五十嵐はようやく響子から離れると胡座をかいた。
見ると百瀬はガラス製の浣腸器を持っている。
五十嵐が響子を犯すのに夢中になっている間に用意したのだろう。
手桶の中には白い半透明の液体がたっぷり溜まっていた。
それを見た五十嵐が淫猥な笑みを浮かべた。

「おおっ、浣腸ですか」
「おおよ。尻の穴も使えるようにせんとな」

若い弟分は響子の脚を掴み、無造作にゴロンと裏返した。ぷりぷりとした見事な臀部が盛り
上がっている。
これも泡まみれになっており、ところどころソープがこびりついているのが、何とも卑猥に
見える。

響子は無抵抗だった。
犯され、またも中出しされたショックよりも、激しい快楽のために自失しているのだろう。
少し脚を拡げた響子の背面も、また扇情的だった。
豊かに盛り上がった臀部を突き出し、そこを覗き込むと、膣だけでなくアヌスもしっかり
見ることが出来た。
百瀬はその尻を撫でながらつぶやいた。

「こんなすげえ尻を見せつけられたら、責めないわけにはいかねえや」
「……」

五十嵐は無言でうなずいた。
改悪の余韻でひくひくと臀部を痙攣させている人妻の妖しさに、生唾を飲むばかりだ。
さっき出したばかりのはずの性器に、また芯が入ってくる。

「……」

響子は、ぼんやりした目で後ろを見た。
百瀬が何やら妙な道具を手にしている。

「お、奥さん、気がついたかい。今度は浣腸してやるからな」
「浣腸……」

まだ何のことだかわかっていなかった響子は、肛門に感じた痛みにギクンとした。

「な、何を……」
「だから浣腸だよ。したことねえか?」
「か、浣腸って……」

あれは確か春香を産んだ時だったか。
産婦人科の病院で一度だけされたことがある。
恥ずかしくてたまらなかったが、してくれたのは看護婦だったし、量も100ccかそこら
だったはずだ。
なのに、今は男の百瀬によってされており、しかも量は恐ろしいほどにある。

「や、やめて、そんな……そんなことして、あっ、ど、どうしようと言うんですか……」
「どうするって言われてもな。浣腸されりゃどうなるか、奥さんだって知ってんだろ」
「そんな……」

直前のオルガスムスの昂奮が一気に醒めた。
ピンクに上気していた顔がいきなり青ざめていく。
まさか、この男たちは……。

「浣腸されりゃウンチするしかねえだろ。奥さんがウンチするところをじっくり見てやろう
ってことさ」
「ひっ……いやあああっ……」

それを聞いた途端、響子は暴れ出した。
百瀬が慌てて嘴管を肛門から抜く。

「バカ野郎!」
「あっ……」

響子は百瀬に頬を張られた。
そして長い髪を掴まれて顔を上げさせられる。
百瀬が顔を近づけて凄んだ。

「バカなマネすんじゃねえ。奥さんの尻の中で浣腸器の先が折れたらどうすんだ」
「いや……か、浣腸なんていやです……」
「いやじゃねえ!」

バシッと、また頬を張った。
響子は「ああっ」と、力なく呻いた。

「奥さんはな、もう俺たちのもんなんだよ。俺たちがやることは何でも受け入れるんだ」
「いやっ、いやですっ」
「いい加減にしな。そんなにイヤなら、ギャラリーを呼んでもいいんだぜ」
「ギャラリーって……」

肢体を細かく震えさせて響子が聞いた。

「風呂屋の親爺をここへ呼んでやろうか? 美人妻・響子の浣腸ショーにレイプショーだ。
それでもいいのか?」
「……」
「いやならおとなしくされるんだ。いいか、親爺にそんな恥ずかしいところを見られてみろ。
奥さんはこの町にいられなくなるぜ」

それを聞いて、響子はもう何も出来なくなった。
どうあっても、このけだものたちに弄ばされ、いやというほど恥ずかしい姿を晒さねばならな
いのだ。

わなわなと震えながらも力を抜き、抵抗をやめた。
それでも念のため、五十嵐が響子の腰や腿を押さえ込む。
口では従っても、いざされたら逃げるかも知れない。
実際、観念したかに見えた響子だが、膣からの蜜で熱く濡れていた肛門に、冷たいガラスの
浣腸器が突き刺されると、「ひぃっ」と呻いて、その身を強張らせた。

「動くな、奥さん」

そう言って五十嵐が押さえ込む。
響子も動くまいとしているのだが、アヌスに異物を入れられる違和感には耐えられず、どう
しても身悶えてしまう。

「いや……浣腸は許してください……ああ……」

響子は不安げな顔で百瀬を振り返った。
いやでいやでたまらない。
括約筋を絞めると、いやでも浣腸器が入っていることを実感させられる。
といって力を抜いたら、すぐにでも注入してきそうな気がした。
だが、尻の穴を締めたところでどうなるものではない。
百瀬は慎重にシリンダーを押してきた。

「ひぃあっ……やあっ……は、入って……くるっ……い、入れないでっ……」

注入の瞬間、響子はグウンと大きく背中を仰け反らせて呻いた。
じゅるるっと薬液が入っていくと、面白いようにビクビクッと響子の腰や腿が震え出す。

「どうだ響子、浣腸の味は」
「やああ……お、お願いっ……やめてぇ……ああ……」
「これがやめられるかよ、それそれ」

百瀬の声もいつの間にか上擦っている。
浣腸される響子の姿態が、あまりに妖美だったからだ。
その尻たぶが立派だったから、さぞかし浣腸が似合うだろうとは思っていたが、ここまでだ
とは思わなかった。

しかも反応が良い。
いやなのに我慢しなければならないという屈辱に耐えている人妻の美しさである。
多分この女はアヌスが感じるはずだ。
それはこの前、一刻館で犯した時にわかったことである。
ほとんど初めて肛門を責められたはずなのに、充分に感じていたのだ。
浣腸での責め甲斐もあるというものだ。

「あ……あ……も、もう入れない……で……ううっ……ぐうっ……」
「ほれ、よく味わうんだぜ」
「い、いや……ど、どうしてこんなことするの……ああ……」
「準備だよ、決まってるだろ」
「準備……って……」
「この前、言ったろ。奥さんのこの尻を犯すためよ」
「お尻……を……」
「奥さんの尻の穴にチンポ突っ込んでやるってことだよ」
「な……なんですって……ひっ……」

浣腸して腸内を綺麗にしておくこと。
そしてアナル自体を柔らかくほぐしておくためである。
そしてもうひとつ、響子にこれ以上ない生き恥をかかせるためだ。
激しい羞恥を感じることで、性的な官能を得てしまうマゾの要素を持つこの人妻は、恐らく
浣腸責めでも強い快感を感じることが出来るはずだ。

「や、やめて……むむう……」

響子の美尻がぶるぶると痙攣し、背中から汗が伝ってくる。
そろそろ便意を感じてきているのかも知れない。

「入れ、ないで……はあ……んんっ……」

入ってくる液体を堪えて真っ赤になっていた顔色が白くなってきていく。
苦悶の表情は変わらないが、浣腸液を入れられる圧迫感から便意に苦痛が移ってきたのだ。
浣腸は、この表情の変化がたまらない。
百瀬はこみ上げる昂奮を抑えながら、ゆっくりと注入していく。
300ccほど注入したあたりから、人妻の声が明らかに変わってきた。
切迫した声で呻き出す。

「ううっ……ああっ……だ、だめ……もう、だめ……」
「何がだめなんだ、奥さん」
「お、お願いっ……」

響子が、唇をわななかせて悲痛な声でせがんだ。

「もっ、あっ、い、入れないでっ……ああ、これ以上はもう……」
「まだ300しか入ってないぞ。あと200cc我慢するんだよ」
「そんな……もう入らない……あっ……も、我慢、出来ません……」
「ほう、何が我慢できないんだ?」
「……」

響子は悔しそうな、恥ずかしそうな顔を伏せた。女の口から言えることではないのだ。

「まあいい。そんなに苦しけりゃ、さっさと入れてやるか」
「あ……ああっ」

今度は急にピストンを強く押してきた。
浣腸器に入った薬液が渦巻くようにして、一気に響子の直腸へ送り込まれていく。
響子はグウッと背を反らせ、その衝撃に耐えた。
もじもじしている腿や捩り悶えている腰を抑えている五十嵐も、響子の痴態を目にして、早く
もペニスを勃起させている。

「もっ、もう入りませんっ……入んないっ……ひぃっ……」
「おおげさに騒ぐんじゃねえ。こりゃただの石鹸水だ。まだ加減してやってるんだよ。今度
からはちゃんとグリセリンを入れてやるからな」

そんな百瀬の脅しも聞こえず、響子は裸身をよじり、汗を飛び散らせる。
臀部がぶるぶると痙攣し続けて止まらない。
浣腸器を突っ込まれているアヌスは、早くも内側から盛り上がり、響子の便意を強調していた。

「く、苦し……もう、だめ……ううむ……」

もう男たちの耳にも、はっきりと響子の腸から聞こえる音が届いていた。
そろそろだと思った百瀬は、そこでシリンダーを押し切った。

「ひぅっ……!」

まるで気をやったかのような声を上げ、響子は仰け反った。
そしてガックリとうつぶせになり、呼吸を荒くしている。五十嵐が、響子のまろい尻をぴしゃ
ぴしゃ叩きながら言った。
泡は、噴き出た汗で、もうすっかり落とされている。

「なんだかんだ言って、全部飲んじまったじゃねえか、奥さん。好きなんだな」
「はああ……はあ……んっ……ううっ、苦しい……ああ……」
「もう出すのかよ。少しは我慢しろい、子持ちだろ?」
「そう虐めるな、五十嵐」

百瀬はそう言って、響子のぬるぬるした尻たぶをグッと割り開いた。
アヌスがひくひく震えている。
出したくてしかたないのだろう。

「さ、奥さん、したきゃしてもいいぜ。俺が桶で受けてやる」
「そ、そんな……いやです……んんっ……あ、おトイレに……ああっ……」
「だめだ、ここでしろ」
「そんなこと……死んだって出来ません……あ……」

もちろん夫にだって見せたことのない姿である。
他人に見せるこものではなく、個人の秘められた行為であるはずの排泄。
それをこの男どもは見ようとしているのだ。
そんな恥ずかしいことは決してしてはならないと思うのだが、そんな決意も生理には及ばない。
我慢するとか、堪えるとか、そういうものではないのだ。

ふたりの男が見つめている中で、人妻のアヌスが収縮し始めた。
ほぼ同時に、響子からついに屈服の言葉が出た。

「ああ、だめ……が、我慢、でき、ま、せん……んんん……」
「だから?」

あくまで百瀬たちは響子に言わせるつもりらしい。
響子は屈辱を堪えながら言った。

「さ、させて……ください……」
「……」
「ああ、もう出そうなんですっ……あ、あ、したい……何でも……ああ、何でもしますから、
早く……」
「何でもするのか?」
「し、しますから、早くぅ……」

響子の臀部の痙攣が大きくなってきている。
肛門が内側から膨れ、爆発寸前で、今にも噴き出しそうになったところで慌てたように窄まっ
ていく。
その間隔がどんどん短くなってきていた。
百瀬は軽くうなずいた。

「よし、いいだろう。ほれ、さっさとしな」
「こ、ここでは、いや……」
「我が侭言うなら、させねえぞ。垂れ流せ」
「いや……」
「じゃあしろ、この桶にな」
「くっ……」

最後の気力を振り絞って、響子は耐えた。
奥歯が砕けそうなほどに噛みしめたが、すぐに破局はやってきた。

「ああ……ああ、もうホントにだめです……あっ……で、出る……ああ出てしまう、出る……」
「……」
「み、見ないで……見ないでっ……あっ、ああっ、で、出る!」

────────

「……」

風呂屋の主人は、湯船の脇にある従業員用の出入り口から覗いていた。
さっきまでは脱衣所からサッシを僅かに開けて、そこから見ていた。
よく見えるところを求め、移動しながら響子の痴態を観察していたのだ。

親爺は息を飲んで見つめていた。
本当に、あの美人奥さんの響子が、ヤクザ風情の男に抱かれて悶えている。
喘いでよがっていた。
犯されていた時、確かに「いく」と叫んでいた。
親爺ははっきりと聞いている。

確かに、暴力的に凌辱されているようには見えなかった。
積極的でこそないが、響子の方も受け入れているように見えるのだ。
その上、浣腸などという変態プレイまで晒している。
あのヤクザが「裏ビデオ顔負けのプレイを見せる」とか言っていたが本当だった。

最初は、こんな覗きをすることに罪悪感を感じていた。
銭湯主人としての矜持もあるが、あの優しげでおしとやかそうな奥さんを覗くなんてことは
申し訳なくて出来ないと思っていた。
だが、実際見てみるとどうだ。
響子はヤクザのペニスを受け入れて、よがり声を上げていた。
様々な痴態を演じて見せていた。

なんのことはない、響子など、その程度の女だったのだ。
そう考えると、途端に響子に対する親しみや、その美しさへの神秘性が消え失せた。
そうなら見てやれ。
猫の皮をかぶったあの美人が、どんな淫らな行為をするのか確認するのだ。

親爺の股間は勃起していた。
ズボンが窮屈になったので、チャックを開けて出した。
そしていつの間にか自慰までしていた。
自慰などするのは10年ぶりである。
恥ずかしい浣腸プレイで苦悶している響子をドアの隙間から覗き見ながら、風呂屋の親爺は
自分の性器をしごいていた。

────────

「だっ……め……もっ、もういやあ……ああ、ううんっ……い、入れないでっ……ひっ……」

うつぶせでもがく上品そうな美人妻の腰を若いヤクザが上から押さえ込んでいる。
その尻たぶの間には、またしても浣腸器が突き立っていた。

響子は連続で三度目の浣腸の洗礼を受けている。
最初と二度目は、百瀬が浣腸を愉しんでいたため、ちびちび入れたり、いきなりズズッと入れ
たりしていたが、今度は一気に注入していた。
かれこれ、もう二時間も責めている。
いかに脅したとはいえ、夕方までここを占拠しているわけにもいくまいと思ったのだ。
あっというまに500cc注ぎ込んで、嘴管を抜く。

「ああっ」

浣腸器が抜けた途端、響子は悲鳴を上げてアヌスを引き締めた。
出そうになったのだ。
何度も浣腸され、排泄させられ、もうすっかり括約筋が緩んで我慢が利かなくなっている。

「ああっ、く、苦しいっ……あ、で、出てしまう……出ちゃいますっ……」
「焦んなよ、奥さん。もっと浣腸の快感を味わえや」
「いやっ……どうしてこんなひどいことばかり……」
「言ったろう。奥さんには、縄も浣腸も好きになってもらわにゃならんのさ」
「そ、そんな……いやです……」
「それだけじゃねえぞ。アナルセックスでも悦ぶ淫乱女にしてやるからな」
「い、いや……」

恐ろしい言葉に響子は青ざめたが、それ以上に、腸内で暴れ回る浣腸液の刺激で、顔から血
が引いていた。

「あ、あ、あ……」
「もう出るのかい、奥さん。なら、じっくり見せてもらうかな」
「やっ、見ないで! ……あっ、お願いぃ……お、おトイレ……」
「今さら何だ。さっき俺の構えた桶の中にあんなに……」
「言わないで!」

羞恥と恥辱にまみれ、首を振りたくったが、その動きすら便意を押し上げていく。
響子の背中や臀部からは、もうほとんどソープが落ちている。
浣腸のたび、便意を我慢するたび、そして排泄のたびに滲み出る脂汗で、すっかり流され
ていた。

「ああ、もうだめっ……で、出るっ……は、早く桶を当ててっ!」

切羽詰まった響子の悲鳴を聞いて、慌てて百瀬が桶をあてがった。
それを確かめる間もなく、響子は苦痛の塊を吐き出した。

「ああっ……あ……ああ、見ないで……は、恥ずかしい……いやあ……」

恥辱に打ち震え、排泄を何とか押しとどめようとするものの、そんなことは出来るはずも
なかった。赤く爛れきったアヌスから浣腸液がしぶき出る。
その色は、幾分、褐色がかっていたものの、匂いもなく、ほとんど石鹸水のままだった。
もう喚くだけの元気もなく、響子はすすり泣きながらようやく排泄を終えた。

「ああ、またこんな……恥ずかしいところを見られた……。あ、あなた……私……もう、
だめ……」
「ああ、そうだ。あんたはもう旦那のものじゃねえ、俺のもんだ。わかったな」
「……」

響子は答えられない。
そんなことはない、自分は主人のものだと思っている。
しかし、その夫にも見せたことのない恥ずかしいことを何度も見られ、夫にさえしたことの
ないことまでさせられている。
それでも、肉体は奪われようとも心だけは裕作に、と、響子は決意を固めた。

百瀬は響子の肛門に指を入れていた。
人妻はガックリとしており、特に抵抗はない。
爛れて、痛感や神経がおかしくなっているのかも知れない。
太い百瀬の指でも、ぬるっと一本くらいは難なく飲み込んでいた。
腸内は熱でもあるかのように熱かった。
そこで人差し指と中指を絡ませるようにして、それをアヌスに押し込んでみた。

「んう……」

さすがにきつかったのか、響子はビクンと反応した。
しかしそれだけだ。
尻の穴を拡げ、直腸内で蠢いている男の指にさほど関心を払わなかった。
ここまで汚されれば、もうどうでもいいと思っているのか、抗ってもどうせされるのだと
思っているのか。
いずれにせよ、肛門を責められてもさほど苦痛を感じなくなっているようだ。

「んっ……や……あ……」

百瀬の二本の指が動き回り、腸内を抉っている。
敏感な箇所に触れると、その時だけ響子は反応した。
思った通り、良い感触だ。
腸内の襞が指に絡んでくると、そこで百瀬は指を抜いた。

「あう……」

男が、ジャンケンのチョキの形で指を抜いたため、大きくアヌスを拡げられる痛みで響子は
呻いた。
見ると、だらしなく広がったアヌスは徐々に閉じてきている。
柔軟性があるのに締まりもいいらしい。
時折、喘ぐようにヒクヒクしているのが淫靡だった。

汗をかぶって濡れている尻たぶを両手で掴むと、ぐいっと大きく左右に開いた。
肛門がますますはっきり見える。
浣腸と百瀬の指責めでほころびており、腸襞が少し覗けるほどだ。
百瀬は、ボディソープを手に取って泡立てると、それを響子のアヌスに塗りたくった。
くすぐったいのか、響子は少しむずかるよう腰を捻ったものの、されるがままになっていた。

「どうしたい奥さん。もう尻の穴をいじられるのは慣れたかい。それとも気持ちよくなって
きたのか?」
「……」

また恥ずかしいことを聞いてきた。
いちいち響子に答えさせ、羞恥を煽るつもりなのだろう。
響子は口をつぐんで無視していた。
早くこの性地獄から解放されることだけを考えた。

一方の百瀬の方はやる気満々だった。
肛虐に喘ぎ悶える美しい人妻を目の当たりにし、すっかり肉茎は屹立している。
肛門だけでなく、指を突っ込んで腸の中までソープの泡を塗りたくると、百瀬はペニスを掴
んで、響子のアヌスにあてがった。
いよいよ響子の肛門を犯すのだ。

「あ……え……?」

肛門に感じた熱い感触に、響子は首を回して百瀬を見た。
五十嵐に尻たぶを開かせ、その中心の窄まりに肉棒を押し込んでいく。

「な、なにを……あっ、痛いっ……」
「何度も言ってるだろ。美人の五代響子奥様の尻の穴を犯すのさ」
「そんな……いや! いやよぉっ!」

響子は狼狽えた。
そして恐怖した。
まさか本当にそこを犯してくるとは思わなかったのだ。
脅しだと思っていた。
だが、自分だけでなく他の男にまで響子を犯させ、浣腸責めなどという変態行為まで平然と
やってのけた百瀬だ。
肛門を犯すというのも単なる脅しではなかったのだろう。

響子がそう気づいた時は、もう遅かった。
百瀬のペニスは、響子の尻たぶを割り、その奥へと侵入していく。
度重なる肛門責めに爛れ、とろかされていたアヌスは、周辺と内部にまで塗りたくられた
ソープの泡の滑りにも助けられ、その狭い穴に対して明らかに太すぎる肉棒を飲み込んで
いった。
響子のアヌスは、百瀬自身も驚くほどすんなりと男のペニスを受け入れていた。

「うっ、ああああ……い……や……は、入って……くるっ……や、やああ……」
「いやってことはないだろうが。ほれ、もう根元まで入っちまうぞ」
「そ、そんな……いや……」

さすがに百瀬も顔を赤くして腰を送っていた。
やはり少しきついのだ。
それでも響子のそこは、裂けることも出血することもなく、スムーズに肉棒をくわえ込んで
いる。
そしてとうとう根元まで押し込んだ。
百瀬の腰が、響子のぷりぷりしたヒップに接触したのだ。
感無量だった。
大きすぎるペニスを持った不運で、響子の膣では根元まで押し込めなかった。
響子の最奥まで犯してはいたのだが、百瀬はその実感がなかったのだ。
こうして肉棒を全部埋め込んでやると、本当にこの女の最深部まで犯した気になれた。

「ああ……」

臀部にペタンと百瀬の腰が密着すると、響子は力なく呻いてすすり泣いた。
とうとう犯されてしまった。
夫にすら許したことのないアヌスを貫かれてしまったのだ。

それとは裏腹に、響子の肛門は受け入れた百瀬のペニスを締めつけている。
その心地よい締め付けを味わいながら、百瀬は腰を使い始めた。
途端に響子の口から悲鳴が迸る。

「ひっ……うっ、動かないで! お、お願い、このまま……」

響子はぷるぷる細かく震えながら呻いた。
肛門が引き裂かれそうだ。
くわえ込むだけでも精一杯なのに、抜き差しまでされたらアヌスがめくれあがってしまう。

「動かないわけにいくか。動くためにやってるんだからな」

百瀬はそう嘯くと、響子の大きい腰骨のあたりを掴んで、腸管深くまで打ち込んでいく。
速度はゆっくりだったが、動きは大きくグラインドさせる。
ペタン、ペタンと男の腰が響子の尻を潰している音が淫らに響いた。

「んん……んっ……はっ……う……んむ……むむっ……」

腰が打ち込まれ、肉棒が腸内深くまで突き込まれてくるごとに、響子は呻いていた。
青ざめていた美貌に朱が入ってくる。
両手は、何かを堪えているかのように握りしめられ、また拡げることを繰り返していた。
響子は感じていたのだ。
ともすれば洩れそうになる喘ぎを噛み殺し、呻き声に変換させるだけで精一杯だった。

そのことに気づかぬ百瀬ではない。
ズンと奥深くまでペニスをねじ込み、そのまま響子の背中に覆い被さった。
そして、肛門性交され、感じまいと堪え忍んでいる人妻の耳元でささやく。

「奥さん、アナルセックスもいいもんだろうが」
「そんなこと、ないわ……ああ……」
「ウソをつけ、もう感じてやがるくせによ」
「か、感じてなんか、いません……は、早く終わって……さっさと済ませてください……」
「へへ、奥さんお得意の「やめて」とか「しないで」とか言わないんだな。前は俺に入れら
れると「抜いてっ」なんて叫んでやがったのによ」
「……」
「早く済ませてってことは、俺が射精するまではつき合うってことだよな」
「ち、違います……あうう……」

響子が早くもとろけ始めたことに気を良くした百瀬は、深くまでねじ込んだままぐいぐいと
腰を回転させた。
女のアヌスは、百瀬のペニスの動きに合わせて広がっていく。

「やあああっ、お尻、広がってしまいますっ……」

泣き叫びながらも、人妻の肛門は男の肉棒に慕い寄っていた。
自在に動き回るペニスを押さえ込むかのように、響子のアヌスは収縮していたのだ。

すっかり響子のアヌスが大きなペニスに馴染んだと見るや、百瀬は動きを大きく速くしていく。
激しくペニスを打ち込んでいった。
根元まで沈め込むと、肛門まで巻き込んで腸内にねじ込まれていく。
そして引き抜かれると腸の内壁までずるずると引き出されてくる感じがした。
さらにそのめくれ上がった腸壁を押し戻すように埋め込んでいく。

「ああっ、あううっ……きっ、ついっ……ああっ……だ、だめですっ、あ、大きい……大き
すぎて、きついぃ……」
「その大きいので犯されるのが好きなんだろうが、奥さんは。オマンコ犯される時だって、
大きいのがいいんだよな」
「違う……違うわ……わ、私は主人が……あううう……」
「なにが主人だ。ご主人様はこの俺だと何回言えばわかるんだ。旦那にもやられたことのない
尻の穴を犯されてよがってやがるくせに」
「そんなこと、ないっ……ああっ、お尻がぁっ……」

響子が高ぶっているのはペニスでもわかった。
腸内を犯す肉棒が、その内部の熱さを訴えていたのだ。
熱いだけでなく、腸壁がまるで膣襞のようにペニスに絡みついてくる有り様だ。

どう言い繕っても「感じていない」という言葉は虚しく聞こえた。
ぬっ、ぬっと太い肉棒が出入りするごとに、じゅぶじゅぶと肛門内から粘液が掻き出されて
くる。
もちろん内部にも塗られたソープがほとんどだろうが、腸液が滲み始めていたのも事実だろう。

「んっ……んんうっ……はああっ……あっ、あうう……」
「ふふ、気持ちよさそうな声出しやがって。もうアナルセックスが好きになったのか」
「ちっ、違い、ああっ、違いますっ……いやらしいこと言わないでっ……」

響子とて、最初は苦痛を感じていたに違いない。
小さな穴を長大なもので犯される痛みと、不浄の場所を汚されているという精神的な苦悶。
それが百瀬のペニスとテクニック、そして言葉による羞恥責めによって、妖しい愉悦に移り
変わっていった。

己の肉体の変化に戸惑ったものの、次々にアヌスから送り込まれる快感が、噛みしめた唇から
呻きとも喘ぎともとれる濃厚な女の声を導き出していた。
たくましいペニスによって肛門を拡げられ、腸内をこねくり回される肉の快美に、響子の美貌
が悶え歪んでいった。

「ああ、だめ……ああっ……ううむ……あっ……そ、そんな奥まで……あうっ、あううう〜〜
っ……」

はっきりとした喘ぎ声が出るようになった。
痺れるような快感に耐え、声を出すのを堪えていると、その分、熱気が体内に溜まってくる
ような気がした。
その熱さに我慢出来ず、ついつい声を発してしまう。
男心をとろかすような甘い媚声が浴室内に反響した。

「ああ、もう……もう、だめ……ああっ……あ、いい……」
「とうとう言ったな、奥さん。尻を犯されて「いい」と。そんなにいいのか?」
「ああ……いいっ……」

響子はわけもわからず、ガクガクとうなずいた。
否定も何もあったものではない。
肉体が男を欲して止まなかった。
直腸内奥深くまで挿入された肉棒が、ずぶっ、ずぶっと音を立てて抜き差しされ続けると、
人妻のよく張った腰からは力が抜け、男の動きに任せるようになっていた。
腰の力が抜けた分、アヌスの方はきゅうきゅうと肉棒をきつく締め上げていく。
収縮して締めてくる腸壁を引き剥がすようにピストンすると、響子の熟れた肉体が弾むよう
に跳ねる。

肛門を犯され、熱く身悶えている人妻の妖しさにたまらなくなったのか、若い弟分はうつぶせ
になった響子の胸に手を伸ばし、タイルと身体の隙間に手を入れ、潰れていた乳房をいびって
いる。

「あっ、はああっ……やっ……ああ、いいっ……そ、そこっ……うっ、ううんっ、深い……
深いですっ……」
「深くまでどこに入ってるんだい」
「ああ、それは……」
「言え、奥さん」

響子は恥じらいで口をつぐんだが、百瀬が一層激しく尻穴を抉り出すと、すぐに屈服した。

「ああ、いやあっ……あっ、お、お尻……お尻です……ひっ……」
「尻のどこだ」
「……お尻、の、……あ、穴、です……」
「そうか。じゃあその尻の穴に何が入ってるんだ?」
「言えません……そ、そんな恥ずかしいこと……あっ……」
「ふざけるな、言わなきゃやめちまうぞ」

これは百瀬の賭だった。
まだ響子が完全に肉欲に溺れていなければ、渡りに船になるわけで、言うわけはなかった。
そうなら、まだ調教に時間がかかる。
しかし、鋭敏に過ぎる肉体を持った美人妻は、百瀬の期待通りになりつつあったのだ。

「……や……やめ……ないで……」
「やめないで欲しいのか?」
「……」

響子は小さくうなずいた。
その美貌は赤く染まり、恥ずかしげであり、また肉の悦楽を求める妖艶さもあった。

「じゃあ言うんだ。何が入ってる?」
「ああ……も、百瀬さんの……」
「俺の?」
「お……チンチン……です……」

五十嵐は呆然とし、百瀬は心で快哉を叫んでいた。
若いヤクザは、このしとやかそうな人妻の、どこからそんな言葉が出るのかと驚いている。
百瀬は実に満足そうな顔で、さらに追い打ちをかけた。

「よし、よく言えたな。その俺のものはどうなってる? どんな感じだ?」
「あ……私の……お、お尻のいちばん奥に……入って、ます……す、すごく熱いです……
ああ、それに……」
「それに、なんだ」
「お尻の……穴が……痛いくらいに太い……お腹が痛いくらいに、硬いです……」

そう口にして、響子はもうおしまいだと思った。
犯されていると、百瀬の言いなりになってしまう。
そう認めた時、響子の身体に明らかな変化があった。
肉棒に絡みついていた腸壁も、締め上げるアヌスも連動して収縮し始めたのだ。
百瀬を完全に受け入れ、肛悦を享受している。

一転して百瀬の責めに応えだした響子に、男の昂奮度も上昇した。
響子の尻たぶがなくなるほどに割り開き、そこに目一杯腰を押しつける。
出来るだけ深くまで挿入し、その中を攪拌していった。
その性的刺激と倒錯感に人妻の脳髄は痺れ、大きく喘いでその身を仰け反らせた。

「ああ、もっ……もう、いく……ああ、いっちゃいそうですっ……」
「ほう、大したもんだ。初めてアヌスを犯されて気をやるのか、奥さん」
「言わないで、恥ずかしいっ……ああ、でも……でも、ホントにいきそうっ……」

喜悦とも苦悶ともつかぬ表情で美貌を歪ませ、喘ぎ続ける人妻の肌から、再び噴き出した汗
が飛び散る。
臀部は痙攣しっぱなしで、いつ止まるとも知れない。
本当に絶頂が近いらしい。

百瀬も舌を巻いていた。
これまで数え切れぬほどに女を犯してきたが、最初のアナルセックスで絶頂まで達した女など
いなかった。
響子の底知れぬ敏感さと、貪欲なまでの性感の鋭さに、百瀬は自分の選択に誤りはなかった
ことを実感するのだった。

アヌスを奥深く抉られ、腸内のあちこちを擦られ、突かれていた響子は、とうとう最後の声
を上げてしまった。

「あ、来るっ……すごいの、来るうっ……あ、いくっ……い、いく!!」
「くっ……」

びゅくるるっ。
びゅくんっ。
びゅるるっ。
びゅるっ。
びゅく、びゅくっ。
びゅっ。

もともと締めつけの素晴らしい響子の肛門が、絶頂に達した勢いでさらにきつく収縮したのだ
から、いかに百瀬でもどうにもならなかった。
その妖しい快感に堪えきれず、響子の腰を掴み、出来るだけ奥まで突き刺すと、そこで一気に
射精した。
腸内に熱くどろどろした粘液を注入され、響子は首を大きく仰け反らせて喘ぐ。

「ああっ、でっ、出てるっ……お、お尻の中に……入ってくる……ああ、いっぱい出てる……」

射精の間、響子の尻を押し潰していた百瀬は、精液を残らずその腸内に叩き込むと、ようやく
肉棒を抜いた。
まだまだ硬いそれがアヌスから引き抜かれると、響子は腰が抜けたようにタイルに突っ伏した。
その肛門は喘ぐようにヒクつき、呼吸するかのように腸内に注がれた精液を吐き出していた。
人妻の凄まじいほどの肛門性交を見て、五十嵐が耐えきれないように言った。

「あ、兄貴……」
「ん? どうした、おまえもやってみるか?」
「あ、ありがとうございます!」
「けど、おめえ、尻を犯るのは興味ねえんじゃなかったか?」
「そうだったんすけど、こんなすげえセックス見せられたら、俺だってたまりませんよ」

五十嵐はそう言うと、まだ絶頂の余韻でぶるるっと腰を震わせている響子の尻を掴み、そこを
割り拡げていった。

─────────

すべてが終わると、男たちは揚々と浴室から引き上げていった。
脱衣所からは、百瀬たちの笑い声と、さっきまで演じられていた痴態を揶揄する卑猥な言葉が
聞こえてくる。
どやどやと乱暴な足音がして、番台脇の引き戸が閉められる音がしてから、ようやく響子はのろ
のろと身体を起こした。
身体の内外に浴びせられた男どもの汚らしい体液を、湯で落としてからどうにか立ち上がる。

