男たちの手慣れた動きで、響子はあっというまに磔になっていた。
客に背中を向けている。
尻を突き出すような恥ずかしいポーズだ。
その姿勢のまま、手首足首を固定された。

観客席から思わずため息のような声が洩れる。
見事な尻だった。
臀部という音の響きに相応しい、豊満な尻たぶだった。
夜に昼に男の精液を浴び続け、男性ホルモンを大量に取り込んだせいか、もともと豊かな乳房
も臀部も、ますます豊潤になってきたようだ。
しっとりとした人妻らしい皮膚感覚の他、艶々と張りまで出てきたように見える。
その男心を揺さぶって止まない尻を惜しげもなく晒していた。

「ああ……は、恥ずかしい……」

それを聞きつけた司会の男が耳元で言った。

「いい加減に慣れろよ、奥さん。そろそろこうして見られることがよくなってきてるだろ?」
「ああ、いやです……こんなの恥ずかし過ぎますっ……」
「これからもっと恥ずかしいことをされるんだ。このくらいでびびってちゃ身が保たないぜ」
「ひどい……百瀬さん……」

マスクの男は百瀬だった。
低い声で嗤う百瀬を、響子は怨みがましい目で見ていたが、やがて諦めたようにおとなしく
なった。
どうあってもこの男は、響子を思うままにしないと気が済まないのだ。

「あっ……」

ガクリと項垂れた響子は、秘められた穴にゾクリとする刺激を感じて小さく叫んだ。
尻たぶを割られ、その奥の肛門を指でさすられたのだ。
すぐに嫌悪の反応を示してきゅっとアナルが締まる。
だがそれも百瀬の指戯にほぐされていく。
これまでの調教で、すっかり肛門も感じる穴にさせられているのだ。
念入りの愛撫に耐えられるものではない。

「あ、あう……あうう……あ、は……」

5分もしないうちに響子の口からは、甘ったるい媚声が洩れだしてくる。
その様子をカメラの冷たいレンズが冷静に追っていた。
カメラを通して、客席の小型モニタには、人妻の慎ましいアヌスがたちまち熱くほぐれて淫靡
さを増してくるのがはっきりと映っていた。
見物客たちは、舞台での生々しい響子の身悶えと、モニタにクローズアップされているアヌス
の蠢きと、そのどちらからも目を離せなくなっている。

助手の男も響子の乳房を粘っこく揉み上げているが、彼女の意識はもう肛門に集中していた。
媚肉も肛門の愛撫に反応し、恥毛を蜜にまみれさせている。
もう肛虐の快感に浸り始めた響子を見てニッと笑みを浮かべた百瀬は、ポケットから何かを取り
出した。
そしてそれを響子のアヌスに押し当てた。
客のひとりがそれに気づく。

「なんや、あれ?」

司会者が手にしていたのは、なにやら細い紐のようだった。
くすんだような赤だ。
何だかわからないうちに、男はそれを響子の尻に押し込み始める。
入れられた響子も、すぐにその異様な感覚に気づいたようだ。

「ああ……な、なにを……」
「あんまり気にするな。奥さんを愉しませるものだよ」
「……」

響子は歯を食いしばった。
つまりそれは彼女をまた性の地獄へ叩き落とすためのものに決まっているのだ。
悪魔のアイテムを死ぬ思いで受け入れねばならない境遇に、響子は涙を流した。

「ああ……やあ……入れない、で……」

百瀬は人差し指でそれをどんどんと響子の腸内に詰め込んでいく。
平たくて、幅も5ミリほどのものだから、そう違和感はない。
だが、そんなものを入れるだけでおしまいのわけがない。
この男の異常な加虐性を、彼女はいやというほど知っていた。

満足するまで入れたのか、百瀬は指を抜いた。
響子の肛門からは1センチほど先が出ていて、それが垂れ下がっている。
びらびらしていてゴム製のようだ。
客も響子も、これから何が起こるのか予想がつかなかった。
男どもは期待で、女は恐怖で満たされていく。

「ひっ……そ、それっ……」

響子は、舞台の幕から助手がやってくるのを見て戦慄した。
男がワゴンに乗せて持ってきたのは浣腸器だったのだ。
それも大きい。
よく見るとまともな注射器ではなく一升瓶のようだ。
視覚的な効果も狙っているのだろう。
百瀬は響子の尻を撫でながら言った。

「好きなだけあってよくわかるな。そうさ、奥さんの大好きな浣腸だよ」
「いっ、いや……百瀬さんっ、か、浣腸は……浣腸だけはやめて……」

ただでさえ、いやでいやで仕方のない責めなのに、それをこんな大勢の男たちの前で受ければ
ならないなんて信じられなかった。
響子は唇を真っ青にして声を震わせた。

「お願い……お願いです、百瀬さん……み、見られながら浣腸なんて……恥ずかし過ぎますっ
……」
「だめだ。今日は奥さんの尻責めを見せる日なんだからな」
「お願いっ……ああ、どんなことでもしますから、それだけは……」
「もちろんどんなことでもしてもらうさ。だが浣腸はする」

冷たく言い放つと、百瀬はワゴンの浣腸セットに手をやった。
一升瓶は設置されて動かないようである。
あんな重いものを持ち上げて浣腸など出来ないからだろう。
瓶口には栓がされていて、その先にはゴムチューブが伸びている。
さらにその先端にはノズルがあった。
凝ったものを作ったものだ。
百瀬はそのノズルを響子の尻に持っていく。

「あ……あ……」

冷たいノズルの感覚を覚悟していた響子は戸惑った。
いつもと感触が違うのだ。
百瀬は響子の尻穴から僅かに出ていたゴムの中にノズルを突っ込んだのである。
訳が分からないうちに注入が始まった。

「あっ……ああっ!?」

異様な感覚だった。
冷たい薬液が注入されていくと、腸の中がもぞもぞと蠢き出したのだ。
響子の中に入れられたのはゴム風船だった。
細長い、いわゆるジェット風船である。
その中に浣腸し出したのだ。
液体が注がれていくと、中の風船が響子の腸内でもぞもぞと蠢き、膨らんでいく。

「な、なに、これ……あああ、お腹が……変……」

百瀬にしては持って回った責めだが、これも致し方なかった。
いかに買収しているとはいえ、ホテルの中で浣腸ショーなどやったら衛生的に大問題となろう。
保健所にバレでもしたらたちまち営業停止になる。
もちろん一般客の評価も落ち切ってしまうだろう。
百瀬としても、ここをショーの基点とする以上、あまり無茶なことは出来ない。
そこで思いついたのがこれなのだ。
浣腸の醍醐味を残しつつ、衛生的にも問題ない責め。
これなら排泄といっても、腸内に溜まったものを出すのではなく、風船の中に入っていた液体
を外に出すだけだから問題ないだろう。

「あ……あ……入って……入って、くるっ……あああ……」

グリセリンや酢の浣腸のように腸内に刺激があるわけではない。
ゴムが一枚、間にあるのだから当然だ。
その代わり、腸の中で得体の知れないものがぐうっと大きくなっていくのが感じられる。
むくり、むくりと膨れていく風船のゴムが、腸の内壁を刺激して、新たな快感を響子に与えて
いた。

