Date... - 07.14 23:50−
イギリスはフランスの家を飛び出すつもりだった……が、もう深夜で時間も遅いし、今から外に出たところで自宅に帰るのもホテルを探すのもままならないだろう。
頭に血は上っていたが、そういうことを考えられる程度には冷静な部分も残っていたようで、彼の自宅を出て行くことはせず代わりにバスルームの狭い脱衣所に閉じこもった。
直後、バスルームのドアをドンドンと叩く音と同時に、酷く焦ったフランスの声が聞こえた。
「イギリス、ちょっと…ここ開けろって! あれはそのー…違うんだよ、日本が変な方向に気を利かせて作ってくれたゲームで、別に俺が作ってくれって頼んだわけじゃないからね!」
「うるせえよバカ! そんなこと知るか!!」
「そんなに怒るなよー、……なぁ、腹減ってるだろ? カナダがさ、メープルシロップくれたんだよ。アメリカのケーキの他にも、今からホットケーキも作ってやるから出てこいよ」
そう言って、外からゴン、と扉に固いものがぶつかる音がした。
きっとメープルシロップの瓶の音だ。
フランスはドアの前で必死に弁解したりお菓子で釣ろうとしたりしているが、イギリスは扉の内側に座り込んで石のように動かない。
せっかく昨夜から誕生日を祝ってやろうといろいろ考えて、特別にブリタニアエンジェルの奇跡も見せてやったというのに、当の本人はあんなはれんち極まりないゲームを楽しんでいるとはどういうことなのだ。
いろいろな国が誕生日を祝いにくる奇跡を起こしたはいいが、フランスの家を訪ねてくる他国と鉢合わせをしないようにタイミングを伺っていたせいで、イギリスは昨晩からずっとパリにいたのになかなか彼の家に行けなくなってしまった。
フランスの方から なんで来ないの、 とか連絡をくれればすぐにでも訪ねていける口実になるのに、日付が変わる十分前になっても彼からの連絡などメール一つすらなく、それどころかあの変態野郎は二次元の世界に浸っていたというのだから虚しくなる。
けれども待ってた、という科白から察するに、フランスもイギリスが訪ねて来るのをずっと待っていてくれたのは間違いない。
(…それなら……まぁ、許してやらないこともない、か…)
正直に言うともうそんなに怒ってはいないし、なによりあと十分足らずでフランスの誕生日は終わってしまう。
それを考えると彼の誕生日を祝いたくてわざわざ来たのだから、いつまでも意地を張り続けるのはばかばかしく思えた。
別にその日のうちに祝いたいとかそういうことじゃなく、昨日の晩から丸一日、パリの街をうろついていた時間がもったいないだけだからな、と毎度のことながら素直になれない自分に言い訳をして、イギリスはようやくバスルームの扉を開けた。
すると突然ドアが開いたことに、フランスは驚いた様子で一歩後ずさる。
「い、イギリス……えっと…、開けてくれたってことは、……許してくれるの?」
「バカ、最初から怒ってねえよ」
イギリスはフランスの腕を掴んでバスルームに引き入れると、急いで扉を閉める。
そして少しだけ迷った後、思い切って先に服を脱ぎ始めた。
どうせこの後はシャワーを浴びて、ベッドで抱き合うだけなのだ。
時間も遅いし一緒に風呂に入った方が何かと都合が良い。
しかし何の説明もなくいきなり服を脱ぎ出したイギリスを、フランスは呆気にとられたように見つめている。
その彼の視線を感じてかーっと身体が熱くなり、イギリスは思わず声を荒げた。
「なにじろじろ見てんだよっ、お前もさっさと脱げ!」
「えっ」
「早く脱げっつってんだ、聞こえなかったのかよ?!」
「あぁ、はいはいわかったよ」
羞恥のあまり、いつものように怒った声音で怒鳴りながら鋭い目つきで睨みつけると、フランスは手に持っていたメープルシロップの瓶を洗面台に置いてシャツのボタンを外し始める。
先に裸になったイギリスは、洗面台に置かれたメープルシロップの瓶をじっと見つめてそれを手に取った。
(……メープルシロップか…)
