膣にでも入れろと言われるのかと思っていたが、まさか排泄器官を嬲るつもりだとは思わなかった。
先ほどの連続浣腸もそのためだったのだろうか。
思わず「いやよ！」と叫びたくなったが、そう口にしては試合放棄となる。
どんな淫靡な責めでも受けるしかない。
それに、この男たちが約束を守るかどうか怪しいものだが、マリアが勝てば自由の身になれるかも知れないのだ。
マリアが黙って俯くと、セルゲイが満足げに言った。
「覚悟が出来たようだな。よし、では尻をこっちへ突き出せ」
「……」
マリアはくるりとセルゲイに背中を向けると、おずおずと腰を屈めた。
すかさず男の厳しい声が飛ぶ。
「だめだ。もっと思い切り突き出すんだ、そのでかい尻をな」
「あっ！」
セルゲイの言葉に合わせ、ボリスがマリアの背を押して身を屈ませた。
よろよろしながらも、マリアはやや脚を開いたまま、ぐっと男に臀部を差し出すポーズを取らされる。
「それでいい。で、どっちからにするかね？」
「……どういう意味よ」
「そっちの細い方、そして太い方。好きな方を咥えさせてやる。尻で咥えたまま、５分間落とさずにいればおまえの勝ちだ」
「……」
ヤクザのお座敷芸のような、破廉恥でバカげた痴態を演じさせたいらしい。
だが、これくらいなら出来るかも知れないとも思う。
あの太いのが肛門に入るとは思えなかったので、当然のようにマリアはガラス棒を要求した。
「……そっちよ」
「そんな細いので平気かね？」
セルゲイはせせら笑ったが、男たちの前で太いものをアヌスに刺し込まれ、苦悶する姿は見せたくはない。
ガラス棒だって恥ずかしいが、肉体的に苦しいことはないはずだ。
片時の恥辱に耐えればいいのだ。
マリアが黙って頷くと、ボリスが肉のたっぷりと乗った臀部を思い切り割った。
「くっ……」
また恥ずかしい場所を見られる屈辱に、マリアは呻いた。
ボリスの方は、今にもズボンのファスナーが弾き飛びそうなほどに股間を膨らませている。
にやにやと嗤ったミハエルは、ガラス棒を口に入れて唾液をまぶすと、それをマリアのアヌスに突き刺した。
「いっ、いやっ……！」
決意したつもりだったが、恥辱的な責めを受けてつい抗いの声が出る。
構わずミハエルはそのままガラス棒をマリアの肛門に埋め込んだ。
「くっ……つ、冷た……」
冷たく硬質な感覚がマリアの肛門と腸管を刺激する。
連続浣腸と排泄で発熱していた直腸に冷たい感触を受け、マリアはぶるっと震えた。
思った通り──というよりも、案外簡単にぬるっとガラス棒が飲み込まれた。
しかし細い。
セルゲイが言った通り、つらくはないものの、これを締めつけて落とさずにいるというのは難しかった。
普段の状態なら何とか大丈夫だったかも知れない。
しかし浣腸責めでアヌスは痺れ切り、緩んでいるのだ。
加えて、グリセリン液の残りと腸液まで滲んでいてぬるぬるしている。
いかに収縮の強い排泄器官とはいえ、括約筋を思い切り締めつけてもガラス棒は滑り落ちていく。
「あっ……くっ……」
ぬるっと半分近く落ちかけて、マリアは慌てて肛門を引き締めた。
それでも落ちていくガラス棒に為す術もなく、否応なく前屈みとなる。
セルゲイたちに尻を見せまいと直立していては、ガラス棒はあっさり床に落ちるだろう。
彼らの思う壺だと知りつつも、尻を突き出す格好となる。
セルゲイたちは哄笑した。
「はっはっはっはっ、マリア、いい格好だな」
「だ、黙りなさいっ……こ、こんなことさせるなんて……ああっ」
その間にも棒が滑っていく。細い棒なのに思ったよりも重く、そしてガラス面が滑りやすかった。
踏ん張って必死に窄めているものの、もう時間の問題だった。
ぬるぬるとした粘液をまぶしながら、ガラス棒が少しずつマリアの排泄器官なら姿を現していく。
いくら息んでもだめだった。ガラス棒はマリアのアヌスから抜け落ち、高い音を立てて床に落下した。
「あっ……」
「なんだ、もう落としたじゃないか。口ほどにもない」
「じ、時間は……」
「測るまでもない。５分どころか２分も保ってない」
「……」
マリアは悔しそうに顔を背けた。
ガラス棒がだめとなれば、あとはあのいやらしい責め具を受けるしかない。
セルゲイは葉巻を取り出し、ゆっくりと火を着けながら言った。
「どうするね？ もう片方で挑戦してみるかな？」
「さ、さっさとしなさいっ、この人でなしっ！」
「おうおう、怖い怖い。ミハエル、美しいお嬢さんのご希望だ。そっちで責めろ」
セルゲイはふざけて肩をすくめながら部下に指示した。
ボリスはマリアを前屈みの状態のまま押さえ込み、ぐいと尻を大きく割った。
そこへミハエルが太い責め具を押しつける。
「あっ、く……、つ、冷たい……あ、あっ！」
シミひとつない真っ白な尻に、透明で無機質な異物が突き刺されていく。
受け入れるしかないとわかっていても、生理的嫌悪感は消えない。
「い、いやっ……あっ、くううっ！」
マリアはボリスに押さえつけられた裸身をぶるぶると震わせ、強張った尻を振り立てた。
排泄器官に異物が入り込む悪寒と、そこを引き裂かれるかのような苦痛に呻きが止まらない。
ミハエルは美女が肛門を悪戯されて苦悶する表情に興奮しつつも、そこを裂いてしまわないよう慎重に押し込んでいく。
徐々に押し広げられていくアヌスは、粘膜が伸びきって音がしそうなほどに軋む。
「や、やめて……痛いわ！」
「そうかね？ 心配するな、ミハエルは丁寧に入れてくれる」
「やっ……そ、そんな……んんっ……い、たい……」
引き窄められたアヌスを強引にこじ開けられ、ねじ込まれる感覚に、マリアは苦鳴を上げて仰け反った。
汗にまみれた裸身に新たな汗が滲んでいく。
「……」
マリアを抱えるようにして押さえ込んでいるボリスは、剥き出しになっているマリアの肛門を無言のまま見つめている。
挿入するミハエルの邪魔になるほどに顔を近づけ、眼をギラギラさせていた。
可憐なほどに清楚だったアヌスに、暴虐な性具を埋め込まれた眺めは、アヌスマニアであるボリスならずともゾクゾクする。
２０センチほどのアナルディルドが根元まで沈んでしまうと、ミハエルがホッとしたように手を離す。
「ううっ……」
拡張され、ズキズキと疼く肛門を実感し、マリアはその太さに脅えた。
身体の震えが止まらない。
その太さに目が眩み、肛門を緩めると重さでずるずると滑り落ちてしまう。
ハッとして締めつけると、改めて責め具の太さを思い知らされた。
とても直立など出来ず、恥ずかしいと思いつつも尻を突き出す姿勢が崩せない。
脚がガクガクと震え、今にも座り込んでしまいそうだ。
「う、うむ……くううっ……」
懸命に息んで肛門を締めつける。
イヤでもねじりの部分がアヌス粘膜や腸管を擦り、思わず尻を捩ってしまう。
「ああ……」
ようやくその太さに慣れたのか、引き裂かれるような苦痛は薄れてきた。
しかし、今度はアヌスが緩んできたのか、ディルドが少しずつ出て行くのがわかった。
慌ててキュッと窄めると落下は止まるものの、尻に入れられた責め具の大きさに目が眩んだ。
責めているセルゲイたちは驚嘆していた。
これまでこの責めに耐えられた女はほとんどいない。
大抵は、入れている最中にアヌスが裂けてしまう。
若い女は特にそうで、そこで愉しむ趣味でもなければそうなっても無理はなかった。
受け入れる女もいたが、逆にそこを「使い慣れている」ためか、あっさりと抜け落ちてしまうのだ。
ところがマリアは、入れる時はアナル処女のようにキツキツなのに、裂けて出血するようなこともなかった。
それでいて責め具が落ちぬように強く引き締めている。
驚くべき伸縮性と柔軟性だった。
遊びのつもりで入手した女だったが、思わぬ拾いものだったかも知れぬ。
セルゲイは、身悶えるマリアを見ながらほくそ笑んだ。
これだけの女なら、いくらでも利用価値はある。
腕時計を見ると、もう４分ほども耐えていた。
大したものだった。
しかし、ウォッカによる酔いや体力の低下もあって、埋め込まれていたディルドはいつしか半分くらい顔を出していた。
「……だいぶ落ちてきたぞ、マリア・タチバナ」
「くっ……」
そう言われて括約筋を絞ってはみたが、もう限界のようだった。
腹筋が痛くなるほどに力を入れても、ガラス製の太い棒は滑るように落ちていく。
粘膜にたっぷりと分泌されていた腸液が潤滑油になっていた面も否めない。
「あっ……だめ……あ、あ……落ちるっ」
悲痛な声と同時に、重たい音が響いて責め具は床に転がった。
ボリスがそれを拾い上げると、顔に近づけてその匂いを嗅いでいる。
セルゲイは冷酷に言った。
「……残念ながら時間切れだ。５分過ぎているぞ」
「そんな……」
マリアは目の前が真っ暗になる。
さっきと同じく、せっかく恥辱的な責めを耐えていたのにすべて無駄となったのだ。
がくりと萎えて、マリアは座り込んでしまった。
秘密警察の男は猫なで声で言った。
「……もう諦めたらどうだね。素直にスパイと認めれば……」
「違う……。私も隊長もスパイなんかじゃ……」
「仕方ないな。ではどうする？ 三回戦と行くかね」
「……や……やる、わ……」
「そうか」
そう言うとセルゲイは立ち上がった。
両腕をボリスとミハエルに抱えられて何とか立ち上がったマリアと正対する。
「っ……！」
セルゲイは薄く嗤うと、おもむろにズボンを脱ぎ、あまつさえ下着も下ろしてしまった。
目のやり場に困り、マリアが叫ぶ。
「な、何してるのよ！」
「何って、そりゃあこれからおまえにこれを可愛がってもらうのさ」
「何ですって！？」
マリアは驚いてセルゲイの顔を見つめた。
セルゲイは美しいハーフの女に見られていることも厭わず、むしろ誇示するかのように股間を晒してみせた。
マリアは首の付け根まで赤くして吐き捨てた。
「そ、そんなもの見せないで！」
大柄な白人が手で持ち、ぶらぶらとさせている男性器を見て、マリアは思い切り首を曲げて目を逸らせた。
しかし男たちは、セルゲイだけでなくミハエルやボリスまでが男根を出してマリアに迫ってくる。
（犯される……！）
咄嗟にマリアが思ったのはそのことだった。
敵味方識別不明の女を捕らえた秘密警察が何をするのか、聞かないでもわかる。
手順を踏み、持って回ったような「勝負」をさせられたものの、結局はそれが目的なのだ。
だが、これも「勝負」と言っている。
いったいどうするつもりなのだろう。
「やめて！ そんなもの顔につけないで！」
三本のペニスが顔を嬲るようにくっついてくる。
男たちは面白がって、ペニスでマリアの顔を突いたり軽く叩いたりを繰り返した。
セルゲイは、マリアの白く柔らかい頬に亀頭をめり込ませながら言った。
「聞きたまえ。さっきも言ったが、これからおまえにこいつを咥えてもらう」
「く、咥えるって……」
「ん？ 知らんのか？ フェラチオだよ、フェラチオ。俺のペニスをしゃぶれと言ってるんだ」
「な……」
マリアに憤怒がこみ上げてくる。
「何でそんなことしなくちゃならないのよ！ どこが勝負なのよ！」
「だから勝負さ。いいか、よく聞け。これからおまえは、我々三人のペニスを口で愛撫して射精させるんだ。１０分以内にな」
「１０分……」
「そうだ。１０分以内に三本のペニスを抜け、ということだ。もちろん、出した精液は一滴残らず飲み干すんだ。
もちろん、やるだろうな？」
「こ、この……」
ここまでいいようにいたぶられても、マリアは受けるしかない。
屈辱を飲み込んだ胸がどす黒く熱くなっている。
マリアは顔を背け、「隊長のため」だと思いながら目を堅く閉じて小さく頷いた。
「よし、お嬢さんが納得したようだぞ。まずは俺からいく」
セルゲイはそう言って、己のペニスをマリアの顔につきつける。
マリアは横を向いたままだ。
「どうした、やらんのか？ もう始まっているんだぞ」
「……」
「しゃぶれ」
マリアはその鋭い目でセルゲイを睨み殺すような視線を向けたものの、おずおずと彼の股間に手を伸ばした。
恐る恐るそれを手にすると、ギュッと目をつむって口を開け、外国人のいきり立った肉棒をその口に収めていく。
見た目通り大きかった。太くて唇の端が切れそうだし、口の中はセルゲイのものでいっぱいになっている。
覚悟はしていたが、マリアはそのサイズに圧倒され、目を白黒させて呻いた。
「ん……んちゅっ……うん……はあ……んんっ……」
小さく首を振りながら、咥えたペニスに唾液をまぶし、舌を這わせていく。
カリ首を舌先でなぞり、裏筋を舐め、亀頭を覆うように愛撫する。
予想外の快感に、セルゲイは快楽の呻き声を漏らしつつマリアの頭を掴んだ。
早くも、じわっと亀頭からカウパーが漏れ出てしまう。
「くっ……、な、なかなか巧いじゃないか。そうやってあの日本人の男のペニスも舐めていたのか？」
「……！」
そう言えば、大神に身体を許してはいたものの、フェラはしていない。
イヤだったわけではなく、大神が求めてこなかったからである。
マリアとしては、彼がして欲しいというのなら、何の抵抗もなくやるつもりだった。
しかし、まだ恋人としてのつき合いが浅く、肌を重ねるようになって間もなかったこともあり、大神もそこまでは要求しなかったのだろう。
こんなことになるのなら、自分から言ってでも大神のものを口で愛してあげればよかったと思う。
「んぷっ……んむ……じゅっ……」
挑発するような言葉を無視し、マリアは与えられた責務をこなしていく。
だがセルゲイの指摘は、マリアにニューヨーク時代の暗い記憶を蘇らせる。
慣れているのは当然だった。
組織に入れられ、娼婦としても勤められるほどに性技を教え込まれたのだ。
どうすれば男を悦ばせることが出来るのか、男根をどうすれば射精に導けるのか。
そのテクニックを、男たちはマリアの白い肢体に叩き込んだのだった。
調教は、マリアに心と身体の分離する術も学習させた。
「これは仕事だ」と思い込むことで、好きでもない男のペニスに奉仕する惨めさ、虚しさ、嫌悪感を駆逐するのだ。
マリアは屈辱に胸を灼きつつも、一心不乱にセルゲイのペニスをしゃぶっていた。
「んっ……んっ、んっ……んん……うん……むっ……じゅっ」
心ならずも自分の持っている性技を尽くしてセルゲイを愛撫していく。
ねっとりと舌でねぶりつつ、亀頭を中心に舐め続けていた。
舌にはたっぷりと唾液を乗せ、ぬるぬるとした触感で男根を刺激する。
セルゲイが早くも辛そうな表情を浮かべている。
余裕ぶった態度は消え失せ、両手でマリアの頭に指を突っ込み、ブロンドをかき回していた。
ペニスが咥内でぴくぴくし始めたのを知ると、マリアはいっそうにセルゲイを責め上げる。
顔を前後に動かして唇で太いペニスをしごく。
カリまで引き抜くと、唇を窄めてカリ首を締めつけ、舌先で抉るように弄ぶ。
さすがに我慢できないのか、セルゲイはマリアの頭を手で押さえ込み、自分の股間へ押しつけた。
「んんっ！？ んぐっ……んむううっ！」
マリアはびっくりしたように目を見開き、喉を苦しげに鳴らした。
興奮したセルゲイは、その長大なものをマリアの喉にまで押し込もうとしたのだ。
マリアは手にした肉棒を放した、
口から吐き出そうとする。
男の腰を押しこくって引き離そうとしたが、セルゲイの手はがっしりとマリアの頭を固定しており、離れるどころかさらに奥へと挿入しようとしている。
「ぐっ、ぐうううっ……」
マリアはその苦しさから逃れようともがいたものの、大男たち三人に抑えられては如何ともし難かった。
「んん……じゅっ、じゅぶ……んく……んん……んぶっ」
こうなっては仕方ない。
一刻も早くセルゲイに射精させるしかなかった。
今のマリアにはもう、敵の男の精液を飲まされるという屈辱はない。
窒息から解放されることと、さっさとこのくだらない勝負を終わらせることしか考えていない。
マリアの抵抗がやみ、おとなしくペニスを愛撫し始めると、セルゲイの力も弱まった。
ようやくマリアは顔を少し離し、何とか呼吸可能な状況に持っていった。
「ん、ちゅるっ……んっ……んんっ……んぶっ……じゅっ……じゅるるっ……んちゅ、んちゅ……んはっ」
マリアの口から半分ほどペニスが顔を出した。
ほぼサオ全体がマリアの唾液にまみれ、ぬらぬらと淫らに光っている。
その肉棒を浅く含むと、マリアは亀頭の先を舌先でぐりぐりと抉りながら、陰茎部分に細い指を絡めてしごいていった。
マリアの美しい顔が前後に動く度にボブのブロンドがふさふさと揺れ動く。
顔を男の腰に近づけると肉棒は咥内に収まり、顔を引くと赤黒くグロテスクなものが姿を現す。
口だけの愛撫は疲れるのか、マリアは口から引きだして指でカリ首を絞るように刺激していた。
爪の先で軽く尿道口をつっつている。
セルゲイは呻いてそれを制止した。
「くっ、よ、よせ……出ちまうっ」
そう言いながらセルゲイはマリアの顔を両手で挟んで、そのまま股間へ持って行く。
マリアも心得たようにまた口を開き、びくびくしている男根をその中に迎え入れた。
カウパーとはまた違う味がした。
どうやら、そろそろ精液が漏れ始めているらしい。
（ねとねとになってる……。もうすぐかしら……）
男の興奮に当てられるのか、マリアの美貌も徐々に染まっていく。
苦悶ばかりでなく、別の感情も交じってきているようだった。
白い顔が男根を咥え、盛んに吸い立てている。
「ん、んん、んんんっ……んっ、ちゅぶっ……ん、じゅっ……じゅ、じゅるっ……んふ……じゅううっ」
強く吸うと、セルゲイはその快感に驚いたような表情を見せた。
すかさずマリアは男の肉棒を舐め回し、指を絡め、片時も休まず愛撫を続ける。
太いものを咥えた唇の僅かな隙間から透明な唾液が垂れていく。
制御しようがなくなったらしく、セルゲイはマリアの頭を抱え込んだ。
「もっ、もうだめだ、くそっ……！」
セルゲイはマリアの顔を押さえ、そのままガシガシと腰を打ち込んでいく。
もうマリアが動くまでもなく、セルゲイは自分の欲望を吐き出したいがために自分から動いていった。
ぐぐっと亀頭が膨らんだのをマリアの舌が感じ取った。
（ああ……、く、来る……来ちゃう……）
マリアは堅く目を閉じ、その瞬間に備えた。
柔らかい舌と咥内粘膜に擦られ、セルゲイの肉棒は熱く膨れあがって暴発した。
「く、くそっ！ 食らえ、マリア！」
「んぐううっっ！！」
マリアの顔がセルゲイの腰にめり込むほどに押しつけられる。
肉棒の先端はマリアの喉奥にまで到達していた。
「うっ、うおおっ！」
ロシア人は一声吠えてから射精してのけた。
「んんんっ！？」
まるで塊のような濃い精液がマリアの喉へ直接射精された。
飲む飲まないの問題ではなく、食道へ流し込まれていく。
どくどくっ勢いよく放たれた精液が喉の粘膜に直撃する。
「んっ、ぐううっ……ん……んく……ごくっ……んん……んくっ！」
マリアは目尻に涙を溜めながら、必死になって汚液を飲み下していく。
射精させるだけでなく、飲み干さねばならないのだ。
濃厚で飲みにくい子種を死んだ気になって嚥下した。
男根はびくびく痙攣しながらマリアの咥内で跳ね回り、びゅくびゅくと射精を続けている。
ようやく全部射精し終えて、満足げなセルゲイが頭を解放すると、マリアは口を押さえて床にへたり込んだ。
「ぐっ……ごふっ……ごふっ……」
あまりにも濃いため喉粘膜にこびりつき、飲み込めないのだ。
吐き出さないように手で押さえているものの、指の隙間からどろりとした細い糸が垂れ落ちた。
その様子があまりに妖艶だったせいか、たまらずボリスがマリアの手を引っ張った。
「……あっ」
マリアは口の端から精液を垂らしつつ、今度はボリスのものがずるりと咥内にめり込んだ。
その長大さにたじろぐ暇もなかった。
（こ、これも大きい……さっきより太いっ……！）
長さはセルゲイほどではなかったものの、直径は一回りは太かった。
さっきのセルゲイでも唇が裂けそうだったくらいなのに、今度はさらに太いのだ。
唇が切れないのが不思議なほどだ。
顎が外れるかと思うほどのものを口に入れられ、マリアは苦しげに呻いた。
両手に拳を作ってボリスの太い足をドンドンと叩くものの、まったく影響はない。
たちまち口の中をボリスの肉棒が占拠した。
「んむうっ……！」
いきなりの行為に驚いたものの、マリアはすぐに舌を絡めだした。
時間がないのだ。
セルゲイが終わるまで何分かかったかわからないが、５分以上くわえさせられたような気がする。
だとすれば、残りふたりを５分で済まさねばならないのだ。
躊躇している暇はなかった。
「……」
ボリスは相変わらず無口で顔も固まっていたものの、マリアが愛撫していくと表情が少し動いた。
眉間に皺を寄せ、口元が蠢いている。
確実にマリアの舌と唇が、ボリスに快感を送り込んでいた。
「んっ……んむっ……ちゅっ……じゅ、ちゅぶっ……んんう……」
唇の端が痛い。
咥内はロクに舌が動く隙間もなかった。
それでも懸命に舌を伸ばし、動かしてボリスの肉棒を舐めしゃぶる。
頭が上下に動き、絹のような金髪がさらさらと流れる。
手はペニスの根元を持ち、支えると同時にしごいている。
口から肉棒を抜き差しすると、サオは唾液で濡れ光り、醜い静脈を浮き立たせていた。
「うんっ……んむう……じゅっ……じゅじゅじゅっ……ちゅぶっ……うんっ、うんっ……んくっ」
待ちきれなくなったのか、ミハエルがマリアのバックを取り、背中から手を伸ばして乳房を揉み込んできた。
サイズ８６の美しいバストはその触り心地も素晴らしく、揉みしだいているうちに若いロシア人のペニスもぐぐっと勃起していく。
マリアは揉まれる乳房を気にしつつも、懸命にボリスの男根に口唇愛撫を加えていった。
「ふんっ……んんんっ……んぐう……んっ……ちゅっ……ちゅるるっ……んむ……じゅっ……」
舌先で裏筋を舐め上げつつ、根元を指で締めつける。
カリまで唇を持って行くと、今度はきゅっと締め上げた。
舌先でカリ首を擦ると同時に、亀頭に軽く歯先を当てた。
「っ」
これにはボリスも反応し、大きな手のひらをマリアの撫で肩に押しつける。
ペニスの敏感な箇所を刺激されると、太い指が条件反射のように白い肌へ食い込んだ。
マリアの方も眉間を歪めているが、こっちはボリスの肉棒が太すぎるための苦悶の表情だ。
ずっと口の中に入れているのは苦しいらしく、盛んにストロークを行なっている。
薄紅の唇からぬっとばかりに野太いものが引き抜かれ、また収まっていく。
「ぐうっ！」
ボリスが腰を動かすと、途端に喉にまで亀頭が届いてしまう。
「それはやめて」と言わんばかりに、マリアはボリスの腰を押し返して顔を振った。
愛撫が緩ければまた男が動き出すと覚ったマリアは、顔を前後に揺すって激しいストロークを続けて行った。
ペニスが抜き差しされるたびにマリアの口の端からつぅっと唾液が滴り、綺麗なラインを描く細い顎を伝って床に水たまりを作っていく。
喉奥まで突かれて苦しいからか、マリアの細い眼に涙が溜まる。
「んっ、んくっ！」
ボリスの手が肩を離れ、マリアの金髪を乱暴に掴んだ。
そのまま腰をぐいっと突き出して喉の奥にまでペニスを送り込む。
その息苦しさにマリアは目を剥いた。
喉奥にまで届かされ、吐き気を催したが、ボリスは許す気はないらしい。
仕方なくマリアは舌で何とかペニスを押しやり、誘導し、あまり苦しくない位置にまで亀頭を持って行く。
つらいのか、汗の浮いた白い肢体がうねりだした。
「うんっ、んくうっ……ぐっ……んぶっ……むぐうっ」
眉を寄せて苦しげな美貌を晒しつつも、マリアは口でピストンを受け続けた。
マリアの舌の動きや粘膜の熱さ、柔らかさを感じるたびに、ボリスの肉塊がぐぐっと膨れていく。
もうマリアが動くのではなく、ボリスの方が腰を使っていた。
マリアは髪を掴まれたまま、ぐいぐいとボリスの腰に顔が押しつけられていく。
男の強い陰毛が鼻や頬に当たり、ムッとするような男臭が鼻腔に流れ込むが、それを気にする余裕もなく丸太のような脚に指を立てている。
なおも硬さを増したペニスがズンズンと喉の奥を犯していく。
マリアは必死になってその動きについていき、舌を絡ませて少しでも抑えようとした。
「んう！ んじゅっ……じゅっ……んむう……ぐぐっ……くっ……んむう……」
フェラチオからイラマチオに変わったが、マリアは為す術もなくボリスを受け止めた。
次第にマリアの顔が色づき、目元が赤くなっていく。
鼻から漏れる吐息も火が着きそうなほどに熱かった。
