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※赤い文字色のページには性描写があります


「あ、あぐぃい痛いィいい!!」
 先程の男の指とは比べ物にならぬ強い異物感と激痛に暮羽は喘ぎ、枕に涙と涎を散らす。心の中で幾度も父を呼びながら。
「こ、これが○学四年生男子の初物アナルか!! い、いい!! 狭くてグイグイ締め付けてきて、こっちのちんこの血が止まりそうだ……!!」
「がっ、かはッ……けほっ、けほッ!!」
 相変わらず気味の悪い台詞を吐き散らす男から内蔵を抉られる感触に暮羽は嗄れた喉から乾いた咳を飛ばしつつ、鋭く痛む下の口からとめどなく溢れて太腿の裏を伝う熱い何かに嫌な予感を覚えていた。
「……!」
 四つん這いのまま両脚の間を覗き込んだ暮羽は息を呑んだ。液状の熱の正体が何であるかは大方予想はついていた。だが、
「あ……あぁ……こ、こンな……」
 やはり実際に己の目で確認した瞬間、戦慄せざるを得なかった。血色のない唇を小刻みに震わせる暮羽の視線の先で、柄物の敷布に描かれた犬のキャラクターが、犬の飼い主である丸顔の少年が、犬の親友である小鳥が、みな血まみれになっていた。絶望のあまり、呆ける暮羽の腰を男が掴みなおし、さかった獣のようにハッハと息を荒げながら太い腰を改めて打ちつけ始めた。狭い部屋に寝台と肉体がそれぞれ軋む音がまざり合う。
「はぁっ、はぁっ! ほらエイジくん、お父さんが見てるよ! エイジくんが処女喪失アナルから血を流しながらおじさんとセックスしている所をしっかり見てくれてるよ!!」
「やめて! やめて!! お父さんのことは言わないで!!」
 幼い心を踏みにじる非情な言葉に暮羽は悪ぶるのも忘れ、子供らしい口調で泣き喚いて首を激しく振る。その哀れな姿に男はいびつな陶酔を覚えてヒィヒィと下劣な笑いを飛ばし、シーツを引っ掻く暮羽の両手首を掴んで己の胸元まで引いた。両腕の支えを失った暮羽の上半身がシーツに沈む。
「ふ、ふぎッ、ぷぎィ!」
 急な動きによって接合部に強い刺激が走り、小穴の傷がより拡がったとおぼしき鋭い痛みに高い悲鳴を刻む暮羽の声を聞いた男は歪んだ笑みに黒を加えた。
「さっきから思ってたけど」
「……?」
「エイジくんって子豚みたいに鳴くよね」
「えッ……?」
 ハァハァと喘ぎつつ赤く潤んだ目で振り向くと、ギラギラした瞳が網膜に刺さった。その異常な輝きに背筋が凍り、反射的に顔をそらす暮羽の横顔に男の顔が近付いた。湿った舌が生温かい吐息を纏いながら暮羽の頬に伸び、幾重にも描かれた涙の線をねっとりと舐める。頬を撫でる不快感に眼を硬くつぶる暮羽の耳朶に男の唇が触れた。
「ねぇ、エイジくん。ごっこ遊びしようか。おじさんが牧場の偉い人で、エイジくんは牧場で飼われてる子豚の役ね。はい、スタート」
「!? や、や、やだッ! そンな、子豚とか、イヤだ!」
「豚は言葉を喋らないだろ!?」
 男は両手で掴んでいた暮羽の両手首を片手に預けて握り締め、空いた方の手を広げて振り上げた。すでに痛々しい暴行の痕が散らばる尻を力の限りに手の平で打つ。シーツの上に落ちていた少年の上半身が飛び上がり、顎が天を向いた。
「ひっぎィ……!」
「ほら、子豚ちゃん鳴いてごらん? ブヒブヒッて鳴いてごらん? あっはははは!!」
 狂笑をぶちまけ、少年の細い腕を手綱のように引き、眼前の白い尻を幾度も張り、股の間に生える小さなおしべを指の腹でねじり、己の腰を勢いよく抽送させる。男の容赦の無い猛攻に暮羽は歯を食い縛って耐えていたが、腹の中で蠢く雄棒が不意打ちのように突き上げられた瞬間、その衝撃に黒目がグルリと上向いて、喉も割れよと嘶いた。
「ぶ、ぶ、ぶひッ、ぴぎィぃいいい!!」
「ははははは!! 上手上手! これは可愛い子豚ちゃんだなぁ!」
 狂った笑いに優越感を加え、小刻みに揺すっていた腰を今度は寺の鐘を打つ撞木の如く、大きく引いて大きく突き出す。肌が弾けあう音がより大きくなった気がした。
「う、うぁッ、う……ぶひうぅ……」
 涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながらも、カタカタと音を立てる歯列の隙間から律儀に“子豚”の鳴き声を搾り出す少年に男は口の片端を吊り上げ、頭に浮かんだままの卑猥な台詞を口にした。
「キミは将来、雌豚になるんだよね! 男と絶え間なく交尾して、元気な子豚をたくさん孕んで産みまくる雌豚に!!」
「あ、あぐ!! ぷぎっ、ぷぎゅッ、ぶひぃいい!!」
 自分は男だと訂正する余裕もなく、ただ少しでも痛みを軽減させようとひたすらに鳴き続ける暮羽の背後で、男は自分が言った言葉に興奮したのか口から糸を引いて笑い、雌豚雌豚と罵りながら少年の腰に爪を立てた。ハッハッハッ。獣の荒い吐息が寝台を包む。
 やがて、暮羽のうなじの辺りから男の焦り声が聞こえて来た。
「え、エイジくん、おじさん、そろそろイクよ! エイジくんの子豚まんこにおじさんが初セックス記念の種付けしてあげるからね!」
「ッ!? いやっ、やだッ、やめてッ!! お願いだから、やめて!!」
 具体的な意味は分からなかったが、何やら恐ろしいことをされるらしいと察した少年は子豚の役を忘れて裏声で喚いた。ふと、顔に降りかかった男の白濁を思い出し、カラカラの喉の奥が引き攣る。あどけない顔を歪めて拒む暮羽の泣き声を心地良さ気に聞きながら、男は少年だけでなく、写真の中の少年の父親さえも痛めつけるであろう言葉を微かに上ずった声で叫び笑った。
「はぁ、はぁ、はぁ……! ほら、お父さんいいんですか!? 中出ししますよ!? あんたの大事な息子さんの処女ケツマンにザーメンぶちまけますよ!? くひひひ!!」
「ひぁうッ! うぅ! や、やだッ、怖い……!!」
 少しずつ速度が上がる肉体への振動に対する恐怖に咳き上げる暮羽は心の中で叫び続ける。見ないで、お父さん。見たら、嫌だ。お父さん、お父さん、お願いだから、見な……
「――――!!」
 少年の心中の叫びが唐突に打ち切られた。頭の後ろで気持ちの悪い喘ぎが刻まれたかと思うと、痛みが止まらぬ後ろ穴に、掻き回されてグチャグチャになった腹の中に、ぬるっとした熱が放たれていた。汚い熱は腹の内部に染み渡り、血と仲良く混ざり合って交合部の隙間から溢れ出る。暮羽の元々大きな瞳がより大きく剥かれ、瞬きをほとんどせぬ其処から大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちた。
「ふぅううう……いやー、出た出た。こんなに射精するのは久し振りだよ。○学生の穴は最高だなぁ」
 ご満悦の体で男は時間をかけて少年から己の腰を引く。不自然に拡がってしまった蕾から結構な量の血混じりの種汁が零れ、すでに赤黒くなっていた血痕の上に散った。暮羽の華奢な身体が力なく横たわる。
「……うっく、ひぐッ……お父、さん……お母さん……」
 上機嫌で部屋のカメラをチェックする男に聞こえぬ声量で少年が嗚咽を漏らす。幼い自分でも、今された行為はとんでもないことであるのは充分に分かった。そして、同時に悟った。自分は穢れてしまった、と。

 未だ起き上がれぬ部屋の主の許可も得ずに男は図々しく子供部屋を物色し、部屋の隅にある小さなチェストの引き出しを下から順番に開けていった。下から二段目を開けた所でお目当てのものを見つけたらしい男の眼が輝き、そのまま無遠慮に手を突っ込んだ。綺麗に畳まれ整列していた白のブリーフパンツ数枚を鷲掴みにして床に撒く。
「エイジくん、これをはいて」
 何枚かをちゃっかりと例のダンボール箱の中にしまいつつ、男は引き出しから取り出した内の一枚をベッドに寝転ぶ暮羽の方へと放り投げた。
「……」
 男の行動の意図は掴めなかったが下着着用の許可は願ってもないことだったので、はき慣れたパンツにおずおずと足を通す。下着のゴムが軽く腰を弾いた時、暮羽の目の前に男が歩み寄った。落としていた頭をゆっくりと男の顔へと持ち上げる暮羽の顔がハッと硬くなる。視界に入ったのは男の手中にある見覚えのある縦笛。それは、椅子に座りっぱなしのランドセルから飛び出していたもの。男は笛を口元に寄せてベロベロと美味そうにねぶり(その姿を見た瞬間、あの笛はもう二度と吹けないな、と暮羽はどこか他人事のように思った)、唄口に唾液をたっぷり絡ませて言った。
「さぁ、おじさんと笛のレッスンをしようね
 満面の笑みと明るい声に、暮羽は寝台の片側にある壁に肩を貼り付けてイヤイヤとかぶりを振るが、無駄な抵抗であることは彼自身もうっすらと分かっていた。男の笑顔が一気に冷える。
「……キミに拒否する権利はないって、いつになったらわかるのかな? さぁ、立つんだ」
「うぁ! やッ!」
 男の手が少年の髪を乱暴に掴んで強制的に立ち上がらせると、ふらつく身体を支えようと暮羽は背後の壁に後ろ手を突っ張った。痛みと恐れに泣き顔を崩す暮羽の真っ赤な鼻に男の脂ぎった鼻先が触れる。
「そのままじっと立っておくんだよ。動いたらまたエイジくんのお尻の穴におじさんのおちんちんをぶちこむからね」
「あう、っく、うぅう……」
 滴り落ちそうな鼻水をスンスンと啜る暮羽の少し蟹股になった両脚の間を小さなビデオカメラを持った男の手がくぐった。カメラは即座に男の手から離れ、暮羽の臀部に注目している状態で壁に寄りかかっている。下着をはいているとは言え、自分の尻をレンズに見つめられている感覚に顔が熱くなるのを感じ、恥辱に固く目を閉じる少年のすべらかな太腿を男の無骨な手がいやらしく撫でた。
「じゃあ、レッスンを始めようか。上手に吹けるかなぁ?」
「へ? ……ひゃッ!!」
 目の前で片膝をついた男の左手が暮羽の腰を回りこんで臀部に来たかと思うと、尻に冷たい風が走った。男が下着の布を掴んでずらし、白い双丘を露出させたのだ。暮羽が慌てて拒絶の意を伝えようとした瞬間、
「ひきッ! ぃ……きゃああああああ!!」
 少年の高らかな悲鳴が部屋を駆けた。ブルブルとわななく太腿の間に男の腕が滑りこみ、その手に握られていた縦笛の先端が暮羽の後口に咥えさせられていた。
「アッ! や、やめて、抜い、てェ! いやあぁ……!」
 ろくに身動きもとれないのか、壁に後ろ手を当てたまま天を仰いでむせび、足の指だけが落ち着きなく動いて敷布を弱々しく抓んだりこすったりする。小刻みに身体を揺らしてもがく少年の動きを愉悦に満ちた表情の男が凝視した。左手に持った新たなカメラのレンズ越しに。下着に覆われた局部を重点的に。右手で笛を上下に動かすという“レッスン”を繰り返しながら。笛の足部管の穴から先程の陵辱による男と暮羽の体液の混合物が桃色の雫となって吐き出され、シーツの上にパタパタと落ちた。
「やだッ! やだ! 見ないで見ないで撮らないでッ!! うぐっ……もう、やだぁああ……!」
 血管が薄く浮いた手が壁を引っ掻き、涙も鼻水も拭わずにしゃくり上げる。恥部の前後を記録され続ける屈辱に頭が壊れてしまいそうだった。
「うーん、綺麗な笛の音が出ないなぁ。おじさんの入れ方が悪いのかな?」
 暮羽の痛々しい声に対して男のそれは太平楽そのもので、固い壁に吊り金具を無理やり刺しこむかのように暮羽の肉筒の中にグリグリと乱暴にねじりこんでいく。暮羽の身体が理不尽な痛みと衝撃に痙攣し、仰け反った喉から今までとは違う、異常な感じの割れた絶叫が飛び出した。
「ぃやあ゛あああああ!! ぎゃああぁあああ゛ァああ!!! や゛ぁめ゛ぇでェええ゛ええ!!! ぅえあぁ!! ああ゛!! ああぁああ゛あああー!!」
「うおっ!」
 ピイッ! 喚声の半ば辺りで弾けた笛の音に男は眼を見開き、思わず笛から手を離した。少年の下半身が揺れが止まらぬ身体に合わせるかのように異様に震えていたかと思うと、下着の股の部分が瞬く間に色を変えてその陣地を広げ、布の吸水力を呆気なく突破した小水が少年の開かれた両足の真ん中から細い滝となってまっすぐに落ちた。即席の滝つぼとなったシーツの上に湯気立つ尿の溜まりが結構な水音を立てつつ拡がっていき、暮羽が尻穴で笛を咥える様をひたすら記録していたカメラも巻き添えを食らって汚水で濡れる。
 驚き顔の男も暮羽の尿のしぶきを浴びてしまったが身を引いたりはせず、むしろ興奮した様子で詰め寄った。湯気が顔を覆いそうなほどの距離で左手のカメラを構え直す。ビデオカメラの赤い瞳が粗相をする暮羽の頭から足先までを幾度も往復した後、小便を垂れ流す局所を凝視した。
「はぁはぁ……! き、来た! 失禁来た! ○学生の生おもらしシーンとかお宝じゃないか!!」
 そして、男は口端を上げ、粘った引き笑いを漏らす。
「ひひっ、ふひっ……ねぇ、エイジくん気持ち良かったの? 気持ちよすぎてオシッコ漏らしちゃったの? もう四年生なのにおもらししたんだぁ? ひははははは!!」
「あ、あうぅ、ひっく、えううぅううう!!!」
 どうしよう。どうしよう。お布団の上にオシッコ漏らしちゃった。お母さん、怒るかな。あまりにも苛烈な状況に混乱して激しくむせび泣く暮羽に男は高笑いをピタリと止め、慰めるように声をかけた。
「泣かなくてもいいよ、エイジくん。キミのオシッコがかかったカメラは防水機能が付いてるから壊れてないよ」
 わざとらしい誤解釈で相手の傷付いた心を抉りながら撮影を続ける男のカメラのレンズの中で、暮羽はいまだ震えの止まらぬ両脚の間から小水を垂らして泣き続ける。さすがにあんまりだと彼らの目に見えぬ何者かが思ったのか、不意に暮羽を陵辱していた縦笛が寝台の上にポトリと落ちた。ただ単に重力に負けただけかも知れないが。
「うっ、うっ……」
 下着から滴る雫が打ち止めになったことで、やたら長く感じた辱めの時がようやく終わりを告げ、暮羽はズルズルと壁を伝いながら体液でしとどに濡れたシーツの上にへたり込んだ。眼には止まらぬ涙。鼻孔の周りには光る粘液。口の端には白い唾液の泡。小さく開かれた唇から漏れる呼吸は細く弱々しい。凝血や体液、そして今しがた放った尿でしとる両脚に男が手を伸べた。
「エイジくん、オシッコで濡れて気持ち悪いだろう? おじさんが脱がしてあげるよ」
「…………」
 もはや動く気力も冷静に考える頭もほとんどないのか、暮羽は頭を億劫そうに男の方へ向けただけだった。涙で赤い虚ろな瞳を見た男は微笑んで、ぐっしょりと濡れた暮羽のパンツに指をかける。大量の水分を含んでいるせいか、少し重たく感じる下着をずり下ろして脱がせると、排泄液まみれのあどけない肉芽がぷるんと小さく振れながら表れた。胸に広がる羞恥に泣き顔をくしゃくしゃにする少年の目の前で、男は股の部分から再度雫を落とし始めた下着を鼻先で広げて恍惚の声を揺らす。
「お、おぉ……ほ、本物だ……本物のおもらしパンツ……目の前でナマ失禁した○学生のオシッコが染み込んだお宝パンツ……
「うぇ!?」
 素っ頓狂な声をあげる暮羽の視界に飛び込んだのは、天井を向いた顔の上に暮羽の小水に濡れすぼった下着を神々しそうに掲げ、ポトポトと降って来た数滴の露を長く伸ばした舌の上に散らす男の変態そのものの姿。思わず唇を押さえて嘔吐しかける暮羽に構わず、男は口の中を転がして少年が生み出した水をじっくりと味わったあとに喉に落とし、湿り気を帯びた男児用下着を自分の愛息に巻き付けた。
「はぁ、はぁ、あ、あったかい……×歳児の小便、いや聖水の温もりがまだ残ってる……! う、うぅぁ……○学生の聖水がちんこに絡み付いて……! おっ、おっ!!」
 布から染み出た尿が男の手に広がるが、彼は気にも留めず少年の温もりで分身を愛撫しながら声と顔を蕩けさせ、腰が下品に雄蜜を散らしつつ空を突く。常軌を逸した光景を見せつけられた暮羽は、ヒィッと身体がひきつけるほどに息を呑んで縮こまった身体を壁に密着させた。その笛のような息の音を耳ざとく聞いた男が暮羽の方をゆるりと向き、よこしまな微笑を浮かべて言う。
「ねぇ、エイジくん。おじさん、エイジくんのオシッコでおちんちんシコシコしてたら、キミとまたセックスしたくなったんだけど」
「…………」
 暮羽は壁に引っ付いたまま、ベソかき顔をゆっくりと横に振った。「拒んでも無駄だ」とすでに頭のどこかで諦めてもいたのだが。

「んぅ、う……はう……」
 軋めく寝台の鳴き声に重なる少年の声は、かぼそい。力が抜けて弛緩した暮羽の細い上半身がベッドから仰向けにダラリと落ちていて今にも床に頭を打ちそうだが、深く合体している男が暮羽の腰を掴んでいるおかげで何とかそれを免れている状況だ。男が小刻みな吐息と同じリズムで腰を揺する度に、暮羽の髪の先端が床を撫でたり掠ったりギリギリ床に触れなかったりする。
「あうッ、くっ、ぅン、ん……」
 叫び喚いていた今までとは打って変わって淡白な喘ぎ声だったが、彼の心の中はすでにズタズタで、虚空を見つめる瞳から流れる涙は止まりそうにない。頭をさかしまに床に引っ付けた暮羽のぼやけた黒目が自然と机上の彼を探すが、その姿を捉えることは出来なかった。それでも暮羽は無意識の内に彼を呼ぶ。
「……お父、さん……」
 カサカサの唇から紡がれる空しい呼び声を聞いた男は微かに目を細めた。エイジくん。男が相手の名を静かに呼び、ベッドから落ちていた狭い背中に腕を回して暮羽の小さな身体を持ち上げ、己の胸に収めた。
「お父さんが恋しいのかい?」
 耳を撫でる声は甘くて優しくて。
「……うん」
 たくましい腕の中で、暮羽は相手の声に導かれるように小さく頷く。男の唇が耳に近付き、同じ声音の囁きが暮羽の横顔を愛撫した。
「おじさんのことをパパと呼んでもいいんだよ?」
 言いながら、男は暮羽を真正面から抱き締める。胡坐をかいた両脚の間に少年の腰を深く沈めたままで。穏やかな声。心地良い温もり。力強い腕。父性を求める少年の心をくすぐる馬鹿馬鹿しくも甘い誘い。
 ……あぁ! 少年は叫んだ。怖れではない、悦びの声で。
 少年は涙の線が幾重にも引かれた頬を広い胸に擦り付けた。ずっと恐怖に歪んでいた唇が久方振りに笑みの形になった。濁った輝きを放つ瞳から新たな涙が、感涙が溢れ出た。少年は彼を呼んだ。即席で作り上げた張りぼてのごとき愛をこめて。
「パパッ、パパァ……!」
 少年は顔を引き攣らせるように笑い、改めて相手の胸に抱き付いた。実際の父とは似ても似つかぬ、しかも自分を辱める男を新たな父に見立てて。傍から見れば、狂気じみているかもしれない。本物の父を裏切っていることも彼なりに分かっている。だが、彼は子供だった。その幼い精神はとうに限界を超えていた。これ以上、自分を傷付けぬためには、自分を守るためには、こうするしかなかったのだ。それが、あまりにも幼い彼が出した答だったのだ。
「エイジくん」
「……んッ」
 男もその場限りの息子の名を呼ぶ。二人の唇がどちらからともなく近付き、重なり合った。男は暮羽の柔らかな唇を何度か吸い、そのまま舌を滑り込ませてみる。暮羽は当然のごとく男を受け入れ、口中を緩めた。開かれた歯列の間に男の舌が侵入し、温かい粘膜を舐め回す。
「ぅん、ちゅう……エイジくんの、お口の、中……柔らかくておいしいよ……」
「んあぅ、はうっ……はぁ、はぁ……」
 二人の口が自然と開き、舌と舌が絡まり、互いの口内を貪る。唾液が混じり合う水音が二人の間に纏わりついた。今までとは少し違う淫らな空気に男の情欲が昂ぶり、暮羽と繋がっている腰を幾度も大きく上下させる。肉と肉がぶつかる張りのある音が小気味良く弾け、つきたての餅のように柔らかな少年の尻肉が愛らしく弾み、大人の男の親指にも満たぬ小振りな雄茎がプルプルと揺れる。暮羽の高音域の大声が男の鼓膜に刺さった。
「あんッ! んきぅ! あっ、うっ! ぱ、パパァ!!」
 男の背中に腕を回す暮羽の足が大きく振れ、黒い靴下を履いたかかとが男の腰や横腹を何度か蹴ったが、男は眉一つ動かさずにフフッと笑い、哀れな少年を強く抱きすくめると、思い切り下半身を浮かせて何かの文字を書くかのように腰をうねらせた。暮羽の中でそびえ立つ男の肉搭の頂点が、瑞々しい肉襞をこれでもかとこすって突き上げる。声にならぬ悲鳴が少年の喉奥から溢れ、強すぎる刺激に反り返った身体がビクビクとひきつけを起こした。それでも彼は強張る腕を必死に男に絡ませて、もつれる舌で偽りの父を呼ぶ。
「ぱ、パパ……はぁ……ん、んくッ……パパの、身体、あったかい……!」
「うん、あったかいね。パパもエイジくんのお尻の穴やお腹の中がとってもあったかくて気持ちいいよ?」
「え、えへ、へ……ホント?」
 心の芯がいずこかへ飛んで行ってしまっているようなボンヤリした笑顔を見せる少年を逃がしてなるものかと言わんばかりに抱き込む男の腕の中で、暮羽の身体が強く圧され骨が軋む。激痛と窒息に笑顔を苦悶に変え、こすり合う歯の間から低い呻き声を絞る暮羽の耳に男の浮ついた声と荒い吐息がふりかかった。
「ふぅ、ふぅ、はぁ……! よ、よし、パパが、可愛いエイジくんにプレゼントをあげよう! まだ×歳なのにパパのちんこをキュウキュウ締め付けてがっつく欲張りなケツ穴に熱い精子をたっぷり流し込んで、エイジくんのお腹をもっと温めてあげようね! ね! いいよね!? エイジくんのエッチな肛門に射精しちゃっていいよね!?」
「…………」
 言葉の端々を裏返しながらの劣情に満ちた叫び声を聞いた少年は、頷きはしなかったが拒んでいる風でもなかった。ただ、何も言わずに男の汗ばんだ胸に涙まみれの頬を寄せて、微かに開いた唇から細くて熱い溜め息を零した。男はそんな少年の反応を了承の返事だと都合よく解釈し、柔らかな丘に太い指を食い込ませて腰を弾ませた。男の胡坐の上で暮羽の軽い身体がロデオをしているかのごとく大きく跳ね上がる。
「ぅくっ、きゃうッ、あ、あきぁッ、ああァあ!!」
 顔を上向かせて黄色い嬌声を飛ばす暮羽のむき出しの喉を舐めながら、男は律動を一気に速めた。
「で、でる! 出る出る出る!! ちんぽ好きエイジくんの○学生ケツまんこにパパの種を出すから受け止めてね! まだ○学四年生だけど頑張ってパパの子供を受胎するんだよ!! んあぁああ……精液、出る……!!」
 興奮のあまり相手の性別を無視した淫辞を叫んだ男は、暮羽を強く抱き締めて接合部を密着させた。二人の腹の間で暮羽の未熟な青芽が押し潰される中、男の腰が数度小さく爆ぜ、出せうる限りの種汁を相手の中に注ぎ込む。
「あっ! あッ! 熱い!! パパの、あついぃ……!!」
 張り詰めた声で吠える暮羽の赤い目縁がみるみる湿り、瞬く間に作り出された新たな涙が大きな目の端から伝い落ちる。だが、その涙がいかなる感情によるものかは暮羽自身にも分からなかった。