瓶を見ているうちにカナダには申し訳ない使い道がもやもやと頭に浮かんで、 いやそれは駄目だろ、確実に変態扱いされちまう、 とぶるぶる左右に首を振るが、 誕生日だし、ちょっとくらいいつもと違ったことをしてもいいよな、それくらいしてやっても変じゃないよな、俺がしたいんじゃなくて誕生日だから変わったことしてやろうと思っただけなんだからな、 とイギリスの頭の中はメープルシロップを使ったあやしい想像でいっぱいになっていた。
手中の瓶をタオルでくるんでそれを持ったままこっそりバスルームに入り、シャワーから噴き出すぬるめのお湯を浴びていると、フランスも遠慮がちに中に入って来る。
恋人として付き合っているといっても、一緒にシャワーを浴びるなんて恥ずかしすぎて滅多にあることではないので、彼にとってはこの展開は想定外すぎて戸惑っているらしい。
「イギリス、……風呂入るならバスタブにお湯張るけど、どうする?」
「…ん、……じゃあ頼む」
温度を調節しながら、蛇口から勢いよく流れるお湯がバスタブを埋めていく。
イギリスはフランスの様子をちらちらと覗っていた。
この後のことを考えるとドキドキと心臓がうるさく鳴り始めて頬が熱くなったが、深呼吸を一つしてシャワーを止めるとそっとフランスの背後に回る。
「おい…、俺が身体洗ってやる。た、誕生日だからなっ、今日だけ、特別だぞ!」
「えっ! う、うん…じゃあお願いしようかな」
振り返ったフランスは、妙に緊張した様子で顔を赤くして頷いた。
そんな反応をされるとこっちも照れてしまうが、これからもっとすごいことをしようとしているのにこれくらいで照れている場合ではない。
イギリスはタオルの中に隠していたメープルシロップを取り出して封を開け、手のひらに中身を垂らした。
ふいにバスルームに漂った甘い香りに、後ろに顔を向けたフランスはイギリスの手元を見て ああー、 と慌てたように声を上げた。
「お前何やってんの?! それボディソープじゃないよ、メープルシロップだよ?!」
「……わかってる。いいから、そのままじっとしてろ」
イギリスはフランスの正面に回ると、彼の足下に跪くようにして濡れたタイルの上にしゃがみ込んだ。
そしてメープルシロップ塗れになっていたべたべたの手のひらで、直にフランスの性器に触れ指を絡ませる。
「え、ちょ、イギリス…?!」
その瞬間、小さく目の前の身体が揺れて、イギリスを見下ろす彼の青色の双眸と目が合った。
フランスの瞳は動揺と焦りを滲ませていて、普段の余裕のある表情とは違っているのがおかしかった。
シロップまみれのイギリスの手がフランスのものを包み、そのままきつく握って擦り上げる。
その少し乱暴とも思えるやり方でもあっというまにそこは熱を帯び、フランス自身はイギリスの手の中で硬く勃ち上がっていった。
自分が触れることで彼が感じてくれるのが、イギリスにとっても喜びをもたらす。
「…ちょっと擦ったくらいで硬くしてんじゃねーよ、……変態」
どこか楽しげなイギリスの声がバスルームに響いて、フランスは堪えるように息を詰め、硬く目を閉じた。
そんな彼の様子を満足そうに眺めながら手のひらに絡み付くシロップを塗りつけていくと、すっかりシロップ塗れになって張り詰めたフランスのものを躊躇うことなく口に含んだ。
フランス自身を覆うシロップを丁寧に舐め取り、イギリスの舌先が尖端の小さな穴を抉る。
上から下まで丹念に舐めて先の括れに歯を立てながら、口内に収まりきらなかった部分を手で扱いてやると、そこからじわりと先走りが滲んで甘いシロップに混じって苦い味が舌の上に広がった。
その何とも言いようのない生々しい感覚に、フランスはぶるりと身体を震わせる。
フランスとのセックスは毎回イギリスの方があれこれされてあっさりと理性をとろかされてしまうので、あまり聞き慣れない彼の掠れた声が頭上から下りてきたことで、感じているのを隠し切れていないその声音にイギリスは身体の芯がぞくりと疼くのを止められない。
誕生日くらいはたくさんいいことをしてやりたいと思う。
あんなゲームなんかより、現実の俺の方がフランスを喜ばせてやれるんだからな、とおかしな嫉妬心に突き動かされるように、イギリスは必死で彼のものを咥えた。
口内の熱を強く吸い上げるとかすかにフランスの身体が震え、その直後にイギリスの口腔内に熱い精が吐き出された。
「イギリス、…」
「…、……んっ、…ぅ」
放たれたものをすべて飲み下し、自ら塗りつけたシロップまできれいに舐めたあと、イギリスはようやく名残惜しそうにフランスから口を離した。
口元についたシロップと白濁を手で拭い、乱れた呼吸を吐くフランスを見つめて小さく笑うと、イギリスは吐息が触れ合うくらいの近さまで顔を寄せて、
「なぁ……、よかったか?」
と、甘えるような声音で問う。
めずらしくイギリスに主導権を取られてフランスは戸惑っていたようだが、すぐに薄く微笑って「うん」と答えてキスを返す。
顔を離すと彼はイギリスの両肩を軽く掴んでタイルの上に押し付けるようにして身体を倒され、再びフランスの顔がそのままゆっくりと近づいてきた
イギリスの濡れた唇を塞ぎ、薄く開いていた歯の間から舌を差し込まれ口腔内の粘膜をくすぐられると、さっきイギリスが舐めたシロップの名残か、キスはやけに甘い味がした。
唇を重ね合わせたまま、フランスの指先が肌を滑り下半身に下りていくと、まだ触れてもいないのに熱を帯び始めていたイギリス自身に直に触れる。
「っ、ん…、…」
敏感な箇所に触れられイギリスは小さく身体を震わせるが、それに構うことなくフランスの長い手指がイギリスのものを擦り上げ、直接的な刺激を与えてくる。
舌を吸われて呼吸すらまともに出来ず、行き場のない喘ぎを飲み込んだことで、喉の奥が痙攣するみたいに引き攣った。
フランスの唇から逃れるようにイギリスが顔を背けると、今度はその仰け反った首筋に軽く歯を立てて噛み付かれる。
「ぅ、あ…っ」
ぞくりとした感覚が背筋に走り、イギリスの身体が強張るがすぐに宥めるように背中を優しく撫でられて、硬くなっていた筋肉からすっと力が抜けていく。
縋り付くようにフランスの背に腕を伸ばそうとすると、ふいに彼は身体を起こし両脚を大きく開かされた。
フランスはその開いた脚の間に入り込み、指で弄って勃ち上がってしまっていたイギリスのものに、さっき自分がされたのと同じようにメープルシロップを垂らしていく。
「っフランス…!」
「俺にもさせてよ。誕生日なんだから、たまにはいいだろ?」
誕生日だから、なんて言われたら断れない。
誕生日じゃなかったらぼこぼこに殴ってやるのに、と思いながら、イギリスは目線を逸らして頷いた。
「……、きょ、今日だけ、特別だからなっ…」
「うん。メルシ」
嬉しそうに笑って、フランスの唇が鼻先に触れる。
それからすぐにどろりとした冷たいシロップが自分自身にまとわりつき、その感覚は何とも言えない奇妙な感じがして思わず咎めるようにフランスの手を掴んだ。
しかしフランスはシロップを塗る手は止めずに掴まれたイギリスの手をやんわりと解くと、シロップまみれになったそこに顔を近づけ、ふぅっと息を吹きかける。
そして彼の唇が直に触れイギリスの性器をくすぐるように撫で、尖らせた舌先が尖端の窪みをなぞっていくと、まるで電流が走ったみたいにびくりと身体が跳ねた。
フランスはイギリス自身を咥えたまま根元を支える手のひらで擦り、もう片方の空いた手が脚の間から後ろに回される。
フランスの手はその感触を確かめるように手のひらで柔らかな尻肉を揉み、割れ目を押し広げられた。
開かれた入口を弄る指先も、塗られたシロップでぬるりと滑り、小さく収縮する後孔の回りを濡らしていく。
「あ…、ぁっ、…ん、…」
くすぐったいようなむず痒いような微弱な刺激に身を捩り、フランスの手と口で与えられる愛撫に耐えきれず、イギリスは消え入りそうな声で喘いだ。
フランスは顔を上げイギリスのものから口を離すと、
「…お前の、すごく甘い」
と、そんなことを言って笑う。
その科白にかーっと頬が熱くなるのを感じて、それはメープルシロップのせいだろ、ばか、変態、となんでもいいから言い返してやろうと口を開いたが、言葉を発する前にフランスの唇がイギリスのそれに重ねられ軽く吸い上げられた。
互いの舌が触れ合い、食むように甘く噛みつかれると、彼の手中の自分自身も素直な反応を返す。
角度を変えてキスを繰り返し、イギリスの根元を握っている手で何度も強く擦り上げられると、まなじりにうっすらと浮かんだ涙の膜で緑色の瞳が潤み始めた。
フランスが触れた箇所はどこもかしこもびりびりと熱く痺れているような気がする。
そうしてイギリスの身体からすっかり力が抜けたのを確認して、フランスは後孔に当てていた指をそっと体内に差し込んだ。
内部を探るようにゆっくりと傷つけないように少しずつ奥へ進めていくと、イギリスは眉を寄せてフランスの背中に腕を回してしがみつく。
「んッ…、く……」
入口を広げるように中を指で掻き回され体内に燻る熱が大きくなっていくと、意図しなくても行為に慣れた身体は勝手に反応してしまい、差し込まれたフランスの指を離すまいと締め上げた。
フランスに触れられるのは好きだ。
こうして彼の手の熱を感じているだけで、いつもイギリスはおかしくなるほど気持ち良くなってしまう。
フランスは数回抜き差しをしただけでイギリスの中から指を引き抜くが、間を置かずにぬるぬるとしたものが後孔に触れてくる。
下肢に目を向けると、フランスの指先には水と混ざり合って溶けたシロップがべったりとつけられていて、それが再度体内に浸蝕してくる彼の指の動きをスムーズなものにしていた。
「フランスッ、…てめ…、なかに、ヘンなの入れんなよっ…!」
彼の胸に手をついてどうにか上からのし掛かる身体を押し返そうとするが、中に突き立てられた指を動かされると覚えのある疼きが体内の芯を灼き、抵抗することもままならなくなってしまう。
そうなるのはフランスにこんなふうにされるのを、本心では望んでいるからだ。
それを知っているかのように、彼は自分の胸を押すイギリスの手を取り、その手のひらにそっと口付ける。
「こういうプレイがしたかったなら、言ってくれれば良かったのに。誕生日じゃなくても、お兄さんはいつでも大歓迎だぜ?」
からかうようにそう言って、溶けたシロップを潤滑油代わりにイギリスの内部を掻き回した。
「っ、…そんなわけあるかっ、…今日は特別だっ……ばかっ…!」
「なんだ、残念。じゃあ今日のうちにたっぷり楽しませてもらおうかな」
イギリスがフランスにしてやりたかったのに結局逆転してしまって、出来るものなら舌打ちの一つもしたかったが、口から出てくるのはみっともなく掠れた喘ぎばかりだった。
フランスの指が出入りするたび下肢に熱が溜まり、散々肉壁を擦られて中は痺れたように感覚がおかしくなっていく。
十分なほど解されてとろけた内壁は、メープルシロップと先走りの精でどろどろになっていた。
「…は…、あ、ぁ…」
イギリスの快感に潤んだ瞳が虚ろな色を帯びて、唾液で濡れた唇から甘い吐息が零れたとき、いつのまにか三本まで増やされていた指が一気に抜き取られた。
中を満たしていたものが出て行った物足りなさを訴えるかのようにヒクついている後孔に、フランスは熱くなった自分自身を押し当てると、互いの体温を馴染ませながら少しずつ腰を進めていく。
「…ふ、フランス…っ、…」
「うん。……背中痛くない?」
「ん、…」
必死に頷くと、濡れた音を立て狭い入口を割って彼の熱が挿し入ってくる。
体内に入ってくる圧迫感に苦しげな呼気を漏らすとフランスは一瞬動きを止め、額やまぶたにキスをして熱のこもった吐息とともに
「ごめんな、…俺ももう我慢できない」
と耳元で囁いた。
もう何度も繰り返した行為だけれど、こうしていれられる瞬間だけは未だ慣れない。
伸ばした足がメープルシロップにぶつかって、倒れた瓶からシロップが零れてタイルの上に流れ、一気に広がっていく。
ああ、せっかくカナダがくれたものなのに、と霞掛かった頭の隅で認識したけれど、指とは比べものにならない質量が内部を貫く感覚に、すぐに余計なことを考える余裕などなくなって、イギリスは思わず呼吸を止めてフランスにきつくしがみついた。
「あ、……ぁっ」
「…イギリス…、ゆっくり息を吐いて…」
まるで小さな子供をあやすみたいな優しい口調で言って、もう一度触れるだけのキスを落とす。
時間をかけてイギリスが落ち着くのを待つと、フランスは軽く腰を揺すり上げてさらに奥へと沈めていく。
指で慣らされて柔らかくなっていたそこは先端の張った部分を飲み込むと、あとは中に塗られたシロップで滑ってさして苦もなくフランス自身を根元まで咥え込んだ。
「……苦しくない?」
