「すごかったね、奥さん」
「……」
坂本が声をかけても、響子は何も答えられなかった。
強力な換気扇のお陰で、異臭はほとんど消え去っている。
坂本が早々にバケツを片付けて処理してくれたせいもあるだろう。
だが、響子の恥辱が消えることはなかった。
凄まじいばかりの羞恥と屈辱に責め苛まれ、ぐったりとしてバスマットに横たわっている。
それほどの恥辱劇を晒したというのに、寝そべった響子の裸身は、神々しいばかりに美しかった。
坂本が、勃起したペニスを振りながら言った。
「もう、おしまいだって顔だね、奥さん」
「……」
その通りだった。
あんなシーンまで見られてしまい、排泄したものまで見られてしまった。
夫にも、いや誰にも見せたことはない、見られてはいけないものだ。
それをじっくりと観察されてしまったのだ。
それだけではない。
恥辱に泣きながら排泄させられるところを写真にまで撮られた。
セックスされているところだけではなく、排泄シーンまで撮影されたのだ。
そんな写真を見せられたら、もう響子は何もかも坂本に支配されていると思われても仕方がないだろう。
事実上、響子はこの時はじめて「坂本の女」にされたと実感していた。
「まったくいい尻してるな、たまんないぜ奥さん」
「……」
うつぶせに横たわった人妻の尻を坂本が撫でた。
もう響子は抗う気力もなく、されるがままだ。
しかし、撫で回すだけでなく、その尻たぶを大きく割って、その奥にあるアヌスをいじる始めると、さすがに
響子も反応した。
「あ、もういやっ……お尻はいやです……い、いじらないで!」
坂本がゆるゆると響子の肛門を揉みほぐしている。
たった今排泄し終わったばかりだから、まだそこは熱く火照っている。
脅えたようにきゅっと引き締まり、また弛緩するのを繰り返していた。浣腸前よりもずっと柔らかくなっている。
坂本はその感触に酔っていたが、触られる響子の方はたまったものではない。
排泄直後だったから、そこは信じられないほどに敏感になっている。
指でまさぐられると、ビリビリとした痛みが走った。
「や、やめて、痛い!」
「痛いわけないだろう、こんなに柔らかいのに」
「し、染みるんですっ……ああ、ひりひりする……」
「そうかい。じゃあ、もういっぺん浣腸してやろう」
「ひぃっ!」
またあの恐ろしい浣腸、それに伴う排泄を思うと、響子は目の前が暗くなった。
「やめて……。お願い、浣腸は……浣腸だけはもう……」
人妻はそう言ってなよなよと尻を振った。
いやがっているのだが、それが坂本には「もっとして」と表現しているように見えた。
躊躇なく響子のアヌスにノズルを突き刺した。
「ああっ!」
アヌスがぬるっとノズルを飲み込んでしまい、響子は慌ててずり上がろうとしたが、坂本がそれを許さない。
腰を上から押さえ込みながら、なおもチューブを響子の肛門内に押し込んでいく。
「や、やめて、いやっ!」
浣腸の恐怖に、美しい人妻が戦慄する。
ずるずると際限なく、奥深くまで入ってきた。
「ひぃっ……く、くっ……い、いや……」
チューブが肛門粘膜を擦る感覚に、響子は唇を噛みしめて堪え忍んでいた。
それでも我慢できず、口を開けて「あうあう」と呻き、熱い吐息を漏らす。
ビニールチューブがアヌスや腸内の粘膜を擦り上げる感覚に響子が悲鳴を上げる。
本当に肛門が爛れると思った。これ以上入れさせないように括約筋を引き締めるものの、そうするとかえって
チューブが押し入ってくる感覚を強く感じてしまう。
脅えて緩めると、どんどん深くまで入り込んできた。
「ひぃ!」
ノズルの先が奥の腸壁にコツンと当たると、響子は甲高く悲鳴を上げた。
響子の臀部がぶるぶると震えている。
もうチューブが20センチ以上は入ってきた感じがした。
まるで細い尾が響子の肛門から伸びているように見える。
「いい眺めだぜ、奥さん。美人は得だな、何をされても色っぽいぜ」
「ああ……」
坂本はそう言って褒めたが、響子にとっては真逆である。
人並み外れた美貌を持ち、同性すら羨むようなスタイルを持ったからこそ、こうして男の餌食になっているのだ。
少しでも腰を動かすと、奥まで入れられたチューブを実感させられる。
こんな深いところでグリセリンを入れられたらと思うと、響子は怖気立った。
「入れていいかな、奥さん」
「い、いやっ……!」
聞かれるまでもなかった。
だが、ここまでして坂本が注入しないわけがない。
しかし坂本は尻を撫でながら予想外のことを口にした。
「やめてやってもいいよ」
「え……」
思わず響子は振り返った。
そして、縋るような表情で男を見上げた。
「やめて……、浣腸はいやです……」
「やめる代わりに、俺とセックスしようぜ」
「……」
今さら何を言うのだろうと響子は思った。
どっちにしろ、この男は自分をとことんまで凌辱するつもりなのだ。
どうせ浣腸責めが終われば、響子が失神するまで犯すに違いないと思っていた。
「どうだい?」
「わ、わかりました。その代わり……」
「そうか」
坂本がにんまりして響子の隣に横たわった。
仰向けである。
勃起した肉棒が股間でぶらぶらしている。
思わず響子は顔を背けた。
「何してるの」
「え……」
「セックスするんだろ?」
「え、ええ……」
「だったらしろよ。奥さんの方から俺につながるんだよ」
「な……」
響子は目が零れそうなほどに大きく開いた。
どうせ性交することになるとは思っていたが、まさか響子の方からとは思わなかった。
いつものように、嫌がり、あるいは無抵抗な響子を坂本が力ずくで、または脅迫してレイプするのだと思っていたのだ。
それを見透かしたように坂本が言う。
「いつも俺の方から挑み掛かってたけど、たまにはね。奥さんからして欲しいんだよ」
「そんな……、そんなはしたないこと出来ません……」
夫がいる身で、他の男に自らつながるなど、そんな破廉恥なことが出来るはずもない。
だいいち、そんなことをしたら、いよいよ無理に犯されたとは言えなくなるではないか。
そこまで考えて響子は思い当たった。
この男の狙いはそれなのではないだろうか。
犯されて感じたと認めたくない響子は、ならば和姦だと坂本に指摘された。
そんなことはないと否定したいが、そうすれば響子は犯されていくような淫らな女だと認めることになる。
そのジレンマに悩んでいたのに、今度は自分からしろという。
響子に自分から跨らせることによって、レイプではないのだと響子に思い知らせるつもりなのではないか。
(な、なんて卑劣な……)
そう思うのだが、もはや響子に抵抗の手段はない。
ここで頑と拒めば、この男はためらうことなく浣腸責めを再開するだろう。
あの恥辱と羞恥はもう二度といやだった。
響子に選択の余地はない。
「ど、どうしても……」
「別にいやならいいんだよ。それなら浣腸に戻るだけだからな」
「ひどい……」
じわじわと追い込まれていく人妻は、そう呟きながらもゆっくりと腰を上げた。
同時に坂本も起き上がり、そのまま胡座をかいて、自分の腿を叩いた。
これ見よがしに肉棒を掴み、ぶらぶらと揺すっている。
そこに座れと言っているのだろう。
屈辱を噛みしめつつ、響子は坂本の前に立った。
もう股間を男の目の前に晒しているという羞恥よりも、これからいよいよ坂本に自分からつながらねばならない
という恥辱に震えていた。
待ちかねたように坂本が響子の腿をぴしゃりと叩いた。
人妻はびくりとして、諦めたように男を跨いだ。
「お願いです……」
「何だい」
「い、言われた通りにしますから……お、お尻のを取って……」
響子は脚こそ自由だが、両腕は背中で縛られている。
自分では抜けないのだった。
坂本は残忍な口調で言った。
「俺とつながってからだよ。入れる前から抜くことなんか言うなよ」
「ああ……」
響子はぐっと目をつぶると、唇を噛んだ。
胡座をかいた坂本と向かい合っている。
男を跨いだまま、震えながらゆっくりと腰を落としていく。
膝が笑い、脚ががくがくとおののいている。
自分から男に犯されるという恐怖が脅えを呼び、響子の脚を萎えさせていた。
「早くしなよ」
焦れたような声がして、響子はまた腰を落としていく。
「あっ……」
熱いものが右の内腿に触れ、響子は驚いたように腰を上げてしまう。
坂本が声を荒げた。
「ちゃんとしろよ、浣腸されたいのか!?」
「しっ、します! しますから……」
「ならちゃんと目を開けてしろ。自分の手で俺のものを持って入れればいいだろうに」
「そんな……」
響子がためらうと、坂本はチューブの栓を捻った。
グリセリンがチューブ内を走り、響子の腸内に噴き上げた。
「ああっ……!」
腸の奥に溶液がひっかかる感覚に、響子は悲鳴を上げてつんのめった。
それを坂本ががっしりと抱える。
「や、やめて!」
「だったらちゃんとしろ。いいな」
響子はガクガクと頷いた。
あのおぞましい浣腸はいやだという思いが、気丈な人妻の心を萎えさせていく。
「ほら、手で持て」
「あっ……」
坂本に右手を掴まれ、その手に彼の肉棒を握らされた。
その熱さと太さ、たくましさにくらくらしてくる。
目を閉じていても、その大きさがわかるのだ。
(ああ……お、大きい……。こんなに大きいのが私の中に何度も……。ま、またこれを入れなくちゃならないの……)
震える手で夫以外の男根を握り、それを自分の股間に持っていこうとするものの、どうしても出来なかった。
先が腿に当たるだけで、軽く悲鳴を上げて離してしまう。
また怒鳴られると思った響子だったが、坂本は怒鳴る代わりに低い声でこう言った。
「……だめかい、奥さん」
「で……出来ない……出来ません」
「じゃあ……」
「か、浣腸もいや! いやです! でも、こんな……自分からなんて……」
響子は目に涙を浮かべて坂本に懇願した。
「せめて……、せめてあなたからして……」
「俺から? 奥さんを押し倒して無理に犯せってこと?」
響子は目を堅く閉じて小さく頷いた。
ぽろりと涙が零れる。坂本は手を伸ばし、響子の腿を撫でながら言った。
「ふうん。つまり響子は……奥さんは、まだ五代に遠慮してるってわけか」
「……」
「自分からつながったりしたら、夫を完全に裏切ってしまう、と」
「……」
「いくら俺に犯されて気をやっても、それだけは出来ないってか」
「……そうです」
やはり人妻としての最後の一線というのはあるのだろう。
そういえば、まだキスも許さなかった。
坂本が無理に唇に吸い付くことはあったが、響子は決して咥内には入れなかった。
唇は好きなだけ吸われたし、弄ばされたものの、舌と口腔だけは、と思っているのだろう。
もうすっかり肉体は坂本の思うままになっているが、まだ精神的には崩壊していないのだ。
夫の裕作にして「気丈というより芯が強い」というだけあって、そういう面では強かなのかも知れない。
坂本は、浴室に持ち込んでいたバッグを手元に引き寄せた。
「そんなに五代を裏切りたくないか。やつが気になるのか」
「当たり前です。夫ですから」
「……」
「愛してます」
響子はきっぱりとそう言い切った。
その表情は僅かに赤面している。
特に人前では、あまりそうしたことは口にしない方だったが、今は別だ。
二人きりの時は互いにそう告げることはあったし、言うこと自体には抵抗はない。
だが、他人の前でこうもはっきり言ったのは初めてだった。
そう宣言してしまえば、もしや坂本も諦めるのではないか、という淡い期待もあった。
そんな響子の小さな望みも、坂本の発言で潰されてしまった。
「愛してる……か」
「……」
「夫を裏切れない……か」
「……」
「もし五代のやつが、あんたを裏切ってるとしたらどうだ?」
「え……?」
思わせぶりな言葉に、響子は坂本を跨いだまま見つめた。
「ど、どういうことですか」
「だからさ、五代が浮気してたらってことだよ」
「そんなことありません」
これも響子はきっぱりと否定した。
夫をこう言っては何だが、そうモテる方だとは思わない。
外見は並だから、まったくダメということはない。
だから、響子と結婚する前には、何人かの女性が周囲にいたことはある。
響子も仲を疑った七尾こずえとか、やたらアプローチをかけてきた八神いぶきなどである。
逆に言えばそれくらいで、危うくホテルへ行きかけた白石衿子などは、仮に関係していてもつき合っていたか
どうかは疑問である。
そもそも裕作の方が響子にベタ惚れだったわけだし、まさか二股かける度胸があるとも思えない。
浮気も同様である。
少なくとも響子は、裕作が不倫する可能性など考えたこともなかった。
坂本が響子を見上げて言う。
「ほう、自信たっぷりだなあ」
「私は夫を信じていますから」「
「ところが五代のやつは、他の女と関係してる」
「ウソです。あの人はあなたとは違います」
「はは、そりゃきついな」
強烈な皮肉を軽く受け流し、坂本はバッグから写真を撮りだして見せた。
響子は顔を背けた。どうせまた響子が坂本に犯されているシーンなのだ。
それで脅すのだろう。
「見たくありません」
「ん? なんか勘違いしてない? これ、奥さんじゃないよ」
「え?」
「ほら」
「……あっ!」
確かに自分ではなかった。
夫の裕作である。
バストショットというのか、胸の辺りから上だけの写真だ。
どうということはない。
気になるのは、写真で見る限り上半身裸だったことと、裕作の表情が虚ろだったことだ。
酔っている時の顔に似ている。
「こ、これが何か」
響子は気丈にもそう言ったが、次に見せられた写真には言葉を失ってしまった。
裸と思われる夫の上に、これも裸の若い女性が乗っていたのである。
何をしているのかは一目瞭然だった。
絶句している響子に、坂本が次々と新たな写真を渡していく。
仕舞いには、響子はそれを奪い取って食い入るように見ていた。
「これは……」
重なった男女を横から撮影したものもあった。
上に乗った女性の顔はフレームアウトして写っていなかったが、ベッドに寝そべっている裕作の表情はハッキリと
わかる。
よく見ると、裕作の性器が女性の股間に刺さっているのも見えた。
響子が見た写真の全部が、裕作が下で、いわゆる騎乗位だったのは気になるが、セックスシーンであることは
間違いなかった。
あろうことか、女が裕作の頭を抱えてキスしている一枚まであった。
「そんな……」
響子の手からばらばらと写真が落ちていく。
あまりの衝撃に考えがまとまらない。
いったいあの人に何があったのか、どうしてこんなことになってしまったのか。
それより相手の女は誰なのだろう。
浮気はこの一度きりなのだろうか?
千々に乱れる響子の胸の内を知っているかのように坂本が言う。
「な? 本当だろ?」
「不器用そうに見えて、やつもあれで男だからな。こういうこともあるんだよ」
「ど、どこで……これをどこで? お相手は誰なんですか? まだこの人と主人は……」
「それを聞くのは野暮ってもんだよ、奥さん」
「……」
「ひとつだけ教えとくと、五代とその女の関係はまだ続いてるよ」
「そんな……、ウソ……」
「ウソじゃないさ。何なら、他の日に写したらしいものあるぜ。見るかい?」
「いやっっ! 見たく……見たくありません!」
響子はそう叫んだまま顔を手で覆い、しくしくと泣き始めた。
「どうして……、どうしてこんな……、ああ、あなた……裕作さん……」
「なあ、奥さん」
「ああ……」
「奥さんさ、ここんとこ、五代と寝た?」
「は……?」
唐突な問いに、響子は顔から手を離した。
「……俺とセックスするようになってから五代とセックスしたのかって聞いてるの」
「それは……」
してなかった。
坂本に犯されて以来、夫との行為はなかった。
夫の裕作自身、響子も心配するほどに元気がなかったから、彼女の身体に手を伸ばすようなことはなかったため、
余計にそうなっている。
仮に裕作が求めてきたらどうしようと響子は思っている。
裕作にだって性欲はあるだろうし、妻として拒否するわけにはいかない。
しかし、今の自分の穢れた身体を、愛する夫に捧げることは憚れる。
といって、今まで夫の求めを断ったことはなかったから、ことさら拒否すればおかしく思われるだろう。
結局、身を開くことになるのだろうが、夫への申し訳なさと背徳感でいたたまれなくなったに違いない。
「やってないんだろ」
「……」
「だからだよ」
「え……」
「さっきも言ったろ? あいつだって男だよ、そんなに長くセックスしないでいられるわけないだろう」
「……」
「まして奥さん、あんたみたいな美人がいつも側にいるのに、それを抱けてないんだから。もやもやして
当たり前だよ」
「……」
「ま、これからは抱かれてやんなよ。でないと、あいつ本当に今の女にのめり込むかも知れないぜ」
「ああ……、あなた……本当に……」
「その女とは、もう何度も関係してるみたいだからな。だけど、そんなに気にしてないみたいだぜ」
「気にして……ない?」
「ああ。別に浮気してることに罪悪感持ってないみたいだな」
坂本は平然とウソをついた。
「まさか、あの人が……」
「本当だよ。あれはあれで愉しんでるんだろうな。だからさ、奥さん」
「あっ……」
坂本が半身を起こして響子を引き寄せた。
「俺たちも愉しめばいいんだよ。だいいちセックスは俺の方が旦那よりいいだろう?」
「私は……」
「いいよ、もう何も言わなくて。それより続きだ」
「……」
「か……浣腸は……」
「ん?」
「わ、私から……その、すれば、浣腸はやめてくれるんですね……」
「そうだな」
「……」
坂本がまた仰向けに寝そべったのを合図に、響子が再び男のペニスを手にした。
太い。
充実した手応えがある。
比べてはいけないと思うのに、つい裕作のものを思い浮かべてしまう。
明らかに夫のものよりは大きく、太かった。
「ああ……、あなた……。わ、私は……」
響子の腰が震えながら坂本の膝の上に乗っていく。
長大な肉棒が媚肉に当たり、割れ目に食い込んでくる。
響子は目を堅く瞑った。
握りしめた手が小さく震えていた。
「あ……」
太いものがめり込むように入ってくる。
しかも今度は自分から跨っているのだ。
少し腰を落としては、脅えて腰が浮き上がる。
そんなことを何度も繰り返していると、さすがに坂本も焦れたのか、響子の腰を抱え込んできた。
「焦れったいな、さっさと入れろって!」
「ああっ!」
ぐぐっと抱え込まれるのを感じて、慌てて立ち上がろうとした響子だったが、男の手が腰骨をがっしりと抱えている。
逃げるどころか、思い切りぺたんと尻餅をつかされてしまった。
硬くなった怒張が、一気に人妻の膣奥まで突き刺さった。
「あ、ああ……」
「よしよし、深くまで入ったな」
坂本がそう言って、ゆっくりと腰を動かし始めた。
両手で抱えた響子の尻を抱き寄せ、同時に自分の腰を押しつけていく。
響子は呻きながら、薄目を開けて坂本を見た。
「あっ、あ……あ、取って……取ってください……あっ」
「取る? 何を」
「な、何って……お、お尻のものを……ああ、お尻に入ってるのを早く……いっ……」
響子は、首が据わらずに顔をぐらぐらさせながら腰を捩らせている。
腰が動くと、膣内のペニスと直腸に入ったノズルが粘膜を隔ててぶつかりあい、びりびりズキズキとした疼きを
伝えてくる。
ノズルと肉棒が擦れ合うたびに響子の腰が跳ね、それを面白がった坂本がわざと中でぶつかるように腰を使ってきた。
「ああっ、いやっ……は、早くっ……あ、あう、お尻のを……ああっ……」
「くく、この程度で尻が気になるようじゃ、これからまいっちまうぜ」
「ああっ!? いやああっ!」
坂本は栓を捻り、注入を再開した。
チューブの尾を生やした人妻の豊満な臀部が跳ねる。
響子を泣かせた薬液が、再び腸内に注ぎ込まれる。
「やっ! やっ、こんな……や、約束です、外してっ……ひぃっ!」
「そんな約束、簡単に信じるなよ。甘いんだな、奥さんは」
「ひ、ひどいっ……あ、あむう……やっ……あ、あ、入れないで!」
