姉1
僕は階段を上った。
いよいよだ。
この五重塔の、最大の立役者に、僕は対峙しようとしている。
とても長い長い闘いだった。このステージは特別な造りになっていて、攻略の仕方もだいぶ変わっていた。広いフロアではなく、狭くて高いフロアに五重塔が建てられている。その塔の中の5階には、姉さんが待ち構えている。この姉が、レオターやくのいちたちの統括者であり、最大の敵となる。いよいよ、その姉と対決するところまで来たのだ。
最も大きな違い、最大の苦労は、なんといっても「回復できない」ということだった。これまでは、こまめな回復を行うことで、ピンチに陥っても射精させられずに済んでいた。ギリギリのところで踏ん張りきって、敵の女をイかせて倒し、回復して先に進むことができた。だが、この五重塔では、その回復がままならない。ときおり回復剤が置いてあることもあったが、そこにもトラップがしかけられているなど、一筋縄ではいかなかった。
回復ができないということは、消費した精力のまま、次の相手と闘わなければならないことを意味する。これは、「かろうじて勝った」というだけでは、次のセックスまで持たないということだ。余裕勝ちができなければ、次の敵に簡単に射精させられてしまう。そこまで計算して、精力温存を図りながら、厳しい選択を迫られてきた。これまでにない強い相手だったのに、それにも増して、この選択の厳しさに苦戦を強いられてきたのである。
そのことがいま、こんなにも僕を苦しめている。くのいちたちとの闘いの末、なんとか勝利を収めることに成功しはしたものの、次まで持つほどの精力は、充分には残っていない。
これだけ心許ない状態で、連戦を強いられることの厳しさを、あらためて思い知らされる。
どうやらこの五重塔だけが、射精したあとの夢の快楽天国を、しばらく記述されることになるようだ。他のステージでは、敗北するまでが潜在意識に残り、魂に刻み込まれる。その先は完全に魔に堕してしまって、意識は残りながらも、ぷっつりと記述が途切れる。イッたあとに飛ばされる快楽状況は、どこにも残らないんだ。しかしこの五重塔だけは違ったようである。
一体、どのくらいの、パラレルな自分が、レオタード女性、しおり、しのめ、その他のかわいい女の子たちに、セックスに負けてイッてしまったことだろう。そして、その敗北した僕の数だけ、さまざまな異世界があてがわれ、永久の快感とともに魔族に精を提供し続けていったのか。選択を誤った、別の分岐世界の僕が、どれほど多く、この性欲だけの異世界にとらわれていったことだろう。
そんな中で、いまの僕だけが、厳しい選択肢を勝ち抜き、連戦に次ぐ連戦の中を、まさに命をかけた快感闘争の中を、どうにかこうにかくぐり抜けてきたのである。「彼ら」の仲間に入らないことを、今は祈るしかない。
そうやって、五重塔の最上階、その扉の前に、僕は立っている。これを開けば、姉さんに会ってしまうんだ。最後の闘い、というわけでさえもない。この階も2部屋ある。姉がいて、その隣の部屋に「少女遊戯」の部屋があるんだ。
進撃もここまで、なのかもしれない。その覚悟が必要なくらいに、僕は消耗してしまっていた。しかし、それでも闘わなければいけないんだ。勝ち続ける以外には、道は続いてくれないんだ。あまりに不利な状況の中で、それでも前に進むことがつらい。
ドアは自動で開いた。
そして……
「ついにここまで来ちゃったねえ。」
「姉さん」
「久しぶりだね。クスクス……本当に、若い自分に戻れて、可愛かった弟の成長した姿に逢えるなんて、まったくいい夢だね。」
「色々思い出すな・・・いい思い出は少ないよ。」
「へぇ。あのころ私の若い身体をいっぱい見て、あんだけいい思いしたのに。今更そんなことを言う? ハズカシイ弟クンの過去をもっと思い出させてやろかぁ!?」
