DVDで観賞。
兵士たちが揃って星条旗を立てているあの像は本当に有名だけど、それにまさかこんな秘話があったとは知らず驚きだった。
そして、その裏に隠された苦くやりきれないストーリーも。
「旗を立てる」という行為は、たまたまその場にいたグループがたまたま上司に命じられて実行したにすぎないのに(しかも厳密には旗は二度、別々のメンバーによって立てられていた)、たまたま撮影されたその様子が新聞を飾り、あっという間に有名に。
戦争の資金稼ぎのキャンペーンにうってつけだと判断されるや否や、いきなり本国へ呼び戻される「被写体」メンバー。
いろいろな場へ借り出されもてはやされ、自分たちの意思に反して「ヒーロー」と祀り上げられ、その中で溺れそうになりながら必死にもがく彼らの様が痛々しい。
彼らの人生を確実に狂わせておきながら、使うだけ使ったらあとはポイ、という国側の態度にも驚き呆れてしまった。
「ヒーロー」の末路としてはあんまりじゃないかと思うような扱い。
戦地での戦いと本国での別の戦い、両方の過酷さと悲惨さを包み隠さず描写しつつ、決してオーバーな描き方はしないようにという感じで、全体のトーンは極力抑え気味にしているのがよかった。
「自分たちは英雄などではない」という悲痛な叫びも、HBO作品『Band of Brothers』で描かれたそれとはまた別のリアルさを含んでおり、重みのあるものとして印象に残った。
マイ評価:★★★☆☆
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