こんなん観ました

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Nobody Knows

2007.08.30 Thursday | 映画作品 > ドラマ

Nobody
原題:『誰も知らない』
(2004年)
都内のアパートへ越して来た母親と4人の兄妹たち。それぞれ別々の父親を持つ子供たちは、学校に通ったこともなかったが、それなりに幸せな毎日を過ごしていた。
しかしある朝、20万円の現金を残して母が失踪する。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちの生活が始まった。
DVDで鑑賞。

1988年に発生した「巣鴨子供置き去り事件」をモチーフとして作られた映画だが、実際の事件と照らし合わせてみるとディテールには大小の違いがあり、タッチはドキュメンタリー風ながらもきっちり『フィクション』になっている作品。
しかしながら、「これとほぼ同じようなことが現実に起こったのだ」と思うと、子供たちへの同情ややるせなさ、母親への憤りなどを覚えずにはいられない。
まともに子育てのできない親というのは年々増えている……というかまぁ、昔も今も存在しているんだろうけど、その呆れた現状が発覚し報道され表ざたになる機会は、近年ぐんと数を増しているように思う。

世間でも同じような意見はよくあると思うのだが、たとえば車を運転するのにだって免許がいるのに、それよりももっと大きな責任を要する『人の親になる』ということに何のライセンスも必要としない。乱暴な言い方になるかもしれないが、育児能力や責任感が恐ろしく欠如していても、生殖機能さえ正常に働けば誰でも親になれてしまうというのは、ある意味とても恐ろしいことだよなと思う。
そしてその被害を最も被るのは一番の弱者である子供。
本来愛されて守られるべき存在である子供が、この映画のようなサバイバル生活を強いられる状況というのは、どう考えたって異常である。

こういう事例を見るにつけ、今という時代は私たちが自覚しているよりももっとずっと病んでいるのかもしれない、と改めて感じる。
観ている最中よりもむしろ鑑賞後にじわじわとくる、自分が親でなくともいろいろと考えさせられる作品だった。



マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -