こんなん観ました

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Little Children

2007.06.19 Tuesday | 映画作品 > ドラマ

LittleChildren
(2006年)
舞台は郊外の静かな住宅地。
ごく普通の主婦として毎日を過ごすサラは、自分の娘を心から愛することができず、近所の主婦仲間にも馴染めず、隠れた趣味を持つ夫との結婚生活にも満足していない。
一方、息子の世話と司法試験の準備をしながら主夫をしているブラッドは、キャリアウーマンの美人妻の尻に敷かれてすっかり家での立場がない。
そんなサラとブラッドが、ある日公園で言葉をかわしついでにキスまでしてしまったことをきっかけに、人知れずひっそりと距離を縮めていく。
DVDで観賞。

一見何ひとつ不自由のない生活を送っている人々の、内に抱えた空虚・焦燥感・満たされない欲望や歪みを描いた作品。

ケイト・ウィンスレット演じるサラの、「特に美人でも派手でもなく、どちらかというと地味でモッサリした印象の主婦」というキャラの描かれ方が、等身大で生々しくリアリティがあってよかった。
一見「ごく普通」だからこそ、内に秘めた刺激への渇望や変化への欲、己を解き放ちたいという思いがより一層生きてくる。

サラとブラッドがしていることはいわゆる不倫なのだけど、そこにはお互いへの愛情というものはほとんどなく、セックスも純粋に「つかの間の非日常を味わうための手段」として存在している。
互いの抱えた寂しさや満たされない気持ちの隙間を埋める、というただそれだけの行為。

始めは割り切っているかに見えた二人が、不毛だと知りつつそこに何らかの意味を求めようとしてしまう。逃げて新しい生活を始めたところで長続きなどするわけがないとわかっているだけに、二人を応援する気にはどうしてもなれない。
ラストで「目が覚めた」のは最終的に二人にとっても、まわりにとってもよかったのだろうと思う。

この映画の中で一番「可哀想な人」だったのは、猥褻物陳列罪で入っていた刑務所から出所したロニー。
ラストではこの人だけが本当になにもかも失ってしまった。



マイ評価:★★★☆☆
author : 四葉 | - | -