こんなん観ました

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The Lovely Bones

2010.01.23 Saturday | 映画作品 > ドラマ

The Lovely bones(2009年)
連続殺人犯の手にかかり、14歳でその短い生涯を終えた少女スージーの、死後の物語。
この世とあの世のちょうど中間にあるのは、幻想的で不思議な世界。
現世にも戻れず天国にも踏み出せず、その境界世界をさまようことになるスージーの“心残り”は、自分を殺した相手への恨み、自分を見つけて欲しいという願い、ばらばらになりつつある家族を心配する気持ちや初恋の相手への想いなど、さまざまの感情が複雑に絡み合っている。「これさえ解決すれば成仏できる」という単純なものではなく、模索しながら漂う彼女自身も激しく戸惑い揺れ動く。
そのため、スージーのもどかしさや苛立ちや悲しみはよく理解できるものの、物語としてはスリラーとドラマとファンタジーどれも欲張りすぎてしまった感じで、やや焦点が定まらない印象になっているのが少し残念。
一応「犯人を暴く/スージーの遺体を発見する」というゴールがあるようでいて、でもそれを目的としてみると、妹や友人がかなり核心に近づいてドキドキハラハラはするものの、最後は決してカタルシス満載のすっきりエンドにはならない(まぁ犯人には「因果応報」とでも言うべき末路が待ってはいるけど)。
けれどようやく、スージーが彼女なりに未練に決着をつけ、生前愛したさまざまのものに別れを告げられるときを迎える。それこそがスージー(と残された人たち)にとって、切ないながらも優しいハッピーエンドなのだなぁと、ラストはしんみり感動できた。
それと、ショッピングモールのシーンで監督本人がモブにまぎれてカメラをいじっていたり、本屋でLotRをさりげなく忍び込ませていたりと、そんな遊び心にも注目。

マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -