Thirst
2009.12.15 Tuesday | 映画作品 > ホラー
(2009年)
人を救いたいという思いから、自らの体を危険なワクチン開発の実験台に投じ、50人の中からたった1人生還した神父。
しかしその実験は、彼の肉体を人ならざるものへと変えていた……
一風変わった韓国製ヴァンパイア映画。
ヴァンパイアというテーマ自体は別段目新しくもないんだけど、その基本やお約束は踏まえつつ、西洋風とは違うアプローチと味付けで独自の世界を作り出している。
西洋のホラーと東洋の怪談の要素を、両方からうまいこと取り入れているような感じ。
自分が日本人だからというのもあるけど、怪談っぽい怖さのあるこのテイストはかなり好みでしっくりきた(*´∀`)
理性と欲望、人と異形との間で揺れ動き、終始葛藤し苦悩し続けている神父のキャラも好きだ。決して聖人君子じゃない、けれどだからといって怪物にもなりきれない、そんなどこまでも人間くさいところがツボ。
そのパートナーとなるヒロインは、したたかさと純粋さを矛盾することなく持っている小悪魔タイプ。生まれ変わり後には奔放なハンターとなり彼とは真逆、こちらはこちらで変身前後の変わりよう(というか、今まで抑えていた分の吹っ切れっぷり)がまた魅力。
とはいえ結局どちらのキャラも、根本的な部分では変わることがなかった。
そのまま道を違えて別々に生きていくことも、あるいは互いを敵として生きていくことも可能だったけれど、最終的には同じ道を行くしかないのだと悟る。
そんな2人の選ぶ、哀しく切ない結末。
尺は少し長め、やや長回しと感じる場面も少々あったものの、最後まで退屈することなくじっくり楽しめた。こういう良質ホラーがどんどん増えるといいな!
マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -