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日記と言うより妄想記録。時々SS書き散らします(更新記録には載りません)

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[動物パロ]わんわんにゃんにゃん

  • 2013/10/30 22:29
  • カテゴリー:FF
ホームセンターに行ったので、同建物の二階のペットショップに寄って来ました。癒されたかったので。
わんこもにゃんこも可愛かった。


プレイルームのような大きなウィンドウの中で、犬2匹と猫1匹が仲良く遊んでいたのに萌えた。
犬はポメラニアンとビーグルの子供、猫はスコティッシュフォールドの子供でした。
皆そこそこ大きくはなってたけど、まだ大人ではない感じ。皆大体同じくらいの大きさでした。
ポメとビーグルがずっとじゃれてて、スコがちょっかい出したり離れたりを繰り返していたので、なんだか589に見えて仕方なかった……と言う事で、

猫スコールと犬ジタンと犬バッツ → [いっしょにあそぼ! 1][2]


あと、小さな部屋では仔猫(ソマリだったかな?)が毛布の中で包まれてすやすや寝てました。
あったかいんだろうなーって気持ち良さそうに目を細めてた顔が可愛かったです。
と言う事で、

[ペットショップ・ファンタジア]の猫レオ子スコ → [おひるね・ふぁんたじあ]


やっぱり動物は癒されますね。
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通販申込みを受理・発送致しました

  • 2013/10/28 18:33
  • カテゴリー:雑記

2013年10月10日~20日間にご注文を頂きました、通販の発送を完了しました。
本日、受理完了のメールを送信しましたが、二週間が経ってもお手元に届かない場合は、郵便事故の可能性がありますので、kryuto*hotmail.co.jp(*を@に変換して下さい)にてご連絡をお願いします。

また、2013年10月21日~27日間にご注文を頂きましご注文を受理しました。
受理完了のメールを送信しましたが、届いていらっしゃらない方がおられましたら、拍手かkryuto*hotmail.co.jp(*を@に変換して下さい)にてご連絡をお願いします。


携帯電話からメールを送られる方は、迷惑メール防止を設定されていると、此方からの返信メールが拒否されてしまう可能性があります。
kryuto*hotmail.co.jpを受信可能に設定するよう、お願いします。

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オンリーお疲れ様でした!

  • 2013/10/28 18:28
  • カテゴリー:雑記

久しぶりも久しぶりな日記ですみません。
オンリー後には書こうと思ってたのに……(´・ω・`)って言うかサイトも更新したのに日記は放置て(´・ω:;.:...


10月20日の東京FFオンリー、お疲れ様でした!声をかけて下さった方々、本を手に取って下さった方々、本当にありがとうございます。沢山の方から差し入れも一杯頂いて、ごちそうさまでした!帰りのバスの中で死なずにすみました←

今回は[Lion that returns to crowd]の四巻目を書きまして、普段あまりメインで書かないフリオニールとセシルを書いたのですが……だだだだ大丈夫だろうかと今でも若干不安w
私のイメージの中で、フリオもセシルも、余り単独でスコールと絡むイメージがなかったんですよね。我が家のスコールからすると、フリオニールもセシルも余り接点を持ちたがらない相手なので(と言ったら59以外の全員にそれが当て嵌まる気もするが)。フリオニールは考え込むとドツボに嵌りそうだけど、基本的には前向きな思考をしてる気がします。セシルはFF4本編でもDISSIDIAでも、迷いつつも前に進もうとする事は諦めなかった人なので、なんだかんだ言っても心が強そう。基本的にネガティブ・後ろ向き・対人恐怖症なスコールには厳しい相手だったw
其処へ飛び込んでくるジタンとバッツが光る光る。基本的に[Lion~]シリーズは[スコール&秩序メンバーの誰か]である事をコンセプトにしていますが、やはりスコールと59は切り離せないなと。仲良し589書いてて楽しい(*´∀`*)

それから、前々から書きたい書きたいと思っていたレオン×スコールのエロ小説本[籠ノ鳥]を発行しました。
いつもナチュラルにラブラブなレオスコ(レオ)を書いていますが、此方の本はギスギスしてるレオンとスコールになりました。お互いの存在が疎ましくて仕方がない二人と言うのは新鮮でした。ネタ下さったフォロワーさん本当にありがとうございます。美味しかった!
目指せエロとストーリーの両立の目標の下、今回はエロシーン多め…?になりました。その結果294P。何故前後編にしなかったのか(表紙が一つしか思い付かなんだ)。
いつも利用している印刷所のセットが変更された事により、フルカラーカバーでの刊行となりました。300P弱でフルカラーカバーになった所為か、通販時や委託時に使用している、同人用の透明袋が入りませんww別の包装袋を探さねばwww
ついでに、家に帰ってから自分で後書きを読んでいたら、「10月から執筆開始」と書いていましたが間違いです。9月からです。10月から書いてたら一週間寝ずに書いても間に合わんて。

今回執筆した本は出来るだけ余裕で入稿できるようにと早目に手を付けたのですが、何故かいつも通り(締切当日入稿)になりました。可笑しいな。

うちのサークルで買って下さった方の荷物が、私の本の所為で一挙に重くなっている……買って下さる方がいて下さって本当に嬉しいのですが、同時になんとも申し訳ない。重いので(;´Д`)
これ以上犠牲者を出す前に、現地で発送用の手続きとか考えた方が良いんじゃないかと思ってます。


アフターにも誘って頂きまして、スケブ書いて頂いて嬉しかったです。宝物。ウヒ。私の描いた絵は本当アレなので……(゚⊿゚)イラネって思ったら破っちゃって…!


次の予定としては、2014年2月のFFオンリーに参加する予定ですが、その前に関西圏で何処か出られたらと思っています。
出来れば大阪に行きたいですが、大阪のオールジャンルが2014年1月下旬と言う事で迷っております……修羅場真っ最中でないか(´Д`) いやこのイベントに合せて発刊できるように書けば問題ないんだけど……

レオスコ本は書いてて非常に楽しかったので、需要考えずに(いつもの事だが)また何か書きたいです。でもクラスコ本もそろそろ書きたいです。あとフリスコも書きたいです。誰かヘイストorブリンク下さいwww
懲りずにまた頑張りまーす!

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[ティスコ]甘やかし愛

  • 2013/10/08 23:11
  • カテゴリー:FF


ティーダは甘えたがりだ。
スコールからすると、そう見える。

彼のパーソナルスペースはとても狭く、まるで当たり前の事のように距離を近付けてくる。
子犬のように手を振って駆け寄って来たと思ったら、其処で立ち止まれば良いものをと言う距離で、地面を強く蹴って飛びついて来るのだ。
不意打ちを食らって、何度無様に尻餅をついたか判らない。
それだけでは終わらず、じゃれつくように抱き着いて来たり、頬を摺り寄せて来たり、────キスしたり。
やめろ、と何度言っても、「良いじゃん、たまには」と言って、また抱き着いて来る。

ティーダは人と触れ合う事が好きなのだろう。
人と接して、手を繋いで、温もりを重ね合わせると、それだけでティーダはとても嬉しそうに笑う。
誰かと触れ合う事で安心しているのだろう、彼に触れられるとそんな気持ちが伝わって来る気がする。

けれど時々、彼はとても寂しそうな顔も見せる。
それはほんの一瞬で、誰にも気付かれる事もないけれど、あれも確かに、彼の心を零した貌だった。
大好きだよ、と言ってキスした直後、見間違いにも思える刹那に零れるその貌が、無性に胸の奥を抉る。



スコールは甘えたがりだ。
ティーダがすると、そう見える。

彼のパーソナルスペースはとても広く、数メートル手前まで近付くだけで、毛を逆立てた猫のように身構える。
背中からこっそり近付いても同様で、後頭部に目がついているのではないかと思う程、気配に敏感だ。
それならいっその事、と正面から近付いていくと、眉間の皺が警戒レベルを判り易く示してくれるのが見えて、気弱な人間ならそれを見ただけで足踏みするだろう。
その割に、強引に接触して来る人間に対しては無防備で、お陰で勢いよく飛び付いてやると、意外と振り払われない。
捕まえた、とばかりに腕の中に閉じ込めて、柔らかい髪をぐしゃぐしゃに掻き混ぜると、スコールはやめろ、と怒鳴る。
怒鳴る割には、やっぱり振り払おうとしないから、それに甘えてキスをする。

スコールは、本当は人と触れ合いたいのだろう。
ただ、それ以上に触れ合う事を怖がっているから、触れるだけで彼はとても寂しそうな顔をする。
誰かと触れ合う事で、安心して、それ以上に不安になるから、決して自ら触れようとはしない。
でも、甘えたがり屋だから、誰かの温もりを求めずにはいられない。

彼は時々、泣き出す手前の子供のような貌もする。
それはほんの一瞬で、決して誰かにその瞬間を見せようとはしないけれど、それは確かに、彼の一番深い部分を零した貌だった。
その貌を見ているのが辛くて、安心して欲しくて、温もりは怖いものじゃないんだと伝えたくて、キスをする。




身体を重ね合わせた後の気怠さは、決して不快なものではなかった。
多分、眠い所為だな、とスコールは思っている。

そのまま眠ってしまえたら一番楽なのだが、傍らにいる存在がそれを赦してくれない。


「……ティーダ……眠い……」
「うん。いいよ、先に寝て」
「……じゃあ止めろ……」
「やだ」


そう言ったティーダの唇が、スコールの頬に触れる。

行為の後、ティーダは決まって、スコールにキスの雨を与える。
彼の唇が肌に触れる度、温かくてむず痒い感覚が生まれて、その所為でスコールは眠る事が出来なかった。
他にも、首下や胸をくすぐる指先や、彼の金糸が肌を掠めるのが、スコールには耐え難い。

このキスの雨は、スコールが眠るまで延々と続けられる。
行為の負担はスコールの方が大きいとは言え、ティーダも疲れていない訳ではないだろうに、彼は必ず、スコールが眠るまで、こうしてキスをし続けていた。
早く眠れば良いのに、と思いつつ、スコールは溜息を吐いて目を閉じる。


「痕、つけて良い?」
「却下」


ティーダの言葉をきっぱりと返すと、えー、と不満そうな声が漏れた。
その声を聞きながら、スコールは冗談じゃない、と口の中で苦く呟く。

今でもジタンやバッツにティーダとの仲を揶揄われているのに、痕なんか見付かったりしたら、彼等に余計に突っ込まれるに決まっている。
ただでさえ揶揄われては否応なく真っ赤になる自分に嫌気が差しているのに、これ以上何か言われるのは御免だ。
────と、思っていると、ちう、と鎖骨に吸い付かれて、スコールは跳ね起きる。


「あ、まだ薄い。もう一回」
「止めろ!」
「だーめ。ほら、大人しくしろって」
「このっ……!」


じたばたとベッドの上で縺れ合う。
二人の身長はそれ程差はないのに、ウェイトに差がある所為か、力でスコールが敵う事はない。
かと言ってスコールが大人しくする訳もなく、スコールは膝や肘でティーダの体を押し戻そうと奮闘する。


「いいじゃないっスか、ちょっと位」
「嫌だ!それも、こんな目立つ所……」
「じゃあ背中。背中だったら見えないし、気にならないだろ?」


ティーダはスコールが、見える所、バッツやジタンに見付かる所だから嫌がっているのだと思ったらしい。
それもあるが、そう言う問題じゃない、とスコールが顔を顰めていると、体を引っ繰り返される。

背中に重みが乗ったのを感じて、スコールは諦めた。
肩甲骨や背筋をティーダの手が撫でて、ぞくん、としたものが奔ったけれど、スコールはベッドシーツに顔を埋めて、気付かない振りをした。
ティーダの髪の毛先が肌をちくちくとくすぐっている。
その隙間に、ティーダの唇が降って来て、時折吸い付くようにピリッとした小さな痛みが感じられた。

しばらくティーダの好きにさせていたスコールだが、そのまま一分、二分と時間が経つに連れ、無性に気恥ずかしさが感じられて来た。
ちらり、と肩越しに背中を見遣れば、ティーダの赤い舌が背筋を這っている事に気付いて、顔から火を噴く。


「────っ」
「あいたっ」


スコールは、ティーダの頭を打つ事も気にせず、寝返りを打った。
シーツを手繰り寄せて巻き付き、ティーダから背を逃がすようにして横になる。


「もう終わり?」
「終わりも何もあるか。お前もいい加減に寝ろ」
「良いじゃん、もうちょっと」
「捲るな!」


シーツの端を捲って、スコールから布地を奪おうとするティーダ。
スコールはシーツの裾を掴んで全力で抵抗する。

スコールが断固として譲らない事を察したティーダは、むぅ、と不満げに唇を尖らせると、


「良いじゃん。もうちょっとだけ」


そう言って、ティーダはシーツごとスコールを抱き締める。
スコールは判り易く眉根を寄せてティーダを睨んだが、直ぐに溜息を漏らして眉間の皺を解いた。

暴れないスコールを見て、ティーダが嬉しそうに笑う。
硬いブリッツボールを投げて受けてと練習している所為か、皮の厚い手がスコールの頬に触れる。
ティーダはスコールの頬にかかる髪を避けて、そっと額の傷に口付けた。


「……もう寝ろよ……」
「うん。もうちょっとしたら、寝る」
「………」
「だからそれまで、もうちょっと、良いだろ?」


青が蒼を真っ直ぐに捉えたまま、言った。
スコールは睨むように青を睨んでいたが、逸らされない瞳に根負けしたように、また溜息を一つ。



温もりを分け合うように、キスが繰り返される。
ティーダはスコールに触れ続け、スコールはそんなティーダを好きにさせる。

────甘えているのは、果たしてどちらの方だろう。





多分どっちも、甘えたがり。
ティーダは甘やかしたがりもありそう。

ティスコははぐはぐラブラブしてると可愛い。
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[ジタスコ]君の手は此処に在る

  • 2013/09/08 21:54
  • カテゴリー:FF



キスしてやりたい。
そんな風に思う事が、唐突に、ある。



そんな時、彼は大抵、少しだけ遠くを見ていて、寂しげな横顔を覗かせている。
バッツは、そんな彼を見付けると、そっとして置いてやろうと言う。
普段、あれだけ無邪気な子供のように振る舞っている癖に、こんな時には大人なんだなと思った。

多分、きっと、その方が良いのだろうとジタンも思う。
記憶の中に映る何か、誰か、きっとそれを思い描いているのだろうと言う事は、ジタンにも判る。
記憶の中の情景は、その人の中にでしか存在し得ない不可侵的なものだから、記憶の世界に思いを馳せている彼を邪魔しては行けない。
仲間達がそれぞれ大なり小なり記憶が欠けている世界にあって、ジタンは比較的元の世界の記憶を多く所有していたが、やはり部分的に欠けてしまっている所があるのは否めない。
だから、自分自身の意義すら曖昧にしか覚えていなかった者が、懐かしい記憶を思い出した時、懐かしむようにぼんやりと立ち尽くす時の気持ちは、全く判らない訳ではなかった。

───判らない訳ではない、けれど、ジタンは彼を放って置く事は出来なかった。


「スコール!」


立ち寄った歪の中にあった、満開の花畑の中に、スコールは立ち尽くしていた。

白、藍、黄色の淡い花々の中に、黒衣の彼はよく映える。
ジタンは、そんな彼の背中に勢いよく飛び付いた。


「っ……お前か」
「おう。どーした、そんな所でぼーっとして」


突然の背中の衝撃に蹈鞴を踏みつつ、スコールは踏み止まって、腰にくっついた尻尾の少年を見た。
ジタンはゆらゆらと金色の尻尾を揺らし、一つ年上の長身の青年を見返して訊ねる。


「……別に、どうもしない」
「そうか?」
「ああ」


そうか、ともう一度ジタンが言うと、ああ、とスコールももう一度言った。

スコールの視線が、また遠くへと向けられる。
彼の青灰色の瞳は、遠くまで広がる目の前の穏やかな景色を見ていない。

ジタンは、しばらくそんな青年をじっと見詰めていたが、


「なあ、スコール」


名を呼んで、重力に従い降ろされていた手を握ると、びくっとスコールの肩が跳ねた。
構わずに捕まえた手を握り締めると、始めは強張っていたその手が、少しずつ緩んでジタンの手に委ねられる。

委ねられた手は、微かに震えていた。
まるで怯える子供のように震えていて、ジタンはその理由を彼に問うた事はない。
良くも悪くも頑固で口下手なスコールは、震えている理由を聞いた所で、言葉を探して戸惑いに視線を彷徨わせるばかりだろう。
そして、言葉よりも雄弁にその心を映し出す瞳で、ジタンをじっと見詰めるのだ。

だからきっと、ジタンがどう足掻いても、スコールが何に怯えているのか知る事は出来ない。
それは少し淋しい事ではあるけれど、知らないままでも良い、とジタンは思う。


「大丈夫だよ」


言うと、スコールがゆっくりと此方を見た。
ぎゅっと手を握って笑みを浮かべてやれば、スコールはぱち、ぱち、と瞬きを繰り返す。

スコールの口が開いた。
何を言おうとしたのか、多分、「あんたは何を言っているんだ」とか、そんな所ではないだろうか。
当たらずとも遠くはないだろうと思いつつ、ジタンはスコールの声が音になる前に、繋いだ手を引っ張った。

悔しい事に、スコールはジタンよりもずっと身長が高い。
世界の違いか、種族の違いか、二人の身長差はかなりのもので、ジタンは見上げなければ───スコール相手に限った話ではないが───スコールの顔を見る事が出来ない。
だから、ふとした瞬間に駆られた衝動に従おうと思ったら、少し強引な手段を取らなければならない。
女性が相手であれば、身長差すら演出の一つにして見せる自信があるけれど、相手は男で、それも稀代の鈍感天然となれば、話は別だ。
綺麗に飾った口説き文句も、物語仕立ての演出も、何もかも首を傾げて此方の思惑を通り抜けてしまうのだから、直球勝負しか道はない。

出逢った当初の人を寄せ付けない空気に反し、スコールは気を許した人間に対して無防備である。
突然引っ張られるとは思っていなかったのだろう、スコールはがくっと姿勢を崩して、ジタンへ向かって倒れ込んだ。
慌てて踏ん張ろうとするスコールだったが、ジタンはその肩を掴まえて、もう少しだけ引き寄せる。
一瞬、唇が触れ合って、直ぐに離れた。

すとん、とコールの膝が地面に落ちた。
呆然とした表情で、スコールは間近にあるジタンを見詰める。
ジタンはそれを真っ直ぐに見詰め返し、


「大丈夫だって。恐い事なんかないからさ」


だから今は、こっちを向けよ。

そう言って、ジタンは笑った。
スコールはぱちり、と瞬きをして、ジタン、と音なく目の前の少年の名を紡ぐ。

膝をついたままの彼を、ジタンは強く抱き締めた。
ぽんぽん、と子供をあやすように背中を叩いてやると、ことん、と彼の首が傾いて、柔らかい髪がジタンの肩をくすぐった。

そっと、額の傷にキスをする。
他の場所に比べるとほんの僅かに皮膚が薄いからだろうか、スコールは其処にくすぐったそうに目を細めた。
ついでにもう一度唇にキスをしようとしたら、黒革の手に押し返される。


「良いじゃんか。もう一回しようぜ。励ましたオレにご褒美ちょーだい」
「そう言うのは、自分から打診するものじゃない」
「言わなきゃしてくれないじゃんか」


長い腕を突っ張って押し返されれば、リーチの差でジタンの負けだ。
ちくしょう、と密かに悔しく思うジタンを無視し、スコールはすっくと立ち上がる。

いつものように眉間に皺を寄せるスコールに、ジタンは小さく笑みを零す。


「そろそろ行こうぜ。バッツがあっちで待ち草臥れてる」


そう言って差し出したジタンの手を、スコールは訝しむように睨んだ。
構わずジタンはスコールの手を掴まえて、歩き出す。

繋いだ手は、振り払われる事はない。
ジタンが羨む長い足を持つスコールの歩は、心なしか覚束なく、夢心地の中にいるように思える。
それでも、ジタンが繋いだ手を握る手に力を籠めれば、少し驚いたような間の後で、同じ力で握り返してくれた。



少し離れた場所で、バッツが青空を此方に背を向けて、抜けるような青空を見上げていた。
名前を呼んで彼の下に急ぐと、振り返って褐色の瞳が無邪気に笑う。

何も知らない、気付いていない振りをしてくれる友に感謝して、ジタンは繋いだ手を強く握った。





9月8なので、ジタスコ!
ジタンなら、スコールの不安とかも全部ひっくるめて包んでくれるくらいの包容力があると信じてる。
だってFF界きっての男前だもの。

でもちょっとムキになり易いジタンも好きです。
そして、そんな若い二人を見守る大人なバッツも好き。
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