信長は利家の口を支配したまま前屈みになり、勝家の眼前に突き出された状態の肉丘を鷲掴みにした。そのまま口の端を吊り上げつつ手の中の肉を左右に広げると、蹂躙の名残が残る穴が勝家の大きく見開かれた目に飛び込んだ。
「お、大殿…何を…」
少し前まで男と繋がっていた箇所に得も言われぬ卑猥さを覚えて思わず顔を赤らめる勝家に、信長は意地の悪い笑みを強めながらその場所を細い指で指す。
「此処が空いておるぞ? 勝家」
「!?」
「うぬが信長の目の前で利家と交わってみせよ。さすれば今の苦から利家を解放してやろう、ぞ。利家を救えると同時にその肉体を貪れる。これほど、うぬにとって有利な交渉はあるまい?」
息を呑む勝家に話しつつ、自分の腰の辺りに顔を埋めて嗚咽を漏らしている利家を一瞥した後に再度勝家を見やると、彼は視線を落として声と身体を小刻みに震わせていた。
「と、利家を汚せと申されるか…」
「汚す? フハハハハハハハ!!」
勝家の台詞に突飛さを覚えて笑いを爆発させた後、残る笑いをクックと噛み締めながら、やや拡がっている利家の後穴を改めて勝家に見せ付けて言った。
「うぬが知っておるかは知らぬが、これは生の為に数多の男とまぐわった尻軽犬であり、この穴は数え切れぬほどの肉棒を咥えた汚い穴よ。純潔なぞ塵ほどにも無いどころか、これ以上汚れる余地も無いほど地の地に堕ちた駄犬ゆえ汚すと案ずるは無用ぞ」
「………」
「信じられぬか? 信じたくないか?」
「………」
小姓の噂話で聞いてはいたし、あの日の夜に信長に尋問された利家が“三桁は男を咥えた”と暴露したのを盗み聞いてもいたので知ってはいたが、いざこうして耳にするとやはり、信長の言うように信じ難い…信じたくない利家の秘密にただただ口を閉ざしていると、ならば…と信長の声が聞こえた。
「利家自身に知らしめて貰うとするか」
「! そ、それは…」
案を聞いて愕然とする勝家を無視して前屈みから直立の姿勢に戻った信長は、真っ青な顔で奉仕行為(と言っても、ただ咥えているだけで動きも何もしていなかったのだが)を続ける利家から腰を離し、彼を解放した。
「ふえっ!? ……あ、あぐ! うえっ、うぅう………!」
口内の異物をいきなり抜き出された途端に喉元で抑えていた熱を吐き出しそうになり、慌てて両手で口を覆って頬を膨らませる。目にこんもりと涙を溜めてひたすら嘔吐感に耐える利家の鼻先に信長の鼻先が触れるほどに近付いた。
「利家。今までの話は聞いておったか?」
「ん…」
全ての神経を奉仕行為やそれから生じる苦痛に耐える事のみに注いでいたらしく、手を口に被せたまま首を左右に振って否の答を示す利家の頭に信長の手がそっと乗った。
「うぬにも選ぶ権利をやるとしよう。どちらが良い? 先のように尻に入っていた肉棒を口に捻じ込まれるか、信長の目の前で勝家とまぐわうか」
「えっ、叔父貴と!?」
選択肢の一つを聞いた瞬間に利家の殆ど死んでいた瞳に光が戻り、吐き気も忘れた様子で背後を向いて勝家と目を合わせる。普段、自分によく見せるあどけなさすら感じる純粋な光ではなく、肉欲にギラ付く野獣のような利家の目を見て小さくたじろぐ勝家に獣は舌を出して笑い、信長の胸に縋り付いて叫んだ。
「お、俺、叔父貴にヤられて良いンですか!? 本当ですか? 信長様! ああぁ凄ぇ…叔父貴と、交尾、出来るなんて…
」
「聞いたか勝家。利家はうぬと交わる方を強く望んでおるぞ? それとも、うぬは利家がまた信長の物を咥える方が良いか?」
纏わり付く利家の頭を適当に撫でながら、信長は勝家の反応の一つ一つを愉しんでいる様子で声をかける。追い詰められた勝家は唸り、魔王の腕の中の犬を見据え、先程までの泣き顔を思い出した。本来は体内の滓を出す為に使う、決して清くはない穴に捻じ込まれた肉刀を口内に突っ込まれ、その味と臭いに嘔吐き、白目を剥いて悶え苦しんでいた顔を。
そして勝家は意を決したかのように大きく息を吐き、やおら二人の方へと手を伸ばした。
「大殿、利家をこちらに」
「まぐわいを選んだか。良かろう。互いに全てを忘れ興じよう、ぞ」
うぬが子の本性を知った時の反応、楽しみにしておるぞ。心の中でそう付け加えながら腕の力を緩めると、犬は待ちかねたように信長から離れ、勝家の伸ばされた腕に飛び付いた。
「あんっ…
」