「ううぅ……。」
久しぶりに見た可愛い姉。ほんの少しの会話だけで、姉の圧倒感をひしひしと感じる。ペニスは先ほどまでの快感刺激によって、収まりがつかないほど膨張し、さらなる快楽を求めて本能的にくすぐったく疼いてしまっている。かわいくて若い姉が目の前にいればなおさら、その欲情も高まってしまう。
姉さん……相変わらずの姉さんだ。
姉さんとはそこそこ年齢が離れている。そのために上下関係がはっきりしてしまっていた。こちらが性的なことに興味を覚えたり、股間に快感を覚えるように成長するころあいには、彼女はすっかり性的に成熟し、精神的な差も開いてしまっていた。結果、ソコソコひどい目にも遭っている。
とはいってももちろん、禁断の関係を築いたことはなかった。むしろこちらが一方的に、性的な点でからかわれることばっかりであった。家の中であられもない姿で歩き回っては僕の反応を楽しんだり、言葉のセクハラで僕をひそかに興奮させ、クスクス笑って一方的に上に立つ姉だった。
そして、その結末は、僕が姉の肉体のパーツを思い出してオナニーするという、徹底的な敗北で終わっている。姉もどうやら、それを知ったうえでからかい続けたのだろう。
姉が風呂上がりでパンティとキャミソール姿でいるのを僕に目撃させ、嫌がったり見るなと言ったりして身体をくねらせる。それでいながら、ひそかに僕が姉の脇の下や生足をチラ見し、それを夜な夜な思い出してオナニーしているのを、彼女は把握しながらそれを楽しんでいた。
他にも、それに類するさまざまな性的な言動で、僕はさんざん悩まされてきた。そして、僕が自慰行為に陥れば、姉は自分がオカズにされたことで勝ったと思い、満足して、そうやって翌日また、いやらしい攻撃を間接的に行ってくる。それが彼女の楽しみのひとつでもあった。
それらは、姉ならではの性的な趣味嗜好でもあった。直接手を出したり出されたりという禁断の関係には決して発展させなかったが、僕が姉の肉体的魅力に負け、姉で抜いてしまうことで、僕は弟としての領分に反し、敗北していたのだ。姉もまた、そうやって身近な男性を自分の魅力で射精させることに、大きな満足と心地よさ、勝利の感覚を味わっていた。
一見清純に見える風貌な姉も、交友関係は相当乱れていた。彼女の趣味嗜好は、男を痛めつけたり組み伏せたりするような乱暴なものでは決してなかったが、自分が性的な点では優位に立ち、自分こそが相手の性欲を直接にも間接にも満たせるのだという自尊心こそが、彼女を満足させるものだった。それを数多く満たすために、異性交友関係は広く深いものだったようだ。
経験はかなりある。そして……男性に対する欲望も人一倍強かった。支配しようとしてくる男に対しては、肉欲の上で姉の方が完全に上であることを、カラダで叩き込んだ。男たちは、彼女の性的な魅力に負け、ねじ伏せられることなく従うのだった。若い時分から、そんなことをくり返していたようだ。
その姉が、僕の前で裸になっている。かつて性的な魅了攻撃をしたとしても、パンツまでだった姉が、いまやすっかり何もかも脱ぎ捨て、オンナ表面までしっかりと見せつけていた。こっちの世界では、女性は首から下に毛が生えないのだろう。
「……。」
姉さんは、昔の姉さんだった。
子供まで産んだはずの姉の姿ではない。僕がまだまだ未熟だった頃の、若い姉だ。たしかこっちの世界で、姉さんは21歳まで若返っているはず。男を泣かせ続けた最も溌剌とした時期の彼女だ。年齢的には、僕の方が上になってしまっている。ただし、彼女の精神や経験値は、肉体年齢の姉より10年は違う。
「私のカラダ、前はもっとおずおずと見てたのに、もう平気なんだね。」
「も、もう、昔の弟では……ない……っ!」
「ふぅん。私のことを思い出しながら自分の部屋で抜いたことがいっぱいあったくせに。ねえちゃん、知ってたんだからね。」
「う……うぅ……。」
「ふふっ、この五重塔に入る前のアンタより、格段に成長しているみたいだね。そんな弟を、姉の魅惑の身体で再び堕とさせることができるなんて、考えただけでもゾクゾクしちゃう!」
「くそっ……くそっ……。」
昔のことを思い出し、さらに強く強く、性的衝動が高まってしまっている。このまま戦闘に入っても、簡単に勝てる相手ではない。性的な力の差が歴然としている上、僕の方がかなり危機的な状態にあるからだ。
姉さんは小柄だ。全体的に華奢な感じを持つ。しかし、目の前の姉は、かつての悪姉の側面が、すべてぶり返してしまっているようだった。あるいは、結婚して抑え込んだ魂の底からの強欲が、こっちの世界で爆発し直したというべきか。肉体の若返りとともに、彼女のとくに淫らな側面が、完全に復活している。
肩くらいまで伸ばした、やや茶色の髪を、首のところで束ねただけのシンプルな髪型。幼い顔立ちだが、三白眼の冷めた雰囲気が残っている。すらりと細い体型だが、乳房はそこそこ人並みには膨らんでいる。丁度いいBカップくらいだ。
いや……もともと、姉はそこまでおっぱい大きくなかったな。この世界にワープしたときに、乳房をちょっと盛ったのかな。そして、まるっこい大きめのメガネが、彼女のトレードマークだった。
外見の地味さは、こっちの世界でも残っている。だが、そのシンプルな外見に騙されて、現実でも大勢の男たちが手玉に取られたことを忘れてはいけない。それに加えて、このセックスだけが物を言う世界では、姉さんもかなり強化されているはずである。肌も21歳に若返っただけでなく、本物の彼女よりもきめ細かくもっちもちに仕立て上げられていて、性行為のテクニックも、オンナの具合も、むらさきしのめ以上に高められている。
長年一緒に暮らしてきて、僕を性的にいじめてきた彼女だけに、僕が感じやすいところや興奮するポイントも的確に掴んでいる。その知見さえも強化されているはずだ。簡単に勝てる相手ではない。
外見は地味で目立たないけれども、中身は悪女そのもの。わるい姉は僕が退治する……その意気込みを、圧倒的に不利な中でも、どうにか保たなければならない。腹に力を込める。
「さて。ソロソロ始めようか? ん?」
姉さんは身構えた。胸板を寄せるように強調する姉。脚を開いて、僕を待ち構えている。僕より背がずいぶん低いが、性的な魅力の点では、姉さんは相変わらず強気である。いや、それこそが、彼女の強みなんだ。僕がこのまま彼女に抱きつけば、即座に戦闘が始まってしまうのかもしれない。
「ね、私のキャミソール姿、思い出して? パンツは白かったでしょ。」
「……。」
「チラッチラッとガン見したり、私や友達の写真を部屋に持ち込んだりして、パンツや腕や素足を思い出しながらオナニーしてたんでしょ、そのナカミが、いま……ぜんぶ見えてるんだよ?」
「……まけない」
そう言いつつも、あらためて見る姉のすらりとしたきれいな裸体は、たしかに僕を興奮させる要素に満ちあふれている。あのころ、さんざん空想力を働かせて、見ることのできなかった部分を予想しながら、夜な夜な抜いていたことを思い出してしまう。パンティやブルマに浮かび上がっていたタテスジが、いまや生地なしに、まるごとじかに見せつけられているんだ。
以前は、見るだけで興奮してしまい、脳裏に焼き付けてしまった彼女の肢体。胸も、腕も、お腹も、お尻も、背中も、生足さえも、いくらでも思い出してしまう。それどころか、今はすぐにでも、見るだけでなく、じかに触りあうことができるんだ。
実の姉であるという禁断の関係も、こっちの世界では意味をなさない。むしろ禁断こそが、快感を高める効果ばかりを持つ。挿入することも、なんの躊躇もなくできる状態にある。
