こんなん観ました

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天保異聞 妖奇士

2007.12.21 Friday | TVシリーズ

ayashi
(2006〜2007年)
時は天保14年。江戸の町を異界の獣「妖夷(ようい)」が襲う。
それに立ち向かうは「蛮社改所(ばんしゃあらためしょ)」のメンバーたち。
記憶を失った男や男装の少女など得体は知れないが、それぞれに妖夷を討つための特別な力を有している。彼らに与えられたコードネームは「奇士(あやし)」。
DVDで鑑賞。

おもしろいらしいよ、という評判をネットで目にして手を出してみた。
まぁ趣味に合わなければ続きは買わなければいいんだし……と、第一巻を観たあとにはすっかり大ハマリ。次のDVDを早速カートに放り込んでしまっていたというw

江戸に現れる化け物『妖』を討つ『奇士』たち、小笠原・宰蔵・江戸元・アビ・そして往壓は、みなそれぞれに個性と魅力のあるキャラ。脇役もまた然り。
人の思いから生まれるという怪物『妖』は、日本の昔話でおなじみの妖怪のようでいてまた一風変わった味があり、毎回興味深いものが出てくる。物の本質をあらわす漢字のような『漢神(あやがみ)』を引き出して武器にしたりする、往壓の独特の戦い方も今までにない形でとてもユニーク。

化け物退治を軸にしつつも、単なる勧善懲悪ものではないところもおもしろい。奇士たちが妖夷と戦うのは、麻薬のように中毒性のあるその甘美な肉を食らうためでもあったりして、「江戸の平和のため」というばかりでもない。
それと話が進むにつれ明らかになっていくが、往壓をはじめ奇士たちもそれぞれに傷や過ちなどを抱え、決して聖人君子やお綺麗な正義の味方ではない。

往壓は、いうなれば『逃げている』主人公。
幼い頃に迷い込んだ『異界』にまた魅了され飲み込まれるのが怖くてずっと逃げ続け、その結果家を継ぐという役目と責任からも逃げ、また過去に犯した取り返しのつかない過ちと、それに対する良心の呵責からも逃げている。
そんな往壓がのちに出会う少女アトルは、現世に幸せも希望も見出せず、ここではないどこかに救いを求めて異界に惹かれていく。彼女をこちら側に引きとめようと手を差し伸べたとき、ひたすら逃げ続けてきただけの往壓自身も、また変わり始めていくのだが……

番組が打ち切りになってしまったため、ラストに向けての話はかなり駆け足で強引にまとめざるをえない終わり方なのが、事情が事情だから仕方ないとはいえつくづく残念!
本来どんな形で完成するはずだったのか、もっとじっくり、物語がきちんと語り尽くされる最後まで観てみたかった。
その補完とはまた少し違うのかもしれないが、DVD六・七・八巻には未放送分の『奇士神曲』獄一〜獄五が収録されており、本編終了後(話の中では半年後)の妖奇士たちを描いたこの「その後の物語」も、本編とは別のおもしろさがある。

最近のアニメからするとやや古くさいタッチの絵、煮え切らなくて不甲斐なくてずるくてダメダメっぷりばかり目立つ主人公、重くて後味も悪かったりするストーリー展開など、人によって合う合わないがスッパリ分かれる作品かもしれない。
私の場合はかなりツボだった。

それと萌えが満載なのも私的重要ポイント。
つうか往さんの萌え中年っぷりがハンパない!
なにこの無防備に受けオーラだだ漏れのかわいい39歳!(*´д`)
そしてまさか自分が馬x人間に萌える日が来ようとは、このアニメに出会うまでは予想もしていなかった……w
あとフンチラが大サービスで、褌スキーにも嬉しいアニメ。



マイ評価:★★★★☆
author : 四葉 | - | -