胡坐をかく足に片肘を乗せて頬杖を突く信長の目の前で四つん這いになった利家の腰に勝家の何時の間にか蘇っていた猛りが近付き、先端が窄まりに触れただけで艶かしい声が利家の口から漏れる。男相手は不慣れである上、主君に見られていると言う状況や相手が実の息子の如き存在の青年である事に躊躇いがあった勝家だったが、その声と先端に感じた利家の熱に確かな興奮を覚えて頬が紅潮する。そんな二人を余興のように見ていた信長が勝家を冷やかした。
「そのまま突っ込んでやれ。先程まで信長のを咥えておったから解れて入り易くなってる筈ぞ」
「…利家!」
「あぁうっ!」
密かな興奮と自暴自棄のままに相手の名を呼びながら腰を突き出すと、其処は信長が言っていたように柔らかく、想像していたよりもすんなりと相手の中に沈んでいった。入れられた方は、ハァッ…と熱い溜め息を震わせて、涙を滲ませつつも嬉しそうに笑う。
「あぁ…これが……叔父貴の肉棒…お、俺……叔父貴にハメられてンだ…夢みてぇ…」
「利家……」
「う、動いてくれよ叔父貴っ! 叔父貴の極太魔羅でいっぱい掘ってくれよぉ! あぁああ早く、早くぅ!!」
ただ戸惑い気味に相手の名を呼ぶ以外出来ぬ勝家に利家は裏返った声で催促し、繋がった腰を淫らに振って本格的な性交を求める。相変わらずいやらしい雌犬よ。信長の嘲りの声が聞こえた。
「…………」
何にしても事を終えねば、この状況から解放されぬのだ。
そう言い聞かせる事で何とか己を奮い立たせ、利家の腰を掴み直して自分の尻を引き、すぐに突き出す行為を繰り返してみる。男の相手と言うのは正直初めてではあったが、どうやら相手には良い感じらしい。突けば突くほどに嬌声は大きくなり、淫辞をより躊躇無く吐き出すようになった。
「お、おうっ! おおっ! う、嬉しひっ! 本当に叔父貴にちんぽ突っ込まれてる! ずっと、ずっと、こうされたかった! 俺の淫乱尻穴に叔父貴ちんぽハメて欲しかったあぁ!!」
淫語交じりにずっと抱いていた性的願望を吐き出す利家に信長は膝を叩いて笑い、勝家は無言で利家の望みを叶え続けた。
(あの利家が、このような…)
下劣な言葉を叫んで悦がり狂う利家の前後する背中を見ながら勝家は心中で呟き、普段の彼をふと思い出してその余りにも大き過ぎる落差に顔を歪める。自分の知っている利家は、自分を見つけると叔父貴と呼びながら嬉しそうに寄って来る。
互いの時間が許す限り、自分の側にいたがる。
時折、ふと妙な不安を覚え、わしと共にいても退屈なのではないか? と聞いてみても、即座に首を左右に振って、全然? と歯を見せて笑う。
……親父。
たまさか背後から小さく呼ばれて振り向くと其処には利家がいて、彼はアッと声を出し、頬を微かに赤らめたはにかみ笑いを浮かべながら言う。
すまねぇ、間違えた。叔父貴、だった。
別にそれは叱るほどの過ちでもないので、その度に適当な返事を軽くして流すが、薄々気付いてはいた。
利家は自分を父親のように慕っているし、本当は父のように呼びたいのだろう。
そして、その気持ちに耐え切れなくなった時、わざと間違えて自分を親父と呼ぶのだろう。
そう言う願望を持っている事は知っていたし、決して口に出しはしなかったが、実はそれを愛らしいと思っているのも事実だった。だが。
「あうっんっ
叔父貴、もっと、もっと俺の好色穴掘って、好きなだけ犯してくれよ!」
今、自分の下で仰け反りながら喘ぎ、悶える利家の姿に勝家は混乱する。
一体、どちらが本当の利家なのか。自分を父として慕っている方なのか、それとも自分を性的欲望の対象の男として見ていた方なのか。
其処まで考えた所で、勝家は相手の腰に強く爪を立て、肉を抓るように掴んだ。自分にも何故湧いたのか分からぬ苛立ちとも怒りとも取れる感情が手の力を強め、同時にこれでもかと腰をうねらせて利家との接合部を十字の動きで蹂躙する。
「うあぅ! ひあっ!! あひぃいいいい!! す、凄い凄い凄い!! 太いのに縦横グリグリされて肛門いっぱい拡がるぅうう!!」
「何…なのだ……」
相手を罰するように乱暴にすればするほど利家は乱れに乱れ、勝家がずっと抱いていた“純朴な息子”の形を八つ裂きにしていく。
直後、ポタリと勝家の顔から利家の背中へと落ちた雫が汗なのか涙なのかは、流した本人以外には分からなかった。
「わぬしは、一体何なのだ!!」
思わず飛び出した叫びは余りにも悲痛な物だったが、全てを悦楽に委ねている今の利家の耳には届かず、信長も冷たく笑うのみ。何なのだ? ただの発情した雌犬、ぞ。少し後に主君の嘲りが聞こえた。
「で、あるな? 利家。うぬは自分で言っていたであろう。四六時中発情している雌犬、と」
ゆっくりと利家の前へと歩み寄って確認すると利家は幾度も頷いた。
「は、はい……い、言いました……雌犬だって…今も……叔父貴のちんちんに感じて、腰振って…あっ…」
言葉が終わらぬ内に頬を熱い屹立に数度打たれた利家は横顔に触れている熱におずおずと手を重ね、そのまま指を絡めて扱き始めた。その行動に何処までも利家に裏切られていくような気がした勝家は、空しい怒りを込めて既に赤く腫れている臀部に新たな手形を付けた後に腰を掴み直し、利家の中に埋まる本体を思い切り押し上げた。
「んあああああああッ!!! お、叔父貴の極太ちんぽでそンな事したらケツ穴もはらわたも壊れちまうよお!!! で、でもイイ! 凄ぇイイよ叔父貴ぃ!!」
虚ろな眼から滂沱の涙を、赤い鼻から粘る体液を、開きっ放しの口や其処から伸びた舌から糸引く涎を垂らしながら淫獣の雄叫びを繰り返す利家の顔を魔王が舐めるように見て失笑した。
「良かったな、勝家。尻軽犬がうぬの肉棒が美味いと鼻や涎を垂らしながら鳴いて悦んでおるわ」
「くっ…!」
恥辱を覚えて呻く勝家を尻目に信長はより強い刺激を促すように下半身を軽く揺すり、利家も何の躊躇いも無い様子で手の動きを加速させると、先端から流れ出た汁が利家の手をみるみる濡らしていった。
「あはぁ…信長様のおつゆも凄いです……もう手がこんなにベトベト……前から後ろからちんぽ攻めされて、おかしくなりそ……
」
「…利家…」
わしから見れば、わぬしはもう既に狂うておるわ。
その言葉を必死に喉の奥に止めて、今度は単純な律動を繰り返す。少しでも早くこの劣情に乱れた淫獄から自分も利家も解放したかった。
「はうっはうっ
あうん
叔父貴…
もっと……
あぁ……」
肝心の相手の方は何かを描くように腰を動かしながら天を仰いで甘い吐息を漏らす。その動きに少なからず翻弄されて新たな汗を滲ませる勝家の本体を利家の後ろの口が突然甘噛みして来た。
「うあっ! あ……と、利家……わぬし…」
しわがれ声に荒い息を混じらせる間にも接合部が幾度も収縮し、それに合わせて利家の嬌声や腰の前後運動も短く刻まれ始める。
相手の絶頂が近い事を直感的に察した勝家は、利家の苛烈な動きと繰り返される喰い付きに自分の射出も促されるのを感じ、腰を何とか引き抜こうとしたが
「いや! 嫌だ! 叔父貴、抜いたら嫌だ! 中っ、中に! このまま俺の中に叔父貴の子種汁を一滴一匹残らずぶちまけてくれよおおお!!!」
利家は首を激しく振って出し得る限りの声で叫び、穴を強く引き締める事で勝家の離脱を妨害した。色情に溺れる狂犬と雄としての本能に屈服しそうな鬼の交わりの終幕の近付きに魔王は口の端を吊り上げ、一物を掴んだままの犬の濡れた手にそっと己の手を乗せた。
「ならば信長はうぬの薄汚い顔に出してやろう、ぞ。さぁ、その手で信長の精を搾り出して見せよ。ククククッ」
「は、はひっ……」
何処か呂律の回らぬ返事をした利家が先走りの光る照準を自分の顔に合わせ、破裂寸前の信長の膨張を素早く擦りながら、背後から止めを刺すような突き上げを繰り返す勝家の楔を力の限りに締め付けると、より狭まった口と温かな内壁に刺激された勝家の雄が中で震え、相手の性など構わぬ様子で種を盛大に発射した。生物が持つ繁殖本能のままに。
それが見えていたかのように、利家の眼前にあった信長の先端からも同じく種が飛び出して利家の体液塗れの顔に新たな汚れを叩き付けると、犬は大きく身体を仰け反らせ、笑みの形を作る口から舌を伸ばして嗄れた声で叫んだ。
「ぃひいいいぃいっ! き、来たっ! 精液来た!! 顔にも腹にも熱いのぶちまけられたあぁ! あ、あはぁん! イク! イク! イク! 俺も激熱精子出るうぅうう!! あああ゛ぁああ゛あ―――ッ!!!」
幾度も空を腰で突いて、数十分前に一度達したとは思えぬ量の白濁を床に散らし、満足気に息を切らしながら眼を開けると、瞼にもかかっていた魔王の精が重たげに垂れて利家の視界の中心に白い縦線を走らせる。
「あ……あぁ…凄ぇ……こんな凄ぇ交尾……初…め、て…」
うわ言のように呟いて笑った所で突如眼前の魔王の笑顔が歪み、そのままぐるりと世界が回転する。
自分を呼ぶ勝家の声が遠くに聞こえたのを最後に、利家の視界は一気に闇へと引きずり込まれて暗転した。