Doubt
2009.07.24 Friday | 映画作品 > スリラー/ミステリー
(2008年)
教会とクリスチャン学校を舞台に繰り広げられるサスペンスドラマ。
優しく子供思いで信頼も人望もある神父。そんな彼が実は裏の顔を持ち、生徒の少年に性的に手を出しているのではないか――とある厳格で敬虔なシスターが抱いたそんな小さな疑惑がやがて、宗教や倫理そのものへも疑問を投げかける大きな問題へと発展していく。
クリスチャンが大多数を占めるアメリカでは、キリスト教批判めいた要素は何かと繊細な(そして厄介な)サブジェクトだけに、正直ここまで大胆にズバズバ描いてくるか! という感じで驚いたし、テーマも興味深く、映画としてもすごくおもしろい作品だった。
いったい誰が正しいのか、誰が嘘をついているのか。
自分が正しいと信じていることは、必ずしも本当に正しいことなのか。
そして真実とは?
事の真相は明かさないまま謎を残して終わるのも、観ている側にそれぞれ考えさせ結論を出させる余地を与えていていい。
それにしてもメリル・ストリープ演じるクソ真面目なシスターが、ものすごい威圧感と冷たさで怖いのなんの……エスカレートしすぎて引っ込みがつかない状態にまでまわりも自分をも追い込みながら、正義感や信念というよりもはや個人的な執念で、疑いをかけた神父をとことんまで責めぬいて行く。敵に回したくないわぁ(;´Д`)
それだけ強くて怖い彼女が、最後にさらけ出す素顔の本音と涙はとても印象的。
マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -