「何をするか知らないけど、私が勝てば隊長は……」

セルゲイは、恐らくわざと重々しく頷いた。

「ウソは言わん。おまえが勝負に勝てばあの男には手出しせん。まだ解放は出来んが、嫌疑が晴れるまで収容所にぶち込んでおくことになる」
「……。で? 何をするの?」

その言葉を受け、ボリスとセルゲイがマリアの身体に伸びる。
マリアは反射的に身を屈めてその手から逃れる。

「な、何を……」
「おとなしくしてもらおう。もし逆らえば……」
「……」

マリアは手を引かれ、椅子から立たされた。
するとふたりの男は、おもむろにマリアの着衣を引き裂いていく。

「……!! 何するの!?」
「騒ぐな。殺しはせんし、ケガをさせるつもりもない」
「じゃ……、じゃあ何でこんな……」
「すぐにわかる」
「やめて……!!」

マリアはそう叫んだものの、屈強な男たちにまとわりつかれて、あっという間にブラウスを引き千切られ、腰に巻いたスカートも引き下ろされた。
下着姿にされただけでなく、その下着すらもボリスが破り取っていく。
紫色のブラジャーはむしり取られ、同色のショーツもボロ切れのように捨てられた。
さらには褐色のガーターストッキングにもミハエルの手が掛かったものの、それはセルゲイによって止められた。
男たちの目に身体と肌を晒す恥辱から逃れようと身を縮めるものの、ボリスらに両手を掴まれ、引き起こされてしまった。
眼を細めてマリアの身体を見ていたセルゲイが感嘆する。

「なかなかいい身体をしているな。その肌の白さは父親譲りということか。スタイルの良さは母親の遺伝かね?」
「……」

確かに素晴らしい身体であった。
セルゲイたちはもちろん知らないが、マリアの3サイズは上から88/60/90である。
胸にしろ尻にしろ、ここまで大きいと好みが分かれるところだが、マリアの場合は身長が高い。
そのせいでバストやヒップのサイズが大きい割りに、身体つきのバランスは良いのだ。
八頭身ということもあって、ほぼ完璧なスタイルと言えよう。
長くすらりとしているが、それでいて充分に脂の乗った脚はストッキングが覆っており、より色気を醸し出していた。
細く括れた腰に巻かれたガーターベルトも、真っ白な肌を映えさせている。

(やはり乱暴する気だわ……)

マリアはゴクリと喉を動かした。
このままタダで済むはずはないと思っていたし、野卑な男どもの中に、囚われた無抵抗の若い女がいるのだ。
マリアは最悪の事態も覚悟はしていた。
それに、マリアにとって本当の最悪な事態とは、大神が殺されてしまうことである。
無論、自分だって死にたくはないが、大神が死んでしまうよりはマシだった。
愛しい人が死ぬのはユーリーだけでたくさんだった。
大神だけは死なせたくない。
そのためには何でもするつもりだった。

ボリスを見てみると、案の定、ズボンの前を膨らませている。
ミハエルの方も、ファスナーを飛ばしそうなくらいに大きくなっていた。

「……」

それを見たマリアは、逆に度胸が据わった。
どっちみち、こうなる可能性は高かったのだ。

どうせ処女ではなかった。
ユーリーに捧げたわけではないが、ニューヨーク時代に「不本意」な形で男を知ることになった。
異境で女ひとりが生きていくには他に手段もなかっただろう。
それでもマリアにはまだ銃の腕前があったから、恥辱的な機会は少なくて済んだ方である。
そして──大神とも結ばれている。
最初は、こんな汚れた身体を捧げるのは心苦しく、申し訳なかったが、マリアが処女でないと知っても大神は優しかった。

その大神に委ねた身体がまた穢されることになるが、それも仕方なかった。
事が済んだ暁には、また大神に抱いて貰おう。
マリアはそう思い、この試練を耐え抜くつもりだった。
ミハエルがどこからかガラガラとストレッチャーを押してきた。
マリアはその上に乗せられた。
大きな台車というよりは寝台のようで、長身のマリアでも充分に寝そべれるものだ。
台の上にはシーツが被せられた薄いマットレスが敷いてある。
どうやら、この上で犯そうという気らしい。

「……」

マリアは四つん這いにさせられ、肘と膝をベルトで巻かれて寝台に拘束された。
デスクに座るセルゲイに尻を突き出す格好である。
腕と脚が少し震えている。
酔いが回っていて力が入らず、手足の動きが覚束ないということもあるが、恥ずかしい格好を見られている恥辱感のせいだった。
マリアもさすがに羞恥を感じ、顔を背けたまま言った。

「……いつまでこんな格好させておくつもりなの」
「……」

男たちは黙ってマリアの身体を眺めている。前からはボリスが、横からはミハエルが舐め回すように美女の肉体を鑑賞していた。
セルゲイは、豊かに張ったマリアの臀部に目を奪われている。

「……見事な尻だな」

惚れ惚れするような声でセルゲイが言った。
熟した女を彩るように、豊満な尻たぶがむちっと張っていた。
真っ白で染み一つなく、触れれば弾力で指が弾かれそうだ。
尻だけでなく胸も素晴らしかった。
もっぱらミハエルたちはマリアの胸ばかり見ている。
それもそのはずで、括れた腰から大きく張った臀部も凄いが、乳房も一層に大きかった。
熟し切ったまろやかさと、脂肪が乗りきった弾力感が触らなくてもわかる。

セルゲイは、マリアを処女ではあるまいと踏んでいた。
これだけの身体を周囲の男が放って置くはずはないし、マリアの裸身からは処女特有の曲線の固さがない。
瑞々しいばかりの官能的なラインが、この美しい女の裸体を描き出していた。

セルゲイはゴクリと生唾を飲み込んだ。
身体だけでなく、その美貌も大したものだ。
細い眼がきつそうに見えるが、美しさを損なうほどではない。
鼻筋は綺麗に伸び、唇もぼてっと太くなく、どちらかというと小さめで清楚ですらあった。

もともと彼らは、スパイ摘発や反革命分子の拘束を目的とはしているが、こうして無実の美しい女をスパイ容疑として弄ぶことも珍しくない。
国民からの憎まれ役であり、きつい仕事の代償、役得だと思っていたから罪悪感もなかった。
上層部も「それでよし」としていた。
少しでも怪しい奴は捕らえておくに越したことはないし、そうやって女を愉しむことで末端員のガス抜きになればよし、と踏んでいたのである。

しかし、そのセルゲイをして、マリアは極上の女に思えた。
このクラスであれば、セルゲイが街で見かけたら問答無用で引っ張っていたことだろう。
セルゲイの目線を感じたのか、マリアは脅えて尻を小さく振った。
それを見たボリスがマリアの尻たぶを掴み、ぐいっと大きく割り開いた。

「あっ、いやあ!」

途端に尻の谷間に涼しい風が流れ込んでくる。
ボリスが顔を近づける。
外気と別に生暖かい空気が触れるのは、ボリスが間近で見ているせいだろう。
セルゲイも身を乗り出すようにしてそこを覘いていた。
男たち三人の視線を感じるのか、マリアの肛門が恥ずかしげにきゅっと引き窄められる。
淫らな視線に耐えきれず、マリアは顔を真っ赤にして叫ぶ。

「そんなにじっと見ないで! す、するならさっさと済ませて!」
「ほう、「する」とは何だ? くく、何だ犯して欲しいのか?」
「……」

言葉でも恥辱責めするつもりなのだろう。
マリアは悔しさを噛み殺して相手を無視した。
無論、無意味な抵抗で、そんなことで彼らがやめるはずもなかった。

「どれ、勇ましいお嬢さんの覚悟も決まったようだ。準備しろ」
「はい」
「……」

ミハエルは低く返事をしたが、ボリスは相変わらず一言も発しなかった。
それでも命令には従い、何やら支度を始めている。
マリアは不安そうな顔でミハエルたちを見た。

ボリスは、壁から生えている細いホースのようなものを引っ張り出している。
長さは5メートル以上はあるようで、壁から伸びた管はマリアが拘束されているベッドまで届く。
普段は壁に収納していて、使う時に延ばすのだろう。
三本あるホースのうち、いちばん左側にあるものを手にしている。
先にはノズルのようなものが装着されていた。
蛇口は壁にあり、ミハエルはそれを確認している。
ミハエルが壁の蛇口を緩めると、ちょろちょろと液体が流れてきた。
蛇口の栓を開くと勢いよく噴き出し、閉めると流水は止まった。

「……」

いったい何をするつもりだろうか。
マリアの胸に不安がよぎる。
あのホースで、また口から鼻から水を注ぎ込んで拷問でもするのだろうか。
てっきり凌辱されるものと思っていたマリアは少しホッとしたが、肉体的拷問も嬉しくはない。
それにしても、秘密警察ならもっと効果的な拷問をするものと思っていた。
確かに水責めも苦しいし、ヘタをすれば命を失うが、直接的に痛めつけるような行為をしてこないのは意外だった。
爪を剥ぐとか指を潰すとか、その手の拷問方法はマリアも聞いたことがある。
麻酔無しで歯を抜いたり、耳を削いだりすることもあるらしい。
残酷でおぞましい限りだが、もっと簡単に殴ったり蹴ったりとかの暴力でもいいのだ。
なぜこんな責めをするのだろう。

そう考えると、マリアにも思い当たることがあった。
水責めなら身体に傷がつかないのだ。
つまり肉体的拷問を咥えた証拠が残らない。
だから大神も水責めだったのではないか。

なぜそんなことをするのか。
多分、マリアも大神も拷問で責め殺すつもりはないのだろう。
何らかの交渉とか、あるいは人質交換にでもするのかも知れない。
相手に返すのであれば、拷問を加えられた痕跡が残るのは確かにまずい。

微かだが希望が出てきた気がする。
生きて日本へ帰れるかも知れない。
あとは大神に危害が加えられないことを祈りつつ、マリアが責めに耐え抜けばいいのだ。
大神とともに帰国できるのであれば、こんなやつらにレイプされることなど、どれほどのこともないとすら思えた。

だがマリアはまだ知らなかった。
彼らが、マリアに怪我をさせないようにしているのは、彼女の肌に傷を付けたくなかったからに他ならない。
つまり、マリアの「女」としての価値を下げないようにしているのだ。
セルゲイらに嬲られた後、どのような運命を辿らされるのか、この時のマリアには思いつきもしなかった。
椅子に凭れかかったセルゲイは、腹の上で手を組みながら言った。

「では始めるかね。まずは一回戦だ」
「一回戦……?」
「なに、こちらの責めにおまえは保たないだろうと思っているのでね。一回だけでは気の毒だと思ってな、色々な勝負をしてやるつもりだ」
「バカにして……。じゃあ私が一度でも勝てばそれでいいのね? 隊長も私も解放するの?」
「いいだろう、約束しよう」

セルゲイは余裕たっぷりにそう答えた。
絶対に負けない自信があるらしい。
それほどきつい責めなのだろうか。
直接的な暴力はないのだろうが、気にはなる。
少し考えたものの、アルコールが回った頭は朦朧としている。
集中力もすり減らされていて、マリアはそれ以上考えることを止めた。
野良犬に噛まれたと思って我慢すればいい。
だが、その決意は呆気なく打ち砕かれた。

「ひっ!?」

ミハエルが弾力のある尻肉を掴んで大きく割った。
その奥底には、秘められた可憐な蕾がひっそりと息づいている。
男どもの視線を感じたのか、脅えたように引き窄まった。
そこにボリスの指が伸び、剥き出しにされたアヌスに触れた。
思いも寄らぬ箇所への責めに、マリアは仰天して振り返った。

「なっ……、ど、どこを……」
「どこって尻の穴だよ、マリア・タチバナのね」
「な……」
「そのボリスは無口だが、女の尻に目がなくてね」
「ちょ、待ちなさい! そ、そんなところ……い、いやっ!」

マリアは大きな尻を振って悲鳴を上げた。
その暴れっぷりは、尻を割り開いているミハエルの手を弾き飛ばすほどだ。
それだけ尻責めされるのがイヤだということだろう。
しかし無口なアジア系の男はまったく動じず、マリアの肛門に指の腹を押しつけて、円を描くようにマッサージしている。
その気色悪さ、おぞましさに、マリアは金髪を振りたくって呻いた。
処女ではないし、大神と恋人同士になってから、彼ともセックスはした。
だから今さら純情ぶるつもりはないが、そこだけはイヤだった。
ニューヨーク時代の悪夢をどうしても思い出してしまう。

ヒットマンとして名を売った彼女は、組織の命令で娼婦に化けて相手を始末することもあった。
そのためと称して、マリアは組織のボスたちに性調教されていたのである。
まだ15歳だったマリアには過酷すぎる体験だったが、いつしかそれも当たり前としてこなしてしまうようになった。
だが、尻を責められることだけはどうしても慣れなかった。
調教でアナルセックスされたことはあるが、本当に死ぬかと思うほど苦痛で辛かったのだ。

彼女にとって幸運だったのは「仕事」では、それを求める男がいなかったことだ。
SM趣味の男に虐められたり、放尿を見られたり、複数の男に犯されたりと、散々な目に遭ったが、抱かれてから殺した相手や気まぐれにボスに抱かれた時などは、そこを犯されることはなかったのである。
それでも調教で尻を責められ、肛門性交された記憶は頭の奥にこびりついていた。

「や、やめて! 触らないで!」
「ふふん、随分な騒ぎようだな。さすがにおまえでも、そこの経験はないのか?」
「……」
「おや、また黙秘かね。ま、いい。おい、ボリス。そいつの具合はどうだ?」

マリアの粘膜をゆるゆると揉みほぐし、その感触を愉しんでいた男は、ボスの問いに頷いた。

「ボリスが褒めてるぞ。くく、いい尻をしているようだな」
「う、うるさ、あっ……やめっ……あっ」

すうっとボリスの指が引き、マリアはホッとしたように力を抜いた。
おぞましい責めのためか、早くもその肌にしっとりと汗が浮いている。
ぷぅんと甘ったるい女の匂いが漂い始めている。

「ひっ」

マリアがまた喉を鳴らした。
揉み込まれ、柔らかくなったアヌスに何か浴びせられたのである。
見ると、ボリスが例のチューブを持って、そこから噴き出してくる液体をマリアの肛門に引っかけていたのだ。

「な……なに……?」
「……浣腸だよ、マリア・タチバナ」
「か……」
「知らんかね? おまえの尻の穴にグリセリンを入れてやろうという寸法だ」
「何ですって!?」

あまりのことにマリアは唖然とした。
裏社会で生きている時、そういう責めで女を虐める男がいることは聞いていた。
しかし、マリアは未経験である。
肛門を犯される調教はされたものの、さすがにそこまではされなかったのだ。
浣腸されたらどうなるのか、どんな恥を晒さねばならないのか。
それを思うと、マリアの美貌から血が引き、僅かに身体が震えた。

「なんで……、なんでそんなことを……!」
「なに、どうということはない。我々にとっては一般的な訊問法のひとつだ」
「い、一般的って……」
「おまえはなかなかきかん気が強そうだからな。こうでもしないと喋ってくれんだろう。それに、さっきも言ったが、これはおまえと我々の勝負だ」
「勝負って……、こんなことで何の勝負なのよ!」

マリアは、唇が震え、語尾が震えてしまうのを懸命に堪えていた。

「一回戦はこうしよう。これからおまえに浣腸する」
「いやよ、そんな!」
「……そうかね? では試合放棄ということいいか? おまえは強制収容所でさらに厳しい拷問を受けてもらうことになる。そして、あの日本人の男はもちろん処刑だ」
「ま、待って……!」
「なら、やるんだな」
「……わ……わかった……。その代わり、隊長には何もしないって約束して」

マリアの消え入りそうな声に、セルゲイは鷹揚に頷いた。

「もちろんだ。但し、おまえが我々との勝負に勝てば、の話だ。そうなれば、あの男の命は保証しよう」
「……」

マリアは許諾したように、小さく首肯した。
この連中が約束を反故にしない保証はどこにもない。
しかし今のマリアには、この淫らな勝負に乗るしかなかった。
恐らく、やつらの目的はマリアを白状させることなどではなく、単に美しい女を好き放題に責めたい、というだけなのだろう。
そのためにスパイとしてでっち上げただけで、大神は一緒にいたからしょっ引いたに過ぎないのだ。
この茶番に応じるのはやつらの思う壺だとは思うのだが、時間稼ぎのためにもやるしかなかった。
どんな恥辱を味わわされようとも堪え忍ぼうとマリアは誓った。
勝負を承諾したマリアを見て、セルゲイは重々しく告げた。

「ルールは簡単だ。これからおまえに……、そうだな、4回続けて浣腸する」
「よ、4回って……」
「浣腸されたらどうなるか、わかるな?」
「……」
「当然、グリセリンで直腸が刺激され、排泄することになる。そこで、おまえには30分ほど排泄を我慢してもらうことになる」
「30分……」
「ああ、そうだ。都合4回するわけだから、平均すれば8分ずつ耐えられればおまえの勝ちとなる。その時点でおまえと、あの大神とかいう日本人を解放する」
「……きっとよ」
「約束しよう」

セルゲイはそう返事をして「くくっ」と喉の奥で嗤った。
最初から騙すつもりというよりも、マリアがこの責めに敵うはずがないと思っているらしかった。
そのセルゲイが手を上げて合図すると、ボリスが頷いてノズルをマリアのアヌスに沈めてきた。

「あっ、いやあっ」

思わずそう叫んだマリアだったが、ボリスは委細構わず、そのままズブズブとノズルを埋め込んだ。

「ひっ……!」

鋭い悲鳴とともにマリアの白い裸身が仰け反り、その尻がぶるるっと大きく震える。

「よし、スタートだ」

セルゲイがストップウォッチを押すのと同時に、ミハエルが蛇口を緩めた。

「んひっ、いやっ……!」

マリアらしからぬ悲鳴が上がり、薬液が注ぎ込まれていく。
ちゅるるっと流れ込んでくるグリセリンの感触に、マリアは唇を噛んで仰け反った。
水よりも粘度が高いからか、どろっとした感覚のものが入ってくる感じがする。
そのおぞましさは例えようもなく、背筋に悪寒が走った。
とてもじっとしていられるようなものではなく、マリアはたまらず腰をぶるぶると痙攣させた。
激しく顔を左右に振りたくるものの、そんなもので紛れるわけもなく、苦しそうに呻き声を漏らした。

「あ……あ……、もう……くっ……い、入れないで……あっ」
「まだまだ。こんなもんじゃないぞ、マリア・タチバナ」
「は、はううっ、いや……な、なにこれ……ああっ、お、お尻が……」

グリセリン溶液がマリアの直腸を冷やしていく。
身体は冷えていくはずなのに、マリアは脂汗を滲ませ始めている。
強制的に冷たい薬液を飲まされるアヌスはきゅっと堅く窄まり、たわわな尻肉を震わせていた。
浣腸される感覚に少し慣れたのか、悲鳴は止んで呻き声が漏れるだけになっている。

しかし、ちゅるちゅると薬液が注がれていくうちに、マリアの表情に変化が見えてきた。
それまで、浣腸の悪寒を堪えるために息んで赤くなっていた顔から血の気が引き始める。
綺麗な額にもじわっと汗が滲んできた。
マリアは、男ならむしゃぶりつきたくなるような苦悶の美貌を晒し、苦しげに呻いた。

「はっ……んんっ……く……苦しい……あっ……も、もう入れないで……あうっ……」

四つん這いになったマリアの下腹からググッと不気味な音が聞こえてくる。
ノズルの先が直腸に触れるのか、マリアはビクッ、ビクッと小さく身体を震わせていた。

「も……もうだめよ、ああ……こ、これ以上は、ああ……」
「だめだ、もっと飲むんだ」
「そんな……、無理よ……あう」

恐らく無意識なのだろうが、注入されていくマリアの尻が妖しく踊っている。
浣腸されるおぞましさと、次第に高まっていく便意のせいだろう。
マリアの腹部が微かだが膨らんできている。
もうこれ以上は無理とばかりに、マリアは必死になって腰を振っていた。
当然、そんなことをすれば注入されたグリセリンが腸壁を刺激することとなり逆効果である。
だが、どうにもじっとしていられず、マリアは恥ずかしいダンスを踊り続けた。

「はああっ、いやあっ……あ、あ、まだ……まだ入ってくるっ……んんっ!」
「元気だな、まだまだ入りそうだ」
「むっ、無理っ……お願いだから、もうっ……お、お尻っ……ああっ」

セルゲイはじっとマリアの顔や身体の様子を窺っている。
壊してしまっては元も子もないが、緩い責めでは意味がない。
ギリギリ限界までの浣腸を狙っていた。

「ぐううっ、だめ……ああ、もう本当にだめ……くっ、いやっ」

ノズルを飲み込んだアヌスが苦しげにひくついている。
きゅっと窄めたかと思うと、外に花開くかのようにぐうっと盛り上がってきた。
その収縮の間隔が狭まり、膨らんで緩んだ時には、中から少し溶液が漏れてくる。
セルゲイは目算で、1リットルは入ってないだろうが500cc以上は浣腸したと思った。
潮時だと思ったセルゲイがボリスを見ると、彼もそう思ったらしく、黙ってノズルを引き抜いた。

「はぐっ……!」

突然にぬぷっとノズルが引き抜かれると、マリアの肛門からぴゅるっと少しだけグリセリンが逆流した。
こうした場合、並みの女であれば、引き抜かれたと同時に排泄してしまうケースも多いが、マリアはまだ懸命に排泄を堪えている。
なかなかに虐め甲斐のありそうな気の強い女だ。
加えてアヌスの収縮も素晴らしいのであろう。

「あ……ううっ……」

ようやく悪夢のような浣腸は終わったものの、今度は強烈な便意がこみ上げてくる。
マリアの全身が息み、腕や腿には筋肉が浮いてきていた。
尻肉も鳥肌を立てながら強張り、ぺっこりと沈んで空豆のような形状になっている。

「うんっ……くっ……んむ……」

定期的に押し寄せてくる激しい便意を堪え、マリアの白い指がぐぐっと強く握られる。
手だけでなく足の指までが屈まったり伸ばしたりを繰り返していた。
お腹からは、一層はっきりと「ググッ、グキュウッ」と排泄を訴える腸の悲鳴が聞こえた。

男たちは、便意に苦悶する美女をにやにやしながら眺めている。
女が苦悶する表情は、官能に震え喘ぎよがっている顔とよく似ていた。
セルゲイは、いやらしそうな笑みを隠そうともせずに言った。

「どうだねマリア、浣腸は初めてだったのだろう?」
「くっ……、へ、変態ね……」
「まだそんな口が利けるのか。まあいい、これで30分耐えればおまえの勝ちだ」
「さ、30分なんて……とても無理よ……ぐっ」

される前は、何としても堪えてみせると思っていたが、実際にされてみると、そんな生やさしいものではないことを覚った。
強制的とはいえ、生理的欲求は堪えようがないのだ。
ただ排便を堪えるだけでなく、薬で便意を引き起こされているのだから、どうしようもなかった。

「安心したまえ。この浣腸だけで30分耐えられなければ、あとチャンスは3回もあるのだ。合計で30分我慢すればいい」
「そんな……」

つまり、この地獄の便意をあと3回も堪えなければならないということである。
もちろん、出来るだけ長く我慢すれば全体の回数は減るが、今の状況を思うと、とてもそんなことが出来るとは思えなかった。

「はっ……く……うん……くっ……うう……」

それでもマリアは必死に耐えた。
今にも噴き出しそうになる便意を懸命に堪え、括約筋を思い切り締め上げる。
肛門を締めることで膣も絞まり、中からじわっと体液が垂れてきているが、マリアに気づく余裕はない。
帝撃ファンを魅了してきた美貌を青ざめさせ、歯が合わずにカチカチと鳴り出した。
お尻がというよりも、肛門が酷く熱くなってきている。
もう便意は肛門のすぐ内側にまで駆け下ってきているのだ。

脂汗が身体中から噴き出し、腰の震えが止まらなくなる。
顔を振ると金髪が揺らめき、ふわっと甘い女の汗の匂いが漂う。
玉になった汗が背中を流れ、腿を伝って滑り落ちてきた。
それでも、決して破局を晒すまいと死ぬ気で踏ん張っている。
セルゲイらは半ば呆れたように感心する。

「……大したものだな、マリア。これでもう6分……、いや7分になる。ふふ、濃い溶液をあれだけ入れられてここまで耐えた女はいなかったよ」

浣腸は拷問に於いても効果的である。
前述したように、人間は生理的欲求に耐えられるように出来ていない。
浣腸などされたら、どう頑張ったところで結局は排泄するしかないのだ。
その排泄を制限されたら、もう被疑者は言うなりになるしかない。

「く……苦し……」

熱く吐息を吐くようにマリアが呻いた。
少し動くだけでググッと下腹が音を立てる。
マリアは背をたわめ、身を丸めるようにして便意を堪えている。
吐き気を催すほどの激しい便意は、この気丈な美女を崩壊に導こうとしていた。
崩れかかっているマリアの便意を促すかのように、ボリスが洗面器をその臀部にあてがった。

「ひ……!」

マリアは洗面器の冷たさで脅えたように身を縮めたものの、下腹部を襲い来る便意の強烈さでロクに身動きも出来なかった。

「さあ、もう心配いらないぞ、マリア。くくっ、いつでも……」
「い、いや! それだけは絶対いやあっ!」

マリアは恐怖と恥辱におののき、その表情を引き攣らせている。
責めるロシア人の男どもの方は余裕綽々で、崩れゆく白い肌の女の痴態を愉しんでいた。

「……」

セルゲイがちらりとストップウォッチを気にする。
思ったより我慢強いマリアを、少し驚いたように見つめている。

「……東洋の……というか日本人は我慢強いとは聞いていたが、これほどとはね。もう、かれこれ10分か、大したものだな」
「くっ……」
「しかし我々も、いつまでもおまえにつき合う気はないのでね。ボリス」
「……」
「あっ」

ボリスは黙って頷くと、犬這いになったマリアの下腹に手を当て、揉み込んでいく。
同時に、便意に苦しみ、ひくつくアヌスに指をあてがい、マッサージまで始めた。
途端にマリアの排泄欲が猛烈に昂ぶっていく。

「ぐううっ! や、やめて、そんなっ……さ、擦らないでっ、お尻っ、お尻に響くっ……うあっ!」

揉み込まれる腹部からはグルグルと便意の音が、指先で嬲られるアヌスからはねちねちと粘った水音が響いてくる。
ボリスの太い指が離れると、僅かにぴゅるっと液体が噴き出してきた。
マリアはたまらず腰を蠢かせ、腹の底から太い声で呻く。

「だ、だめえ……やっ、もうっ……触らないで! くううっ、苦しいっ……あ、あ、もうっ……!」

アヌスがわなわなと痙攣し、ぐうっと盛り上がって今にも排泄しそうになる。
そして慌てたように引き窄められたものの、またすぐにググッと盛り上がってきた。
もう、どうにも耐えきれず、マリアは恥辱の言葉を吐いた。

「い……やあっ……もう、もうだめっ……も、漏れる、漏れちゃうっ……お願い、おトイレ……あ、あ……間に合わないっ……!」

その時、マリアの滑らかな肌にぞわっと鳥肌が立った。
ボリスは、揉み込んでいたアヌスがぶるるっと痙攣したのを感じ、すぐに洗面器をマリアの丸い尻肉にあてがう。
マリアは悲痛な叫び声を放った。

「いやあああっっ……、だめ、見ないでっ……うあああっ……!!」

美しいハーフの女が崩壊した。
これまで死ぬ気で窄めていたアヌスがウソのように口を開け、粘膜までさらけ出しながら排泄を始めた。
大量のグリセリンと排泄物とともに、マリアの恥辱の塊が否応なく吐き出されていく。

「あっ、あああっ……やあ……はああっ……」

マリアは苦悶し、喘ぎながら夥しい量を排泄していった。
あっという間にボリスの抱える洗面器は満たされていく。
マリアは恥辱の涙を流し、屈辱の呻き声を上げながらも、さらに肛門から便意を解放させていった。

「やあ……くあっ……ま、まだ出るっ……いやあああ……」

排泄を見られる恥辱に、マリアはアヌスを引き絞ったものの、とても止められるものではなかった。
一度途切れたものの、またすぐに肛門をわななかせながら排泄が始まった。
苦しそうではあるが、この上なく艶っぽい喘ぎ声を放ちつつ、マリアは臀部をぶるるっと震わせて排泄を続けた。
ボリスの洗面器が溢れそうになる寸前で、ようやくマリアの肛門は絞りきった。
きゅうっとアヌスが絞まり、ぽたぽたと粘っこい液体を滴らせている。

「ああ……」

全部吐き出したことでホッとしたのか、マリアは口を半開きにしたまま、顔を寝台に押しつけている。
美女の凄まじい排泄劇を見物していた男たちも、「ほうっ」と太い息を吐いた。
女を訊問目的あるいはいたぶる意味で浣腸拷問かけたことは何度もあるが、さすがにマリアほどの美女は未経験だ。

「……どうだね、マリア。我々に排泄まで見られた気分は」
「……」

何も言えず、マリアは顔を伏せて目を堅く閉じた
。立ちこめる異臭の中、マリアはこれ以上ない生き恥を晒したことを実感している。
汗にまみれた肢体を痙攣させ、哀しげに呻いていた。
ボリスがアルコールを浸した脱脂綿で、汚れた肛門を拭っても無抵抗だ。
尻を突きだしたまま、汗に濡れた肢体をぐったりさせている。
気丈な女が力を失い、弱々しく倒れている様子が男どもを昂揚させた。

「よく頑張ったな、え? 11分か。最初っからこんなに保った女はいないぞ」

セルゲイはせせら笑いながらそう言ってマリアを褒め称えたものの、マリアの方はそれどころではない。
初めての浣腸を受け、その恥辱感、汚辱感は吐き気を催すほどだ。
精神的だけでなく、体力的にもかなりのダメージを受けている。
浣腸によって体力までがすべて排泄されてしまったかと思えるほどだ。

加えて、腸内にはまだ吐き出し切れないグリセリンが残っているのか、しくしくと痛み、絞られるような収縮感に苦しんでいる。
意に染まぬ激しい排泄をしたことで、アヌスやその粘膜もズキズキと腫れぼったい。
そこへまたボリスがノズルを刺し込んだ。
マリアは思わず仰け反り、悲鳴を放った。

「ひっ、ひぃっ! 何を……」
「「何を」も何もないだろう。浣腸だよ」
「だ、だって、もう済んだのに……あっ、やめて!」
「何を言ってる。浣腸はあと3回するんだよ。今11分耐えたところだ。残り3回で19分我慢すればおまえの勝ちなんだぞ」

そう言われても、そんなことはとても無理が気がした。
今も肛門はビリビリを痺れ切り、腸内はゴロゴロいっているのだ。
ここへさらに浣腸など考えられなかった。
なのにボリスは口を閉じたまま、ぐぐっとマリアのアヌスへチューブを刺し込んでくる。
さっきと違って、ノズルだけでなくチューブ自体まで挿入してきた。
アヌス粘膜をチューブが擦りつけてくる。たまらずマリアは呻いた。

「ううんっ……いや、やめて……あ、あ、まだ入ってくる……ああ、そんな奥まで……ひあっ」

ノズルの先が腸壁にコツンと当たり、マリアは背中をぐぐっと仰け反らせて悲鳴を上げた。
そこでボリスは挿入をやめ、目でミハエルに合図を送る。
若い金髪の男はにやっと笑って蛇口の栓を緩めた。

「あ、いやあっ……お腹がぁっ……!」

さっきとは全然違う感触に、マリアは顎を反らせて呻いた。
肛門入り口付近から浣腸液が噴き出してくるのよりも、腸壁へ勢いよく浴びせられる方がずっときつかった。
グリセリンの刺激がモロに腸粘膜に響いてくる。
たまらずマリアはチューブをくわえ込んだ尻をうねらせて喘ぐ。

「あうんっ、うんっ……や……いや……くうっ、お尻っ……あああ……」

白かった肌は上気してほんのりとピンク色に染まり、びっしりと全身に汗をかいている。
今にも湯気が上がりそうなほど、マリアの身体が発熱していた。
アヌスは、さっきの浣腸の名残で粘膜が爛れ、綺麗なピンク色の内壁まで見せている。
その粘膜を巻き込むようにして、ボリスがチューブを捻りながら抜き差していた。
マリアは、粘膜をチューブで擦られる感覚に苦悶し、盛んに尻を振った。

「うん……うんっ……は、入ってくるっ……い、いっぱい入って……やめ、もうやめて……ああう……」

浣腸液が腸壁にぶつかると、マリアの尻たぶが力み返り、ビクビクと痙攣する。
注入が緩むと、ホッとしたようにアヌスも緩み、キュッと収縮していた。
マリアの顔色がぼうっと赤く染まってくる。
強い水流で直腸の奥にグリセリンを浴びせられると、苦悶しつつも喘ぎ声が艶っぽくなってきた。

「あう……あううっ……うむ……お、お尻……お尻の中が熱い……ああ、まだ入ってくる……」

浣腸液は冷たいはずなのに、マリアのお尻と腸内は熱く反応していた。
ボリスとミハエルはマリアの様子を観察しつつ、さらに激しく注入していく。
いつしかマリアの表情からは、嫌がるような素振りは消え失せ、キリッとした瞳の視線もぼやけてきていた。
実は浣腸液にはウォッカが混ぜられているのだ。
強い酒を飲ませることで警戒心や集中力を削っておいて自白を強要するのは訊問のテクニックだが、それでうまく行かない場合、こうして浣腸液にアルコールを加えている。
言うまでもなく直腸からの方が吸収が早く、酔いも早く回るのだ。
無論、自白を迫るためでなく、マリアを言いなりにしたいがためである。
マリアは苦しげに呻いているが、一回目とは明らかに反応が違っていた。

「あうう……お尻、熱い……灼けそう……んんっ……お尻、いっぱいになる……ああ……」
「ふふ、気持ち良くなってきたのか、マリア」
「ち……違、う……で、でも……お尻が変よ……んうう……」

注入量は一回目を超えている。
なのにマリアは「もうやめて」とは口走るようなことはなくなっていた。
慣れたというよりも、アルコール混じりの妖しい浣腸液の毒に当てられてきているのだ。
いつしか、マリアの媚肉にはべったりと濃い愛液が滲み出て、内腿を汚していた。

「あう……」

ボリスがチューブを引き抜くと、すかさずマリアのアヌスを揉み込む。
剥き出しになった肛門粘膜が男の太い指で擦られ、美女は白い喉を晒して喘いだ。

「も、揉まないで、そこ……あああ……は、はあ……はあ……だめ、そこ……うんっ……やあ……」

揉み込まれるたびに敏感なアヌスは収縮し、白い腹部も波打ってゴロゴロ鳴ってくる。
屈辱と羞恥と便意とで、マリアの頭は白く灼けてきた。何も考えられないはずなのに、マリアはボリスの指の動きに合わせて尻を蠢かせている。
この上ない恥辱で辱められ、屈辱に涙していたはずの女は、あり得べからざる禁断の快感に身悶えしていた。

「お……お尻が……はあ、はあ……もうだめよ……あああ……」

アヌスからこみ上げてくる官能を持て余し、息を荒げている。
白く長い指が寝台に爪を立て、膣からが蜜が滴っていた。

「気持ち良いと言いたまえ」
「いや……、ああ、く、苦しい……お尻が……お腹が苦しいっ……」

セルゲイの言葉に反応するというよりも、もうほとんど譫言に近かった。
責めてくるボリスの指から逃れようというのか、あるいはその動きに合わせているのか、丸く豊満な尻がくねくねと円を描いている。
その臀部までピンク色に染まっていた。

ボリスはセルゲイからの指示が出る前に、マリアのお腹を揉み始めた。
その手に便意の悲鳴がグルグルと低く響いてくる。
肛門も、抑える指を押し返すかのようにググッと盛り上がっては窄められるのを繰り返していた。

「お腹っ、触らないで……だめ、そんなことしたら……」
「どうなると言うんだ? 出るのか?」
「……」

マリアは悔しそうに頷いた。
意志力でどうにかなるものではないのだ。
壁際からミハエルも近づいてきて、愉しそうにマリアの苦悶する美貌を覗き込んでいる。
それを気にする余裕もなく、マリアは恥ずかし気もなく尻を振っていた。
セルゲイはさらに追い込むべく、恥辱の言葉を言わせようとする。

「何が出そうなんだ? くく、またウンチが出そうですと言ってみたらどうだ」
「そんなこと……ああっ……」

排泄物の名を耳にした瞬間、急激に便意が高まってしまった。
強張った尻肉はひっきりなしにぶるぶると震えっぱなしで、その奥にあるアナルは今にも暴発してしまいそうだ。
マリアは尻を突きだした恥ずかしい姿勢を崩すことも出来ず、呻き声を漏らしながらひたすら便意を堪えていた。
そこにミハエルが手を伸ばし、硬くしこった尻を掴むと大きく割っていく。
汗でぬめる肌に指を立てて、震える臀部を強引に押し広げた。
たまらずマリアの喉から悲鳴が上がる。

「だっ、だめっ、今そんなことしたらっ……くっ、も、漏れる、漏れちゃうわっ……」

激し過ぎる便意のせいで、マリアのそこはヒクヒクと痙攣している。
腹筋と括約筋をフル動員で引き締めるものの、我慢しきれずまた膨らんでしまう。
肛門の収縮が一段と激しくなり、マリアの唇から悲痛な呻き声が放たれる。

「だ、だめ、もうだめっ……お、おトイレ、早くっ……ああ、もう我慢できないっ」

マリアの顔はもはや蒼白で、唇まで青ざめていた。
さすがに限界だと思ったのか、ボリスは空の洗面器を用意して、それをマリアにあてがった。

「っ……!」

それを見たマリアは絶句した。またここで排泄させられる。
こいつらに恥ずかしい姿を見られてしまうのだ。
あんなつらく恥ずかしいことは二度といやだ。
そう思うのだが、もうどうにも我慢しようがなくなっていた。

「こ……ここではもういや……お願い、おトイレ……」
「今さら何だ。さっき、我々の前であれだけ派手に……」
「いやっ! 言わないで! ああっ、もうだめよっ……くううっ」

洗面器が臀部に触れ、その冷たい感触が伝わってくると、マリアは二度目の崩壊を晒した。
アヌスはまだひくつき窄まっていたが、とうとう決壊していく。
マリアは、そこに男たちの視線が集中しているのをいやというほど実感し、絶叫した。

「いやあああっ! み、見ないでぇっ……ああっ!」

マリアの肛門が内側からぐぐっと盛り上がったかと思うと、便意の限界を超えたものが一気に溢れ出てきた。
先を窄めたホースから水をまくかのように、アヌスから勢いよく浣腸液が噴出される。
二度目の大量浣腸とあって、もう排泄物はほとんどない。
それでも排泄シーンを見られる恥辱と苦痛は何ら変わることはなく、気丈な花組隊員の胸を灼いていく。

「い、いや……ああ……見ちゃいや……あっ、あっ……で、出る……あああ……」

マリアは四つん這いで拘束されたままの裸身を悶えさせながら排泄を続けた。
何とか堪えようとするのだが、一度放出が始まったものを止めることは出来なかった。
ボリスは、マリアの尻に顔がつきそうなほどの近くで美女の排泄を凝視している。
ミハエルは嘲笑を浮かべ、セルゲイもいやらしそうな笑みを浮かべながら見物していた。

「ほう、よく開いているぞ、尻の穴が。まだまだ出そうだな、え?」
「だ……だめ……見ないで……い、いやあ……」

グリセリンと腸液の混合液が、マリアの肛門から際限なく噴きこぼれてくる。
ボリスが両手で持った洗面器もいっぱいになり、溢れかえって零れ出ていた。
どうやら一回目の時よりも注入量が多かったらしい。
マリアにとっては永遠に等しい時間が過ぎ、肛門からほとばしり出る液体の水流が弱まってきた。
ようやく腸内の薬液が出終わるらしい。
最後にぴゅぴゅっと小さく噴き出すと、あとはだらだらと垂れ落ちるだけとなった。
マリアはがっくりと項垂れ、荒々しい呼吸を繰り返すだけだ。

「あ……はあ、はあ……はあ……はあ……うっ……」

その艶っぽい姿に、男たちは股間を痛いほどに硬くしていた。
尻を高々と突き上げたまま、ひくっ、ひくっとわなないている白い女体は、まるで気をやった直後のように見える。
ボリスは、その汗に濡れた尻を飽きもせず撫でまわしていた。

「だいぶまいったようだな」
「……」

答えられないマリアに、セルゲイの非情な声が掛かる。

「続けろ」
「や……、ま、待って……。もう、こんなの……」
「いやかね? 試合放棄か? それならあの男は……」
「……」

マリアに選択肢はないのだった。
続けて3度目、そして4度目の浣腸が仕掛けられた。
たっぷり注入しては排泄させ、排泄が終わるとまた浣腸された。

最後の4度目は地獄だった。
もう腸内には何も残っていない。そこに強力な薬液が注ぎ込まれ、敏感な腸壁の粘膜を刺激するのだ。
完全に閉じきっていない肛門にノズルが刺し込まれ、ぬるっとチューブまで飲み込まされた。
内部は腸液でどろどろになっており、ぬめるように細い管が腸の奥深くまで挿入される。
4度目の浣腸が始まった。

「ああっ……!」

ぐったりしていたマリアの肢体がピクンと反応し、顔が大きく仰け反った。
流入は激しく、粘膜に直撃したグリセリン液が腸管で渦を巻くように溜まっていく。
美しいブロンドまで濡れそぼつほどに脂汗を浮かせ、マリアはガクガクと腰をうねらせた。

「んはああっ……く、苦しいっ……い、いや、もう浣腸はいやあ……あ、あ、あううっ……ひっ!」

あっという間に1リットル近いグリセリン液がマリアのアヌスへ注入され、またしても強力な便意に苛まれていく。

「あ、あう、きついっ……お尻がきついわっ……ああ、もうお尻がおかしくなるぅ……」

マリアの下腹がまた僅かに膨らんだあたりで、ボリスがチューブを引き抜く。
ノズルが抜かれた刺激にも耐えかねるのか、たちまちマリアのアヌスが盛り上がってきた。
それを見たボリスが、慌てて洗面器を白い臀部にあてがう。

「だっ、だめっ! もう耐えられないぃっ……で、出る、出ちゃうわっ!」
「なんだなんだ、だらしのない。さっき褒めたばかりなのに、もう出してしまうのか」
「いやあっ、み、見ないで、だめええっ!」

もう3度に渡って浣腸され、3度の排泄を繰り返していたマリアはすっかり疲労しており、とてもグリセリン原液のウォッカ割りの刺激を堪えることなど不可能だった。
最後の理性を発揮して、洗面器があてがわれたことを確認すると、アヌスを痙攣させながらドッとばかりに排泄した。

「くっ……いや! み、見ないで、こんな……ああ……また出てしまう……あっ……」

排泄の発作は三度、四度と続き、マリアの肛門は苦悶に震えながら吐き出していく。
といっても、排泄される液体はほとんど透明で、溶液がそのまま出てくるようだ。
マリアは身を震わせながら、爛れたアヌスから溶液を飛沫出させていた。
洗面器はたちまち溢れかえり、それを持っていたボリスの手をしたたかに濡らしている。
室内は異様な熱気で噎せ返るかのようだった。
しかし、これだけ排泄を繰り返した割りに異臭はほとんどない。
大型の換気扇がフル回転で回っているのだ。

いかにマリアと言えどもさすがに堪えたらしく、辛うじて膝を立ててはいるが、顔を寝台に押し当てて、口を半開きにしたまま荒く呼吸を繰り返している。
お腹にはまだ便意が残っていて、勝手に腸管が蠢き、肛門が収縮する。
何度も激しく排泄したせいか、アヌス周辺や粘膜がズキズキと痛んだ。
ボリスはまだ名残惜しげにマリアの尻を撫でまわしている。
セルゲイの許可があれば、ひくつく肛門に指を突っ込んでいたかも知れない。
相棒のミハエルの方も、汗でぬめった豊かな乳房をいじくり回していた。
そんな部下の様子を見ながらセルゲイがマリアに言った。

「……残念だったな、マリア。おまえの負けだ」
「え……」
「……33分と30秒だな。3分30秒オーバーだ」

セルゲイが勝ち誇ったように言うと、マリアは悔しそうに顔を歪めた。

「そんな……」
「まずはこっちの勝ちだ」

あの恥辱と羞恥、苦痛に耐え忍んだのがすべて無駄だったと思うと泣きたくなる。
絶望感に沈む美女を見て、セルゲイはほくそ笑んでいた。
実のところ、タイムは28分44秒であった。
3分半オーバーどころか、1分以上勝っていたのである。
最初から勝たせるつもりなどないセルゲイたちは、クリアしても「していない」と言い張るつもりだったのだ。

その反面、セルゲイは少し驚いている。
あの女は、類い希な精神力と忍耐力を持って、この責めに勝ち抜いたのである。
彼らが責めた女で、この淫らな勝負に勝った者は過去いなかったのだ。
しかし、それだけに責め堕とし甲斐がある、というものだ。
負けを勝ちと言いくるめて、セルゲイは次なる責めを宣告する。

「では二回戦だ。……それとも?」
「や……やるわ」

ここで投げてしまってはすべてが無意味となる。
もちろん大神も自分も殺されるだろう。
相手の思惑に乗るしかなかった。

セルゲイは部下たちに命じて、マリアの拘束を解いた。
マリアがベルトが巻かれていた跡の残る腕を痛そうに擦っていると、若いロシア人たちによって寝台から下ろされ、立たされた。
全裸なのは変わらないが、拘束具は外されている。

「……」

チャンスかも知れないとマリアは思った。
ウォッカを口と肛門から飲まされ、胃も腸もアルコールに冒されて、身体はまだふらついている状態だ。
だが、この三人だけならマリアの体術を持ってすれば容易く倒すことが出来るかも知れない。
しかし、失敗すればすべてが終わる。
それに、この場を逃げ出せても、数多くの警備兵たちを振り払って建物から脱出し、大使館へ駆け込めるかどうかはわからなかった。
しかも大神を捜し出して救出しなければならない。
無謀な賭けに思えた。

「……あっ」

そんなことを考えていると、ミハエルがマリアの腕を取って背中にねじ上げた。
抵抗する暇もなく、手首にまたベルトが巻かれてしまう。
それだけでなく、胸の部分を革の拘束具で締め上げられた。
黒い皮革でマリアの白い肌がよく映えている。
革の上に金属の鋲が打たれ、乳房の部分はくりぬかれて、たわわな胸肉が一層に張り詰めて露出されていた。
後ろ手の拘束具からは短いチェーンが伸びていて、胸のボンデージ部に直結されている。

男たちは、その妖艶極まる肢体に見惚れている。
乳房も臀部も見事に豊麗で、女の魅力をぎっしりと詰め込んでいるかのようだ。
それでいて首やウェスト、膝や足首など締まるところは「これでもか」と言わんばかりに引き締まっていた。
抱き心地の良さそうな、見ているだけで男性器の勃起を促すような女体だった。

186センチの65キロという大きさだが、八頭身のためか「大女」というイメージはまるでなかった。
上から88−60−90というサイズは些か大きすぎると思われがちだが、何しろ身長があるから、バランスとしては「ちょうどよいグラマー」くらいに見える。

「く……」

拘束具を嵌められ、腕力を使った体術は封じられてしまった。
もっとも、彼らはマリアの抵抗を奪うためでなく、美しい肢体をより愉しむためにこんな格好にしたのだろう。
セルゲイがパチッと指を鳴らすと、ミハエルがすっと両手を出した。

「次はこれだ」
「……」

若いロシア人は、右手に細いガラス棒、左手にはよくわからない杭のようなものを持っていた。
ガラス棒の方は、薬品を攪拌する際に使うやつだろう。
長さは30センチほどで直径は1センチもない。
5ミリから7ミリといったところか。

一方の杭だが、これもガラス製らしく、透明だった。
ただ、太さは3センチほどもあり、長さも20センチほどあって、かなり重そうである。
おぞましいのは、ただの棒ではなく、表面にスクリューが入っていることだ。
窄めた傘のように、上が細く下へ行くほど太い。
今まで見たこともない代物だが、何やらとてつもなくいやらしい道具に思えた。
案の定、ロシア人たちは淫らなことを言ってのける。

「これを咥えてもらおう」
「……?」
「口じゃないぞ。おまえの尻の穴で、だ」
「……!」



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