読書全般

本感想各種

・三宅乱丈『王様ランチ』
 とにかく凄すぎる。濃い。三宅女史万歳。表題作も凄まじいですが、一番笑ったのは「ウーさん」。

・P.オブライエン『攻略せよ!要衝モーリシャス』
 なんか文庫の文字が随分大きいような気がしたんですが気のせいでしょうか。詰め詰めにして一巻でまとめてくれた方が個人的には嬉しいんだけどな。
 ざっと読み通しただけなので船がどう動いてどういう戦い方をして政治的にはどうなった、という部分はかなり曖昧ですが、キャラクターたちのアレコレにいちいちびっくりですよ。以下ネタバレにつき遮蔽↓
とりあえずいきなり家庭持って娘二人いるんかジャック!と結構びっくりしました。三巻の時点から結構時間が経っていたのね。彼とソフィーの子供、さぞや見目麗しく愛くるしいことでしょう。
 キリックやボンデンやプリングスといった「お馴染みキャラ」再登場が嬉しいところですv特にキリックが可愛い。コーヒーポット手に呆然、とか可愛すぎる(そして事情を察して苦笑いしつつきちんとコーヒー飲み干す主人公二人!)。
 クロンファートの「メッチャ頑張ってるのにどっちかというと空回り気味(無能ってわけじゃないのに…)」なところと、そんな彼を「駄目なオカンモード」で見守る老(?)医師マカダムがたまらんですね。それにしてもクロンファートの部下たちは一体どんな奇抜な服を着てるんだか。それ以前にクロンファートの髪の色も曖昧なんですが。頼むから具体描写入れてくれオブライエン。「優男、モテモテ、美男」ってだけじゃイメージわかないよ。女性受けが良いということは、たおやか系なのかな?しかしそんな美形の運命がアレだと思うとやりきれないです(本編の描写により、私の中ではジャック←クロンファート←マカダムな関係が成立。クロンファートとスティーブンはほのぼの、というかやや温度差のあるオトモダチ?)
 そしてマチュリン先生がラスト近くで結構怖いことを言っています。なんというか、この人の絶望感は深いのだなぁ。


さー明日からは年祭準備だ。これのせいでコミケ欠席なんだから、頑張って準備して滞り無く終われますように。

暑い&少女漫画雑誌

 ホームセンターに買い出しに行くついでに本屋に寄りました。昼下がりの暑さと日差しは半端じゃありませんでした。37度超してるよエヘへ(T▽T)とりあえずファクトファイルのバインダーが買えて良かった。

 ところでコマ割に詰まってしまったので、参考にすべく少女漫画雑誌(いろんな作家さんの作品をまとめて読めるので)を買おうとして…挫折しました(T▽T)イヤホント、最近の少女誌ってスゴイのな。もともと昔から一般的な少女誌というもの自体あんまり手に取ったことがなかったけど、氾濫する雑誌表紙のあまりのピンク色ぶり&あおり文句の恥ずかしさよ。「オンナノコの恋愛」「ちょっぴりアブナイ○○」「キケンな◆」だの、なんでカタカナにしますか。しかも内容もあおり文句の通り結構ハードです。なんか新鮮だ、キラキラした少女漫画絵で男女エロ(いや、あの…和◎はともかく、強◎はよくないよ?ていうか、惚れてる場合ですか主人公?!)。世の中はこんな風に変化していたのね…ごく普通のほのぼの系ファンタスティックな漫画って最近は需要無いのか?!つーか、こんなハードな世界を小中学生が読んでるのか?!大丈夫なのかニッポン?!(←余計なお世話)いやいや、系統の近い雑誌って発売日ほとんど一緒だから、今日はたまたま「少女誌過激恋愛系」の雑誌の発売日前後だったに違いない、ていうかそうであってくれ…
 エロ描写濃いめなボーイズラブ雑誌は一昔前から氾濫してたけど、ここまで危機感は感じなかったよ。そこんとこはやっぱり「ボーイズラブ=ファンタジー」って感覚だったからだろうな。
 男性誌のソフトエロとかの立ち読みは平気なのに、少女誌のこのありさまと、そもそも自分「オンナノコ」って年でもないので、なんか物凄く気恥ずかしくなってしまいました。人目がどうこういう以前に、とにかく落ち着かない感じ(^_^;)

 結局無難に「YOU○○●ou(「オール読み切り」ってコピーは大嘘、続き物多し!)」買いました。帰ってから「少年誌か青年誌で手を打っておけば良かった」とちょっぴり後悔しましたが、OLさん対象(ていうかレディコミ一般?)の漫画雑誌はどっちかというと結構線が荒くて画面もスカスカ気味だけど話は面白い(流石プロ!)ものが多いということが発見できたのでそれはそれでよし。

 そして「雑誌」という媒体はあくまで「単行本の広告」なんだと実感しました。続きもんの途中でも、お話にのめり込めれば単行本一巻から読んでみたくなるもんな。うぬう、講◆社め、卑怯だがこの商売上手め。

新井素子

 本屋で「噂の『マリみて』でも立ち読みしてみるか」と思ってコバルトの棚の所に行ったら、『ブラックキャット』の最終巻を見つけたので最初の目的を見失いました。このシリーズ、小学校の頃から追いかけてるんだよー。挿絵の模写もしたことあるよ(関係ない)。
 未消化の伏線は気になるけど、ご都合主義炸裂大団円(誉め言葉)に満足しました。

 それにしても、この人の文章は「くどくてキッツイ」。地の文できゃーきゃーツッコミ入れてたりするところとかは「うんうんよくわかりました、このキャラはホントに○○ですよね、でもそんなに強調しなくても読んでる方には充分伝わってます…もうええっちゅうねん」という気分になったりします。でもこの話は全てが新井素子ワールドだから「もとちゃんの可愛いこの子たちをみんな見て見て!」という主張はある程度割り切って読める。ひろふみのお約束も笑えたし。…とかいいつつ、ちょっとついていけない部分も大いにあるのですが(^_^;)

 そしてその勢いでうっかり『チグリスとユーフラテス』上下巻一気読み。わかってるけどラストは泣けちゃうんだよなぁ…

 新井素子的な文体とスタンスで書かれた二次創作を読むとツライ。理由は「“キャラクターと世界観はオリジナルからの借り物”だと書き手はちゃんと認識してるのか?」という気分になるからです。二次創作を読んでいて「借りて、色々あって自分のものにしちゃいました。だからコレは全部私のもの、私のこのキャラ、この世界観、このストーリーに心理描写、凄いでしょ?」みたいな書き手の主張が漂うともういたたまれない。変な言い方ですが「ストーリーはあなたのものだよ、凄いよ。でもオリジナルはあなただけのものじゃない、みんなのものなんだよ?」と読み手である私が(オリジナルごと物語を独占した書き手に)嫉妬する感じ。

「借りて、色々させていただきました」という謙虚さは二次創作における“たしなみ”なのかもしれません。では具体的にどうしたらいいのか?それはわかりません(すみません、頭悪くて)が「あくまでオリジナルを尊重してるんだぞ」という姿勢は必要だと思いました。二次創作の書き手と読み手に共通しているのは基本的にはオリジナルへの愛だけなんだもの(もちろん書き手の技量によって「二次創作物そのもの」が読み手にも愛されるということは重々承知です)。
 O田さんが仰有っている「書き手のストイックさ」というのはつまりこういうことなんですね。ようやく皮膚感覚として理解しました。

 …なんて事を考えたりしてるから、身動き取れなくなるんだよ自分(T▽T)

発掘『小説JUNE』

 top絵の参考資料に取り出したついでに、ベッド下に積んだままにしていた小説JUNE(No47〜66)をざっと読み返してみました。田舎のひなびた本屋で偶然見つけたNo47、『STOP劉備くん』目当てで立ち読みしてみたら、ホームズもののパスティーシュが載っていたので購読決定、その後『天の華地の風』『フジミ交響楽団シリーズ』の連載も始まったので止められず…という流れで買い続けていました。実際読み応えのある内容で、学生さんのなけなしのお小遣いからお金を出す価値がある雑誌だったと思います。
 しかし今読み返すと「(傾向はJUNEものとはいえ)総合娯楽雑誌」だったのねー。小説以外に詩とか短歌とか映画とか舞台とかロックとか、かなり濃い内容でした。映画のところでは子役時代のイライジャ・ウッドとか、ショーン・アスティンwithウィル・ウィートン(「トイ・ソルジャー」)が出ていたりしてしみじみ&びっくり。
 メチャクチャ笑ったのが「小説道場・濡れ場ダイジェスト」。未採用の投稿作品からの抜粋なのですが、ホントにエロシーンだけの抜き書き。なんつーコーナーだ(T▽T)!

 今現在のJUNEについては見ていないので何とも言えません、あしからず。

西の魔女が死んだ

 この作品を知ったのは、テスト問題の整理中でした(業者が作った国語のテストって、問題文の出典が最後に書いてあるでしょ?)。
「なんだ、この随分ドラマチックなタイトルは」と気になって、結構さがし回って文庫本を見つけた記憶があります。で、「探した価値はあった!!」文章の空気感が「植物的」なのに、食べ物描写が爽やかに美味しそうだし。
 つい最近、近所の本屋さんで同じ作者の「からくりからくさ」を見つけて現在読書中。「りかさん」も探して読むべきかなぁ。梨木香歩


 魔女ついでに、頂いたイチゴでジャムを作ってみました。今年のイチゴは気候のせいなのか甘味が今ひとつで固いのです。お店で買ったものも割と酸っぱいのが多い気が。
 こう、「ふつふつと煮えたぎる鍋」をかき混ぜてると、イチゴと砂糖とレモン汁しか入っていないのになんとなく魔女気分。瓶詰めした後、お鍋にお湯を足して紅茶を煮出してロシアンティーモドキを頂きました。お鍋もキレイになって一石二鳥と自画自賛。…うおお。甘い。ちょっとこのジャム甘くしすぎたかも…
(そして瓶詰めジャムを冷蔵庫にしまおうとして、奥の方に800グラムの市販イチゴジャムを発見してがっくり。ジャムじゃなくて何かお菓子に加工すれば良かった…)