「あ……」

部屋に戻ってきた頼広を見て、響子はホッとした。
ケガをした様子はないようだ。
しかし、どことなく不機嫌そうで、むっつりとしている。

「お帰りなさい……。あの……」
「……」

頼広は無言で浴室へ行き、シャワーを浴びると、まだ濡れた身体のまま響子を抱きしめていた。

「あっ……」

太い腕に抱きしめられ、響子はもがく。いつもと様子が違う彼に、少し戸惑っていた。
頼広の身体に残っている水滴を、着ているTシャツの生地が吸い取っていく。

「た、鷹小路さん、いったいどうしたん……んむっ!」

突如、唇を重ねられ、響子は驚いたよう少し抗ったものの、やがておとなしくなった。

何かあったのだ。

井田という男への復讐がうまくいかなかったのかも知れない。
その悔しさで自棄になっているように思えた。
それならそれでいい。
誰も傷つけずに済んだのなら、それに越したことはないのだ。

響子は、彼を慰める意味で口づけを許した。
「唇だけは守る」と決意していたが、それで彼の気が休まるのならと、なし崩しになっている。
それでも唇の接触だけで、口腔内への侵入は拒んでいた。
舌までは入れないものの、唇を貪るような激しいキスに、響子は目をかたくつむって耐えている。

「んん……んむ……」

響子の口を強引に奪った頼広は、自身の中のもどかしさといたたまれなさを彼女にぶつけている。

井田の目の前で、その妹をレイプした。
その様子を見せつけられた井田が、情けなくも勃起してしまい、それを嘲笑ってやった。
挙げ句、朋子にそのことを教えてやって井田を精神的にも打ちのめした。

しかし、すっきりしないのだ。
復讐など虚しいだけ、という道徳観からではない。
関係のない朋子を巻き込み、凌辱してしまった後味の悪さに動揺し、いらついていた。
これでは相原たちとちっとも変わらない。
しかし、己の受けた屈辱と響子への恥辱行為は断じて許せず、仕返しせねば気が済まなかったのだ。
その葛藤に整理を着けることが出来ず、慰めが欲しかったのか、頼広はただ響子の身体を求めていた。
響子はそんな頼広を受け止め、さして抵抗もせずに衣服を脱がされ、下着を剥かれた。

「?」

響子がベッドに腰掛けると、頼広は何か思いついたようにそこから離れ、リュックをごそごそ漁ってから、ロープを手にして戻ってきた。
そして、有無を言わさず響子の腕を取り、縛り始める。

「あっ……、な、何で縛るんですか……」
「……」
「縛らなくても、私は……」

言うことを聞く、素直に抱かれる、と言いたいのだろう。
だが頼広は表情を殺したまま、冷たく言った。

「縛ってから犯したいんだ」
「なぜ……」
「わからない。ただ、無性にそうしたくなった」

復讐を遂げたのに、ちっとも爽快感がない。
心にもやもやが残っている。
井田の妹を犯した時にはちっとも快感なんかなかったし、事後の虚しさはかなり堪えていた。

その鬱憤を晴らすかのように、響子の肉体を求めていた。
頼広の性欲は負の方向に膨らみ、どす黒い劣情となって抑えようがなくなっている。
響子は少し俯き、すっと立ち上がると頼広に背中を向けた。

「わかりました……。あなたがそうしたいなら……」

そう言って両手を背中に回す。
頼広は、受け入れた響子の心情を思いやり、こんなことはやめようと思うのだが、滾っている肉欲は一度放出せねば収まりそうもなかった。
頼広は黙って響子の裸身にロープを掛けていく。
手首を重ねるようにして、肩胛骨の下あたりでひとまとめとし、縛り上げる。
その縄尻を身体の前へ回し、豊かに張り詰めた形の良い乳房の上下にロープを通し、高手小手縛りとした。
白い柔肌にぎゅっとロープが食い込み、そのきつさに響子の表情が歪む。

「……きつすぎるか?」
「だ、大丈夫です……」

上半身をかっちりと縛り上げられると、響子はそのままうつぶせに寝るように言われた。
腰を持ち上げられ、そのままバックから犯されるのだろうと覚悟した。

「そのまま脚を開け」
「……」
「もっとだ。ちゃんと見えるようにな」
「っ……」

羞恥で顔を染めながらも、響子は言われるままに媚肉と肛門が見えるように脚を開いた。
今、そこを頼広が凝視していると思うと、響子の頬が上気し、膣にも湿り気が帯びてくる。
彼とセックスを続けることにより、響子にも被虐の官能が目覚めてきているのだ。
羞恥で小さく震えている響子にたまらなく欲情した頼広は、珍しく前戯もないままに、いきなり肉棒を膣へあてがった。
響子は少し焦って振り向く。

「あ、あのっ……」
「なんだ」
「ひ、避妊は……」
「……」
「鷹小路さん……」
「このままじゃだめか?」
「え……?」

頼広は、響子の膣口に亀頭を少し潜り込ませたままで聞いた。

「今度は……、ゴム越しじゃなく、ナマで響子を感じたいんだ」
「あ……、で、でも……、そ、そろそろ危ない日なんです……」
「そうなのか? 今、中に出したら妊娠するかも知れないわけか」
「は、はい……」
「大丈夫だ。俺がいく前に抜くから」
「いく前に……?」
「ああ。出す前に必ず引き抜くよ。それならいいだろう?」
「……」

響子は困惑した表情を浮かべた。
確かに、そういうことをする人もいるらしかった。
響子は見たことはないが、アダルトビデオでもそういうのがあるそうだ。
女優をセックスして、射精する前に膣から抜き、女優の乳房や腹、あるいは顔に精液を出して見せるらしい。

響子は、頼広をフェラチオした後に顔射を受けたことを思い出し、媚肉が疼くのを感じた。
もじもじと尻を蠢かせながら、自分に言い聞かせる。
そうなら精液は胎内には出ないのだから大丈夫な気もする。

しかし一方で、そんなことは避妊にならない、という話も聞いた。
何でも、男性は性的に興奮してくると精液の前に透明な粘液を出すらしい。
それは響子も知っている。フェラしている時に滲み出ていたあのとろとろした液体だろう。
それは精液ではないのだが、問題なのはその体液の中にも、僅かながら精子が混じっているというのである。
それに、男の興奮が高まり、射精するつもりはないのに漏れてしまうこともあるようだ。

そもそも、AV出演者でもあるまいに、いく寸前になってそんなことが出来るのだろうか。
あまりの気持ち良さに抜くことが出来ず、そのまま中で射精したという話も聞いたことがある。

断るべきだった。
しかし響子は、頼広が「だめか?」と再度尋ねてきた時に、とうとう了承してしまったのである。

「……わかりました」
「そうか」

頼広はホッとしたような、嬉しそうな顔になった。

「絶対に抜くから心配しないでくれ」
「……」

そうは言われたが不安だった。
なぜこの時、はっきりと断らなかったのかわからない。
普段でも、相手に下手に出られると、人の良い響子は、つい安請け合いしてしまうところはあった。
しかし今回はそればかりとは言えないようだ。

(私……、どうして? そんなの危ないってわかってるのに……どうしてこの人に逆らえないんだろう……)

万が一の胎内射精と、その結果による妊娠の恐怖。
揺れ動く響子の心に楔でも打ち込むかのように、太い男根がめり込んできた。
すでにぬめり気を帯びていた響子のそこは、蛇の鎌首のような亀頭を飲み込んでいった。

「んあっ! んっ、あはあっ……は、入る……んくっ……ああ、奥まで来るっ……ひあっ!」

先端が子宮口に当たると、響子はぐっと顔を逸らせて喘いだ。
びくびくっと膣奥が痙攣し、腿やふくらはぎの筋肉が浮いている。

(ウ、ウソ……、入れられただけなのに、私……い、いっちゃった……なぜ……)

こんなことは初めてだった。惣一郎とのセックスでも、毎回必ず絶頂するとは限らなかったのに、挿入されただけで軽い絶頂を味わってしまうとは思わなかった。
しかし、考えてみれば、それまで惣一郎と寝た回数よりも、頼広に抱かれた数の方が多いような気がする。
響子の性体験は、イコール惣一郎との行為だけだったわけだが、その半年間のセックスよりも、ここ半月にこなしたセックスの数が上回ってしまったのだ。

しかも、頼広の行為は執拗且つ濃厚で、セックスされるたびに、響子は数度にわたって気をやらされるのが普通だった。
そうであれば、響子の身体が頼広に馴染まされ、頼広のものになってしまっていたとしても不思議ではなかった。

頼広は、響子の媚肉を貫くと、腰を強く打ち付けていく。
頼広の長大なペニスは、響子の膣内にすべて収まらなかったが、彼はそれが不満だった。
そこで密着感を得るために、寝バックに持ち込んだのだ。
こうすることで、頼広の腰は響子の尻に食い込むほどに密着できるが、響子の尻肉の厚さのおかげで肉棒の長さが相殺され、根元まで埋め込むことが
可能となったのだ。
頼広はきつい締めつけに耐えながら、響子の奥深くまでペニスを埋め込み、子宮口をなぞる。
膣口は痛いほどに頼広のものを締めつけ、襞は熱くねっとりと絡みつき、絞り取ろうと蠢いていた。

「すご、い……奥まで届いてます……ああっ……」

すぐに響子は喘ぎ始めた。より深い結合を求めてなのか、響子の尻が浮いて頼広の腰に密着する。
頼広はその尻を真上から潰すように腰を打ち込んでいった。
熱くとろけた媚肉からは蜜が跳ね飛び、響子の股間と頼広の腰をべたべたと汚し、ふたりの腰を愛液の糸でつないでいた。

「ああっ、いっ……お腹、抉られて……んんっ……いああっ……」

響子は喉を反り返らせ、両手でシーツを握りしめて喘いだ。
頼広は響子をこねくり回すようにペニスを抉り込ませ、絡みついてくる襞を引き剥がしながら引き抜いた。
そしてまた響子が目を剥くほどに深くまで貫いていく。
ペニスの先が子宮口にコツコツと叩いてくると、響子はその苦痛に美貌を歪ませて呻いた。
しかし、今の響子にはその痛みすら快感となり、官能の奥深さを感じ取っていた。

頼広は、響子自身の重みで柔らかく潰れ、横からはみ出している乳房を抓るよう揉みながら、奥まで入れたままぐりぐりと子宮口を擦り上げた。
響子の裸身がビクビクッと大きく跳ねた。

「んああっ、深いっ……! お、お腹に当たるっ、ひっ……あ、もうだめっ……いっ……いく……」
「響子、いくのか?」
「い、いく……いきそうっ……んっはあああっ!!」

響子の膣の締め付けはきつく、甘美そのものであり、射精するには充分な快感であった。
そして何より、とうとう響子の口から性の絶頂を訴える言葉を引き出せたのだ。
もうそれだけでも射精には充分であったが、中で出さないという約束もあって、頼広は何とか堪えた。
頼広はまだ響子の尻に押しつけたまま、軽く腰を回転させている。
そして響子の耳元でそっとささやいた。

「やっと「いく」と言ってくれたな」
「あ……」
「もっと言って欲しいんだ。いく、とか、気持ち良いとかな」
「そっ、そんな……恥ずかしい……」
「恥ずかしがることはないさ。俺が響子のそういう淫らな言葉が聞きたいんだ」
「やっ、そんな……」
「続けていくぜ、いいな?」
「あ、でも……、私、いったばかりで……あ、ああっ!」

またずぶりと深くまで硬い肉棒が抉り込まれ、響子はくっと仰け反った。
いかされたばかりで鋭敏そのものになっている膣と子宮口は、ほんの少しの刺激でも、響子に強烈な快感を送ってくる。

「いっ、ああっ! あ、ふ、深いっ……ああ、そんな深くまで……いいっ……やはあっ!」

それにしても、この感じやすさは何だろう。
響子はそれまで、自分が不感症だとは思わなかったものの、ここまで感じやすいとも思わなかった。
一度のセックスで何度もいかされ、男がいく頃には意識が朦朧になるほどの官能にのめり込んでいる。
あっさりいかされ、なおも感じずにはいられない自分の肉体が恐ろしくなってくる。

確かに性技は惣一郎とは比較にならないが、それ以上に響子の身体自体があの頃に比べて熟れてきたということだろう。
そして、頼広の肉体に馴染まされただけでなく、相性が良かったのかも知れなかった。
そして今日は、頼広が無事に戻ってくるかずっと心配していたところに、彼が無傷で帰って来て、しかも相手に怪我などさせなかったことを知り、
心身ともにホッとしたということも影響しているに違いない。

深々と貫かれて身体を痙攣させて感じていた響子だったが、頼広の動きが鈍くなるにつれ、もどかしそうに身悶えている。
頼広の動きが遅くなり、しかも抜き差しも浅くなってくると、いかにも不満そうに腰を捩り、焦れったそうな呻きを漏らすようになる。

「ん……ああ……」

響子は我慢しきれなくなったのか、もぞもぞと腿や腰を捩り、ややもすると尻を自ら持ち上げて、頼広のものを求めていく。
響子の尻が恥ずかしそうに持ち上がってくるところを捉え、頼広は腰を一気に落として突き通した。

「あはああっ……!」

ずぶっと貫いてくるペニスを喜々としてくわえ込んだ膣は、食い千切らんばかりに締めつけていく。
響子は荒い息を吐いて首を振りたくり、その快感を必死に耐えていた。
あからさまによがるのはまだ恥ずかしいのか、懸命に唇を噛んで歓喜の声を押さえ込んでいるのが愛おしかった。

そういう響子を見ると、頼広はなぜか虐めてみたくなる。
頼広は、悶えて蠢かせている響子の尻を掴むと、片手で器用にそこを割った。
剥き出しにされ、尻の奥に外気の涼しさを感じた響子が振り返ると、頼広はそこに指を這わせていった。

「んあっ、いやっ! だ、だめ、鷹小路さん、そこはあっ……いあっ!」
「いやなのか? だが響子は、ここを俺に犯されても喘いでいたじゃないか。最初は痛がっていたが、じきによがるようになって……」
「い、いやっ、言わないで、恥ずかしいっ! あ、だめ、触っちゃだめえ……あああ……」
「あんたは素晴らしいよ、響子。どこもかしこも感じる女だ。こんな身体、滅多にあるもんじゃない」
「ああっ……」

尻の深い谷間の底に、ひっそりと慎ましやかに鎮座していたアヌスに、太い指が悪戯を始める。
肛門を中心に集中している皺を丁寧に伸ばすようにして愛撫すると、響子は「もう耐えられない」とばかりに尻を振る。
親指と人差し指で軽く肛門を摘み、ゆるゆると揉みほぐすと、響子は頬が上気させて熱い息を吐いた。
そして恥ずかしい窄まりにずぶりと指を突き通されると、背中を震わせて甲高い声を上げる。

「ひぃああっ! お、お尻だめです、あっ……ゆ、許して、そこは……ああっ、ゆ、指入れちゃだめですっ……あああ……」

指を根元まで埋め込まれると、響子は尻を打ち振って悶えた。
頼広は指を鈎状に曲げると、中から粘膜をめくり出すように擦り上げ、響子の声を甘い喘ぎに変えていく。

「あとでこっちもたっぷり犯してやるからな、楽しみにしてろ」
「やっ、そんな……お、お尻はだめえ……あ、あうう……」
「ウソを言うな。いやらしい響子のことだ、尻を責められて、マンコも濡らしてるんだろう」
「やっ、違うっ……!」
「どこがだ。こんなに濡れてるじゃないか」
「ああっ!」

頼広の親指が媚肉まで伸びると、そこはもうぐしょぐしょであり、熱い蜜をとろとろと溢れさせていた。
ひくっ、ひくっとアヌスと膣がほぼ同時に収縮している。
指の抜き差しを激しくさせると、響子は戸惑いながらも「あっ、あっ」と、切羽詰まった声を上げていく。
頼広は、アヌスへの挿入を人差し指と中指の二本にして抉り込んだ。
胎内で、アヌスから入れた指と媚肉に入ったペニスを粘膜越しに擦り合わせてやると、響子は声を詰まらせながら昇り詰めていく。

「んっ、うんっ、ああっ、やっ、だめ……くううっ……!!」

ぶるぶると尻が激しく痙攣し、前後に挿入した指を強烈に締めつけてくる。
響子は、その絶頂を耐えるように全身を息ませていたが、痙攣が緩むと、ドッとシーツに顔を埋めた。黒いロングヘアが首の後ろで左右に分かれ、
白い肌を晒している。
その綺麗なうなじに頼広が舌を這わせた。髪と汗の甘い香りが男の官能をそそっていく。
たまらず頼広は、また膣への律動を再開させた。
響子はビクッと反応し、わななきながら頼広に懇願した。

「あ、もう……もう許して……ああ、動かないで……す、少し休まないと私……」
「そうでもないだろう。響子のマンコはきゅうきゅう締めつけてるぞ」
「そんな……、あ、あは……うんっ、うんっ、ああっ」
「それに、俺はまだ出してない。終わるまではつき合ってもらう」
「ああ……、だめえ、もう死んじゃう……」

響子は疲労してだるくなった身体を震わせて呻いた。
息も絶え絶えになっているが、頼広は許してくれなかった。
この男の性欲は収まるところを知らない。
射精を終えるまで、響子は何度もいかされてしまうし、しかも頼広の射精が一度で終わるようなことはないのだ。
日に何度も犯され、達した回数は10回では利かない。
そんなにいかされ続けては、とても体力が保たない。
それでも、頼広によって開発され、熟れきってしまった肉体は、彼の責めを受け入れ、強制的に感じさせられていく。
疲れ切っていたはずの響子の身体は、頼広の腰の動きに合わせて、また尻を振り始めた。

くたくたなのに感じずにはいられない絶品の身体に応え、頼広はピストンを激しくして子宮口を亀頭で擦り上げる。
すぐに響子の唇から濡れた熱い声が漏れ始め、抜き差ししてくるペニスにたっぷりの蜜をまぶしていく。
知らず知らずのうちに響子は尻をうねらせ、円を描くように回転させてきている。
そうすることで、膣襞や粘膜にできるだけペニスの硬さを味わわせようとしているのかも知れない。
再び押し寄せてくる快楽の波に、響子は全身を息ませ、わななかせて顔を左右に振りたくった。

「あ、あっ、ああっ! あ、うんっ、うんっ、んんっ、いっ、あっ、あ、いいっ……あう、奥が……いいっ……やっ、もう来るっ……また来ちゃうっ……」

再度ピストンが始まってから5分としないうちに、また響子は絶頂の予感を感じ取っている。
媚肉が熱く震え、その痺れが子宮にまで到達してきた。
膣口は必死になってペニスをきゅうきゅうと締めつけ、早く射精するように促していた。
早く男にいってもらわないと身が保たないということもあるだろうが、それ以上に響子の子宮が本能的に子種を欲しがっているのだ。

今までになく、あからさまな性反応を見せ、はしたないほどに喘ぐ響子の姿に、責める頼広も耐えるのが難しくなってきた。
足の裏がビリビリと痺れ始め、その電流が背筋にまで走り抜けていく。
腰の裏と奥が熱くなり、あっという間に射精欲が盛り上がってきた。
しばらくは脚の指を屈めたり、腿に力を入れて踏ん張って我慢していたものの、喘ぐ響子の悩ましい美貌やその声を聞いてしまうと、もうどうしようもなくなっていく。

「くっ、い、色っぽく喘ぎやがって! くそっ、俺ももうだめだ、いくぞ!」
「は、早くっ……じゃないと私っ……ああっ、もう保たないっ……あ、またいきそうっ……ああっ!」
「きょ、響子すまん! だめだ、もう我慢できない、こ、このまま出していいな!?」
「そんなっ……!」

響子は官能が一瞬で消し飛ぶほどの衝撃を受けた。
約束が違う、今、中で出されたら危ないとあれほど言ったのに。

しかし、響子の方ももう耐えきれなくなっている。
このままでもいいから、早くいって欲しかった。
それに、響子自身の中にも妖しく危険な欲望が漲ってきている。
フェラチオした時に見た頼広の射精の凄さ、その精液の濃厚さが、響子の脳裏をよぎる。

(こ、このまま出されてしまったら……、あの濃いのをあんなに大量に中に出されたら、絶対に妊娠してしまう……。ああ、でも……、でも、私も……)

響子は葛藤を振り払うかのように、激しく頭を振って拒絶してみせる。
しかし、心の中では淫らな欲望が倫理を圧倒していく。

(な、なんで……なんで私、中に出してもいい、なんて思ってるの!? 出されたらどうなるかわかってるのにっ……!)

「い、いいな、響子っ。俺はこのまま……」
「だ、だめ……あっ……い、いく……ああ、だめです、頼広さんっ!」
「響子っ!!」

初めて名で「頼広」と呼ばれ、男の欲望は頂点に達した。
ガスガスと思い切り子宮を小突き上げると、ぴたりと子宮口に鈴口をあてがった。

「だ、だめっ、出しちゃ……あああっ、い、いきそうっ……ひっ、いっく……いくううっっ……!!」
「うおおっ!」

子宮口の、僅かに開いた隙間に亀頭の先をめり込ませ、頼広は一気に欲望の昂ぶりをぶちまけてしまった。

どっびゅううっ、びゅるるっ、びゅるうっ。

その瞬間、響子は目を大きく見開いた。子宮へ直接注ぎ込まれる熱い粘液に身を震わせ、絶叫に近い声で昇り詰めたことを告げた。

「いっくううっ! やああっ、頼広さんのが……ああっ、な、中に……奥に流れ込んでる……ああ、お腹の奥に当たってる……あ、熱い……あああ……」

響子は身体をビクビクと震わせて、子宮で感じる射精の勢いに痺れていた。

(あああ、だめ、だめ……危ない日なのに、こ、こんなに出されたら……)

「くっ、出るっ……」

頼広は響子の腰を掴んで引き寄せ、出来るだけ深いところで射精を続けている。

びゅくっ、びゅくっ。
ぶびゅるるっ、びゅるっ。
どくどくっ、どびゅっ。

あまりの快感に、頼広の射精はなかなか終わらなかった。
驚くほどの量が響子の中心部の流し込まれていく。
子宮内で射精を感じ取り、響子は精液が放たれるたびに軽い絶頂を味わっているようだった。

「あ、あうっ、いく……ああ、まだ出てる……こ、こんなにたくさん……濃いのがたくさん……ああ、ま、まだ出るの!? お腹がいっぱいになっちゃう……
頼広さんので私のお腹が……あ、あは……うんっ!」

ビクン、ビクンと身体を軽く弾ませる響子の腰を掴み上げ、頼広は腰を押しつけて最後の一滴まで精液を注ぎ込んだ。
ようやく満足するまで射精し終えて手を離すと、響子の腰がどさっとベッドで弾む。

汗にまみれた響子の肢体は、むっとするほどの汗と女の香りがした。
荒い呼吸が口から漏れ、背中は鼓動に合わせて、ドッ、ドッと激しく上下している。
時折、腿や腕がびくっと痙攣するのは、まだ絶頂した余韻から抜けきれないからのようだ。
その痙攣に合わせて、響子の膣からどろっとした白濁液が溢れ出ている。

「あ……あ……、こんなに……こんなに出されちゃった……こんなことって……」

喘ぎながらも動揺を隠せない響子に、頼広は連戦を挑もうとしている。
響子の、白く丸い大きな尻が喘ぐように悶え、だらしなく開いた股間の奥から精液を逆流させている。
そんな美女を目の前にしたら、頼広でなくともその気になるだろう。
頼広は興奮を隠そうともせず、荒々しい息遣いのまま、響子の腰を掴んでひっくり返した。

「きゃっ……!?」

ごろりと転がされ、それまでシーツと響子の上半身に押しつぶされていた乳房が、ぶるんっと大きく揺れて頼広の目に映る。
たまらず頼広はその乳房にむしゃぶりついていった。

「あ、あっ、だめ、もう頼広さんっ……」
「もう一回だ。いや、やれるだけやるんだ」
「そんな……、もう疲れてしまって……」
「あんたが気を失うまでやってやる。覚悟しろ、響子」
「ああ、そんな、だめです……、あっ!」

腿の付け根をぐいっと押さえつけられ、股間を大きく拡げられたかと思うと、いつの間にか完全に勃起していた肉棒がぴたりと媚肉に押しつけられてきた。
その硬さと熱さに戸惑い、響子は頭がくらくらしてくる。

(し、信じられない……、い、今、出したばかりなのに、もうあんなになって……)

「んっ、ああっ!」

愛液と精液でどろどろになった媚肉は脆く、簡単にペニスの侵入を許してしまう。
すっかりとろけてしまったはずの媚肉だったが、頼広のものの大きさと太さで、たちまち膣内は埋め尽くされ、みちみちと軋む。子宮をズンと突かれ、響子は呻き、喘いだ。

「ああっ、いいっ……あ、頼広さん、お願い……中は……中だけはもう許して……」

響子は喘ぎながら何とかそう告げたが、頼広がそれを守ってくれるかどうか、わからない。
そして響子自身も、そのうち「中に出して欲しい」とせがむようになってしまうのではないかと自分に脅えていた。
頼広のたくましいものが深々と膣を貫き、響子はまた忘我の状態に陥っていった。



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