苦しいだけでなく、明らかに被虐の官能を兆しているのが見て取れる。
「はんむっ……ぐぐ……んぶっ……じゅ、じゅぶっ……はぁむ……んぐうっ」
苦悶するマリアの美貌に興奮したのか、ボリスはさらに激しく腰を打ち込んだ。
まるで胃まで犯そうとするかのように、マリアの喉奥深くまで肉棒を挿入する。
マリアは、何とかペニスを宥めようと舌の愛撫で懐柔しつつ、ボリスの腰に手を掛けて顔を離そうと試みた。
それは許さないとばかりに、巨漢のアジア系ロシア人は白人の美しい女の貌を両手で押さえ、腰をしゃくるようにしてその口を犯した。
マリアの舌がその肉棒に絡みつき、射精を促していく。
「む……」
無口なボリスの口から呻き声が漏れた。
雄牛のような腰が細かく震えだし、股間の熱さと重さを実感してくる。
否応なく射精欲が限界に迫っていた。さらに激しく、そして深くまでマリアの喉を犯し、ボリスの腰が美しい顔に叩きつけられる。
「んんっ！ んむうっ！ んんっ、んっ……ぐっ……んううっ！」
太い亀頭の先がマリアの口蓋垂にぶち当たると、その瞬間、噴き出すように射精が始まった。
「んぐううっ……！！」
その勢いに驚き、マリアの目が大きく見開かれた。
熱い精子の塊が激しく喉奥に叩きつけられ、マリアの口蓋を穢していく。
「ん、んむっ……ぐうう……んっ……んっ……ごくっ……んくっ……」
びゅくびゅくと放たれる濃厚な精液をマリアが嚥下していく。
太いペニスがマリアの舌の上で脈動し、喉を目がけて射精が続けられた。
涙の滲んだ目をつむりながら、マリアは死ぬ気になってボリスの精液を飲んでいった。
「ん、んく……んく……ごく……」
発作のたびにボリスは腰をしゃくり上げ、マリアの後頭部を押さえ込んで腰に押しつけながら精液を吐き出していた。
全部射精し終えると、マリアの髪を掴んでその顔を腰から引き剥がす。
にゅるんっと音がして、唾液と精液でどろどろになった肉棒がマリアの唇から引き抜かれた。
ボリスは髪を掴んだまま手を払い、マリアを床に突き転がした。
射精が終われば、もう女など要らないと言わんばかりの顔だ。
転がったマリアは床に腕を突いて上半身を起こし、口を押さえて咳き込んでいる。
セルゲイと同様、精液が濃すぎてうまく飲み込めないのだ。
それでも吐き出すことは許されず、必死に喉仏を動かして嚥下していった。
「あっ……」
へたり込んでいたマリアは髪を乱暴に掴まれ、今度はミハエルの前に跪かされた。
そのまま顔を無理矢理に上向きにさせられると、仁王立ちしたミハエルのペニスが唇に押しつけられた。
「んぷっ、い、いや！ はうむっ」
比較的細身なミハエルからは想像もつかぬごつい肉棒が、強引にマリアの口にねじ込まれる。
三連続のフェラチオ（もはやイラマチオだが）など当然初めてで、マリアは精液を飲まされるごとに体力の方は流出していくような気がした。
「口の中はどろどろだな。おっと、歯は立てるなよ」
「ぐううっ……」
ミハエルはマリアの中に突っ込むとしばらく動かず、その暖かくぬめぬめした感触を愉しんでいた。
亀頭を頬裏の柔らかい粘膜が包み込み、陰茎の下部を舌が覆うように舐めてくる。
マリアの方は、またしても野太い逸物を小さめの口いっぱいに咥えさせられ、その圧力と臭気で噎せ返っている。
しかし口を男根が占領してしまっているため咳き込むこともできず、ただ顔を顰めて呻くばかりだ。
「あ、あむう……むむっ……んっ、く……んぐっ……」
次々と長大なものを咥えさせられたせいで、顎がガクガクしている。
口唇の技巧を駆使して奉仕させられ続け、顎の関節や舌の付け根が疲労しきって痺れてしまっていた。
もはや愛撫どころではなく、申し訳程度に顔を動かし、舌を這わせているだけだ。
そんなフェラに業を煮やしたのか、若い男がいらついたように叫ぶ。
「何をしている！ さっさとやれよ！」
「くっ……」
「なんだ、その顔は。いいのか、時間がないんだぞ」
「っ……！」
タイムオーバーとなれば、セルゲイやボリスの汚液を飲まされたことまで無意味となる。
マリアは気力を振り絞って、若い男のペニスに舌を使っていく。
「んん……んふう……んむ……じゅ……じゅぶっ……んうう……」
舌全体を使って太い肉棒に奉仕し、その周囲にねっとりとした唾液を塗りたくった。
口を窄め、ペニスをしごくように顔を動かし始める。
「ようし、それでいい。けど、もっと急がないと……お、おっ！」
マリアは音をさせながら唇で強く吸い立て、顔を激しく前後に揺すっていく。
わざとしているつもりはなかったものの、太すぎる故、大きく口を開けていても上下の歯が軽くサオに当たってしまう。
それが亀頭の鋭敏な箇所に触れると、男にたまらない快楽の刺激が伝わった。
マリアの咥内で暴れ回るミハエルの肉棒は、美女の奉仕と与えられる快感に激しく反応し、一段と大きく、そして硬く膨れあがり、上顎を擦るように反り返っている。
「んんっ……んむ、んむ、むうう……んっ……んじゅっ、じゅるっ……ちゅぶ、ちゅぶ……」
青臭い陰茎が口の中で動き回り、その苦しさに呻きながらもマリアは舌を絡ませていく。
そんなマリアに煽られたのか、ミハエルも腰を前後の揺すって口を犯した。
ぬるっと長い肉棒が唇から引き抜かれると、精液混じりの唾液が溢れ、顎を伝って粘り落ちていく。
苦悶するマリアの美貌を眺めながら責め続けているうちに、ミハエルも射精欲が断続的にこみ上げてきた。
腰の動きを激しくしてストロークを大きくし、マリアの顔を押さえ込んで強引に前後させてくる。
口いっぱいに頬張されるマリアの姿に、いよいよミハエルも我慢できなくなってきた。
だめ押しとばかりに、マリアが舌でペニスの先端を舐めつつ、指と手のひら全体を使って陰茎をつよくしごく。
たまらずミハエルが悲鳴を上げ、ぶるっと大きく腰を痙攣させた。
「く、くそ、この女……！ 出る、出るぞ！ 飲めよ！」
「んんっ……！」
マリアは素直に頷きながら、なおも唇でサオを締めつけ、舌先で尿道口を抉った。
「出すぞ、飲めっ……！」
