【つま】

  種 族:人間
  レベル:E(A)
  得意技:裸エプロン/属性なし


 既婚の冒険者の場合、恐らくは最初の敵となるのが彼女であろう。特に新妻がアブナイのである。また、結婚はしていないけれども婚約をしているという場合でも、同じようにフィアンセが最初の敵となる可能性が高い。もちろん必ずそうなるとも限らず、ストーリー次第ではもっと強い相手かも知れない。恋人と同じような扱いの場合もあり、ラスボスとして登場する事もあるだろう。
 
 冒険を最初に邪魔するのが妻となるのはうなずける話だ。大勢の女を性的に相手しに行く夫や婚約者、恋人を黙って見ているわけには行かない…しかも場合によっては命の危険にさえ晒されるのに。また、ストーリーによっては妻も悪意ある敵の一人としてせまってくることも考えられる。どっちにしても、性的に一番近い相手が敵とならないはずはないのだ。既婚冒険者は、絶頂した彼女たちの肉体を超えて冒険に赴かなければならない。
 
 自分の妻でさえ平らげることができないようなら、多くの魅力を備えた娘達や人外の女など相手にはできまい。最初の関門といえるだろう。それだけに性質上とても弱い相手となる。いつも抱き慣れている相手だから、どうしても勝てない相手とはいえないだろう。
 
 しかしそれでも、愛する相手であることには変わりがない。肌を重ねていればそれだけあなたの弱点も知っているかも知れない。また、冒険を阻止しようとする妻達は、自分の持てる性的魅力を最大限発揮する。妻という関係である以外は普通の女性となんら変わりがないとはいえ、ナメてかかってはいけない相手だ。
 
 その阻止行動、最大限の性的魅力を発揮する夫への誘惑、それがすなわち”裸エプロン”のコスチュームである。いうまでもなく、新婚であっても恥ずかしくて普段こんな格好をする新妻はいない。が、その羞恥を押しても、夫が旅に出るのを食い止めようとけなげに体を張ってくれるのだ。全裸に薄いエプロンだけの姿で、夫に迫って来る。妻を差し置いても性交の旅に出ようとするなら、その姿に翻弄されることなく打ち倒さなければいけない。
 
 裸エプロンの新鮮な快楽が夫に襲い掛かる。その倒錯した興奮と、家庭への想いが冒険者を阻む。これを振り切れるかどうかは、冒険者の実力と意地に掛かっているだろう。妻を振り切った先に待っているのは、これよりももっと過酷で非情でキモチイイ世界なのである。冷酷に体を張れるかどうか、最初の試練である。
 
 なお、ストーリーにもよるが、妻が夫に倒された場合、彼女は今度は人妻として他の男に襲い掛かる。彼女たちは気持ちの切り替えも意外と早く、ダンナが出て行ってしまったのだから自分も、という事であっさり別の敵に転向する。もちろん妻を捨てた冒険者に、別の冒険者の奥様が迫って来るわけだ。ということは、偶然その冒険者に自分の妻が再び襲いかかる事もありうる。しかしその場合人妻として実戦を積んできた相手となるので、性技の上達ぶりに驚かされることになるだろう。以前の戦闘と同じに考えるとしっぺ返しを喰らうので注意されたい。
 


【つゆ】

  種 族:ゴースト
  レベル:C
  得意技:魅了、癒し、憑依/しっとり癒し


 牡丹灯篭の話に出てくる女の幽霊。引き裂かれた恋人が不幸な死を迎えると、その後男の元にその女の霊が夜な夜なあらわれ、セックス三昧になるという。お露さんもそんな悲しい死を遂げた女霊で、真夜中に不気味な下駄の音をゆっくり鳴らしながら恋人の新三郎の所に通いつめたという。周囲の人間が異常に気付き(他の人にはお露さんはガイコツに見えた)、札を貼って撃退を試みたが、月の幻影の魔術によってお札は剥がされ、新三郎は露に死の世界へと引き込まれてしまった。
 
 このように、死んでも慕われた男はしばしば露現象に悩まされる。この昔話は恋人の仲だったが、片思いでも同じ現象が可能だ。想いが果たせずに恋焦がれて死んで行った女の霊が相手の男の元に毎日通い、衰弱させ、黄泉に連れて行って添い遂げようとする。対処法は牡丹灯篭のように幽霊撃退用の札をはるか、体中に経文を書いて霊にその姿が見えないようにするか、さもなくば添い遂げる意志がないことを心の底から念じて誘惑に屈しないかだ。
 
 とにかく白い肌の魅惑的な女体に興奮して露を抱いてしまったら半分冥界に足を突っ込んだようなものだ。始めの一歩で彼女を抱かない事がまず重要、抱いてしまったら果てないように踏ん張るか除霊しかない。除霊の力がない冒険者は、妖しい魅力を携え下駄を鳴らしながら近づき、目の前で着物をすらりと脱ぎ捨てるしっぽり魅力の前に抗う術を知らない。そうなると露に心を許さず精気を奪われないようにするしかないだろう。
 
 薄暗い妖しい雰囲気の中に露はあらわれる。露は必ずしも同一人物ではなく、露現象の一環であり、その冒険者を慕って死んでいった娘たちの念である場合が多い。それでも、生前にはなかった妖しい魅力を備えた彼女たちを前に、今まで思いもよらなかった興奮を味わう事になる。しっとり魅力を見せ付けながら、ゆっくりとした動作で着ているものを脱ぎ、死後獲得した透き通るような白い肌を武器に、冒険者と添い遂げようとする。
 
 その魅力に負け、彼女に抱かれてしまうと、冒険者は心の底から安心感に包まれてしまう。そして彼女のしっとりした動きに身を任せ脱力する。露は冒険者を虜にするとゆっくりなまめかしい動きで彼の全身を快楽に晒す。性霊と同様結合したまま憑依し、四六時中冒険者を快楽の嵐に引き込むこともできる。時間に余裕があるうちは毎晩時間を決めて精気を抜き取るが、SBRPGのような場面の場合にはその余裕もないので、一気に精を奪おうとしてくる。
 
 露に心を奪われ、とめどなく射精してしまえばそこで冒険はストップだ。そればかりでなく、露を跳ね除け切れなければ、そのまま命まで奪われるだろう。衰弱し、冥土で彼女と添い遂げる羽目に陥る。それがイヤなら、とにかく一刻も早く除霊をするしかない。もちろん冒険を続けたければ射精前に対処すべきだ。
 
 露の憑依を避けようと思うなら、霊除けの札が有効だ。札が結界となって彼女の進入を防ぐ事ができる。ただし、露は狡猾で頭もよく、あの手この手で札をはがそうと試みる。新三郎は彼女の策にはまって添い遂げた。だから、札だけでは十分ではないといえる。全身に経文を書き、霊から見えない体になるのもセットにしよう。霊力を込めた経文でびっしり体中を覆っていれば、露に札を破られても彼女には冒険者の姿が見えない。そのあいだに逃げるなり除霊するなりして速やかに対処すればよい。
 
 ただし、経文を書く時に気をつけなければいけないのは、文字通り全身くまなく経文を書くべし、という事である。よくある間違いで、一番大事な股間に書き忘れることが多いのだ。そうなるとチンチンだけが宙に浮いた姿を露に見つけられる。滑稽な姿を晒してしまうばかりでなく、露は容赦なくその器官めがけて手を伸ばす。
 
 除霊に失敗した場合、あとは冒険者の実力で排除するしかないが、露のしっとり癒しの妖しい魅力に抗うのは難しい。彼女の目的は愛する男を冥界に引き込むことであり、その覚悟は性霊化するほど強烈だ。それだけの念を打ち破れるだけの精神力や精力、実力が求められる。彼女の妖しい魅力に打ち勝てるだけの覚悟がなければ、すぐに虜になってしまう。しっとり包まれる快感に耐え抜き、みずから活路を見出すしかない。
 




 

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