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※赤い文字色のページには性描写があります
口に放たれし雄の種は今の彼にとって極上の媚薬だったらしい。高揚で顔がみるみる真っ赤に染まった暮羽は、汚れた床にへたりこんだまま男の腰に腕を回し、裏返った声で喘ぎ喘ぎ求めた。
「はぁっ、はぁっ、な、何休んでンだテメェ……早く、続き、しやがれッ……!」
「やれやれ……せわしない子だなぁ」
ドアにもたれかかって息を整えていた男は長いため息を吐いた。そして、やや気だるげに背筋を伸ばし、尾骨の上に乗っている青年の手に自分の手を重ねて妙に優しい声で言った。
「せっかくだから、キミのお尻を見ながら入れたいな。意味、分かるよね?」
「ぅん、んッ」
男の顔を澱んだ目で見上げた暮羽は喉の奥で答えながら首が折れた人形さながらに頭を激しく上下させ、両脚を少しわななかせつつ立ち上がると、洋便器のタンクに両手の平をのろのろと当てて相手に臀部を突き出した。鍛錬によって得られた柔らかくも張りの良い尻肉が中年男の顔を吸い寄せる。男は自然と暮羽の尻の前にしゃがみこみ、肉が溢れる双丘を鷲掴みにして左右に押し広げた。あんっ。後穴に微かに入った涼風に暮羽の口から期待まじりの甘声が零れる。
「んー、おいしそうなお尻だね」
肉の扉の奥にある菊花に軽く押し当てた鼻からスンスンと息を吸って己の嗅覚を満たした後、泡立つ唾がたっぷり乗った舌で唇の線をねっとりとなぞる。唾液に濡れた唇が、刺激を欲してヒクヒクと震えるおちょぼ口に熱い接吻をした。
「あッ、あひぁああっ!!」
暮羽の悦びに満ちた叫びをBGMに男は吸い付くようなキスを何度も与え、やがて唇から舌が伸びて粘着的なディープキスに発展する。菊口を拡げる濡れ舌の熱さを感じた暮羽は冷たいタンクに爪を立てて身悶えた。
「ひぃ はひぃ
アナルクンニしゅごい!! あ、あっ、あんっ
も、もっと舐めてッ、奥まで舐めてッ
ぁう、う、舌の先っぽが、ぬるぬるしてッ……んひぃいいい!! べ、ベロでクソ穴ホジられちまッてるうううッ
」
「ははっ、お尻の穴が締まって舌先がちょっと挟まっちゃった。キミのアナルに食いちぎられそうだなぁ」
食いちぎられるなどと物騒なことを言っている割には収縮反応を繰り返す淫穴への玩弄はやめず、むしろ、舌の動きを激しくして音高く舐め啜る男の猛攻の前に暮羽は完全に陥落し、泣き出しそうな声で懇願を始めた。
「あぁ! ぃあぁっ! ひゃあァあああ!! も、もうッ、もうマジで、我慢、できねッ……! た、頼むから、サッサと犯してくれェ!!」
青年が露わにした陵辱願望を耳にした男は片端を上げた唇から小さな笑いを零すと、さらっと平たい声をかけた。
「さっきから気になってたけど、最近の若い子はなってないなぁ。年長者と話す時は、ましてや何かをお願いをする時は敬語だろ?」
「うっ……」
相手の淡々とした声を聞いた暮羽は潤んだ黒目を少し泳がせていたが、すぐに意を決したのか口内に溜まっていた唾を飲み下し、改めて相手の望む通りに言い直した。普段は、上下関係が厳しい部活動の先輩だけでなく、ランキングシステムという完全実力主義の世界の頂点に君臨するあの王者にさえ使わない敬いの口調で。
「お、お願いします……入れてください……! 舐めていただいて濡れ濡れになったケツ穴にそのご立派な勃起ペニスをズボズボしてくださいッ! どうか、遠慮なくレイプしてください……!!」
耳に入る敬語を聞いて青年の完全なる屈服を確信した気がした男は愉悦のため息を大きく吐いたが、そう簡単に相手の願いを叶えるのは何だか惜しいという黒い気持ちも確かに存在した。暮羽が欲してやまぬ男の勃起物が柔らかな山に近付き、その触感を試すかのごとくピシャピシャと打つ。
「あうぅ はぅんっ
ンひッ
」
臀部を肉鞭で打たれる度に顔を少し上向けて浮いた嬌声を零す暮羽だったが、ふとあることを思い出して小さく息を呑み、恐る恐ると言った様子で男の方を振り向いて伺いを立てるように問うた。
「あ、あの……ゴムは?」
「ゴム?」
青年の口から出た意外な単語に男は眼をパチパチと瞬かせた。その反応を“ゴムとは何のことか分かっていない”と判断したらしき暮羽が、ゴムというのは避妊具とかコンドームのことで……と律儀かつ馬鹿正直に説明してくるのを男は右から左へ綺麗に受け流し、相手の台詞が終わる頃に小首を傾げて返した。
「もしかして、生でしたことないのかな? 場数を踏んでいる感じなのに生の味を知らないなんて、キミ凄くもったいないことしてるよ?」
生。その言葉に暮羽はゴクリと喉を鳴らした。男の言う通り、性経験はそこそこ豊富ではあるのだが、どんなに一糸纏わぬ肉棒を手でしごき、口に含み、喉の奥に種を叩きつけられても、いざ肉体同士が本格的に交わる際は必ず避妊具を装着した状態で行っていた。それは別にどちらかが申し出たわけではないのだが、何となくそうすることが暗黙の了解みたいなものになっていて、行為をする際は互いに避妊具を持ち寄っていたし、今回も何だかんだでゴムを着けてまぐわうものだと思っていた。……と言っても、運命の神とやらはなかなかの助平なのか、こちらの手持ちはちょうど尽きてしまっているのだが。困惑に眉を寄せ、細かく震える暮羽の肩に男の低い声が降りかかった。
「どうする? おじさん、ゴムなんて持ってないんだよねぇ。避妊具なしじゃ出来ないってのならここでやめちゃうけど?」
無論そうするつもりは毛頭ないし、相手も“それじゃあ、やめる”と答えるとは到底思えないのだが、念入りの意味も込めて意地の悪い言葉をぶつけ、改めて小刻みに揺れる桃尻を熱棒で数度ぶつと、青年はイヤイヤと首を振りながら狂ったような蛮声を振り絞った。
「ご、ゴム着けなくていいから、ゴムなンていらねェから、極太ちんちん入れてください! ヤリまくッてるけど生セックス知らないケツ穴に初ナマおちんぽの味を教えてあげてくださいッいいぃい!! は、早くうぅううッ!」
「ふふっ、そんなにおじさんとセックスしたいの?」
「はぁっ、はぁっ! ヤリたい、です! マジで、生で、バコバコしたいです……! だから、ちんぽ、くださいっ!! あ、あぁあああ!! ちんぽ! ちんぽぉ!! おちんぽ欲しいいぃ!! 早く、そのガチガチおちんぽを俺の淫乱尻まんこにブチこンでください!! お願いですから、俺の生ハメアナルバージン貰ってください!!」
「……さーて、どうしようかな?」
この期に及んでもなお男はゆったりと笑い、思いつく限りの淫辞を喚き散らす暮羽の尻肉を両側から揉むように掴むと、そのまま海を割るモーゼよろしく左右に大きく広げることで生じさせた双子山の谷間にそばだつ肉樹をはめこんで、ゆっくりと上下に揺すった。相手に塗りたくられた唾液と己の種汁の残りかすにぬめる肉柱が幾度も隘路を往復し、淫口をこする熱く湿った雄のぬるぬるとした感触に青年は窄めた口を尖らせて吠える。
「おっ おぉっ
おっ、おっ
」
完全に発情した獣がおのずから腰を振って肉門に触れる雄の味を愉しむ様を眺め入った男はニヤリと顔の歪みを強めた。喘ぐ相手の背骨のラインを視線でじっくりと舐め、己の弾頭を落ち着かなく揺れ続ける後門に擬する。あっ。喘ぐ暮羽の口から戸惑いと喜びが混ざった声が零れた時には雄刀が火照る肉体を勢いよく貫いていた。不意に襲った熱い衝撃と肉道を無遠慮に掻き分ける生々しい感覚に暮羽は四肢を突っ張らせ、仰け反らせた喉から血が噴き出んばかりにいなないた。
「あひッ、ぅんひぃぁああぅあぁあああッ!!」
開きっぱなしの眼の奥で数多の白い火花が散り、さんざん焦らされた末にようやく与えられた肉棒を菊穴が何度も甘噛みをし、ほぼ痙攣に近い震えが止まらぬ両脚がくずおれそうな身体を何とか支える。
「ひっ、んっ、はぁ、はぁっ……ひ、ひはっ、ひはっ」
長距離を全力疾走した直後のごとき荒い呼吸を全身で繰り返し、その胸の裏では心の臓が誤って飛び出てしまいそうな勢いで暴れる中で、今まで感じたことのない、だがクセになりそうな甘い脱力感が身を包む。艶かしい色がさされた息を吐き出す暮羽の口から舌がだらしなく伸びた。
「な、なに……今の……せ、精液出てねェのに、イッた、みたい……」
弱々しいうわ言のような声を耳ざとく聞いた男は背後から手を伸ばし、青年の反り返ったままの肉竿や蒸したように熱い股ぐら、そしてわななく内股を撫で回して種液が射出されていないことを確認すると、フフッと笑って耳打ちした。
「あーあ、おちんちん入れられただけでメスイキしちゃったんだ? くくっ、その様子だと初メスイキかな?」
「め、メス、イキ……?」
「おや、知らないのか。今みたいに射精もしないでメスのようにイッちゃうことだよ。……つまり、キミが男のペニスをくわえるのにふさわしい淫らなメスってこと」
そう言いつつ挑発するように亀頭で温かな内壁をコツコツと叩くと、それに共鳴して青年の身体が細かく弾け、同時に短い悲鳴が飛び出た。
「あ、あぅ、んッ…… はぁ、はっ、はッ
」
汚れたタンクを掴んで息づく暮羽の頭の中で、男に言われた言葉がぐるぐる回ってタールのような黒く粘る渦を巻く。メス。淫らな、メス。俺は、男、なのに。
……でも。暮羽の瞳がみるみる澱む。閉じぬ唇が不気味な笑みの形を作り、はぁっと漏れた陶酔の吐息が一向にしまわぬ舌の上に乗る。もう、何と言われても構わない。今はただ、突かれたい、犯されたい、汚されたい、滅茶苦茶にされたい――!
溜まりに溜まった獣欲が針を突かれた風船のごとく破裂し、欲は情炎となって総身を一気に駆け回り、いまや有って無きようなものになっている暮羽の理性を完全に焼き尽くした。
「ふぁっ! あ、あひっ! あぁうう!! め、メス メスイキ
メスみたいにイッちまったのに、まだちんぽ足りねェ
ぅん
んひぃ
ほ、掘って
掘ってください
生ちんぽもっと欲しいからガン掘りレイプしてください
淫乱メス豚のクソ穴おまんこガッバガバにしてくだひゃいぃいいひぃいい
あっ、あぁっ、あんっ! い、イイ! 生交尾イイ! ゴムなしおちんぽセックスがこンなに気持ちイイにゃンてェええ
」
情痴に振り回されるままに一心不乱に腰を揺さぶり、頭に浮かぶ卑猥な台詞をどこか呂律が回らぬ様子で吐きながら交合の味に酔う青年の淫らな反応に男は相好を崩すと、眼前で大きく左右に揺れている豊満な尻肉を諸手で掴んだ。手の平に広がるゴム鞠のような心地の良い弾力性に男は人知れず眉尻を下げる。
「電車で触った時から思ってたけど、キミ本当にいいお尻してるねぇ。安産型って言うのかな?」
手放しがたい極上の触感に男の手にも自然と力が入る。なかば爪を立てるように鷲掴みにした指の間から柔らかな肉が溢れ出た。男は唾を飲み、蒸気のように熱い息を大きく吐き、思いつく限りの方法で暮羽の肉丘を激しく玩弄した。いとおしむように優しく撫でて。粘土遊びに興じる幼児のように縦横に揉みしだいて。痣が残りそうなまでにつねって。巨大な紅葉が散りばめられるのも構わずに平手で叩いて。接合部の周辺を親指の腹でグリグリと思い切り押して。
男の猛攻の前に暮羽は身体をしならせ、子孫を残すにふさわしい屈強なオスにありつけた繁殖期のメスさながらの咆哮を繰り返した。
「んおっ ぁおっ、おっ
おぅ
んぁ
おほッ
んほおォおお
だ、駄目ッ、そンな、ケツまで攻められたら、頭おかしくなッちまうぅん
ぅあ
ぉあっ
も、もっと
もっと俺のエロケツいじめて
もっと、もっと、おかしくしてくださぃい
んあァあああっ
もっとォ
」
口角から伝い落ちる涎も拭わずに暮羽は眼前のタンクに抱きついて頬ずりをし、閉じられたままの便器の蓋をガタガタと鳴らしながら盛大に腰をうねらせた。
やがて中年男は臀部を蹂躪していた手を脇腹に移し、本格的に腰を打ちつけ始めた。肉体と肉体がぶつかり合う、破裂音に近いそれが、発情の空気に満ちた密室に生々しく響く。やや息を弾ませながらも今の状況を心底愉しんでいる男の明るい声が性交音の上に重なった。
「これだけ男同士のセックスに慣れてるってことは彼氏とかもいるんでしょ? 悪いねぇ、彼氏よりも先にキミの生まんこ貰っちゃって。おじさんの代わりに謝っといてね」
「……!」
彼氏。無責任な声色の台詞に入っていた一つの単語を拾い上げた暮羽は、虚空に浮かぶ一点を穴が生じそうなまでに見据えた。暮羽の弛緩した頭の中に一人の男が浮かび上がる。
――暮羽さん。
彼が、あの後輩が青い髪をなびかせて、笑いかける。相変わらずの屈託なき笑顔で。向こうが自分をどう思っていようが正直どうでもいいし、自分自身、彼をそのように意識したことなぞ微塵もない。
ないのだが。
暮羽の胸の中に新たな火種が灯る。すでにほとんど機能していない頭の隅に浮かんだのは、寂しい夜を慰めるビデオを物色している時によく目にする“寝取られもの”のDVDのパッケージ。あの手のものが視界に入る度に、夫や恋人といった愛する存在がいる女が他の男に辱められ、身体を交えてしまう話なんてどこがいいんだと鼻で飛ばしていたのだが、いざ、自分が似たような立場になった今、不可解な昂ぶりが胸から全身にじわじわと広がってくるのを確かに感じている。恋人(とは実際は思っていない。……思っていないはず)がいるのに別の男と性を交えるという禁忌の行為から生じる禁断の蜜が身体を伝い、頭を甘く満たして堕落の道へと突き落とす。
気が付けば、暮羽鋭次は彼の名を声高に叫び呼んでいた。
「んぁおおおぉおお!! か、かざ、なぎッ、風薙ィ! ぃやああぁあああ! お、俺、生ペニスぶちこみレイプされてるッ 風薙ともナマで交尾した事ねェのにィ!」
交尾などという明け透けな単語を吐く青年に中年は満足気に頷き、淫猥なる相手への褒美といわんばかりに抽送の速度を上げ、律動も大きくした。一応、互いに唾液などで濡らし慣らしてはいたが、やはり避妊具の潤滑剤の手助けなき接合部の動きには何となくぎこちなさがあった。だが、それがまた肉と肉が交ざり合う真の雌雄の営みのようで何とも心地良い。
雌雄の営み。互いの子孫を残すためのまぐわい。つまり、この先にあるのは。淫欲に溺れ沈んで思考回路が乱れに乱れている頭が青年を突き動かす。より猥雑で、狂気じみた方向へと。ただ強い快楽を得たいがために。
「あっ、あひッ、あんぁ あ、あぁああんっ
た、助けて、ひ、はひっ
ひぁん
風薙、助けてッ
こ、このままじゃ風薙よりも先に生ハメしてきたおっさんにガチ種仕込まれておまんこ溶かされちまうぅうううゥう
」
「助けて」などと救いを求める言葉を連呼するが、緊迫感が一片たりとも存在していないその声音に男は失笑を漏らし、荒々しい動きが止まらぬ相手の汗まみれの背中に自分の腹部がひっつくように抱きついた。そのまま顔も相手の身体に寄せ、愛しげに頬ずりをしながら男は気持ちが悪いぐらい甘い声で耳打ちをした。
「どうやら中出しをお望みみたいだから、そうしてあげるね 生まれて初めての生出しザーメン、キミのエッチなお尻でいーっぱい飲むんだよ
」
「ひっ ぃ、いや
いやだっ
」
男の言葉に暮羽は首を振って拒絶の意を口にするがそれも“とりあえず”といった感じで、身体の方は抵抗するそぶりをまったく見せず、肝心の肉穴は早く早くと急かすようにくわえっぱなしの雄に甘く吸いついて射出を促す始末。メスの望みにオスは応え、自然と力が入る臀部を細かく弾かせる。乱れる息に混じる情けなさすら覚える喘ぎが、小刻みにぶつかり合う雌雄の動きに合わせて湿った拍手のような音が熱気の篭る室内を満たす。やがて、戯れの時の終わりを告げる中年男の吠え声が薄黒い天井を突き上げ、青年の悦楽に満ちた叫びが後に続いた。
「あぅひゃぁぁあああぁんッ!! か、風薙ッ、どうしよ……お、俺、風薙以外の男に生でおまんこも腹ン中も犯されたッ……ちょ、直腸、精子まみれにされ、て……あ、あッ、熱いぃいい!! おっ おぉ
おぉおっ
腹ン中熱くてイッちまうッ
種付けレイプされながらアクメペニス汁出りゅうううぅうう
」
ほとんど引っくり返ってしまった黒目が別世界を見つめ、赤い鼻や笑みの形に歪んだままの口端から光る粘液を垂れ流しながら暮羽はようやくオスとしての絶頂を迎えることが出来た。ビクビクッと腰が前後に短く振れる度に青臭い白汁が便器の蓋の上に飛び散る。
「はぁ、あ……あぁ……」
自らが吐き出した種をうっとりと眺めていた暮羽だったが
「うぐぶッ!?」
不意に眼球が飛び出んばかりに目を大きく見開いて頬を膨らませた。
「ぅ、うぇ……や、ヤベッ…… き、きき気持ち、よすぎて、イキ、すぎて、は、吐くッ
吐く吐く吐く、吐い、ちまッ……!」
それ以上は、何も言えなかった。開いた口から言葉の代わりに飛び出したのは。
「んぐぼぅうえぇっ! ぉえっ、げっ、おえ゛っ!! ぅえ゛ぅおえげえぇええ!!」
腹に注ぎこまれた不慣れな異物に身体が拒否反応でも起こしたのか、それとも本人が言うように強すぎる快感に何もかもが壊れてしまったのか、とにかく派手に吐き出された胃液のかたまりが眼前のタンクを叩き、独特の臭いをまき散らしながらドロドロと伝い落ちていった。そのまま滑るように床に膝を落とした暮羽は、鼻先に散っている己の吐瀉物のすえた臭いに吐き気が増長したのだろう慌てた様子で便器の蓋を大きな音と共に乱暴に押し上げ、すでに汚れている便壷に顔を突っ伏すと、見ている方が吐き気を催しそうな嘔吐を繰り返した。
「ごぼッ、う゛ぉえっ、ぅげっ、げぇえええ゛えぇ! ぅぐっ、ぉえ゛っ、ゴホッ、ゴホゴホッ……うぇ……」
肩をそびやかして吐き続け、喉を焼く胃液の強い酸に咳きこむ青年の背後に立っていた男は少し萎んだ愛息を手で包みつつ歩を進めた。ニタニタと顔をいやらしく歪める男の視線の先にあるのは、まだ雄肉を食い足りぬ、まだ種液を飲み足りぬと訴えているように小さな開閉をくぱくぱと繰り返す淫門からオスの汁を垂れ零すメスの尻。男は卑湿な顔のまま肉竿を素早くしごき、容赦のない嬲りによって真っ赤に腫れあがった臀肉に残り汁の雫を飛ばし、白いトッピングをほどこした。
「ひぁっ あ、あはぁあぅんっ
」
鈍く痛む尻に降りかかった雄種の熱を鋭敏に感じ取った暮羽は吐液にまみれた顎を上げ、長身をブルブルッと引き攣らせると、冷たい便器に身体を預けて呟き声を震わせた。
「ああぁ……あはぁああ…… 生ちんぽさいこぉう
もう、生ハメセックス以外考えられにゃいぃ……
」
「ククッ……」
よがりきった様子で腰を無意識に揺らす暮羽の背に向かって男は静かにスマートフォンを構えた。全身の後ろ姿。汗ばんだ背中。無惨な色の臀部。少しいびつに開いた後穴。そこから溢れ出ている白濁。それら全てを携帯電話の中に収め、画面を幾度か指先で叩いて何らかの操作をした後、男はドアフックにかけたままだった鞄からマジックペンを取り出しキャップを外した。背中から回りこんできた黒いペン先が暮羽の太腿に近付き、一本の横線を引く。
「……?」
そこまでされてようやく何かに気付いた暮羽は、のろのろと振り向いて男を見上げた。少し霞んでいるような気がする視界に入ったのは自分に向けられた携帯電話で、男の指が画面の上で軽やかなステップを踏んでいた。呆然とする暮羽をニコニコと見ながら男はスマートフォンを下ろして言う。
「今、おじさんのお友達を何人か呼んだよ。キミのいやらしい写真やそのメス顔の写真を添えてね。キミみたいなエッチな男の子が大好きな人ばかりだから、きっとキミも彼らも満足すると思うよ」
「!!」
溶けきった顔を瞬く間に凍てつかせた暮羽をおかしそうに見つつ、男は衣服を整えて続けた。
「あぁ、すぐには来ないよ。今から逃げれば充分間に合うから心配しないで。……嫌だったらなるべく早くここから出るんだよ」
言うだけ言って男は意味深な含み笑いを漏らし、適当な別れの挨拶を口ずさむと、夢から覚めたかのように真顔になって足早に立ち去っていった。
「……」
熱気と悪臭がこもる密室に残された暮羽は汚れた口元を手の甲で大きく拭い、深々と息を吐いた。すでに外は夜の帳に包まれていることを知らせる虫たちの合唱会の歌声がどこからともなく聞こえる中、暮羽は重たい頭で思考する。
……逃げないと。早くここから出ないと、また、滅茶苦茶にされてしまう。それなのに。
「うっ……くッ!?」
何故だろう。足が動かない。まともに立ち上がれない。あんなことをされたのだから無理もないかもしれない。……それとも、俺は、逃げたく、ない……?