少しだけ息を乱して問うフランスに、イギリスは首を縦に振って頷いた。
自分を見下ろす彼の表情は他に例えようもなく扇情的で、見ているだけで心拍数が上がってしまう。
……繋がったところから、フランスの熱を感じる。
それだけで彼を受け入れている肉壁が蠢動し、その形に合わせるかのようにフランスのものを包み込んだ。
荒い呼吸を吐きながらふたりの体温が溶け合う感覚にすべてを委ねるが、なかなか動こうとしないフランスに痺れを切らしてイギリスは自ら緩く腰を揺らした。
「おい、…早くしろよっ、…もう、大丈夫だから…」
続きをねだるような甘さを含んだ声を聞いて、フランスは欲望のままにイギリスの中に自分自身をねじ込み突き上げ始める。
ぐり、とフランス自身の先端がイギリスの中の一番深いところに当たって、そこから急激に熱と快感が全身に広がっていった。
背中がタイルに擦れわずかに痛みを感じるくらいに激しく突き入れられ、がくがくと身体を揺さ振られて堪える間もなく迫り上がってくる快感に意識が浚われる。
フランスを受け入れている結合部はシロップと白濁が混ざり合って泡立ち、酷く淫猥な水音を響かせていた。
「あッ、……は、…ッ、フランス、…!」
「やっぱり、…ゲームより本物のイギリスの方がいい」
「当たり前、だっ……ばかっ」
途切れ途切れにそう言って、最奥まで貫かれたとたんにイギリスは硬直したように背を反らし、大きく身体を震わせて達してしまった。
そのあとフランスも自分の中で果てたのをぼんやりと感じながら、そこから先の意識は徐々に薄れていき、いつしか途絶えていた。
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それからどのくらい眠っていたのか、イギリスが目を覚ましたのはフランスのベッドの上だった。
(あれ…? 俺、…なんで)
昨夜、あのあと自力でベッドに入った記憶はない。
それならフランスがここまで運んでくれたのだろう。
そう思って目線だけ隣にいるであろう彼に向けると、ベッドにも部屋の中にもフランスの姿は見あたらない。
身を起こしてベッドから下りると、昨夜の行為の名残か、中に塗りつけられたメープルシロップとフランスの放った白濁が混ざり合った粘液がとろりと零れる不快な感覚に顔をしかめる。
あの変態野郎、誕生日だからって好き勝手やりやがって、ぶっ飛ばしてやろうかと固く拳を握るが、何だかんだ言っても まぁフランスならしょうがねえ、 と理由になってない理由で納得してしまうのだから、自分も相当に重症だ。
こんな屈辱的なことを許して、むしろ彼にならそういうことをされてもいいと望んでしまっているのだから。
そんなことを考え出したら何となく気恥ずかしくなってしまい、イギリスはぶるぶると頭を振ってフランスのことを思考の隅に追いやる。
ともかくいつまでも全裸でいるわけにもいかないし、とりあえず身体をきれいにして着替えてしまうことにした。
バスルームへ向かうと、そこにはフランスがいた。
彼は泡だらけのスポンジを手にタイルを擦っていたが、イギリスに気付くとその手を止めてこちらに振り向いた。
「あ、起きた? ご飯できてるぜ」
「ああ、…あとで食う。つーか……何やってんだよ」
「いや、昨日メープルシロップ零しちゃっただろ? シャワー浴びようと思ったらタイルがべたべたでさー……まいったよ」
タイルを見ると確かにメープルシロップがこびりついてしまっている。
でもこれは調子に乗ったフランスが悪いんだからな、と必死に掃除している彼を無視してシャワーを浴び始めた。
すると背後からいきなりぎゅっと抱き締められ、イギリスはびくっと肩を跳ねさせる。
「なにすんだよっ、…てか、服濡れてるぞ…!」
「…昨日はありがとな。最高のプレゼントだった」
「…………!」
ゲームの中のフランスもそんなことを言っていた。
日本はどんだけ俺たちの行動パターンを把握してるんだよ、と不思議に思ったが、今のフランスの言葉はイギリスが一番聞きたかった科白だ。
嬉しくて頬がゆるむのを抑えきれず、彼の胸に擦り寄るようにして身体を預けると、イギリスは満足そうに微笑んでゆっくりと目を閉じた。