竹夫人の母
 昔々の、とある国でのお話。どこかの港の商人の家族。
 互いに支え合い、店を大きくしていく夫と妻。
 やがて、僅かに離れていく心。広がりゆく距離。
 しかし息子にとっては、母と共に寝る夜が楽しみだった。
 その営みが、はたと消え失せ、悲観する子。
 頃は盆の夜。寂しく泣く寝所に、優しい母の声がする。

竹夫人の母

完結
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