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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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2013年02月の記事は以下のとおりです。

[クラ×レオ&子スコ]なぞなぞわかるかな 2

  • 2013/02/02 01:15
  • カテゴリー:FF



いつもなら眠くなる時間だろうに、今日はまだまだ元気らしい。
ベッドの上で、レオンへのなぞなぞを絵本の中から選ぶスコールの目は、ぱっちりと冴えている。


「料理に使うちょうちょってなーんだ」
「料理に使う……それはきっと、ちょうちょじゃないんだろう?ちょうちょは料理が出来ないからな」
「んー…うふふ」


レオンの指摘に、スコールはにこにこと笑っているばかり。
ヒントや答えを出し渋って見せる様子は、テレビのクイズ番組からの影響だろう。
正解か、不正解か、焦らしてドキドキさせる効果を演出しているつもりなのだ。

レオンは腕を組んで考える仕草をして見せた後、


「料理…ちょうちょ…ちょう、……判った、包丁だ」
「当たりー!」


ぱちぱちとスコールが嬉しそうに拍手する。

じゃあ次はね、とスコールが絵本のページを捲ろうとした時、がちゃり、と寝室のドアが開く音がした。
レオンが顔を上げると、頭を摩りながらクラウドが入ってくる。
そして、ベッドに並んで横になっている兄弟を見ると、さっさと自分もベッドに入り込み、レオンの背中にぴったりと密着する。


「……暑苦しい。離れろ」
「嫌だ。スコール、俺にもなぞなぞ」
「やっ」


ぷいっ、とそっぽを向いてしまうスコールに、レオンは背中の男ががっくりと落ち込むのを感じ取った。
スコールはいつも素直な性格だが、意外と頑固な所もあるので、一度ヘソを曲げてしまうと、中々許してくれない。

「凄いって言ってたから答えてたのに…」と、ぶつぶつと呟くクラウドに、レオンは加減をしないからだと言った。
腰に回された腕が、ぎゅうう、としがみ付いて来るのを感じて、仕様のない奴だと溜息を吐く。


「スコール。クラウドも十分反省してるようだから、そろそろ許してやれ」
「……むぅ……」


頬を膨らませ、不満そうに見つめる蒼灰色を、クラウドが縋るように見詰める。

ガラス玉のような色合いをした碧眼が、スコールは好きだ。
だから、その綺麗な瞳が悲しそうにしているのは、見たくない。
なぞなぞの事だって、クラウドは答えが判ったから答えていただけだし…と考えて、


「うん。もう怒ってない」
「よし、いい子だ。ほらクラウド、お前もちゃんと謝れ」
「悪かった、スコール」


レオンに促されて詫びたクラウドに、スコールは起き上がって、レオンの肩口から顔を覗かせているクラウドに顔を寄せる。
仲直りの印、と頬を当ててすりすりと頬擦りする小さな子供に、レオンは密着した男が至福の絶頂を迎えているのを感じていた。

クラウドがスコールの頭を撫でると、スコールはくすぐったそうに笑う。
それを見て、クラウドは安堵したようにほっと息を吐き、


「スコール。お詫びに俺からなぞなぞを出そう」
「なぞなぞ?何?どんなの?」


破顔して食い付いたスコールに、クラウドはそうだな…としばし考えて、


「男の子と女の子がピッタリくっついてある事をして、さらに終わった後に、女の子が男の子に“大きい”と一言。さて、二人は何をしていたでしょう」
「……う?」
「クラウド!!!」


首を傾げるスコールの傍らで、跳ね起きたレオンの拳が、クラウドの頭頂部をあらん限りの力で殴りつける。
特大のタンコブを作ってベッドに沈むクラウドから、レオンはスコールを庇うように背に隠した。


「お前っ、子供になんて問題出してるんだ!」
「…何言ってるんだ、レオン。これは単なるなぞなぞだぞ?」
「内容が悪いと言ってるんだ!」


頭を摩りながら起き上り、弁明するように言ったクラウドに、レオンは怒鳴る。

スコールは、珍しく声を荒げる兄の姿に、きょとんとした表情を浮かべている。
スコールには、兄がどうしてこんなにも怒っているのか、まるで理由が判らないのだ。
今のなぞなぞに何か悪い所があるのか、思い返してみても、やはり判らなくて首を傾げるばかり。
ついでに、なぞなぞの答えも判らない。


「スコールもきっとした事があるぞ。ちなみに一文字目は“せ”で、三文字目は“く”だ」
「有る訳ないだろう!」
「うー…判んない。答え、何?」
「なんだ、判らないのか」
「判らなくて良い!」
「なんで?お兄ちゃん、答え判ったの?」


レオンの叫びに、スコールはことんと反対側に首を傾げた。
それを見て、レオンはぐっと言葉を詰まらせる。

言えない。
答えも、それを言えない理由も、言える訳がない。
だってスコールはまだ小学生になったばかりで、子供で、何も知らなくて、本当に純真なのだ。
そんな弟に、この問題の答えを教える訳には──────

真っ赤な顔で言葉を失ったレオンに、兄の心中を知らない弟は、不思議そうに首を傾げるばかり。
クラウドはそんなスコールと目を合わせ、


「答えは“背比べ”だ。やった事ないか?」
「ある!……僕、女の子よりちっちゃかった…」
「そうか。じゃあ、俺の問題の出し方が悪かったな」


眉尻を下げて言ったスコールに、クラウドは慰めるようにぽんぽんと頭を撫でてやる。
それから、赤い顔で呆然としているレオンを見て、


「レオンは、答え、なんだと思ってたんだ?」


にやにやと意地の悪い笑みを滲ませて言ったクラウドに、レオンの顔が沸騰したように耳まで赤くなった。
それを見たスコールが、また不思議そうに見つめて来るから、レオンは益々恥ずかしくなる。

なんでもない、と言って二人から目を逸らした兄に、スコールはどうしたんだろう、と首を傾げる。
お兄ちゃんどうしたの、と言っても、兄もクラウドも、何も教えてはくれなかった。
誤魔化すようにクラウドに頭を撫でられて、スコールは不満げに唇を尖らせたが、


「どうだ、俺のなぞなぞ。まだ一杯あるんだが」
「一杯?」
「ああ。やるか?」
「やる!」


正に今、なぞなぞブーム真っ只中のスコールにとって、この誘惑は魅力的だった。
兄もそっぽを向いたままこっちを見てくれそうにないし、なんだか赤い顔をしているから、ひょっとしたら少し気分が悪いのかも知れない。
あんまり構って構ってと言うのも良くないだろうと思って、スコールはクラウドに飛び付いた。

─────その無邪気さが、この夜、長くに渡って兄を苦しめる事になるのだが、幼い子供には判る筈もない話であった。




なぞなぞわかるかな 3



子供の純粋さを見て、自分が汚れているような気がしたレオンさん。
クラウドは確信犯。

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[クラ×レオ&子スコ]なぞなぞわかるかな 3

  • 2013/02/02 01:14
  • カテゴリー:FF



「好きな人と一緒にいると、たってしまうものは?」
「んぅ……?」
「答えは時間だ」
「あーっ、言っちゃダメ!まだ考えてたのに!」
「……すまん」

「毛むくじゃらで、バナナから連想できて、“チ”で始まるものは?」
「クラウド!お前、また…!」
「バナナ……あっ、チンパンジー!お猿さん!」
「正解だ」

「女の子が大人になるまで、どれぐらいの時間がかかる?」
「おとな…?おとなって、何歳からおとな?」
「成人を大人で区切るなら、20歳だな」
「じゃあ…20年?」
「外れ。答えは一月」
「なんでそんなに早いの?」
「答えは一月、ひとつき、一突き……つまり突いたら」
「黙れ!!!」

「黒くて硬くて、先っぽからチョロっと液を出すものなんだ?」
「……?」
「これだ、こう。こうすると出て来る」
「こう?」
「おい、子供に何をやらせてる?!」
「?お兄ちゃん、どうしたの?」
「ちなみに答えは万年筆だ」
「まんねんしつってなに?」
「ボールペンみたいなものだと思えば良いか」
「…知らないもん」
「俺の問題の選び方が悪かった。だから怒るな、頼む。所でレオン、お前はなんで怒ってるんだ?」
「………」


クラウドが出したなぞなぞを幾つか解いた後、スコールはふと、ベッド縁に座って俯いたまま動かない兄を見た。
なぞなぞの答えを考えている時、何度か怒ったように声を荒げる事はあったけれど、答えを聞くとまた黙り込んでしまう。
そんな事が繰り返される度、レオンは顔を真っ赤にしていて、クラウドがくつくつと楽しそうに笑っていた。

じゃあ次の問題は、と考えるクラウドから離れ、スコールはレオンの背中にぴたりとくっつく。
驚いたように兄の背中が跳ねたが、振り返って、其処にいるのがスコールだと気付くと、レオンは小さく笑みを浮かべて見せた。
が、彼の顔はまだ赤い名残を残している。


「お兄ちゃん、大丈夫?」
「ん…ああ、いや。大丈夫」
「顔、赤いよ。お熱ある?」
「ありがとう。何ともないよ。本当に大丈夫だから」


スコールを抱き上げ、膝の上に乗せて、ぎゅっと抱き締めるレオン。
スコールは全身で感じられる兄の温もりと、大丈夫と言う言葉に安堵して、えへへ、と笑った。
レオンがじろりと隣の男を睨んでいる事には気付かずに。
無論、そんなレオンを見て、クラウドがにやにやと笑っている事など、知る訳もない。


「じゃあ次は、そうだな……Hになる程固くなるものは?って痛いな、なんで殴るんだ」
「露骨過ぎる!」
「そうか?じゃあHじゃなくなると柔らかくなるも────だからなんで殴るんだ」


射殺さんばかりの眼光でクラウドを睨むレオンだが、耳まで赤くなった顔では、迫力も何もあったものではない。
そんなレオンの膝上で、スコールは首を捻って問題の答えを考えている。

クラウドは二連続で叩かれた頭を摩りながら、にやにやと意地の悪い笑みを浮かべて、怒りともう一つ別の理由で赤くなっているレオンに顔を近付ける。


「なんだ。レオンはもう答えが判ったのか?」
「な……あ…違、」


息がかかる程、唇が触れ合う程に近い距離で囁くクラウドに、レオンが身を反らしていると、


「あ、判った!えんぴつ!」


スコールの明るい声が響いて、レオンが固まる。
呆然とした表情でフリーズした兄に気付かず、スコールはクラウドの服の袖を引っ張る。


「ねえ、あってる?正解?」
「正解だ。よく判ったな」
「えんぴつのね、こっちの方。お尻の方に書いてあるの。HとBって。Hの方が硬くてね、黒が薄くなるんだよ」
「そう。固い鉛筆はH、柔らかくて黒が濃いのはBだ。よく知ってたな」
「えへへ。……あれ?お兄ちゃん?」


頭を撫でて褒められ、嬉しそうに目を細めたスコールだったが、自分を抱き締める兄が不自然に固まっている事に気付くと、きょとんとしてレオンを見上げる。
レオンは弟の視線から逃げるように、明後日の方向を向いてしまい、クラウドからも目を逸らす。
どうしたの、と問う弟に、兄は何も言わなかった────言えなかった。




なぞなぞわかるかな 4


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