エルフ+エルフィン2−1


 今までで一番広い、何もない原っぱをまっすぐ歩き続ける。目指すは遠くを流れる大きな川だ。その川の向こう、森を抜けたところに、塔があるのだ。おそらくはそこがこのステージのラスト、ボスがいるところだ。この草原は緩やかな坂になっていて、とりあえず目指している川も下のほうで流れている。その川を渡ると森があり、森を超えると塔のある場所にたどり着くはずだ。見晴らしがよすぎて遠近感が狂い、すぐ近くのように見えるけれども、たぶん塔ももっと巨大なのだろうし、たどり着くまで相当歩かなければならないのだろう。第一、今歩いている草原でさえ、なかなかに広く、川までの距離も半端ではなさそうだ。

 草原を歩いていると、途中、どこからともなくハイピクシーたちが降りかかってくる。この草原はハイピクシーの棲家らしく、エンカウントは全部この三人組だ。彼女たちの弱点がはっきりしているから戦いやすいが、敵もさるもので、魔法攻撃や見事な連携プレイをくりだしてくる。こいつらは初期のピクシーとはぜんぜん違うといっていい。その強さは、さすがに『修行を積んだ』だけのことはあり、エルフ一人よりも強力だ(あくまで三人一組の場合だが)。ピクシーとしての種族は変わらないが、はるかに強くなっているのである。

 長い道のりではあったが、広いだけに目的の場所がはっきりしているので、戦いながらもずんずん進むことができた。

 その間、僕は危うくこの小さな妖精サマに何度もイかされそうになったが、奇跡的に射精することなく、何とかこの草原を潜り抜けることができたのだった。レベルも上がり、たとえ体が小さくなってもなんとかハイピクシーたちのオンナに屈しないでいられるだけの力は手に入れた。

 それでも、いつまで経っても強敵に慣れることはなく、余裕勝ちというわけにはいかないのがこのステージの怖いところだ。

 ともあれ、僕はどうにか目的の川にたどり着いた。目の前にあるのは小川ではない。ちょっとした幅のある大きな川だ。遠くから見てもそれと分かる川なのだ、近くに来ればやはりそれなりのスケールがある。それも、普通の水が流れているのではなく、ローションでできた川というのがいやらしい。このステージでは、川は新しい段階を意味することが多かった。川を超えれば超えるほど、それだけゴールに近づくし、場合によっては敵も強くなる。それだけに、橋を見つけて渡るのでなければならないようになっているんだ。もし無理にローションを渡れば、それだけこっちが弱体化され、川の中で戦うことになったら最悪となる。まずにゅるにゅるのなかで妖精たちの肌を感じたら無事では済まないだろう。

 運良く目の前には、この川を渡れるように、木でできた広めの橋が架かっている。その奥は森が広がっていて、遠くからは見えていた塔は、木にさえぎられて見えなくなっている。

 橋を渡った先はきっと、新手の敵か、少なくとも組み合わせが変わるだろう。これまでがピクシー3人バージョンだったから、この先はエルフかエルフィンが集団で待ち構えているに違いない。こちらも一人ずつを相手にした頃よりもレベルが上がっているとはいえ、強力な妖精が集団化したときの恐ろしさは容易に想像できる。ピクシーでさえ寄り集まっては苦戦させられる(強化されてはいるが)。はるかに強力な大型妖精が相手では、このレベルでも勝てるかどうかは微妙な情勢だ。が、やはり先を目指さなければいけないだろう。僕には立ち止まるという選択肢はないんだ。勝てるかどうかは分からないが、それでも果敢に戦って突き進むしかないのだ。がんばろう。

 僕は深呼吸をし、ぬるぬるローションの川にかけられた橋を一歩一歩踏みしめるように渡った。

 「!」向こうから全裸の長身女性が歩いてくる。モデルのような内股の歩行が情欲をそそる。その肩には弓矢があり、二人の女性は僕が橋の真ん中あたりに来たことを見計らって立ち止まり、突然矢を番い始めた。まちがいない、あれはエルフだ。遠くからでも長く伸びた耳が分かる。ということはあの矢は男の情欲をそそ…っっ!

 僕は何も考えずにとっさに伏せた。体が先に動いたため、僕は矢に当てられずにすんだ。「ひゃんっ!」背後から声が聞こえる。「…危ないですわ。いきなり撃たないでください。」声のするほうを振りかえると、どこからあらわれたのか、透明のドレスを着た女性二人が静々と歩いてくる。下着もなく、オブラートのようなドレスの奥にナイスバディな肢体が丸見えになっていて、はだか以上にいやらしい。こっちは弓矢を持っておらず、おっとりした物腰だ。多分エルフィンだ。

 「む…すまぬ。」「以後気をつける。」「いいですわ。今は私たち同じチームの仲間ですもの。」僕は立ち上がった。エルフたちは矢をしまい、再びこちらに歩いてくる。しまった、新たな敵はこの橋に足を踏み入れた瞬間から出てくるのか、…油断した。森に入ってからだと思っていたから面食らってしまった。まさかこの橋の上でいきなりエルフ+エルフィンの組み合わせと戦うことになろうとは。

 しかも、どうやら僕は罠にかかったみたいだ。前からエルフ二人、後ろからエルフィン二人が挟み撃ちで迫ってくる。エルフ族の妖精3人バージョンということで、3人相手でもどうなるか分からないのに、今回は一人多い。ハイピクシー戦よりもはるかに苦戦するだろうことは火を見るよりあきらかだった。この罠を逃れようにも、二人の間をくぐって逃げるほどは橋が広くない。下はローションの川。奥はさらに恐ろしい敵が待ち構える森。力ずくで草原の方に無理矢理逃げようものなら、すかさずエルフたちの催淫の矢が雨のように飛んできて、結局つかまってしまうだろう。もちろんそのあとに待っているのは瞬殺射精の宴だ。

 ここは戦うしかない。すでに覚悟は決めたんだ。それが少しばかり早まっただけではないか。僕は身構えた。

 エルフィンたちは僕に近づきながらスケスケのドレスを脱ぎ捨てた。エルフたちは矢が撃ちやすいようにすでに脱いでいる。すぐにでも戦闘が始められそうだ。元々同属だったこの二種族を、一度に四人相手するのか。よほど作戦を練らないと勝てそうにないが、じっくり考えている暇はない。やはり手持ちの作戦でチャレンジするしかなさそうだ。

−選択肢−
エルフ+エルフィン2−2 地道に正常位
エルフ+エルフィン2−3 全員まとめて戦う
エルフ+エルフィン2−4 立位で応戦
エルフ+エルフィン2−5 エルフィンからまとめて倒す
エルフ+エルフィン2−6 エルフからまとめて倒す
 


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