「い、いや……ああ、入れないで!」
息をするのも苦しそうに、響子は美貌を歪ませて呻いた。
次々に流入されるグリセリンがびりびりと染みるように腸壁に染みこみ、お腹全体が灼けていく。
流入を食い止めようと括約筋を締め付けると、前に入った坂本のものを思い切り食い締めることとなり、その
太さと硬さにくらくらしてくる。
坂本がぐいぐいと突き上げてくると、腰骨が軋んだ。
膣というより胎内全部がこねくりまわされるかのようだ。
響子は、込み上げる悲鳴と喘ぎを堪えようと唇を噛みしめるが、すぐにまた口が開き、甲高い声が漏れ出た。
「いやあっ……ひっ……やめて、もうっ……ああっ……」
前を犯されながら、アヌスには浣腸責め。
発狂しそうな責めを受けているというのに、響子は頭の中がカッカと熱くなってきた。
坂本に突かれる子宮が疼き、どくどくと入ってくる浣腸液で肛門と腸内が痺れてくる。
苦痛でしかなかったその感覚の奥から、じわじわと別の感覚も込み上げてきた。
苦痛と快楽、苦悶と悦楽が入り交じり、聡明な人妻を悩乱させていった。
「あ、あ……こ、こんな……こんなことって……あああ……」
坂本が懊悩する響子の腰を持ち上げ、何度も自分の腰に叩きつける。
官能の奥を貫き、子宮を小突き上げてくる肉棒のたくましさに、慎ましい人妻も喘ぐ声を止められなくなる。
その女体からは、浣腸の苦悶と便意の苦痛を堪える冷や汗に代わって、疼く肉欲と耐え難い快楽の脂汗が滲み
出てきた。
全身をほのかに赤く染め、室内灯が汗の浮き出たぬらぬらした肢体を妖しく照らしている。
膣や子宮とともに、頭や心までとろけてくるのを感じた。
「あああ、いや……あうう……」
辛うじて言葉だけは抗っているものの、肉体はもう男のものを欲して止まない。
(ああ……ああ、もう……だめになる……わ、私……だめになってしまう……あなたあ……)
灼け爛れるような快美が、人妻の悲痛な心の声を飲み込んでいく。
男は響子の媚肉を突き上げ、同時にチューブからの浣腸も緩める気はない。
官能の甘美な悦楽と、浣腸と便意のおぞましさが入り交じった暗い快感に響子は酔い始めていた。
深く深く子宮まで抉ってくる凄さに、挿入されているペニスの長大さを思い知らされる。
(ああ……あ、あの人と全然違う……こ、こんな深くまで……ううっ……)
坂本は響子を腿に乗せたまま、弾むように腰を突き上げていた。
腰を抱えていた腕を離し、突き上げるたびに大きく揺れ動く乳房を鷲掴みにして揉みしだく。
「ああっ……!」
乳房と乳首からも襲ってくる痺れるような快感に、響子は坂本に腰を擦りつけるようにして喘いだ。
今日は初めての乳房への愛撫だったが、いくらも揉まないうちに乳房がしこってきた。
たぷたぷと揉み込まれるうちに、乳首もすぐに乳輪から飛び出し、硬く勃起してくる。
その乳首を指で捏ねられ、あるいは唇と歯で噛まれると、響子は首が折れそうなほどに反り返って喘ぐ。
「ひぅっ! くっ……ああっ……」
「気持ち良いんだろ? 「いい」って言えよ、奥さん」
「い、いやっ……そ、そんなこと、あっ……言えませんっ……ああっ」
「くく、「気持ち良くなんかありません」とは言わなくなったな、奥さん。気持ち良いけど、口には出来ないって
ところか。え、響子?」
「ああ……違う……違います……私は……ああっ……」
下半身と上半身の急所から同時に責められ、美人妻は大きく口を開けて喘いでいる。
もう口を閉じる余裕もないのか、唾液を飲み込むことも出来ず、唇の端からたらりと透明な唾液が垂れてきた。
すかさず坂本がそれに吸い付き、響子の甘い唾液を舐め取った。
まだ口の閉じられない響子の顎を掴むと、その唇を吸った。
「んむっ……!」
一瞬、驚いたような顔をした響子だったが、もう抗いようがないらしい。
坂本は左手で響子の顎を摘んで自分の顔に向け、右手ではまだ乳房を激しく揉んでいる。
もちろん腰を突き上げることもやめていない。
口にまで神経が回らないのだ。
その口を吸われた。
「ん、んちゅっ……んんん〜〜っ……!」
それでも顔を振りたくろうとするのだが、男の手ががっしりと顎を掴んで離してくれない。
男の指が頬の上から上下の歯の間に入り込み、口を閉じることを妨げている。
坂本は響子の唇を存分に吸ってから、遠慮なく舌をその咥内に入れた。
「んむ……むむう……んっ……んじゅっ……んっ、んむ……んんんっ……!」
坂本の舌が響子の咥内を激しく犯す。
上顎の粘膜を擦り、歯を舐め、歯茎をこそぐ。
その行為に気色悪さを感じたのは一瞬だけで、あとはもう舌の蹂躙を許していた。
というより、防ぎようがなかったのだ。
夫以外の口づけに寒気がして、握りしめた拳が震えていたのは僅かだった。
堅くなった肢体が緩み、閉じた瞼も緩んでくる。
「んあっ……はあ……はあ……はあ……あ、もう……んむうっ!」
息継ぎで一度唇を離した坂本は、またすぐに響子の口を吸った。
もう、なよなよと顔を振ったりもせず、響子は坂本の舌を迎え入れた。
脅えて震えている舌もたやすく絡め取られて強く吸われる。
「んんんうっ……んむ……んちゅ……むむう……んっ……んっ……んうっ……!」
強烈な口づけに頭の中が白く灼けてくる。
貪るように響子の口を吸っていた坂本の唇が離れると、もはや隠そうともせずに響子がよがり出した。
「あ、あう……いっ……ああっ……」
響子の腰がもじもじと蠢きだしている。
さらなる快感を肉体は求めているのだが、自分から快楽を求めて動くのは恥ずかしいらしい。
そんな人妻を追い込むべく、坂本は響子の尻に手を回してノズルと摘むと、それを抜き差しし始めた。
「あっ、やはあっ! くっ……やっ、お尻っ……ああっ……あくっ……」
チューブがぐぐっと響子のアヌスに潜り込みながら、浣腸液を腸内に注ぎ込む。
チューブにへばりついた粘膜がめくれ込んで肛門内に入り込み、坂本がそれを抜くと今度はめくれ上がってくる。
アヌスを抉られる感覚に、響子は声を一層に高ぶらせて大きく喘いだ。
「ああっ、いやあっ……そ、それ動かさないで! ひっ……ああっ……あ、ああ……」
「何を言ってるんだ、気持ち良いんだろうに。こうやって尻を嬲られながらオマンコ抉られるのが」
「い、いや……あう……」
坂本は、喘ぐ響子の口に再び吸い付くと、片手でその腰を抱え込んだ。
右手は相変わらずチューブを摘んで、響子の肛門へ挿入し続けている。
口を吸われ、媚肉を深く貫かれながら肛門まで弄ばされ、響子はもう堪えきれないところまできていた。
盛んに抉り込んでくる坂本の肉棒に膣襞が妖しく絡みつき、ひくひくと収縮を繰り返している。
「んっ、んむっ……ぷあっ……あ、あっ……だめっ、もうっ……!」
振りほどくように坂本の唇から逃げ、切羽詰まった声を上げる。
その腰にぐぐっと力が入ったかと思うと、坂本の脚を跨いだ太腿がびくっと引き攣った。
両手の拳に爪を立て、ぐぐっと大きく伸び上がる。
「あ、もうっ……だめ、だめっ……ひっ……んひぃっ……!」
甲高いよがり声を上げながら、響子の全身がぶるるっと大きく痙攣した。
膣とアヌスも同時に締まり、前に押し込まれた坂本の男根と後ろに突き入れられたチューブを思い切り締め付ける。
足の指をぐぐっと握りしめると、坂本の腿の上で響子の尻がぶるるっと大きく震えた。
「くっ!」
その甘美かつ強烈な締め付けに思わず射精しそうになった坂本は、歯を食いしばってその収縮に耐えた。
腰を息ませながら、響子の腰を両手でぐぐっと抱きしめている。
響子の痙攣と収縮が収まると、ホッとしたようにその美貌を覗いた。
汗と湯気で額にへばりついた黒く美しい髪が、ぞくぞくするほどに蠱惑的だ。
その髪を脇に寄せながら坂本が言う。
「いったな、奥さん」
「ああ……」
「あれだけよがって、こんなに派手にいっちまったら、もう「いってない」なんて言い訳は通用しないぜ」
「わ……私は……」
響子は喘ぎ、荒く息を吐きながら、がっくりと坂本の肩に顔を埋めていた。
甘えているのではなく、力が入らないだけだ。
しかし男は前者と受け取って響子の顔を起こすと、またその唇を激しく吸った。
「ん……んむ……」
もうほとんど抵抗はなく、響子はされるがままだった。
だが、またしてもアヌスに入り込んでいたチューブを抜き差しされ始めると、活が入ったようにその裸身がうねる。
「ひっ……、いや、もういや……やめて……ああっ、お尻はっ……」
どくどくとグリセリンの注入は止まることなく続いている。
もう腸内にはだいぶ浣腸液が流入している。
500ccは遥かに超えているはずだ。
坂本がぐいぐいと腰を押し込み、深く突き上げてくると、響子は呻き声を上げた。
「あ、うむっ……ううっ……」
そうでなくとも便意が限界に迫っている。
さっきは、膣を犯される快感が強すぎて一時的にその苦痛を忘れていたが、それが終わればまた便意が蘇ってくる。
ずっと入れられているだけあって、さっきよりも便意が高まってきた。
加えて、坂本が突き上げてくると、その衝撃と振動がビンビンと下腹部に響き、便意が強まる。
排泄したくとも、次々に流入してくる溶液がそれを拒んでいた。
「あ、もう……さ、坂本さんっ……だめです……あ、あ……」
「なんだ、もういくのかい」
「ち、違います……ああ、もうだめなんです……あっ……」
「……そうか、ウンチしたいのか、響子」
その言葉に頬をカッと赤くした響子だったが、素直に小さく頷いた。
ちょっと顔を動かしただけでも便意が刺激され、思わず駆け下りそうになるのを必死に堪えている。
その我慢して苦悶している響子の美貌が、坂本をもっとエレクトさせていく。
「出したいか?」
「だ、出したい……ああ……」
死ぬ思いで恥ずかしい言葉を口にしながらも、響子の尻の震えが止まらない。
坂本には見えないが、今、響子のアヌスはチューブをくわえたままひくついているのだろう。
排泄したくてぐぐっと盛り上がり、慌てて窄まる様子が目に見えるようだった。
「だ、だめ、出る……が、我慢できないっ……」
「いいだろう。俺をセックスしながらウンチさせてやる」
「ああ、もう何でもいいから……は、早く……出る、出ちゃいます……」
坂本は響子の尻を抱え込み、揺さぶりながら、肛門に刺さったチューブを手にした。
突き込みに身体を弾ませ、喘ぎながらも顔から血の気が引いていく。
よがり声が苦悶する呻き声に変わっていった。
「は、早く……出る、出てしまう……」
「よし、出していいぞ。ここならそのままぶちまけてもいい」
「やっ、そんな……お、おトイレっ……!」
そう叫んだ響子だったが、坂本がずるっとチューブを引き抜くと、もう耐えきれなかった。
「ああっ、出るっ……!」
ノズルが引き抜かれた瞬間、響子のそこからしゃああっと黄色がかった透明な液体が噴き出した。
もう便はないようだ。
腸液に混じったグリセリン液がそのまま出てきているらしい。
噴き出したのを知って、羞恥で一瞬アヌスを引き締めたものの、またそこがぐうっと膨らんで、我慢しきれない便意が噴出する。
「あああ……」
響子は、ビリビリとアヌスが痺れるのを感じながら排泄した。
顔を上に向け、傍目には喘いでいるようにすら見えた。
口を開けたアヌスから溶液を噴き出す様子は妖美なほどだった。
恥ずかしいのか、発作が治まるとまた身体を堅くして堪えようとしているようだが、生理現象は我慢しようもなく、
また排泄が始まる。
ぷしゃああっと噴き出す時には、ぐぐっと腰を息ませている。
坂本は軽く腰を突き上げながら、そんな響子の色っぽい姿に見入っていた。
自分に跨り、膣がペニスとつながりながら、羞恥に染まりながらアヌスから浣腸液を噴き出す様子は何とも言えない
色香があった。
「まだ出るのかい、奥さん」
「ああ……ま、まだ……ううんっ……」
響子は腰を捩りながら、後から後から排泄を続けていた。
上を向いた響子の口は開きっぱなしで、その唇の端からはまた涎が垂れてきている。
ようやく排泄が終わると、響子はまた坂本の胸に顔を預けた。
坂本は響子の汗の匂いを嗅ぎながら、右手の指でそのアヌスをまさぐっている。
そこはまだぽっかりと口を開けていて、中のものを排出しようと喘いでいた。
「あ……あ……」
まだひりひりと染みるように痛んでいる肛門の縁に坂本の指を感じて、響子が仰け反った。
小さく口を開けたアヌスの中に指が入り、そこを拡げるように回転していく。
「ああ、もう……お尻は許して……あああ……」
「許すわけないだろうに。ほら、またしてやるからな」
「ああっ!」
響子がぐぐっと仰け反る。
坂本が、またしてもノズルを響子のアヌスに挿入したのだ。
グリセリンが再び響子の腸内に流れ込んでいく。
しかも、さっきよりも注入する勢いが強まっている。
グリセリンが勢いよく腸壁に当たる感覚に、響子は悲鳴を上げた。
「ひっ! もういやっ、浣腸はいやあ!」
「何言ってやがる。浣腸されながら犯されて気をやっただろうに」
「そんな……あ、あう……」
「ほら見ろ、またそんな色っぽい声出しやがって。奥さんはな、旦那がいるのに他の男に嬲られて、尻まで自由に
させていっちまうような淫らな女なんだよ」
「ち、違……ああっ……!」
夫への背徳、他人に恥辱の姿を晒す羞恥、そして得も知れぬ強烈な快楽。
響子の心が三つに引き裂かれていく。
虚ろになりかかる人妻の意識を、腹の中で暴れ回るグリセリンとアヌスを擦るチューブの感覚が呼び覚ましていく。
膣を抉る肉棒と、早くも催してきた便意に、響子は堪らずに首を振りたくった。
喘ぎ声と悲鳴が交互に口を割り、腰や腿をうねらせている。
「あ、あうっ、深いっ……あ、そんな深くまで入れちゃ……ああっ、お腹の奥に当たりますっ……」
坂本がチューブをさらにねじ込んでやると、響子はつんざくような悲鳴を上げた。
もう30センチ近くも入り、ノズルの先が腸壁にぶつかる苦痛で響子が身悶える。
「あ、あ……もう入れちゃだめっ……ああ、まだ入ってくるっ……!」
どくどくと流れ込む浣腸液に、響子は身を震わせ呻いた。
さっきよりもずっと深いところで注入され、腸の隅々まで犯されるかのようだ。
「だ、だめっ、あんまり動かないで! お腹が苦しいっ……ああ、もうっ……!」
泣き叫んでいるというのに、響子の媚肉や濡れそぼち、その胎内はどろどろに熱くとろけている。
坂本のペニスにしゃぶりつき、さらに奥へといざなっていた。
続々と注入されるグリセリンに脅えてアヌスを引き締めるが、そうすることで坂本の肉棒をいやでも意識させられる。
チューブをくわえ込んだアヌスも脅えたようにひくついているが、その感触に慣れつつあるようだ。
「奥さんの身体、本当にすげえぜ。へへ、この分じゃ両穴責めも出来そうだな」
「あ、あう、あううっ……いっ……あああ、変になるうっ……!」
もはや坂本の言葉にも反応できず、響子は未知の快楽に身を委ねていた。
今度は坂本の方も達しそうになっている。
その甘美な媚肉の締め付けに加え、悶えよがる響子の美貌があまりにも刺激的だった。
歯を食いしばって人妻の子宮まで突き上げ、奥を抉る。
「ひっ、深すぎるっ……坂本さん、だめっ……あ、深いっ……」
「どっちがだ? マンコと尻の穴とどっちが深すぎるんだ?」
「あ、あ……ど、どっちも……前も後ろも深すぎます……ああっ……」
「でも、それがいいんだろう?」
「ああっ……!」
坂本が腰を揺すり続けると、肉棒の動きを食い止めようとするかのように響子の膣が締まる。
男と女の股間がぶつかり合う肉の音と、粘液のぐちゅぐちゅする音が浴室に反響していた。
「あっ、あっ……き、きついっ……お腹、きつい、苦しいっ……やっ、動かないでっ……ひっ……ああっ……」
響子は苦しそうに呻いているのに、その膣はきゅうきゅうと締まっている。
それを引き剥がすようにして坂本がなおも深く抉ってきた。
腰を深く打ち込み、ペニスの太いサオで盛んに響子の膣襞を擦り上げる。
「やっ、あううっ……あ、出る……もう出そうっ……ああっ、いっ、いいっ……」
「やっと「いい」と言ったな、響子。それでいいんだ」
「で、出るっ……もう我慢できないっ……」
「もう少し我慢しろ。奥さんはいきながらウンチするんだ」
「いやっ……いっ……あああ、いい……くっ……ど、どうしてこんな……いいっ……」
響子はもう自分から腰を振り始めていた。
大きなヒップを坂本の腿に押しつけるようにして捩っている。
もう腸内はパンパンになるくらいにグリセリンが入っているらしく、坂本がぐいぐいと肉棒を膣に押し込むと、
肛門がそれに併せてぐっ、ぐっと膨らんできた。
響子の腹の容積がもう限界なのだ。
それほどなのに、響子は苦しみながらも、喘ぎ、よがっている。
あまりの苦痛に脳内麻薬が過剰に分泌されているせいもあるだろうが、「苦しいのが気持ち良い」と思い始めて
いるのかも知れなかった。
まるで口でしゃぶって舌でなめしゃぶるかのように、響子の膣とその襞が男根に絡みつき、絞り上げてくる。
坂本は、腰の灼熱感とともに込み上げてくる射精感を感じていた。
「よ、よし……俺ももう限界だ、出すぞ、奥さん」
「やっ……! だ、出しちゃ……ああっ」
「そうは言っても奥さんの締め付けがきつすぎて我慢できないよ。中でいいよな?」
「だ、だめっ! ああ、中は……くうっ……」
「いや、だめだ。俺は奥さんの……響子の子宮の奥にたっぷり出してやる。奥さんは孕ませるんだ」
「やああっ、だめっ! ああ、それは……それだけは許して……あっ、ど、どこにかけてもいいから……か、顔でも
いい……ああっ」
「そこまで嫌がられちゃ、意地でも中に出してやる。いちばん奥でな」
「ひっ、いやああっ……ああ、いいっ……くっ、すごっ……いいいっ……」
熱くとろけきって、どろどろになった媚肉をかき回し、坂本は亀頭で響子の子宮をガンガンと突き上げていく。
響子の脚の指がぐぐっと屈まったり開いたりを繰り返している。
もう、いきたくていきたくて仕方がないのだろう。
「いいっ! ああ、もうだめ……く、来るっ……来ます、すごいっ……ひっ、い、いきそうっ……!」
ビンビンに硬く熱く張り詰めた肉棒は、響子の艶美なよがり声でもって、さらに煽られていく。
亀頭を中心にぐぐっとさらに一回り太くなり、びくびくと痙攣してきた。
「あ、いく……いきそうなんですっ……ひっ……あ、で、出るっ……お尻からも出ちゃいそうっ……ああ、でもいく……い、いきますっっ!」
「くおっ!」
坂本は喉の奥で一声吠えると、両手で響子の腰をぐぐっと抱き寄せ、自分の股間と一部の隙間もなく密着させた。
亀頭のもっとも敏感なところが人妻の子宮口に食い込んだのを確認すると、そこで一気に暴発した。
どっ、どぴゅぴゅっ、びゅるるっ。
びゅぶるるっ、びゅくくっ。
びゅるっ、びゅるんっ。
「んあああっ、で、出てるっ! あ、中に出されてるっ……ひっ、いいっ……!」
響子は何度も自分から腰を振り、坂本の腰に身体をぶつけていった。
媚肉もそれに呼応して男根をくわえ込み、きゅうきゅうと絞り上げるように収縮する。
美貌の人妻は、禁断の精液を子宮口にしっかりと感じ取りながら、その裸身をびくびくと震わせて喘いだ。
「で、出てる、まだ出てる……あ、熱い……奥に……奥にひっかかってる……いい……」
坂本は、射精のたびに腰を押しつけ、全部出し切るまで響子の股間に密着していた。
同時に響子の肛門からノズルを一気に引き抜く。
「ひぃ!」
腸の粘膜を引きずり出しながらノズルが抜かれると、響子はぶるるっと大きく痙攣した。
抜かれると同時に、堪えきれない便意が一気に噴き出してくる。
ぷしゃああっと激しい勢いで溶液が逆流し、タイルを叩いていく。
響子の尻がぶるっと震えながら排泄を繰り返し、その間にも膣には坂本の精液を受け止めさせられていた。
「あ……あ……、もう……」
響子はそうつぶやくと、ぶるるっと大きく痙攣してから、ぐったりと坂本に倒れかかってきた。
半開きになった唇からは透明な唾液がたらりと垂れている。
失神したも関わらず、人妻のアヌスからは、あとからあとからグリセリン液が噴き出していた。
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一戦終えたばかりなのか、物憂い表情のまま若い女が言った。
「……そっちはどう?」
「……。雰囲気ねえな、今聞くことか?」
「もともとそれが目的だったんだもん。どうなのよ」
女のツンケンした態度に辟易したのか、男はそっぽを向いて答えた。
「まあまあってとこだな。ま、あの奥さん、良い意味で全然スレてねえからな、楽だったよ」
「あんたは百戦錬磨なんでしょうしね。こっちも順調かな」
「スレてねえって意味じゃ女房以上だろうしな」
「まあね。でも、何かっていうと奥さんの名前出したりして、鬱陶しいったらないわ」
「そりゃこっちも同じだよ。愛し合ってんじゃねえの?」
「ふん」
女は面白くなさそうな顔で吐き捨てた。
「あたしの愛情の方が強いわよ。あの女に後れを取ったのは、ただ単に知り合う時期が遅かっただけなんだから」
「そうかね」
「何よ」
「何でもねえさ。あ、そうそう、手当の方は今月末までに振り込んでくれよ」
男はそう言って立ち上がり、浴室へ向かった。
女はその後ろ姿に毒づいた。
「何よ、あんただって愉しんでるくせに。あたしのことを「愛してる」って言ったのは何だったのよ」
男は一瞬だけ足を止めたが、何も聞こえなかったように引き戸を開けた。
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