビクと腰を震わせながら言った。

「こ、擦らないで……あ、ああっ、そこ、擦っちゃやあっ……」

百瀬が指先でつっつき、擦り上げていたのはクリトリスだ。
薄っぺらい布越しに敏感な性感帯を愛撫され、人妻は喉や背を反らせ、腰をうねらせていく。
同時に下着の染みがどんどんと広がり、もはや股間部は汁が垂れそうなほどになっていた。
ぷるぷると痙攣する響子の尻から、百瀬が一気にパンティを引き下ろした。

「いやあああっっ!」

するっと膝の辺りまで下ろされた下着は、ねっとりとした粘く細い愛液の糸を引いていた。
下ろした下着についた蜜が内腿を汚していく。
その上からまた、さらに膣から零れていた愛液がかぶっていくのだった。

「ああ……見ちゃいやあ……」

自分の恥ずかしい淫液が、腿のあたりまで滴っているのがわかる。
それを観察されるのはたまらなかった。

(ああ……はしたない……私、どうして……)

強引に犯されかかっているのに、なぜこんなに濡れるのか、響子にはわけがわからなかった。
女には強姦願望があるという。
女が自慰をする時、妄想するのは自分が強姦されているシーンが多いとも聞いた。
だが、そんなことは自分には無関係だと信じていた。
なのに、この反応は何なのだ。
こんな破廉恥なこと、淫らなことになっている自分が許せない。
しかし、そんな響子の動揺など無視して、ヤクザの責めが本格的になってくる。

「ひぃあっ……だめっ、きゃああっ……ひぃっ……」

少し開かされた股間から覗く媚肉に指が忍び込んでくる。
割れ目を親指と中指で割り、膣口をさらけ出させると、人差し指で膣口をつっついてやる。

「うんっ……!」

響子は、思わず出そうになった淫らな声を噛み殺し、首を仰け反らせた。
もうぬるぬるのゆるゆるになっていた膣口は、あっさりと百瀬の指の侵入を許していた。
ゴツゴツと節くれ立ったごつい指が、響子の熱くて柔らかい秘肉を貫いていく。

「だ、だめえ……し、しちゃ、ああっ……しちゃいやあ……」

ぬぷりと指が挿入されると、響子は悩ましげに眉を寄せ、呻いた。
感じているのは明らかだ。
普通、結婚前の女なら、ここまでとろけさせてやれば、あとはもう崩れてくる。
それはそれでいいのだが、百瀬はぎりぎりまで抵抗し、心では反発するようなタイプが好き
だった。
それをものにしてこその凌辱である。
響子はどうやらそのタイプの人妻のようだ。

「ああっ、ぬ、抜いて……指、しないで……ああっ……」
「ホントか? ホントにしないで欲しいのか、ええ、奥さん?」
「し、しない……で……」

響子は虚ろにそう言ったが、身体はそうは言っていなかった。
指が挿入されて以降、抵抗するように打ち振られていた尻の動きが止まっていたのだ。
百瀬は指を根元まで押し込み、グリグリと抉り始めた。
響子は踏ん張るようにして力を込め、送り込まれてくる快感に耐えようとしていた。

「か、かき回さないで! そんな、そんなことしちゃ、ああ……ああっ……」

響子の肉はすっかりとろけていた。
それでいて、抉り込んでくる百瀬の指を締めつけるようにもなっていた。
入れた指を軽くバイブレートさせると、濡れて粘った淫靡な水音がし、次々と愛液が溢れて
男の指と女の腿を濡らしていく。

響子の蜜が粘度を増し、白濁する頃になると、その声は抗いよりも何かを堪えているような
呻き声が中心になっていた。
何を我慢しているのかは、責める男にも責められる女にもよくわかっていた。
そしておもむろに百瀬が指を抜くと、響子は「あ……」とホッとしたような、物足りない
ような声を洩らした。

男の指には響子の匂いが染みついていた。
だが百瀬はそれ以上に、指に感じた圧迫感に感動していた。
指一本で、ここまで締めつけられるような感覚が得られるのだ。
ペニスを挿入したら、どんなに気持ちいいことだろうか。

響子の方も同じだった。
羞恥で顔を赤らめてはいるものの、その肉体は百瀬に続きを求めている。
肉の愉悦に溺れかかっている身体が恨めしかった。

百瀬は、汚れた指を響子の尻たぶで拭きながら言った。

「奥さんよ、もっとして欲しいだろう?」
「そんなこと、ありません……」
「ウソをつけ。パンティがダメになるくらい濡らしてやがったくせに」
「……」
「旦那とやるときもあんなに濡れるのか? スケベなんだな、奥さん」
「違います! いやらしいこと言わないで!」
「ほう、旦那の時はあそこまで濡れないのか。俺の方が感じたわけか?」
「ち、違うって言ってるでしょう!」

人妻は夫のことを思い出したのか、一層に羞恥を浮き立たせ、顔も身体も紅に染まっていく。
ヤクザは追い打ちをかけるようにささやいた。

「このまま放って置かれていいのか?」
「え……?」
「あんたの身体、火照ってんだろう? 燃えて燃えてしようがないんだろうが」
「そんな……こと、ありません……」

そう否定しながらも、響子は開かれた腿を閉じ合わせようとするかのように、もじもじして
いた。
吐息が熱い。

「こんな指なんかじゃなくって、もっと太いのでされたいだろう?」
「……」

どうして「そんなことない」とか「早く解いて」と言えないのか、響子にはわからなかった。
それよりも、何とも表現しようもないほどにもぞもぞとした切ないような感情を押さえ込む
のに必死だったのだ。
男を欲しがっているとは思いたくなかった。

「ほれ」

響子が黙っていると、後ろから百瀬が声を掛けた。
いつのまに脱いだのか、百瀬は裸になっている。
全裸の男を見て響子は喉が引きつった。

「ひっ……!!」

男の肌には倶利伽藍が入っていた。
肩や腕にそれが見えた。
やはりヤクザに違いない。

目を見開いていた響子を見て百瀬はニンマリし、くるりと背中も見せてやった。
一面に、見事な刺青が施されていた。
どこかで見た構図である。屏風だか掛け軸だかで見た記憶がある。
確か、雷神とか風神とか言ったか。
雷さまのように見える。
頭部に角らしきものがあるから鬼なのかも知れない。

鬼の刺青を入れた男が、あらためて正面を向いた。
イヤでも響子の視界にそれが目に入った。
悲鳴を出そうにも喉が掠れてしまった。
巨大な性器だった。
20センチは楽にあるのではないだろうか。
夫のものと比べるのもおかしいほどの大きさだ。
ビクビクと痙攣し、そそり立っているそのたくましさは何と言ったらいいのか。
腹にくっつきそうなほどに反り返り、猛り狂っている。
百瀬が動くたびにグラグラと揺れている。
その動きが実に硬そうだった。
芯までぎっしり詰まっているような硬質感があった。
響子の中に入らなければ、その強張りは取れないのだろう。

響子が充分に欲情しているのは、百瀬にもよくわかった。
百瀬の行為によがるようなことはない。
喘ぎも、出来るだけ堪えようとはしているようだ。
しかし、膣やクリトリスを責める男の指が離れそうになると、まるで追い掛けていくよう
にグッと尻を突き出してくる。
響子の意志ではないだろう。
ついつい、勝手に腰が動いてしまうのだ。
膣の中に埋め込んだ指を曲げ、Gスポットのあたりを擦ってやると、血が出るほどの唇を
噛んで耐えるのだが、どうしても腰がぶるぶると震えてしまう。

百瀬にとっては打ってつけだった。
ここで簡単に崩れてしまって、敢えなく百瀬を欲しがるような女ではつまらない。
そんなものならいくらでもいるのだ。
そうではなく、心では夫を思い、暴漢である百瀬を激しく憎みながらも、肉体はとろけて
いる。
そういう女でなければならないのだ。
今、男の目の前で恥ずかしげに身悶えている人妻は、まさにそれだった。
百瀬は前に回り、響子の小さな顎を掴んで、その顔を覗き込んだ。

「……」

人妻は、キッと気の強そうな美貌で睨んだが、それも一瞬で、すぐに羞恥に染めた頬を横
に向けた。
百瀬はいやらしい笑みを浮かべ、響子の豊満な乳房を揉みながら聞いた。

「どうだ奥さん。もうあんたの身体はいつでもOKみたいじゃねえか」
「……」
「さあ、その色っぽい唇で言ってみろ。『俺が欲しい』とな」
「……」
「言え。おチンチン入れてってな」
「やめて!!」

響子は百瀬の手を振りきるように、強く首を振りたくった。

「どうしてそんないやらしいことばかり……。こんな風に女の自由を奪わなければ何も出来
ないの!? す、するならさっさとすればいいわ!」

百瀬は苦笑した。
これは恐れ入った。
いぶきから「気丈だ」とは聞かされていたが、ここまでとは思わなかった。
絶体絶命、最悪の事態だというのに、この女の態度は何だろう。
「しないで」と懇願するでもなく、媚びを売るわけでもない。
といって、開き直っているのでもないのだろう。

ただの人妻がこう出てくるとは思いもしなかった。
だが、彼にはまだ余裕がある。
所詮、素人の女だ。
しかも、もうその肉体は性の官能で燻っている。
どうにでもなる。

百瀬はまた後ろに回り、響子の蜜でぬるぬるになった指をその尻で拭った。
そしておもむろにくびれた腰を掴むと、ペニスの先端を媚肉にあてがった。

「いっ、いやっ……!!」
「いや? なんだ、今さら。するならしろって、さっき言ったじゃねえか」
「……」
「望み通りにやってやらあ」
「だっ……だめっ、いやあっっっ!!」

観念したはずの響子だったが、やはり実際に犯されるとなると平静ではいられなかった。
さっき見せつけられたあの太いものが頭をよぎる。
あんなもので犯されたらと思うと、人妻の心が震えた。
ヤクザの方は、響子の動揺など委細構わず、肉棒の先で媚肉を割っていく。

「あっ……あああっ!?」

膣に潜り込む熱い感触に、響子は目を見開いた。
ぬぷぬぷと音を立て、女肉を割り込んでグッと中に入ってくるペニスの硬さを大きさが、
確実に響子へ伝わってくる。

「いっっ、やああ……い、入れないで……入れちゃやあああ……」
「なんだなんだ、大げさに騒ぐない。奥さんだって、旦那に隠れて浮気の一度や二度はした
ことあんだろがよ」
「ばっ、ばかなこと言わないで! そっ!んなこと、あっ、あるわけが、ああ……」
「ほう、そうかい」

百瀬はニヤッとした。
いぶきの話からも、また実際に本人と話してみても、この女は夫以外の男と経験はないこと
はわかっていた。
だが、それを響子自身の口から言わせることに意味があるのだ。
人妻としての羞恥心を呼び起こすためである。
百瀬が嬉しそうに言った。

「それは光栄だな。すると俺は、奥さんが旦那以外と初めてやる相手になるわけだ」
「いやっ、いやよっ!」
「へへへ、奥さんにとって俺は何人目の男になるんだ? ええと、死んだ前の旦那に今の
亭主。そうか、俺はその次か、三人目ってわけだな」
「いやっ、言わないで!」
「ふふん、何を気取ってやがる。そのうち数え切れねえほどの男に抱かれるようにしてやる
からな」

ヤクザは腰を送りながら、そう言った。
百瀬が腰を使うごとに、背中の鬼の刺青が揺れる。

「んんっ……んううっ……はあっ……はうう……」

ぶくりと膨れた亀頭部も、濡れて柔らかくなった膣はあっさりと飲み込んでいった。
百瀬はゆっくりと腰を送り、長大な肉棒部分も響子の媚肉に埋めていく。
響子は忘我となりつつある。

(んあああ……は、入って……くる……すごいのが……ああ……あ、あなたあ……裕作さん
……お、おおきい……)

充分に潤っているのに、響子の膣は軋んで音を立てそうだ。
それほどに男のものはたくましかった。
つい響子は声を洩らした。

「あ、ああ……深い……も、もう、これ以上……い、入れない、で……き、きつくて、もう
……」
「おいおい、そりゃないだろう。まだ半分も入ってないぜ」
「そんな……」

響子は目が眩んだ。
こんな深くまで押し込まれたことは今まで一度もない。
惣一郎や裕作に抱かれた時でも、そこまで入り込んできたペニスはなかったのだ。
お腹がいっぱいになっている。
もう入りそうにない。
なのに百瀬は、なおも腰を進めてきた。

「あ……ああ……」

息が詰まりそうな圧迫感とともに、響子は意識が薄れるほどの快感を得ていた。
野太いものが響子の狭い膣道を占拠し、少しずつ少しずつ奥へ入っていく。
カリの部分で膣襞を削り取られるように押し広げられる感覚に圧倒されている。
最前に見せられたペニスの大きさが頭をよぎる。
あんな巨大なものが入っていると思うだけで、頭が虚ろになる。
苦痛のせいか、それとも快楽を我慢しているせいなのか、美貌の人妻は全身にうっすらと
汗を滲ませていた。

ぬうっとペニスが奥へ入る。
響子は、未開発地帯にまで入り込まれ、全身を痙攣させて呻いた。
怖かった。
快楽もあるが、それよりも、どこまで入ってくるのかという恐怖の方が強い。

「んっ! んはあっっ!」

強い痛みと衝撃が響子を襲った。
とうとう最奥まで届かされたのだ。
百瀬のペニスは響子の子宮にぶち当たっていた。

「ああ、あああっっ!」

それでも、なお百瀬は腰を押し込んでくる。
子宮はペニスに押し上げられて、上で動き始めてすらいた。
響子は目を白黒させながら悲鳴を上げ、呻いた。

「あはあっ! ……も、もういや……こ、これ以上、入らないっ……やめ、やめてくださ
いっ……!」
「そんなことねえだろう。ほれ」
「いっ、痛いっ……ほ、本当にもう……ああ……」

百瀬はぐいっと押しこくったが、確かにもう先へ進めない。
底なのだろう。
男は不満げに、響子と繋がっている部分を見た。
まだ彼のペニスは5センチくらい余っている。
またしてもダメだった。
性器が大き過ぎるというのも考え物で、百瀬の場合も、今までセックスした女で、完全に
彼のペニスを飲み込めた膣というのはほとんどなかったのだ。
この女もダメだったかと思うと、少し失望した。
だが、まあいい。
全部入るところもあるのだ。
そっちを愉しめばいい。

百瀬は、沈め込んだペニスを、律動はせずに小さく腰を揺さぶって動かした。
大きなものを響子に馴染ませ、憶えさせるためだ。
そのたびに、これも小さく蠢く乳房に扇情されつつも、百瀬は落ち着いて響子を責めていく。
少しずつ抜き差しする頃になると、響子の口からも熱い喘ぎが漏れ出てくるようになって
いた。

「あっ……ひっ……ああ、あっ……くうっ……ん、んむううっ……」

長くて太いものを無理矢理くわえこまされた膣は、分泌された蜜にまみれ、みちみちと淫ら
な音を響かせていた。
まるで媚肉が悲鳴を上げているかのようだった。
腰を回し、円を描くようにペニスを回転させると、響子は喉を絞って喘ぎだした。

「くぅああっ……だ、だめえっ……ひっ……ああっ……あ、あうっ……」

人妻の膣が緩んでくる。
慣れてきたのだろう。
緩んではいるが、締め付けが弱くなっていたわけではない。
ペニスは行動しやすくはなっているが、絞るような収縮は相変わらずだった。

百瀬がコンコンと奥までつつき、響子にさらなる声を絞り出させる。
子宮を突き上げると、膣の底で、ぶじゅっ、ぶじゅっと愛液がしぶくように百瀬の肉棒に
引っかかる。
響子の漏らす熱い液と膣の締め付けの快さで、さずがのヤクザも落ち着きを失ってくる。

「ああ、お腹っ……お腹に当たってるぅっ……や、いや……あうう……ふ、深いぃぃ……」

お腹に当たってるというのは、子宮に当たっているという意味だろう。
響子は、初めての子宮突き上げに悶え喘いでいた。
痛みはあるが、それ以上にこみ上げてくる信じられないほどの喜悦。
男のペニスのたくましさをイヤと言うほどに感じさせられる。
必死に思い浮かべている裕作の顔が消えかかる。

百瀬の動きが激しくなっていく。
響子をいかせるというよりも、、自分が射精したくなったのだ。
ズンズンと奥を突かれ、襞を抉られ続けると、響子は一気に到達する。

「だめっ……だめえっ……あ、あ、ああっ……くうっ、ああああっっ!!」

その瞬間、ギクンギクンと響子の裸身は二度ほど大きく痙攣した。
気をやったらしい。
膣の内壁が百瀬の肉棒をきゅうっと締め上げる。
精を絞ろうという動きだが、男は必死にその快楽に耐えた。

「随分と激しく気をやるもんだな、奥さん」
「ああ……」
「旦那とやる時もこんなに派手にいくのかい? 大声でよがって、アパートの住人にも聞か
れそうだな」
「……」
「それとも俺に抱かれたから、そんなによがったのか?」
「違う……違いますっ。ああっ」

