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#　死にたがりのクリード

投稿者：五月雨　投稿日：2001年05月28日(月)14時11分48秒 [reply to]
Let's just say....

＞死ぬ権利など、生きる義務を真っ当に果たしてこそ得られる物です。
＞あなたは、しっかり義務を果たしましたか？
「今までは果たしてきました・・・死にたいときに、死にそうなときに我慢して生きてきましたよ？
死ぬまで死ぬ権利が得られないなんて・・・誰が決めたの？」
まっすぐに射抜くような視線を送ってくる。

＞どこに行っても、誰にでも胸を張ってそう言えますか？
＞さぞかし立派な人生を生きてきたんでしょうねえ。」
「そんな立派な人生は歩んでないよ・・・でも、どれだけの人が胸を張れる人生を歩んでいるの？
それに、ご立派な人生を歩まなければ死ねないの？・・・人の死を批判できるほど、貴方は立派
な人生を歩んできたの？」
矢継ぎ早に質問する。まるで止まったら倒れるバイクのよう。

＞「それなら結構です。あなたの覚悟は承知しました。」
＞満足げに。
「分かってくれたなら・・・もう、良いでしょ？」

＞「人生をやり直す、という点では返品が効くかも知れませんよ？
＞無くなったものは返っては来ませんが。
＞もっとも、その気は無いのでしょう？」
「ないよ・・・・」

＞「死ぬという点ならどちらも同じ。
＞そうしなければ死ねないというのなら、死ぬのは止めておきなさい。
「死にたくとも、躊躇うのは本能的なものじゃないか・・・でも、それは今、僕が、死ぬことを
止める理由にはならないよ」

＞結局の所、あなたは逃げているだけです。違いますか？
＞最後の最後まで逃げつづける気ですか？」
「逃げて居るつもりはないよ・・・これが僕の立ち向かい方だから・・・」
はっきりとそう口にして、自分に言い聞かせるかのよう。

＞「やれやれ。せっかちな人だ。
＞そう慌てなくても『死』は逃げません。」
「いつかは死ねるだろうね・・・でも、目の前に居てそいつが手を伸ばしてくるまで待つ時間は
僕にはないよ」

＞「それでは遅すぎます。動かないで下さい。今の所は。」
＞そう言うとポケットから手を出し、指輪をはめた指を突きつける（＜ワザマシン：闇のまなざし＞使用）。
「っ・・・・何をしたの？」
不意に体の自由を奪われた事に驚愕する。

＞「不本意ですが、瞬間催眠の一種を使わせてもらいました。
＞少なくとも答えを聞くまでは解く気はありません。
＞口は使えるでしょう？」
「凄いね・・・貴方は・・・」
そう言いながら、敵意のこもった目で見る。
「さぞや、僕なんかはちっぽけに見えるだろうね・・・・」
何かをサイエン博士と重ねている・・・恐らく、世の中の抗いがたいモノの全て・・・・

＞「あなたは、動機以外のことについては饒舌だ。
＞ですが、動機になるとだんまりを決め込む。
「面倒くさいんだよ・・・それに、思い出すのが苦痛なんだ」
目を伏せた後、そう呟く
「虐められたんだよ・・・そう言っただろ？・・・思い出したくもない」

＞自分の命を払ってまで買い物したのでしょう？
＞決意を固めたのでしょう？
＞それならば何を話した所でその決意は揺らがないはず。
「もう、喋ることは嫌だよ・・・言ったろ？誤解されたくないんだ・・・・手紙の方が僕の口よ
りも何千倍も饒舌だから、手紙を読んでよ」
イラついたような、もどかしいような表情でそうこたえる。

＞それとも、人に話せば揺らいでしまうほどのちっぽけな決意だったのですか？
＞さあ、答えなさい！！
「決意は固いけど・・・だからって、その固さを伝えるには不十分な言葉しか僕は持たない」
そう言って、屋上に吹く砂混じりの風を感じて目をつぶる。
硬くつぶった目から涙が少しだけ出てくる。

＞なぜ、あなたは死ぬ必要があるのです？
＞何があなたを自殺へ駆り立てているのです？」
「力のある人は何でも自分の思うとおりにさせたいんだね・・・」
何かを待つように口を閉ざし・・・
「・・・でも、今回は止めて欲しいな・・そういうの・・・たまには、弱い奴が強い奴に勝って
も良いじゃないか・・・」
長年の思いを込めたような言葉だった。
「ふふふっ・・・貴方は・・・力はあっても、この学校の人じゃないから知らなかったんですね」
突然、屋上に強い突風が拭く、不安定な位置にいた優は強ばった身体のままでぐらりっと後ろに傾く。
「・・・この学校は時々、浜から強い突風が吹くんだ・・・僕は臆病だからね、誰かに背中を押
して欲しくて・・・僕の臆病さも最後は役にたったね」
そう言ってゆっくりと倒れてゆく、強ばっていた表情に、ほんの一瞬だけ微笑を浮かべて・・・・

 ～『自殺志願者』小山内　優　／　彼なりの勝利　～

＞自分的に考えていた予定（見たときの印象から）
＞（中略）
＞という（色んな意味で）トンでもない案になっております。
なるほど、そのようにお考えだったのですね・・・さすがサイエン博士という感想です。

＞実は大した理由じゃないのですか？
人間で少年で、才能も運も人徳もないと思っている彼にとっては、この世で最も大事な理由でしょう。
魔物や強い人間からすれば、まだまだ甘い理由かもしれません（^^;)

＞素直に＜超思考＞とか＜アカシックレコード＞とか言う手があったりしますが、それだと面白くないんで。
＞＜闇のまなざし＞は身動きができないだけで会話はできると判断しました。問題ないでしょうか？
会話が出来ることにしていただいても構いません・・・
ですが上記の通り、自分の意志で動きも出来ませんが、風に飛ばされないように踏ん張る力もまた出ないと思います。

無理矢理に殺そうとしているようにしか見えないかも知れませんが、これぐらい無茶をしない事
には二人の関係は人が蟻を見下すときのようなものにしかならないと思いましたので・・・エゴ
ですが、どうかお許し下さい。
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