行政・公共団体他

公共機関や立法、里の運営に関わる組織等。
【 種族別団体 】
様々な種族の集まる里には、幸猫氏率いる猫団や、レッドイグアナのイグアナ団等、種族別の団体があり、色んな互助や、種族の特性を生かした活動を行っています。
また、種族が細分化されている獣の場合、団の中でさらに班に細分化されていることもあります。
例えば猫団は、家猫班(主にイエネコ)と山猫班(山猫とライオン・豹等)に分かれていますし、犬団はさらに多種族に分類されるため、早さに優れた伝令係のダルメ班や、毛のない特性を生かし、機械操作に小回りのきくチワワ班、里の治安に尽力する番犬連合隊(シェパードやハスキー、セントバーナードなどの勇敢な大型犬で組織される)、各種の特性を受け継いだ、知能に秀でる雑種班など、多数の班で構成されています。
【 獣の里役場 】
広報や財政・獣民票などの管理を行い、人里との連絡口にもなっている、里の中核施設です。
以前は多数保有するOA機器を生かして、業務が終わるとサーバーを切り替え、夜からはイグアナ団の経営するネットカフェとして平行利用されておりました。
しかしネットカフェ利用者の増加に伴い、役場業務との平行営業が難しくなったため、昨年ネットカフェが独立し、現在は通常の行政業務のみを行っています。(下記「ドリア絵図管理事務所」の項をご参照下さい)
とはいえ、役場の建物は以前からの慣習まま「ドリア絵図管理事務所」と呼ばれることが多く、会話などでネットカフェと役場を取り違える獣も頻発しているとか。ご利用の際は、どちらの施設のことなのかお確かめの上、お間違いなきようお願いいたします。
【 ドリア絵図管理事務所 】
里の公営ネットカフェです。以前は役場の機器を借りて平行営業していましたが、 昨年末、利用者のご要望にお答えして、同施設内に独立開業の運びとなりました。
「ドリア絵図管理事務所」は、役場営業時代、管理者のイグアナ団に頼んでドリア絵図をCDやDVDに 焼いてもらう獣が頻出したことから、建物自体がいつしかこう呼ばるようになったもので、独立後はそれがそのまま正式名称になりました。
現在は、時間制ネットカフェとしての通常利用の他に、コピー、画像スキャン、DVD・CD他のメディア焼き込み等の単品利用・代行サービスも行っており、PC・機械操作の苦手な方もお気軽に利用していただけるようになりました。
なお受付では、プリペイドで割安な「ドリア絵図利用カード」500円・1000円・3000円も販売しておりますので、是非ご利用下さいませ。
(※ドリア絵図管理事務所は行政組織ではありませんが、その成立に関わる役場との密接な関係のため、こちらに重複掲載しております。ご了承下さい)
【 善行カード 】
落とし物はちゃんと役場に届けないと、猫団に鉄拳制裁を食らいます。なのでちゃっかり着服する者はまずおらず、皆が割と真面目に届け出ます。
まあ百円~二百円くらいの小銭であれば、寛容に見逃される傾向にありますが、それでも届け出ると「善行カード」というスタンプカードに判を押してもらえます。
なお、スタンプが溜まったからと言って何の特典がある訳でもないのですが、スタンプの溜まった善行カードを何枚も持っていることは「徳高い獣」であることの証明であり、秘かな里のステイタスでもあります。
何十枚もカードを貯めているお年寄りが子獣に「じいちゃんすげー!」と尊敬される局面もあり、こつこつとスタンプを貯めるのを趣味としている方も多いようです。
【 公地収穫物の分与 】
獣の里には、基本的に「私有地」というものが存在しません。個人・団体が使用している土地は、便宜上「私地」と呼ばれてはいますが、厳密には借地に当たります。「里の全ての土地は長老の結界であり、獣民がそれを借り受けている」という形式です。<ちょっとイギリスっぽいですね。
そうした借地申請が為されていない土地は、公共施設の敷地も含めて「公地」と呼ばれます。
そして公地の中でも、山野とは言えない中心地区の道路端などで、梅や胡桃・柿など、手入れを全くしなくても収穫が見込める果樹が生えていた場合、木の幹や周辺をよく見て下さい。
もし「公」というプレートや標識が取り付けられていた場合、その実を勝手に収穫してはいけません。これは「公地収穫物」と言い、役場に予約申請をすることによって、希望者に均等に分与される、という決まりがあるもので、勝手な収穫は処罰の対象となります。
しかし、もし「公」の標識が見当たらない場合は、それは公地であっても公共管理物ではありませんので、自由に収穫して構いません。