否定した途端、響子はまた肉悦の続きを味わわされた。
ペニスは抜かれず、挿入されたままだったのだ。
今度は最初から激しい挿入が始まり、犯される人妻は狼狽えたように悶えた。

「んああっ、は、激しっ……あ、ああっ……んう、んぐうっっ……」

激しい突き込みに呼応したのか、響子の腰も動いてきた。
ぐうっと奥に押し込まれると、くぐもったような呻き声を発し、引き抜かれて襞が擦られる
と、つんざくような喘ぎ声が出た。
その動きに合わせ、響子の腰も百瀬についていっている。
愛液は際限なくだらだらと滴り、黒いストッキングは白い粘液でベトベトになっていた。
ズンと突かれ、その度にぶるんと震える大きな乳房も、百瀬の手でこねくられている。
百瀬が、響子の白い背中に覆い被さり、纏わりついているその姿は、背中の刺青も相まっ
て、まるで鬼が美しい天女を無惨に犯しているかのように見えた。
たぷたぷと乳を揉まれ、首筋を強く吸われると、響子は我慢しきれないように呻いた。

「あっ、ああっ……あああああ……」

響子の膣内が急に狭くなってきた感じがする。
締めつけがきつくなっているのだ。
抜き差しされる肉棒にしがみつくような膣襞の動きが、百瀬を浮き立たせる。

「ああ、ああっ……あ、もう……もっ……」
「どうした、またいくのか?」
「ち、違……ああっ……」

虚しい否定の言葉が口の中で摩滅した。
指摘されるまでもなく、響子は二度目の絶頂に向かって駆け上がっていた。

(だめ……ホントにだめっ……ああ、も、もう……また来る……ああ、来てしまう……)

夫に抱かれている時だって、毎回オルガスムスに到達するわけではないのに、どうして初め
ての男に、それも強姦されているのに、二度までもいかされるのか。
響子にはわけがわからなかった。
百瀬のペニスに溺れ、爛れた膣口は、巨大なものが激しく出入りしても痛みすら感じなくな
っていた。
それどころか積極的に絡みつき、収縮してくる。
恥ずかしげもなく喘ぎ始めた響子の腰をがっちり掴むと、百瀬は出来るだけ深くまで突き込
み、子宮口を抉ってやった。

「んんっ! んぐうっ! あ、ああ、そんな深すぎ、ああああっ……」

たちまち響子は追い上げられる。
百瀬は深くまで挿入したまま、先っぽでグリグリと子宮口を責め、なぞった。
その圧迫感と、ぶるぶる痙攣している子宮の刺激で、百瀬のペニスも、亀頭から先走り汁
を滲み出させてきた。
響子も、その美貌を激しい性の喜悦で歪ませ、子宮を虐められる愉悦に狂っていた。
一層深まった突き込みに響子は耐え切れず、大きく喘ぎ、末期の言葉を口にする。

「あっ、あっ、あっ、もっ、もうっ……もうっ……」
「いくのか? いく時はちゃんとそう言えよ。それがマナーってもんだ」
「いやあっ……あ、あ、き、来ちゃう……来てしまう……ま、また、ああっ……」

とろけきった媚声に、響子の絶頂が近いことを知った百瀬は、己の射精も合わせようと、
激しく強い律動を開始した。
絡みつく肉襞をずるずると引き出すように抜き、それを巻き込むように奥まで入れていく。
出し入れするごとに蜜がしぶき、響子の腿も百瀬の腰もぬとぬとになっていた。

「よし、出すぜ!」
「いや、いやあっ……だめっ、中はあっ……!」
「知るかよ、ほれ」

嫌がりながらも腰を振り続ける響子を押さえ込み、百瀬はその最奥を串刺しにした。

「んっはああああっっっ……!!」
「くっ」

どびゅるるっ。
どびゅうっ。
どぴゅっ。
びゅるんっ。
びゅくっ。
びゅく、びゅくっ。

「あはあっっっ!」

濃くて粘っこい、熱い汁が子宮に振りかけられ、響子は全身をぶるるっと震わせて激しく
いった。
爛れていただろう子宮口に亀頭を押しつけ、百瀬は存分に射精した。
どくっ、どくっと間歇的に射精が繰り返されると、響子はそのたびにぶるっ、ぶるっと腰
を震わせて喘いだ。
男のエキスが膣深くに注がれる悦楽と、夫以外の精液を浴びてしまった背徳と屈辱が、
響子の裸身を赤く染めていた。




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