こんなん観ました

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WALL-E

2008.07.03 Thursday | 映画作品 > SF/ファンタジー

WALL-E(2008年)
ゴミ処理ロボットのウォーリーは、荒れ果てて誰も住まなくなり巨大なゴミ捨て場と化した地球で、毎日ひとりぼっちでこつこつと作業をこなしている。相棒はゴキブリ型ロボットだけ、楽しみはゴミの山から見つけるガラクタの宝探しと、古いミュージカル映画を観て踊ること。『特別な誰か』との出会いを夢見ている。
そんなある日、あたりをゆるがす轟音とともに宇宙船が着陸。その船は一台のユニット『イブ』を後に残していった。
予告段階から楽しみにしていて、公開後に早速劇場に観に行っんだけど……

期待以上にいい作品だった!

まずウォーリーがすごく可愛い。
あちこち汚れまくった無骨なフォルムの外見に、好奇心にあふれたお茶目なパーソナリティー。ガラクタの宝物を集めたりミュージカルに胸ときめかせたり、「手を繋ぐことのできる誰か」を思って溜め息ついてみたり、ロボットなのにとても人間くさい。
ちっこい相棒は動きがやけにリアルで、G嫌いにはちょっとつらいけど!
ウォーリーがうっかり踏み潰したときはびっくりしたw 直後に復活して安心。

孤独に暮らしていたウォーリーの日常にある日突然、文字通り空から非日常が降ってくる。
有機物の探索のために派遣されたユニット『イブ』に一目惚れしちゃうウォーリー。
ビクビクしながら近づいていってコンタクトをとって、いい感じに仲良くなって……
でもウォーリーがある宝物を見せたとたん、「目標物確保!」で突然動かなくなるイブ。
事情なんて知らないウォーリーが必死にイブを起こそうといろんなことを試みる、その健気な様子がすっごくいじらしくて切ない!(´д⊂)

回収されたイブを追ってウォーリーが宇宙ステーションに潜り込む、その後のドタバタやアクションも、いろんなロボットや人間を巻き込んで展開しておもしろかった。
ウォーリーもイブも他ロボットたちも、「オー」とか「ウー」とかの合間にたまに単語が入る、くらいしか喋らないのにすごく表情と感情が豊か。
昨今のCGアニメに多い、べらべら喋ったりジョークを連発したりクサい歌やダンスをやられたりする傾向は、やりすぎ感もあったりして個人的に苦手なだけに、この作品の「過剰な表現を盛り込まなくても深みは表現できる」シンプルさはとてもツボで好感がもてた。

ストーリーの中で訴えてくるメッセージには、かなりリアリティがある。
ゴミにあふれた地球を捨てて人類は他の惑星へ乗り換え。
無駄な手間を省いて便利さばかりを追求した挙げ句、人々の嗜好も思考も右へならえでみな同じ、自ら動くことをしなくなったためにその体は異常なまでに肥満(でも全員が同じ体型なので誰もヤバイとすら思わない)。
何にも不自由しないかわりに、知らず大事な部分が麻痺していることにも気づかない。
移動用の乗り物から落ちても自分で起き上がれずジタバタしている、そんな超肥満の未来の人類の姿は哀れでコミカルだったけど、それが「こうなるかもしれないよ」じゃなくて実際にはもう現実に起こり始めてるんだってことを考えると怖くなる……

一般家庭での分別やリサイクルさえ、驚くほど浸透してないゴミ問題。
どこへ行くにも車で移動、映画の画面観て他人事みたいに笑いながら、バケツみたいなサイズのポップコーンやドリンクを抱えてる。
そんなアメリカ人の姿にうすら寒いもんを感じたのでした。



マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -