※赤い文字色のページには性描写があります
「ケッ、何か中で変なのが擦れると思ったら、お前の裏スジかよ」
「はぁ? 今更何言ってんだよ。ガンガン腰振っときながらよく言うぜ」
「それはコイツのケツが凄ぇイイからだよバーカ」
男の下品な会話も耳に入らない。いや、入っては来るのだが、内容を理解するほど頭が回らない。裂けっ放しの後穴から潤滑油混じりの血液を落としながら、暮羽はもはや声も出せなくなった涎まみれの口と、涙だけは止まらぬ瞳をぽかんと開けたまま、前後を挟む男達にされるがままになっていた。後ろから突き上げられる。前から串刺しにされる。互いに自分の好きなように腰を動かすので、相変わらず息が合ってない。痛い。熱い。いっそ死ねたらどれだけ楽だろう。そんな事まで考えてしまう。二人の動きが徐々に速くなる。それに合わせて前から後から顔にかかる生温かい吐息が細かく降りかかる。まるで、絶頂が近い時のような……え?
「!?」
紗のかかっていた暮羽の瞳が急速に光を取り戻し、不安げに自分の揺さぶられ続ける下半身を見下ろした。大男の方が先に気付いて、背後から暮羽の震える耳朶を吸った。
「お、ちょっと正気に戻ったか? もしかして、俺達がイキそうって気付いちゃった?」
「イ、イキそうって……! ま、待てよ!! 抜け!! 抜けッて!! このまま出されたら、マジで変になっちまう!!」
「ハハッ、さっきまで泣き喚いて汚ぇアヘ顔晒してた割には、結構ハッキリ意思表示できるじゃねぇか。中々根性あるのな」
「う、うぅうう!! 嫌だ……!! 頼むから、抜いてくれェ……!!」
すっかり嗄れた声を振り絞って懇願する暮羽の頬にピアスの男の薄い唇が近付いて、涙の線を舌でなぞる。温かくぬめる不快感に身体を縮めていると、目の前の男は優しい声で耳打ちして来た。
「心配すんなって。ちゃんと抜いてやるからよ」
「え? あ……」
予想外ながらも有難い言葉に思わず感謝の念さえ抱き、我知らず泣き顔が緩みかけたのも束の間。
「てめぇのケツでヌクって意味でな!!」
「ッ!! ふ、ふざけ……ェ!! ひ、ぎ、ぎゃあぁああ゛ああ!!」
男の一言を合図に後ろの仲間も後ろでクックと笑って忙しなく動き出し、無惨な裂傷がさらに拡がった事を示す激痛と、思い切り持ち上げて落とされたような絶望感から暮羽は自分でももう出ないと思っていた叫喚を爆発させた。
「うあぁああああぁあ!! い、痛、痛ェ! だからっ、動くなって!! 動くな!! 出すな!! ああぁああ゛ああぁあ゛あ!!! もう、ホントに、嫌ッ、だぁあああ!!!」
「ったく、うるせぇなぁ。いくらそそると言っても余りギャーギャー叫ばれると、醒める、って、の!」
「―――――!!!!!」
男の小刻みな言葉と共に暮羽が突如真っ赤な瞳をカッと見開いて叫びをピタリと止めたのは、彼の腸道に勢いも熱も質も量もそれぞれ違う白い濁流が迸った瞬間だった。もう滅茶苦茶になったのであろう内蔵を焼き払った熱は、波となって出口へと、肛口へと戻って来る。
「はー、出た出た。よし、じゃあ俺から先に抜こうかな」
ピアスの男が満足気な溜め息を吐いて動かぬ暮羽から腰を離し、仲間の離脱と同時に背後の小山男も暮羽から少し萎びた一物を引き抜く。大きく開かれたままの暮羽の両足の中心部から、雄二体分の精汁と暮羽の血液が混ざり合った体液がゴポッ……と決して耳心地の良いとは言えない音を立てつつ溢れ出て、床の血溜まりの上にボタボタと落ちていった。
「おーい、生きてるかー? あーあー、すっかりちんこ縮み上がっちまって」
後ろで暮羽を抱えたままの男が肩越しに声をかけつつ、その股の間で男の象徴としては頼りない体を成している肉茎を覗き見て笑っていると、生気を失って人形のようになっていた青年の身体が不意にピクッと小さく震え、血色のない唇の隙間から小さな揺れ声が漏れ、その音は少しずつ大きくなって行く。
「……ぁ、ああぁ……あ、あぁああ……! いあぁああああぁあ!!!」
「ん?」
暮羽の異変に怪訝そうな顔を浮かべた大男だったが、次の瞬間にそれは崩れた。萎えきって縮んだ彼の先端から小水が存外勢いの良い弧を描いて飛び出して、結構な水音を立てながら床を濡らしていくではないか。男は頤を解き、暮羽の痴態をもっと見せてやろうと両足をより大きく広げた。
「オイ見ろよコイツ! ションベン漏らしてるぜ!! ザーメンじゃなくてションベン出すなんてレベル高すぎだろ!! ぎゃははははは!!」
「うわ、マジだ! あんなに威勢のイイ事言ってたのに、だらしなく垂れ流してやんの!! あははははは!!!」
「ケツの穴から中出し精液零すし、ションベンは垂れるしどうしようもねぇなコイツ!!」
「あー!! ぁあああ!! 見るな!! 見るな!! や゛めでくれえぇえええ!! うぁあああぁ!!!」
男の哄笑が仲間達に伝染し、下劣な爆笑が地下牢にさんざめく中でパシャパシャと音を立てて床のコンクリートに湯気立つ溜まりを作る青年は、枯れ果てた濁声の絶叫を繰り返し、両手を手錠に繋がれてもなお、恥辱を晒す局部を何とか隠そうとしたが、鎖の中心を別の男に横から強く引っ張られる事で妨害される。上半身を軽く斜めに捩じられた体勢の彼はヒッ、ヒッと息を引き攣らせて泣きじゃくり、喚いた。
「ひ、ひっく……ぃやあああぁあああ!! 頼む、からっ、止まってくれェえええええ!!」
恐慌の余り、とうとう自分ではあまりどうにもならぬ生理現象に対して懇願し始めた暮羽の不憫な姿を男達は何やら囃し立てながら指さし、腹を抱えて笑い転げた。
「…………」
鉄格子を握ったまま俯く風薙の髪を遠目で宴を堪能していた痩せ男が引っ掴み、無理やり顔を上げさせた。風薙の眼前には見ているだけで溜飲が走る異常な陵辱劇。耳を塞ぎたくなる男達の哄笑。眼を伏せたくなる暮羽の醜態。風薙を襲っていた痴熱はとっくの昔に消え失せて、熱を帯びていた肉根は今や暮羽のそれと殆ど変わらぬ位に萎えきっていた。痩せ男が格子越しに風薙を舐めるように見て言った。
「どうだ? 憧れの先輩が野郎に掘られた挙句、派手に小便漏らして泣き喚いてる様は。幻滅しただろ」
「!」
憧れの先輩。男の一言に風薙は一瞬眼を剥いたが、即座にその瞳子の光は消え失せ、瞬きと共にふっと細くなった。まさかあの小さな学生証一枚で自分の彼への想いが分かる筈がなく、憧れ云々と言うのは、男が頭に浮かんだままの台詞を何も考えずに言っただけなのだと咄嗟に判断出来たからだ。
だが。
「…………」
男にばれぬように風薙はそっと瞳を下に落とした。例え、男が適当に言ったとしても暮羽への憧憬は事実であり、何気ない言葉に心を深く抉られるのを感じる。風薙はくっついたままの上下の唇をほんの少しだけ離し、中心部に小さな穴を開けた。幻滅なんてするわけがない。そう思う彼が僅かな隙間から零す言葉は
「暮羽さん、ごめんなさい……」
すぐ近くに立つ男にも聞こえないほどの微かな声で風薙は呟き、目縁を濡らした。
派手な放水もやがて弱まり、先端から残り水をちょぴ、ちょぴっと数度飛ばした後は雫が床に落ちて行く。その間、ずっと暮羽を抱え続けていた男は小刻みに震える彼の耳元に口を寄せた。
「おしっこ、いーっぱい出まちたねー♪」
幼子を相手にするような優しげな口調と声だったがその行動は裏腹で、持ち続けていた暮羽の両膝裏から手を離して半ば捨てるように放り投げる。脱力したままの暮羽の上半身が己が出した小水の海に水音と共に滑り込んだ。
「ひッ……! う、うわあぁああ!」
自分が出したとは言え、触れたいものではない温かな排泄液から慌てて身を起こすと、目の前にあの醜い肉蛇がいた。血と精と油にまみれて、より不気味に、より醜悪になった赤黒蛇に高音の息を小さく飲み込む暮羽の反応を見た蛇の主のピアス男は満足そうに笑んだ。
男の手が伸びる。四つん這いの青年のくすんだ金の髪を掴む。青年が何やら喚いてもがく。騒ぐ口を塞ぐように男は肉を突き入れる。光を取り戻しかけていた青年の濡れた瞳がまた仰向いた。
「んぐ、うぅ……おごッ……!!」
口に広がる味と臭いに胃の辺りが熱くなった。血と、精液と、潤滑油と。いや、それだけじゃない。この、ニオイ。この、味。これが何であるか具体的には分からないが、今自分が咥えている肉棒は今まで何処に入っていたか。思い出した瞬間に鳩尾が焼け、強まる熱が一気にせり上がって来た。
「顔青いぞ? 大丈夫か?」
口では心配しているがその腰はより深く突き出されて、太さは平均的だがやたらと長さはある凶器が暮羽の喉の奥まで侵入してくる。口蓋垂を突付き、より深みまで行って咽頭を抉ると、その刺激によって暮羽は大きくそびやかした肩を上下させ始めた。相手の状態を容易に理解した男は冷酷な笑みを浮かべ、トドメを刺すように腰をうねらせて己の先端で暮羽の反射中枢を擦る。耐え続けていた熱が一気に決壊した。
「ぐ、ぐぶっ、んぐぉ、うぐぉうおぅううううう!!」
頭を男の股座に固定されているので口を離す事が許されず、僅かな隙間から吐瀉物がドロドロと零れ出て床に置かれた暮羽の手の甲に滴り落ち、行き場を失った反吐の一部が逆流して、粘液を垂らしていた鼻の穴から溢れ出す。鼻の中を焼く酸の痛みと鼻腔にこびり付く独特の臭いに、痙攣を繰り返す暮羽の双眸から大粒の涙が止め処なく流れた。
「お前、そんなケツ掘ったばかりのちんこしゃぶらせるとかヒデェ事すんなよ。ゲロ吐いたじゃねぇか」
「ははっ、ゲロは臭ぇけど温かくてぬるぬるして、臭いさえ我慢すりゃ結構気持ち良いぜコレ」
「んぶ、ぅごぉ……ううぅううぐぇえ!!」
胃液が溢れ返る口内にさえも性的快楽を得ている悪趣味な男が臀部を前後させる度に暮羽の口から唾液混じりの吐物が洩れる。
その悪夢の時間が数分ほど流れた後、男は少し苦しそうに息を詰まらせて暮羽の髪を強く掴んで揺さぶった。
「よ、よし、お前のそのゲロオナホに出してやるからな。全部飲めよ。良いな? 今、お前の口の中にあるヤツ全部だぞ……!?」
「んぐぶ!? うんううう!! うううぅうううう!!!」
余りにも酷な男の命令に暮羽は青白い顔を今の自分に可能な限り横に振るが、男もまた間近に迫る吐精の瞬間に煽られているのか何処か切羽詰った様子で首を振り返した。
「てめぇに拒否権なんざねぇんだよ!」
「うっ、うっ、うごぅ!! うんむ、おぅぐぅうううぅうう……!!!」
鼻先に男の縮れた毛が絡むほどに顔を相手の腰に貼り付けられ、凄惨な状態になっている暮羽の口内に新たな体液が勢いよく射出された。飲めと言われても到底無理だが、とにかく息苦しい。鼻も口も塞がれて、このままでは窒息してしまうかも知れない。思い切り息がしたい。息をする為にはとりあえず口の中を空にせねばならないが、この状況では口を離す事は難しい。つまり、残された選択肢は
「ふ、ぅ……う、ぐぅ……ん、んぐッ!!」
一度飲み込めば、身体は案外受け入れてくれるかも知れない。少しだけ、少しだけ嚥下してみる。喉仏が小さく鳴り、上下する。
瞬く間に喉が異常過ぎる侵入者を拒み、無情に突き返し、それは無惨に逆流した。
「んぅう……!! う、う、うぉえっ! うげぇええっ!!! おえっ、えっ、う゛おえぇええぇええええ!!!」
一瞬だけ出せた超人的な力で男の拘束から自分を解放出来た瞬間に大きく開いた口から噴水のように吐瀉物が飛び出し、様々な体液で汚れた床にみるみる拡がっていき、蹲った身体をビクビクと跳ねさせながら内蔵まで飛び出してしまいそうな激しい嘔吐を繰り返す暮羽の顔にまでピチャピチャと飛沫がかかった。
「あ……あぁああ……ああぁー!! あぁああ゛ああ゛ぁああ!!!!」
完全に錯乱し、大量の吐物の上で鼻から口から粘る糸を垂らし、獣の咆哮の如き哭泣をする暮羽を男達がせせら笑う中、やがて暮羽はゴボゴボと嘔液の欠片を零しながら濁った音で咳き込み始め、大柄な男が彼に近付いた。
「おーい、ゲロ詰まらせて死ぬんじゃねぇだろうな。流石にしょっぱなから死ぬのは勘弁して欲しいんだがなぁ? よっし、ちょっと背中叩いてやるよ!」
言うや否や、男は祈るように組んだ両手を振り上げる。別の獄の方から、やめろと言う叫び声が聞こえた気がしたが、大男はそれに構わず、両手を咳き込む暮羽の丸まった背中に向かって打ち付けた。
「ッ!!! ごぶォっ……!!」
背中からの衝撃に窄めた口から新たな胃液を吹き出し、汚物の海へと顎を打ちつけた暮羽の少し掲げられた腰が微かにヒクつき、背中を打たれた事で思い出したかのように陰穴から白濁の残り滓を零し落とす。何処までも自分達を楽しませてくれる玩具に男達が改めて笑罵するが、当の暮羽は、その声も全く聞こえぬ様子で、ヒュウヒュウと小さな隙間風のような呼吸を繰り返し、横倒れになった身体を細かく跳ねさせた。
不意に、別の場所から液状の何かが床に叩き付けられる不穏な音が響き、暮羽に注目していた男達は訝しげに振り向いた。視線の先には彼らが半ば存在を忘れていた真っ青な顔の風薙が、重ねた両手で口元を覆っており、その手の隙間から暮羽と同じように嘔液をトロトロと零し落としていた。
「ご、ごほっ、ごほっ、う、うぅ……うぇっ……く、暮羽、さ、ごめっ、ごめんな、さい……うええ゛えぇえええ!!!」
見た瞬間に誰もが悪心を覚えるであろう目の前の惨状と鼻を刺す臭い。そして、自分の身代わりとなって虐げられてしまった暮羽への強い罪悪感に押し潰された風薙もまた、その身には強過ぎるストレスに促されるままに戻し続けた。苦しいのに、止めたいのに止まらない。酸に焼かれる胃から熱がどんどん突き上げられて、とても口にとどめられないそれはアッサリと体外へと飛び出して行く。床を向いたままの風薙の耳に入るのは外道達の楽しそうな会話。
「おーい、こっちの方も吐き始めたぜー」
「無理もねぇだろ。コイツがションベン漏らしたりゲロ吐いたり滅茶苦茶するからなぁ」
「にしても、ひっでぇ臭いだな。換気してるけど全然間に合わねぇわ。ちょっと上行って掃除用具取って来ようぜ」
複数人分の足音が遠ざかり、階段を上っていく。残った男が侮蔑的な事や卑猥な台詞を自分達に向かって言っている気がするが、まともに聞く気になれない。暫し後、ガチャガチャと何かをぶつけ鳴らしながら足音が戻って来た。横たわったまま動かなくなった暮羽の眼前に洗剤のボトルやら何やらが入ったバケツがガンッと乱暴に置かれ、バケツに入りきらぬ掃除用具がバラバラと周りにばら撒かれた。
「道具置いて行くからよ。俺達がまた来るまでに綺麗に掃除しとけ……って聞いてねぇのか?」
気を失っているのか放心状態なのか、瞳をぽっかりと開けたまま何の反応も示さぬ暮羽に痩せ男はチッと舌打ちをし、牢の中の風薙に向き直った。目が合った瞬間にビクッと肩を上下させた風薙を見て、男はクッと小さく笑う。
「コイツが目ぇ覚ましたら後始末するように伝えとけ。お前もコイツに道具借りてそのゲロ綺麗に片付けとけよ」
「よっし、じゃあ行こうぜ」
「なっ……」
場を立ち去ろうとする男達に風薙は小さく息を呑んだ。彼を、暮羽を、自分のいる牢へ戻せるようにはしないのか。
「ま、待て! 暮羽さんを、こっち側に戻せるように……」
「はぁ? コイツはこれからずっとお前とは別牢だ」
大男の言葉に風薙は大きく目を見開いた。何故なら、暮羽がいる方は……
「そ、そっち側はトイレもシャワーも何もないじゃないか!! 暮羽さん汚れてるし、トイレとかどうするんだ!!」
「道具の中にウェットティッシュとかあるからよ。それで拭いとけや」
「それに、こんなにションベン垂れてゲロ吐いてるのに今更便所も何もねぇだろうが。そいつが便所行きたがったら、その辺に垂れ流せって言っといてくれな。アハハハハ!!」
「そ、そんな……そんな……」
血の気の引いた顔を慄かせる風薙に慈悲の欠片もない笑みを与えて、非道な男達は牢を後にする。
ガシャン……。
重たい鉄の扉が閉じる音が冷たく響く中、風薙は微動だにせぬ暮羽を呆然と見遣った。