ミハエルの腰が軽く跳ねたと思うと、マリアの口に押し込んでいたペニスから情欲の粘液が激しく放出された。
「ぐううっ……んむう！」
陰嚢に溜め込まれていた精液を一気に吐き出すべく、ミハエルの男根がマリアの口の中で何度も跳ね回った。
尿道口から激しく射精された男の樹液は、マリアの上顎の裏から舌の裏まで、それこそ口中を穢していった。
喉に当たる精液の濃さと匂いに、頭の芯がくらくらしてくる。
（こ、これも濃いっ……すごい勢いで出てる……）
ミハエルの肉棒は大量の精液を噴出しつつも、その硬さを保ち、勃起したままマリアの口の中で存在感を発揮している。
びゅるっ、びゅるるっと喉奥に射精され、マリアは吐き気を堪えながら、懸命にそれを嚥下した。
（すごい……ま、まだ出るの！？ あああ、もう……）
「んぐうっ……ぐっ……んっ……んっ……んくっ……んんん……ごくっ……んくっ……ん、んんっ……ぷあっ！！」
苦しさのあまり、マリアは思わずペニスを吐き出してしまった。
まだ射精が済んでいないミハエルの肉棒からは粘液が噴き出し、マリアの顔に浴びせられる。
白濁に染まった美貌は、責めている男たちもゾクリとするほどに妖美な色気が漂っていた。
鼻先や頬に引っかかった粘度の高い白濁液が、どろりと重そうに太い糸を引き、床に垂れ落ちていく。
僅かに開いた口元からも、唾液で幾分薄まったミハエルの子種がゆっくりと滴っている。
「こ、こんなにたくさん出すなんて……飲みきれないわ……」
それを見たマリアは、ぼんやりとした表情のまま手を伸ばし、床に零れ落ちた精液を指で掬い取り、舌を伸ばして舐めとった。
しかしすぐに口を押さえ、ごほごほと咳き込むと、胃から逆流した男たちの精液を吐き出してしまった。
もう口の中や顔だけでなく、胃の中まで男どもの精液で白く染められてしまったような気がした。
「俺のものを綺麗にするんだ、その舌でな」
「ああ……」
マリアは言われたままにミハエルのペニスに手を伸ばし、それをゆっくりと舌を這わせた。
亀頭にこびりついた粘度の高い精液をこそぐように舐め取っている。
すっかり弱々しくなってしまったマリアに、セルゲイが冷酷に告げた。
「……よく頑張ったようだが、勝負は勝負だ。またおまえの負けだ、マリア」
「……」
「１２分ちょっとだな」
セルゲイはそう嘯いたが、実際には９分ほどで、マリアは立派に条件をクリアしていたのだ。
最初のセルゲイは粘ったものの、ボリスとミハエルは懸命に男根奉仕するマリアの痴態に魅せられてしまい、そのテクニックにも屈してそう長く保たずに射精してしまっていたのだった。
「おまえの三連敗だ。これであの男の運命も決まったというわけだ」
「あ……」
「おい、ボリス。あの日本人を強制収容所へ……」
「ま、待って！」
マリアの掠れた声を耳にして、セルゲイが振り返った。
「しょ……勝負は四回じゃなかったの……？」
「ほう、憶えていたのか」
「もう一回……、もう一回あるはずよ。そ、それに私が勝てば……」
「うむ、いいだろう。気に入ったぞ、マリア・タチバナ。それだけクタクタになりながらも諦めないとはな」
「今度は何を……」
「ボリス、ミハエル」
「はい」
「あ……、なにを……」
ふたりはマリアを引き起こすと、そのまま寝台に押し倒した。
仰向けに寝かされたマリアは、両手を引き延ばされてバンザイする形で腕を拘束された。足首を縛られたまま両脚は持ち上げられ、天井の滑車にロープが引っかけられる。
腰が浮くほどに脚を吊られ、寝台と腰の間にクッションが押し込められた。
パックリと両脚を開かされ、隠しておきたいふたつの女穴が無惨なほどに男たちの目に晒された。
「……」
「な……、何を見てるの！」
白くすらりとした肢体が長々と引き延ばされている。
仰向けになったが、乳房はほとんど崩れていない。
大きいだけでなく、しっこりとした堅さも併せ持っているようだ。
小さく萎んでいたであろう乳首も、今ではぷくりと頭をのたげている。
「素晴らしい身体だ、マリア」
「……」
「今度は、おまえのその身体で勝負してもらう」
「……何をするか、早く言いなさい。こんな格好じゃ、私、何も……」
「おまえは何もしなくていい。ただ……」
「ただ……？」
そこでセルゲイがにやっと嗤う。
「おまえは我慢するだけだ」
「我慢……て？」
「こういうことさ」
「やっ！？ 何を……！」
セルゲイの腕が伸び、括り出された乳房をぎゅっと掴んだ。
両手で左右の乳房を掴む、ぎゅうぎゅうと揉みしだいている。
「や、やめて……んあ！」
抗いの言葉は途中で悲鳴に変わった。
セルゲイは乳首をきゅっと抓ってきたのだ。
鋭い痛みは、あっという間に快感となり全身へ広がっていく。
「ちょ、ちょっとあなたたち……あっ……い、いや！」
「思った通り感じやすいようだな。いいかマリア。今度はな、おまえは我々の愛撫に対して決して感じてはならん」
「なにを……」
「絶頂するな。気をやったらおまえの負けだ」
「……」
「安心しろ、犯しはせん、まだな。だが、ありとあらゆる愛撫をおまえの肉体に加えてくれる。それにおまえは耐えねばならんというわけだ」
「何をバカな……」
「それとも、やめるかね？」
「……」
マリアは顔を背けた。
返答は決まっている。
やるしかないのだ。
しかし、ただ凌辱するならともかく、こんな淫らで卑劣な「勝負」をけしかけるとは思わなかった。
弄ばれているのはマリア自身にもわかった。
瀕死のネズミをいたぶる猫のような残酷な行為だった。
そうでなくとも、これまでの責めでマリアの身体は崩壊しかかっている。
酒の影響もあり、今の状態ならレイプされても感応してしまい、気をやってしまうかも知れなかった。
なのにセックスまではせず、いたぶり追い詰めるようにしてマリアに恥をかかせ、精神的にレイプしようとしている。
自白を迫るためではなく、マリアの肉体を貪って愉しむためなのは言うまでもない。
「くっ……、やめ、あっ……触らないで！ んくっ！」
毛の生えた分厚い手のひらがしつこくマリアの乳房をこねくり、乳首をつまみ上げる。
それまでアヌスばかりとはいえ、性感帯をずっと責められ刺激され続けたこともあり、女体はすでに官能の熱を帯びていた。
乳房へ加えられる愛撫は直接股間に響き、その奥の臓器を痺れさせていく。
若いふたりの部下たちも黙って見ているわけではない。
ミハエルは白い首筋を舐め上げ、程よく肉の乗った二の腕や肩口に唇を押しつけている。
ボリスも、拡げられた内腿に手を這わせ、肉を摘んだり揉みほぐしていた。
武骨な手から繰り出されるとは思えぬほどに繊細な技巧だった。
「あ……、や……んっ……ふっ……」
マリアの息がはあはあと荒くなっていく。
特に鋭敏な箇所に男の指が触れると、驚いたようにビクリと全身をわななかせた。
そのうち、落ち着きをなくしたように両脚をもじもじさせてきた。
「あっ、やあっ！」
マリアは慌てたように鋭い悲鳴を放った。
下半身を担当していたボリスの太い指が、膣内に侵入したのである。
もう汗とも分泌液ともつかぬ液体で、胎内だけでなく陰毛まで濡れていたそこは、実にあっさりと太短い指を飲み込んでいた。
両脚が拡げられ、吊り上げられた股間の前に屈み込み、無口な男はマリアの内部に挿入した指を軽く曲げ、その中を擦り、引っ掻いた。
セルゲイの手も左右の乳房を行ったり来たりして、揉み込んだり、肉塊を掴んだまま揺さぶったり、ピンと立った乳首を指で弾いている。
たまらずマリアは何度も身悶えした。
頭を激しく揺さぶり「だめ」とか「やめて」と口走りつつも、次第に男たちの手管に落ちていく。
「ああっ……」
若い男の舌が耳朶を舐め、甘噛みすると、マリアはクンッと顎を反らせて喘いだ。
声が甘く、切なそうになってきている。
股間が濡れてくるのがわかる。
ボリスの指が掻い出すまでもなく、勝手に膣奥から愛液が零れだしていた。
「もう感じてきたのか。随分と敏感な身体だな」
「やっ……」
「ふふ、これだけの身体だ、回りの男どもが放って置くまい。これまで何人の男に抱かれたんだ？」
「わ、私は……ああっ」
淫らな言葉で責められ、身体の芯がカッと熱くなる。
心身両面を淫靡に攻撃され、マリアの官能は否応なく昂ぶっていった。
「ひっ！？ あ、それっ……いやあっ！」
マリアの喉から大声がまろび出た。ミハエルとセルゲイが、左右の乳房を同時に責め始めたのだ。
ふたりの男は、同時にふたつの乳首を口に咥えた。
唇で挟んで引っ張り、歯を軽く当ててその根元を強く擦る。
ぷくりと膨れた乳首を舌先でこね、あるいは舌全体を使って乳輪沿いに舐め上げた。
「うああっ……！」
マリアは全身を息み返らせた。
ニューヨーク時代、調教と称して組織の連中に輪姦されたこともあったが、両方の乳首を同時に舐められたのは初めてだった。
その強烈な快感は意識が遠のくほどであり、媚肉の奥へ切なくもどかしい疼きを与え続ける。
我慢できずに身体をのたうたせ、尻を弾ませるようにして腰をうねらせた。
尖らせた舌先が乳首を押し込み、柔らかい乳房へ埋め込んでくると、絶叫に近い喘ぎを放ってしまった。
いくら身体を揺すり、顔を振りたくっても、男どもは愛撫をやめてくれず、彼らから送り込まれる快感は収まらなかった。
乳首はズキズキと疼き、子宮の方はジンジンと痺れていく。
「あっ！ あはああっ……！！」
マリアの肢体がビクンビクンと跳ね、ぐぐっと背中が弓なりとなった。
股間を責めていたボリスがクリトリスを咥えたのだった。
恥ずかしげに顔を出していた肉芽を唇で挟み、舌で舐めてやると、ハーフの美女は脆くも崩れ去った。
ガクッと力を抜き、項垂れたマリアの髪を掴んで顔を上げさせる。
「……なんだ、もういったのか。他愛もない」
「い、いってなんか……ないわ……」
「ほう、気をやったのではない、と」
「当たり前よ……だ、誰があなたたちなんかに……」
「そうかね。どう見てもいったようにしか見えないが、ま、いい。では続けるぞ」
「えっ……」
「そうだろう。おまえがいくまで我々は責める。おまえはそれを我慢する。それがこの勝負だ」
言うなり、セルゲイたちはまたマリアの裸身にまとわりついた。
乳房は根元から絞り上げるように揉み込まれ、乳輪ごと浮き上がった乳首は男の汚い唾液に穢されていく。
膣には武骨な指が入り込み、腹の裏側あたりを擦るように刺激した。
生まれて初めてＧスポットを愛撫され、マリアはあっという間に追い上げられてしまった。
「だっ、だめ！ だめ、だめえっ……そ、そこ、ああっ！」
裸身の震えが止まらなくなる。マリアの意志とは無関係に、身体ががくがくと痙攣した。
吊られた脚がゆらゆらと蠢き、足首を拘束した革ベルトがギシギシと軋む。
白い肩がうねり、そのたびに乳房が柔らかそうに揺れ動いた。
強制的な快楽を少しでも逃がそうと動きたいのに、がっちりと拘束されて思うように動けない。
売れっ子の男役スターは、もどかしいような切ないような被虐感に酔い始めていた。
「ああっ、もう……もう……くうっ！」
「もう、なんだい？ いきたいのかね？」
「くっ……う、うるさ……ああっ！」
三人の男たちは、腕によりを掛けて極上の女体を愛撫していく。
マリアは身体中を揉みほぐされていくような錯覚を受けていた。
なのに身体は一向にほぐれず、望まぬ快感を堪えるために息んでしまい、かえって強張ってしまっている。
男どもの手や指、そして唇が肌を這い、揉み、舐めしゃぶるたびに過激なほどに反応してしまう。
勝手に腰がうねり、持ち上がる。膣はもちろんアヌスまできゅっと引き窄まる。
歓喜の声を堪えようとしても、噛んだ唇からくぐもった呻き声が漏れるのを止められない。
快楽の波は次第に大きくなり、その間隔も狭まる一方だ。
「ひっ……あ、あっ……うああっ……」
マリアはパニック状態に陥っている。
こんな経験は初めてだった。
アメリカ時代の調教も「女」を目覚めさせられ、強烈な快感を味わわされたものの、ここまでではなかった。
全身を貫く快楽は半端でなく、絶息しそうな息苦しさに気が狂いそうだ。
「はああっ……はっ、く……やめ、て……うああっ！」
マリアのしなやかな肢体がグウッと大きく反り返った。
女に慣れた男たち三人掛かりで責め抜かれ、堪えに堪えていた快楽がまた弾けた。
その途端、絶息感が消え失せ、解放感に包まれた。
「ううっ……」
マリアには絶頂の余韻に浸る間もない。
いかされた次の瞬間には、また淫靡な愛撫の手が敏感な裸身に迫ってくる。
「も、あっ……やめてっ、もう……ああ……」
「いったのか？ 絶頂したなら、もうやめてやるが……」
「……」
マリアは口惜しそうに顔を背け、唇を噛んだ。
気をやってしまったことを告げるのは屈辱だったし、それを認めては負けになるのだ。
ウソでも気丈に振る舞うよりなかった。
「いいんだな？」
「……」
「よし」
「あっ……うあっ！」
再び男たちの攻勢が始まった。
乳房や膣周辺はもちろん、腕や腿の裏、腋にまで指や舌が這いずり回り、撫でまわした。
マリアが苦鳴を上げて全身を息ませる。
まだ挿入されてもいないのに、まるで膣にペニスが入ったが如く子宮を突き上げられる感覚があった。
耳孔にミハエルの舌先が潜り込み、セルゲイが乳首をきゅっと引っ張り上げると、マリアは「ああっ」と喘ぎ声を上げて背中を反り返らせる。
首筋を撫でられ、乳房が力強く揉み込まれる。
マリアはぐっと拳を握りしめて刺激に耐えようとするものの、充血した乳首をこねくられるとたまらず口を開けて大きく喘いだ。
「うんっ……ひああっ……くうっ……うんっ……ああ！」
股間は相変わらず口数の少ないボリスが丹念に責めている。
クリトリスに触れられずとも、膣内や割れ目周辺を嬲られるだけで、子宮を直接責められているかのようにビンビンと響いてきた。
割れ目の肉もその内部も腫れぼったく熱を持ち、ジンジンと疼き、燃えていた。
愛液が溢れ出るが自覚できるし、一向にそれを止められない。
ミハエルの舌と指が腋窩を襲い、セルゲイの手が乳房の表皮と肉塊を責める。
マリアの肢体ががくがくと激しく揺れ動いた。
腰がビクッ、ビクッと何度も跳ねた。
「はああっ……いっ……ああ……も、もう……あっ……もう、いっ……」
「いくのか？」
「ち、違……ああっ！」
マリアの乳首はセルゲイの唇に捉えられたまま解放されない。
舌が乳輪をなぞり、乳首を押し込み、手が側面から揉み上げていた。
こねくり回される乳房は、男の好き放題に形を変えさせられている。
ボリスの口と指もマリアの下半身から離れようとしない。
脚の付け根をなぞり上げられ、甲高い悲鳴を放ったかと思うと、股間のふたつの穴だけでなくヘソにまで愛撫の手が伸びていた。
マリアは完全に彼らの思惑に乗せられ、男たちの手や口の動きに合わせて身体をくねらせ、腰を浮かせて左右に振っている。
耳元でミハエルが囁く。
「いきたいだろう、マリア・タチバナ」
「わ、私は……ああ……」
「素直になれよ」
「いっ……ああっ！」
（い、いきたい……ああ、もう我慢できないっ……い、いきたくてもう……）
過剰に注ぎ込まれる快楽に肉体の限界が超えかかっている。
もう一押しされれば、為す術もなくいかされる。
「だめ、熱い……お、お腹の中が……あああ……あ、そんなとこぉっ！」
マリアが悲鳴を上げた。
股間を責めていたボリスが、吊り上げられたマリアの長い脚に取り付いている。
舌を伸ばして足の裏を舐め、指の間を舐めてきている。
性器でもないのに、そこを舐められたマリアの子宮はズキンと激しい官能を感じていた。
足首、足の裏、そして指の間。
一見、性感とは関係なさそうな箇所なのに、まるで性器を責められているかのような衝撃が子宮へ伝わっていく。
「うああっ……いっ……や、め……くあっ！」
もう一瞬も身体の力が抜けなくなっている。
マリアは背中を反り返らせたままで喘ぎ続けていた。
目眩くような快感に炙られ、今にも爆発しそうだ。
セルゲイが千切るように乳首を強く抓った。
ほぼ同時にミハエルが腋窩を口で強く吸い上げ、ボリスの指がＧスポットを強く押し込んだ。
マリアはひとたまりもなかった。
「うあっ、うはあああっっ……！！」
腰が跳ね上がり、股間がボリスの顔に押しつけられた。
男の大きな顔に飛沫が走る。
マリアはまた達したようだった。
それでも男たちは許さず、絶頂したばかりの女体をなおも激しく責め立てた。
「あああっ！」
荒い息を吐きながらも、マリアはまた頂上を押し上げられていく。
ボリスの太い指が尻の穴に入り込むと、喉の奥から苦鳴が上がった。
「い、いや！ そこは、あうっ！」
ボリスが指を二本にすると、マリアは抗議も出来ずに呻いた。
すぐさまセルゲイも膣の方へ指を二本絡ませて挿入した。
乳首はミハエルの担当に代わり、爪で擦ったり、根元を括るように擦っていた。
三箇所責めの鮮烈な快感に、クリトリスがビクビクと反応し、子宮が絞られる。
ひとたまりもなくマリアは絶頂した。
「うくあああっっ……！」
腰が何度も跳ね、浮き、背中がたわんだ。
わななくたびに乳房がぶるるっと大きく揺れ動く。
「どうだ、いっただろう」
「あ……」
「そろそろ認めたまえ、私は気をやりました、とな」
「わ、私は……うああっ！」
返事をする前にセルゲイらはまた責め込んでくる。
今度は手指ではなく、口中心だった。
セルゲイは乳首を歯で咥え、強く引っ張る。
ミハエルはそこの匂いでも嗅ぐように鼻先を腋窩にくっつけ、舌でべろりと舐めてくる。
ボリスは指をアヌスに入れたまま肉芽をべろりと何度も舐め上げた。
いかされたばかりの肉体が、また頂上へ追い上げられていく。
もうどうしようもなく追い込まれ、マリアはとうとう屈服した。
「いったと認めるんだ」
「い、いったわ！ いったからもうやめて！」
「そうか、気をやって満足したのか。では、もっと味わわせてやるか」
「やめてぇっ！ いったと認めるからもう許して！ ひっ……いああっ！」
男たちの責め手は緩まず、ボリスの指は肛門深くまで侵入し、セルゲイの指も膣中を激しく擦っていた。
乳首を捻られ、クリトリスを舌先で突っつかれつつ、二穴内部をこねくられると、マリアは官能の頂点へ引き込まれた。
「い、いああっ……いっ、いく……いっくうっ！」
戻る 作品トップへ 第二話へ 第四話へ