ただし、管理物でないということは、管理・収穫するほどの質ではない・リスクがある、ということでもあります。例えばリンゴなら「この木になる実は超渋いから」とか、時には「すぐ側にスズメバチの巣があって危険だから」という理由で管理外であることも‥‥。
市街地内での自由収穫物探しに挑む方は、そうした点を覚悟の上でお願いします。
(ちょっと郊外まで行けば、「公地であっても果樹の収穫は自由」という場所の方がむしろ多いです。しかし、やはり皆、毎日通る場所にあり、開花や果実の成長を日々見てきた木には格別の愛着が湧くようで、分与が実用的な量でなくても「あの木に生った実がほしい」と思う方が多いようです)
【 戸籍の作成と獣民票の発行 】
里で子供が生まれた場合は、人里同様に子供の名前・性別・誕生日・種族を届け出、親の戸籍に加えるよう手続きします。
人里から転入してきた方の場合も、戸籍を新規作成したのち、ほぼ同様の手続きを踏みますが、外生まれの方の場合、正確な誕生日が不明な場合が多く見られます。その際は大雑把に「○年×月」や「○年 夏頃(推定)」や「○年頃(推定)」で戸籍が作成され、獣民票が発行されます。
この獣民票/獣基カードは、里で生活する上の身分証明として欠かせないものですので、紛失しないよう注意して下さい(常に携帯する必要はさほどありませんが、必要な際にさっと取り出せるところに保管しておくことをお勧めします)。
(なお、人里で使用する免許証などを取得したい場合は、誕生日が不明な方でも「人里用の設定」として日付の作成が必要になります。通常は個獣が希望する日付を設定しますが、まれに長老のお告げによって誕生日設定が決まるケースもありますので、 まずは役場に届け出てご相談下さい)
【 人里に多く住む種族の場合 】
犬や猫やハムスター、牛・馬・豚等の、人間の身近に多く住む種族は、人里における獣医療も発達しています。犬猫がメインのペット系専門医と、牛馬豚などの大型獣を扱う医者に大別されてはいますが、これらの種族である限り「専門外である」「うちでは診察出来ない」と言われることはまずありません。
獣の里にも、人里では獣医だった元人間の方がそこそこいますし、何でしたら人里の獣医にも気軽にかかることが出来るため、このような人里メジャーな種族の方は、医療で困ることはまず無いと思われます。
【 その他、エキゾチックアニマル等の場合 】
上記犬猫牛馬系以外の、ちょっと珍しい哺乳類であったり、イグアナやトカゲ類に代表されるいわゆるエキゾチックアニマルの場合は、少し事情が面倒になります。人里ですら詳しい専門医が少ない状態ですから、獣の里においてはさらに少なく、これらの種族の傷病対策は、やや難易度が高いのが現状です。
そのため、「しっぽの骨折」「(カメの)甲羅の破損」などといった「人間にない器官の怪我・疾病」でない限りは、ヒト姿になって人間用の医者にかかるのが有効な選択肢となっています。
勿論、人里の医者にかかるためには、人間としての戸籍や保険証が必要になります。そのため、このカテゴリに属する種族の方は、里内部では追いつかぬ高度医療に備え、近所の人里に人間としての戸籍を用意していることも珍しくありません。
獣の里で生まれた方は、人里との交流を取り持つ「民宿さとむら」に仲介してもらい、幼いうちに人里戸籍を用意しますが、後年人里から移住してきた方も、獣民票の発行に加えて人里戸籍を取得することが可能です。後から「その時は要らないと思ったけどやっぱり必要になった」という方も受付可能ですので、臆せず役場に申し出て下さい。
住人にもあまり知られてはいませんが、実は獣の里の他にも、関連の里が世界各地に存在しています。いずれの里も、世界の裏側といっても差し支えのないくらいの遠隔地にある上に、極端な気候の差も相俟って、普段の交流はほとんど不可能な状態です。
とはいえ、長距離の渡りを行う一部の鳥達により、ごくたまに他の里の情報がもたらされることもあり、獣達はまだ見ぬ遠い国への憧れを募らせることもしばしばです。
【 鳥の里 】
赤道近くの暑い国にあります。そのため、「鳥の里」といっても住人は鳥だけではなく、熱帯・亜熱帯性の陸上生物も多く住んでいます。こちらは獣の里と対を成す場でもあるので、獣の里との交流は鳥団を介して比較的盛んといえるでしょう。
(と言っても年に一回ほど、渡りのついでに一部の鳥が訪れる程度ですが)
【 海の里 】
はるか南海の、寒流と暖流が出会うと言われる小島を中心に、海の中~海底までを領域とした里です。住人は主にクジラやイルカ、トド等の海棲動物や、海蛇や海竜等の水棲爬虫類ですが、他の里と同じく、ペンギン・渡り鳥等の鳥類も多く居住しているようです。
【 山の里 】
雪深い高山の上にあり、寒冷地、及び高山に適した獣が住んでいると言われています。しかし、いかんせん場所が雪山なだけに、鳥団による渡り(情報伝達)が行われておらず、正確な場所は未だ明らかではありません。一部ではエベレストにあるとも、キリマンジャロにあるとも噂されていますが、それを確かめる術もないのが現状です。
(とはいえ近年は、あれだけ沢山の人間がいついかなる時も登山しているようなエベレストにはないだろう、という説が有力です)
獣の里は基本的に農業を営む住人が多いので、自然災害対策にはいつも頭を痛めています。
万年甲羅たる長老のカメチカラをもってすれば、台風の進路を曲げる等して災害を避けることも出来ると言われていますが、「自然の理には全て意味がある」との長老の言により、対策は事前事後の物理的な防御・復旧支援に限って行われております。
(なお、災害時の農作物の管理に関しては、農協の広報をご参照下さい)
【 避難誘導(人里向け) 】
里でたまに起こる災害と言えば、主に台風の際の農業被害と、平地・地下区における浸水被害です。山の土砂崩れなどは、長老のカメチカラにより最小限に抑えられていますので、 平地の方は長老の祭殿へ避難、山にいる方はより高い方へ避難、というのが昨今の共通認識となっています。
一方、近年は人里における災害被害があまりに甚大なので、有事の際はお世話になっている村の皆さんを山中の安全地帯(里の結界にほど近い)に避難させてはどうか、という議論が盛り上がっています。現在既に台風の時などに、人里まで出掛けて人間の方々を誘導するのを常としている方もおられます(主に熊団の有志が活動しています)。
人里の皆様は、豪雨による浸水や土砂災害などが懸念されるような時、山から手招きをしている獣(熊)を見かけたら、「その場所は危ないよ」というサインですので、迷わずついていって避難することをお勧めいたします。
(なお、「災害誘導の際は、人間の収穫を行なってはならない」という取り決めがありますので、 人間の方は安心して誘導に従って下さい。後でちゃんと人里までお送りいたします。<興味本位で里の結界の中に立ち入った場合は、その限りではありませんが)
【 避難小屋(人里向け) 】
上記「避難誘導(人里向け)」の際に使われる山小屋です。山小屋と言ってもさほど質素なものではなく、 人里の住宅用に使われるものと同じタイプの、そこそこ大きめのログハウスで、結構な人数/頭数が宿泊出来る広さと設備を備えています。
元々は遥か昔、まだ人里の方が髷を結っていたような時代に建てられたものが始まりだそうで、ごく限られた人間の方との交流・取引用に使われていました。
交流場所としての役割は、のちに人里の「民宿&雑貨店さとむら(※)」へ受け継がれたため、しばらくは単なる「豪華な休憩所」「人里との境目の目印」的な存在でしたが、里議会の承認を得て、人間の方を避難させる小屋としても使われるようになりました。
なおこの山小屋は、里の結界にほど近い位置に建てられており、小屋を通り過ぎて道を登り続け、その道がやがて下りになると、そこはもう里の結界です。獣になると都合の悪い方は、山小屋より上には登らないようにご注意下さい。
(※「さとむら」については、「住人紹介」コーナーの「その他の獣~」や、「里物語」「幸猫物語・再会編」をご参照下さい)
【 帰宅困難時対策 】
災害時の避難というほどでもなく、大雪や事故で足止めされ、一時的な帰宅困難状態に陥った際は、 ドリア絵図管理事務所(役所の方)を始めとする、各種公共施設にその旨を申し出てみて下さい。 会議室などの大部屋で雑魚寝(毛布の貸し出しあり)になりますが、無料で簡易宿泊を受け付けています。
その際、間違って役場と同施設内・別フロアで営業するネカフェの方に申し出てしまった場合、 普通にネカフェのお泊まりパック料金が発生してしまうのでご注意下さい。
(ちなみに、爬虫類であるイグアナ団の中には、あまりの豪雪と寒さで帰宅が億劫になり、連日職場に泊まり込んでは「従業員なのにネカフェ難民」状態の者もいるとかいないとか‥‥)
【 避難場所 】
水害や台風などの際の避難場所は、住人の居住形態に合わせ、地下区と地上区それぞれに設けられています。
しかし、地下区在住の住人は、浸水や崩落を恐れて地上に避難しがちです。同様に地上区の住人は、暴風による飛来物や家屋の倒壊を恐れ、一斉に地下区に避難します。また、自然区域の洞窟に逃げ込もうとした獣が「中は鍾乳石が折れて降ってくるから危険だよ!」と飛び出してきた洞窟在住の方と鉢合わせし、ではどこに逃げればいいのかと立ち往生したことも。
そうした事実が判明した時、これでは単に住人の居場所が入れ替わっているだけで、結果的に避難になっていないのではないか、という意見が出され、最善策を求めて里議会で大激論が交わされました。
その結果「里で一番安全なのは、そのカメチカラでちゃっかり災害を部分的に回避している長老の祭殿である」という報告が成され、以降、公式の災害避難場所は長老の祭殿(及びその周辺)と決定されました。
【 警 報 】
異常気象や災害に際して里役場が流すものと、農協が流すものの二種類があります。農協のものは主に気象情報と、それに対する農業指導です。一方里役場が流すものは、台風や土砂崩れ、交通事故などの天災・獣災の予報や対策情報、避難場所への誘導といったものになります。
なお、今は無い特殊な警報として、数年前には役場周辺へのピンポイント予報で「ゾウガメ警報」なるものがありました。それに関しては「里伝説」の関連項目をご参照下さい。
【 避難住宅 】
台風・水害他の災害時、住宅に著しい被害を受けた方々が避難生活を送るための施設です。
種族の特性上、多量の日照を必要とする爬虫類や一部の哺乳類は、地上に住宅を構えていることが多く、時に台風や豪雪で住宅の破損・倒壊の危機に遭遇することがあります。
逆に、夜行性の哺乳類等、照明効率を必要としない地下区在住の種族であっても、水害時の浸水によって地下住宅が水没するケースも。
そうした災害に見舞われた場合、役場への申告によって、地下区・地上区それぞれの公営住宅を、格安後払いで借り受けることが出来ます。同時に復旧へ向けての一時支援金を支給する制度もありますので、是非合わせて役場でご相談下さい。
【 慣習的罰則 】
他獣の「まじないフォーク」に悪戯した場合、公的な罰は決められていないので、猫団による過酷なお仕置きが科せられます。
それは抜かれた曲がりフォークを入れた樽にぎゅうと詰められ、崖や山の斜面から転がり落とされるという危険なもので、一般獣からは「やりすぎではないか」との声も上がっていますが、願いを駄目にされた獣からは「まだ手ぬるい」との怒りの声も寄せられており、現在のところ禁止の方向には進んでおりません。
また、悪戯が子獣によるものだった場合、刑罰は少し軽くなります。とはいっても、「縛り上げて二日間木に吊るし、足裏の肉球に墨を塗られて晒される」という厳しいものであり、二日間の刑罰から解放されても、足裏の墨がなかなか落ちないため、お仕置きを受けたのが一目で解ってしまい、後々まで恥ずかしい思いをする羽目になります。
【 公式の罰則 】
勤務や集会に度重なる欠勤や早退・遅刻があり、それが身体的不調や疾病、またはその他のやむなき事情でないと認められた場合、懲罰委員会に送検され、箱詰めの刑に処せられます。
内容は、「その獣の体を小さく折り曲げて、ギリギリ入るくらいの大きさの箱にぎゅうと詰めて蓋をされ、一昼夜祭壇に放置される」というもの。
獣にとって、狭いところに押し込められるのは非常に辛いことである上に、祭壇では連夜、幸猫とイグアナが結界の儀式を執り行っています。それは中心に護摩を焚き、大鐘をつき太鼓を打つという激しいもので、聴覚に優れた獣にとっては、それも耐え難い大音響です。
「狭い・うるさい・眠れない」と三拍子揃った箱詰めの刑は、一度受けると二度と仕事をさぼるものはいないと言われる過酷な刑なのです。
【 公式の罰則(軽度なもの) 】
上記罰則が適応されるほどではない、軽度の職務怠慢に関しては、その内容に応じてそれぞれ異なる罰則が適応されます。
例えば「全ての獣はホットカーペットで丸くなってもよい」という条項は「獣として最低限の文化的生活の保障」に含まれており、機器購入の補助対象としても認められております。しかし、仕事をさぼって丸くなる行為は処罰対象となっており、現場を発見されると、さぼり時間×1・5倍の時間、カーペットの電気利用を停止されるという懲罰がプライベートタイムに執行されますのでご注意下さい。
これらは通常の懲罰の他に、農作物の損害分の弁償と、程度に応じての労働奉仕が科せられることがほとんどです。
【 稲穂ダイブ 】
収穫間近の揺れる稲穂に、獣ごころを抑えきれずダイブしてしまう行為です。稲を傷めると共に、自らもダメージを負う危険性が高く、その後の労働奉仕に支障をきたすことも多い重大な迷惑行為です。
【 稲ハードル 】
稲を植えた横列をハードルに見立て、倒さぬように飛び越えて走る遊びです。稲を倒さずに走り抜けることはほぼ不可能で、かつ、衝動的なものではない愉快犯的動機であることがほとんどなので、近年農家からは稲穂ダイブ以上の厳罰化を望む声が上がっています。
【 縦ダッシュ 】
稲を植えた縦列の合間をコースに見立て、スピードを競って走り抜ける遊びです。これも稲ハードル同様、獣の本能とは無関係の、情状酌量の余地のない遊びであるため、やはり厳罰化の方向に向かっています。
【 農産加工 】
古くから獣の里と縁のある近隣の人里には、里の獣が農産物や工芸品を売りに行きます。
また、個獣の行商以外(その村以外の人里に産物を出荷・取引する場合)には、「KMN農産加工」として人里の銀行や民宿に窓口代行を委託しており、様々な製品が出荷されています。
無農薬・低農薬、無添加、手作りの逸品は、おかげさまでご好評頂き、年々出荷数を伸ばしております。皆さんのお宅にも、知らず知らず獣の里製の野菜や家具、籐細工などの工芸品があるかも知れませんね。
【 畜産加工 】
里では、肉食獣による殺獣行為は、種族的必然である捕食目的であっても厳重に禁じられております。
里に来て知性を得ると、狩猟肉食獣であっても徐々に捕食本能は薄れてきますが、どうしても栄養的に蛋白質を必要とする肉食種族のためには、植物性蛋白質を原料とする人造肉が製造・販売されています。
とはいえ、それではどうしても物足りない方や、徐々に食性を植物蛋白肉に移行中で、まだまだ肉食を完全にやめられない肉食獣の方向けには、人里から輸入した各種食肉を販売する、里直営の精肉店がございますのでご利用下さい。
(※ただし、獣道上の問題から、生き餌は取り扱っておりません。ご了承下さい)
食性のために里への移住をお悩みの肉食獣の方も、安心してお越し下さいませ。
【 発 電 】
獣の里は、自然と文明との調和をモットーとしており、環境を破壊しない開発を日夜研究しています。その一環として、発電は水力・風力と太陽電池というクリーンエネルギーを使用しております。
【 燃 料 】
上記環境保全上の理由から、里では化石燃料からの脱却を研究中です。しかし人里と同様に、農機具や作物の運搬車両等、機械化そのものを完全に排除するのは難しいところですので、せめて温暖化や大気汚染を緩和するべく、現在里で使用される軽油燃料の車両や農業器機は、食用廃油や菜種油を燃料とする、排気のクリーンなものに統一されています。
【 宅地・建物開発 】
極力自然環境を損なわぬよう、地上の建造物は最低限にとどめられ、住人の居住地は地下に多く発展しています。人間と違って、日が落ちてからの活動に大がかりな照明が不要ですので、暖房効果に優れ、照明効率を必要としない地下都市は一石二鳥ですね。ちなみに地下都市は、畑を避けて掘り進められ、中心部では現在第三層まで開発されております。
(種族的に十分な日光浴が必要な爬虫類や、地上に畑を持つ農業従事者は、優先的に地上住宅を購入・借り受け出来ます。農地・種族証明をご持参の上、役場でご相談下さいませ)
【 共同リビング・共同キッチン 】
里の集合住宅における、一般的な仕様のひとつです。
火と自炊を苦手として外食を好む外生まれの獣は、個人単位の本格的なキッチンは不要とすることが多く、群れで行動する種族の方々は、一軒家での一人暮らし・または家族単位という少人数での生活を好みません。「バス・トイレ・寝室(リビング・キッチン共同)」という間取りは、そのような方々向けに生まれました。
寝室は家族単位に合わせて一室から五~六室くらいまでありますが、その部屋数に関わらず戸別の本格的キッチンはなく、ビジネスホテルの電熱コンロのような、ちょっとしたお茶用規模の火元があるだけです。リビングは住宅の規模に合わせて一フロアに一室~最大四室ほど設置されており、共有物であるテレビやオーディオ機器が備えられています。
共同キッチンでお茶を入れ、皆で語らったりテレビを見たり、テイクアウトの食事を食べたり。たまに自炊に挑戦しては、皆で失敗を笑いあったり、予想外の美味に舌鼓を打ったり。そうやって群れ集って過ごす共同リビングは「住宅内の集合広場」的な役割を担い、江戸時代の長屋生活に似た住宅コミュニティの中核となっています。