「ふふっ、ずっと、おねえちゃんのカラダ、触りたかったんでしょ。分かってるんだから。アンタが中学生くらいの時から、私のカラダ、後ろから触りたかったんだよね?」
「うぅ……」
そこまで詳細に知られてしまっているのはなぜなんだ。この異世界に転送されたせいで、余分な知識が与えられたのか。
「もう、隠さないでもいいよ? 床に座った私を後ろから抱きしめて、おま●こを指先でじっくりいじりたかったんだよね。あと、おねえちゃんにぎゅ~ってされて、上からかわいがられたいって思ったこともあったでしょ。」
「なぜ……」
まずい……あのころの性的な欲情が、詳細な妄想が、いまの姉に筒抜けになっている。しかも、姉に対するその欲動が、いまもぶり返してしまっている。その頃の妄想と興奮が、はっきりとフラッシュバックする。それでオナニーしたときの快感が、脳裏によみがえってしまう。
もう、想像ではないんだ。じっさいに、彼女に触れ合い、その生足を撫でさすったり、自分の足でこすり合わせたりすることもできるし、お姉ちゃんの言うとおり、中学生の頃に想像した「後ろから触りたい」という願望も、高校生の頃に想像した「上からじっくり抱きしめられたい」という願望も、これから望みさえすれば、すぐにでも叶えられるんだ。
性的な側面では、何もかも姉の方が上になっている。僕が頼れるのは、これまでの経験とレベルだけだ。しかしそれも、イキたい衝動がどんどんこみ上げてくるこの状態で、どれほど通用するのだろうか。
姉がどんどん近づいてくる。抱き合っただけでも爆発してしまいかねない。あの肌にペニスが触れてしまったら……。なんとか……なんとかして、そういう瞬殺状態だけは、回避しなくては。
きちんと踏ん張りきることができさえすれば、瞬殺なんて情けない状況に陥ることはないだろう。ギリギリの距離感を保ちながら、こちらの戦意はまだ喪失していないで、充分に対抗できる可能性も、少しではあるが残されているんだ。
このまま、姉の近づくに任せてみて、立ったまま抱き合い、愛撫合戦に移るのも手ではある。今の僕には、いきなりの挿入は危険すぎる。これまでの経験と技術に頼るというなら、抱き合って触れ合っても、もしかすると姉を撃退できるかも知れない。
彼女は強化されているし、こちらは弱体化してしまう。けれども、それをこれまでのレベルが補えれば、精力が持ちこたえてくれさえすれば、この両手のテクニックで、彼女のオンナへ一点集中攻撃。一気に責め込み、逆転勝利を狙うんだ。
それでも、逆転という言葉が世に多く使われていながら、現実に逆転が生じるのは奇跡に近い。予想どおり型どおりに、物事は進んでいくことの方が圧倒的に多い。チャンスはあるが、それに頼りすぎるのは危険すぎる。”ワンチャン”なんてものは犬にでも喰わせろ。覚悟を決めて一秒一秒気を抜かずに着実に闘いきらなければ、逆転の可能性はなくなるだろう。
こちらが姉に対し性的に下位にあることを忘れてはいけない。どんな反撃をしてくるか、予想もつかないんだ。想定外の動きをされてしまえば、こちらの負けとなる。慎重に選ぶんだ。
逆に、横になって戦闘し直すのも、大きな賭になる。しかし、こっちが性的に下位にあり、挿入戦が危険だというなら、それをあえて”トラップ”にしてしまうのも方法だ。僕がベッドに横になる選択をすれば、間違いなく姉さんは僕の上にのしかかるなどして、いきなり騎乗位で抜きにかかってくるだろう。そこが狙い目だ。
姉は男を射精させることで性的に満足する。その性癖を利用してやるんだ。姉を優位に立たせるように見せかけ、彼女が動いたら、すかさず逆に彼女を仰向けにして、正常位で一気呵成に倒すんだ。そうやって「誘っておいて身を翻す」作戦は、この五重塔に入る前だって何度も使ってきた手立てだ。それで勝利してきたことも幾度もある。
問題は残り精力。身が持たなければ、正常位に持ち込めても、姉のオンナの感触に負けてイッてしまう可能性がある。いきなりの挿入戦が危険であることに変わりはない。また、僕の性癖を熟知した狡猾で強化された姉なら、そもそも騙して正常位に持ち込めるかどうかさえ、確実じゃあないんだ。思わぬしっぺ返しを喰らってしまえば、もう一度立て直すというのは不可能だろう。本当に危険な賭である。
次の闘いがすぐさま始まることを考えると……彼女の背後を取って捨て身の決戦をすることは、なるべくなら避けたいところだ。強化された姉は素早く、そしてそもそもずる賢くって、僕のことを知り尽くしている以上、そう簡単には、彼女の裏をかくことはできないだろう。しかし、もしそれがうまくいけば、いきなりの挿入というリスクを避けることはでき、こちらが優位に立つことも可能だ。
あとは、これまでのレベルを生かし、背後からの愛撫攻撃で一方的に責め抜けば、勝つことも夢ではない。ただし、その場合確実に、ペニスは姉さんの生足の間に挟み込まれることになる。密着するけれども、腰の位置を下げて彼女の乳房とオンナをかわいがるかぎり、そして、挿入を断固拒否するかぎり、ペニスは必ず彼女の内股の餌食になる。
それに耐え切れれば、もしかしたら彼女の思わぬ「弱点」を発見できるかも知れない。そうすれば、そこを重点的に攻撃し、イかせ倒すこともできる。それでも……スマタモモズリを受け続けるのだから、たとえ勝利してもその次の少女遊戯は持たない可能性が高い。背後に回る戦法は、相当に苦渋の選択になるだろう。
……。
姉さんの左後ろにふと目をやった。そこで目に飛び込んできたのは、2人がけでちょうどみっちり詰まるくらいの、ちいさなソファだった。
これを使う、という方法もあるな。1人で座るには広すぎ、2人で座るとぴったり密着してしまうような、おかしな大きさだ。帯に短し襷に長しという言葉があるが、現実にこんなソファがあるのだろうか。いや……会社側の都合が優先された場合、こうしたモノが製造される可能性はあるな。それで売れなくて失敗するパターンだ。あり得る。
このソファに座って、そこで戦闘する。僕の性癖を知っている姉は、いきなり挿入攻撃には入らない。狭い自動車に乗ったときに、半ズボンの姉と密着して座ったことがある。僕も半ズボンだったので、彼女のやわらかで吸いつく太ももが僕にぴったり貼り付いていた。その感触が心に深く突き刺さっているし、何度もオナニーのネタにした。姉さんならそのことをよく覚えているはずだ。
裸同士。彼女は確実に僕の真横に座り、生足とお尻をミギュッと密着させて座ってくるだろう。小柄な姉が隣に座っても狭く感じるソファ。しかし彼女はそれを気にもとめずに、むしろ好機ととらえて、積極的に座ってくるはずだ。それで子供時代の僕の想い出を引き出しながら、手コキ攻撃に入ってくる。それは確実に予測がつく。
そこでこちらの手のテクニックを使って、反撃していけば、この残り精力でも、なんとか勝てるかも知れない。危険な挿入戦を避けて勝機を見いだせば、姉さんを倒して隣の部屋に行く。万が一でも回復剤が置いてあれば、奇跡的な大逆転は起こるに違いない。それに期待してみるのも選択肢だ。
思いどおりにならない、という可能性も十分心得つつだ。生足密着の弱点を突かれてしまう以上、僕の弱体化が思った以上にひどければ、ソファで闘っても勝てなくなってしまう。その密着する太ももの感触にほだされてしまえば、こっちの負けだ。
どの選択も、とても危ないものばかりだ。僕の敗北の色が濃厚である中、なんとかして活路を見いだしたい。一体どうすれば、この状況を切り抜けられるというのだろうか?
-選択肢-
姉2 立ったまま抱きつく
姉3 ベッドに横になる
姉4 背後を取る
姉5 ソファに座る