こんなん観ました

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Inside Man

2007.02.05 Monday | 映画作品 > アクション/アドベンチャー

insideman
(2006年)
ニューヨーク、マンハッタンの信託銀行が強盗に襲われた。
鮮やかとすらいえる手際で従業員と客たちを素早く押さえ込んだ四人組の強盗は、人質に自分たちとまったく同じ服とマスクを身につけさせ、一見しただけでは強盗と人質の区別がつかないようにしてしまう。
事件解決の『ネゴシエーター』としてNY市警のキース・フレイジャーが現場に駆けつける一方、銀行取締役のケイスは女弁護士マデリーンにコンタクトを取り警察の陰でなにやら別の動きをみせる。
犯人、特にリーダー各の男(ダルトン・ラッセル)は一筋縄ではいかない知恵者で、かなりの曲者。そんな相手にじわじわと迫りつつも、あの手この手で翻弄されるフレイジャーは、果たして人質たちを無事に救うことができるのか……
DVDで観賞。

交渉人vs強盗犯人という図から簡単に、「駆け引きで心理戦を見せつつ派手なアクションや爆発のひとつも入れて、最後は犯人死亡か逮捕でめでたしってとこか」などという予想をしていると、思いっきり裏切られることに。
決してありがちなところに着地しないのはさすがスパイク・リー映画。

デンゼル・ワシントン演じるフレイジャーと、クライヴ・オーウェン演じる強盗犯リーダーのラッセル、この二人の駆け引きや遣り取りはもちろんメインの見所のひとつ。
しかし犯人と交渉人、交渉人と弁護士、弁護士と犯人、という感じでクロスした関係それぞれに緊迫したものがあり、ただ「いいもんと悪いもんの対決にだけ目を向けていればいい」という作りになっていないのがいい。

第一、誰が“悪人”なのかすらも単純には判断できない。

秘密裏に取り返したい『何か』を銀行内にもっているらしい取締役ケイス。
立て篭もって要求を出しながらも、『いかにもそれらしいふり』をして時間稼ぎしているような雰囲気の犯人ラッセル。
おまけにラッセルの動機は、銀行の金庫の金の山にはまったく手をつけていないということからも、後半になるまでほとんど謎の状態。
そして迎える、びっくり大イリュージョン的な脱出劇!

冒頭のラッセルの語りを始めとして、映画が進むその合間にも事件後の関係者取調べシーンがはさまれていたりするので、あちこちにちりばめられた要素を手がかりにしながらああでもないこうでもない……
予想や謎解きに頭を使わされる、とてもおもしろい映画だった。


犯人役にクライヴ・オーウェンをもってきたのは大正解だと思う。
この人は「善人にも悪人にもなれるし、どっちに転ぶのか予想がつかなくて見てると落ち着かない気分にさせられる」というか、笑ってるんだけど笑ってない的な冷たい不気味さを醸し出せる感じで……ぶっちゃけ大好きです。
あの目がヤバいんだ、目が(*´д`*)



マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -