※赤い文字色のページには性描写があります
「うんッ、んぅ、あ、あっ、あうッ、はぁ……」
自分達を盗み撮りしていたビデオの存在を知らされて一週間ほど経っただろうか。その日も男達の欲望の餌食にされ、背後から繰り返し襲い来る肉杭の衝撃に喘ぐ暮羽の顎を痩せ男が掴み上げ、その紅潮した顔を覗き込んで唇を歪めた。
「コイツ、結構メスの顔になって来たよな」
「あ? やっぱり? 最近は何だかんだ言いながらもイク事があるもんな。最初の内は全くちんこ勃たなくて不感症かと思ってたのが嘘みたいだぜ」
仲間の会話を聞きながら、暮羽の両腕を後ろから引いて狼藉を加え続ける坊主の男が暮羽の耳朶を唾液で溢れた舌でねっとりと舐めた。
「ヘヘッ、よしよし、お前をちんぽ好きのエロ雌に仕立て上げてやるからな」
「い、嫌だッ、嘘だ……な、何が雌だ!! ううんぅぐ!!」
抗議をしようとする暮羽の口に痩せ男の細長い肉管が入り込み、温かな舌に擦られた雁首が呆気なく苦汁を滲ませて暮羽の味蕾を刺激する。前後の口を攻められて苦しげに足掻く暮羽を相変わらず直視出来ない風薙は牢の中で体育座りをし、立てた両膝に額を乗せて目を閉じていた。
敏感な聴覚が暮羽の呻きを、ぶつかりまぐわう肉の音を、男を舐る濡れた音を鋭く捉えて風薙を刺激し、全身の血液を沸騰させる。
……熱い。心の中で呟いてそっと眼を開けると、長い監禁生活の中ですっかり汚れてしまったズボンの中心部の盛り上がりが真っ先に視界に飛び込み、そのテントの先端に小さく滲んでいる染みが後に続いた。茹だった血が脳に回って頭がカッと熱くなり、既に赤らんでいた頬の色を余計に強める。
「うぅ……」
無意識に漏れた風薙の熱っぽい吐息を耳ざとく聞いた男が唇を吊り上げ、聞こえよがしに声を張り上げた。
「なぁ、コイツが俺達に掘られて勃つようになったのって後輩ちゃんのフェラでイカされてからだよな?」
「!」
男の声に思わず頭を上げる風薙の強張り顔をニヤニヤと見ながら仲間達も乗ってくる。
「そうそう、何だかんだで後輩ちゃんのおかげで俺達もコイツもより楽しめるようになったんじゃね?」
「それじゃ、アイツにご褒美あげないとな」
先に暮羽の肉体を貪り終えて手持ち無沙汰だったらしい男達が風薙のいる牢の錠を開けて、どかどかと入り込む。
「く、来るな!!」
「ングッ、んっ、ぷはッ、はぁ、はっ、やめろ!! そいつを巻き込むのだけはやめ……んぶぅ!!」
風薙の息を呑みながらの叫びに、暮羽も口を男の腰から引き離して大声を上げるが、即座に痩せた男がその体液に濡れた柔らかな唇に己の雄棒を埋め直してくる。
「いいからアイツの事はほっといて、こっちに集中しろや。今のお前の相手は俺達だぞ?」
「ふぐっ、うぅうッ、んう、ぐぅ、ん、んッ!!」
黄蘗の髪を掴まれ、頭をガクガクと荒々しく揺すられながらも、黒目だけを何とか横にずらす暮羽の視野の中で、拒絶の叫びを繰り返す風薙が男に手錠の鎖を引っ張られ、牢の外へと引き摺り出されようとしていた。
「後輩ちゃん、これは何なのかなー?」
「っ!!」
坊主男に腰を打ちつけられる暮羽から少し離れた場所でズボンの上から汁滲む局所を男に撫で擦られ、瞳を閉じて唇を噛み締める風薙の肩に馴れ馴れしく腕を回しながら、男は無骨な手の動きを止めずに続ける。
「あーあ、凄ぇ硬くしちまって。お前、カメラの存在教えてから一回もオナニーしてないよな? 別に気にしないでシコっていいのによ」
「…………」
確かに男達によって盗撮されている事実を知らされてから、風薙は暮羽を想い犯して自分を慰める行為をパッタリと止めたのは事実であったし、
「一週間近くのオナ禁は流石にキツイだろ。そろそろ限界じゃね?」
男の指摘通り、肉砲が暴発寸前なまでに欲望を溜めているのもまた事実であった。現に、本来なら気持ち悪さを覚えたであろう男の手による玩弄でさえも今の風薙には耐え難い快感を与え、我知らず下半身が幾度も揺れてしまい
「うぅ、あっ、う、そ、そこ……んっ……」
理性が制止するよりも早く、しどけない声を漏らしてしまう。
「おっと、まだイクんじゃねぇぞ。……おい、まだ終わんねぇのかよ」
粘着的に動かしていた手を案外アッサリと風薙の布の張りから離し、暮羽との交合を続ける仲間に少し苛立たしげに声をかけると、坊主の男がやや切羽詰った様子で振り返った。
「そんなに急かすなって。もうちょっとしたらコイツの中に出すからよ」
「うっ、うぐっ、ん、んむうぅぅう!!」
必死に頭を左右に振って拒みの意を示す暮羽の両手首を掴んでいた坊主男がその手を暮羽の腰の方へと移動させて、殆ど動かなかった其処を強制的に揺すって己の射出を促させる。その動きは必然的に暮羽の口腔の前後運動も激しくさせ、絡みつく舌に、程良い硬さの上顎に、温かく滑る粘膜に、肉樹の先端や幹を擦られる刺激に呑まれかけた痩せ男が間抜けな喘ぎをうっかり漏らした。
「う、うおっ、何だコイツ、エロい舌の動きしやがって! そんなにザーメン欲しけりゃくれてやるよ!」
半ば逆切れ含みの台詞を吐いた男は、まずは前の口を戴いていた方が暮羽の顔から勢い良く一物を引き抜いて、そのまま尿道を破裂させた。思わず甲高い声を短く飛ばす暮羽の顔に、見かけだけは練乳によく似た種汁が叩き付けられ、粘度の高いそれは重たげな糸を引いた。鼻に引っ掛かっている白糸の中々慣れぬ青臭さに顔を顰める暮羽だったが、その表情は瞬く間に驚愕に変わった。
「あ、あ、あ……」
精にまみれた唇の震えに合わせて揺れる声を漏らす暮羽の後ろの接合部から、顔にかけられている物とは微妙に粘度と色が違うやや透明がかった白濁が隙間から溢れて零れ落ちる。あー、悪ぃ悪ぃ。言っている台詞とは裏腹にちっとも悪気を感じぬ坊主男の声がボンヤリと聞こえた。
「ちゃんと出す時には言わなきゃならなかったかな? いきなり中出ししてビックリさせちまったなあ」
後ろの男もハハッと適当に笑って下半身を後退させると、一呼吸の後に男の雄茎のサイズそのままにポッカリ空いた後孔から男の種液が白い芋虫のような固まりとなって頭を出し、虫はそのまま床へと飛び降り砕け散った。漸く解放され、力なくコンクリートに突っ伏して荒い呼吸を繰り返す暮羽だったが、その背中に浴びせられるのは余りにも非情な言葉。
「はい、お待たせ後輩ちゃん♪ 憧れの先輩を思う存分犯してやりな」
暮羽と風薙、二人の顔が同時に凍て付いた。暮羽の青い顔は恐る恐る背後の風薙を見遣り、風薙の赤い顔は戸惑いと不安と、そしてほんの微かな期待が交錯した様子で暮羽を見下ろした。暮羽の湿った瞳と風薙のたゆたう瞳が交錯するが、どちらも全く動かない動けない。氷像と化した二人を男達は笑って見ていたが、やがて解凍までの時間が勿体なく感じたのか誰からともなく二人に歩み寄り、その数歩の間に阿吽の呼吸で役割分担をした。数人がうつ伏せになっていた暮羽の身体を雑に裏返し、残りの数人が首を振ってもがき騒ぐ風薙の手を引き背を押して、暮羽の方へとジリジリと近付けた。
左右に分かれた二人の男が暮羽の足首を引いて両足を限界まで広げさせ、その中心では頭をもたげかけた暮羽の分身がゆらゆらと微かな揺らぎを見せている。暮羽は精に濡れたままの顔を横に捻り、耐え難い屈辱に目をギュッと閉じた。
その生々しさに思わず眼を奪われて生唾を飲み込む風薙は、自分の周りを密かに包囲している男達の存在に全く気が付いていなかった。
そして、次の瞬間。
「っ!!! や、やめろっ……離、せ!!」
誰かが風薙を羽交い絞めにし、誰かが彼の汚れたズボンのベルトを外し、誰かがそのズボンを下着ごと引っぺがし、誰かがそれを雑に丸めて何処かへと放り投げ、誰かが彼の名を叫んだ。とうとう暮羽と同じ一糸纏わぬ姿にされてしまい、今更の恥辱に泣きじゃくる風薙の背を誰かが押し、誰かが落ち着き無く振れる彼の屹立を握った。風薙の本体を握った誰か……大柄な男が粘つく声で言う。
「へへっ、可愛い後輩ちゃんに入れられたらコイツも喜んでイッてくれると思うぜ?」
「む、無理だ! そんなの、出来ない!」
何とか理性に縋り付いて拒む風薙の叫びを聞いた男は額に青筋を浮かべて怒鳴り散らした。
「毎日のようにコイツをオカズにシコッてたくせに今更ぶりっこしてんじゃねぇよ!! ダラダラ我慢汁濡らしやがって……ホントはヤりてぇんだろ!?」
「でも、でも、こんな!! あっ、あっ!! い、嫌だ、やめ、やぁああ!!」
大男が持ち前の力で風薙の陽物を乱暴に引っ張り、蜜が止まらぬ最前を未だ開きっ放しの暮羽の白く汚れた陰穴にあてがうと、風薙の涙混じりの叫びに暮羽の引き攣れた声が重なった。
「や、やめろ! そいつに、こンな事、させないでくれ! そいつに、だけは……ッ!!!」
そいつを巻き込みたくない。穢したくない。其処まで言う筈だった言葉は唐突な圧迫感によって封じ込められた。衝撃に大きく開いた眼をそのまま恐る恐る発生源へと動かした暮羽は、自分の両足の中心に入っている風薙の股倉の存在に気付いて裏返った悲鳴を発し、恐らく相手の近くにいる大男が風薙の腰を押すなり何なりして彼に望まぬ挿入を強いたのだろうと後輩への惻隠と己の結合部に響く痛みに顔を歪めた。
だが、果たして風薙にとってそれは本当に“望まぬ”挿入だったのだろうか。
「あ、うぁ……」
風薙の眼底を厚く覆っていた塩水はいつしか乾いて姿を消し、その眼の奥に汚濁の渦が生まれ始める。
あぁ、俺の妄想が現実になろうとしている。
いや、駄目だ。これは、いけない事だ。早く、早く、抜かなければ。
本能と理性が派手に争い始める中で、溜まりに溜まった肉欲の加担もあって、かなり優勢となっている本能が風薙の腰を大きく突き出させる。
「んあ、あ、あぁあぁっ!! く、暮羽さんの、お、おお尻、気持ちい、いいいぃくぅうぅう!!」
「えッ!? あ、か、風薙……そ、そンな、う、そ、い、ぃぁああぁああ……!!」
密かに焦がれていた暮羽の温かな肉に優しく抱擁された瞬間、一週間使われなかった風薙の肉銃は呆気なく白弾を暮羽の肉筒に発射した。暮羽と繋がった途端に背中を仰け反らし、上ずった声で叫びながら腰を小刻みに数度振った風薙の明け透けな動きと、その直後に小さくしゃくりあげ始めた暮羽のベソかき顔から、見物していた男達も風薙の速射に気付いて哄笑した。
「マジ!? もうイッたのかよ! 早漏過ぎんだろ!!」
「ヤりたい盛りの男が一週間近く溜めてたんだから許してやれって。今度はもうちょっと持ってくれるよな? ハハハハハ!!」
「はぁっ! はっ、はぁ! 暮羽さん、暮羽さん……!!」
自分宛ての男の嗤笑が聞こえている筈なのに、風薙は男達には全く目もくれず、ただただ欲求のままに尻を前後左右に揺すって己の欲棒を暮羽の肉襞にゴシゴシと擦り付けた。
「ひっ、か、風薙ッ、い、痛ッ……! ら、乱暴に、しす、ぎ、あぁあ!!」
自分が動く度に聞こえる暮羽の裏声含みの嬌声が何とも耳心地良く、風薙の瞳の中心に辛うじて残っていた理知の光も萎んで消えて行く。
俺は今暮羽さんの尻穴にちんちんを突っ込んでいる。俺は今、暮羽さんを犯している。俺は、今、暮羽さんとセックスしている。そう、俺は、今、暮羽さんと、愛し合っている!
長きにわたる異常な監禁生活による疲弊と奸凶達の毒手によって歪められた精神と長い間お預けを食らっていた暮羽に対する獣欲は、理性や冷静な判断と言った邪魔物を洗いざらい追い払い、今や本能のままに動く怪物と化した風薙は双眸を野性的にギラつかせ、涎の糸を口の中で引きながら声高く嘶いた。
「あぁあああ!! ああああ!!! 凄い! ヤバイ! 暮羽さんの肛門凄くヤバイ!! 暮羽さんのエロエロアナル気持ち良すぎて、俺スゴくエッチになって腰が勝手に動いて止まらないよぉ!! あっあっあっ
腰! 俺、腰を犬みたいにみっともなくヘコヘコしちゃってる!! だって、だって、く、暮羽さんのケツマン最高だがらぁあああ!!! い、ぃひいぃいい
」
街を歩けば、擦れ違う者を大抵振り向かせていた風薙の端整な顔は、狂気と快楽に全てを征服されて醜く変貌していた。指をスルスルと通しそうな艶やかな青髪をグシャグシャに振り乱し、睫毛の長い大きな瞳の殆どは白目となり、すっと伸びた鼻からは糸引く粘液を零し、少し肉が薄めの薔薇色の唇はニタニタと不気味な笑みの形に歪ませて涎をだらしなく垂れ流し、その口からは自分を甘く酔わせてくれる悦楽への率直な感想を下劣な単語を駆使して喚いていた。調子っぱずれのカラスのような声でギャアギャアと。
「あーあ、後輩ちゃんぶっ壊れちまった。可愛い顔が台無しじゃねぇか」
わざとらしい呆れ声を零しながらも、ここまで深く繋がれば手助けは無用であろうと暮羽の両足を掴み広げていた人間が絡み合う二人から離れると、風薙は目障りな存在が消えたと狂喜の笑いをぶちまけ、暮羽のすっかり細くなった身体へとむしゃぶりついた。
暮羽はひたすら風薙の名と制止の言葉を何処か甘さが増してきた掠れ声で繰り返していたが、呼ばれている方はまるっきり聞こえていないらしく、自由な動きを妨害する鉄の鎖に普段の彼なら決して言わぬであろう汚い罵声を吐きながら、暮羽のあばらが浮きかけた腹部に頬擦りをし、雨露に濡れた蜘蛛の糸のような唾液を引く舌を伸ばしながら、顔を胸元へと移して、小豆のようなそれを舐り、吸い、蛇のようにチロチロと舌で転がしている間も、その下半身は彼自身が表現したように盛りの付いた犬の如き激しい抽送を繰り返す。やがて、風薙に貫かれる前に暮羽の中に散々注ぎ込まれた別の男達の多量の精子が風薙の獣棒に刺激されたかの如く溢れ出し、それは肉棒で荒々しく掻き回されて泡立ち、その白い泡はブジュブジュと毒々しい水音を立てて二人の合体部から漏れ落ちて行った。
「ん、あ、あっ……か、風薙……や、やめろ、はぁ、はっ……やめ、て、く……うぅう!」
鎖を鳴らして必死に懇願する暮羽の甘く濡れた唇や涙が伝う紅い頬をベロベロと舐め、腰振る姿はまさに犬。誰かがポツリと呟いた。
「犬と雌豚の交尾だな」
誰かの一言に男達はどっと笑い、罵った。
「ぎゃははは!! こんだけ連日種付けされたら孕んじまうんじゃね?」
「くっ……!」
非常識な言葉を発する男に出来うる限りの強い非難の眼をくれつつも、暮羽の胸の奥に不安の種火が灯って燻り始める。
俺は男だから孕む訳がない。いや、もしかして俺が知らないだけで、これだけ男の精を受け容れ続けていると、身体が勘違いをして身篭ってしまうのだろうか。何せ人間は想像妊娠なぞする不可思議な構造をしているのだから。
男の吐いた台詞は、いつもの彼ならば“くッだらねェ”と鼻であしらう内容であったが、風薙と同じように奸賊達によって磨り減らされてしまった精神は冷静さや叡智と言う物を失っており、種火はみるみる燃え盛って全身を駆け巡り、恐怖と言う名の冷たい炎となって暮羽の身を震わせた。
「い、嫌だ……そンなの、嫌だ……」
炎を涙に変えて、混乱した顔を戦慄かせる暮羽の揺らぐ瞳にあどけなささえ感じる犬の顔がぬっと映り込んだ。ヒッと無意識に高い悲鳴を小さく漏らす暮羽の顔をじっと見詰める風薙が幼児のように無邪気に笑う。
「種付け? 孕む? え、えへへ、すごいドキドキする
く、暮羽さん、俺の子供身篭ってくれます……? 孕んでくれますよね? ね?!」
「!! ば、ばば馬鹿! てめェ、さっきから何言ってンだ!! た、頼む……お願い、だから、中に出すのだけはやめてくれ……こ、これ以上、中出しされて、もしもの事があったら……!」
最初の方こそ強かった語気もフェードアウトするようにか細くなっていき、最後は弱々しく哀願する暮羽の言葉を聞き取り理解する頭すら残っていないのか、風薙はきょとんとした表情のまま、スローテンポのメトロノームのように首をゆっくりゆっくり左右に傾げて、大きな双眸をパチパチとまじろいだ。
「風薙……」
暮羽が改めて嘆願する。頼りなく震えるその瞳、その唇、その声。
どれが、起爆剤になったのだろう。
「ッ!!? が、ぁ、かはっ……!」
頚動脈が潰れ、喉笛が砕け、息が止まった。白黒する眼が何とか捉えるのは喉元を強く押さえつける鉄の鎖。霞みかけた視野を必死にずらすと風薙が無垢な笑顔を取り戻して喉を圧しているのが辛うじて見えた。肩幅ほどの長さだった鎖を己の両手首に巻きつけ、少しでも力を強く込められる長さに調整したそれでギリギリと。容赦なく。暮羽のもがく手が喉元に触れるが、その動作だけで力を使い果たしてしまったのか、後は鎖をおぼつかなく引っ掻く位しか出来ない。
「おーい、殺すなよー」
本当に生命の危険を感じれば、全員で風薙を暮羽から引き剥がすつもりなのであろう男達の声からも切迫した様子は余りなかった。
「あ
あっ
暮羽さん、すごい
暮羽さんの首絞めたらおまんこキュウキュウしてきたぁ!! き、きき気持ち良い? 首絞められて気持ち良いですか? おれのちんこ、気持ち良いですか? 俺は暮羽さんのお肛門最高に気持ち良いですよ
ふふふふっ
」
「ぐ、けはッ……! か、かか、風、なぎ……や、やめッ……」
暮羽は閉じられた喉の僅かな隙間から辛うじて声を漏らしつつ、この生命の危機的状況の中で某所に妙な熱が集まって来ているのを鋭敏に感じた。
「あははははは!! 見ろよ、あいつのゆるちんこもガン勃ちしちまったぜ!!」
死の可能性も完全には否定出来ぬ状態の中で、何とか己の子孫を残そうと言う雄の本能だろうか、突如昂ぶった其処を男達の一人が気付いて指を差し、それに呼応して彼の仲間達もゲラゲラと笑い出す。まだ理性を残していた暮羽の聴覚と思考回路が鋭く反応し、枯れ果てたと思った涙がこんもりと眼の底に浮かんだ。
「嬉しい
暮羽さん、ちんちんフル勃起してくれて嬉しい
あっ、駄目。死んだら駄目です
」
「ぅぐっ、が、はっ、かはッ!! う、ぐぇほッ!! げほげほげほ!!」
暮羽の顔色を見て、余裕がない事を流石に風薙も感じたのか、押さえ付けていた鎖をゆっくりと相手の喉から離すと、暮羽は全身を波立たせて咽返り、不足していた空気を取り入れようと身体を引き攣らせながら、ヒュウヒュウと一心不乱に息を吸った。一時的に脳にまともに酸素が行き渡らなかったせいか、少しずつ暮羽の頭もボンヤリして来る。
……あー天井が霞む。うん? 地震か? 何かすげぇ身体が揺れてる。あ、揺れてるのは風薙が俺の身体にちんぽ入れて腰振ってるからか。パンパン、ぱちゅぱちゅって身体がぶつかってる。エロいよなぁ、この音。本当に、いやらしい。でもまぁ、風薙も、俺の身体で、悦んでるのなら、結構、嬉し……あれ? 俺、今、何を考えた……?
一瞬、足を踏み入れてはいけない世界への誘いを受けた気がして頭を幾度も振る暮羽の耳に、既に一歩踏み入れてしまったらしい風薙の裏声混じりの淫声が飛び込む。
「く、くく暮羽さん、き、気持ち良いっ、気持ち、よすぎて、も、もうっ、精子、出ますっ! く、暮羽さんのいやらしいケツマンにいーっぱい精液中出ししますから、全部飲んで、元気な赤ちゃん妊娠してくださいね
」
幾度も脳内で暮羽を穢す際に心の中で叫んでいた台詞を口に出せる嬉しさに頬をいがめる風薙の下半身が絶頂に向けて全速力を振り絞り、丸く膨れた種袋が何度も暮羽の蟻の通り道を打つ。
「はぁッ、はッ、だ、駄目、だ……! よせッ、頼む、から……あぁあ……マジで、もう、おかしく、なっちまうぅう……!」
拒んでも無駄であるのは充分に分かっているのだが、それでも嗄れた声で懇請する暮羽の表情は、憐憫と悲哀と困惑と恐怖と、ほんの少しの、本当に微かな歓喜が綯い交ぜになった複雑な物だった。
「あはっ
あはっ
見たいな
おかしくなった暮羽さん見てみたいな
きっと、物凄くエッチなんでしょうねぇ
」
暮羽の必死の願いも表情も、劣情に乗っ取られた風薙には全く響かず、彼は汚熱で蕩けた眸子をあちこちにウロウロさせながらも腰だけは規則的な動きを続ける。
そして、若き獣はついに念願を果たした。
「おあっ、あぁあひぁああ!! で、出る! 出る出る!! 出てる!! 俺、暮羽さんの危険日肛門に、子種いっぱいぶちまけてるうぅうう
ど、どうしよう、気持ちいい、気持ち良すぎて、精子止まらないっ! く、暮羽さんの尻の穴、熱く締まってて、お、女の子のっ、まんこより、ぎ、ぎもぢいいいぃ!!」
「あ、あッ、あぁああ゛あああ!!!! な、中に、腹の中に精子入って来てるッ!! ひ、ひぁああぁああ!!」
そう叫びつつも、実は暮羽もまた倒錯的な妄想に甘美な悦楽を確実に得ているようだった。その証拠に
「あ、あぁあ……こンなに中出しされたら、赤ちゃん出来る……妊娠、したくねェのに、デキちま、う……!!」
と、己が雌である事を認めるような言葉をブツブツと零し
「はぁっ、はぁっ、はぁッ! ん、んぅ……あっ、あぁぁ、は、孕む! 孕まされるッ……強制妊娠妄想しながら、ちんぽ扱いてイクッ……! あぁ、あぁあッ!! お、俺、雌扱いされてるのに、雄汁出しちまうぅうう!!!」
などと喚いて、猛る雄の象徴を乱暴に擦って爆発させ、雌がどうのこうの言いながらも雄の白蜜を撒き散らすと言う矛盾と醜態を晒した。
性別と言う物を完全に超越した二人の狂気的かつ淫靡な性交ショーを満喫した男達は卑湿な笑みを浮かべ、惜しみのない拍手を贈ってやった。ピアスの男と大男が呆けた様子の暮羽に声をかける。
「良かったなぁ。可愛い後輩に悦んで貰って
」
「後輩ちゃんはお前のケツ穴が気持ち良すぎるってさ。女のまんこよりイイとか最高の褒め言葉じゃね? 流石は雌豚だな」
「…………」
もはや、その言葉の通りに精も根も尽き果て、男の言葉にも全く反応を見せずにただボケッと蛍光灯の光を瞳孔に刺す暮羽の胸の上に、魂でも抜けたかのように風薙の身体が唐突に落ちてきた瞬間、暮羽の虚ろな顔がいびつな狂笑の形に変わる。
「あ、あはっ、あははははは……」
下がった眉尻、焦点の定まらぬ瞳、捩じれた唇、乾いた笑い。不気味に笑い続ける彼の頭の中で誰かが静かに呟いた。
――もう、いいよな? 俺、頑張ったよな?
誰かの優しい声に暮羽の眦から一粒の涙が耳へと流れ落ちる。それに伴って、心の核に爪を立ててしがみ付いていた理性もまた、古いかさぶたが取れるように呆気なくポロリと剥がれ落ち、仄暗い闇に吸い込まれていった。