「あ、あ、こんな……おかしい……あうう……」

苦痛や激しく便意を促すような刺激はなかった。
それでいて腸内はどんどんと膨れていく。
響子にはそれが、まるでアナルセックスをされ、中で射精を終えたペニスが再び大きくなって
きているように感じられた。
膨れていく風船が腸内粘膜を擦り、そのたびに人妻はぶるるっと腰を震わせた。

もう一升瓶のほとんどは注入されていた。
ここまでナマで浣腸されたら、一時も我慢できずに排泄してしまうだろうが、浣腸液の刺激が
ない分、響子は耐えることが出来ていた。
しかし、それも限界に近い。
響子の滑らかな腹部は、小さく盛り上がってすらいた。

「ああ、あああう……た、たまんない……」

もうよがり声を隠そうともしなかった。
響子は仰け反りっぱなしで喘いでいた。
人妻の息詰まるような凄絶な浣腸劇に、客たちは声もなく見入っていた。
浣腸液の刺激がないとはいえ、腸内が膨れていくのは同じだ。
響子は息苦しいほどの圧迫感と膨満感を得て、当然の生理的な苦痛が出てきていた。

「あ……百瀬さん……も、もう……もう……」
「なんだ、もう出るのか」
「あうう、は、はい……」
「そんなにしたけりゃしてもいいが、お客さんの前でひり出すのか?」
「そ、それだけは……」

響子はきゅっきゅっとアナルを引き締め、脂汗を流していた。さすがに、もう限界かと思った
百瀬は、残りを一気に注ぎ込んだ。

「あっはあああっっ!」

ドクドクっと注入され、響子はその刺激で達したようだった。
ガクンと身体を揺すらせ、がっくりと項垂れた。
だが、すぐに活が入ったようにビクンときた。
便意が高まっているのだ。

「はっ、あううう……く、苦しい……助けて……」
「ふふ、出したいか、響子」

人妻は虚ろな表情でうなずいた。
アナルはさきほどからひくひくと痙攣が止まらない。
ノズルを引き抜いたら、その場で出てしまうだろう。
ぐるるっ、ぐきゅうっと、腸内からは異音が響いてくる。
もう中は、響子の熱で暖まった浣腸液が渦巻いているだろう。
百瀬は響子の耳元で囁いた。

「さあ、いつでもしていいぞ」
「ああ……ここでは、いや……」
「ならずっと我慢しろ」
「い、いや……さ、させて……もう出てしまう……ああ、したい……」
「だからしろって。みんな見てくれるぞ」
「いやああ……ああ、でも……でも、もう出る……」

百瀬はノズルをずるっと引き抜いた。
響子の悲鳴とともに、激しい排泄が始まった。

「だめええっ、み、見ないでえっっっ!」

────────────

人妻の排泄が終わると、客席からほうっと大きなため息が洩れた。
それまで息を詰めて響子の排泄を観察していたのだろう。
最後の一滴が響子のアナルからこぼれ落ちるのを確認して、ようやく息をついたのだ。

「いやあ……えらいもんやな……。わいも浣腸ショーは随分見てきたが、この奥さんほどの美人
があんなに入れられて、しかも排泄までするのは初めてや……」

響子は声もなく、荒く呼吸を繰り返すだけだった。
ようやく気も狂いそうな圧迫感に解放され、お腹も引っ込んだ。
その安堵感とともに、死にそうな絶望感がこみ上げてくる。
絶対に見られてはならない禁断の屈辱シーンを、たくさんの男たちの目の前でいやというほど
演じてしまったのだ。

ふたりの男は、すっかり脱力した響子をまるで人形のように扱った。
ぐったりしたままの女体を拘束から解き、小さな台の上にうつぶせにした。
お腹の部分だけそこに乗り、手は前に引き延ばされている。
両脚は自由だったが、もはや動く気力もない。
響子の意識がはっきりしてきたのは、顔を濡れタオルで拭かれた時だ。
汗の浮いた顔を綺麗に拭き取られて、ようやく生き返った気がした。
その間には、汚れたアヌスも綺麗に拭き取られていたが、それにはまったく気づかなかった。
もっとも、肛門から出てきたのは、ゴム風船の中に入っていた液体だから、少しも濁っておらず、
また匂いもなかった。
これならホテルも文句は言わないだろう。

客たちは「おおっ」と感嘆したような声をあげた。
司会者──百瀬がスラックスを脱いだのである。
下着も捨てた股間からは、見事な肉茎が姿を見せた。
見るからに百戦錬磨、赤黒く膨れた亀頭も、サオの長さも太さも圧巻だ。
客席から、これから起こるであろう淫劇に期待するどよめきが起こった。

百瀬は響子の腰に手を回し、よく引き締まり、それでいてむっちりした臀部を抱え持つ。
男の腰の位置まで持ち上がった臀部をしばらく撫で回してから、百瀬はゆっくりとそこを開いた。
そこには、さきほどの浣腸ですっかり爛れたアヌスが控えめに鎮座していた。
自分のペニスを握った百瀬は、落ち着いてゆっくりとそこに沈めていく。

「う……ああっ……!?」

ハッとした響子は我に返った。まだズキズキしている肛門に、熱いものが押し当てられている。
もう何度となく味わっている感触だ。
百瀬がアヌスを犯そうとしているのだ。

「ぐっ、うううっ……だめ、痛い……あああ……太いぃぃ……」

もう幾度となく百瀬の巨根に肛門を犯され、しかも浣腸直後に挿入されることもしばしばだった
が、この感覚だけはたまらなかった。
激しい排泄で爛れきったアヌスの粘膜を引き延ばされるようにして、中に押し込まれる苦痛。
それに耐えようと上半身を揺するものの、それがかえって挿入を助けてしまう。
響子は乳房をゆさゆささせながら呻いた。

「うあああ……んんっ……かっ、はっ……」

ずぶずぶと奥まで入ってくるのが頭で感じられる。
いくら腰を揺すっても百瀬が抱えて離さない。
ついに根元まで入れられ、百瀬の腰が尻たぶにぺたんと当たると、響子は思わず仰け反った。

「ひあっ……」
「どうだ響子。アナルセックスはお馴染みだが、こうして客の前で犯られるのもいいもんだろう」
「う……やあ……ああ……」

ぺニスがすっかり響子の肛門内に収まると、そこで百瀬は一息ついた。
それを見て、助手がカメラを操作する。
天井カメラが響子と百瀬の接続部分をズームアップした。
極太のペニスを悦んで迎え入れるように、響子の腸粘膜は早くも絡みついてくる。
あの熱い感触に負けじと、百瀬は律動を開始した。
ただし、ゆっくりと。
根元まで押し込んだ肉棒をゆっくり時間を掛けて抜き出していく。
カリが抜ける寸前まで来ると、今度はこれもゆっくりと中へと沈め込む。
客の目を愉しませるために、百瀬はじっくりとピストンしていった。
客席からはため息が洩れる。

「よくもまあ、あの上品そうなアヌスに、あんなでかいのが入るもんだ……」
「まったくやな……。それでいて血も滲んでないわ。よっぽど柔軟性に富んどるんやろな」
「ですな。いやしかしすごい迫力ですなあ、でかいヒップに太いチンポが突き刺されてるっての
も……。私は初めて見るんですがね、アナルセックスってのは」
「わいは何度も見てるが、こんなに昂奮するのは初めてや。あの響子奥様の反応も素晴らしいわ」

モニタには、画面いっぱいに響子の豊満過ぎる臀部が映っている。
その真ん中に、割り開かれた尻たぶがあり、そこへ赤黒い肉の凶器が埋め込まれていた。
ぐうっと押し込まれると、肛門の襞まで巻き込んで内部へと沈んでいく。
引き抜かれると、ペニスに張り付いた腸粘膜がめくり出されてきた。
その淫靡極まる光景に、客は生唾を飲んで引き込まれていた。
気の早いものは、ズボンの上から自分のペニスをさすりだしてさえいる。
尻を犯される人妻の吐息が熱く艶っぽくなりつつあるのにも気づかず、観客は舞台の上で繰り広げ
られる熱い絡みに圧倒されていた。

「あ、ああ……あは……あんっ……んあああ……」

男根の侵入など許されない禁断の女穴を存分に犯され、響子は被虐の悦びに浸っていた。
その狭い穴は、集まった皺を拡げきって大きすぎるものを飲み込んでいた。
反応の早さに気をよくした百瀬は、そのまま背中に覆い被さって乳房も揉みたいところだが、
それは我慢した。
そんなことをしたら、挿入場面がカメラに入らない。

「ああう……あうう……」
「もう気持ちよくなってきたのか、響子」
「あああ……」

百瀬はゆっくりと腰を使いながら言った。
響子からの返事は熱い吐息のみだ。
男の陰毛が尻に当たるこそばゆさも、もはや感じない。
響子の知覚は、アヌスから押し寄せてくる圧倒的な威力を持った快感と、それに連動しているか
のように子宮からこみ上げてくる焦れたような熱い快感に囚われている。
もう身体は完全に肉棒を受け入れた。
無意識だろうとは思うが、響子の腸内粘膜は、突っ込まれたペニスを舐め回すように絡みつき、
肛門はきゅっきゅっときつく締め上げてくる。

30回ほどもゆっくりと律動し、執拗なほどに挿入シーンを見せつけた百瀬は、いよいよ本格
的に責め出す。
響子の背中に覆い被さって乳を揉み、首筋を舐め上げたのだ。
カメラはアヌスから揉みしだかれる響子の乳房や、肛交に喘ぐ美貌に向けられている。
百瀬は響子の腰を持ち上げると、速度を上げて打ち込み始めた。

「ああ、いやあっ……」

いやと叫んだものの、響子の腰まで打ち振られている。
一見、百瀬のピストンに突き動かされているようにも見えたが、よく観察してみると、男の腰に
合わせて自分から動いていたのだ。

「ああっ……あっ……いっ……くあっ……お、お尻ぃっ……お尻があっ……」

爛れたアヌスを犯される苦痛など吹っ飛んだ。
痛みを感じているはずのアヌスからも、中を引っかき回される腸からも、痺れるような愉悦しか
感じ取れない。
人前で肛門を犯されているという屈辱も消え失せていた。
百瀬は調子に乗ってだんだんと速度を上げていく。
もう滲んでいた腸液がしぶき、女と男の腰を濡らしていく。
打ち込むたびに、ぬちゃっ、ぬちゃっと淫らな粘音をたてた。

「あっ……ああっ……お、お尻っ……いいっ……」
「そうだ響子、もっと言え」
「いいっ……お尻がいいっ……あ、あくっ……ふ、太いのが……おっきいのが、奥まで来てるっ
……」

抜き差しされるごとにめくれ上がる、ピンク色の腸内粘膜がひどく扇情的だった。
大量浣腸され、排泄させられ、今またこうして激しく犯されているのがウソみたいな健康的な
色だ。

響子は口だけでなく全身で快楽を訴えていた。
揉まれる乳房は乳首がきゅーんと固く締まり、突き上げられる臀部はわななくように震えている。
媚肉すらもうっすらと口を開き、だらだらと淫蜜を洩らし始めていた。

「そんなに感じるのか、奥さん。尻を犯されて、しかもそれを見せ物にされてるってのに」
「やああ、見ないで……ひぃっ……ぐうっ、太いっ……ああ、そんな奥までっ……いいいいっっ
……」

やはり響子は見られていることで燃え上がっているようだった。
恥ずかしいことをされると感じるという呪わしい体質を恨む間もなく、百瀬に尻を抉り込まれる。
羞恥すら快楽に変え、人妻は喘ぎ続けた。

その響子をさらに追い込むべく、百瀬は腰を大きく速く使った。
腰を回転させながら抉り込み、張ったエラでゴリゴリと腸壁を削り取るようにして犯す。
響子は背を反らせ、揺れ動く乳房をきつく揉みしだかれながら喘いだ。

「ああっ、激しいっ……きついっ……あ、ああっ、お尻の中があっ……か、硬いのが抉ってるっ
……いいっ……」
「そんなにいいのか、響子。大声でよがりやがって、恥ずかしくないのか」
「ああ、恥ずかしい……恥ずかしいわ……ああっ、でっ、でもっ……くううっ、き、気持ちいいっ
……か、感じますっ……お尻がいいのぉっ……」

もう響子は快楽を求めて遠慮なく腰を振ってきた。
ずぶずぶと奥深くまで貫いてくる肉棒を、尻たぶを引き締めてくわえ込む。
百瀬が腰を回してアヌスを拡げるようにペニスをぐりぐりすると、響子の方は逆方向へ腰を回して、
腸内で感じ取る摩擦感をさらに強いものとしていた。
身体が男を求めていた。
ペニスの刺激を最大限感じ取れるように、肉体が勝手に蠢いていく。

ゴリゴリと粘膜を擦り取る肉棒に、気が虚ろになるほどに快感と肉悦が身体の芯から噴き出して
くる。
響子のアヌスがびりびりと痙攣し、腸内がきゅうきゅうと締まるようになってくると、百瀬は
とどめとばかりに腰を打ち振った。
きりきりと締め上げてくる肛門の素晴らしさに陶酔としながらも、百瀬はぐいぐいと激しい攻撃
を加えていった。
響子は忘我だった。

「あああ、いいっ……ああっ、もっ、もう、どうにかなるっ……」
「いきたいか、響子」
「い、いきたいっ」

恥も外聞もなく、性に溺れた人妻はガクガクとうなずいた。

「あ、いかせてぇっ……は、早くっ……い、いっちゃいますっ……」
「よし、ならもっと言え。恥ずかしいことをもっと言うんだよ」
「はっ、はいっ……」

逆らうなど、思いもしなかった。
早く埒を空けてもらわねば、快楽地獄で気が狂ってしまう。

「いっ、いくっ……お尻でいっちゃいますっ……ひぃっ、いいっ……」
「あああ、あなたのおっきいのがあっ……きょ、響子のお尻の、穴を抉ってっ……いきそうっ
……」
「も、もうだめっ……は、早くしてっ……気が変になりそうっ……いきたいいっ……」

人妻の口から、男なら思わずそそるような言葉を散々吐かせると、百瀬も射精に備えた。
もうカウパーは出っぱなしで、響子の腸内を侵している。
これだけ大きなものを突き刺され、激しいほどの出し入れが際限なく繰り返されているため、
響子のアヌスは赤くほころびている。
それを尻の中に押し込み、また引きずり出す。
そのたびに人妻はわななき、よがり狂った。

「響子、もう出してやろうか?」
「は、早くっ!」
「今日はどこに出して欲しいんだ、ええ?」
「なっ、中にっ……」

他の答えは思い浮かばなかった。
大きなものでかき回され、爛れきった腸内に熱い粘液を浴びさせられたら激痛が走るだろう。
なのに響子は死ぬ思いで腸内射精をねだっていた。
あの熱くて濃い精液を中に出してもらわねば、思い切りいくことができない。
女の肉がそう言っていた。

「中にっ……お尻の中に出してぇっ……ああ、いくう……」
「よし、いけっ」
「あはあっ、激しっ……だ、だめっ……も、もう、いくっ……いくっ……いっ、いきますっっ
!!」

その瞬間、響子はしなやかな裸身をグウンとしならせてぶるるっと大きく痙攣した。
アヌスがきゅううっと引き締まり、百瀬の射精を促す。
その甘美な感触に耐え、百瀬は響子の肛門からペニスを引き抜くと、急いで前に回った。
そして、呆然として絶頂の余韻に酔っていた人妻の美貌に射精した。

どぷどぷっ。
どびゅうっ。
びゅるるっ。
びゅくんっ。
びゅくびゅくっ。

びしゃっと音がするほどの大量の精液が、響子の顔にかかった。
粘る汁が美貌を滴り、ぼたぼたと床に零れていく。
濃く粘った精液はいつまでも響子の顔に残っていた。
凄まじい顔射を浴びた響子は、恍惚とした美貌を客たちに晒していた。

────────────

「……」

瞬は言葉もなかった。
今まで見たポルノなど比較にもならぬ。
もちろんそれは、演じる女が響子であったということも大きい。
それにしても、初めて見るアナル責め、肛門性交は凄まじいものがあった。

瞬はある感覚を得て股間を見やった。
スラックスを突き抜けそうになるくらいに股間が盛り上がっていた。
トランクスが少し冷たい気がする。
カウパーが出てしまったのだろう。
瞬のそこは痛いほどに勃起していたのだ。
これがショーでなく、自室でビデオとして見ていたなら、遠慮なく自慰していたに違いないと
思った。

事実、会場からは生臭い異臭が漂っている。
我慢しきれず、響子のショーを見ながらオナニーしていた客が少なからずいたのだろう。
だが瞬には、彼らをバカにする気にはなれなかった。

あろうことか、肛門を犯されて喘ぐ響子。
これで彼女が泣き叫んでいれば、瞬もこうはならなかったろう。見
かねて会場を出ていたかも知れない。
しかし響子は喘いでいた。
よがっていたのだ。

挙げ句、官能の頂点まで導かれ、そのことを大声で告げて、悩ましい美貌を浮かべていた。
その美顔にひっかけられた多量の精液。
粘い汁を顔から滴らせ、妖しい声で呻いている。
顔に精液を浴びて毅然としていられる人妻などいないだろう。
響子の表情も、それまでの行為と男の精液に陶酔しきったような色に染まっていたのだ。
瞬は無意識のうちに、スラックスの上からペニスをさすっていた。

────────────

凄惨な浣腸ショーと酸鼻極まる人妻肛姦ショーが終わり、響子はぺたりと舞台に座り込んで
しまった。
激しい肛門性交に、腰が砕けてしまったのだ。
快感の絶頂まで突き上げられると、理性が戻ってくる。
排泄を大勢の男に見物されるという、想像を絶する恥辱に気死しそうになった。
百瀬はその肩に手を乗せながら耳元で囁く。

「もう一息だ。ガンバレよ」
「……」

百瀬と若い男が手際よく響子に縄をかけていく。
あっというまに菱縄をかけられ、人妻は後ろ手にされ、乳房が縄に挟まれて盛り上がった。
きつく縛り上げられたが、痛いというよりは恥ずかしい。
自分の肉体がいびつな型に括り出されていく羞恥に美貌が歪む。
椅子に座らされ、その脚に足首を縛られる。
股間はぱっくりと開かされていた。
両脚には真紅のハイヒールを履かされていた。
上半身は縄で化粧され、下半身には何もつけず、脚には赤いヒール。
むせかえるほどの色気が響子から漂っていた。

「ふふ……」

男たちはゆっくりと響子の裸身に愛撫を加えていった。
汗の浮いた双球は、大きな手のひらで覆われた。
ゆっくりと柔らかく揉み上げていく。
手からはみ出た乳肉を舐め上げる。
乳首をつまみ、その敏感な先っちょに軽く歯を立てた。

「んんっ……んっ、はあ……あ……」

早くも鼻を鳴らし始めた。響子の肉体は、悲しいほどに快楽にもろくなっていた。
喘ぐのを堪え、感じるのを我慢して細かく痙攣している女体から、ぷうんと甘い匂いが漂う。
媚肉は意志に関係なく濡れ始めているのだ。

ふたりの男は左右の乳房を担当し、同時に責め上げていく。
若い方は乳首を音を立てて吸い上げ、百瀬はゆっくりと乳房をこねていた。
百瀬が乳首を指で嬲り、若い男が思い切り吸うと、響子はぐうんと肢体を反らせて唇を噛み
しめる。
まだ客の前で感じた様を見せるのは恥ずかしいらしい。
もう何度となくいくところを見せ、大きなよがり声を聞かせているのに、未だ恥辱を感じ、
羞恥を捨てきれないのだ。
そんなところも、百瀬は響子を気に入っている。
簡単に堕ちて痴女化するのでは面白くない。

「ふあっっ……んんっ……あ……ああっ……くう……」

男たちは自分たちの手指だけでなく、太い毛筆も使い出した。
百瀬が乳房の輪郭に沿って筆を這わせると、響子はぐっと胸を反らせて呻いた。
助手が、屹立した乳首の根元をそっと筆でくすぐってやると、響子は耐えかねたように呻いて
しまう。
手による焦れったい愛撫とは違い、筆先の愛撫は響子の性感を鋭く刺激した。
唇と舌、筆を順繰りに使い、人妻の乳房と乳首を責め上げていく。
感じやすい乳首を集中的に責められ、響子は豊かな黒髪を振りたくってその快感に耐えたが、
すぐに痺れるような愉悦がこみ上げてくる。

「くく、奥さん、気持ちよさそうだな、え?」
「ああ……っ……ううっ……あ、そんな……ひっ……」
「どうだ、もっと強くして欲しいか」
「……」
「ほう、まだ我慢できるか。なら」
「ああっ」

男たちは残忍だった。
立った乳首の根元を二本の指で挟むと、それをこねたり引っ張ったりした。
さらにそこを舐め、軽く囓る。
頭が痺れるほどの快感が、びんびんと突き込まれてきた。

「ひあっ、ああっ……や、やめ、あああっ……くああっ……」

盛んに首を振り、胸を反らせる響子を無視して、男たちはその乳房を愛撫した。
筆先や筆の根、あるいは舌や歯、指などを自在に使い、乳輪や乳首をこねまわし、乳房全体を
くすぐるような刺激を与えていく。
その快感に反応し、跳ね上がろうとする肢体を押さえ込んで、なおも乳房を揉みたてていった。
思い通りに反応していく人妻にニンマリしながら百瀬が聞いた。

「どうだ、オマンコもいじって欲しいか」
「ああ……」

口では言えなかったが、響子はカクンとうなずいていた。
助手の方は相変わらず響子の乳房を揉みしだき、乳首に舌を這わせていたが、百瀬は女の股間
の前に屈んだ。

「あっ……ああっ……」

百瀬の指が繊細に動く。
肉感的な太腿に指を這わせると、内腿から股間に向けてなぞり上げるようにさすっていく。
それだけでも大きな快感があるのか、響子は大きく喘いでしまう。
それを追い上げるように、百瀬は執拗にその行為を繰り返した。

「あっ……んっ……くううっ……」

貞淑な人妻は、目をかたくつむって性の暴虐を堪えていた。
それでも、徐々に紅潮してくる美貌や、開き気味の口から洩れる熱い吐息と悩ましい呻きは誤魔
化せない。
恐らく無意識なのだろうが、不自由な腰を盛んに動かし、責める百瀬の方ににじり寄ろうとすら
していた。

乳房の方にも筆が走る。
穂先が乳首をスッと撫で上げていくと、「くっ」と喘ぎを噛み殺して顔を振りたくった。
百瀬は乳房の下から腹部、そして腰へと段々と筆先を下ろしてきた。
椅子に縛られた綺麗な脚に筆が進む。今度は下から上へと責められた。
よく締まった足首からふくよかなふくらはぎ、よく肉の乗った太腿へと穂先がなぞってくる。
そのおぞましくも心地よい感覚から逃げようともがくものの、かっちり縛られていて、ヒール
をカタカタ言わせるのが関の山だ。
逃れようもない筆先の愛撫がスッ、スッと肉を撫でるたび、響子は全身をひきつらせて鳥肌を
立てるのだった。

響子はジリジリしてきていた。
このままでは股間まで責められる、責めて欲しいという思いが全身から発散している。
こんなことで感じさせられている自分の肉体が恨めしい。
ここまで百瀬に開発され、彼の行為に反応してしまうことが恥ずかしい。
そう思う心が、肉悦の疼きに飲み込まれていった。

「響子、オマンコいじって欲しいだろう?」
「……は、はい……いじって……」

それを聞いた百瀬は、ようやく響子のそこに手を出した。
股を開かされ、奥まで晒していた膣に、ようやく筆が這った。
太筆の毛先がぞろっと襞を軽くさすっただけで、響子の腰がガクンと跳ね上がり、白い喉を晒
して喘いだ。

「ひぃっ……!」
「よがってきたな、奥さん、そんなにいいか?」
「あ……ああっ……ふ、筆が……」
「筆がどうしたい」
「筆が……いいっ……」

もう辛抱ならんとばかりに、人妻の腰がうねりだした。
百瀬の筆が媚肉で蠢くたびに、響子もつき合うように腰を揺すっている。
ヤクザは巧みに筆を操り、媚肉の繊細な肉襞を丹念に責めてくる。
多すぎる汁気を穂先がたっぷりと吸い上げると、今度は先端を寄り合わせて尖らせ、膣口を
つつくように責めた。
すると、さきほどよりもさらに多くの蜜がドッとばかりに溢れてくる。

「はああっ……ああ、いいっ……くっ……あ、そこっ……そこをもっと……気持ち……いいっ…
…うああっ……」

響子ははっきりとよがりだした。
多数の男どもの前で惨めな悪戯をされ、あられもなく喘いでいるという恥ずかしさも悔しさも、
もうそこにはない。
穂先や指先によって、乳房や腿、股間から次々と官能を引っ張り出され、それどころではない
のだ。
肉という肉が、男の責めに応じる鋭敏さを持ち始めていた。

穂先が響子の愛液でじっとりするたびに、百瀬がそれを吸い取るのだが、その感覚がどんどんと
短くなってきている。
見られて恥ずかしい責めをされているという環境が、響子をいつもより濡れやすくしているのだ。
口を塚って尖らせた穂先でクリトリスを弄ぶと、響子は両手が白くなるまで握りしめ、大きく
喘いだ。

頃合いと見て、百瀬が指を使った。
包皮から弾き出るように飛び出したクリトリスを人差し指でぐっと押し、中指は口を開けていた
膣にぬるっと突っ込む。

「うああっ……!」

それだけで響子は軽く達してしまった。
全身を引きつらせ、臀部を椅子に押しつけてぶるぶるっと大きく痙攣する。
百瀬の指が膣内に侵入していくと、響子は腰を浮かせるようにしてそれに応えた。
指に押し出されるようにして、内部に溜まっていた蜜がどろりと零れてくる。
途端に、周囲が甘い響子の香りに包まれていく。

「くっっ……あ……も、もっと……」

太い指だが、ペニスに比べれば物足りないのだろう。
それでも百瀬は指でピストンを繰り返した。
ぬるっと一気に根元まで押し込み、ゆっくりと引き抜く。
襞が絡みついてくるのを引っ張り出すと、指が白い粘液にまみれている。
響子の愛液は、もう最終段階にまで達しているのだ。
響子のそこをほぐしていくかのように、ぬぷり、ぬぷりと抜き差しを行うと、響子は身体を震わ
せながら喘ぐ。

「あうう……ああ……んんあ……」

客席はもうしわぶきの声もなかった。
誰もが百瀬と一緒になって響子を責めているかのような錯覚に陥っていた。
人妻の股間がぬちゅぬちゅと音を立てると、思わずモニタに顔を寄せる。
響子の口から甘く悩ましい喘ぎが零れると、その匂いを嗅ごうとするかのように舞台に顔を
向けた。

粘っこいが焦れったい愛撫を受け続け、身悶え続ける美女の裸身は汗にまみれていた。
その匂いと女蜜の香りが混合し、いっそう響子の匂いが濃くなっていく。
室内は息苦しいほどの熱気に包まれていた。
響子の肢体から痙攣が止まらなくなってきた。
そろそろかと思った百瀬が小さな声で訊いた。

「どうだ、もうまいったか?」
「ああ、もう……」
「もっと強くおっぱいを揉んで欲しいか?」
「つ……強く揉んで……きつく責めて……」
「オマンコにちんぽ入れて欲しいか?」
「ああ……し、して……」

上出来な方だろう。
そこまでしてから、響子から緊縛を解いた。
寸止め、焦れったい愛撫で官能を燻らせていた響子は、縄を解かれると床に崩折れた。
ガクガクと震えながら、自分の両肩を抱いている。
そうでもしないと、自分から乳房を揉みしだき、股間をいじってしまいそうなのだ。
もう埒を空けてもらわないと気が狂う。
そんな人妻の頭を撫でながら、百瀬は観客席に向かって叫んだ。

「さあ、お集まりのみなさん、いよいよ本日のショーのメインイベントです」

見物客がどっと盛り上がった。
歓声とともに口笛も飛ぶ。
初めて参加した瞬にはわからなかったが、常連の客たちはこれから何が行われるのか知って
いるようだった。
百瀬が合図すると、助手の男が座り込んでいる響子の両脇に手を入れ、立ち上がらせた。
司会者はちらと響子に視線を走らせた後、声高に宣言した。

「ではさっそく開催したいと思います。さあ、この人妻・響子と一戦交える度胸のある方は
いらっしゃいませんか?」

瞬は仰天した。
舞台で客と絡ませよう──つまりセックスさせようということらしい。
呆然としている瞬に追い討ちをかけるように、さらに驚く言葉が百瀬から出た。

「それではオークションの開始です。この場で響子を犯す権利──まずは5万円からスタート
です!」

瞬は口も利けなかった。ただ絡ませるだけでなく、売春させようというつもりらしい。
場末のストリップでも、客を舞台に上げて女優とやらせる、いわゆる「本番生板ショー」という
のがあるらしいが、それでも無料である。
劇場にとっては、それも見世物になっているからであり、女優とやれるかも知れないと期待
する客を集める効果もあるからだ。
それが、ここでは有料らしい。
しかもオークションで、いきなり5万円からだ。
瞬が息を呑んでいると、すぐに声がかかった。

「7万!」
「8万だ」
「10万や!」

次々に飛んでくる掛け値の声に、百瀬の表情も緩む。

「さあいきなり10万が出ました。もっとないか」
「11万円」
「12万!」
「15万じゃ!」
「ええい、20万でどや!」

どんどんと価格が競りあがり、会場は熱気がこもっていく。
例え自分が買わなくとも、こうしたセリは、見ているだけでも昂奮してくるものらしい。
百瀬がさらにセリを促す。

「出ました、20万円! 今日のお客様は気風がよろしい。さあ、ここまでか、もうないか?」
「21万!」
「22万!」
「22万3千!」
「おお、とうとう細かく刻んできましたね。そろそろ懐具合が気になってまいりましたか」

百瀬が言うと、どっと観客席が笑った。
それにしても、セリの声がかかっているのは主に舞台の周辺だけのようだ。
それだけ高額な席なのだろうし、また響子に関心があるからこそ、そこにいるのだろう。

「さあ出ませんか、22万3千円で決まりか?」

百瀬がけしかけるように言うと、野太い声の関西弁が叫んだ。

「30万でどや!」

さすがに会場が静まった。
たった一回の行為、しかも衆人環視の状態でのセックスである。
いかに相手が美女とはいえ、見世物にされてそこまで払える酔狂な金持ちはそういない。

「出ました、30万! 当オークションでの最高値です!」

おお、とどよめく声が上がる。

「さあ、他にいませんか? 30万円より上はおりませんか!?」

場内がざわめく。
互いに顔を見合わせささやきあっているようだ。
腕時計を見ながら2分ほど待って、百瀬が宣言した。

「30万! 決定です!」

舞台上の小さなキャスターテーブルをパンパンと2回手で叩いた。
本物のオークションなら木槌だろう。

「それでは、響子を抱く権利は2番テーブルの藤岡さんに決定しました」

ばあっと会場内に拍手が起こる。
藤岡をうらやむやっかみ半分ではあるが、それでも響子のセックスシーンをナマで見られるのだ。
その期待の拍手もあるだろう。

藤岡が壇上に上がると、拍手はいっそう高まった。
額が禿げ上がって腹の出た醜い小男だった。
50歳前後だろうか。
仕事ではやり手なのかも知れないが、テラテラと脂ぎった顔のいやらしい中年男だ。
百瀬が中央へ導く。

「おめでとうございます。今宵の響子のお相手は藤岡さんに決まりました。ルールはおわかりか
と存じますが、時間は30分でございます。この間、響子を何度いかせてもけっこう。但し、
藤岡さんが出してしまったらそこで終了です」
「わかっとるがな。響子はん目当てに三度も大阪から通うとるんや、それくらい承知しとるわ」

藤岡は脂ぎった顔をくしゃくしゃにして笑った。
念願の響子をものにできるとあって、うれしくてしようがないのだろう。

「ところであんた、響子の中に出してもええんやろな? さっきのあんさんみたいに、いく寸前
に抜き出して響子の顔にかけるなんて器用なマネは、よう出来まへんわ」
「ええ、無論けっこうですとも。響子は見かけによらず、中に出してもらうのがことのほか好き
なんですから」
「そらええわ」

男どもの野卑で卑猥な会話を聞き、響子は耳を押さえて固く目を閉じた。
これからまた生き恥を晒すのかと思うと、心臓が押し潰されそうだ。
藤岡が、そんな響子を見て呵呵大笑して言った。

「それにしてもやな、こんだけのべっぴん相手に30分は切ないわ。もう少し何とかならへんの
かいな」
「それはご勘弁ください。そもそも響子のオマンコは絶品です。藤岡さんといえども、そうは
長く保ちませんよ」
「バカにすないな。わいなら入れっぱなしで一時間くらいはやったるで。見とれよ、響子、ばっ
ちり仕込んだるさかいな」

百瀬は藤岡の高言を聞き流して、鼻で笑っていた。
響子の名器にかかれば、こんな男10分と保つまい。
だいたいセックスに於いて、男性が女性器に挿入している時間は、それほど長くはないのだ。
1時間するとして、実際にインサートしているのは20分もないだろう。

ましてや相手が響子である。
男の手に吸い付くようなしっとりとした肌。
抱き心地のよい身体。
見る男を捉えて止まない素晴らしいプロポーション。
バストは張りも艶も20代前半の状態を保っている。
ヒップはしっとりと脂が乗り、これは年齢相応の豊かさだ。
それでいて、ちっとも弛んでいない。
そこらのモデルなど、裸足で逃げ出していく裸身なのだ。
全身もちもちとした揉み甲斐のある肉体。
絞まりの良い媚肉。
そして、羞恥と屈辱に歪み、あるいは快楽に悶える響子の美貌。

それらがまとめて襲い掛かってくるのだ。
並みの男が耐えられるわけがない。
藤岡は憧れの美女を目の前にして、にやにやとした卑猥な笑いが止まらなかった。
おずおずと手を伸ばし、響子の柔肌に触れて相好を崩した。
それを見た百瀬が苦笑する。

「藤岡さん、遠慮なさることはない。これから30分、響子はあなたのものですよ」
「そ、そやったな」

藤岡は響子に見とれた。
響子見たさ、抱きたさに、わざわざ関西から三度も駆け付けてきた男である。
夢にまで見た響子との行為を前に、武者震いすら感じていた。

美しい女だった。
まるで花だと藤岡は思った。
そもそも藤岡は、女を花などに例えるような男ではない。
彼にとって女とは女体に過ぎず、ただの肉であり、生きたダッチワイフとしてしか思っていない。
その藤岡をして、響子の美貌は散文的なものには留まらなかった。
清楚な美貌は可憐な百合のようだ。
控えめな性格は慎ましやかなヒナゲシを思わせる。
そして熟れ切った肉体は、大きく花開いた大輪の薔薇を連想させた。
その肌も、男の愛撫を受け続けて薄い薔薇色に染まっている。
しゃがんで響子の媚肉を覗いている藤岡を横目で見ながら百瀬が言った。

「いいな、響子。ちゃんとお客をいかせるんだぞ」
「……」
「忘れるなよ、その時、おまえもいくんだ。できるな?」
「……」
「もし失敗したら、今夜は寝せねえぞ。ぶっ通しで責めてやる、わかったな」
「はい……」

響子は潤んだ瞳で藤岡を見た。
禿げ親父は生唾を飲み込んで響子を見ていた。
響子は目を逸らすようにして言った。

「し、してください……。あ、あなたの……たくましいので、して……激しくしてください……」

すべて百瀬に仕込まれた言葉だが、藤岡は天にも昇る思いだった。
絶世の美女にこう言われたら、奮い立たぬ男はいない。
藤岡はパンツを下ろすのも忘れ、大きく喉仏を動かしてツバを飲み込んだ。

女優ほどの派手な顔立ちではない。
化粧も薄い。
にも関わらず、これほどの劣情を男に抱かせる、この響子という女は何なのだろうか。
藤岡は声もなく、熟れた人妻の肢体にむしゃぶりついていった。

「ああっ……あ、は……」

50歳を越えた禿げ親爺が、年甲斐もなく女体に取りついていた。
まるで童貞の高校生がソープ嬢に抱きついたように見えた。
百瀬は苦笑していたが、会場の男たちは笑えなかった。
自分が藤岡の立場なら、きっと同じことになっただろうと思っていたからだ。

太い腕が響子の乳房に伸びる。
ぽてぽてと贅肉のついた手のひらが、美女の乳房をむぎゅっと握りつぶした。

「ああ、そんな……あああ……」

痛いはずなのに痛くない。
人妻の痛感は麻痺してしまったかのようだ。
こんなに強く握られているのに、その強さが心地よい。
気持ちいい。
百瀬らが事前に焦らしたせいだろう、響子はより強い刺激を欲していた。

テクニックも何もない親爺は、むにゅっと絞った乳房に食らいつく。
ぐっと膨れた乳首にちゅうちゅうと吸い付いたのだ。
響子はその刺激だけで思わずいきそうになる。

「ああ、それっ……あ、あはあっ……」
「え、ええ声や……ええ声やで響子はん……そ、そんなに気持ちええんか?」
「ああ、はいっ……き、気持ちいいっ……ああ、おっぱいが……」

色も艶も乗り切った女にこう言われては、どんな男も理性を失う。
もともと理性に乏しかったこの関西男は、獣性をみなぎらせて響子を押し倒した。

「おっと」

ふたりが寝ころんだ台車を百瀬が動かす。
カメラや観客を意識しているのである。
今は絡む響子たちを真横から見ている視点だ。
これを行為や会場の雰囲気を察して、あらゆる角度に変えてやるのである。

藤岡はもちろん客など意識していない。
そんな余裕はないのだ。
ただひたすら、本能のみに従って響子の裸身を貪るのみだ。
響子の股を割らせて、そこに身体を挟み込んではいるが、彼女の上に覆い被さってバカみたいに
乳房を舐め、吸っているだけだ。
色ボケ親爺は完全に幼児に戻ってしまっている。
それでも響子の方は、焦らしが効いていてけっこう感じているようだが、これで30分過ぎて
しまっては客からブーイングが出る。
百瀬は小さく舌打ちして響子に小声で囁いた。

「ほれ奥さん。こういう時はどうするんだっけな?」
「あ……」

冷静さをすっかり失い、見せるプレイなど思いも寄らない客は多い。
それは響子の方が導かねばならないのである。
響子はちらと藤岡を見たが、相変わらずおっぱいを揉み、響子の身体を舐めているだけだ。響子
は唇を噛んで決心すると、呻くように言った。

「あ……ああ……ふ、藤岡さん……」

とろけそうな声で呼びかけられた親爺は、思わず響子を見た。

「な、なんや奥さん……もっと強う揉んで欲しいんか?」
「あ、はい……ああ、でも……」
「でも?」
「あ、あなたの……」

そこで響子は百瀬を窺った。
ヤクザは小さくうなずいている。

「あなたの……た、たくましいので響子を……貫いて……ください……」
「な、なんやて。もっぺん言ってえな」
「……。あ、あなたのたくましいので……つ、突いてください……」

藤岡はしつこく揉みしだいていた乳房からようやく手を離すと、上から響子を見据えた。
目には感激したような色が浮かんでいる。

「ほうか、ほうか……そんなにわいのが欲しいんかいな」
「は、はい……」
「ほんなら、どうやって欲しいんか言ってもらおか」
「……」

響子は悲しげに顔を逸らした。
この男もだ。
この男も、響子に恥ずかしいセリフを言わせて悦にいるのだろう。
どうして男はこうなのか。
普通ならとても言えないような言葉を女に言わせるのが、そんなに愉しいのだろうか。
響子は諦めたように藤岡に視線を戻し、そして言った。

「お、奥まで……」
「……」
「おっきいおちんちんで奥まで突いて……いっぱい抉って……あ、あなたのでいかせてください
……」
「よっしゃ!」

藤岡は太鼓腹を揺すらせて満足げにう大きくなずいた。
そしてパンツを履きっぱなしだったことにやっと気づくと苦笑して脱ぎ捨てた。
社会の窓付近は濡れて透けている。
もう先走り液はたっぷり出ていたようだ。

股間にそびえたペニスはそれなりのものだった。
赤黒く、先が太い。
長さも太さも、そして硬さも、どれをとっても百瀬や五十嵐のそれに及ぶものではなかったが、
それは比較する方がおかしい。
藤岡の肉棒も決して小さいというほどのものではなかった。

響子はいきり立ったそれを目にすると、恥ずかしくて忘れていた感情を思い出してしまた。
生唾を飲み込む。それから目が離せない。
欲しい。
男が欲しかった。

親爺はそんな響子の心情がわかるのか、ニヤニヤしながらその太腿を大きく割り拡げた。
もう恥毛が濡れ切って、割れ目周辺にへばりついている。
その花開いた肉丘の裂け目に藤岡はペニスを当てた。

「ああ……」

熱い感覚は同じだった。
もう響子の膣内は蜜で溢れている。
早く早くと急かしているかのようだ。
男は響子の熱い媚肉に肉棒を押し当てると、一気に中へと割り込ませた。

「はあああっ……!」

響子はぐうっと背を弓なりにした。
最初の挿入だけでいってしまったのだろう。
とうとう響子をいかせたということで藤岡は満面に笑みを浮かべていた。

「おや、もういってしもたんかいな奥さん」
「は……い……いって、しまいました……」
「あかんなあ、いく時はちゃんと言ってくれな」

そう言いながらも、藤岡は舌を巻いていた。
響子の媚肉の素晴らしさに感嘆したのだ。
ペニスを吸い込むようにして膣肉がうねっている。
襞の繊細さも、その動きも男を有頂天とさせるものだ。
煮えるように滾っている胎内は、ペニスが入ってくると、さらに蜜を滲ませ続けている。
まだ動いていないのに、入ってきた肉棒を締めつけるようにきゅうきゅうと収縮していた。
まるで犯しにきたペニスを確認するかのような動きだった。

絶頂を極めた響子の美貌、その膣の心地よさ。
もう藤岡は何も考えられなくなる。
ひくひくと締めつけてくる膣襞を引き剥がすようにグイグイと腰を使い始めた。
たちまち響子は追い上げられる。

「あああっ……ああ動かないでっ……」
「そんなわけにいくかい。動くためにやっとるんやから」
「でっ、でもっ……ああっ、い、いったばかりなのにっ……」

いかされたばかりの敏感になりすぎている膣内を抉られる強烈な刺激と快感に、響子は目を剥い
てよがった。
もちろん百瀬らに犯された時とは比較にならないだろうが、今の響子は誰に犯されても感じ、
いかされてしまうほどに焦らされていたのだ。

「ひっ、ひぃっ……ああ、いいっ……いいいいいっ……あくうっ……」
「そんなにええか、奥さん。えっ?」
「いいですっ……きっ、気持ち、いいっ……ああ、もっともっとっ……」
「うれしいこと言ってくれるわ。なら存分にしたるで!」

清楚なはずの響子から、すっかり羞恥の色が消えている。
もう恥ずかしいとかおぞましいとかいう負の感情はないのだろう。
一刻も早く絶頂まで連れていって欲しいと、身体の奥が泣き叫んでいるかのようだ。

藤岡は響子の両脚を肩に乗せ、大きく開かせた上に上半身を思い切り曲げて奥まで挿入した。
そうしてもペニスはとても子宮までは届かなかったのだが、響子はそれでもいいと思った。
少々短いが、それなりに太くて熱い。
もともと響子の膣内は狭いのだから、それでも充分に感じるのだ。

狭苦しい胎内で、中年親爺の色灼けした赤黒いペニスが暴れ回っている。
とはいえ、責める藤岡にも余裕はなくなっていた。
響子の締め付けがきつ過ぎて、もう出てしまいそうになっているのだ。
響子はよだれをたらさんばかりによがり喘いでいるのに、藤岡の方は顔を真っ赤にして盛んに腰
を振るだけだ。
まるで藤岡の方が責められているかのように見える。
いや実際、藤岡は響子の媚肉に責められているようなものだった。
さっさと射精しろと言わんばかりに収縮する膣や、絡みつく襞の蠢きに我慢ができなくなって
きている。

「ああううっ……す、すごっ……いいっ……あ、もう……もうっ……」
「ま、またいくんか、響子はん」
「ああ、いくっ……も、もういっちゃいそうですっ……」

その声を聞かされてはたまらなかった。
藤岡はピストンを急激に速め、響子の股間を撃ち抜いていった。
響子の方も急速に高まる。
密着し、また離れる男女の股間からは、漏れ出た響子の淫液がびちゃっ、びちゃっと弾け飛ぶ。

「ああ、もっ……もっ、だめっ……い、いく……いきそうっ……」

男女の激しい腰使いで、台車がギシギシと軋む。
汗が飛ぶ。
むんむんとした熱気が舞台を包み込んでいた。
もう我慢できないのか、響子の長くしなやかな腕が藤岡の頭を抱いた。
背の低い藤岡の顔が響子の乳房に埋まる。
藤岡はたまらずに腰を動かし、最後を迎えた。

「きょっ、響子はんっ、もうたまらんっ」
「ああ、いってっ……わ、私もいくっ……」
「な、中や! 中に出してええんやな!」
「は、はいいっ……」
「よおし、孕ませたるで奥さんを!」
「だ、出してっ……中にぃっ……あ、もう、いくっ……い、いっちゃいますっ……あああ、いいっ
……いっ、く……いきますっ……」

ぐうんと響子の背が反った。
長く官能的な太腿が藤岡の腰に絡まる。
肉感的な腿が藤岡の見にくい出っ腹を隠していた。
ぎゅううっと搾り取られるようにペニスを責められた禿げ親爺は、たまらず射精した。

「でっ、出るっ!」

どぷどぷっというよりは、どろっと出た感じだった。
噴き出たというよりは漏れたという感じがした。
若くて濃い精液が激しく子宮口を叩く快感は得られなかったものの、子種を胎内に放出された
ことには変わりがない。
人妻はその被虐的な肉悦に酔い、いかされた。

「ううむっ、でっ、出てるっ……い、いく……いぐうっっっ」

射精が終わるその瞬間まで、舞台の上の男女は淫らに腰をくっつけあい、蠢いていた。

「ああ……」

響子は気の抜けたような声を出した。
いくにはいったものの、まるで物足りなかった。
もっとたくましいもので、奥の奥まで乱暴に突き上げて欲しかった。
最奥の壁を硬くて大きいのでゴリゴリと抉って欲しかった。
子宮の中に、濃厚な熱い精液をどっぷりと浴びせて欲しかった。

響子は百瀬の視線に気づき、彼を見上げた。
男はうなずいている。
合格だということだろう。
ならば、この後に響子を待つのは「ご褒美」である。

響子の一日は、男に奉仕し、奉仕されて終始する。
22時から始まるセックスショーで、3時間はたっぷりと客の前で恥ずかしい姿を晒し続ける。
それが終わり、僅か1時間ほど休憩しただけで、くたくたになった身体を今度はヤクザどもに
責め抜かれることになる。
客たちの反応が良ければ「ご褒美」として、不出来であれば「折檻」として責められるのだ。

いずれにせよ、百瀬らによって女体を虐められ、凌辱されることに変化はなかった。
その責めをやはり3時間ほど受けて、半死半生になったところで明け方頃にようやく解放される。
指も動かせないほどに疲労し、泥のように眠っているところを、10時過ぎには起こされる。
そしてブドウ糖や栄養剤を注射され、無理矢理回復させられると、今度は「調教」と称して、
様々な性技を仕込まれていく。
それが終わると念入りに化粧を施され、全身をマッサージされ、夜のショーに備えさせられる
のだ。
ショーのない時は、上客相手の売春である。

藤岡が満足げに響子から引き抜くと、媚肉からはとろとろと男の薄い精液が零れ出す。
そこに響子のねっとりとした蜜が含まれているのは、百瀬たちに犯されるであろう今夜のことを
考えているからだ。
藤岡とは比べものにならぬであろう激しい責めと長大なペニスを思うと、性に溺れた人妻は今
から股間を濡らしてしまうのだった。




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