幸いアイリスはまだ無事だった。
敵がまだ気づいていないのかも知れない。
しかし、すみれたちにとって──というより、帝撃にとって、魔神器とともに守護すべき最大
のものとなったことは確かだ。

三人は、他の帝撃隊員たちには伏せることにした。
どこに目があり耳があるかわからない。
相談した結果、カンナがアイリスの護衛に着くことになった。
いざとなった時の格闘、肉弾戦、白兵戦という意味では、確かに彼女が最適だろう。
すみれと紅蘭は、さくらたちの居所を探すと同時に、敵についての情報を探ることになった。

─────────────────

「……」

紅蘭とすみれは図書室に籠もっていた。
扉には内側から施錠してある。
ふたりは書類を調べていた。
大きな机の上には、資料が山と積まれている。

バインダーや封筒に入った書類が脇に片づけられており、机の真ん中にはふたつの書類が並ん
でいた。
それぞれ同じ書式であり、三枚綴りになっていた。
陸軍の軍歴書であった。
言うまでもなく、秋月中尉と黒神大尉のものだ。
米田と同様、すみれたちも新任副官は怪しいと踏んでいたのだ。
それも当たり前で、秋月は自分が不審に思われないよう振る舞っていたところがあったが、
黒神にはそれがなかった。
まるで、相手がどう思おうと構わないとばかりに行動していたのだから、怪しむのは当然だっ
たろう。

調べるならこのふたりだと思ったわけだが、こいつらはともに軍人だ。
一方、すみれたちは軍組織である帝撃に属してはいるものの軍人ではない。
それどころか軍属でもないのだ。
おいそれと軍の資料が見られるわけがない。
そう思ったのであるが、一応、米田の部屋を漁ってみた。

支配人室の鍵はマリアの部屋にあった。
普段は副官のかえでが持っているのだろうが、彼女は行方不明だ。
何かあった時のために、米田はマリアに預けていたのだろう。
すみれたちはマリアの部屋からこれを探し出し、支配人室に入り込んだのである。
「申し訳ない」と思いながらも机や書棚を探し、ようやく出てきたのがこれだった。

「なんぞ気が付いたことありまっか、すみれはん」
「そうですわね……」

すみれは細い眉を顰めて書類を睨んでいる。
細くしなやかな指が、秋月の前所属部隊欄を指した。

「強いて言えばこれですわ」
「ああ、それな。ウチも気づいたけど、偶然かも知れへんし」
「そうですけど、でも、帝撃へ来る直前の所属が同じ、というのは無視できませんわ」
「せやな……。それに、秋月中尉も黒神大尉も、その部隊で一緒だった期間がけっこう長い
ようやしな」
「それにしても、なんですの、この部隊は?」
「聞いたことあらへんなあ」

すみれが言うと、紅蘭も首を傾げた。
そもそもふたりは軍関係者ではないのだから、軍組織のことなど無知で当然だ。
それにしても、「近衛師団」だの「歩兵第十五師団」だの、あるいは「戦車十二連隊」だの
「飛行第五師団」だの、そうしたものならまだわかる。
ところが、秋月、黒神両名が直前に所属していた部隊は、まるで聞き及びのないものだった。
紅蘭がぼやくように言った。

「防疫給水部って言われてもようわからへんわなあ……。もしかして保健医療関係やろか?」

─────────────────

「どうだ、さくらくん。その顔だと満更でもなかったようだが」
「ひ、ど、い……」
「ん?」
「ひどすぎます、こんな……」

さくらは不自由な身体のまま抗議した。
あれからまた縛り直され、今は右手首と右足首、左手首と左足首を縛り合わされている。
そのままうつぶせにされているから、膝を曲げられ、顔をシーツに押しつける形で、尻を後ろ
に突き出す格好になっていた。股は40度ほどに開かされ、ぱっくりと股間を晒している。
降魔に荒らされたアヌスが腸液ですっかり濡れていた。
さらに、媚薬効果か、あるいは肛門をいじられたせいか、媚肉までしっとりと濡れそぼっていた。
薄目の恥毛に覆われた肉丘はザクロのように弾け、そこだけはまるで熟女のものだ。
それでも、中から覗いた肉襞は淡いピンク色で、さくらの若さと経験の少なさを物語っていた。
さくらは秋月から顔を逸らしたまま小声で言った。

「もう、解いてください……」
「いや、まだだ」
「どうして……もう終わったのでしょう?」
「降魔はね」
「……?」

さくらは「意味がわからない」という表情をした。
自分が捕まったのは、降魔飼育用のエサとしてだ。
それは今、終わった。
秋月の話だと、エサは日に一度らしいから、少なくとも今日はもうおしまいのはずである。
こうして、いつまでも恥ずかしい格好で縛られている理由はない。
秋月は、哀れな美少女をじろじろと無遠慮に眺めながら宣言した。

「今度は僕だ」
「はい……?」
「本当に鈍いね、きみは。それともカマトトかね?」

そう言うと、青年士官は着衣を脱ぎだした。
軍袴を脱ぎ、下帯姿になったところで、初めてさくらは察した。
この男は私を犯そうとしているらしい。

「い、いやよ!」
「やっとわかったかい」

下帯をとり、下半身を剥き出しにすると、さくらは顔を真っ赤にして首を捻った。
そんなものは見たくなかった。
秋月は嗤って言った。

「よく見てくれよ。あらゆることで大神に負け続けてきた僕だがね、これだけは僕の方が大き
かったんだから」
「……」
「銭湯で比べたことがあるんだよ。大神も、僕のを見て苦笑していたよ」

そう言って、秋月はさくらに近寄った。
嫌がってぷりぷり動く尻を眺め、それを撫でながら言った。

「僕は、何がなんでもきみを僕のものにする」
「いやですっ。あたしは……あたしは大神さんの……」
「うるさいっ!」

感情を露わにして秋月は怒鳴り返した。
唇が震えている。

「大神のことなんか忘れさせてやるさ。なに、最初は無理矢理だろうが、そのうちあんなやつ
のことなんか思い出せないくらいに、僕の虜にしてみせる。大神から奪ってやるのさ。その
可愛らしい口から、僕を「愛してる」と言わせてみせる」
「ふざけないで! そんなこと、ありませんっ!」
「終わってからも同じことが言えるといいな」
「や、やめっ、いやああっっ、大神さぁんっ!!」

燃えるように熱い男のものが膣口にあてがわれると、さくらはびくりと跳ね上がった。
いやがって振りたくる腰を抑え、秋月は腰を進めた。
媚薬と降魔幼生による肛門刺激によって媚肉は濡れそぼっていたが、いよいよ犯されると察知
した少女は身体を固くした。
腿も尻もぶるぶる震えている。
握りしめた手のひらが白くなっている。
膣も脅えたように硬く口を閉ざしていた。
秋月は優しく尻や腿を撫でながら言った。

「そんなに固くなってたら、かえって痛いぞ」
「しないで……いやあ……大神さん、助けて……大神さんっ」

大神の名を連呼され、秋月のこめかみに静脈が浮いた。

「力を抜けと言っているんだ! 痛いのは君だぞ」
「……」

それでもさくらは身体を硬直させていたが、いつまでも踏ん張れるわけもない。
時折、息をつくように、僅かに脱力する。
その瞬間を捉え、秋月は腰を送った。

「あっ、ああ!!」
「く……」

秋月は顔をしかめた。
さくらの中はかなりきつかった。
強姦されているのだから当然だろうが、それにしても膣内は想像以上に狭そうだ。
指でも痛そうな気がする。
彼はゆっくり慎重に腰を進め、少しずつさくらの膣口を拡げていった。

「い、痛い……あああ……んんっ……」

さくらは、ぎちぎちと軋みながら入り込んでくる男根の硬さに頭がくらくらした。
比喩でなく、身体が膣から真っ二つに引き裂かれそうに感じた。
いやでも身体に力が入る。固くなる。
そうなれば、ますます痛いだけだとわかっていても力が抜けない。
狭隘な膣道を伐開していくかのように、長大な肉棒がさくらの女を犯していく。
息も出来ないほどの圧迫感だ。苦しくて口をぱくぱくさせる。

「ああう……きっ、つい……んん……」

美少女の苦悶の表情を見て、男はますます股間を硬くする。
少しずつ腰をひねって、奥へと捻り込んだ。

「この様子だと、処女ではないにしても、大神にはまだそれほど抱かれていないんだな」
「しっ、知りませんっ……!」

突如、大神のことを言われ、思わず感情が出てしまう。
すっと身体から力が抜け、そこを秋月が突いてきた。

「ああ!!」

亀頭が通った。あとは押し込むだけである。

「んんっ……んうう〜〜っ!」

太いカリ部分が、さくらの敏感な膣襞を抉るように擦り上げていく。
さくらにとっては、まるでヤスリをかけられているかのような苦痛を感じているのだろう。
美しい瞳に涙すら浮かべ、唇を噛みしめて堪えていた。

秋月の方は、狭い穴を犯す快感に酔い痴れ、最奥まで貫いていく。
亀頭の先が奥の硬いところに到達した。
子宮まで届いたのである。

「ああっ!」

さくらはギクンと身体を反らせ、悲鳴を上げた。

「どうだ、さくらくん。いちばん奥まで届いたぞ」
「ああ……」

さくらは絶望したようにガックリと項垂れた。

(お、犯された……とうとう……。大神さん以外の人に……ああ……ごめんなさい、大神さん
……)

大きな目から涙が零れ、頬をつぅっと伝っていく。
腹筋が引きつったように痙攣していた。
さくらの身体から力が抜け、秋月が貫いていなければ崩折れてしまいそうだ。
秋月はさくらの腰を掴み直し、体勢を整えた。
ただきつく締めつけるだけだった膣から、じんわりと力が抜けていく。
貫かれたことで諦めたのかも知れない。
だが、それだけではなく、愛液の分泌も増えているようで、秋月は狭苦しさは感じていたが、
滑り自体はよくなってきている。
媚肉が男根に慣れてきたのだ。
秋月はもう我慢できぬとばかりに腰を使い出した。

「ああっ、いやあ!」

秋月は少しずつピストンを開始した。
にち、にち、にち、と、性器の密着部分から粘った音がする。
痛みを和らげるためか、女の官能を感じているためか──恐らく双方だったろう──、さくら
のそこから次々と蜜が零れ出した。
秋月は、本能のままに腰を打ち込んでさくらの胎内を犯したい気持ちを抑え、ゆっくりと自分
のものを覚え込ませた。

「あ、あ……そんな……うあ……ふ、深いです……ああ……ぬ、抜いてぇ……」

秋月はセーブして抽送していたが、さくらにとっては、それでもきつい性交だった。
大神に抱かれている時はいつも無我夢中だった。
セックスしているというよりは、大神とのスキンシップを楽しんでいる面が強かった。
だから、気持ちいいとか痛いとかいうよりも、彼の体温を感じることが嬉しかったし、心地
よかった。

大神の方も、まるで壊れ物を扱うかのようにさくらを扱ったので、無理な行為や激しい愛撫も
しなかった。
それに加えて、秋月の男根が大神のそれよりも一回りは大きい。
さくらは、初めて味わう男のそのたくましさに目が眩む思いだった。

「お、大きい……おっきすぎます……ああ、そんな奥までっ……痛いっ……ひぅっ……」

太いもので膣道をみしみしと押し広げられるのも苦しかったが、長いもので子宮にまで届かされ、
硬いもので小突かれると、飛び上がるほどに痛かった。

「ふふ、そうだろう。大神のより立派だろう?」
「それは……」
「正直だな、さくらくん。否定できないんだね」

秋月は余裕を持って、少しずつ律動を大きくしていく。
さくらの肉体も秋月の肉棒に慣らされていき、より深い挿入も受け入れていった。

「やめて……やめてください、秋月さん……もう抜いてぇ……深いの怖いんです……い、痛いっ
……」

秋月はさくらのなめらかな背中に覆い被さり、腰から離した手を乳房に持っていく。
男のピストンに揺り動かされていた乳房が大きな手に掴まれ、揉みしだかれる。
膣を責められる苦痛と苦悩で性感を得るどころではなかったが、乳房を愛撫され、そこから快感
が伝わっていく。
ぐにぐにと揉み込まれていくと、すぐに乳房はしこりだし、乳首も頭をもたげてくる。

「ああ……」

媚肉を貫かれるのは苦痛だが、おっぱいを揉まれるのは快感と認識しているらしく、愛撫される
と、一層さくらの裸身から硬さが取れていった。
さくらが苦痛を感じている表情を浮かべると乳房を揉み上げ、首筋を舐めていく。
快感の割合が強いと見ると、今度は腰を使って膣を犯す方に力を入れる。
その見極めが絶妙で、さくらも徐々に秋月のセックスに引きずり込まれていった。

「くく、けっこう慣れてきたみたいだね」
「そ、そんなこと、あっ、ありませんっ……いやです、ああ……お、奥に来てる……」

苦鳴と甘い声の割合が徐々に逆転していく。
それに伴い、性器の抜き差しもスムーズになっていった。
締め付けは相変わらずきついが、女の潤滑油で膣内部がぬるぬるしており、ペニスの出し入れは
容易になってきている。
ずるずるっと引き出された肉棒には、とろりとした愛液がたっぷりと絡みついていた。

「感じてきたね、さくらくん」
「違いますっ……だ、誰があなたなんかに……んんっ……」
「自分から腰を使いたまえ、もっとよくなるぞ」
「いやですっ」

まだそこまで堕とすのは無理だろう。
まあいい。
この娘、普段は健気でしとやかそうに見えるが、実際はけっこう気が強いらしい。
しかも愛している男がいる。
秋月はそういう女を肉悦地獄に落とし込み、自ら求めさせることに、たまらない魅力を感じて
いた。
しかもその相手が一目惚れの女であり、おまけにその女の恋人が憎んでもあまりある男なのだ。
秋月は、徹底的に嬲ってやろうと誓った。

「あああ……」

大きなストロークで深々と貫かれ、乳房を愛撫され、背中や首筋を舐められていく。
イヤでイヤでたまらなかったのに、さくらはそれとは全く別の感情が起こっていることに気づ
いていた。
クリトリスが剥けてきている。
乳首が痛いほどに勃起していた。
膣の奥が灼けそうなほどに熱を持ってきた。
あれほど痛かったペニスの挿入が、そうでもなくなってきている。
むしろ、むずむずする膣をあれでかき回してもらうと、ゾクゾクするような快感を得てしまっ
ていた。

「あ、あはっ……あうっ……ああっ……やあっ……んううっ……」

ペタンと腰がさくらの尻にくっつくと、秋月の性器はその最奥にまで届いた。
それからずるずると媚肉から引き抜かれ、カリが膣口に引っかかるところまで戻される。
そしてまたずぶずぶっと奥まで突っ込まれる。
それだけの行為なのに、さくらは居ても立ってもいられぬほどの感情の高ぶりを感じていた。
それがセックスによる官能だと気づくと、大神に対する申し訳なさと、自分の肉体の変化への
戸惑い、そして嫌悪で悩乱した。

「やあ……こんなっ……ああ……あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…ああっ」
「そんなに感じるかい、さくらくん」
「ち、違……ああ……」

大神以外の男に犯されて感じるわけがないと思うのに、身体は燃えて燃えて仕方がなかった。
大神とは別の男に無理矢理身体を開かされているという羞恥と屈辱が、さくらの被虐に火を
点けたのだ。
秋月も彼女の変化を感じ取っていた。
それまで、ただ締めつけるだけだった媚肉が、少しずつだが蠢き始めている。
男の突き込みに合わせるかのように、肉棒に襞が絡みついていく。
ペニスが膣を出入りするごとに、媚肉がざわざわとまとわりついた。
入る時は奥へと誘うように、出る時には精を絞ろうとするように、まるで意志を持ったかの
ように蠢いた。

「さくらくん、嬉しいよ。きみの身体が僕を受け入れてくれている」
「違い……ますっ!」
「違わないさ。さくらくんのオマンコが僕のものを離そうとしないじゃないか」
「こ、これは……」

そう言われてさくらも困惑した。
確かにもぞもぞと膣の中が蠢いているのが自分でもわかるのだ。

「それでいいんだよ、さくらくん。もっと愉しむんだ」
「そ、そんな……あたしは……あっ、やあ……あはあっ……」

男から快感を得ていることを見抜かれ、さくらは顔を赤く染めた。
なのに、身体はさくらの心を裏切り、男のペースに合わせていっている。
大神との行為では得られなかった肉の悦びを教え込まれ、さらに貪欲に次なる快感を求め始めた。
さくら自身は、この快楽を穢らわしい、汚い、浅ましいと思っているだけで、まだ没頭は出来て
いない。
ただ、身体の奥底からこみ上げてくる得体の知れぬ、それでいて強力な女の悦びに悩乱し、困惑
しているのみだ。

秋月の方も、ぐんぐんと射精欲がこみ上げてくる。
とうとう狙っていた女をものにしたという征服欲。
大神の大事なものを汚している満足感。
そして何より、さくらの女壷の素晴らしさで、ペニスがさっきから悲鳴を上げているのだ。
陰嚢が引きつれ、亀頭部がびくびくと痙攣していた。

「さ、さくらくん……もう出そうだよ」
「えっ!?」

さくらはさぁっと青ざめた。
犯されるだけでなく、胎内に射精までされては、本当に大神に会わせる顔がない。
それだけは断固阻止したかった。

「秋月さん、だめっ」

さくらは、盛んに腰を突き上げてくる男の力と、それでわき起こる快感に翻弄されながらも、
必死に止めた。

「お、お願いですっ、それだけはいやっ」
「なぜだい? セックスしたら、中に出すのは当然だろう」
「そんな、いやですっ……だ、出したらだめっ」

大神以外の男の精を胎内で受けさせられるショックで、それまでの快感が一気に引いた。
それでも、そんなさくらの願いを打ち砕くかのような勢いで突き込んでくる男のペニスが、引い
ていた快楽を再び引きずり出してくる。
大きなもので膣内部を引っかき回され、乳房が揉みくちゃになるほどにこねくり回される。
当然のように膣の締めつけも強くなっていく。
秋月のペニスを締め上げ、精液を絞り出そうとしている。
それを引き剥がすように、男はさくらの媚肉に分身を打ち込んでいった。

「な、中は……ああっ……中はだめ……あ、ああうっ……」

膣内射精される恐怖と、深くまでたくましいもので犯されているという喜悦がないまぜとなり、
さくらはわけがわからなくなる。
一心不乱にさくらの中を抉り上げていた秋月も限界を感じていた。
足の裏からビリビリとした痺れが上がってくる。
陰嚢の付け根が熱くなり、ペニスの先目がけてどんどん突き抜けてきた。
さくらの強い膣圧に逆らい、何度も突き込んでいると、肉棒はますます硬く、熱くなってくる。
身体に震えが走る。

「くっ」
「あ、やあっ、やあっ、あっ…あっ…ああっ……だめえっっ!」

さくらの腰がぶるるっと大きく震え、ギクンギクンと背中が反り返った。
気をやったさくらの媚態と、そのとろけたような美貌を見て、秋月も堪えきれなくなった。
三度ほどグイグイッと奥まで突き込むと、そこで一気に欲望を放った。

「いくぞ!」
「……」

絶頂まで押し上げられたさくらは返事も出来ず、動けなかった。

びゅるるるんっ。
びゅくびゅくっ。
どびゅっ。
どびゅびゅっ。
びゅくっ。

「あっ、やあっ、出さないで!」

今さらながら、さくらは暴れた。
胎内深くに、熱い粘液が撒き散らされている。
勢いよく出された精液が胎内奥に当たり、それが跳ね返ってあちこちに引っかかっているのが
わかった。
濃い粘液は、そのまま膣壁にへばりついている。

秋月は、もがくさくらの尻を抱え込み、射精が終わるまで自由にしなかった。
満足するまで放ち終わると、ようやく力を抜いた。
男性器がぬぷりと抜けて、女性器から離れていく。
秋月のペニス断面の形のまま、口を開いている膣から、ぽたりぽたりと汁が溢れた。
男女の淫液の混合である。
秋月が手を離すと、さくらの肢体はどたりとベッドに倒れ込んだ。

(ああ……だ、出されちゃった……こんなにたくさん……ど、どうしよう……大神さん……)

「ふう」

満足した顔で尻を撫でる秋月に、さくらが振り向いて叫んだ。

「やめて!」
「……」

涙に濡れているものの、その下の表情はまだ気丈だ。
おとなしそうだが、けっこう気は強いと大神から聞かされていた通りである。
秋月は、少女の反発を愉しむかのように言った。

「ほう、まだそんな口が利けるんだね」
「あ、当たり前です! こんなことをして……、無理矢理、身体を奪うなんて許さないわ!」
「無理矢理? 確かにそうだったかも知れないが、そのうちさくらくんだってその気になって
いたじゃないか。けっこう悦んで……」
「やめて!!」

さくらは激しく顔を振った。
どんなにイヤだと思っていても、関係なくこみ上げてきた甘美な悦楽を思い出したのだ。
秋月から送り込まれる強制的な快楽に、さくらの肉体は抗えなかった。
そのことは彼女自身がいちばんよくわかっていた。
大神との行為でも、快感よりも羞恥が先に立って、いつも感じるとは限らなかった。
なのに、この男に犯されたら、身体の我慢が効かなかった。
降魔から抽出した媚薬を使われたからなのだが、無論さくらはそんなことを知りようもなかった。

「うっ……」

顔をシーツに伏せたまま、華激団の少女はすすり泣いていた。
身体を穢されたことが悔しく、大神を裏切ったような気がして悲しかった。
こんな男の前で涙を見せるのは屈辱以外の何物でもなかったが、堪えられなかった。

非道の陸軍中尉は、さめざめと泣く美少女の腰を両手で掴むと、再び臨戦態勢に入った。気配を
感じ取ったさくらが驚いて見上げる。

「あっ、あなた、まだ……」
「もちろんさ。さくらくんだって、まだまだ出来るだろう?」
「冗談じゃありませんっ、絶対にいやっ! ああっ」

男は、抗うさくらの尻たぶをぴしゃんと一発叩くと、その股間をこじ開けて、滾った肉棒を
女陰に押しつけていった。

─────────────────

紅蘭とすみれは医務室を訪れていた。
かすみに話を聞くためである。

風組隊員である藤井かすみの本来任務は、陸路空路を問わず、花組の面々を現地へ送り届ける
ことだ。
もっとも、それ以外にも任されていることがある。
医療知識を持ったかすみは、帝撃内の医療部門を担っているのだ。
軍人をなるべく排除したかった米田が、かすみに因果をふくめて医師資格を取らせたのである。
ちなみに、同じ風組の榊原由里や高村椿も看護婦の資格を持っている。

「はあ……秋月中尉ですか?」

かすみは綺麗な形の顎に手を当てながら、小さく首を曲げた。
今年25歳になる落ち着いた女性で、言うなれば帝撃内の「お姉さん」的存在だ。
カルテを整理していた手を休め、椅子に掛けたまま、ふたりを見上げた。

「ええ。秋月中尉が、どんなことを探っていたのか知りたいんですの。かすみさんのところへは
来まして?」

すみれも紅蘭も大まじめな顔をしていた。
大まじめというよりも、少々怖い表情だ。
少し気圧される感じでかすみは答えた。

「そう言えば……私のところというより、ここにもいらっしゃいましたよ」
「ここ? 医務室へ、ですか?」
「はい。何でも、花組のみなさんの霊力を調査したい、とかで」
「霊力? ……やっぱりなあ」
「やっぱり?」

紅蘭のつぶやきにかすみが首を傾げた。
すみれは畳みかけるように聞く。

「それであなた、どう答えたんですの?」
「ええ、最初はカルテを見せろって言ってきたんですよ。でも……」

かすみは困ったような顔で言った。

「カルテはもっとも基本的で大事な個人情報でしょう? おいそれと他人に見せるわけには
いきませんし」
「そらそや」
「そう言ったら、軍務だから見せてくれって、おっしゃって」
「それで?」
「もちろん見せませんでした」

かすみはニッコリ笑った。

「秋月中尉が何を考えてるかわかりませんでしたし、そういうことなら書面で軍命令を見せて
くださいって言いました。そうじゃなければ、米田司令も副司令も隊長もいない今、私の判断
でお見せすることは出来ません、って」

さすがにしっかりしている。
米田が医療部門を一任するだけのことはある女性だった。
すみれも、強張った表情を少しを緩めた。

「そしたらあの男、どうしましたの?」
「だいぶ粘ってきましたけど、結局あきらめました。だから言ってやったんです。どの隊員に
どれくらいの霊力があるか、というのは、帝撃にとって重要機密に属します。ですから、いかに
陸軍の将校さんとはいえ、部外者には見せられません」
「……」
「でも、もし知りたいなら、報告書や戦闘詳細をお調べになったらどうですかって言っておきま
したよ」

定期的あるいは作戦開始及び終了時に提出する報告書や戦闘詳細なら、どっちみち陸軍へ送って
いるのだから、その控えを見られても影響はない。
それに戦闘記録を見ればどの光武がどれだけ活躍し、どの隊員がどれくらいの降魔や魔操機兵を
撃破したのかはわかる。
そのデータから推測すれば、おおよそのことはわかるはずなのだ。

従ってこの場合、かすみの対応は「消極的な拒否」ではあるが、誤った処置ではないし、筋は
通っているのだ。
こう来られては、秋月としてもぐうの音も出ないだろう。
すみれは小気味良さすら感じて、かすみを賞賛した。

「さすがに風組のリーダーですわね。適切な処置ですわ」
「とんでもないです」

穏やかな笑顔を浮かべたかすみを後にして、すみれたちは部屋を出た。

─────────────────

室内は異様な熱気でむんむんとしていた。
四つん這いのさくらが、尻を降魔に捧げている。
美少女のアヌスに吸い付いている魔の幼生は、嬉々としてその中身を飲み込んでいった。

「あ……す、吸っちゃ……う、ううんっ……ひっ……な、中で、あっ……あんまり動かないで
……あ、あうう……」

人語を解さぬ降魔に哀願せずにはいられないさくらは、肛門や直腸から感じ取れる人外の快美感
に呻き続けた。
偶然なのかそれとも応変なのか不明だが、アヌスに入り込んでいる幼生の触手口は、ちょうど
さくらの直腸の直径に等しかった。
裂かれるほどにきつくはないが、内部を万遍なく擦られるのは変わらない。
むしろ太くない分、腸壁を抉られる感覚を存分に感じ取ってしまう。
獲物から養分を吸い上げ易くするため、この降魔は触手口の皮膚面から粘液を分泌する。
そのせいで滑りがよくなることに加え、媚薬効果もある。
さくらは、苦痛でおぞましいだけだった降魔の「食事」に、痺れるような甘い喜悦を感じ始めて
いた。

(こ、こんな……こんな恥ずかしいことが……気持ち悪いことが……いやじゃ……なくなってる
……へ、変だわ……お尻が、変……)

「あ……あうう……そ、そこ……く、くすぐ……ったい……」

幼生に直腸内を抉られると、むずむずとお腹の中が痛がゆくなってくる。
思わず腰を振ってしまい、もっと激しく動いて欲しいと念じてしまう。
浅ましい思いに気づき、ハッとして我に返っても、お尻の中で蠢く触手のぬめぬめ、ぬるぬる
した感触に、臀部が震えるのが止まらなかった。
前後に出し入れされるだけではもどかしかった。
抉る触手がなめらかで柔らかすぎるのも物足りないとすら思えてきた。
秋月がさくらの変化に気づいたのか、からかうように言った。

「ふふふ、さくらくん、もう降魔にお尻から吸われるのがよくなってきたのかい?」
「ち、違いますっ……変なこと言わないで! ああっ……」

心の奥で感じてしまっていた肛虐の肉悦を覚られ、さくらはまとめた黒髪を振りたくって否定
した。
だが、それが虚しいウソなのは、見ているだけでわかる。
少女のよく張った臀部は、くねくねとうねくって触手を奥へ奥へと誘っていたのだ。
触手口を出し入れされるだけでもうっとりするほどの快感があるのに、腸内をずずずっと吸わ
れると気が飛んでしまいそうになる。
なぜそんなことをされて気持ちいいのか、さくらにはさっぱりわからなかった。
わかるのは、降魔に吸われている間中、乳首が痛いほどに屹立し、クリトリスは包皮し、膣から
は蜜が滲んで止まらない、ということだけだ。

さくらは高栄養度の流動食を喉へ流し込まれ、それが半消化状態になったものを腸から吸い取ら
れている。
従ってなめらかに流動しているはずなのだが、たまに、何かの弾みで触手内に詰まることもある。
すると触手が膨らんでしまうのだが、そのまま降魔は吸い上げてしまう。
その、ぶくりと膨れた部分が腸内を通ると、さくらはより一層の快楽を得て、喘いでしまう。
さらにそれ出口を通り抜ける時、狭い肛門が拡げられ、ぴりっとした痛みと同時に、震えてしま
うような快美も受け取っていた。

「うんっ……!!」

最後の養分を吸い取り終わり、触手がぬぽっと抜けると、さくらは甲高い悲鳴を上げて尻を振った。
そして、糸が切れたマリオネットのように全身が脱力し、ぐったりとなった。
力が入らない。
アナルから養分を吸われている間中、全身に力を込めていた。
おぞましい感覚を耐えるため、どうしても力が入る。
それだけでなく、どうしようもなく感じ取ってしまう暗く妖しい快楽に沈み込んでしまいそうに
なる心を必死に引き留める意味もあって、裸身が痙攣するほどに力が入ってしまうのである。

日に一度ずつ降魔に尻を与え続けたさくらは、それが四日目になると、もうおぞましくて身体が
震えるのか、尻や直腸から受ける快感で悶えてしまっているのか、よくわからなくなるほどだった。
降魔に身体を奪われているかのような錯覚からくる恥辱。
降魔を自分から出る養分で育てている屈辱。
それらの行為──排泄器官を嬲られているのに性的な快感を感じていることに対する困惑。
そして、それらをすべて男に見られている羞恥。

さくらの、若く鋭敏な肉体は連日の責めに否応なく順応させられ、鍛え抜いた気力は性の悦楽に
徐々に萎え、明敏な頭脳もどろりとした濃密な霧に覆われつつあった。
まだ正気は保っていたものの、どこまで保つのか自分でも自信がなかった。

「ふふ……そろそろいいかな」

全身が汗にまみれているさくらの身体を撫で回していた秋月は、納得したようにうなずいた。
着ていた白衣と軍服を脱ぎ、台車から妙な道具を手にする。
降魔の成長に手を貸している衝撃と、そのことで感じてしまった羞恥にまみれているさくらは、
周囲に気を配る余裕もなかった。
あまり激しく抵抗されても困るが、これから何をされるか理解させ、存分に脅えさせないと
責め甲斐がない。
そう思った秋月は、さくらの頬を軽く張った。

「今度は何をされると思うかね、さくらくん」
「もういや……」

さくらは力無く顔を振った。

「もうこれ以上はいやです……お尻、しないで……」
「ふふ、そんなに尻を責められるのはいやかね?」
「いやですっ……こんな恥ずかしい……」
「いやでもするんだよ。さ、さくらくんの好きな浣腸だ」
「ひっ……」

さくらは青ざめ、顔を引きつらせた。
浣腸だけは本当にいやだった。
秋月に肛門をいびられ、指を入れられるのはつらかった。
降魔に尻穴を吸われるのもたまらない。

それでも、浣腸されるのよりはマシだった。
薬液を注入されるおぞましさ、徐々にお腹に溜まっていく苦しさ、まるで射精されているかの
ような感触もたまらなかった。
その上、居ても立ってもいられないほどの便意にのたうち回され、排便を懇願する屈辱の言葉
を吐かされ、ぎりぎりまで我慢させられてから、やっと排泄を許されても、それをつぶさに
観察されてしまう。
気が狂いそうになるほどの恥辱だった。

「か、浣腸はいや……浣腸だけは本当にいやなんです……ああ、やめてぇ……」
「そうはいかん。だいたい、幼生にエサをやる前、毎回何度もしてるじゃないか。いい加減、
きみも慣れただろう」

幼生に肛門を吸われる前、体内に残った便をすべて排泄させられる。
幼生はまだ抗体が弱く、便に含まれる細菌を吸収すると、感染し死んでしまうからだ。
そのため、エサの時間になると、徹底的に浣腸され、肛門から出てくるのが薬液のみとなるまで
浣腸責めされることになる。

恥ずかしいだけでなく、さくらは次第に浣腸が恐ろしくなってきていた。
媚薬効果もあるのか、浣腸責めされることでアヌスやお腹の中へ奇妙な快楽を感じるように
なってきていたからだ。
それだけでなく、浣腸され、薬液のきつさや便意の苦痛に苦悶しているうち、だんだんと膣
の最奥が熱を持ち、濡れてきてしまうことにも気がついていた。
その先にあるものが怖かった。
これ以上浣腸で責められたらどうなるかわからない。
いや、わかっているからこそ怖かったのかも知れない。
浣腸で責められるくらいなら、素直に犯された方がいい。
それほどにいやだった。
秋月はにやにやしながら聞いた。

「そんなに浣腸されるのはいやかい、さくらくん」
「いやよ! 死にたいくらいいや!」
「そうか。なら他のことに切り替えてもいい」
「え……?」

さくらは少し驚いて振り向いた。
これまで、何度哀願しても強引にされてきたのだ。
秋月がさくらの言い分を聞いてくれたことはなかった。
今回に限ってどういうことだろう。
さくらの訝し気な表情を見て、秋月は嗤った。

「浣腸をやめれば、その代わりに何をされてもいいんだね?」
「……」

秋月の言い方が気持ち悪かった。
浣腸を使って脅迫しているようなものだ。
だが、さくらに他の選択肢はなかった。
浣腸も他の責めも拒絶したり、失意で自決でもしようものなら、彼らは躊躇なくアイリスに
手を出すのだろう。
いかに自分の身を守るためとはいえ、他人を犠牲にするわけにはいかない。
ましてアイリスを人身御供に出せるわけもなかった。

「では、これだ」
「そ、それ……」

さくらは恐々と秋月の手を見つめた。
彼が持っていたのは、何やら得体の知れない棒だった。
真っ黒で、長さは20センチほどはあるだろうか。
秋月が手を軽く振ると、小さくしなるところを見ると、ある程度の弾力があるらしい。
異様なのは、棒の周囲全体に小さな突起が無数についていたことだ。
そのグロテスクな姿を見ると、さくらはわなわなと震えだした。
何かいやらしいことに使われることくらい、聞かなくてもわかる。

「なにを……する気なんですか……」
「知れたことを聞くな。さくらくんの尻を責めるに決まってるだろう」
「いやっ!」




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