まだ足腰がふらふらする。
百瀬の野太いもので貫かれたアヌスがずきずきしていた。
ボディソープを使ってくれなかったら、響子のそこは引き裂かれて血まみれになっていたかも
知れない。
処女を失った時にも、しばらくは膣に妙な違和感が残ったものだが、今回もそれに似ていた。
まだお尻の中に、何か残っているようなゴロゴロした違和感がある。
歩くと肛門や腸の入り口付近が痛んだ。

人妻の豊潤な肉体は、暴風雨のような激しい凌辱でボロボロになっていた。
心の方も、またしても絶頂まで何度も押し上げられたことで、裕作に対する裏切りを痛切に
感じさせている。

それ以上にショックだったのは、浣腸と排泄である。
夫にも見せたことのない恥ずかしいシーンを何度も晒し、じっくりと観察された。
しかもそこを愛撫され、あまつさえペニスを受け入れさせられたのである。
無論、響子も裕作もそんなところをセックスの対象にする趣味はなかったから、見られたこと
もいじらせたこともなかった。
そんな完全な処女地帯を、ヤクザたちは散々弄んだのである。

夫に捧げたはずの身体を、他の男に奪われていく。
夫にすら許さなかった箇所を犯されていく。
そして、夫との行為では決して感じられなかった新たな性感帯をほじくりだされ、覚えさせら
れていった。
そして、それらの行為を受け入れてしまい、最後には官能の歓喜で身悶え、喘ぎ、よがらされ、
気をやらされる。
そんな自分が怖かった。
いったい夫婦とは、そしてセックスとは何なのか。
夫以外の男と通じ、その行為に大いなる快楽を得てしまう自分は異常なのではないか。

百瀬は響子のことを「虐められると感じる女だ」と言って、その被虐性を指摘していた。
そんなことは有り得ないと抗弁したいのに、百瀬や五十嵐とのセックスで何度もいかされ、
夫のいる身でヤクザに犯されていることを言われると、それまで以上に感じさせられてし
まう。
以前は違ったが、今では百瀬に調教され、本当に被虐嗜好の淫らな女にさせられてしまった
のかも知れない。
失意の人妻は、そうしたマイナス思考に囚われ始めていた。

いつの間にか浴室から出て脱衣所にいた響子は、身体をゆっくりバスタオルで拭いていた。
まだ身体のあちこちに赤い跡がある。
百瀬たちが、乳房や太股をきつく握り締めたり、揉み潰したりしたからだ。
胸元や腿の付け根、うなじや首筋には、誤魔化しようのないほどにキスマークがはっきり
ついている。

犯された人妻は、うなだれたまま身体を拭き終わり、脱衣籠から新しい下着をとって履いた。
その時、あることに気がついた。
脱いだはずのパンティがない。
探してみるとブラジャーまでなかった。
着替え用に持ってきた洗ったものしかなかったのだ。

響子はため息をついた。
嫌がらせか趣味かわからないが、どうせ百瀬か五十嵐が持っていったのだろう。
そう思った時、響子はふいに気配を感じた。
ハッとして辺りを見回すと、あろうことか番台から風呂屋の親爺が彼女をじぃっと見ていた
のだ。
響子はパッと顔を赤くしたが、次の瞬間、さあっと青くなった。

そういえば、銭湯の主人はここにいたのだ。
百瀬たちが女風呂に侵入したことも知っているはずだ。
もちろん響子が入っていることも知っている。
何せ、最初は悲鳴を上げて抵抗し、最後には何度も恥ずかしい声を出してしまったのだから。

つまり主人は、女風呂の中で何があり、響子が何をされていたのかわかっているはずなのだ。
なのに何もしてくれなかった。
警察を呼ぶでもなし、止めることもしていない。
ヤクザを恐れて、その暴挙を止められなかったというのはわかるが、それでも彼らが出て
行った直後に、響子を案じて駆けつけてくれるのが普通ではないだろうか。
そう思って風呂屋の親爺を見ると、手に何やら持って、それを顔に押し当てている。

響子にはすぐわかった。
それが彼女の下着だったのだ。
響子が脱いだパンティやブラジャーは、そいつが持っていたのだ。
親爺はその匂いを嗅ぎながら、響子の着替えを凝視していたのである。

いつもは絶対に女性の着替えなど覗き見ない男だったはずだ。
それが今では、響子のむちむちした肢体を視姦せんばかりに見つめている。
その目つきは卑猥であり、また蔑んでいるようにも見えた。

響子はすべてを察した。
百瀬だ。
百瀬たちが何か言ったに違いない。
響子のことを淫らな女だとか何とか告げ口したのだろう。
下着も彼らから主人に渡ったのであろう。
身の置き場を失くした響子は、気がつくと一刻館に向けて泣きながら走っていた。




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